JP2603032B2 - 機器ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プラグインユニットを
支持するためのフレームと、側壁と後壁とドアと天井と
床を包含するライニング部材とからなる電子および電気
プラグインユニットのための機器ケース装置機器ケース
に関するものである。

【０００２】電気アセンブリを収容するための機器ケー
スには、一連の条件が課せられる。それによると、機器
ケースは振動荷重や地震にも耐えられる十分な機械的強
度を有していなければならない。さらに、プラグインユ
ニットに接近しやすいように、ライニング部材は容易に
取り外しができなければならない。また、ライニング部
材はほこりや水の侵入を防ぐだけでなく、電磁波の侵入
も防止しなければならない。

【０００３】

【従来の技術】理想的な高周波遮蔽を実現するために、
従来、ライニングを用いて、機器ケースの周囲をできる
だけ密に、かつ導電的に包囲することが試みられてき
た。これは種々のライニング部材とフレームとの間、フ
レーム自体の間、およびライニング部材相互間に多数の
導電結合を作ることによって行われていた。この方策
は、機器ケースを製造する際に慎重で繁雑な手作業と、
特に導電性の良好なフレームとを必要とする。このよう
なフレームは、たとえばニッケルによる電気めっきやス
テンレス鋼の使用によって実現される。簡単な使用を目
的として遮蔽対策を考慮せずに安価に製造されたフレー
ムに、選択により、あるいは後から高周波遮蔽を設ける
ことも不可能である。

【０００４】遮蔽の問題の他の解決法は、はんだまたは
溶接によって全面的に閉じられたケースにフレームを収
容し、ケースに接点を設けたドアを取り付けることであ
る。この場合の短所は、プラグインユニットに接近する
ためには、ドアを開けるしかない点である。

【０００５】ライニング部材、すなわち壁、ドア、天井
および床が固定されたフレームを有する機器ケースのた
めの密封部材が知られている。フレームは金属プロフィ
ルによって形成されている。これらの金属プロフィルに
は、密封部材を取り付けるためのフランジまたはジブが
外側に出ており、これに密封部材を取り付ける。これら
の密封部材はゴムからなり、固定するためにフックを付
けたＵ字形断面の弾性挿入部材を有している。密封部材
は外から導電性金属メッシュによって被覆されている。
金属メッシュはフレームと、ねじ止めされたライニング
部材とを電気的に結合する。これらの金属プロフィルと
密封部材は構造が複雑であり、密な高周波遮蔽はほとん
ど達成できない（ＥＰ−ＯＳ０４２７５５０）。

【０００６】さらに、全周にドア付きライニングを備え
たフレームを有する機器ケースが知られている。高周波
遮蔽の目的には、フレームにはめこまれ全面的に閉じる
箱形挿入部材を用いる。ドアの内側には遮蔽板が取り付
けられている。密封の目的には、挿入部材の縁および遮
蔽板の縁に、装着可能なばね状の接点条片を取り付けて
いる。これらの接点条片はドアを閉じると互いに重なり
合う。しかし、この場合、高周波遮蔽のための挿入部材
の構造は、非常に複雑である（ＤＥ−ＰＳ３６１１６９
３）。

【０００７】遮蔽すべき機器のスリットやギャップを密
封するための密封部材が、ＤＥ−ＯＳ２８２９２５５に
よって知られている。これらの密封部材は、金属メッシ
ュのコードと加硫ゴム製密封部材からなる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高周
波遮蔽のコストを下げ、非遮蔽ケースまたは遮蔽ケース
のいずれにも使用できる、電子および電気プラグインユ
ニットのための支持フレームを有する機器ケースを提供
することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、プラグインユ
ニットを支持するための支持フレームと、側壁と後壁と
ドアと天井と床を包含する金属ライニング部材とからな
る電子および電気プラグインユニットのための機器ケー
スを前提とする。前記の課題は、電磁波を遮蔽するため
に、前記ライニング部材がそれらの縁部に沿って、導電
性の良好な互いに対応する接触面を有し、これらの接触
面の間に、導電性の良好なばね弾性材料からなる接点条
片が設けられていることによって解決される。

【００１０】本発明の他の有利な特徴は、ライニング部
材に、接触面を支持する折れ曲げられた縁板が設けられ
ている点である。この方策により、ライニング部材に十
分な剛性が与えられ、接触面の取り付けは種々の方法で
容易に行える。

【００１１】縁板をライニング部材の全周に直角に折り
曲げた周縁部に取り付けることによって、ドアに用いる
結合部材の配置および密封が容易になる。

【００１２】本発明の非常に有利な構成例において、す
べてのライニング部材の縁板が約４５度の角度で全周内
側に折れ曲げられている。それゆえ、すべての接触面も
等しく形成され、接点条片は非常に容易に取り付けるこ
とができる。２つの隣接するライニング部材の接合され
た縁が互いに９０度をなす限り、縁板は他の鋭角で内側
に曲げることもできる。

【００１３】接点条片を縁板に設けられた接触面に固定
することができる。これは、装着や導電性接着剤を用い
た接着によって行うことができる。

【００１４】接点条片をフレームに固定することも可能
である。これは接点条片を適当に形成した場合に、挟み
込みなどによって行うことができる。

【００１５】接点条片は、酸化しない金属材料からなる
数列のばね接点、または導電性を有するゴム弾性密封部
材からなる点が有利である。この場合、たとえばドアの
密封部材と組み合わせると、接点条片に弾力的な金属メ
ッシュを用いることも好都合であろう。金属メッシュは
ゴム弾性起泡プラスチックからなるコア部材を有するこ
とができる。

【００１６】接点条片と平行に、接触面の間に追加のゴ
ム弾性密封部材を設けることによって、高周波遮蔽と機
械的遮蔽をそれぞれ独立に形成することも可能である。

【００１７】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１８】図面に示した電子および電気プラグインユ
ニットを収容する機器ケースは、本質的に、プラグイン
ユニットを支持するための直方体の支持フレーム１また
は１′（図３〜５）と、複数の金属ライニング部材（図
１および２）、すなわち側壁２、２′、後壁３、３′、
ドア４、４′、天井５、５′、床６、６′からなる。こ
れらのライニング部材は鋼板からなり、その表面は１ま
たは複数の塗装７によって適切に防錆されている。

【００１９】正方形断面の鋼管を溶接して接合したフレ
ーム１（図３）は、４本の垂直支柱８と、８本の水平桁
９からなる。フレーム１は、プラグインユニット（図示
せず）を固定するためのレール、テレスコープ、サポー
ト、バー（図示せず）を装備している。図４に示すフレ
ーム１′は、断面が概ねＵ字形の鋼製棒材１０から組み
立てられ、適当に装備されている。フレーム１、１′
も、外的な影響を防ぐために、たとえば吹き付け塗装や
浸漬によって作製された非導電性の被覆１１を設けてい
る。

【００２０】図１に示すライニング部材、すなわち等し
く形成された２つの側壁２、後壁３、ドア４、天井５、
および天井に対応する床６は、長方形の浅い槽として形
成されている。ライニング部材は、すべての縁部１２に
全周にわたって直角に折れ曲がった等しい高さの周縁部
１３を有している。これらの周縁部は４つの角１４で突
き合わされ、互いに結合される。これらの周縁部１３に
は、２つの側壁２、天井５および床６において、折り曲
げた等しい幅の縁板１５が取り付けられている。縁板１
５は直角に外側に飛び出し、それぞれ角１４の近傍まで
しか延びていない。そのため、天井５と床６は側壁２に
はめこむことができる。

【００２１】ライニング部材２、３、４、５、６は、縁
部１２に沿って、導電性の良好な接触面１６を有してい
る。これらの接触面１６は、遮蔽を組み立て、ライニン
グ部材２、３、４、５、６を互いに突き合わせたとき
に、互いに向き合う。

【００２２】互いに一致する、研磨した金属からなる接
触面１６は、側壁２、後壁３およびドア４の縁板１５で
は、塗装されていない突き合わせ面によって形成されて
いる。さらに、対応しているがより幅の広い接触面１６
は、側壁２の内側の縁部１２（図１参照）沿いと、天井
５および床６の側方周縁部１３に位置している。

【００２３】互いに向き合うライニング部材２、３、
４、５、６の導電性接触面１６の間に、ばね弾性接点条
片１７が設けられている（図３参照）。導電性の良好な
材料からなるこれらの接点条片１７は、フレキシブルコ
ードとして形成された弾力的な金属メッシュ、または防
錆処理された適当な高品質の金属からなる数列または数
条のばね接点である。接点条片１７は、それぞれ電磁波
に対して密封されるべき隙間を形成する、互いに隣接す
る２つのライニング部材２、３、４、５、６の１つの縁
板１５の接触面１６に導電的に固定されている。

【００２４】図２に示す第２の構成例において、組み立
て可能なライニング部材がやはり槽状に形成されてい
る。その際、２つの側壁２′、後壁３′、ドア４′、天
井５′、床６′は、フレーム１′の周囲に全面的に閉じ
た高周波遮蔽を形成するために、縁板１５′を付けてい
る。縁板１５′は、全周にわたって内側に４５度の角度
１８で曲げられている（図４参照）。これらの縁板１
５′もライニング部材２′、３′、４′、５′、６′の
角１４′で（たとえば溶接によって）互いに結合され
る。

【００２５】ライニング部材２′〜６′は、すべての縁
１２′に沿って、研磨した金属からなり、したがって導
電性の良好な接触面１６′を全周にわたって有してい
る。これらの接触面１６′は、それぞれ互いに向き合
い、対応している。帯状の接触面１６′の間に、ばね弾
性を有する導電性の良好な材料からなる接点条片１７′
が設けられている。これらの接点条片１７′（図２参
照）は、２つの側壁２′、後壁３′、ドア４′の縁板１
５′を有しているが、天井５′と床６′には接触面１
６′のみ付いている。接合されたライニング部材２′〜
６′は、直方体のケースとして完全に閉じた遮蔽を形成
する。このケースはフレーム１を包囲し、その中に保持
されたプラグインユニットを、ファラデー遮蔽の効果に
よって外部の電磁波の影響に対して極めて良好に保護す
る。また、ライニング部材２′〜６′の間に存在するす
べての隙間が接点条片１７′によって完全に密に密封さ
れている場合には、プラグインユニット中に生み出され
た電磁波が漏洩するのがほぼ完全に防止される。

【００２６】接点条片１７′の固定は、接点条片１７′
を適当に、たとえばＳ字形断面に形成する場合、縁板１
５′を挟み込みによって行うことができる（図５参
照）。別様に構成された接点条片１７′の他の固定方法
においては、接点条片１７′はフレーム１に挟み込みに
よって固定されている（図６参照）。

【００２７】図７に、良好な機械的密封を得るために、
金属接点条片１７′と平行に、ゴム弾性密封部材１９が
設けられた他の構成例を示す。

【００２８】組み立てられたライニング部材２、２′〜
６、６′からなる独立の遮蔽は、フレーム１、１′に任
意の方法で、たとえばねじ止めまたは挟み込みによって
固定される。これは非常に簡単に行えるので、選択によ
り、または後から、機器ケースに上記の２つの遮蔽を設
けることが可能である。たとえばライニングによって作
られるドア４、４′のヒンジ２０の隙間を遮蔽するため
に、簡単な方策が追加で必要になることは言うまでもな
い。しかし、この方策は施工上慣用の技術しか必要とし
ないため、ここには記述しない。

【００２９】

【発明の効果】ライニング部材の周縁部を前記のように
形成することにより、機器ケースの機械的構造、すなわ
ちフレームと、高周波遮蔽との間を明確に分離すること
が可能となる。これは、フレームを遮蔽措置を考慮せず
に、したがって安価に設計できることを意味している。
同じフレームを遮蔽ケースおよび非遮蔽ケースとして使
用できる。この場合、ライニング部材は互いに電気的に
結合されている。従来不可避であったフレームとの導電
結合はすべて省かれる。ライニング部材は、ねじ止め、
吊り下げ、挟み込みなどによってフレームに機械的に取
り付けるだけである。それ以外の点ではライニング部材
はフレームから電気的に絶縁している。

【図面の簡単な説明】

【図１】全周に直角に折り曲げた周縁部を有する第１の
構成例における機器ケースのライニング部材の展開図で
ある。

【図２】全周に内側に折り曲げた縁板を有する第２の構
成例における機器ケースのライニング部材の展開図であ
る。

【図３】図１のライニング部材を装備した機器ケースの
水平断面図である。

【図４】図２のライニング部材を有する第２の機器ケー
スの水平断面図である。

【図５】図４に示した機器ケースの角部の第１の仕様で
ある。

【図６】図４に示した機器ケースの角部の第２の仕様で
ある。

【図７】図４に示した機器ケースの角部の第３の仕様で
ある。

【符号の説明】

１、１′ フレーム ２、２′ 側壁 ３、３′ 後壁 ４、４′ ドア ５、５′ 天井 ６、６′ 床 ７ 塗装 ８ 支柱 ９ 横木 １０ 棒材 １１ 被覆 １２、１２′ 縁部 １３ 周縁部 １４、１４′ 角 １５、１５′ 縁板 １６、１６′ 接触面 １７、１７′ 接点条片 １８ 角度 １９ 密封部材 ２０ ヒンジ

フロントページの続き (72)発明者 クルト ポール ドイツ連邦共和国 デー−8000 ミュン ヘン 83 プレットシュトラーセ ５ (72)発明者 ゲルハルト ヒュラー ドイツ連邦共和国 8175 ライヒェルス ボイエルン バーンホーフシュトラーセ 60アー (56)参考文献 特開 昭59−181097（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−135794（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−68705（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−147795（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−145397（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−86296（ＪＰ，Ｕ)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラグインユニットを支持するための支
   持フレーム（１）と、側壁（２）、後壁（３）、ドア
   （４）、天井（５）および床（６）を包含する、外面と
   内面が塗料（７）で防錆された金属ライニング部材とか
   らなる電子および電気プラグインユニットのための機器
   ケースであって、これら金属ライニング部材が長方形状
   に形成され、その縁部に沿って、金属ライニング部材に
   対し垂直で、同じ高さの周縁部（１３）が延び、角（１
   ４）において当接して互いに連結されており、そして、
   電磁波の遮蔽のため、金属ラインング部材（２）、
   （３）、（４）、（５）、（６）の縁部（１２）には、
   互いに対向して良導電性の接触面（１６）が形成され、
   これら接触面の間にばね弾性を有する良導電性の材料か
   ら構成された接点条片（１７）が配置されている機器ケ
   ースにおいて、 前記側壁（２）、天井（５）および底（６）の周縁部
   （１３）に折り曲げられた、同じ幅の縁板（１５）が設
   けられており、 前記縁板（１５）が外方へ周縁部（１３）がら直角に突
   きでて角（１４）の近くまで延びており、 側壁（２）、天井（５）、底（６）の縁板（１５）が研
   磨された金属の接触面（１６）を有し、 後壁（３）とドア（４）の縁部（１２）の内側と、天井
   （５）と底（６）の周縁部（１３）に沿って、前記縁板
   の接触面（１６）より幅の広い接触面（１６）が形成さ
   れており、そして、 接点条片（１７）が、前記金属ライニング部材（３）、
   （４）、（５）、（６）の前記幅の広い接触面（１６）
   の上に導電的に固定されていることを特徴とする機器ケ
   ース。
2. 【請求項２】 プラグインユニットを支持するための支
   持フレーム（１’）と、側壁（２’）後壁（３’）、ド
   ア（４’）、天井（５’）および床（６’）を包含す
   る、外面と内面が塗料（７）で防錆された金属ライニン
   グ部材とからなる電子および電気プラグインユニットの
   ための機器ケースであって、これら金属ライニング部材
   が長方形状に形成され、そして角（１４’）において互
   いに連結された縁板（１５’）が設けられ、そして、電
   磁波を遮蔽するため、前記金属ライニング部材
   （２’）、（３’）、（４’）、（５’）、（６’）の
   縁部（１２’）には、互いに対向して良導電性の接触面
   （１６’）が形成され、これら接触面の間にばね弾性を
   有する良導電性の材料から構成された接点条片（１
   ７’）が配置されている機器ケースにおいて、 前記縁板（１５’）が約４５℃の角度（１８）に内方へ
   曲げられており、 全ての縁板（１５’）が、良導電性の条片状の接触面
   （１６’）を有し、そして、 前記２つの側壁（２’）の縁板（１５’）、および、後
   壁（３’）とドア（４’）の縁板（１５’）に接点条片
   （１７’）が設けられていることを特徴とする機器ケー
   ス。
3. 【請求項３】 接点条片（１７、１７’）が数列のばね
   接点からなる請求項１又は２記載の機器ケース。
4. 【請求項４】 接点条片（１７、１７’）に弾力的な金
   属メッシュを用いる請求項１又は２記載の機器ケース。
5. 【請求項５】 接点条片（１７、１７’）と平行に、接
   触面（１６、１６’）の間に追加のゴム弾性密封部材
   （１９）が設けられている請求項１〜４項のいずれか１
   項に記載の機器ケース。