JP2004050462A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザによるPGの復帰操作忘れを防止して、もって適切な印刷結果を得る。
【解決手段】キャリッジ1は位置Pと、ホームポジション及びキャッピング位置としての位置Pとの間を往復動作領域とし、スライド部材21を右側にスライドさせることにより、記録ヘッド9を上方に変位させ、印刷用紙とのギャップを増大させる様に構成されている。位置Pの右側には突出部30がスライド部材21と係合可能に設けられている。ユーザの操作によってスライド部材21が右側にスライドした状態でキャリッジ1が位置Pに移動すると、スライド部材21が突出部30に突き当たり、スライド部材21が左側にスライドして、記録ヘッド9と印刷用紙とのギャップが通常状態に復帰する。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被記録材に記録を行う記録装置に関し、特に、記録ヘッドと被記録材との距離(PG:ペーパーギャップ)を調節可能な記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録装置の一つとしてインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)があり、プリンタは、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」と略称する)及びインク・カートリッジを有し、且つ、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジを備えている。
【0003】
被記録材としての印刷用紙は、給紙装置等の給紙手段によって搬送ローラへと給紙され、搬送ローラは、印刷用紙を記録ヘッド下へと一定ピッチで搬送する。搬送ローラによって搬送された印刷用紙は、記録ヘッドと対向する位置に設けられたプラテンによって下方から支持され、これにより、印刷用紙の印刷面と記録ヘッドとの距離(ペーパーギャップ:以下「PG」と言う)が規定される様になっている。
【0004】
ここで、適切な印刷品質を得る為にはPGを一定に保つ必要がある。従って、プリンタには一般に、印刷用紙の種類(厚さ)に応じてキャリッジを上方に変位させ、もってPGを調節するPG調節機構が設けられる。加えて、印刷用紙の種類(厚さ)に応じてPGを調節しても、印刷用紙がプラテンから浮き上がることによってヘッド擦れが発生し、印刷品質を低下させる場合がある為、前記PG調節機構よりも更にPGを微小に調節可能なPG微調節機構が更に設けられることもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の様な従来のPGを調節する機構においては、PGの調節はユーザの手操作によってその都度行われていたことから、例えば、ある印刷ジョブにおいてヘッド擦れが生じた為にPGを大なる方向に調節した後に、次の印刷ジョブを実行する場合にPGが元の状態に戻されず、PGが大なるまま次の印刷が行われ、これによって適切な印刷品質が得られないといった問題が生じていた。つまり、ユーザによるPGの復帰操作が行われないまま次の印刷が実行されるといった問題があった。
【0006】
そこで本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、その課題は、ユーザによるPGの復帰操作忘れを防止して、もって適切な印刷結果を得る様にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の記録装置は、被記録材に記録を行う記録ヘッドを備え、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジと、該キャリッジを主走査方向にガイドするキャリッジガイド軸と、を備えた記録装置であって、前記キャリッジを前記キャリッジガイド軸を回動軸として回動させることにより、前記記録ヘッドと被記録材とのギャップを変化させるギャップ調節手段と、前記キャリッジの主走査領域において前記キャリッジに設けられた前記ギャップ調節手段と係合可能に設けられ、前記キャリッジの移動動作によって係合することにより、前記ギャップ調節手段によるギャップ調節を実行させるギャップ調節手段係合部とを有することを特徴とする。
【0008】
本願請求項1記載の発明によれば、記録装置は、記録ヘッドと被記録材とのギャップを調節するギャップ調節手段をキャリッジに有し、また、キャリッジの主走査領域には、前記ギャップ調節手段と係合可能に設けられ、前記キャリッジの移動動作によって係合することにより、前記ギャップ調節手段によるギャップ調節を実行させるギャップ調節手段係合部を有するので、前記キャリッジを前記ギャップ調節手段係合部の位置にまで移動させることにより、ギャップ調節を実行させることができる。即ち、前記ギャップ調節手段係合部を設けたことにより、PG(ペーパーギャップ)をユーザの手によらずに前記キャリッジの移動動作によって自動で変化させることができ、もってユーザによるPGの復帰操作忘れを防止して適切な記録結果を得ることが可能となる。
【0009】
本願請求項2記載の記録装置は、請求項1において、前記ギャップ調節手段が、第1のギャップと、該第1のギャップよりも大なる第2のギャップとを切り替え可能に構成され、前記ギャップ調節手段係合部が、前記第2のギャップの状態にある前記キャリッジを、前記第1のギャップの状態に復帰させる様構成されたことを特徴とする。
本願請求項2記載の発明によれば、前記ギャップ調節手段が、第1のギャップと、該第1のギャップよりも大なる第2のギャップとを切り替え可能に構成され、前記ギャップ調節手段係合部が、前記第2のギャップの状態にある前記キャリッジを、前記第1のギャップの状態に復帰させるので、前記第1のギャップを通常用いるギャップとし、前記第2のギャップを、ヘッド擦れが生じた場合等に切り替えるギャップとすれば、前記ギャップ調節手段係合部によってギャップが通常用いる大きさに自動的に復帰し、もってユーザによるPGの復帰操作忘れを防止して適切な記録結果を得ることが可能となる。
【0010】
本願請求項3記載の記録装置は、請求項1または2において、前記キャリッジが、主走査方向に延びるガイド部材に係止する係止部を有し、前記ガイド部材に係止することにより、前記キャリッジガイド軸を中心とした回動が制止される様に構成され、前記ギャップ調節手段が、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入することによって前記キャリッジを前記キャリッジガイド軸を中心に回動させるスペーサ部材により、前記ギャップを変化させる様に構成されたことを特徴とする。
本願請求項3記載の発明によれば、前記キャリッジが、主走査方向に延びるガイド部材に係止する係止部を有し、前記ガイド部材に係止することにより、前記キャリッジガイド軸を中心とした回動が制止される様に構成され、前記ギャップ調節手段が、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入することによって前記キャリッジを前記キャリッジガイド軸を中心に回動させるスペーサ部材により、PGを変化させる様に構成されているので、前記スペーサ部材を前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入させるといった簡単な構成でPGの調節を行うことができ、もって前記ギャップ調節手段を簡単な構造にして安価に得ることができる。
【0011】
本願請求項4記載の記録装置は、請求項3において、前記スペーサ部材が、主走査方向にスライドすることにより、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入する様に設けられたことを特徴とする。
本願請求項4記載の発明によれば、前記スペーサ部材が、主走査方向にスライドすることにより、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入する様に設けられたので、スライド動作といった簡単な操作によってPGを調節することができると共に、キャリッジを主走査方向に移動させることによって前記ギャップ調節手段係合部に前記スペーサ部材を当接させ、もってPGを調節することができ、単純な構成にして安価に前記ギャップ調節手段及び前記ギャップ調節手段係合部を構成することができる。
【0012】
本願請求項5記載の記録装置は、請求項1から4のいずれか1項において、印刷ジョブ終了時に前記キャリッジを前記ギャップ調節手段係合部の位置に移動させることにより、前記ギャップを変化させる様構成されたことを特徴とする。 本願請求項5記載の発明によれば、記録装置は印刷ジョブ終了時に前記キャリッジを前記ギャップ調節手段係合部の位置に移動させることによってPGを変化させるので、これにより、次の印刷ジョブ開始時には例えばPGを通常状態に復帰させることができ、もって次の印刷ジョブにおいて適切な記録結果を得ることができる。
【0013】
本願請求項6記載の記録装置は、請求項1から5のいずれか1項において、前記ギャップ調節手段係合部が、前記記録ヘッドをキャップするキャッピング手段の配設位置近傍に設けられ、前記記録ヘッドをキャップすると共に前記ギャップを変化させる様構成されたことを特徴とする。
本願請求項6記載の発明によれば、前記ギャップ調節手段係合部が、前記記録ヘッドをキャップするキャッピング手段の配設位置近傍に設けられ、前記記録ヘッドをキャップすると共に前記ギャップを変化させる様構成されているので、例えば、PGを大なる様に調節した場合でも、記録ヘッドのキャッピング時には記録ヘッドを元の高さ位置に復帰させることができ、もって確実なキャッピングにより適切な記録ヘッドのメンテナンス動作を実行することができる。
【0014】
本願請求項7記載の記録装置は、請求項1から6のいずれか1項において、前記ギャップ調節手段による前記ギャップの変化量よりも更に前記ギャップを大きく変化させる第2のギャップ調節手段を備えていることを特徴とする。
本願請求項7記載の発明によれば、記録装置は前記ギャップ調節手段による前記ギャップの変化量よりも更に前記ギャップを大きく変化させる第2のギャップ調節手段を備えているので、これにより、被記録材の種類によって厚みの差が著しい場合でも、PGを適切に設定することによって適切な記録結果を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図8を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下では先ず、図1を参照しながら本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称する)100の構成について概説する。ここで、図1はプリンタ100装置本体の外観斜視図である。
【0016】
プリンタ100は、センタフレーム2及びサイドフレーム3、4によってその基体が構成されている。センタフレーム2は主走査方向に平行に立設され、サイドフレーム3、4はセンタフレーム2の両端部においてセンタフレーム2と直交する様に立設されている。
【0017】
プリンタ100は装置後方(図1の右上)から装置前方(図1の左下)へ印刷用紙(図示せず)を給送し、そして排出する構成となっていて、センタフレーム2の後方側には、図示しない給紙装置が取り付けられる様になっている。センタフレーム2の前方側には主走査方向に平行に延びる搬送駆動ローラ8が回動駆動される様設けられていて、該搬送駆動ローラ8に上から圧接して従動回動する搬送従動ローラ(図示せず)との間で印刷用紙を挟圧しながら、搬送駆動ローラ8が回動駆動されることにより、キャリッジ1の下部へと印刷用紙を一定ピッチで搬送する。
【0018】
次に、センタフレーム2の前方側には、キャリッジ1が配置される。キャリッジ1は略箱形の形状をなし、該略箱形の形状に、図示を省略するインク・カートリッジを搭載する様になっている。キャリッジ1の下部には記録ヘッド9(図3参照)が設けられ、前記インク・カートリッジから記録ヘッド9へとインクが供給される様になっている。
【0019】
記録ヘッド9の下部には、記録ヘッド9に対向する様にプラテン12が設けられている。プラテン12は搬送された印刷用紙を下から支持し、印刷用紙の印刷面と記録ヘッド9との距離(ペーパーギャップ:以下「PG」と言う)を規制する(図3参照)。そして、印刷用紙は、プラテン12によって下から支持された状態で記録ヘッド9からインク滴が吐出されることにより、印刷が実行される。
【0020】
印刷動作に際してキャリッジ9は、主走査方向に往復駆動される。キャリッジ9は、サイドフレーム3、4の間に架設されたキャリッジガイド軸5を挿通する様に設けられ、該キャリッジガイド軸5によってガイドされながら主走査方向に往復動作する。また、センタフレーム2の背面側においてサイドフレーム3の側にはキャリッジモータ7が取り付けられ、該キャリッジモータ7の回転軸(図示せず)に取り付けられた駆動プーリ(図示せず)と、サイドフレーム4の側に設けられた従動プーリ(図示せず)との間には、駆動ベルト6が巻回されている。キャリッジ9は駆動ベルト6の一部に固定され、これにより、キャリッジモータ7の回転動作がキャリッジ9の主走査方向への往復動作へと変換される。
【0021】
以上がプリンタ100の概要であり、以下、図2乃至図8を参照しながら、PGを調節する「ギャップ調節手段」の構成について説明する。ここで、図2はキャリッジ1近傍の外観斜視図(図1の部分拡大図)、図3はキャリッジ1の側面図、図4はギャップ調節手段20の外観斜視図(図2の部分拡大図)、図5はギャップ調節手段20の側面図(図5(A)は図3の、図5(B)図6の部分拡大図)である。また、図6はキャリッジ1の側面図、図7は図2のガイド部材15を取り去った状態を示す、ギャップ調節手段20の外観斜視図であり、図8はキャリッジ1の往復動作の様子を示す説明図である。
【0022】
先ず、図2及び図3を参照しつつ、キャリッジ1の取り付け構造について詳説する。図示する様に、キャリッジ1はキャリッジガイド軸5を軸通する為、キャリッジ1の自重によって図3の時計方向(記録ヘッド9がプラテン12に接近する方向)に回動する様なモーメント力が作用する。ここで、キャリッジ1のキャリッジガイド軸5を中心にした回動により、記録ヘッド9とプラテン12との距離、即ちPGが変化することから、キャリッジ1をキャリッジガイド軸5を中心に回動させる手段が、ギャップ調節手段となり、本実施形態に係るギャップ調節手段20は、この様にキャリッジ1をキャリッジガイド軸5を中心に図3の時計方向及び反時計方向に回動させる機能を果たす。
【0023】
次に、キャリッジ1の自重による回動は、センタフレーム2の上方に設けられたガイド部材15によって制止される。ガイド部材15は図3に示す様に板状体が折り曲げられることによって略コの字形の形状をなす様に形成され、そしてその略コの字形の形状の開口部が下方を向く様にして設けられることによってセンタフレーム2の上端部を覆う様になっている。そして、ガイド部材15は、平面視において図1及び図2に示す様にセンタフレーム2の上部を覆って主走査方向に延びる様な、主走査方向に長い形状をなしている。尚、センタフレーム2の上端部は、ガイド部材15を取り付ける為、図5に示す様に後方(図5の左側)にやや水平に折り曲げられている。
【0024】
一方、キャリッジ1の上部には図3及び図4(A)に示す様にセンタフレーム2のなす平面(垂直面)に沿う様な板形状をなすキャリッジ上端部1aが形成され、更にその中央部(主走査方向中央部)には、キャリッジ上端部1aから上方に突出する様な規制部1bが形成されている。また、キャリッジ上端部1aにおいて、規制部1bの右側(図4の右下方向)には係止部17が形成されている。
【0025】
ここで、キャリッジ上端部1aは、図3及び図5(A)に示す様にセンタフレーム2の上端部を覆う様に設けられたガイド部材15の内側に位置していて、そして図5(A)に示す様に、係止部17が、ガイド部材15の下方に折れ曲がった部分の内側の面(以下これを「摺動面」と言う)15aに接触可能な様に設けられている。従ってキャリッジ1は、図3及び図5(A)に示す様に、係止部17が摺動面15aに当接することで、前述したキャリッジガイド軸5を中心にした回動が制止され、これによって記録ヘッド9とプラテン12との距離が規制される様になっている。
【0026】
尚、キャリッジ1は主走査方向に往復駆動されるので、係止部17は、キャリッジ1の主走査方向への往復動作に際して摺動面15aと摺動することになる。
【0027】
続いて、図4(a)に示す様に、ギャップ調節手段20は「スペーサ部材」としてのスライド部材21と、ガイド部23と、隆起部25とから大略構成されている。スライド部材21は正面視において略コの字形の形状をなし、その開口側が右側(図4の右下方向)を向く様にして設けられ、そして主走査方向(図1の矢印方向)にスライド動作可能に設けられている。
【0028】
より具体的には、キャリッジ上端部1aにはブロック状のガイド部23が設けられていて、スライド部材21は、スライド動作に際して該ガイド部材23によってガイドされる。また、キャリッジ上端部1aには溝孔(図示せず)が形成されていて、スライド部材21の背面側には、該溝孔を挿通し、且つ、キャリッジ上端部1aの背面側と係合可能な係止突起(図示せず)が形成され、これによりスライド部材21は、キャリッジ上端部1aから脱落しないで、主走査方向(図1の矢印方向)にスライド動作できる様になっている。
【0029】
次に、スライド部材21の上部は、キャリッジ上端部1aの上縁部を跨いでキャリッジ上端部1aの背面側にまわりこむ様な形状となっていて、そしてその左側面(図4の左上側)は、規制部1bによってその左側へのスライド位置が規制される様になっている。
【0030】
そして、キャリッジ上端部1aにおいてガイド部23が設けられた位置からやや右側には、隆起部25が形成されている。隆起部25は、図4(A)に示す様に台形の形状をなし、図4(A)から図4(B)への変化に示す様に、スライド部材21が左から右にスライドすると、スライド部材21の下部が、隆起部25に乗り上げる様になっている。尚、以下では、スライド部材21が左側にある状態(図4(A)の状態)における当該スライド部材21の位置を「通常位置」と言い、スライド部材21が右側にある状態(図4(B)の状態)における当該スライド部材21の位置を「切替位置」と言うこととする。
【0031】
続いて、スライド部材21の上部には、摺動部21aが形成されている。摺動部21aは、スライド部材21が通常位置にある時には、係止部17よりも奥側(図5(A)では左側)に位置し、図5(A)に示した様に、係止部17と摺動面15aとの接触を妨げない様な位置に待避した状態となっている。ところが、スライド部材21が通常位置から切替位置にスライドすると、スライド部材21の下部が隆起部25に乗り上げる為、摺動部21aが係止部17よりも手前側(図5(A)の右側)に突出し、これにより、摺動部21aが、係止部17にかわって摺動面15aと接触する様になる。
【0032】
ここで、キャリッジ1は図3を参照しつつ説明した様にキャリッジガイド軸5を中心とした回動を係止部17によって制止されていたことから、スライド部材21が図5(B)に示す様に切替位置にスライドすると、キャリッジ上端部1aがやや後方側に動き、これにより、図3から図6への変化の様にキャリッジ1が反時計方向に回動し、これによってPGが増大する。また逆に、スライド部材21が切替位置から通常位置にスライドすると、キャリッジ1は、図6から図3への変化の様に時計方向に回動し、これにより、PGが小さくなる。
【0033】
以上説明した様に、ギャップ調節手段20は、スライド部材21のスライド動作によってキャリッジ1を僅かに回動させ、これによってPGを2つの状態、即ち、スライド部材21が通常位置にある際の「通常PG」の状態(図3の状態)と、スライド部材21が切替位置にある際の「PG大」の状態(図6の状態)との2つの状態に切り替える様になっている。
【0034】
ここで、「通常PG」は、印刷用紙に適切に印刷が実行されている際の状態であり、「PG大」は、ヘッド擦れが生じた際に、ユーザがスライド部材21をスライドさせることによってなされる状態である。
【0035】
尚、プリンタ100は、キャリッジガイド軸5の高さを調節することにより、ギャップ調節手段20によるPG調節量よりも更に大きくPG調節を行うことが可能な第2のギャップ調節手段(図示せず)を有していて、これによって種々の厚みを持った印刷対象(例えば、普通紙、ボード紙、等)に対応して適切な印刷結果を得ることができる様になっている。
【0036】
ところで、図4(A)において符号21bは摘み部であり、ユーザは、該摘み部21bを摘むことによってスライド部材21を左右にスライドさせることができる様になっている。また、スライド部材21の下部表面に刻印された、左右方向を示す表示部21d、21eは、スライド部材21のスライド方向を示す為のものであり、これにより、スライド部材21の操作方法が視覚的に(直感的に)外部から判断可能となっている。
【0037】
続いて、図1に示すセンタフレーム2において、0桁側(図1の右下:サイドフレーム3の側)には、図7に示す様に「ギャップ調節手段係合部」としての突出部30が設けられている。突出部30は、図7に示す様にスライド部材21の上部右側(符号21cで示す部分。以下これを「突き当て部21c」と言う)と当接可能な位置に設けられている。
【0038】
ここで、キャリッジ1の往復動作可能領域の右端部分には、記録ヘッド9のキャッピング手段13(図8参照)が設けられている。キャッピング手段13は記録ヘッド9をキャップし、キャップすることにより、例えばインク・カートリッジ交換時に記録ヘッド9のノズル孔(図示せず)へ新しいインクを導く為に、或いは、前記ノズル孔のインクの目詰まりを防止する為に、キャップ内に負圧を生じさせてインクを吸引する機能を果たす。尚、キャッピング手段13が設けられた位置は、キャリッジ1の待機位置(以下「ホームポジション」と言う)となっている。
【0039】
図7に戻って、突出部30は突き当て部21cと当接可能な位置に設けられているので、スライド部材21が切替位置にある状態のキャリッジ1が、前記キャッピング手段13による記録ヘッド9のメンテナンスを受ける為に、ホームポジションに移動すると、突き当て部21cが突出部30に当接し、これにより、切替位置にあったスライド部材21は通常位置に復帰する。
【0040】
図8はこの様子を簡略図示したものである。図8においてキャリッジ1は最も左側の位置Pと最も右側の位置Pとの間を往復動作可能領域とし、最も右側の位置Pは、前述した記録ヘッド1がキャッピング手段13によるキャッピングを受ける位置である。図8(a)に示す様に、スライド部材21が切替位置にあるキャリッジ1が、左方向から右方向へ、位置Pに向かって移動すると、図8(b)に示す様に突き当て部21cが突出部30に当接するとともに、キャッピング手段13が記録ヘッド9に向かって上昇を始める。
【0041】
そして、更にキャリッジ1が位置Pに向かって移動すると、スライド部材21が通常位置に復帰して「通常PG」の状態となり、やや上方に位置していた記録ヘッド9が下方に変位して通常位置に戻り、そしてこの状態で記録ヘッド9のキャッピングが完了する(図8(c)の状態)。
【0042】
即ち、ユーザによってスライド部材21が切替位置に操作されると「PG大」となるが、これは、当該印刷ジョブにおいて必要となった為に実行されたものであり、次の印刷ジョブにおいて「PG大」のまま印刷が行われると、適切な印刷品質が得られないことになる。しかし、上述の通りキャリッジ1をホームポジション側に移動させることによって、ユーザの手によらず「PG大」から「通常PG」へ自動的に復帰させることができ、これによってユーザの復帰操作忘れを防止して適切な印刷結果を得ることが可能となる。
【0043】
また、本実施形態においては、「ギャップ調節手段係合部」としての突出部30がキャリッジ1の往復動可能領域においてキャッピング手段13の位置に設けられていることから、記録ヘッド9をキャッピングする際には記録ヘッド9は必ず元の高さ(通常位置)に復帰し、これによって適切なキャッピング動作を実行することができる様になっている。
【0044】
ところで、本実施形態では、ギャップ調節手段係合部としての突出部30をキャリッジ1のホームポジション側に設けているが、スライド部材21のスライド動作を左右逆となる様に構成し、そして突出部30をホームポジションとは反対側(図8における位置Pの側)に設けても構わない。また、本実施形態ではスライド部材21は「通常位置」及び「切替位置」の2つのスライド位置(ポジション)を有し、もってPGを「通常PG」及び「PG大」の2段階に切り替える様に構成されているが、スライド部材21のスライド位置(ポジション)を3以上設けて、スライド部材21のスライド量に従って段階的にPGを切り替える様に構成することもできるし、また、この場合において突出部30に対するキャリッジ1の位置を精密に制御して、スライド部材21を任意の位置に復帰させるといったことも可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、記録装置は、記録ヘッドと被記録材とのギャップを調節するギャップ調節手段をキャリッジに有し、また、キャリッジの主走査領域には、前記ギャップ調節手段と係合可能に設けられ、前記キャリッジの移動動作によって係合することにより、前記ギャップ調節手段によるギャップ調節を実行させるギャップ調節手段係合部を有するので、前記キャリッジを前記ギャップ調節手段係合部の位置にまで移動させることにより、ギャップ調節を実行させることができる。即ち、前記ギャップ調節手段係合部を設けたことにより、PG(ペーパーギャップ)をユーザの手によらずに前記キャリッジの移動動作によって自動で変化させることができ、もってユーザによるPGの復帰操作忘れを防止して適切な記録結果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの装置本体の外観斜視図である。
【図2】キャリッジ近傍の外観斜視図(図1の部分拡大図)である。
【図3】キャリッジ(通常PGの状態)の側面図である。
【図4】ギャップ調節手段の外観斜視図(図2の部分拡大図)である。
【図5】ギャップ調節手段の側面図((A)は図3の、(B)は図6の部分拡大図)である。
【図6】キャリッジ(PG大の状態)の側面図である。
【図7】ガイド部材を取り去った状態を示すギャップ調節手段の外観斜視図である。
【図8】キャリッジの往復動作の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ
1a キャリッジ上端部
1b 突出部
2 センタフレーム
3、4 サイドフレーム
5 キャリッジガイド軸
6 駆動ベルト
7 キャリッジモータ
8 搬送駆動ローラ
9 インクジェット記録ヘッド
10 ノズルアレイ
11 排紙スタッカ
12 プラテン
13 キャッピング手段
15 ガイド板
17 係止部
20 ギャップ調節手段
21 スライド部材
21a 摺動部
21b 摘み部
21c 突き当て部
21d、21e スライド表示部
23 ガイド部
25 隆起部
30 突出部(ギャップ調節手段係合部)
100 インクジェットプリンタ

Claims (7)

  1. 被記録材に記録を行う記録ヘッドを備え、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリッジと、
    該キャリッジを主走査方向にガイドするキャリッジガイド軸と、を備えた記録装置であって、
    前記キャリッジを前記キャリッジガイド軸を回動軸として回動させることにより、前記記録ヘッドと被記録材とのギャップを変化させるギャップ調節手段と、
    前記キャリッジの主走査領域において前記キャリッジに設けられた前記ギャップ調節手段と係合可能に設けられ、前記キャリッジの移動動作によって係合することにより、前記ギャップ調節手段によるギャップ調節を実行させるギャップ調節手段係合部と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1において、前記ギャップ調節手段が、第1のギャップと、該第1のギャップよりも大なる第2のギャップとを切り替え可能に構成され、
    前記ギャップ調節手段係合部が、前記第2のギャップの状態にある前記キャリッジを、前記第1のギャップの状態に復帰させる様構成されたことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1または2において、前記キャリッジが、主走査方向に延びるガイド部材に係止する係止部を有し、前記ガイド部材に係止することにより、前記キャリッジガイド軸を中心とした回動が制止される様に構成され、
    前記ギャップ調節手段が、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入することによって前記キャリッジを前記キャリッジガイド軸を中心に回動させるスペーサ部材により、前記ギャップを変化させる様に構成されたことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3において、前記スペーサ部材が、主走査方向にスライドすることにより、前記ガイド部材と前記係止部との間に挟入する様に設けられたことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、印刷ジョブ終了時に前記キャリッジを前記ギャップ調節手段係合部の位置に移動させることにより、前記ギャップを変化させる様構成されたことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、前記ギャップ調節手段係合部が、前記記録ヘッドをキャップするキャッピング手段の配設位置近傍に設けられ、前記記録ヘッドをキャップすると共に前記ギャップを変化させる様構成されたことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項において、前記ギャップ調節手段による前記ギャップの変化量よりも更に大なる様に前記ギャップを変化させる第2のギャップ調節手段を備えている、
    ことを特徴とする記録装置。
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