JP4899777B2 - 導電性パターン基板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子、太陽電池、有機半導体、有機薄膜トランジスタ等に適用され、ポリチオフェン誘導体を用いた導電性パターン基板およびその製造方法に関するものである。
近年、ポリチオフェン誘導体に代表される導電性高分子は、様々な分野で用いられている。特に、導電性高分子は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、エレクトロルミネッセンスをELと略す場合がある。)、有機半導体、有機薄膜トランジスタ(以下、薄膜トランジスタをTFTと略す場合がある。)、太陽電池などの電子デバイスへ導入するべく、多くの研究がなされている。
導電性高分子を電子デバイスにおける電極等に用いる場合、導電性高分子をパターン状に成膜する必要がある。従来、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどの印刷技術を用いて、導電性高分子膜のパターニングが検討されてきた。しかしながら、それらの印刷技術では、線幅10μm以下のような高精細なパターンを形成することは非常に困難であった。
導電性高分子の中でも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)などのポリチオフェン誘導体は、成膜しやすいため、有機EL素子における正孔注入層や、有機EL素子、太陽電池、有機半導体、有機TFT等における電極などに広く利用されている。
ポリチオフェン誘導体の膜をパターニングする方法としては、例えば、基板の全面に可溶性のポリチオフェン誘導体を成膜し、ポリチオフェン膜に紫外線またはレーザーを照射してポリチオフェン膜の照射部分を不溶化させ、ポリチオフェン膜の未照射部分を除去してパターンを形成し、ポリチオフェン誘導体を鉄塩もしくは金塩で酸化させることによりパターンに導電性を付与する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、鉄塩、金塩といった酸化剤が高価であること、またレーザーを用いる場合には複雑な装置が必要であることなどの問題がある。
また、ポリチオフェン誘導体の膜をパターニングする方法としては、例えば、基板上にポリ(3,4−置換チオフェン)および光反応開始剤を含有する組成物を成膜し、ポリチオフェン膜に紫外線を照射してポリチオフェン膜の照射部分を硬化させ、ポリチオフェン膜の未照射部分を除去してパターンを形成する方法が開示されている(特許文献2参照)。この方法では、酸化剤およびレーザーを用いる必要がないため、上記の問題を解決することができる。しかしながら、この方法では、特殊な光反応開始剤が必要であるという問題がある。
さらに、上記いずれの方法においても、酸化剤や光反応開始剤を添加していること、および、パターンが形成される部分に紫外線等を照射していることから、ポリチオフェン誘導体の特性が劣化するおそれがある。
米国特許第5561030号明細書 特表2003−509869号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ポリチオフェン誘導体を用いた導電性パターンを有する導電性パターン基板およびその製造方法であって、ポリチオフェン誘導体の特性が劣化しにくく、高精細な導電性パターン基板およびその製造方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記実情に鑑み鋭意検討した結果、ポリチオフェン誘導体、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)は、電磁波を照射すると、電磁波の照射によってPEDOT/PSSが光化学的に反応して、照射部分の導電性が変化することを見出した。具体的には、電磁波の照射によってPEDOT/PSSが光化学的に反応して変性し、照射部分の導電性が低くなることを見出した。また、ポリチオフェン誘導体、例えばPEDOT/PSSと、シランカップリング剤とを用いて膜(導電層)を形成すると、膜を不溶化させることができ、この膜に電磁波を照射すると、電磁波の照射によってPEDOT/PSSが光化学的に反応して、照射部分の溶剤に対する可溶性が変化することを見出した。具体的には、電磁波の照射によってPEDOT/PSSが光化学的に反応して変性し、膜の照射部分が水、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類に可溶になることを見出した。本発明者らは、これらの知見を得て、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部とを有することを特徴とする導電性パターン基板を提供する。
本発明においては、上述したような電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の導電性の変化を利用して、電磁波が照射されて導電性が低下した領域と、電磁波が照射されずに導電性が維持された領域(導電性部)とを形成することができる。また、上述したような電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性の変化を利用して、照射部分のみを水、アルコール類、ケトン類に溶解させることができる。したがって、添加剤を必要とすることなく、また導電性パターンが形成される部分に電磁波を照射することなく、導電性部をパターン状に形成することができ、添加剤や電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化を防ぐことができる。また、フォトリソグラフィー法を利用して導電性部をパターン状に形成することができるので、高精細化が可能である。
また本発明によれば、導電性部がシランカップリング剤の重合体を含有しているので、膜強度、密着性、耐食性等を向上させることができる。さらに、高分子材料であるポリチオフェン誘導体を含有する導電性部は可撓性を有するため、本発明の導電性パターン基板を用いることにより、フレキシブルな電子デバイスを得ることが可能である。
上記発明においては、上記基板上の上記導電性部が形成されていない領域に、変性された上記ポリチオフェン誘導体および上記シランカップリング剤の重合体を含有し、導電性を有さない非導電性部が形成されており、上記導電性部および上記非導電性部がひとつの層として一体に形成されていてもよい。
本発明においては、上述したような電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の導電性の変化を利用することによって、電磁波が照射されて導電性が低下した領域(非導電性部)と、電磁波が照射されずに導電性が維持された領域(導電性部)とを形成することができる。これらの導電性部および非導電性部はひとつの層として一体に形成されているので、導電性部と非導電性部とで段差が生じず、段差のない導電性パターン基板とすることができる。したがって、本発明の導電性パターン基板を電子デバイス等に用いる場合には、導電性部および非導電性部の上に均一に他の層を形成することができる。
また本発明においては、上記ポリチオフェン誘導体が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体であり、上記シランカップリング剤が、重合性基と、上記ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有することが好ましい。この場合、上記シランカップリング剤が、下記構造式(1)で示されるものであることがより好ましい。
Figure 0004899777
ここで、式(1)中、Xはアルコキシル基を表し、Yはエポキシ基またはアクリロイル基を表し、nは0〜2の整数を表す。
このようなシランカップリング剤を用いることにより、膜強度、密着性、耐食性等をより一層高めることができるからである。
さらに本発明においては、上記ポリチオフェン誘導体が、スルホン酸がドーピングされたポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)であることが好ましい。スルホン酸は、所定のシランカップリング剤と反応しやすいので、膜強度、密着性、耐食性等がさらに向上するからである。また、ポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)とスルホン酸との配合比を変えることによって、容易に導電性を変化させることができるからである。
また本発明は、基板上に、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤が溶剤に溶解もしくは分散された導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施して上記シランカップリング剤を重合させ、導電層を形成する導電層形成工程と、上記導電層にパターン状に電磁波を照射して、上記導電層の照射部分の導電性を低下させ、導電性を有する導電性部および導電性を有さない非導電性部を形成する電磁波照射工程とを有することを特徴とする導電性パターン基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、上述したような電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の導電性の変化を利用して、添加剤を要することなく、導電層にパターン状に電磁波を照射することによって、導電性部をパターン状に形成することができる。また、導電層の未照射部分が導電性部となるので、導電性パターンが形成される部分に直接に電磁波を照射することがない。そのため、添加剤や電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化を回避することが可能である。また、フォトリソグラフィー法を利用して、導電性部をパターン状に形成することができるので、パターニング精度を向上させることが可能である。
上記発明においては、上記電磁波照射工程後に、上記導電層を現像して上記導電層の照射部分を除去する現像工程を行うことが好ましい。上述したような電磁波の照射による導電層の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性の変化を利用して、導電層の照射部分を水、アルコール類、ケトン類に対して可溶性、未照射部分を不溶性とすることができ、安定的に現像することができるからである。また、水を用いて現像することができるので、環境への負荷を軽減させることもできる。
また本発明においては、上記ポリチオフェン誘導体が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体であり、上記シランカップリング剤が、重合性基と、前記ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有することが好ましい。この場合、上記シランカップリング剤が、下記構造式(1)で示されるものであることがより好ましい。
Figure 0004899777
ここで、式(1)中、Xはアルコキシル基を表し、Yはエポキシ基またはアクリロイル基を表し、nは0〜2の整数を表す。
このようなシランカップリング剤を用いることにより、膜強度、密着性、耐食性等をより一層高めることができ、現像性を向上させることができるからである。
さらに本発明においては、上記ポリチオフェン誘導体が、スルホン酸がドーピングされたポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)であることが好ましい。スルホン酸は、所定のシランカップリング剤と反応しやすいので、膜強度、密着性、耐食性等をさらに向上させることができ、これにより現像性を高めることができるからである。さらに、ポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)とスルホン酸との配合比を変えることによって、容易に導電性を変化させることができるからである。
また本発明においては、上記電磁波が、500nm以下の可視光、または紫外線であることが好ましい。このような電磁波を照射することにより、ポリチオフェン誘導体の光化学的な反応を良好に進行させることができるからである。
さらに本発明においては、上記電磁波照射工程が、酸素雰囲気下で行われることが好ましい。これにより、ポリチオフェン誘導体の光化学的な反応、特に光分解反応が、酸化作用によって促進されるからである。
本発明においては、上述したような電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の導電性の変化を利用することで、導電性パターン基板を得ることができ、添加剤や電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化を防ぐことができるとともに、高精細化が可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の導電性パターン基板および導電性パターン基板の製造方法について詳細に説明する。
A.導電性パターン基板
まず、本発明の導電性パターン基板について説明する。
本発明の導電性パターン基板は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部とを有することを特徴とするものである。
本発明の導電性パターン基板について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の導電性パターン基板の一例を示す概略断面図である。図1に例示する導電性パターン基板1は、基板2と、この基板2上にパターン状に形成され、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部3とを有している。導電性パターン基板1においては、この導電性部3が電気を伝導する導電性パターンとなる。
ポリチオフェン誘導体、例えば下記構造式(2)
Figure 0004899777
に示すポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)は、電磁波が照射されると、照射部分の物性が変化し、例えば導電性が低下する。これは、電磁波の照射によって、PEDOT/PSSが光化学的に反応して変性し、導電性が変化するものと想定される。例えば、Synthetic Metals, 141 (2004) p67, S. Marciniak et al.には、チオフェン骨格が酸化分解されることが示されている。このことから、電磁波の照射によって、PEDOTのチオフェン骨格が光酸化、光分解等されて、導電性が変化するものと思料される。
このように、ポリチオフェン誘導体は、電磁波が照射されると、照射部分の導電性が低下するので、ポリチオフェン誘導体を含有する層にパターン状に電磁波を照射することにより、照射部分を、導電性が低下した領域(導電性を有さない非導電性部)、未照射部分を、導電性が維持された領域(導電性を有する導電性部)とすることができる。
図2は、本発明の導電性パターン基板の他の例を示す概略断面図である。図2に例示する導電性パターン基板1は、基板2と、この基板2上に形成され、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部3と、変性されたポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する非導電性部4とを有している。また、導電性部3および非導電性部4はひとつの層として一体に形成されている。
導電性部および非導電性部は、上述したように、ポリチオフェン誘導体を含有する層にパターン状に電磁波を照射することにより得ることができる。導電性部は、導電性が維持された領域であり、導電性を有するのに対し、非導電性部は、導電性が低下した領域であり、導電性を有さない。すなわち、導電性部のみが良好に電気を伝導することができる。したがって、図2に例示するような導電性パターン基板においては、導電性部が電気を伝導する導電性パターンとなる。
また、ポリチオフェン誘導体、例えばPEDOT/PSSは、電磁波が照射されると、照射部分の物性が変化し、上述したような導電性だけでなく、例えば溶剤に対する可溶性も変化する。ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層は、水、アルコール類、ケトン類、さらには多くの溶剤に対して不溶であるが、電磁波が照射されることによって、水、アルコール類、ケトン類に溶解するようになる。これは、電磁波の照射によって、PEDOT/PSSが光化学的に反応して変性し、水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するものと想定される。具体的には、PEDOTのチオフェン骨格が光酸化、光分解等されて、水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するものと思料される。
このように、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層は、電磁波が照射されると、照射部分の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するので、照射部分を可溶性、未照射部分を不溶性とすることができる。したがって、水、アルコール類、ケトン類を用いて照射部分のみを溶解させ、未照射部分である導電性部のみを残存させて、パターン状の導電性部を得ることができる。図1に例示するような導電性パターン基板は、このようにして得ることができる。
本発明によれば、酸化剤や光反応開始剤のような添加剤を必要とすることなく、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層にパターン状に電磁波を照射することにより、導電性部をパターン状に形成することができるので、添加剤によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化を回避することができる。さらに、照射部分が非導電性部、未照射部分が導電性部となるので、導電性部においては、電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化も回避することができる。また、フォトリソグラフィー法を利用して導電性部をパターン状に形成することができるので、高精細化が可能である。
また、導電性部が、ポリチオフェン誘導体に加えて、シランカップリング剤の重合体を含有しているので、膜強度、密着性、耐食性等を高めることができる。これにより、例えばフォトリソグラフィー法を利用して導電性部をパターン状に形成する場合には、導電性部が膜強度、密着性、耐食性等に優れるので、安定して現像することが可能である。
さらに、ポリチオフェン誘導体は高分子材料であるので、このポリチオフェン誘導体を含有する導電性部は可撓性を有している。このため、導電性パターンを、例えば電子デバイスにおける電極として用いることにより、フレキシブルな電子デバイスを得ることが可能である。
また、図2に例示するような導電性パターン基板においては、導電性部および非導電性部がひとつの層として一体に形成されているので、導電性部の表面および非導電性部の表面が面一であり、導電性部と非導電性部とで段差が生じることがなく、段差のない導電性パターン基板とすることができる。このため、導電性パターンを、例えば有機EL素子、太陽電池、有機半導体、有機TFT等の電子デバイスにおける電極として利用する場合には、導電性部および非導電性部の表面が平坦であるので、導電性部および非導電性部の上に、すなわち電極パターン上に、均一に他の層を形成することができる。また、導電性パターンを、例えば有機EL素子における正孔注入層として利用する場合には、上記の場合と同様に、導電性部および非導電性部の表面が平坦であるので、導電性部および非導電性部の上に、すなわち正孔注入層のパターン上に、均一に他の層を形成することができるとともに、正孔注入層のパターンによる段差がないので、段差によって電極が断線等するのを回避することができる。
一方、図1に例示するような導電性パターン基板においては、非導電性部が形成されていないので、導電性部のパターン間を完全に絶縁することができる。
本発明においては、図1に例示するように基板上に導電性部のみが形成されていてもよく、図2に例示するように基板上に導電性部および非導電性部が形成されていてもよい。以下、これらの2つの態様に分けて説明する。
1.第1態様
本発明の導電性パターン基板の第1態様は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部とを有することを特徴とするものである。
以下、本態様の導電性パターン基板における各構成について説明する。
(1)導電性部
本態様における導電性部は、基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有するものである。
本発明に用いられるポリチオフェン誘導体としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常は、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体が用いられる。酸がドーピングされていることによって、ポリチオフェン誘導体の導電性が向上するからである。また、導電性部を形成する際に、ポリチオフェン誘導体に含まれる酸によってポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する塗工液を酸性にすることができ、シランカップリング剤同士の重合反応性や、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体との反応性を向上させることができるからである。
酸がドーピングされるポリチオフェン誘導体としては、ポリチオフェン単体、および、ポリチオフェン骨格に官能基が付加されている誘導体のいずれであってもよい。ポリチオフェン骨格に官能基が付加されている誘導体としては、例えば、ポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)が挙げられる。このポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)におけるアルキレン基としては、エチレン、1,2−シクロへキシレン、フェニルエチレン、プロピルエチレン、メチレン、1,3−プロピレン等を例示することができる。
また、ドーピングされる酸としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリパーフルオロスルホン酸等が挙げられる。中でも、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリパーフルオロスルホン酸等のスルホン酸が好ましい。スルホン酸は、後述する所定のシランカップリング剤と反応しやすく、強固な膜を得ることができ、導電性部を形成する際に安定して現像することができるからである。
酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体としては、ポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等が好ましく用いられる。このPEDOT/PSSは、市販されており、入手が容易である。また、PEDOTおよびPSSの配合比を変えることによって、容易に導電性を変化させることができる。さらに、PEDOT/PSSはスルホン酸であるポリスチレンスルホン酸がドーピングされたものであるので、上述したように、強固な膜を得ることができる。
また、ポリチオフェン誘導体として、例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム等の、上記の酸の金属塩がドーピングされたポリチオフェン誘導体を用いることもできる。
また、本発明に用いられるシランカップリング剤としては、ポリチオフェン誘導体と反応しうるものであることが好ましく、中でも、ポリチオフェン誘導体に含まれる酸(ドーピングされる酸)と反応しうるものであることが好ましい。すなわち、シランカップリング剤は、重縮合可能な重合性基と、ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有するものであることが好ましい。このようなシランカップリング剤を用いることにより、シランカップリング剤を重縮合させることができるとともに、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体とを反応させることができ、膜強度を高めることができるからである。また、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体とを反応させることができるので、少量のシランカップリング剤を添加するだけで膜強度を高めることができ、多量のシランカップリング剤の添加によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化、特に導電性の低下を防ぐことができるからである。
上記の重縮合可能な重合性基としては、シランカップリング剤の重縮合反応をおこさせることができる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、アルコキシル基、ハロゲン、水酸基等を挙げることができる。上記アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。
また、上記のポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基としては、ポリチオフェン誘導体に含まれる酸との間で化学結合や水素結合を形成することができる官能基であることが好ましく、中でも、ポリチオフェン誘導体に含まれる酸との間で化学結合を形成することができる官能基であることが好ましい。これにより、ポリチオフェン誘導体とシランカップリング剤とを架橋させて、膜強度をより一層向上させることができるからである。このような官能基としては、例えば、エポキシ基、アクリロイル基等を挙げることができる。
さらに、シランカップリング剤は、アルキル基を有していてもよい。このアルキル基は、溶剤への溶解性によって適宜選択される。
シランカップリング剤は、上記の重合性基と、上記のポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有するものであればよく、下記構造式(3)で表すことができる。
Figure 0004899777
ここで、式(3)中、Xは上記の重合性基を示し、Yは上記のポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基を示し、Rは上記のアルキル基を示す。また、jは1〜3までの整数、kは0〜2までの整数であり、j+k≦3である。
上記式(3)においては、kが0または1であることが好ましく、より好ましくは0である。すなわち、シランカップリング剤がアルキル基を有さないことが好ましい。これにより、シランカップリング剤同士が重縮合しやすくなるからである。
また、上記式(3)においては、jが1であることが好ましい。すなわち、シランカップリング剤は上記のポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基を1つ有することが好ましい。このようなシランカップリング剤であれば、合成しやすく、また入手しやすいからである。
特に、シランカップリング剤は、下記構造式(1)で示されるものであることが好ましい。
Figure 0004899777
ここで、式(1)中、Xはアルコキシル基を表し、Yはエポキシ基またはアクリロイル基を表し、nは0〜2の整数を表す。Xで示されるアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、nは0または1であることが好ましく、より好ましくは0である。シランカップリング剤がメチル基を有さない場合には、上述したように、シランカップリング剤同士が重縮合しやすくなるからである。
導電性部は、シランカップリング剤の重合体を含有するものである。このシランカップリング剤の重合体が導電性部中に含まれることは、導電性部中に含まれる重合Si量によって確認することができる。
導電性部中に含まれる重合Si量としては、0.5重量%〜20重量%程度であることが好ましく、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内、さらに好ましくは3重量%〜8重量%の範囲内である。重合Si量が多いということは、導電性部中に含まれるシランカップリング剤の重合体の含有量が多いということであり、重合Si量が少ないということは、導電性部中に含まれるシランカップリング剤の重合体の含有量が少ないということである。重合Si量が多すぎると、導電性が低下するおそれがある。また、後述する「B.導電性パターン基板の製造方法」に記載するように、フォトリソグラフィー法を利用して導電性部をパターン状に形成する場合には、重合Si量が多すぎると、現像性が悪くなったり、導電層形成用塗工液の撥液性が高くなりすぎて塗工性が悪くなったりするおそれがある。一方、重合Si量が少なすぎると、膜強度、密着性、耐食性等を高める効果が十分に得られなかったり、また導電性部を不溶化させる、特に水やエタノール等のアルコール類に不溶にさせることが困難になったりする場合がある。
上記重合Si量は、次にようにして測定することができる。導電性部のみを加熱し燃焼させ灰化させると、重合SiがSiOに変換される。この導電性部の灰分をアルカリ融解させ、純水に溶解させた後、定容し、高周波プラズマ発光分析装置((株)島津製作所製 ICPS8100)を用いてICP発光分析法により重合Si量の定量を行う。このようにして、重合Si量を測定することができる。
また、上記重合Si量は、X線光電子分光法(XPS)により測定することもできる。
さらに、シランカップリング剤の重合体が導電性部中に含まれることは、ICP発光分析法およびX線光電子分光法を組み合わせて確認することもできる。
なお、一般に、塗工液にはレベリング剤として界面活性剤が添加されることがあり、この界面活性剤にはSiを含むものもある。しかしながら、塗工液に添加される界面活性剤の量は微量であり、塗工液を用いて形成された膜中に含まれる界面活性剤の量はさらに微量となるので、重合Si量が所定量よりも多ければ、導電性部中にシランカップリング剤の重合体が含有されているということができる。すなわち、重合Si量が上記範囲であれば、導電性部中にシランカップリング剤の重合体が含有されているといえる。
導電性部の導電性としては、導電性部における電気抵抗が、10Ω・cm以下であることが好ましく、より好ましくは10Ω・cm以下、さらに好ましくは10Ω・cm以下である。導電性部の電気抵抗が上記範囲であれば、導電性部から構成される導電性パターンを、例えば電子デバイスにおける電極や、有機EL素子における正孔注入層等として用いる場合に、その機能を十分に発揮させることができるからである。
なお、導電性部における電気抵抗の測定方法としては、一般的な抵抗率計を用いて、導電性部を構成する材料自体を測定する方法や、層の全面が導電性部である素子を作製し、この素子についてソースメーター等を用いて電流−電圧特性を測定して、得られた電流−電圧特性から電気抵抗を算出する方法を用いることができる。
導電性部のパターン形状は、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
また、導電性部の面積は、同様に、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
さらに、導電性部のパターンの幅も、同様に、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
導電性部の厚みとしては、電磁波の照射によって光化学的な反応が起こりうる厚みであれば特に限定されるものではなく、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。具体的には、導電性部の厚みは、10nm〜1μm程度で設定することができる。導電性部の厚みが厚すぎると、導電性部をパターン状に形成する際に、電磁波がポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層の深部まで到達せず、光化学的な反応が起こりにくくなったり、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層の深部まで光化学的に反応させるために長時間を要し、生産効率が低下したりする可能性があるからである。また、導電性部の厚みが薄すぎると、導電性部から構成される導電性パターンが電極等として機能しなくなったり、基板上に均一な層を形成することが困難になったりするおそれがあるからである。
(2)基板
本発明に用いられる基板としては、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択されるものであり、一般的に、有機EL素子、太陽電池、有機半導体、有機TFT等の電子デバイスに用いられる基板を使用することができる。
基板は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。基板の透明性については、本態様の導電性パターン基板の用途や、後述する「B.導電性パターン基板の製造方法」の項に記載するように、電磁波照射工程における電磁波の照射方向等に応じて適宜選択される。
例えば、本態様の導電性パターン基板が有機EL素子に適用される場合であって、基板側から光を取り出す場合、基板には透明性が要求される。また、本態様の導電性パターンが太陽電池に適用される場合であって、基板側から受光する場合、基板には透明性が要求される。一方、本態様の導電性パターンが有機半導体や有機TFTに適用される場合、基板には透明性は要求されない。
また例えば、本態様の導電性パターン基板の製造過程にて、基板側から電磁波が照射される場合、基板には透明性が要求される。一方、導電性部側(導電層側)から電磁波が照射される場合、基板には透明性は要求されない。
基板は、可撓性を有するもの、例えば樹脂製フィルム等であってもよく、可撓性を有さないもの、例えばガラス基板等であってもよい。中でも、基板は可撓性を有するものであることが好ましい。導電性部は、高分子材料であるポリチオフェン誘導体を含有するものであり、可撓性を有するので、基板が可撓性を有していれば、フレキシブルな導電性パターン基板とすることができるからである。これにより、本発明の導電性パターン基板を用いることによって、フレキシブルな電子デバイスを得ることが可能となる。
(3)用途
本態様の導電性パターン基板は、例えば、有機EL素子、太陽電池、有機半導体、有機TFT、RFID(Radio Frequency Identification:電波方式認識)、コンピューター・メモリなどの電子デバイスに適用することができる。具体的には、導電性パターンは、有機EL素子、太陽電池、有機半導体、有機TFT等における電極、有機EL素子における正孔注入層、RFIDにおけるタグなどに利用することができる。
(4)その他の構成
本態様の導電性パターン基板を上述したような用途に用いる場合、基板と導電性部との間には、用途に応じて種々の層が形成される。
例えば、導電性パターンを有機EL素子における正孔注入層として用いる場合には、基板と導電性部との間に陽極(下部電極)が形成される。また、導電性パターンを有機EL素子における陰極(上部電極)として用いる場合には、基板と導電性部との間に、陽極(下部電極)および発光層等が形成される。さらに、導電性パターンを太陽電池における上部電極として用いる場合には、基板と導電性部との間に、下部電極および半導体層等が形成される。また、導電性パターンを有機TFTにおけるゲート電極、ソース電極およびドレイン電極として用いる場合には、基板と導電性部との間に、半導体層および絶縁層等が形成される。
なお、本態様の導電性パターン基板の製造方法については、後述する「B.導電性パターン基板の製造方法」の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
2.第2態様
本発明の導電性パターン基板の第2態様は、基板と、上記基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有し、導電性を有する導電性部と、上記基板上の上記導電性部が形成されていない領域に形成され、変性されたポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有し、導電性を有さない非導電性部とを有し、導電性部および非導電性部がひとつの層として一体に形成されていることを特徴とするものである。
なお、基板および用途については、上記第1態様の記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本態様の導電性パターン基板における他の構成について説明する。
(1)導電性部および非導電性部
本態様における導電性部は、基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有するものであり、導電性を有している。また、本態様における非導電性部は、基板上の導電性部が形成されていない領域に形成され、変性されたポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有するものであり、導電性を有さない。これらの導電性部および非導電性部はひとつの層として一体に形成されている。
ここで、非導電性部とは、導電性部よりも導電性が低い領域をいう。
導電性部と非導電性部との導電性の差は、特に限定されるものではないが、導電性部における導電率(単位:S/cm)に対する非導電性部における導電率の割合が、導電性部における導電率を100としたときに、70以下であることが好ましく、より好ましくは50以下、さらに好ましくは30以下である。
非導電性部は、導電性部よりも導電性が低い領域であれば特に限定されるものではないが、所定の絶縁性を有することが好ましい。具体的には、非導電性部における電気抵抗が、10Ω・cm以上であることが好ましく、より好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは10Ω・cm以上である。非導電性部の電気抵抗が上記範囲であれば、導電性部のみに電気を伝導させることができ、導電性部から構成される導電性パターンを、例えば電子デバイスにおける電極や、有機EL素子における正孔注入層等として用いる場合に、その機能を十分に発揮させることができるからである。
また、導電性部は、所定の導電性を有することが好ましい。具体的には、導電性部における電気抵抗が、10Ω・cm未満であることが好ましく、より好ましくは10Ω・cm以下である。導電性部の電気抵抗が上記範囲であれば、上記の場合と同様に、導電性部から構成される導電性パターンを、例えば電子デバイスにおける電極や、有機EL素子における正孔注入層等として用いる場合に、その機能を十分に発揮させることができるからである。
なお、上記の導電率および電気抵抗の測定方法としては、一般的な抵抗率計を用いて、導電性部および非導電性部を構成する材料自体を測定する方法や、層の全面が導電性部である素子と層の全面が非導電性部である素子とを作製し、これらの素子についてソースメーター等を用いて電流−電圧特性を測定して、得られた電流−電圧特性からそれぞれの導電率および電気抵抗を算出する方法を用いることができる。
また、非導電性部は、上述したように、導電性部よりも導電性が低い領域であればよく、非導電性部内の導電性が均一であっても不均一であってもよい。
導電性部は、ポリチオフェン誘導体とシランカップリング剤の重合体とを含有し、非導電性部は、変性されたポリチオフェン誘導体とシランカップリング剤の重合体とを含有している。
ここで、変性されたポリチオフェン誘導体とは、電磁波が照射されることによって、光化学的に反応して変性し、物性(例えば、導電性や溶剤に対する可溶性)が変化したものをいう。すなわち、変性されたポリチオフェン誘導体とは、光変性されたポリチオフェン誘導体をさす。
非導電性部に含まれるポリチオフェン誘導体は光変性されたものであるので、非導電性部では導電性が変化しており、導電性部と非導電性部とで導電性に差をつけることができるのである。
なお、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤については、上記第1態様の記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
また、導電性部および非導電性部はシランカップリング剤の重合体を含有するものである。このシランカップリング剤の重合体が導電性部中および非導電性部中に含まれることは、上述したように、導電性部中および非導電性部中に含まれる重合Si量によって確認することができる。
導電性部中および非導電性部中に含まれる重合Si量としては、0.5重量%〜20重量%程度であることが好ましく、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内、さらに好ましくは3重量%〜5重量%の範囲内である。重合Si量が多いということは、導電性部中および非導電性部中に含まれるシランカップリング剤の重合体の含有量が多いということであり、重合Si量が少ないということは、導電性部中および非導電性部中に含まれるシランカップリング剤の重合体の含有量が少ないということである。重合Si量が多すぎると、導電性が低下したり、撥液性が高くなりすぎて均一な膜を形成するのが困難になったりするおそれがある。一方、重合Si量が少なすぎると、膜強度、密着性、耐食性等を高める効果が十分に得られなかったり、導電性部を不溶化させる、特に水やエタノール等のアルコール類に不溶にさせることが困難になったりする場合がある。
なお、上記重合Si量は、次にようにして測定することができる。導電性部および非導電性部のみを加熱し燃焼させ灰化させると、重合SiがSiOに変換される。この導電性部および非導電性部の灰分をアルカリ融解させ、純水に溶解させた後、定容し、高周波プラズマ発光分析装置((株)島津製作所製 ICPS8100)を用いてICP発光分析法により重合Si量の定量を行う。このようにして、重合Si量を測定することができる。
また、上記重合Si量は、X線光電子分光法(XPS)により測定することもできる。
さらに、シランカップリング剤の重合体が導電性部中および非導電性部中に含まれることは、ICP発光分析法およびX線光電子分光法を組み合わせて確認することもできる。
また、導電性部および非導電性部はひとつの層として一体に形成されている。本発明においては、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する層にパターン状に電磁波を照射することにより、電磁波が照射されて導電性が低下した領域(導電性を有さない非導電性部)と、電磁波が照射されずに導電性が維持された領域(導電性を有する導電性部)とを形成することができる。したがって、導電性部および非導電性部は、基板上にひとつの層として形成されたものとなるのである。
導電性部のパターン形状は、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
また、導電性部と非導電性部との面積比は、同様に、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
さらに、導電性部のパターンの幅も、同様に、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。
導電性部および非導電性部の厚みとしては、電磁波の照射によって光化学的な反応が起こりうる厚みであれば特に限定されるものではなく、本態様の導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。具体的には、導電性部および非導電性部の厚みは、10nm〜1μm程度で設定することができる。導電性部および非導電性部の厚みが厚すぎると、電磁波がポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層の深部まで到達せず、光化学的な反応が起こりにくくなったり、電磁波がポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する層の深部まで光化学的に反応させるために長時間を要し、生産効率が低下したりする可能性があるからである。また、導電性部および非導電性部の厚みが薄すぎると、導電性部から構成される導電性パターンが電極等として機能しなくなったり、基板上に均一な膜を形成することが困難になったりするおそれがあるからである。
(2)その他の構成
本態様の導電性パターン基板を上述したような用途に用いる場合、基板と導電性部および非導電性部との間には、用途に応じて種々の層が形成される。なお、具体例については、上記第1態様に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
図3は、本態様の導電性パターン基板を有機EL素子に用いた例であり、導電性パターンを有機EL素子における正孔注入層として利用する例である。図3に例示する有機EL素子11は、基板2と、基板2上にパターン状に形成された陽極(下部電極)12と、陽極12上に形成された導電性部3と、基板2上の導電性部3が形成されていない領域に形成された非導電性部4と、導電性部3および非導電性部4の上に形成された発光層13と、発光層13上に形成された陰極(上部電極)14とを有している。この有機EL素子11では、導電性部および非導電性部の4における導電性部3を正孔注入層として機能させ、非導電性部4を絶縁層として機能させることができる。
なお、本態様の導電性パターン基板の製造方法については、後述する「B.導電性パターン基板の製造方法」の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
B.導電性パターン基板の製造方法
次に、本発明の導電性パターン基板の製造方法について説明する。
本発明の導電性パターン基板の製造方法は、基板上に、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤が溶剤に溶解もしくは分散された導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施して上記シランカップリング剤を重合させ、導電層を形成する導電層形成工程と、上記導電層にパターン状に電磁波を照射して、上記導電層の照射部分の導電性を低下させ、導電性を有する導電性部および導電性を有さない非導電性部を形成する電磁波照射工程とを有することを特徴とするものである。
ポリチオフェン誘導体は、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載したように、電磁波が照射されると、照射部分の導電性が低下するので、ポリチオフェン誘導体を含有する導電層にパターン状に電磁波を照射することにより、導電性が低下した領域(導電性を有さない非導電性部)と、導電性が維持された領域(導電性を有する導電性部)とを形成することができる。
本発明の導電性パターン基板の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本発明の導電性パターン基板の製造方法の一例を示す工程図である。まず、基板2上に、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施してシランカップリング剤を重合させ、導電層5を形成する(図4(a)、導電層形成工程)。次に、導電層5側に、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク21を配置し、このフォトマスク21を介して紫外線22を照射する(図4(b))。これにより、導電層の照射部分の導電性が低下して、導電性部3および非導電性部4が形成され、導電性部3から構成される導電性パターンを形成することができる(図4(c))。なお、図4(b)および(c)は電磁波照射工程である。
本発明においては、上述したように、導電層にパターン状に電磁波を照射することにより、導電性部および非導電性部を形成することができる。これにより、導電性部をパターン状に形成する、すなわち導電性パターンを形成することができる。
本発明によれば、酸化剤や光反応開始剤のような添加剤を要することなく、導電層にパターン状に電磁波を照射することによって、導電層の照射部分の導電性が低下することを利用して、導電性部をパターン状に形成することができる。また、導電層の照射部分が非導電性部、未照射部分が導電性部となるので、導電性部に直接に電磁波を照射することがない。そのため、添加剤や電磁波の照射によるポリチオフェン誘導体の特性の劣化を回避することが可能である。
また本発明によれば、導電層にパターン状に電磁波を照射することによって、導電性部をパターン状に形成することができ、すなわちフォトリソグラフィー法を利用して、導電性パターンを得ることができる。したがって、従来のような印刷法等によるパターニングと比較して、高精細なパターニングが可能となる。
さらに、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する導電層形成用塗工液を用いて導電層を形成するので、膜強度、密着性、耐食性等に優れる導電層を得ることができる。
また、高分子材料であるポリチオフェン誘導体を含有する導電層は可撓性を有しているので、フレキシブルな電子デバイスに適用可能な導電性パターン基板を得ることが可能である。
さらに、一般に電子デバイスにおける電極等に用いられる金属材料では、成膜方法として真空蒸着法、スパッタリング法等のドライプロセスが用いられるのに対して、ポリチオフェン誘導体では、成膜方法としてスピンコート法や印刷法等のウェットプロセスを用いることができる。したがって、本発明においては、真空設備等の高価な設備を必要とすることなく、導電性パターン基板を量産することが可能である。
また、図4に例示するような導電性パターン基板の製造方法においては、非導電性部を除去せずに残存させるので、導電性部と非導電性部とで段差が生じることがなく、段差のない導電性パターン基板を得ることができる。このため、本発明の導電性パターン基板の製造方法を用いて電子デバイスを作製する場合には、導電性部および非導電性部の上に均一に他の層を形成することができる。また、本発明の導電性パターン基板の製造方法を用いて有機EL素子における正孔注入層を形成する場合には、正孔注入層のパターンによる段差がないので、段差によって電極が断線等するのを回避することも可能となる。
ポリチオフェン誘導体、例えばPEDOT/PSSは、電磁波が照射されると、照射部分の物性が変化し、上述したような導電性だけでなく、例えば溶剤に対する可溶性も変化する。本来、PEDOT/PSSは、水、エタノール等の一部のアルコール類など、非常に極性の高い溶剤にのみ溶解する。PEDOT/PSSは、例えばアセトン等のケトン類には溶解しにくい。本発明においては、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する導電層形成用塗工液を用い、シランカップリング剤を重合させて導電層を形成するので、導電層を、水やアルコール類に対して不溶化させることができ、また多くの溶剤に対して不溶化させることができる。しかしながら、導電層は、電磁波が照射されることによって、水、アルコール類、ケトン類に溶解するようになる。これは、電磁波の照射によって、PEDOT/PSSが光化学的に反応して変性し、水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するものと想定される。具体的には、PEDOTのチオフェン骨格が光酸化、光分解等されて、水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するものと思料される。
このように、導電層は、電磁波が照射されると、照射部分の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性が変化するので、照射部分を可溶性、未照射部分を不溶性とすることができる。したがって、水、アルコール類、ケトン類を用いて現像することによって、照射部分のみを除去することが可能となる。
図5は、本発明の導電性パターン基板の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、基板2上に、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を含有する導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施してシランカップリング剤を重合させ、導電層5を形成する(図5(a)、導電層形成工程)。次に、導電層5側に、必要とされるパターンが描かれたフォトマスク21を配置し、このフォトマスク21を介して紫外線22を照射する(図5(b))。これにより、導電層の照射部分の導電性が低下して、導電性部3および非導電性部4が形成される(図5(c))。このとき、導電層の照射部分の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性も変化し、照射部分(非導電性部4)が、水、アルコール類、ケトン類に溶解するようになる。なお、図5(b)および(c)は電磁波照射工程である。次いで、現像液として例えば水を用いて、照射部分である非導電性部4のみを溶解させる(図5(d)、現像工程)。
本発明においては、図5に例示するように、電磁波照射工程後に、導電層を現像して導電層の照射部分を除去する現像工程を行うことが好ましい。上述したように、照射部分を水、アルコール類、ケトン類に対して可溶性、未照射部分を不溶性とすることができるので、水、アルコール類、ケトン類を用いて現像することにより、照射部分のみを除去することができる。未照射部分は不溶性であるので、安定して現像することが可能である。例えば、現像時間を比較的長くしたとしても、未照射部分である導電性部は不溶性であるので、導電性部のパターンを良好に維持することができる。
また、水を用いて現像することができるので、環境への負荷を軽減させることが可能である。さらに、非導電性部を除去して、導電性部のパターン間を完全に絶縁することができる。
以下、本発明の導電性パターン基板の製造方法における各工程について説明する。
1.導電層形成工程
本発明における導電層形成工程は、基板上に、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤が溶剤に溶解もしくは分散された導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施して上記シランカップリング剤を重合させ、導電層を形成する工程である。
なお、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤については、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
導電層形成用塗工液に使用される溶剤としては、ポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤を溶解もしくは分散させることが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、水、および、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類を挙げることができる。水およびアルコール類は混合して用いてもよい。
また、導電層形成用塗工液は、シランカップリング剤を含有するため、酸性であることが好ましい。導電層形成用塗工液が酸性であれば、シランカップリング剤同士の重合反応性や、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体との反応性を向上させることができるからである。導電層形成用塗工液が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体を含有する場合には、このポリチオフェン誘導体に含まれる酸によって、導電層形成用塗工液を酸性にすることができる。また、ポリチオフェン誘導体にシランカップリング剤を添加した後に、重合反応を促進するための酸を添加してもよい。後者の場合には、ポリチオフェン誘導体として、例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム等の、酸の金属塩がドーピングされたポリチオフェン誘導体を用いることができる。
導電層形成用塗工液の調製方法としては、特に限定されるものではないが、シランカップリング剤を添加する際には、通常、あらかじめシランカップリング剤を加水分解させた加水分解液が用いられる。この加水分解液とポリチオフェン誘導体の溶液とを混合して、導電層形成用塗工液を調製することができる。
この導電層形成用塗工液の固形分濃度としては、導電層形成用塗工液の塗布方法等に応じて適宜調整される。
また、導電層形成用塗工液中のシランカップリング剤の濃度は、後述する現像工程を行うか否かによって適宜調整される。
現像工程を行う場合には、導電層形成用塗工液中のシランカップリング剤の濃度としては、全固形分に対して、0.5重量%〜20重量%程度であることが好ましく、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内、さらに好ましくは3重量%〜8重量%の範囲内である。シランカップリング剤の濃度が高すぎると、導電層形成用塗工液の撥液性が高くなりすぎて塗工性が悪くなったり、現像性が悪くなったり、導電性が低下したりするおそれがあるからである。一方、シランカップリング剤の濃度が低すぎると、膜強度、密着性、耐食性等を高める効果が十分に得られなかったり、導電層を不溶化させる、特に水、アルコール類、ケトン類に不溶にさせることが困難になったり場合があるからである。
一方、現像工程を行わない場合には、導電層形成用塗工液中のシランカップリング剤の濃度としては、全固形分に対して、0.5重量%〜20重量%程度であることが好ましく、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲内、さらに好ましくは3重量%〜5重量%の範囲内である。シランカップリング剤の濃度が高すぎると、導電層形成用塗工液の撥液性が高くなりすぎて塗工性が悪くなったり、導電性が低下したりするおそれがあるからである。一方、シランカップリング剤の濃度が低すぎると、膜強度、密着性、耐食性等を高める効果が十分に得られない場合があるからである。
導電層形成用塗工液の塗布方法としては、基板の全面に導電層形成用塗工液を塗布することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、使用されるポリチオフェン誘導体や、導電層形成用塗工液の粘度等に応じて適宜選択される。具体的には、導電層形成用塗工液の塗布方法としては、スピンコート法、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等を挙げることができる。
導電層形成用塗工液は、基板の全面に塗布してもよく、基板上にパターン状に塗布してもよいが、後述する電磁波照射工程にて導電層にパターン状に電磁波を照射することによって、導電性部をパターン状に形成することができるため、通常は、基板の全面に導電層形成用塗工液を塗布する。
上記導電層形成用塗工液を塗布して得られる塗膜には、加熱処理を施して、塗膜中のシランカップリング剤を重合させる。この加熱処理の際に、シランカップリング剤同士の重縮合反応が進行するとともに、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体に含まれる酸との架橋反応も進行すると想定される。
加熱処理の際の温度としては、ポリチオフェン誘導体が劣化しない程度の温度であればよいが、中でも80℃〜250℃程度であることが好ましく、より好ましくは100℃〜200℃の範囲内である。上記温度範囲であれば、シランカップリング剤の重縮合反応や、シランカップリング剤とポリチオフェン誘導体に含まれる酸との架橋反応が進行しやすくなるからである。
導電層の膜厚としては、電磁波の照射によって光化学的な反応が起こりうる厚みであれば特に限定されるものではなく、導電性パターン基板の用途等に応じて適宜選択される。具体的には、導電層の膜厚は、10nm〜1μm程度で設定することができる。導電層の膜厚が厚すぎると、電磁波が導電層の深部まで到達せず、光化学的な反応が起こりにくくなったり、導電層の深部まで光化学的に反応させるために長時間を要し、生産効率が低下したりする可能性があるからである。また、導電層の膜厚が薄すぎると、導電性部から構成される導電性パターンが電極等として機能しなくなったり、基板上に導電層形成用塗工液を均一に成膜することが困難になったりするおそれがあるからである。
なお、基板については、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.電磁波照射工程
本発明における電磁波照射工程は、導電層にパターン状に電磁波を照射して、導電層の照射部分の導電性を低下させ、導電性を有する導電性部および導電性を有さない非導電性部を形成する工程である。
本発明における電磁波とは、導電層の導電性を変化させることが可能な、いかなる電磁波をも含む概念であり、紫外線および可視光に限定されるものではない。
電磁波としては、500nm以下の可視光、または紫外線であることが好ましい。すなわち、電磁波の波長としては、100nm〜500nm程度であることが好ましい。電磁波の波長が上記範囲であれば、ポリチオフェン誘導体の光化学的な反応が良好に進行するからである。中でも、電磁波の波長としては、100nm〜350nmの範囲内または400nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、特に200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。ポリチオフェン誘導体は、これらの波長の光に対して特に感度が高いからである。
電磁波の照射方法としては、導電層にパターン状に電磁波を照射することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、フォトマスクを介してパターン状に電磁波を照射する方法であってもよく、レーザーで描画照射する方法であってもよい。
電磁波の照射の際に使用される光源としては、ポリチオフェン誘導体を劣化させるおそれがないものであれば特に限定されるものではなく、電磁波の照射方法に応じて適宜選択される。フォトマスクを用いる場合は、光源としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等を挙げることができる。また、描画照射する場合は、光源としては、エキシマ、YAG等のレーザーを用いることができる。レーザーを使用する場合は、ポリチオフェン誘導体を劣化させないように、比較的低いエネルギーで描画照射することが好ましい。
電磁波の照射量としては、導電層の導電性および水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性を変化させるのに必要な照射量であればよい。
また、電磁波の照射時間としても、導電層の導電性および水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性を変化させるのに必要な時間であればよい。例えば、導電層の膜厚が比較的厚い場合には、電磁波の照射時間を比較的長くすることにより、導電層の深部までポリチオフェン誘導体の光化学的な反応を起こさせることができる。
電磁波の照射方向としては、基板側および導電層側のいずれの方向であってもよい。
また、電磁波の照射は、通常、大気下(酸素雰囲気下)で行われる。大気下(酸素雰囲気下)であれば、ポリチオフェン誘導体の光化学的な反応、特に光分解反応が、酸化作用によって促進されるからである。
本工程においては、導電層にパターン状に電磁波を照射することにより、導電層の照射部分の導電性を低下させ、導電性を有する導電性部および導電性を有さない非導電性部を形成する。すなわち、導電層にパターン状に電磁波を照射することにより、導電性を変化させ、導電性部をパターン状に形成することができる。
本発明においては、電磁波の照射によって導電層の照射部分の導電性が低下するので、導電層の照射部分が非導電性部となり、導電層の未照射部分が導電性部となる。
なお、導電性部および非導電性部については、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
3.現像工程
本発明においては、上記電磁波照射工程後に、導電層を現像して導電層の照射部分を除去する現像工程を行うことが好ましい。上述したような電磁波の照射による導電層の水、アルコール類、ケトン類に対する可溶性の変化を利用して、導電層の照射部分を水、アルコール類、ケトン類に対して可溶性、未照射部分を不溶性とすることができ、安定的に現像することができる。また、水を用いて現像することができるので、環境への負荷を軽減させることもできる。さらに、例えば導電層の照射部分である非導電性部の絶縁性が比較的低い場合には、導電性部だけでなく非導電性部にも電気が伝導される可能性がある。このような場合には、現像工程を行って非導電性部を除去することで、電子デバイスにおける電極等に好適に利用できる導電性パターン基板を得ることができる。
現像方法としては、導電層の照射部分を除去することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、電磁波の照射後の導電層が形成された基板を現像液に浸漬する方法、電磁波の照射後の導電層が形成された基板に現像液をスプレー状に噴出させる方法等を用いることができる。
また、現像時間としては、導電層の未照射部分が溶解されずに、導電層の照射部分のみが溶解されるのに必要な時間であればよい。本発明においては、導電性部が不溶性であるので、現像時間が比較的長い場合であっても、導電性部のパターンを良好に維持することができる。
現像の際に使用される現像液としては、導電層の未照射部分を溶解せずに、導電層の照射部分のみを溶解するものであれば特に限定されるものではなく、用いられるポリチオフェン誘導体等に応じて適宜選択される。具体的には、現像液としては、水;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類が用いられる。これらは、単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
本発明においては、上述したように高精細なパターニングが可能である。具体的には、線幅10μm以下、さらには線幅5μm以下の導電性パターン(導電性部のパターン)を得ることも可能である。
4.その他の工程
本発明においては、導電性パターン基板の用途に応じて、導電層形成工程前に、種々の層を形成する工程を行ってもよい。
なお、導電性パターン基板の用途等については、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、例えば図4に示すように、導電層形成工程および電磁波照射工程を行うことにより、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載した第2態様の導電性パターン基板を得ることができる。
また、例えば図5に示すように、導電層形成工程、電磁波照射工程および現像工程を行うことにより、上記「A.導電性パターン基板」の項に記載した第1態様の導電性パターン基板を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。
[実験例1]
(評価用素子1の作製)
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の水分散体(Baytron P CH8000;スタルク社製)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(TSL8350;東芝シリコーン社製)を、全固形分に対するシランカップリング剤の濃度が5%になるように添加し、導電層形成用塗工液を調製した。
透明電極としてITO膜がパターン状に形成された、1インチ□、板厚1.1mmの基板を洗浄した。次に、上記導電層形成用塗工液を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの導電層を形成した。
次に、導電層に、石英ガラスを介して、高圧水銀灯にて254nmの紫外線を照射した。
次いで、紫外線照射後の導電層上に、Agを3000Åの厚みで蒸着して、金属電極を形成した。
このようにして、評価用素子を作製した。
(評価用素子2の作製)
上記の評価用素子1の作製にて、導電層に紫外線を照射しなかった以外は、同様にして評価用素子を作製した。
(電流−電圧特性の評価)
評価用素子1,2について、ITO電極側を正極、Ag電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。0Vから8Vまで電圧を印加し、電流−電圧特性を評価した。結果を図6に示す。
図6より、評価用素子1(照射)と比較して、評価用素子2(未照射)では、電流−電圧特性が高くなった。このことから、紫外線照射によって、導電層の導電性が低下することがわかった。
[実験例2]
100mm□、板厚0.7mmのガラス基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の水分散体(Baytron P CH8000;スタルク社製)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(TSL8350;東芝シリコーン社製)を、全固形分に対するシランカップリング剤の濃度が5%になるように添加し、導電層形成用塗工液を調製した。この導電層形成用塗工液をスピンコーティングにより成膜し、導電層を形成した。
次いで、分光照射装置(分光計器株式会社製、IUV−25CP)を用いて、240nmから480nmまでの電磁波を導電層に照射した。照射後、導電層を純水にて処理したところ、240nm〜350nm付近および420nm〜470nm付近の電磁波が照射された部分の導電層が除去された。
このことから、上記の導電層は、240nm〜350nm付近および420nm〜470nm付近の電磁波に対して感度が高く、そのような電磁波の照射部分の純水に対する可溶性が変化することがわかった。
[実施例1]
(導電性パターンの形成)
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)の水分散体(Baytron P CH8000;スタルク社製)に、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン(TSL8350;東芝シリコーン社製)を、全固形分に対するシランカップリング剤の濃度が5%になるように添加し、導電層形成用塗工液を調製した。
次に、6インチ□、板厚1.1mmの絶縁性基板上に、この導電層形成用塗工液をスピンコート法により塗布して膜厚800Åの導電層を成膜した。さらに、導電層を150℃で10分間乾燥した。次いで、導電層に、10μmのライン&スペースを有するフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて254nmの紫外線を照射した。続いて、導電層を純水中に30秒間浸漬して現像した。
得られた導電性パターンを光学顕微鏡で観察したところ、フォトマスクのパターン通りに10μmのライン&スペースが形成されていた。
[実施例2]
(有機EL素子の作製)
透明電極としてITO膜がパターン状に形成された、1インチ□、板厚1.1mmの基板を洗浄した。次に、実施例1で用いた導電層形成用塗工液を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層に、発光領域が遮光されたフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて254nmの紫外線を照射した。続いて、正孔注入層を純水にて現像した。これにより、発光領域にのみ正孔注入層を形成した。
次に、赤色発光層形成用塗工液(ポリビニルカルバゾール 70重量部、オキサジアゾール 30重量部、ジシアノメチレンピラン誘導体 1重量部、モノクロロベンゼン 4900重量部)を1mlとり、正孔注入層が形成された基板の中心部に滴下して、2000rpmで10秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの発光層を形成した。続いて、100℃で1時間乾燥させた。
次いで、発光層上に、Caを500Åの厚みで蒸着し、さらにAgを2500Åの厚みで蒸着して、金属電極を形成した。
このようにして、有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の発光特性の評価)
ITO電極側を正極、Ag電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。10V印加時に発光層より発光が認められた。紫外線照射工程(電磁波照射工程)を含む全パターニング工程を経ても、素子特性の劣化は見られなかった。
[実施例3]
(有機EL素子の作製)
透明電極としてITO膜がパターン状に形成された、1インチ□、板厚1.1mmの基板を洗浄した。次に、実施例1で用いた導電層形成用塗工液を0.5mlとり、基板の中心部に滴下して、2500rpmで20秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層に、発光領域が遮光されたフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて254nmの紫外線を照射した。
次に、赤色発光層形成用塗工液(ポリビニルカルバゾール 70重量部、オキサジアゾール 30重量部、ジシアノメチレンピラン誘導体 1重量部、モノクロロベンゼン 4900重量部)を1mlとり、正孔注入層が形成された基板の中心部に滴下して、2000rpmで10秒間のスピンコーティングを行った。これにより、膜厚800Åの発光層を形成した。続いて、100℃で1時間乾燥させた。
次いで、発光層上に、Caを500Åの厚みで蒸着し、さらにAgを2500Åの厚みで蒸着して、金属電極を形成した。
このようにして、有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の発光特性の評価)
ITO電極側を正極、Ag電極側を負極に接続し、ソースメーターにより、直流電流を印加した。10V印加時に発光層より発光が認められた。このとき、正孔注入層が紫外線照射されなかった領域では発光が認められたが、正孔注入層が紫外線照射された領域では発光が認められなかった。また、紫外線照射工程(電磁波照射工程)を含む全パターニング工程を経ても、素子特性の劣化は見られなかった。
本発明の導電性パターン基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の導電性パターン基板の他の例を示す概略断面図である。 本発明の導電性パターン基板を用いた有機EL素子の一例を示す概略断面図である。 本発明の導電性パターン基板の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の導電性パターン基板の製造方法の他の例を示す工程図である。 実験例1における素子の電流−電圧特性を示すグラフである。
符号の説明
1 … 導電性パターン基板
2 … 基板
3 … 導電性部
4 … 非導電性部
5 … 導電層
21 … フォトマスク
22 … 紫外線

Claims (10)

  1. 基板と、前記基板上にパターン状に形成され、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤の重合体を含有する導電性部とを有する導電性パターン基板であって、
    前記ポリチオフェン誘導体が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体であり、
    前記シランカップリング剤が、重縮合可能な重合性基と、前記ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有することを特徴とする導電性パターン基板。
  2. 前記基板上の前記導電性部が形成されていない領域に、変性された前記ポリチオフェン誘導体および前記シランカップリング剤の重合体を含有し、導電性を有さない非導電性部が形成されており、前記導電性部および前記非導電性部がひとつの層として一体に形成されており
    前記ポリチオフェン誘導体が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体であり、
    前記シランカップリング剤が、重縮合可能な重合性基と、前記ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有することを特徴とする請求項1に記載の導電性パターン基板。
  3. 前記シランカップリング剤が、下記構造式(1)で示されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性パターン基板。
    Figure 0004899777
    (ここで、式(1)中、Xはアルコキシル基を表し、Yはエポキシ基またはアクリロイル基を表し、nは0〜2の整数を表す。)
  4. 前記ポリチオフェン誘導体が、スルホン酸がドーピングされたポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の導電性パターン基板。
  5. 基板上に、導電性を有するポリチオフェン誘導体およびシランカップリング剤が溶剤に溶解もしくは分散された導電層形成用塗工液を塗布し、加熱処理を施して前記シランカップリング剤を重合させ、導電層を形成する導電層形成工程と、
    前記導電層にパターン状に電磁波を照射して、前記導電層の照射部分の導電性を低下させ、導電性を有する導電性部および導電性を有さない非導電性部を形成する電磁波照射工程とを有する導電性パターン基板の製造方法であって、
    前記ポリチオフェン誘導体が、酸がドーピングされたポリチオフェン誘導体であり、
    前記シランカップリング剤が、重縮合可能な重合性基と、前記ポリチオフェン誘導体に含まれる酸と反応しうる官能基とを有することを特徴とする導電性パターン基板の製造方法。
  6. 前記電磁波照射工程後に、前記導電層を現像して前記導電層の照射部分を除去する現像工程を行うことを特徴とする請求項5に記載の導電性パターン基板の製造方法。
  7. 前記シランカップリング剤が、下記構造式(1)で示されるものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の導電性パターン基板。
    Figure 0004899777
    (ここで、式(1)中、Xはアルコキシル基を表し、Yはエポキシ基またはアクリロイル基を表し、nは0〜2の整数を表す。)。
  8. 前記ポリチオフェン誘導体が、スルホン酸がドーピングされたポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれかに記載の導電性パターン基板の製造方法。
  9. 前記電磁波が、500nm以下の可視光、または紫外線であることを特徴とする請求項5から請求項8までのいずれかに記載の導電性パターン基板の製造方法。
  10. 前記電磁波照射工程が、酸素雰囲気下で行われることを特徴とする請求項5から請求項9までのいずれかに記載の導電性パターン基板の製造方法。
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