JP4481713B2 - 導電性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は導電性フィルムに関し、さらに詳しくは液晶ディスプレイ(LCD)透明タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極や電磁波シールド材として好適に使用される透明導電性フィルムに関するものである。
従来から液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として透明導電性フィルムが好適に用いられている。これら透明導電性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)等の透明フィルム表面の少なくとも片面に、酸化インジウム(In)、酸化錫(SnO)、およびInとSnOの混合焼結体(ITO)を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などのドライプロセスによって設けたものが良く知られている。
これらの透明導電性フィルムは、ウェブ状での連続加工や打ち抜き加工があり、また、表面加工中も曲げられた状態で用いられたり、また保管されたりするため、このような加工工程や保管している間に、クラックが発生して表面抵抗が増大したりすることがあった。
一方、透明基材フィルムの上に、導電性高分子をウェット塗布することによって形成された透明導電塗膜層は、膜自体に柔軟性があり、クラックなどの問題は生じない。また、導電性高分子のウェット塗布によって透明導電性フィルムを得る方法は、ドライプロセスを用いないため製造コストが比較的安く、コーティングスピードも一般的に速く、生産性に優れるという利点もある。このような導電性高分子のウェット塗布によって得られる透明導電性フィルムは、これまで一般的に用いられてきたポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等は、開発の初期段階では高い導電性が得られないために帯電防止用途などに使用が限定されていたり、導電塗膜層自体の色相が問題となったりしていた。しかし、最近では製法の改良などによりこれらの問題も改善されてきている。例えば、3,4−ジアルコキシチオフェンをポリアニオン存在下で酸化重合することによって得られるポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)とポリアニオンとからなる導電性高分子(特許文献1)は、近年の製法の改良(特許文献2および特許文献3)などにより、高い光線透過率を保ったまま非常に低い表面抵抗を発現している。
しかしながら、これらの導電性高分子を透明導電塗膜層として用いた透明導電性フィルムの場合、その後の加工工程における膜表面の耐溶剤性や耐水性が課題となっていた。この問題を解決すべく、かかる導電性高分子にバインダー成分となる高分子材料を添加して塗膜を形成する方法や、シランカップリング剤を用いて塗膜強度(特許文献4)や耐水性(特許文献5)を向上させる方法が提案されたが、耐溶剤性、特にアルコール類、エステル類などに対する耐溶剤性の改善は未だ十分ではなかった。
特開平1−313521号公報 特開2002−193972号公報 特開2003−286336号公報 特開平10−88030号公報 特開2002−60763号公報
本発明の課題は、上記従来技術の有する問題の解消、すなわち、優れた透明性と導電性とを有し、かつ耐溶剤性にも優れた透明導電性フィルムの提供にある。
本発明者らは、上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、導電性高分子を用いた透明導電塗膜層上に特定の材料からなる保護層を特定の厚みで形成した場合に、表面抵抗値に著しい影響を与えることなく、耐溶剤性を改善できることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、本発明の目的は、基材フィルム、透明導電塗膜層および金属アルコキシドの加水分解後の縮合反応生成物からなる厚みが3〜50nmの保護層がこの順で積層された導電性フィルムであって、
該透明導電塗膜層が、以下の一般式
Figure 0004481713
(ここで、式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよいC1−12のアルキレン基を表す)
で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンと、ポリアニオンとの導電性高分子からなり、
該金属アルコキシドにおける金属元素がAl、Si、Ti、Zrであり、
全光線透過率が60%以上で、かつ導電性フィルムの保護層側の表面抵抗が10〜1×10Ω/□の範囲にある導電性フィルムによって達成される。
また、本発明によれば、本発明の導電性フィルムの好ましい態様として、該透明導電塗膜層が、該導電性高分子とテトラアルコキシシランおよびアルコキシ基以外の反応性の官能基を有するトリアルコキシシランからなる群より選ばれた少なくとも一種の反応生成物とからなること、該透明導電塗膜層が、該導電性高分子とグリシドキシ基を有したトリアルコキシシランの反応生成物とからなること、該保護層がアルコキシシランの加水分解後の縮合反応生成物からなること、該透明導電塗膜層の表面抵抗が10〜1×10Ω/□の範囲にあることの少なくともいずれか一つを具備する導電性フィルムも提供される。
さらにまた、本発明によれば、基材フィルムの片面に、透明導電塗膜層を形成し、
該透明導電塗膜層が、以下の一般式
Figure 0004481713
(ここで、式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよいC1−12のアルキレン基を表す)
で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンと、ポリアニオンとの導電性高分子からなり、
さらにその上に、金属元素がAl、Si、Ti、Zrである金属アルコキシドの加水分解後の縮合反応生成物からなる厚みが3〜50nmの保護層を形成することを特徴とする導電性フィルムの製造方法も提供される。
本発明の透明導電性フィルムは、基材フィルム、透明導電塗膜層および金属アルコキシドの反応生成物からなる保護層がこの順で積層されていることが必要である。透明導電塗膜層が導電性フィルムの表面に位置すると、保護層による耐溶剤性向上効果が発現できない。
また、本発明の透明導電性フィルムは、全光線透過率が60%以上であることが必要である。全光線透過率が下限未満であると、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として用いたときに、十分な透明性が得られがたい。好ましい全光線透過率は、65%以上、さらに70%以上である。このような全光線透過率は、後述の基材フィルム、透明導電塗膜層および保護層の選定によって適宜調整できる。
さらにまた、かつ導電性フィルムの保護層側の表面抵抗が10〜1×10Ω/□の範囲にあることが必要である。導電性フィルムの保護層側の表面抵抗が上限を超えると、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として用いたときに電極として十分に機能しなかったり、十分な電磁波シールド特性が得られない。一方、下限未満にすることは、製造工程が不安定化しやすい。好ましい表面抵抗は、10〜1×10Ω/□、さらに10〜5×10Ω/□である。この観点から、保護層が形成される透明導電塗膜層の表面抵抗も、10〜1×10Ω/□、さらに10〜1×10Ω/□、特に10〜5×10Ω/□での範囲にあることが好ましい。
本発明によれば、導電性高分子を用いた透明導電塗膜層上に、特定の材料からなる保護層を特定の厚みで形成しており、その結果、表面抵抗値に著しい影響を与えることなく、耐溶剤性を向上させることができ、優れた透明性、導電性および耐溶剤性を兼備する透明導電性フィルムを生産性良く提供することができる。またこの手法によって生産された透明導電性フィルムは液晶ディスプレイ(LCD)透明タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンスランプ等の透明電極や電磁波シールド材として好適に使用できる。
本発明の導電性フィルムを、まず図1を用いて説明する。図1は、本発明の導電性フィルムの断面図、すなわち層構成の一例を示す。図1中の、符号1は基材フィルム、符号2は透明導電塗膜層および符号3は保護層を示す。図1から分かるように、本発明の導電性フィルムは、基材フィルムの片面に、透明導電塗膜層がまず積層され、該透明導電塗膜層の上にさらに保護層が積層されたものであり、このような構成を有するものであれば、例えば反射防止層などの他の機能層が、本発明の目的を損なわない限りにおいて、さらに形成されていても良いことは容易に理解されるであろう。
以下、本発明の導電性フィルムを形成する各層について、さらに詳述する。
本発明における透明導電塗膜層は、表面抵抗を下げられ、かつ透明性も具備するものであれば特に制限されないが、例えば特開2002−60763号公報で挙げられているような以下の一般式
Figure 0004481713
で表される繰り返し単位からなるからなるカチオン状のポリチオフェン(以下、“ポリ(3,4−ジ置換チオフェン)”と称することがある)と、ポリアニオンとを含んでなる導電性高分子(a)からなることが好ましい。すなわち、この導電性高分子(a)はポリ(3,4−ジ置換チオフェン)とポリアニオンとの複合化合物である。
この導電性高分子(a)を構成するポリ(3,4−ジ置換チオフェン)のRおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよいC1−12のアルキレン基である。RおよびRが一緒になって形成される、置換基を有してもよいC1−12のアルキレン基の代表例は、1,2−アルキレン基(例えば、1,2−シクロヘキシレンおよび2,3−ブチレンなど)である。RおよびRが一緒になって形成されるC1−12のアルキレン基の好適な例は、メチレン、1,2−エチレンおよび1,3−プロピレン基であり、1,2−エチレン基が特に好適である。具体例としては、アルキル置換されていてもよいメチレン基、C1−12のアルキル基もしくはフェニル基で置換されていてもよい1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が挙げられる。
導電性高分子(a)を構成するポリアニオンとしては、高分子状カルボン酸類(例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸など)、高分子状スルホン酸(例えばポリエチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸など)などがあげられる。これらの高分子状カルボン酸及びスルホン酸類は、ビニルカルボン酸及びビニルスルホン酸類と他の重合可能な低分子化合物、例えばアクリレート類およびスチレンなどとの共重合体であってもよい。これらポリアニオンの中でもポリスチレンスルホン酸およびその全べてもしくは一部が金属塩であるものが好ましく用いられる。
本発明における透明導電塗膜層を形成するコーティング組成物は上述の導電性高分子を水に分散させた液を主成分として用いるが、必要に応じてポリエステル、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラールなどの適当な有機高分子材料をバインダーとして添加することができる。
また、かかる透明導電塗膜層を形成するコーティング組成物には必要に応じて、バインダーを溶解させる目的、もしくは透明基材フィルムへの濡れ性を改善する目的、固形分濃度を調整する目的で水と相溶性のある適当な溶媒を添加することができる。添加する溶媒の例としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド)などが好ましく用いられる。
またかかる透明導電塗膜層を形成するコーティング組成物には必要に応じて得られる塗膜強度を向上させる目的で、さらにアルコキシシランを添加してもよい。このアルコキシシランは、加水分解され、その後の縮合反応された反応生成物の形態で透明導電塗膜層中に存在する。アルコキシシランの例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどがあげられる。上記アルコキシシランの加水分解/縮合を効率よく進行させるためには触媒が必要となる。触媒としては酸性触媒または塩基性触媒を用いることができる。酸性触媒としては、酢酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、しゅう酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が好適である。塩基性触媒としてはアンモニア、トリエチルアミン、トリプロピルアミン等の有機アミン化合物、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物などが好適である。
また本発明における透明導電塗膜層形成用のコーティング組成物には基材に対する濡れ性を向上させる目的で、少量の界面活性剤を加えても良い。好ましい界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステルなど)、およびフッ素系界面活性剤(例えばフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル4級アンモニウム、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノールなど)があげられる。
本発明における保護層は、金属アルコキシドの加水分解後の縮合反応生成物から形成されるものである。好適に用いられる金属アルコキシドは下記一般式で示される化合物である。
Figure 0004481713
ここで、上記一般式中の、RおよびRは、それぞれメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基などが例示でき、Mは金属元素を表し、好ましくはAl、Si、Ti、Zrであり、中でも特にSiが好ましい。また、上記式におけるmは金属元素Mの価数を示し、nは金属元素Mに付加するアルコキシ基の数を示し、nはmと同じかそれよりも小さい数である。これら化合物の中でも加水分解可能な物質が好ましく、好ましい金属アルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ―グリシドキシトリメトキシシランなどがあげられる。上記アルコキシシランの加水分解/縮合を効率よく進行させるためには触媒が必要となる。好適に用いられる触媒としては、上述の透明導電塗膜層で説明したものと同様なものが挙げられる。
かかる保護層を形成するコーティング組成物に用いる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、プロピレングリコール等のアルコール類などがあげられ、中でもアルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類が好ましい。
かかる保護層を透明導電塗膜層上に形成しても表面抵抗値に大きな影響を与えない原因は明らかになっていないが、保護層の形成時に透明導電塗膜層の一部が保護層形成用コーティング組成物中に一部溶解し、形成される塗膜が両層の材料の混合物になっている可能性が考えられる。これらの観点から、保護層の厚みは、3〜50nmの範囲にあることが必要である。保護層の厚みが下限未満だと、十分な耐溶剤性が得られず、他方上限を超えると、表面抵抗が著しく低下する。好ましい保護層の厚みは、5〜40nmの範囲である。
本発明における基材フィルムとしては、特に制限はないが、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート(以下、PETと称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下、PENと称することがある。)などのポリエステル及びこれらの共重合体やアミノ基エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボニル基等の官能基で一部変性した樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)からなるフィルムが好適である。これらの基材フィルムのうち、機械特性や透明性、生産コストの点からポリエステル(PET、PENおよびそれらの共重合体)フィルムが特に好ましい。基材フィルムの厚みは特に制限されないが、500μm以下が好ましい。500μmより厚い場合は剛性が強すぎて、得られた反射防止フィルムのディスプレイへの貼り付け時の取り扱いが困難である。
保護層や透明導電塗膜層を形成する際の塗布方法としては、それ自体公知の方法を使用でき、例えばリップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法などが好ましく挙げられる。熱硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、低屈折化合物の塗設はそれぞれを形成する成分を含む塗液を基材に塗布し、加熱乾燥させて塗膜を形成させる。加熱条件としては80〜160℃で10〜120秒間、特に100〜150℃で20〜60秒間が好ましい。UV硬化性樹脂またはEB硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、一般的には予備乾燥を行った後、紫外線照射または電子線照射を行なう。
また、基材フィルムに塗布する際に、必要に応じて、密着性、塗工性を向上させるための予備処理として、フィルム表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すか、または、製膜中または製膜後に有機樹脂系や無機樹脂系の塗料を塗布して塗膜密着層を形成する化学的表面処理を施すことが好ましい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例中の評価は以下のように行った。
(1)膜厚
保護層の膜厚およびは、反射分光膜厚計(大塚電子製、商品名「FE−3000」)によって、300〜800nmの反射率を測定し、代表的な屈折率の波長分散の近似式としてn−k Cauchyの分散式を引用し、スペクトルの実測値とフィッティングさせることにより膜厚と屈折率を求めた。
透明導電塗膜層の厚みは打点式の厚み計にて、任意の位置10点を測定し、それらの平均値を厚みとした。
(2)全光線透過率およびヘイズ
JIS K7150に従い、スガ試験機(株)製のヘイズメーターHCM−2Bにて測定した。
(3)耐溶剤性
エタノールと酢酸エチルとをそれぞれしみ込ませたガーゼを、150g/cmの一定荷重で、試料の保護層側表面を10往復こすった後、塗膜の状態を目視にて評価した。判定は以下の規準で行った
○・・・塗膜のはがれがない
×・・・塗膜のはがれがある
(4)表面抵抗
三菱化学社製Lorester MCP−T600を用いて、JIS K7194に準拠して測定した。
測定は任意の箇所を5回測定し、それらの平均値とした。
[実施例1]
<透明導電塗膜層の形成>
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を主成分とし、シランカップリング剤とを含んでなる導電性塗料(日本アグファ・ゲバルト(株)社製、商品名:Orgacon S−300)をマイヤーバーを用いて基材フィルム(PETフィルム、帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名O3PF8W−100)上に塗工し、120℃で1分間の乾燥を行い、透明導電塗膜層を得た。透明導電塗膜層の厚みは1.0μmであった。
<保護層の形成>
テトラエトキシシラン22.5gとメチルトリエトキシシラン2.5g、シリコーンオイル0.25g、エタノール18.8g、n−プロパノール18.8gを混合し攪拌した溶液中に、予めイオン交換水17.5gと0.001Nの塩酸6.0g混合しておいた溶液を加え、全量投入後10分間攪拌し、その後20時間静置することで加水分解反応を進行させた。この液をエタノールにて3倍に希釈したものを上述の透明導電塗膜層の上にマイヤーバーを用いて塗工し、保護層を形成し透明導電性フィルムを得た。保護層の膜厚は10nmであった。
得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例2]
透明導電塗膜層の膜厚を1.5μmとした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
透明導電塗膜層の膜厚を2μmとした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
保護層の厚みを25nmにした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
保護層の厚みを5nmにした以外は、実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
保護層を形成しなかった以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
保護層の厚みを70nmにした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
保護層の厚みを2nmにした以外は実施例1と同様な操作を繰り返した。得られた導電性フィルムの特性を表1に示す。
Figure 0004481713
表1からわかるように、透明導電塗膜層上に特定の厚みで保護層を形成することで表面抵抗値に大きな影響を与えることなく耐溶剤性を大幅に向上させることができる。
本発明の反射防止フィルムの断面図の一例を示す。
符号の説明
1 基材フィルム
2 透明導電塗膜層
3 保護層

Claims (7)

  1. 基材フィルム、透明導電塗膜層および金属アルコキシドの加水分解後の縮合反応生成物からなる厚みが3〜50nmの保護層がこの順で積層された導電性フィルムであって、
    該透明導電塗膜層が、以下の一般式
    Figure 0004481713
    (ここで、式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよいC1−12のアルキレン基を表す)
    で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンと、ポリアニオンとの導電性高分子からなり、
    該金属アルコキシドにおける金属元素がAl、Si、Ti、Zrであり、
    全光線透過率が60%以上で、かつ導電性フィルムの保護層側の表面抵抗が10〜1×10Ω/□の範囲にあることを特徴とする導電性フィルム。
  2. 該透明導電塗膜層が、該導電性高分子とテトラアルコキシシランおよびアルコキシ基以外の反応性の官能基を有するトリアルコキシシランからなる群より選ばれた少なくとも一種の反応生成物とからなる請求項1記載の導電性フィルム。
  3. 該透明導電塗膜層が、該導電性高分子とグリシドキシ基を有したトリアルコキシシランの反応生成物とからなる請求項2に記載の導電性フィルム。
  4. 該保護層がアルコキシシランの加水分解後の縮合反応生成物からなる請求項1〜3のいずれかに記載の導電性フィルム。
  5. 該透明導電塗膜層の表面抵抗が10〜1×10Ω/□の範囲にある請求項1に記載の導電性フィルム。
  6. 基材フィルムの片面に、透明導電塗膜層を形成し、
    該透明導電塗膜層が、以下の一般式
    Figure 0004481713
    (ここで、式中、RおよびRは相互に独立して水素またはC1−4のアルキル基を表すか、あるいは一緒になって任意に置換されてもよいC1−12のアルキレン基を表す)
    で表される繰り返し単位からなるポリカチオン状のポリチオフェンと、ポリアニオンとの導電性高分子からなり、
    さらにその上に、金属元素がAl、Si、Ti、Zrである金属アルコキシドの加水分解後の縮合反応生成物からなる厚みが3〜50nmの保護層を形成することを特徴とする導電性フィルムの製造方法。
  7. 保護層を形成するコーティング組成物に用いる溶媒が、芳香族炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アルコール類である請求項6に記載の導電性フィルムの製造方法。
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