JP4475839B2 - 制御機器収納装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インバーター制御に伴う半導体素子のスイッチング動作時に発生する放射ノイズを低減することができるようにした、インバーター制御装置の如き制御機器の収納装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、電子技術の発達が著しく、コンピューターなどの電子情報処理装置に限らず、家庭で用いられているようなあらゆる電子機器や医療機器に至るまで電子回路が組み込まれており、外部への放射ノイズの影響がこれらの電子機器の誤作動を誘発する可能性がある。しかして、このような事態になれば、大きな社会的影響を及ぼすこととなる。
【0003】
インバーター制御に使用する半導体素子として、サイリスタからトランジスタ、IGBTと変遷し、素子の高速スイッチングが可能となっている。そして、スイッチングロスの低減によりインバーター制御装置の小型化やキャリア周波数の増大により制御性能の向上が図られている。
【0004】
半導体の高速スイッチング化に伴い、スイッチング時のdV/dt が急激に増加する。これに伴い、装置または電源と対地間に存在する浮遊容量により漏れ電流が増加し、伝導ノイズによる機器誤動作が発生することがある。この伝導ノイズに対してはノイズフイルターを電源ラインに入れて対策を取っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
筺体に収納されたインバーター制御装置の半導体素子のスイッチング時において、dV/dt が発生したときには、空中に放射ノイズが放射される。したがって、インバーター制御装置の筺体に隙間があるときは、放射ノイズは、その隙間を通って外部に放出されることになる。また、インバーター制御装置の筺体とパネル類の金属同士の接触がほぼ0Ωになっていない場合、その接触面に抵抗値が発生し、インバーター制御装置に発生したdV/dt による対地間の電位差と、その抵抗面を通って発生したパネル類の電位差に差が生じて、その間を商用周波数の漏洩電流が流れる。このときに、パネル面を介して放射ノイズが放出される場合がある。この放射ノイズにより前記のような機器の誤動作を発生させたりする。
【0006】
このことから、従来は、制御装置の外部への放射ノイズを低減させる手法として、制御装置筺体全体を同電圧化(アース)させるため、制御装置筺体の扉パネル、側面パネル、天井パネル、裏面パネルの互いの接触部分をメッキ処理、塗装マスキング処理を行いそれぞれを密着接続させて、インバーター制御装置の筺体とパネル類の抵抗低減によるパネル間の同電位化を図り、放射ノイズ対策を取ってきた。しかしながら、このような場合、塗装処理やメッキ処理の作業が煩雑になるとともに、パネル材料などの制約も受けるようになり、コストアップ、設計制約、納期遅れ、パネル構成の複雑化を余儀なくされることがあった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、インバーター制御装置等の制御機器からの放射ノイズの低減効果を損ねることが無く、塗装処理やメッキ処理を低減し、主に作業性向上、パネル構成の簡素化、見栄えの向上を図った、インバーター制御装置の如き制御機器の収納装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、アングル材を直方体に組み立ててメッキ処理を施すことにより筺体のアングルフレームを構成し、前面に開閉式の扉、裏面に裏面パネル、側面に側面パネル、天井に天井パネルを取付けるとともに内部に制御機器を収納した、導電性部材により形成された制御機器収納装置において、側面パネルおよび天井パネルは同一板厚とし、側面パネルには前縁部及び後縁部並びに上縁部に内方側に折曲したフランジ片を形成するとともに、天井パネルには後縁部のみに下方側に折曲したフランジ片を形成し、側面パネルの前縁部のフランジ片、後縁部のフランジ片及び上縁部のフランジ片並びに天井パネルの後縁部のフランジ片をアングルフレームに取付け、アングルフレームなどの非塗装部を隠すようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、裏面パネルの内面側は塗装レスとし、その裏面パネルの内面に、アングルフレームにおける側面パネルのフランジで覆われず露出している箇所に接触する、裏面パネルと同じ板厚の導電性部材からなる導通サポートを装着し、上記裏面パネルによりアングルフレームの非塗装部を隠すとともにアングルフレームと抵抗値がほぼ零の導通性を有するようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、裏面パネルは複数枚により構成され、各裏面パネルに設けられている導通サポートは裏面パネルの分割端部より少し後退した位置まで取り付けられており、隣接する裏面パネルのいずれか一方のパネルの分割端部には、裏面パネルと同じ板厚の裏面補助パネルが裏面パネル端部より少し露出するように取り付けられ、その裏面補助パネルが隣接する他の裏面パネルに一部重なり合うようにしてあることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項2に係る発明において、裏面パネルは複数枚により構成され、その各裏面パネルの分割端部にはメッキ処理が施されたL字状パネルが取り付けられ、いずれか一方の裏面パネルのL字状パネルに取り付けられたシールドクリップを介して隣接する裏面パネルが密着するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明において、4隅の支柱フレームの上下部にアングルフレームの幅より大きい幅を有する導電性部材で構成されたサポート片を溶着し、その後メッキ処理を施した後、その支柱フレームを上記サポート片を介して他のフレーム部材と連結することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、側面パネル或いは裏面パネルには、支柱フレームに装着されたサポート片に他のフレームを固定するボルト・ナットが装通される穴を設けるとともに、上記他のフレームの表面とボルト・ナットとの間には上記側面パネル或いは裏面パネルと同色に塗装されたスペーサが装着されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、扉パネルは内面が塗装レスであり、その扉パネルの内面には、扉の全閉時にアングルフレームの前面の露出部に対して密着する導電性部材によって構成されたシールドクリップが装着されていることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、扉パネルは、内面が塗装レスで、複数に分割されて外側に開く複数枚の扉で構成されており、その扉パネルの内面には、扉の全閉時にアングルフレームの前面の露出部に対して密着するシールドクリップが装着され、さらに、隣接する扉パネルのいずれか一方の扉パネルの先端縁部が他方の扉パネルの内側に入るように曲げ加工が施されており、その曲げ加工部と他方の扉パネルの内面のいずれか一方に、扉の全閉時に隣接する扉パネル同士を密着させる導電性部材で形成されたシールドクリップが装着されていることを特徴とする。
【0016】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、複数の筺体を互いに隣接して設置する場合、隣り合わせになる面の塗装された2枚の側面パネルを除去し、隣接する筺体間に1枚の導電性部材でメッキ処理された非塗装の筺体間パネルを介装し、互いに隣接する筺体間を密着接続することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の制御機器収納装置の第1の実施の形態を示す分解斜視図であって、アングル材を直方体に組み立ててメッキ処理を施すことにより筺体のアングルフレーム1が構成されている。上記アングルフレーム1の左右両側面、天井、及び裏面には、それぞれ亜鉛メッキ鋼板などの予めメッキ処理が施された導電性部材により構成され、外面のみに塗装が施された側面パネル2、天井パネル3、及び裏面パネル4が装着されている。また、前面には開閉式の扉(図示せず)が取り付けられている。
【0019】
側面パネル2には、前縁部及び後縁部、並びに上縁部に内方側に折曲されたフランジ片2a、2b及び2cが形成されている。また、天井パネル3にはその後縁部に下方側に折曲されたフランジ片3aが形成されている。
【0020】
しかして、側面パネル2の前後のフランジ片2a、2bをアングルフレーム1の前後の支柱フレーム1a、1aの外面に密着係合させるとともに、上縁部のフランジ片2cをアングルフレーム1の前後方向に延びる上部フレーム1bの上面に密接係合させ図示しないネジによって固着することによって、側面パネル2がアングルフレーム1に取り付けられている。また、アングルフレーム1の天井部にはそのアングルフレーム1の左右方向に延びる後方上部フレーム1cの裏面側にフランジ片3aが密接係合するように天井パネル3が装着され、さらにアングルフレーム1の裏面側に裏面パネル4が装着されている。この場合、天井パネル3のフランジ片3aの両端部には側面パネル2のフランジ片2bに重なり合わないように切り欠き3bが設けられている。
【0021】
図2は、図1におけるアングルフレーム1と側面パネル2、裏面パネル4の接続状態を上部から見た詳細図であり、側面パネル2のフランジ片2a、2b、2cによってアングルフレーム1の外面部が覆われているので、側面パネル2を取り付けた状態に於いては、側面及び上面方向から非塗装であるアングルフレーム1は露出しなくなり、この上から裏面パネル4を取り付けることにより、裏面側からの露出もなくなる。
【0022】
また、図3は図1におけるアングルフレーム1と裏面パネル4および天井パネル3の接続状態を見た断面図であって、天井パネル3の後縁部にアングルフレーム1の後方上部フレーム1cに密着するフランジ片3aが設けられているので、天井パネル3の取り付け状態時においてはアングルフレーム1の外面が露出することもなくなる。
【0023】
このようにアングルフレーム1に対して上記各パネルを装着することにより、導電性を目的とする非塗装部が露出することを抑えることができ、非塗装部の機能を保持しつつ、見栄をよくすることができる。また余分の塗装を行わないので、塗装の作業性が向上しコストダウンを図ることもできる。なお、上記実施の形態においては、天井パネル3のフランジ片3aの両端部に切り欠きを設けたものを示したが、側面パネル2のフランジ片2b、或いはその両者に切り欠きを設け、フランジ片2b、3a が同一平面内にあるようにしてもよい。
【0024】
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す分解斜視図であり、裏面パネル4の内面にはその外周端部から若干内周寄りで周方向に延びる、側面パネル2のフランジと同じ厚さの導通サポート5が溶接されている。そして、この導通サポート5が、アングルフレーム1における側面パネル2のフランジ片2bで覆われず露出している箇所に密接するようにしてある。その他の点は図1のものと同一である。
【0025】
図5は、図4におけるアングルフレーム1と側面パネル2、裏面パネル4の接続状態を示す平断面図であり、側面パネル2のフランジ片2b の幅がアングルフレーム1の幅より小さい場合には、側面パネル2の取り付け状態の時にも、アングルフレーム1が一部露出するが、この露出部分に、裏面パネル4に設けられた導通サポート5が密着するようにしてある。
【0026】
図6は、図4におけるアングルフレーム1と裏面パネル4、天井パネル3の接続状態を示す側断面図であり、天井パネル3のフランジ片3aの幅がアングルフレーム1の幅より小さい場合には、天井パネル3の取り付け状態の時にも、アングルフレーム1が一部露出するが、この露出部分に、裏面パネル4に設けられた導通サポート5が密着するようにしてある。
【0027】
しかして、この場合にも非塗装であるアングルフレーム1を露出させることがなく、裏面パネル4をアングルフレーム1に密着させることができ、それぞれがほぼ電気抵抗ゼロになり同電位化され、外部への放射ノイズを低減することができる。また、塗装のマスキングも行う必要がないので、作業性が向上しコストダウンも可能となる。
【0028】
図7は、本発明の第3の実施の形態を示す分解斜視図であって、裏面パネル4が上下に2分割され、上側裏面パネル4a、下側裏面パネル4bにより構成されている。図8に示すように、上側裏面パネル4aに取り付けられている導通サポート5aの下端は、パネル端よりやや上部でカットされており、下側裏面パネル4bに於いても同様に導通サポート5bの上端がパネル端よりやや下部でカットされており、その上部に上側裏面パネル4aの下端部内面に密着する裏面補助パネル6が装着されている。
【0029】
図9は、図7における上下裏面パネル5a、5bの接続状態を示す断面図であり、図10は図8の矢印A部の拡大図である。図10に示すように、上側裏面パネル4a、下側裏面パネル4bは裏面補助パネル6を含めて表面のみ塗装されており、上側裏面パネル4aと下側裏面パネル4bをアングルフレーム1に取り付けたときに、下側裏面パネル4b に取り付けられた裏面補助パネル6が、上側裏面パネル4aの内側の導通サポート5aと密接するようになり、上側裏面パネル4aと下側裏面パネル4b間の隙間から内部及びアングルフレーム1等の非塗装部が露出しないようにしてある。また、裏面補助パネル6は、メッキ処理して取り付け、上下裏面パネル同士の同電位化をさらに向上させてもよい。その他の点は、図4に示すものと同一である。
【0030】
しかして、上述のように、裏面パネル4を分割構造にした場合に於いても、分割部に於いて導通などを目的とした非塗装部を露出することがなく、また、アングルフレームと裏面パネルとの導通の機能も損ねることなく構成することができる。また、外部への放射ノイズを低減することもできる。
【0031】
図11は、本発明の第4の実施の形態を示す図であり、裏面パネル4が上下に2分割され、上側裏面パネル4a、下側裏面パネル4bにより構成されている。図12及び図13に示すように、上側裏面パネル4aに取り付けられている導通サポート5aの下端は、パネル端よりやや上部でカットされており、下側裏面パネル4bに於いても同様に導通サポート5bの上端がパネル端よりやや下部でカットされている。
【0032】
また、上側裏面パネル4a及び下側裏面パネル4bの分割端部に於いては、それらの内面側に導電性を有するL字状パネル7a、7bが溶接により装着されており、下側裏面パネル4bに設けられたL字状パネル7bには導電性部材からなるS字状のシールドクリップ8が取り付けられている。そして、図12に示すように、上側裏面パネル4aと下側裏面パネル4bがアングルフレーム1に取り付けられたとき上記シールドクリップ8が上側裏面パネル4aに設けられたL字状パネル7aに押圧されるようにしてある。
【0033】
しかして、裏面パネル4を分割構造にした場合に於いても、上側裏面パネル4a及び下側裏面パネル4b間にシールドクリップ8が設けられているので、それらの間で十分に同電位化が図られ、また隙間もほとんどなくなり外部への放射ノイズを防ぐことができる。さらに、L字状パネル7a、7bをやや裏面パネル4a、4bの端部より内側に設けているので、シールドクリップ8を取り付けても、シールドクリップ8が外部に露出することがなく、見栄えが損なわれることもない。
【0034】
なお、上記第3及び第4の実施の形態においては裏面パネルを上下に2分割したものを示したが、2個以上の複数に分割してもよく、また、左右に分割してもよい。
【0035】
図14は本発明の第5の実施の形態を示すアングルフレーム1の分解図であり、アングルフレーム1の鉛直方向に立つ4隅の支柱フレーム10の上端部及び下端部にそれぞれ矩形状に形成された天井アングルフレーム11及び底面アングルフレーム12が連結されている。すなわち、上記各支柱フレーム10の上端及び下端には、図15に示すように、横断面がL字状のサポート片13が支柱フレーム10の端部から若干突出するように溶着されており、図16に上端部のみを示すように、このサポート片13を天井アングルフレーム11及び底面アングルフレーム12の隅角部に係合し、天井アングルフレーム11或いは底面アングルフレーム12のボルト穴及び上記サポート片13に設けられたボルト取り付け穴14にボルト15を挿通することにより、支柱フレーム10が天井アングルフレーム11及び底面アングルフレーム12に連結されている。なお、L字状のサポート片13は支柱フレーム10に溶着された後メッキ処理が施されている。
【0036】
このように、サポート片13を介して支柱フレーム10と天井アングルフレーム11及び底面アングルフレーム12が連結されているので、フレームを分割構造とすることができ、メッキ処理の作業を簡単なものにすることができ、メッキ処理コストを抑えることができる。
【0037】
ところで、アングルフレーム1はメッキ処理されており、塗装はされていない。そこで、上記アングルフレーム1に裏面パネル4を取り付けるためには、アングルフレーム1を連結している固定用のボルト15を避けるように裏面パネル4に穴を設けているため、アングルフレーム1に裏面パネル4を取り付けたときにはアングルフレーム1のメッキ部分が露出してしまう。
【0038】
このようなことから、天井アングルフレーム11及び底面アングルフレーム12の前記L字状のサポート片13との連結部の外面に、図17に示すように、裏面パネル4の外面と同色に塗装され、前記導通サポート5と同じ板厚の矩形板状のスペーサ16が添着され、そのスペーサ16の外側からボルト締めされている。そして、裏面パネル4の内面に設けられている導通サポート5が、図18及び図19に示すように、上記スペーサ16と対応する4隅部分だけカットされている。
【0039】
しかして、裏面パネル4の4隅部にアングルフレーム固定用のボルト15を避けるための穴17が設けられていても、上記裏面パネル4をアングルフレーム1に装着した場合には、その穴17と対応する部分にはスペーサ16が設けられているので、アングルフレーム1のメッキ部分(非塗装部)が露出することが防止され、しかも裏面パネル4とアングルフレーム1との同電位化を損なうこともない。
【0040】
図20(a)は、本発明の収納装置の扉パネル20を開いた状態を示す斜視図であり、アングルフレーム1の前面に亜鉛メッキ鋼板など予めメッキ処理が施された1枚の扉パネル20が取り付けられている。この扉パネル20の内面は非塗装(メッキ処理)で外面は塗装面となっている。上記扉パネル20の内面には、閉じたときに図20(a)のアングルフレーム1の斜線部で示すフレーム露出部に接触するフレーム接触部21が設けられている。すなわち、扉パネル20の内面にはフレーム露出部と対応する位置に非塗装のクリップ止め用サポート22が溶接され、そのクリップ止め用サポート22に、図21(a)に示すようなS字状のシールドクリップ23が装着されている(図21(b))。
【0041】
しかして、扉パネル20を閉めた場合にはメッキ処理されたアングルフレーム1に同じくメッキ処理されたシールドクリップ23がその弾性により密着接触される。したがって、アングルフレーム1及び扉パネル20は十分導通して、それぞれがほぼ電気抵抗ゼロになり同電位化され、外部への放射ノイズが低減される。また、塗装のマスキングも行う必要がないので、作業性が向上しコストダウンを図ることができる。
【0042】
図22は、扉パネル20の他の実施の形態を示す図であり、扉パネル20が左扉パネル20aと右扉パネル20bの2枚によって構成されている。これらの左右の扉パネル20a、20bは亜鉛メッキ鋼板など予めメッキ処理が施された部材によって構成されており、非塗装とされた内面にはフレーム接触部21が設けられている。また、左扉パネル20aの先端部が右扉パネル20bの内側に入るように曲げ加工されており、その曲げ加工部24と右扉パネル20bの内面のいずれか一方(図23に於いては左扉パネル20aの曲げ加工部24)に、導電性部材からなるS字状のシールドクリップ25が装着されている。
【0043】
しかして、左扉パネル20aと右扉パネル20bが閉じられると、シールドクリップ25が他方の扉パネルの非塗装面に密着して接触される。したがって、左扉パネル20aと右扉パネル20b及びアングルフレーム1がそれぞれ十分に導通してそれぞれがほぼ電気抵抗ゼロになり同電位化される。
【0044】
なお、上記実施の形態においては扉パネルを2枚によって構成したものを示したが、2枚以上で構成してもよい。
【0045】
図24は本発明の他の実施の形態を示す図であり、一つの筺体に対してもう一つの筺体を密接して設置するようにしたものである。すなわち、互いに隣接する筺体26a、26bの側面パネル、つまり筺体26aでは右側側面パネル、収納装置26bでは左側側面パネルをなくし、それらの間に非塗装(メッキ処理)の筺体間パネル27を介装して互いに連結するようにしてある。
【0046】
図25は、上記連結部の断面部分図であって、筺体間パネル27は側面パネル2と同じ板厚の部材によって構成されており、アングルフレーム1の幅より僅かに小さい曲げ加工が施され、裏面パネル4とアングルフレーム1、筺体間パネル27が密着して接触するようにしてある。また、筺体26a、26bのアングルフレーム1と筺体間パネル27が密着して接触するように連結ボルト28によって固定されている。
【0047】
しかして、上記筺体間パネル27によって両筺体26a、26bとアングルフレーム1及び裏面パネル4がそれぞれ十分に導通可能となる。
【0048】
図26は、パネルの塗装方法を示す図であり、図27の斜線部で示すように、表面のみに塗装を施すパネル28の裏面側端部にマスキング29を行い、表面側に塗装スプレー30により塗装を施すようにする。これにより、図28で斜線で示すように裏面側端部に塗装が回り込むようなことをなくすことができる。
【0049】
すなわち、本来導通生の要求される箇所に於いて、塗装が一部付いてしまうと、塗装の厚みによりパネルを密着して取り付けることができなくなり、電気抵抗がやや高くなって放射ノイズの防止効果が薄れてしまう。しかしながら、前述のような処置を施すことによって塗装作業のムラの影響もないので、確実に本来の導通生を確保することができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、アングルフレーム等の導通を目的とした非塗装部を、機能の一部を削ぐような余計な塗装処理を施すことなく隠すことができ、見栄えをよくすることができる。また、筺体との同電位化を図る上で、裏面、側面、天井パネルの塗装マスキング作業が削減され、作業性を向上し、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御機器収納装置の第1の実施の形態の分解斜視図。
【図2】図1におけるアングルフレーム、側面パネル、裏面パネルの接触部の詳細図。
【図3】図1におけるアングルフレーム、裏面パネル、天井パネルの接触部の詳細図。
【図4】本発明の制御機器収納装置の第2の実施の形態の分解斜視図。
【図5】図4におけるアングルフレーム、側面パネル、裏面パネルの接触部の詳細図。
【図6】図4におけるアングルフレーム、裏面パネル、天井パネルの接触部の詳細図。
【図7】本発明の制御機器収納装置の第3の実施の形態の分解斜視図。
【図8】図7に示す上側裏面パネル、下側裏面パネルの内面を示す図。
【図9】図7におけるアングルフレーム、上側裏面パネル、及び下側裏面パネルの接触部を示す断面図。
【図10】図9の矢印Aで示す部分の詳細図。
【図11】本発明の制御機器収納装置の第4の実施の形態の分解斜視図。
【図12】図11における上側裏面パネルと下側裏面パネルの接触部を示す断面図。
【図13】図11における上側裏面パネルと下側裏面パネルの接触部の分解斜視図。
【図14】アングルフレームの分解斜視図。
【図15】L字状サポート取り付け部の拡大斜視図。
【図16】支柱フレームと天井アングルフレームとの連結部の斜視図。
【図17】図16の他の実施の形態を示す斜視図。
【図18】裏面パネルの内面図。
【図19】図18の矢印Bで示す部分の拡大斜視図。
【図20】(a)は扉パネルを開いた状態の斜視図、(b)は扉パネルを閉じた状態の側面図。
【図21】(a)はシールドクリップの斜視図、(b)は図20における扉パネルとアングルフレームとの接触部の断面図。
【図22】扉パネルの他の実施に形態を示す図。
【図23】図23における左右扉パネルの接触部の断面図。
【図24】本発明の他の実施の形態を示す図。
【図25】図24における収納装置の連結部の断面部分図。
【図26】パネル塗装状態を示す図。
【図27】パネル塗装方法の一実施例を示す図。
【図28】マスキングを施さない場合のパネル塗装状態の例を示す図。
【符号の説明】
1 アングルフレーム
2 側面パネル
3 天井パネル
4 裏面パネル
5 導通サポート
6 裏面補助パネル
7a、7b L字状パネル
8、23、25 シールドクリップ
10 支柱フレーム
11 天井アングルフレーム
12 底面アングルフレーム
13 サポート片
16 スペーサ
20 扉パネル
24 曲げ加工部
26a、26b 筺体
27 筺体間パネル
Claims (9)
- アングル材を直方体に組み立ててメッキ処理を施すことにより筺体のアングルフレームを構成し、前面に開閉式の扉、裏面に裏面パネル、側面に側面パネル、天井に天井パネルを取付けるとともに内部に制御機器を収納した、導電性部材により形成された制御機器収納装置において、側面パネルおよび天井パネルは同一板厚とし、側面パネルには前縁部及び後縁部並びに上縁部に内方側に折曲したフランジ片を形成するとともに、天井パネルには後縁部のみに下方側に折曲したフランジ片を形成し、側面パネルの前縁部のフランジ片、後縁部のフランジ片及び上縁部のフランジ片並びに天井パネルの後縁部のフランジ片をアングルフレームに取付け、アングルフレームなどの非塗装部を隠すようにしたことを特徴とする制御機器収納装置。
- 裏面パネルの内面側は塗装レスとし、その裏面パネルの内面に、アングルフレームにおける側面パネルのフランジで覆われずに露出している箇所に接触する、裏面パネルと同じ板厚の導電性部材からなる導通サポートを装着し、上記裏面パネルによりアングルフレームの非塗装部を隠すとともにアングルフレームと抵抗値がほぼ零の導通性を有するようにしたことを特徴とする、請求項1記載の制御機器収納装置。
- 裏面パネルは複数枚により構成され、各裏面パネルに設けられている導通サポートは裏面パネルの分割端部より少し後退した位置まで取り付けられており、隣接する裏面パネルのいずれか一方のパネルの分割端部には、裏面パネルと同じ板厚の裏面補助パネルが裏面パネル端部より少し露出するように取り付けられ、その裏面補助パネルが隣接する他の裏面パネルに一部重なり合うようにしてあることを特徴とする、請求項2記載の制御機器収納装置。
- 裏面パネルは複数枚により構成され、その各裏面パネルの分割端部にはメッキ処理が施されたL字状パネルが取り付けられ、いずれか一方の裏面パネルのL字状パネルに取り付けられたシールドクリップを介して隣接する裏面パネルが密着するようにしてあることを特徴とする、請求項2記載の制御機器収納装置。
- 4隅の支柱フレームの上下部にアングルフレームの幅より大きい幅を有する導電性部材で構成されたサポート片を溶着し、その後メッキ処理を施した後、その支柱フレームを上記サポート片を介して他のフレーム部材と連結することを特徴とする、請求項1記載の制御機器収納装置。
- 側面パネル或いは裏面パネルには、支柱フレームに装着されたサポート片に他のフレームを固定するボルト・ナットが装通される穴を設けるとともに、上記他のフレームの表面とボルト・ナットとの間には上記側面パネル或いは裏面パネルと同色に塗装されたスペーサが装着されていることを特徴とする、請求項5記載の制御機器収納装置。
- 扉パネルは内面が塗装レスであり、その扉パネルの内面には、扉の全閉時にアングルフレームの前面の露出部に対して密着する導電性部材によって構成されたシールドクリップが装着されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の制御機器収納装置。
- 扉パネルは、内面が塗装レスで、複数に分割されて外側に開く複数枚の扉で構成されており、その扉パネルの内面には、扉の全閉時にアングルフレームの前面の露出部に対して密着するシールドクリップが装着され、さらに、隣接する扉パネルのいずれか一方の扉パネルの先端縁部が他方の扉パネルの内側に入るように曲げ加工が施されており、その曲げ加工部と他方の扉パネルの内面のいずれか一方に、扉の全閉時に隣接する扉パネル同士を密着させる導電性部材で形成されたシールドクリップが装着されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の制御機器収納装置。
- 複数の筺体を互いに隣接して設置する場合、隣り合わせになる面の塗装された2枚の側面パネルを除去し、隣接する筺体間に1枚の導電性部材でメッキ処理された非塗装の筺体間パネルを介装し、互いに隣接する筺体間を密着接続することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれかに記載の制御機器収納装置。
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