JP4476416B2 - 極細コンタクトプローブの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、微小なピッチ間隔の半導体、液晶等の基板電極若しくはパターン等の断線、ショート等を精密にトライ検査することができる極細コンタクトプローブの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線基板の電気回路の断線、ショート等を点検するため、従来から一体型コンタクトプローブが使用されている。
【0003】
従来の一体型コンタクトプローブは、図1に示すように、筒状スリーブ1内に中心導体2を嵌合させ、スリーブ1の後端に形成した突起部4と中心導体2の後端との間に、小球5を介してコイルスプリング3を固定し、中心導体2の先端部がプリント基板の被測定面に押し当てられたときに、中心導体2がスリーブ1に対して相対移動可能に構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、最近検査するプリント基板のピッチ間隔が非常に狭くなってきているので、更なる細く且つ信頼性、高寿命のプローブ開発が求められているので、ニードル部の先端が振れないコンタクトプローブが強く求められている。
【0005】
ニードル部の先端が若干でも移動すると、ニードル部の先端が目的としない被測定面に当たる恐れが生じるからである。ニードル部を極細に形成することによって、それに比例してスリーブ側とのクリアランスが縮小されるので、スリーブとの間隙を小さくすることができるから、ニードル部の先端の振れが改善される。
【0006】
従来の図1に示すコンタクトプローブでは、コイルスプリング3が必要であるので、コンタクトプローブの径を細くするには、自ずから限界があった。
【0007】
この発明は、このような問題点を解消しようとするものであり、従来のプローブよりも著しく細くすることができ、ピッチ間隔の狭いプリント基板の検査を支障なく実施することができる極細コンタクトプローブの製法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究の結果、コイルスプリングを使用せずに、極細線状体からなるコンタクトプローブを弾性材料から形成し、該線状体の中央部を薄板に形成して、該薄板にコイルスプリングの役割を付与させることを想到し、本発明に到達した。
【0010】
即ち本発明の製法は、バネ性を有する材料からなる径が50〜100μの極細線状体の一部を、スェージング加工法によって更に細い第2の極細線状体とし、該細くした第2の極細線状体をプレスして薄板を一体として連設し、該薄板に波型が生じるように凹凸部を交互に3ヶ所以上形成してコンタクトプローブを形成し、該コンタクトプローブをスリーブ若しくは絶縁ボードの孔に内装することを特徴とする。
【0011】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の製法で得たコンタクトプローブ(以下、本発明のコンタクトプローブという)を示すものであり、筒状スリーブ1aに内装するコンタクトプローブ7の中央部を薄板6に形成し、該薄板6の弾性力によって、中心導体2aがスリーブ1aに対して、相対移動可能に構成した例を示す。尚、薄板6の幅は、中心導体2aの径より若干小さく形成している。
【0013】
コンタクトプローブ7の薄板6に、コイルスプリングと同様の弾性力を付与させるため、コンタクトプローブを、鋼、銅合金若しくはタングステンのようなバネ性を有する材料から形成する。
【0014】
薄板6を線状体としないで薄板としたのは、線状体であると中心導体2aの径を越えて横方向に突出し、スリーブ1aに強く当たって中心導体が動かなくなるからである。
【0015】
図1に示すコンタクトプローブでは、中心導体2の径は、110μ以下(図2に示すコンタクトプローブのスリーブ1aとして160μ以下)にはできなかったが、本発明によれば、中心導体60〜100μ(図2に示すコンタクトプローブのスリーブ1aとして90〜130μ)、好ましくは60〜70μ(図2に示すコンタクトプローブのスリーブ1aとして90〜100μ)にすることができる。
【0016】
本発明のコンタクトプローブの薄板部6は、長さ200〜1000μ、厚さはプローブ外径等に比例して、20〜40μ程度とするのが良い。
【0017】
本発明のコンタクトプローブ7は、図3に示すように、スリーブ1aを使用しないで、絶縁ボード11に多数本摺動自在に嵌合させて使用することもできる。
【0018】
本発明のコンタクトプローブ7の後端部8は、リード線に接続することも、或いは図3に示すように、両端摺動型コンタクトプローブとして、被測定物9′に当接するようにしても良い。
【0019】
後端部8の抜けとめの突起を形成しても良いが、図3に示すように、ボード11裏面にプラスチックフイルム10を貼着させて、これを抜けとめとしても良い。
【0020】
本発明のコンタクトプローブ7は、外周を絶縁体被膜で被覆し、これらコンタクトプローブを複数本外部筒体に内装することもできる。
【0021】
図4は、2探針プローブとした例であり、外周を絶縁体被膜で被覆した2個の本発明のコンタクトプローブ7を、スリーブ1bに内装した例を示す。尚、図中4aは、コンタクトプローブ7の後端部8の抜け止めの突起である。
【0022】
上記2探針プローブは、ケルビン法と言われるもので、電流と電圧を同時にかけるので、相手からの信号を正確に読み取ることができ、精密に検査することができる。
【0023】
ケルビン法自体は、公知であるが、従来このような極細プローブを、ケルビン法とすることは全く知られていないし、従来の丸型プローブでのケルビン法の採用は困難視されていた。
【0024】
上記実施例は、2探針プローブとした例であるが、4探針プローブとしても、或いはそれ以上のプローブを内装しても差し支えない。内装するプローブの数は、特に限定されない。
【0025】
図9は、4探針プローブとした例であるが、プローブ7は極細なので、ボードは、上下に間隔付けて配設するのが好ましい。尚、図中15は、被検査デバイス電極である。
【0026】
プローブ7後端のボード16からの抜け止めは、図10下図に示すように、外周に凹状溝17を形成し、図10上図に示すように、該凹状溝17に隣接した部分に必然的に形成された凸条部18を抜け止めとすれば良い。
【0027】
また、図11に示すように、加工時及び圧延時のトルク位置によりコンタクトプローブ7は、必ずしも完全な直線とならないので、このままでもボードの壁に接触して脱落防止が出来る。
【0028】
上記のように構成された本発明のコンタクトプローブ7は、鋼、銅合金若しくはタングステンのようなバネ性を有する弾性材料から、細長い線状体を形成し、スェージング加工によって、薄板部6を形成することにより、安価に形成でき
【0029】
スェージング加工は、鍛造の一種で、線状体の長さ方向と直角の方向に圧縮して成形する加工法であり、これ自体は公知の方法である。
【0030】
次に、本発明のコンタクトプローブの製造方法を図面に基づいて説明する。
【0031】
まず、図5に示すように、鋼、銅合金若しくはタングステンのようなバネ性を有する弾性材料から、直径約0.1mmの細長い線状体12を形成し、図6に示すように、スェージング加工によって、直径約0.04〜0.05mmの極細線状体13に圧延加工し、次いで図7に示すように、プレス加工により厚さ約0.02〜0.03mmのリボンバネ状薄板(C)6に加工する。
【0032】
この時(C)の幅は、(A)、(B)の外径より若干マイナスとする。例えば、(A)、(B)を100とした場合に、(C)の幅は70〜80程度とするのが好ましい。
【0033】
次いで、図8に示すように、バネ機能を付与するために、凹凸部14を形成する。凹凸部14は、3ヶ所以上形成する。
【0034】
図8の下の図に示すように、両端を押圧すると、それぞれに押圧により略均一に伸縮した波型(ストローク)が生じる。ストローク量は、凹凸部14の数に比例する。
【0035】
本発明によれば、バネ性を有する薄板部を形成することによって、コイルスプリングの役割を付与させたので、コンタクトプローブを従来よりも著しく細く形成することができる。
【0036】
コンタクトプローブを細くしたいということは誰でも考えたことであるが、現実に本発明のような超極細の超精密な製品を得ることは、従来は全く不可能な事であった。
【0037】
また本発明によれば、単一のスリーブに複数のコンタクトプローブを支障なく内装することができるので、電流と電圧とを同時に掛けることができるから、より精密な検査をすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば、コンタクトプローブを従来の半分程度の極細とすることができるので、ピッチ間隔の狭いプリント基板等の検査を支障なく行うことができると共に、先端ニードル部が中心から移動し難くなるので、先端が目的としない被測定物に当たる恐れを効果的に回避できるというこの種従来のコンタクトプローブには、全く見られない絶大な効果を奏する。
【0039】
また、本発明によれば、上記コンタクトプローブを安価に且つ容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の一体型コンタクトプローブを示す断面図である。
【図2】本発明のコンタクトプローブを示す断面図である。
【図3】本発明コンタクトプローブの他の例を示す断面図である。
【図4】本発明コンタクトプローブの他の例を示す断面図である。
【図5】本発明のプローブを形成するための線状体側面図である。
【図6】線状体にスェージング加工した状態の側面図である。
【図7】スェージング加工後に圧延して薄板部を形成した状態の側面図である。
【図8】薄板部に凹凸部を形成した状態の側面図である。
【図9】本発明のコンタクトプローブをボードに装着した状態の断面図である。
【図10】本発明コンタクトプローブの抜け止めを示す断面図である。
【図11】本発明コンタクトプローブが抜け止めを形成しないでボードに保持される状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1,1b・・………スリーブ
2,2a・・………中心導体
4,4a・・………突起部
8,8a,8b・・………スリーブ
6・・………バネ性を有する薄板
7・・………コンタクトプローブ
8・・………コンタクトプローブの後部
11・・………ボード

Claims (2)

  1. バネ性を有する材料からなる径が50〜100μの極細線状体の一部を、スェージング加工法によって更に細い第2の極細線状体とし、該細くした第2の極細線状体をプレスして薄板を一体として連設し、該薄板に波型が生じるように凹凸部を交互に3ヶ所以上形成してコンタクトプローブを形成し、該コンタクトプローブをスリーブ若しくは絶縁ボードの孔に内装することを特徴とするコンタクトプローブの製造法。
  2. 前記薄板を前記極細線状体の中央部に形成する請求項1記載の製造法。
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