JP2008023567A - シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製ライナとシリンダブロックを形成する金属との密着性を十分に確保しつつ、該ライナをその内周面を用いて良好に位置決めすることができるシリンダブロックの製造方法を提供する。
【解決手段】ボア中子21として、テーパ形状に形成されたものを用いる。金属製ライナ3として、内周面がテーパ形状とされると共に、常温において、内径が前記ボア中子21の対応部分の外径よりも所定量ずつ小さく、かつ内径の大きい側の端部の内径がボア中子の小径側端部の外径よりも大きくされたものを用いる。ボア中子21を大径側が下向きとなるように配設する。ボア中子21に、金属製ライナ3を内径の大きい側が下向きとなる状態でボア中子21の外周面と金属製ライナ3の内周面とが当接するところまで上方から挿入する(図7の状態)。金属製ライナ3を加熱して熱膨張させることにより該ライナ3がボア中子21に対して所定の嵌合状態となるまで落下させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、金属製ライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックの製造方法に関し、鋳造技術の技術分野に属する。
エンジンのシリンダブロックの素材としては、軽量化のためにアルミニウム合金が用いられる場合があるが、アルミニウム合金はピストンとの摺動に対する耐磨耗性が鋳鉄と比較して劣るので、シリンダボアの内周面に例えば鋳鉄製のライナが設けられる場合がある。
このような構成の場合、例えば鋳型内にライナをセットした状態でアルミニウム合金の溶湯を充填することによりライナが鋳ぐるまれた状態のシリンダブロックを製造することとなるが、ライナの温度が溶湯よりも低いと、例えばライナに溶湯が接触したときに該溶湯がライナで冷却されて両者が十分に密着しない状態で溶湯が固まり、その結果、ライナとアルミニウム合金との密着性が十分に得られないという問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、ボア中子内にヒータを埋設して金属製のライナを予熱し、その状態でキャビティ内にアルミニウム合金の溶湯を充填することにより、鋳鉄製スリーブとアルムニウム合金との密着性を向上させたものが開示されている。
特開昭61−232039号公報
ところで、鋳鉄等の金属製のライナとアルミニウム合金との密着性をより高めるには、該ライナの外周面は粗い方がよく、これを実現するため例えば外周面に多数の凸部を設けることが考えられるが、このようにすると、外周面を用いてライナの位置決めを行えなくなるという問題がある。
そこで、ライナの位置決めを内周面を用いて行うことが考えられる。例えば、ベースとなる型に対して位置決めされた円柱状のボア中子に、円筒状のライナを挿入するのである。この場合、ライナのボア中子に対する嵌め合い精度、つまり位置決め精度を高めるため、ボア中子の外周面とライナの外周面とはほぼ同寸法として密嵌合とする必要がある。
しかし、このようにすると、ボア中子にライナを挿入すること自体が困難となるだけでなく、例えばボア中子が砂型により構成されている場合、ボア中子にライナを挿入する際、ライナが若干傾いたりするだけでボア中子にかじりが生じて損傷し、その結果、ライナが嵌合状態において傾いたり位置がずれたりして、良好な位置決め精度を得られないという問題がある。
そこで、本発明は、金属製ライナとシリンダブロックを形成する金属との密着性を十分に確保しつつ、該ライナをその内周面を用いて良好に位置決めすることができるシリンダブロックの製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、砂型のボア中子を有する分割鋳型を用いてシリンダボアの内周面に金属製ライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックを製造する方法であって、前記ボア中子として、一端側の外径が他端側の外径よりも大きくなるようにテーパ形状に形成されたものを用いると共に、前記金属製ライナとして、内周面がテーパ形状とされると共に、常温において、内径が前記ボア中子の対応部分の外径よりも所定量ずつ小さく、かつ内径の大きい側の端部の内径がボア中子の小径側端部の外径よりも大きくされたものを用い、まず、前記ボア中子を大径側が下向きとなるように型内に配設し、次いで、該ボア中子に、金属製ライナを内径の大きい側が下向きとなる状態で、ボア中子の外周面と金属製ライナの内周面とが当接するところまで上方から挿入し、次いで、該金属製ライナを加熱して熱膨張させることにより、該ライナがボア中子に対して所定の嵌合状態となるまで落下させ、その後、分割鋳型のキャビティ内に金属溶湯を充填することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のシリンダブロックの製造方法において、前記金属製ライナの外周面には、多数の凸部が設けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックの製造方法において、前記金属製ライナを加熱する手段は、高周波誘導加熱装置であることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載のシリンダブロックの製造方法において、前記分割鋳型は、金型と砂型とで構成されており、金型は、前記高周波誘導加熱装置による金属製ライナの加熱後に組み付けられることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の製造方法によれば、砂型のボア中子を有する分割鋳型を用いてシリンダボアの内周面に金属製ライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックを製造する場合に、前記ボア中子として、一端側の外径が他端側の外径よりも大きくなるようにテーパ形状に形成されたものを用いると共に、前記金属製ライナとして、内周面がテーパ形状とされると共に、常温において、内径が前記ボア中子の対応部分の外径よりも所定量ずつ小さく、かつ内径の大きい側の端部の内径がボア中子の小径側端部の外径よりも大きくされたものを用いる。そして、前記ボア中子を大径側が下向きとなるように型内に配設し、次いで、該ボア中子に、金属製ライナを内径の大きい側が下向きとなる状態で、ボア中子の外周面と金属製ライナの内周面とが当接するところまで上方から挿入し、次いで、該金属製ライナを加熱して熱膨張させることにより、該ライナがボア中子に対して所定の嵌合状態となるまで落下させる。つまり、ライナをボア中子に挿入するに際して無理に押し込まないので、ボア中子にかじりや破損が生じるのが防止され、その結果、ライナが傾いたり、配設位置がずれたりするのが防止され、良好な位置決め精度が得られることとなる。そして、分割鋳型のキャビティ内に金属溶湯を充填することによりシリンダブロックが鋳造される。その場合に、シリンダライナが加熱されているので、シリンダブロックを形成する金属との密着性が良好なものとなる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記金属製ライナの外周面には、多数の凸部が設けられているから、該金属製ライナとシリンダブロックを構成する金属(金属溶湯が冷却したもの)との密着性が一層良好なものとなる。金属製ライナの外周面に多数の凸部が設けられていると、金属製ライナの外周面を位置決めに利用できないが、特にこのような場合に、請求項1に記載の発明の効果が発揮される。
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記金属製ライナを加熱する手段は、高周波誘導加熱装置であるから、砂型を加熱することなく、金属製ライナのみを効果的に加熱することができる。
ところで、分割鋳型に注入された溶湯の冷却を促進するために、分割鋳型の一部を金型で構成することが考えられるが、この場合、請求項3のように金属製ライナを加熱する手段として高周波誘導加熱装置を用いると、金型も加熱されてしまい、結果として、十分な冷却促進効果が得られない虞がある。
しかし、請求項4に記載の発明によれば、金型は、高周波誘導加熱装置による金属製ライナの加熱後に組み付けられるから、金型が加熱されることがなく、その結果、金型により溶湯の冷却を確実に促進することができる。
以下、本発明の実施の形態に係るシリンダブロックの製造方法について説明する。
図1は本実施の形態に係るエンジンのシリンダブロック1の概略平面を示している。このシリンダブロック1は、アルミニウム合金製であり、シリンダボア2…2の内周面には鋳鉄製のライナ3…3がそれぞれ設けられている。シリンダボア2…2の周囲にはウォータジャケット4,4が設けられている。ライナ3は、円筒状のものであり、図2に示すように、その外周面には突出量が一定しない多数の凸部3a…3aが全面的に形成されている。なお、これらの凸部3a…3aは、ライナ3…3が素材としての段階で予め形成されており、ライナ3の外周面とシリンダブロック1自体を構成するアルミニウム合金との密着性を向上させることを目的として設けられている。なお、本発明は、シリンダブロックがアルミニウム合金以外の種々の金属の場合にも適用可能である。、
図3は、このシリンダブロック1の鋳造用の鋳型10を示している。この図に示すように、鋳型10は、シリンダブロック1の外面側を形成させる複数の砂型11〜17と、これらの複数の砂型11〜17で形成される内部空間に配設され、シリンダボアを形成させるボア中子21…21と、クランクシャフトの回転空間を形成させるクランク中子22と、ウォータジャケットを形成させるウォータジャケット中子23とにより構成され、ボア中子21には、ライナ3が嵌め込まれ、前記内部空間におけるライナ3及びこれらの中子21〜23が存在しない残りの空間の上部が金属溶湯が充填されるキャビティX、下部が押し湯Yとされている。なお、これらの砂型11〜17及び中子21〜23の造型には公知の方法が利用可能であり、詳細な説明は省略する。
次に、シリンダブロック1の製造方法について説明する。
ここで、本実施の形態においては、前述のようにライナ3の外周面に突出量が一定しない多数の凸部3a…3aが形成されているため、該ライナ3の位置決めにライナ3の外周面を利用することができない。そこで、ライナ3の内周面を位置決めに用いることとしている。しかし、内周面を用いた位置決め方法として背景技術で説明したような方法を用いると、ボア中子が砂型により構成されている場合に、良好な位置決め精度を得られないという問題がある。そこで、本実施の形態においては、以下説明するような方法により、ライナ3をボア中子21に挿入するようにしている。
すなわち、ボア中子21及びライナ3として、図4、図5に示すような形状寸法のものを用いる。
ボア中子21は、図4に示すように、中心軸上に、ロッド挿入孔21aを有している。該ロッド挿入孔21aは、後述するライナ予熱装置41の加熱用ロッド41が挿入されるもので(図7参照)、分割鋳型10を組み立てた状態において、クランク中子22に形成されたロッド挿入孔22aに連続する(図3参照)。また、ボア中子21は、一端側(図4における下端部)の外径x2が他端側(図4における上端部)の外径x1よりも大きく、外周面がボアの中心線方向に対してθ°傾斜したテーパ形状とされている。一例として、具体的数値をあげると、一端側(下端部)の外径x2が88.6mm、他端側(上端部)の外径x1が約83.6mm、高さx3が約143mm、θが約2°である。
一方、ライナ3は、図5に示すように(外周面の凸部3a…3aの記載は省略している。図6〜図8において同じ)、中空円筒形状とされており、一端側(図5における)下端部の内径y2が他端側(図5における上端部)の内径y1よりも大きく、内周面がライナ3の中心線方向に対してθ°傾斜したテーパ形状とされている。なお、ライナ3の内径y1,y2は、ボア中子21の外径x1,x2よりもそれぞれ所定量ずつ小さくされている。なお、一端側と他端側との間の部分においても、同様に所定量ずつ小さくされている。ライナ3の内径の大きい側(下端部)の内径y2はボア中子21の小径側の端部の外径x1よりも大きくされている。一例として、具体的数値をあげると、一端側(下端部)の内径y2が88mm、他端側(上端部)の内径y1が約83mm、高さy3が約143mm、外径y0が約93mm(凸部3a…3aを除く外周面の基面となる部分の径)、θが約2°であり、ライナ3の内径y1,y2は、ボア中子21の外径x1,x2よりもそれぞれ0.6mmずつ小さくされている。なお、この量は、ライナ3を後述するように約500°まで加熱したときのライナ3の径方向の熱膨張量とほぼ同じ量とされている。
まず、図6に示すように、ボア中子21を大径側(外径がx2の側)が下向きとなるようにクランク中子22の上面22bの所定位置に固定する。ここで、クランク中子22における、ボア中子21が固定される部分の周囲には、輪溝22cが形成されている。この輪溝22cの内径u1は、ボア中子の大径側の外径x2と同じまたは若干小さくされ、外径u2は、ライナ3が約500°まで加熱されて膨張したときの外径y0′(図8参照)よりも小さくされている。
次いで、図7に示すように、ボア中子21に、ライナ3を内径が大きい側(内径y2の側)が下向きとなる状態で、上方から挿入する。その場合に、前述のようにライナ3の内径y2が、ボア中子21の大径側(下端部)の外径x2よりも小さくされている(前記例の場合0.6mm小さい)ので、挿入途中において、ライナ3の内周面とクランク中子21の外周面とが全周的に当接することとなるが、それ以上下方へ無理に押し込まないようにする。ボア中子21に対するかじりを防止するためである。したがって、このとき、ライナ3の下端は、ボア中子21の下端にまて到達せず、ライナ3の下端面とクランク中子22の上面22bとの間に隙間zが生じた状態となる。
次いで、ボア中子21及びクランク中子22のロッド挿入孔21a,22aに、図7に仮想線で示すように上方からライナ予熱装置40の加熱用ロッド41を挿入する。そして、加熱ロッド41のコイルから磁束Mを発生させて、ライナ3を加熱する。つまり、ライナ3に磁束Mにより渦電流を生じさせて、ライナ3を発熱させてその温度を上昇させる。そうすると、ライナ3が熱膨張して内径が大きくなり、その結果、ライナ3が自重により自然落下し始める。そして、ライナ3の温度が500℃程度に達すると、ライナ3の上端部及び下端部の内径が、y1′,y2′まで膨張して、ボア中子22の上端部及び下端部の外径x1,x2と同じとなり(上記例の場合、ライナ3の内径が上端部及び下端部ともそれぞれ約0.6mm拡径し)、図8に示すように、ライナ3の下端部の外周側が、クランク中子22の上面22bにおける輪溝22cの径方向外方の部分に当接し、ライナ3の下降が停止する。すなわち、ライナ3がボア中子に対して所定の嵌合状態に位置決めされる。なお、予め500℃に上昇するまでの時間を予め計測しておき、タイマ等により加熱を制御するようにしてもよい。また、ライナ3の加熱時に、ライナ3を所定の嵌合状態に確実に落下させるために、振動手段で分割鋳型10に振動を加えるようにしてもよい。
このように本実施の形態においては、ライナ3をボア中子21に挿入するに際して、無理にライナ3を押し込まないので、ボア中子21にかじりや破損が生じるのが防止され、その結果、ライナ3が傾いたり、配設位置がずれたりするのが防止され、良好な位置決め精度が得られることとなる。
また、クランク中子22の上面22bにおける、ボア中子21が固定される部分の外側には、前述のように輪溝22cが形成されているので、ライナ3がボア中子21に対して下降する際に仮にボア中子21の外周面が若干削られて砂粒が下方に落下したとしても、その砂粒は輪溝22c内にたまることとなり、上面22bにたまるのが回避される。
すなわち、輪溝22cが設けられていないと、削れた砂粒がクランク中子22の上面22bに溜まり、ライナ3の下降時に、ライナ3の下端がクランク中子22の上面22b上の砂粒に先に当接し、その結果、ライナ3がそれ以上下降できなくなり、所定の嵌合状態(ライナ3の下端がクランク中子22の上面22bに当接した状態)よりも上方で停止することとなる。つまり、ライナ3の上下位置精度が悪化する。しかし、本実施の形態においては、砂粒は上面22bでなく輪溝22c内にたまるので、ライナ3の上下位置精度も十分に確保されることとなる。
また、輪溝22cが設けられていない場合に砂粒が一部にのみ多くたまると、ライナ3が中心線に対して傾いてしまう虞があるが、本実施の形態においては、砂粒は輪溝22c内にたまるので、このようなことも回避される。
次に、シリンダブロック1の製造装置30について簡単に説明する。図9は、この製造装置30のうち主としてシリンダブロック1の鋳造を担う部分の概略平面を示している。この製造装置30は、ライナ予熱装置40と、鋳造装置50と、搬送装置60とを有している。
ライナ予熱装置40は、ライナ3を加熱するためのもので、上下に長い棒状部材の先端部(下端部)に磁束発生用コイルが設けられた磁束発生用ロッド41を気筒数分備えた高周波誘導加熱装置により構成されている。ここで、ライナ3を加熱する手段として、高周波誘導加熱装置を用いるのは、砂型を加熱することなく、ライナ3のみを効果的に加熱することができるからである。ロッド41…41は、シリンダブロック1のシリンダボア2の配設間隔と同間隔で設けられていると共に、上方位置と下方位置との間で移動可能とされており、前記ライナ3の加熱時に、下方位置まで移動してボア中子21及びクランク中子22のロッド挿入孔21a,22aに挿入されるようになっている。なお、加熱時には、上方からロッド41を挿通可能なようにボア中子21の上方に位置する砂型17は取り付けられていない。
搬送装置60は、ライナ3の加熱後、鋳型10を鋳造装置50まで搬送する。なお、この図に示すように、ライナ予熱装置40は、鋳造装置50に近接して配置されており、これにより、予熱されたライナ3が冷えるのを極力抑制可能になっている。
鋳造装置50は、図10にも示すように、溶湯Sを貯溜する保持炉51と、該保持炉51に蓄えられた溶湯Sを鋳型10に供給する電磁ポンプ52と、鋳型10を保持すると共に上下反転させる保持装置53とを有しており、ライナ予熱装置40によりライナ3が予熱された後、ボア中子21の上方に砂型17が取り付けられて型締めされた鋳型10が搬送装置60により搬送されてくると、保持炉51に蓄えられたアルミニウム合金の溶湯Sを電磁ポンプ52で吸引して鋳型10の下方に設けられた注入口Wを介して押し湯Y、キャビティXに供給する。なお、このとき、鋳型10は、図3及び図10に実線で示すように上方を向いており、溶湯Sの供給完了後、鋳型10を仮想線で示すように上下反転させ、キャビティX内に溶湯Sを確実に充填させる。その場合に、ライナ3が加熱されているので、シリンダブロック1を形成するアルミニウム合金との密着性が良好なものとなる。加えて、ライナ3の外周面には、凸部3a…3aが設けられているので、ライナ3とシリンダブロック1を形成するアルミニウム合金との密着性が一層良好なものとなる。
そして、この状態の鋳型10を、搬送装置60により次工程に搬送する。例えば、溶湯Sが十分に冷却するのを待って型割を行い、シリンダブロック1の中間成形体を取り出す。そして、ライナ3の内周面にピストン外径に合せた仕上げ処理を施す。
なお、本実施の形態においては、ライナ予熱装置40でライナ3を加熱した後、砂型17を組み付けるようにしているが、これに替えて、砂型17に予めライナ予熱装置40の加熱用ロッド41が挿入できるロッド挿入孔(図3に仮想線で示す)を形成し、ボア中子21にライナ3を挿入した後に前記砂型17を組み付け、その後、ライナ予熱装置40の加熱用ロッド41を砂型17のロッド挿入孔を介してロッド挿入孔21a,22aに挿入し、ライナ3を加熱するようにしてもよい。この場合、図3に示すように、砂型17に、ライナ3の上端面をアルミニウム合金で鋳ぐるみシリンダブロック1の上端部を形成するキャビティXの空間部が形成されているため、ボア中子21にライナ3を挿入後、前記砂型17を組み付けても前記空間部が存在することで、砂型17でライナ3の上端面を押えることがなく、ライナ3の加熱時に、該ライナ3は熱膨張して所定の嵌合状態の位置に落下することとなる。
また、本実施の形態においては、型17を砂型としたが、金属製の型として、キャビティX内に充填された溶湯の冷却、特にシリンダボア周辺の溶湯の冷却を促進可能なように構成してもよい。型17を金属製とすると、ライナ予熱装置40(高周波誘導過熱装置)による加熱について懸念が出るかもしれないが、本実施の形態においては、型17は、加熱時にはライナ予熱装置40(高周波誘導過熱装置)のロッド41を挿入するために外されており、ライナ3の加熱後に組み付けられるので、該金属製の型17が加熱されることはない。つまり、金型17により溶湯の冷却を確実に促進することができる。また、これにより、冷却後のアルミニウム合金の組織が緻密になり、寸法精度が良好になるという効果も得られる。
本発明は、金属製ライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックの製造方法に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係るシリンダブロックの概略平面図である。 シリンダブロックの図1の矢印Aで示す部分の水平断面図である。 分割鋳型のシリンダ列方向に直交する面での縦断面図である。 ボア中子単体の軸方向断面図である。 ライナ単体の軸方向断面図である。 ボア中子をクランク中子上に配設した状態の図である。 ライナをボア中子に挿入した状態(ライナ加熱前)における図6相当の図である。 ライナをボア中子に挿入した状態(ライナ加熱後)における図6相当の図である。 シリンダブロックの製造装置の概略平面図である。 鋳造装置の概略断面図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
3 ライナ(金属製ライナ)
3a…3a 凸部
10 鋳型(分割鋳型)
21 ボア中子
40 ライナ予熱装置(加熱手段、高周波誘導加熱装置)

Claims (4)

  1. 砂型のボア中子を有する分割鋳型を用いてシリンダボアの内周面に金属製ライナが鋳ぐるまれたシリンダブロックを製造する方法であって、
    前記ボア中子として、一端側の外径が他端側の外径よりも大きくなるようにテーパ形状に形成されたものを用いると共に、
    前記金属製ライナとして、内周面がテーパ形状とされると共に、常温において、内径が前記ボア中子の対応部分の外径よりも所定量ずつ小さく、かつ内径の大きい側の端部の内径がボア中子の小径側端部の外径よりも大きくされたものを用い、
    まず、前記ボア中子を大径側が下向きとなるように型内に配設し、
    次いで、該ボア中子に、金属製ライナを内径の大きい側が下向きとなる状態で、ボア中子の外周面と金属製ライナの内周面とが当接するところまで上方から挿入し、
    次いで、該金属製ライナを加熱して熱膨張させることにより、該ライナがボア中子に対して所定の嵌合状態となるまで落下させ、
    その後、分割鋳型のキャビティ内に金属溶湯を充填することを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  2. 前記請求項1に記載のシリンダブロックの製造方法において、
    前記金属製ライナの外周面には、多数の凸部が設けられていることを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックの製造方法において、
    前記金属製ライナを加熱する手段は、高周波誘導加熱装置であることを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  4. 前記請求項3に記載のシリンダブロックの製造方法において、
    前記分割鋳型は、金型と砂型とで構成されており、
    金型は、前記高周波誘導加熱装置による金属製ライナの加熱後に組み付けられることを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
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