JP4484390B2 - 複合円筒・円柱体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスリーブ付ロールのような複合円筒体(或いは複合円柱体)の、芯材とスリーブ材とが相互に接合された形で複合された製品を、安価な技術を集約して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、電気メッキラインにおいて被メッキ体である金属薄板にカソード通電するためのコンダクタロールに例をとって説明する。コンダクタロールは、前記金属薄板への転動接触通電端となるロール胴部の劣化・消耗が激しく、頻繁な修復を要するため、上記修復がスリーブ材の交換によって安価に行えるスリーブ付ロールが多用されている。スリーブ付のコンダクタロールにおいては芯材−スリーブ材界面を横切って数千アンペアの大電流が流れるので上記界面には均一な良導電性が要求される。また、スリーブ材の着脱が容易に行えることが好ましい要件となる。
【0003】
このため、上記芯材とスリーブ材の複合は、従来、焼嵌めによって行っていた。しかしながら、焼嵌めは工程が複雑でコストがかかるという問題点があった。何故なら、焼嵌めは、ロール胴部の外周面を所定の外径寸法、真直度、真円度、粗度となるように機械加工し、また、スリーブ材についてもその内周面を所定の内径寸法、真直度、真円度、粗度となるように機械加工してロール胴部の外周面に焼嵌め可能な寸法、形状に正確に整え、その後、スリーブ材を、不都合な変質が生じない程度の低めの好適温度に加熱して熱膨張させた状態で、遊挿するという諸工程を経てロール胴部外周面にスリーブ材を嵌合させるものであり、上記高精度の機械加工とスリーブ材を終始好適な昇温状態に維持して嵌合のためのクリアランスを確保し続けることに熟練工による多大な工数と注力を要するからである。
【0004】
また、スリーブ材が銅などの軟質金属である場合には、ロールとして使用するうちに、スリーブ材の拡径変形が徐々に進んでロール胴部に対する嵌着力が早期に低下するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、コンダクタロールのように、ロール胴部等の芯材にスリーブ材を嵌合した構成の複合円筒・円柱体を容易に製造可能で、しかも、製造した複合円筒・円柱体における芯材とスリーブ材との機械的接合強度及び導電性を従来よりも増すことのできる、複合円筒・円柱体の製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、円筒状又は円柱状の金属製芯材に円筒状の金属製スリーブ材を同心状に複合させた構造の複合円筒・円柱体を製造するに当たって、両者をろう接する方法を採用し、そのろう接方法として、前記芯材とスリーブ材とをろう材介在スペースを見込んだ寸法関係で用意して同心配置し、両材の間の間隙内に、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様でろう材を鋳込んで行く方法を採用したものである。この構成により、芯材の外側にスリーブ材を同心配置する操作が、上記ろう材介在スペース分の間隙の存在により、従来の焼嵌めに比べてはるかに容易となる。また、ろう接に際しては、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様としたことで、ろう材中の気泡や不純物がろう材溶湯中を浮上して溶湯の低気孔化,清浄化が刻々進行し、これに追随して溶湯の凝固が進行する結果、芯材とスリーブ材とを低気孔かつ清浄なろう材で良好に接合できる。かくして、得られた複合円筒・円柱体は、芯材とスリーブ材とが良好にろう接されているので、芯材とスリーブ材との機械的接合強度が大きく、長期に亘って安定して使用でき、且つ芯材とスリーブ材との間の導電性にも優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で製造対象とする複合円筒・円柱体は、円筒状又は円柱状の金属製芯材と円筒状の金属製スリーブ材とを同心状に複合した形のものであれば、その構造、用途等は任意であり、例えば、ロール胴部の外周にスリーブ材を配した各種のロール、シャフト本体の外周にスリーブ材を配した各種のシャフト等を挙げることができる。特に、本発明によって製造した複合円筒・円柱体は、芯材とスリーブ材との間に優れた導電性を備えているので、コンダクタロール等の電気的導通が要求される用途に好適である。また、複合円筒・円柱体を構成する金属製芯材及び金属製スリーブ材の材質や形状も、特に限定されるものではなく、複合円筒・円柱体の用途に応じて適宜定めれば良い。更に、金属製芯材は、新規に製造したものに限らず、既存のものを利用してもよい。例えば、既存のスリーブ付ロールの補修に当たって、表面が摩耗或いは損傷したスリーブ材を除去した後のロール本体を芯材とし、その上に新規に製造したスリーブ材を配してスリーブ付ロールを補修する場合に本発明を適用できる。以下、コンダクタロールの胴部として使用する、鋼製の中空円筒状の芯材と銅製のスリーブ材とを備えた複合円筒体を製造する場合を例にとって、本発明の実施形態を説明する。
【0008】
上記したように、本発明は芯材とスリーブ材とをろう接するに際して、芯材とスリーブ材とをろう材介在スペースを見込んだ寸法関係で用意して同心配置し、両材の間の間隙内に、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様でろう材を鋳込んで行って前記ろう接を行うことを特徴とする。この方法の実施に当たって、ろう材溶湯の補充には種々の方法を採用できる。以下その代表的なものを示す。
【0009】
図1、図2は本発明の第一の実施形態を示すものである。まず、図1(a)に示すように、鋼製の芯材1と銅製のスリーブ材2を用意し、芯材1の外周面及びスリーブ材2の内周面を所定の寸法、真直度、真円度、粗度となるように機械加工する。この際の加工精度は、従来のコンダクタロールの製造において焼嵌めを行う場合の加工精度に比べて低くてよく、このため、機械加工工数を大幅に削減できる。また、芯材1の外径とスリーブ材2の内径は、両者を常温で同心状に配置した際、両者の間にろう材を満たしてろう接することができるように適当な間隙が生じるように設定する。同心配置状態での芯材−スリーブ材間の間隙の寸法としては、間隙内に補充されたろう材溶湯内の気泡や不純物の浮上を容易にする上から、0.5mm以上に設定することが好ましく、また、ろう材の使用量を削減する上からは2mm以下とすることが好ましい。
【0010】
次に、図1(b)に示すように、スリーブ材2の内周面にろう材3をメッキまたは溶射する。メッキの場合はスリーブ材2を回転させ、フラックスを用いて行ってよく、また、溶射は、ろう材に成ったものを溶射してもよいし、ろう材のA成分の線材とB成分の線材を用いてアーク溶射を行い、擬合金態のろう材層を形成させるようにしてもよい。更には、溶射層にフラックス存在下で再溶融処理を施しておくのもよい。上記メッキ層等の付着量は、芯材とスリーブ材を同心配置した時に両者間に生じる間隙にほぼ等しく設定しておくことが望ましい(付着量不足の補償については後述する)。なお、スリーブ2の内周面にろう材3をメッキまたは溶射する代わりに、芯材1の外周面にろう材のメッキ層または溶射層を施してもよいし、芯材1の外周面及びスリーブ材2の内周面の両方にろう材のメッキ層または溶射層を施してもよい。また、芯材1が、鋼材等、ろう接が特に容易ではない材質のものであるときは、芯材1の外周面にはろう材のメッキ層(又は溶射・再溶融処理層)を薄目に形成し、スリーブ材2の内周面にはろう材を溶射したままの層を厚目に形成するといった形態も有用である。
【0011】
次に、図1(c)に示すように、芯材1とスリーブ材2とをろう材3の融点以下の温度で焼嵌めする。この焼嵌めは、従来のコンダクタロールの製造において芯材(ロール胴部)とスリーブ材とを直接焼嵌めして接合した場合に比べてはるかに容易である。すなわち、本実施形態における焼嵌めは、単に芯材1とスリーブ材2とをろう材3のメッキ層を介して嵌合させるのみでよく、強固に接合させる必要はないので、スリーブ材2の加熱温度をあまり高くしなくても芯材1外周のろう材3との間に嵌合操作に要する間隙を十分形成でき、しかもろう材3のメッキ層等は柔らかくて潤滑剤の役割を果たすため、容易に焼嵌めできる。
【0012】
次に、図2に示すように、嵌合した状態の芯材1とスリーブ材2をほぼ垂直に立てて支持台5に保持させる。この時、芯材1とスリーブ材2の間の間隙の下端から、溶けたろう材が漏れないよう、芯材1とスリーブ材2を支持台5に適当な手段(図示せず)で押し付ける構成とすると共に適当なシール材を配置しておく。この状態で、誘導コイル7を芯材1内に通し、芯材1を下端から、ろう材3の溶融温度以上に誘導加熱しながら、その誘導コイル7を上昇させてゆく。これにより、ろう材3が下端部分から溶融し、その溶融位置が上昇してゆくと共に、先に溶融した部分が凝固して行く。すなわち、芯材1とスリーブ材2の間の間隙に対するろう材溶湯の補充とその後の凝固が下方から上方へと順次進行してゆく。このように、ろう材溶湯の補充とその後の凝固が下方から上方へと順次進行してゆくことで、溶湯内における気泡や不純物が自動的に上昇してゆき、その後の凝固によって芯材1とスリーブ材2がろう接されてゆく。ここで、溶湯補充から凝固までの時間は、気泡や不純物の除去からは長い方がよいが、ろう材3と芯材1、スリーブ材2との間の合金層の発達を阻止する上からは短い方がよく、これらを考慮すると、30分程度以内に定めることが好ましい。以上の溶融・凝固操作を、芯材1とスリーブ材2の上端まで実施することで、芯材1とスリーブ材2は、気泡や不純物のないろう材層によってろう接される。なお、この溶融・凝固操作の際、芯材1とスリーブ材2の間のろう材3が不足する場合には、上端から溶融状態のろう材を供給すればよい。また、上記順次溶融操作を、焼嵌め体の中途高さから開始する形態の操作を、嵌合体の上下を反転させて2回繰り返すようにすると、前記下端部のシール処置を省略できる。
【0013】
以上によって、芯材1とスリーブ材2がろう接された複合円筒体が製造される。得られた複合円筒体では、芯材1とスリーブ材2が気泡や不純物のないろう材層によってろう接されているので、芯材1とスリーブ材2の接合強度が大きく且つ両者間の通電抵抗が均一且つ極小になっており、優れた導電性を発揮する。かくして、コンダクタロールとして使用するのにきわめて有効な複合円筒体を得ることができる。
【0014】
なお、上記した実施形態では、芯材1の内側に誘導コイル7を挿入して、芯材1を、或いは芯材1とスリーブ材2とを誘導加熱し、その熱でろう材3を溶融しているが、誘導コイルをスリーブ材2の外側に配置し、スリーブ材2を、或いはスリーブ材2と芯材1を誘導加熱する構成としてもよい。また、ろう材溶融のための加熱方法は、誘導加熱に限らず、他の方法、例えば、バーナーによる加熱を用いても良いが、誘導加熱を採用すると所望領域を敏速に、所望温度に容易に加熱できる利点が得られるので好ましい。
【0015】
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。図1(a)に示した場合と同様に、まず、芯材1とスリーブ材2を用意し、芯材1の外周面及びスリーブ材2の内周面を所定の寸法、真直度、真円度、粗度となるように機械加工する。芯材1の外径とスリーブ材2の内径は、両者を同心状に配置した際、両者の間にろう材を満たしてろう接することができるように適当な間隙が生じるように設定する。その間隙の寸法としては、間隙内にろう材溶湯を流し込んで均一に満たすことを可能とし且つ間隙内に供給したろう材溶湯内の気泡や不純物の浮上を容易にする上から、0.5mm以上に設定することが好ましく、また、ろう材使用量を削減する上からは2mm以下とすることが好ましい。
【0016】
次に、芯材1の外周面とスリーブ材2の内周面にろう材のメッキ層(又は溶射・再溶融層)を施しておく。ここで形成したろう材のメッキ層等は、芯材1とスリーブ材2とをろう接する際のプライマーの役割を果たすものであり、極く薄くて良い。
【0017】
次に、図3に示すように、芯材1とスリーブ材2とを同心配置し、芯材1とスリーブ材2の間の間隙10の下端を、支持台11で閉じた状態で、全体を傾斜させる。ここで、芯材1とスリーブ材2を同心配置するには、芯材1とスリーブ材2をそれぞれ別の保持部材で両者が同心状になるように保持してもよいが、この代わりに、芯材1とスリーブ材2の間の間隙内に、一定厚みの複数個の埋殺しスペーサ(図示せず)を、軸線方向にも作用する形で周方向に飛石配置することが好ましい。具体的な形態としては、周方向の4個所程度に金属線を全長配置した形態あるいは、L字形の金属板切片を両端部に配置した形態を例示できる。この埋殺しスペーサを用いることで、芯材1とスリーブ材2を容易に同心状に保持することができる。埋殺しスペーサは、芯材1とスリーブ材2の間にろう材を満たしてろう接した際、そのまま埋め込んだままとしておくものであり、それ自体がろう接されやすい銅系金属製のものが適している。
【0018】
次に、芯材1とスリーブ材2の間の間隙10の上端の下部領域から、間隙10内にろう材3の溶湯を供給する。これにより、供給された溶湯は、スリーブ材2の内部の谷底側を湯道として流下し、芯材1とスリーブ材2の間の間隙10を下端部分から満たして行く。この際、溶湯が流下する湯道と、溶湯が新たに行き亘る部分とをろう材の融点以上の温度に保持するよう、芯材1及び/又はスリーブ材2を局部的に加熱してゆく。この加熱は、誘導加熱、バーナー加熱等公知の方法を適宜使用すればよい。一方、先に溶湯を満たした領域は、放冷することで温度が下降し、その部分の溶湯は凝固する。かくして、芯材1とスリーブ材2の間の間隙10には、その下端部分から溶湯が補充され、溶湯の補充領域が徐々に上昇してゆくと共に下端部分から徐々に凝固が進んで行く。すなわち、芯材1とスリーブ材2の間の間隙内に、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様でろう材が鋳込まれて行き、ろう接が行われる。このように、ろう材補充とその後の凝固が下方から上方へと順次進行してゆくことで、溶湯内における気泡や不純物が自動的に上昇してゆき、その後の凝固によって芯材1とスリーブ材2がろう接されてゆく。
【0019】
そして、図3(b)に示すように、芯材1とスリーブ材2の間の間隙10に、溶湯注入位置まで溶湯を満たした後は、芯材1及びスリーブ材2を垂直となる状態まで起こして行きながら、間隙10の上端から溶湯を更に注入し、凝固させる。以上の操作により、芯材1とスリーブ材2は、気泡や不純物の少ないろう材層によってろう接されることとなり、芯材1とスリーブ材2がろう接された複合円筒体が製造される。得られた複合円筒体では、芯材1とスリーブ材2が気泡や不純物の少ないろう材層によってろう接されているので、芯材1とスリーブ材2の接合強度が大きく且つ両者間の通電抵抗が均一且つ極小になっており、優れた導電性を発揮する。かくして、コンダクタロールとして使用するのにきわめて有効である。なお、この実施形態においても、溶湯の補充から凝固までの時間は、第一実施形態と同様に30分程度以内に定めることが好ましい。
【0020】
上記した実施形態において、図3に示すように、芯材1及びスリーブ材2を傾斜状態にしてろう材溶湯を注入しているが、この代わりに芯材1及びスリーブ材2を始めから垂直状態として上端から溶湯を注入してもよい。しかしながら、実施形態に示したように、傾斜状態としておくと、溶湯の流れる湯道が複数本形成されることがなく、これによって、芯材1とスリーブ材2の間の狭い間隙の全体に溶湯を良好に送り込むことができる利点が得られる。
【0021】
更に、ろう材溶湯の注入は芯材1及びスリーブ材2の間の間隙の上端から行う場合に限らず、下端から行うことも可能である。図4はその場合の実施形態を示すものである。この実施形態では、芯材1とスリーブ材2を同心配置した状態で垂直に保持する支持台15の周囲にろう材の溶湯浴16を位置させると共に、その支持台15には溶湯浴16から支持台15上に乗せた芯材1及びスリーブ材2の間の間隙10に通じる通路18を円周方向に適宜間隔をあけて複数個設け、更に溶湯浴16の上面に空圧を作用させうる構成としている。そして、この支持台15に、同心配置された芯材1とスリーブ材2を、両者間の間隙10の下端が通路18に通じるように且つその他の部分からはろう材が漏れないように取り付け、その状態で、その溶湯浴16の上面に空圧を作用させて、溶湯を間隙10の下端から押し上げて行く。この時、芯材1及びスリーブ材2は、間隙10に供給した溶湯が直ちに凝固することがないように、予熱しておく。そして、間隙10に溶湯を充満させた後、その下端から冷却を行って溶湯を凝固させてゆく。この方法によっても、溶湯内の気泡や不純物を上昇させながらろう材を凝固させることができ、芯材1とスリーブ材2を良好にろう接することができる。
【0022】
以上に説明した各実施形態において、芯材1とスリーブ材2の同心配置に先立って、両者の被ろう接面に、メッキ層等を施した場合はその上からフラックスを塗布しておくことにより、上記間隙内に補充されたろう材溶湯が被ろう接面を確実に濡らすところとなって良好なろう接が行える。また、芯材1とスリーブ材2の間へのろう材の鋳込みは、通常は常圧下で行うが、必要に応じ、芯材1とスリーブ材2の間の間隙の上端に負圧が作用するよう減圧下で行っても良い。減圧下で鋳込みを行うと、間隙内のろう材溶湯からの気泡の逸出を更に容易とすることができ、敏速に高品質のろう接を行うことができる。また、図4に示す実施形態では、間隙10の上端に負圧を作用させることで、間隙10の下端からの溶湯の供給を敏速に行うことも可能となる。またろう接の際に対象物に振動を加えることで、気泡の逸出を促進させることができる。特に、超音波振動が効果的である。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、金属製の芯材と金属製のスリーブ材とをろう材介在スペースを見込んだ寸法関係で用意して同心配置し、両材の間の間隙内に、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様でろう材を鋳込んで行く構成としたことにより、芯材とスリーブ材とをろう材で良好に接合し、機械的接合強度が大きく且つ導電性にも優れた複合円筒・円柱体を製造でき、しかもその製造工程で用いる技術はいずれも従来知られた安価に実施可能な技術であるので、結局、低コストで複合円筒・円柱体を製造できるという効果を有している。また、本発明で製造した複合円筒・円柱体は、芯材とスリーブ材とが良好にろう接されていて機械的接合強度が大きいので、長期に亘って安定して使用でき、しかも芯材とスリーブ材との間の導電性にも優れているので、コンダクタロールのように電流を流す用途にきわめて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)、(c)は本発明の第一の実施形態の工程を説明する概略断面図
【図2】第一の実施形態において、ろう材の溶融、凝固を行う状態を示す概略断面図
【図3】(a)、(b)は本発明の第二の実施形態の工程を説明する概略断面図
【図4】本発明の第三の実施形態におけるろう材溶湯の供給を説明する概略断面図
【符号の説明】
1 芯材
2 スリーブ材
3 ろう材
5 支持台
7 誘導コイル
10 間隙
11 支持台
15 支持台
16 溶湯浴
18 通路

Claims (7)

  1. 円筒状又は円柱状の金属製芯材と円筒状の金属製スリーブ材とをろう接した複合円筒・円柱体を製造する方法であって、前記芯材とスリーブ材とをろう材介在スペースを見込んだ寸法関係で用意して同心配置し、両材の間の間隙内に、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを下方から上方へ順次進める態様でろう材を鋳込んで行って前記ろう接を行うことを特徴とする複合円筒・円柱体の製造方法。
  2. 前記芯材の外周面、スリーブ材の内周面の少なくとも一方にろう材のメッキ層または溶射層を形成した上で、ろう材の融点以下の温度で両材を焼嵌めして前記同心配置を行い、次いで、上記メッキ層または溶射層に下方から順に移動式の再溶融処理を施して行くことにより、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを前記態様で進行させる、請求項1記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
  3. 前記芯材とスリーブ材とを同心配置したまま傾斜させた状態で、スリーブ材内部の谷底側を湯道として両材の間の間隙内にろう材溶湯を供給して行くとともに、溶湯が新たに行き亘る部分と湯道とをろう材の融点以上の温度に保持する操作を進めて行くことにより、ろう材溶湯の補充とその後の凝固とを前記態様で進行させる、請求項1記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
  4. 前記同心配置状態での芯材−スリーブ材間の間隙の寸法を0.5mm以上に設定して、間隙内に補充したろう材溶湯内の気泡や不純物の浮上を容易にする、請求項1から3のいずれか1項記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
  5. 前記間隙内に埋殺しスペーサを周方向に飛石配置して前記同心配置を容易にした、請求項4記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
  6. 前記ろう材の鋳込みを減圧下で行って、間隙内に補充したろう材溶湯からの気泡の逸出を容易にする、請求項1から5のいずれか1項記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
  7. 前記ろう材鋳込み時の前記溶湯補充から凝固までの時間を30分以下にして、ろう材と前記芯材,スリーブ材との間の合金層の発達を抑制する、請求項1から6のいずれか1項記載の複合円筒・円柱体の製造方法。
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