JP4473855B2 - 液体調味料 - Google Patents

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Description

本発明は、2−プロピオニルチアゾールを含有する液体調味料に関する。
胡麻を素材とする風味成分は大変嗜好性が高く、煎った胡麻を新鮮なうちに擂った時の軽い香りは大変好ましいものである。しかし、焙煎した胡麻の擂り立ての軽い香りは持続性が弱く、時間の経過と共に消失してしまう。市販のドレッシング等の液体調味料においては胡麻風味の製品が多数発売されているが、これらは製品の製造工程中又は製造後、時間の経過と共に風味が消失しないよう、食用胡麻よりも高い焙煎度で焙煎された際に発現する重い焙煎香を強調したものとなっている。よって、これは食用胡麻を擂った際に発現する軽い擂り立て香を有するものではない。
食用胡麻の好ましい風味を発現させるための方法として、焙煎方法、抽出方法等に工夫を凝らした技術がある(特許文献1、2)。また、ゴマ油の水蒸気蒸留抽出物からジスルフィド化合物を分離し、更にその製造方法を確立し、人工ゴマフレーバーとする技術もある(特許文献3、4)。
特開平04−363393号公報 特開平07−34087号公報 特開平01−101397号公報 特開平01−102056号公報
しかしながら、従来の胡麻の焙煎方法を工夫した風味発現方法では、擂った直後の風味は良好であるが、保存又は水分との接触により消失してしまうという課題は解決されていない。また、人工ゴマフレーバーについても、本来胡麻中に存在するものを抽出又は合成したものであり、長期保存時や水分と接触した際の風味の維持については十分なものとは言えない。すなわち、胡麻油として搾油し、当該胡麻油を食品に配合する手法、又はフレーバーとして添加する手法では、食品を食する際に焙煎胡麻の軽い風味を発現することは達成されていないのが現状である。
従って、本発明の目的は、ドレッシング等の液体調味料において、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持させることにある。
本発明者らは、煎った胡麻を新鮮なうちに擂った時のフレーバー成分を詳細に検討したところ、いくつかの成分が水との接触により急速に消失してしまい、結果として擂り立ての香りが維持できないことを見出した。そこで、種々の香料物質について検討を行ったところ、特定の成分を含む場合に、胡麻風味、特に焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが長期間維持されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2−プロピオニルチアゾールを含有し、胡麻風味を有する液体調味料を提供するものである。
2−プロピオニルチアゾールを含有することにより、胡麻風味、特に焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する液体調味料とすることができる。
本発明の液体調味料は、2−プロピオニルチアゾールを含有することが必要である。2−プロピオニルチアゾールは、本来胡麻又は焙煎胡麻中に存在するものではなく、本物質自体はポップコーン様の臭いを呈するものであるが、本物質を液体調味料中に含有させることにより、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを有する液体調味料の、製造直後の当該風味を長期間維持することができる。また、分離型ドレッシング等の水を含有する液体調味料に使用し、本物質を水と接触させてもその効果が持続する。本発明においては、本物質を、液体調味料中に0.5〜15ppm含有することが上記点から好ましく、更に1〜10ppm、特に3〜7ppm含有することが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する点から好ましい。
本発明の液体調味料は、胡麻風味を有することが必要である。胡麻風味は、焙煎胡麻の風味であることがより好ましい。当該風味を有するものとする方法としては、液体調味料中に焙煎胡麻やこれを擂ったものを含有させる方法、焙煎胡麻を絞った胡麻油を用いる方法、焙煎胡麻や胡麻油から抽出したフレーバー成分を含有させる方法等の胡麻由来の成分を含有させる方法の他、香料成分を選択して疑似的に焙煎胡麻風味を再現可能なフレーバー成分を添加する方法等が挙げられる。
本発明の液体調味料において、焙煎胡麻風味を有するものとする方法として、焙煎胡麻やこれを擂ったものを含有させる方法を用いる場合には、胡麻の焙煎方法としては、通常の方法で良いが、具体的には次の方法によることが好ましい。
〔胡麻の焙煎方法〕
ローターリーキルンに代表される直接又は間接熱風による機器を用いて行う方法、マイクロ波による方法等が挙げられるが、そのいずれの方法でも良い。特に風味強調の点から直火焙煎等の高温・短時間で焙煎する方法が好ましい。また、洗い胡麻を皮を剥かずに焙煎することが、焙煎した後の特有な風味が得られる点から好ましい。胡麻を擂る方法としては、カッター等によるせん断、ミルによる摩砕等が挙げられる。胡麻は、その種類や産地が限定されるものではく、通常の白胡麻、金胡麻、黒胡麻、茶胡麻等を用いることができるが、香りが良い点から白胡麻、金胡麻が好ましい。
〔胡麻の焙煎度〕
胡麻の焙煎度合いは明度(L値)により判断し、白胡麻を焙煎した場合にL値が48〜60となる条件で焙煎することが好ましい。また、L値は、更に51〜57、特に52〜55とすることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを発現する点から好ましい。L値の具体的な測定方法を次に記載する。測定する胡麻は、焙煎香を有する程度に焙煎した煎り胡麻、又はそれを常法で擂ったもの、粉砕したもの等が特に好ましい。白胡麻以外の胡麻を焙煎する場合には、白胡麻を用いてL値が48〜60となる焙煎条件を測定し、その焙煎条件を適用すればよい。
〔胡麻の明度の測定方法〕
焙煎胡麻10g程度を胡麻摺り器(象印 CB−AA10)により、粗粉砕と細粉砕の中間で摺り、ガラス瓶(底が平らで直径5cm程度のもの)に入れる。直ちにガラス瓶の底部分5ヶ所について、場所を変えて、ハンディータイプの測色計(ミノルタ Color Reader CR-13 みそ用測色計)にて明度を測定する。その明度の平均値により焙煎度合いを判断する。
〔胡麻油の製造方法〕
本発明の液体調味料において、焙煎胡麻風味を有するものとする方法として、焙煎胡麻を絞った胡麻油を用いる方法を採る場合、胡麻油を製造する方法としては、胡麻を蒸煮した後に圧搾する方法、焙煎した胡麻を蒸煮せずに圧搾する方法等が挙げられるが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを有する点から、焙煎した胡麻を蒸煮せずに圧搾する方法が好ましい。圧搾は、焙煎胡麻中の水分が5%以下、品温が80℃以下の条件で行うことが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを有する点から好ましい。焙煎胡麻中の水分は、焙煎胡麻の軽い擂り立て香を有する点、操作性の点から、更に0〜3%、特に0〜1%であることが好ましく、品温は、やはり同様の点から更に20〜60℃、特に30〜40℃であることが好ましい。なお、本発明でいう「擂り立ての軽い香り」を発現させるためには、フレーバー成分を添加する場合の効果と同様に、必ずしも「擂る」ことを要しないことはいうまでもない(以下同じ)。
前記の焙煎条件で焙煎された胡麻中の水分は5%以下、通常1%以下になっているので、焙煎後胡麻を吸湿しない条件においた後に圧搾することが好ましい。ここで吸湿しない条件は、乾燥した部屋に保有する、クラフト袋に充填・密封し使用するまで開封しない等とすればよい。また、品温については、焙煎後、80℃以下の環境に30分以上おけばよい。品温は、一定の温度の環境に胡麻をおけば、胡麻をおいた環境の温度(例えば室温)と同じである。なお、胡麻中の水分量は常圧加熱乾燥法(105℃、4時間)により測定できる。
胡麻の圧搾にあたっては、エキスペラー、オイルプレス等の機器を用い、通常の使用方法により行うことが好ましいが、風味の点からオイルプレスを使用することが好ましい。
胡麻の圧搾後、得られた胡麻油を水洗することが、保存後のオリ等の沈殿物の原因となる蛋白等を除去する点から好ましい。水洗する際の温度は80℃以下とすることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを有する点から好ましく、更に10〜60℃、特に20〜40℃とすることが好ましい。水洗する方法は、胡麻油と水を容器に入れ強制的に混合接触させるものであれば良く、撹拌機での撹拌混合や、密閉容器であれば振とう混合等が挙げられる。特に、小スケールであれば、混合効率やその後の水除去のしやすさの点から、分液ロート、又は遠沈管に胡麻油と水を入れ、手振りにより振とう混合し、分液ロートで水を除去、又は遠心分離することが好ましい。
水洗する際に用いる水の量は、保存後のオリ等の沈殿物を生じさせない点から、胡麻油100質量部(以下、単に「部」で示す)に対して50〜200部、更に70〜150部、特に90〜120部とすることが好ましい。
胡麻を圧搾することにより得た胡麻油を水洗することにより、胡麻油中の窒素含量を30ppm以下とすることが、保存後にオリ等の沈殿を生じさせない点から好ましい。胡麻油中の窒素含量は、更に0超25ppm以下、特に0超15ppm以下とすることが好ましい。
胡麻油中の窒素含量の測定は、例えば、胡麻油を等量の溶媒(イソオクタン)で希釈したものを試料として用い、窒素分析計TN−100(三菱化学)等により行うことができる。
本発明の液体調味料において、焙煎胡麻風味を有するものとする方法として、焙煎胡麻からフレーバー成分を抽出する方法を用いる場合は、食用油脂中で焙煎した胡麻を粉砕し、食用油脂中にフレーバー成分を含有させる方法が好ましい。この方法によれば、食用油脂中に胡麻の焙煎香と胡麻油を同時に抽出できる点から好ましい。ここでいう粉砕とは、磨り潰したものから、胡麻の原形をとどめつつ、亀裂等により組織が破壊されている程度のものも含む。また、粉砕された状態にするための方法としては、石臼のように狭いクリアランスを有する箇所を通してシェアをかけることによる方法、鋭利な刃物を回転等させることによりカットする方法等がある。具体的な装置としては、コロイドミル、ジューサーミキサー、回転式高速剪断機(マイルダー)、ブレンダー、ロール粉砕器等が挙げられる。この場合、風味成分のみならず、同時に焙煎胡麻中の油脂が抽出されることが好ましい。
粉砕時の温度は0〜80℃、更に10〜45℃であることが、胡麻の焙煎香を損なうことなく油中に抽出でき、長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点から好ましい。また、粉砕に要する時間は装置によって異なるが、仕込み1kgまでのブレンダーの場合は1〜60秒、更に2〜30秒であることが、焙煎胡麻から焙煎香と胡麻油を効率的に抽出しつつ、異味を抽出させない点から好ましい。
粉砕された焙煎胡麻は、その平均粒径が0.3〜1.5mm程度であることが、胡麻油を効率的に抽出し、かつ胡麻の焙煎香を損なうことなく油中に抽出でき、長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点から好ましい。ここで、平均粒径とは重量平均粒径をいい、例えば、ふるい、顕微鏡観察、粒度分布測定装置等により測定することができる。平均粒径は、更に0.5〜1.3mm、特に0.6〜1.1mmであることが好ましい。また、粒径0.3mm以下のものが全体の30%以下、更に15%以下、特に5%以下であることが、異味成分を含有させず、良好な胡麻の焙煎香を抽出することができる点から好ましい。
食用油脂中に添加する焙煎胡麻の量は、食用油脂100部に対して1〜200部であることが好ましく、更に40〜150部、特に50〜100部であることが、胡麻油を効率的に抽出し、かつ胡麻の焙煎香を損なうことなく油中に抽出でき、長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点から好ましい。この場合、焙煎胡麻を粉砕した後の食用油脂中には粉砕後の胡麻を含んでいても良く、胡麻を除去しても良いが、前者とすることが長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点から好ましい。
本発明の液体調味料において、焙煎胡麻風味を有するものとする方法として、焙煎胡麻や胡麻油から抽出したフレーバー成分や、香料成分を選択して疑似的に焙煎胡麻風味を再現可能なフレーバー成分を添加する方法を用いる場合には、本発明における2−プロピオニルチアゾール以外に、その他食品に使用可能な物質を使用することが好ましい。例えば、硫黄系化合物としては、2−チエニルメルカプタン、アリルメルカプタン、ベンゼンチオール、ベンジルメルカプタン、2,3−ブタンジチオール、1−ブタンチオール、2−ブタンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、シクロペンタンチオール、1,2−ジメルカプトエタン、2,3−ジメルカプトプロパノール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、3,3−ジメチルブタンチオール、ドデシルメルカプタン、エタンチオール、フルフリルメルカプタン、ヘプチルメルカプタン、ヘキサデカンチオール、1,6−ヘキサンジチオール、イソアミルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、3−((メルカプト−1−メチルプロピル)チオ)2−ブタノール、3−メルカプト−2−ブタノール、4−メルカプト−4−メチル−2−ペンタノン、2−メルカプトエタノール、4−メトキシ−2−メチルブタン−2−チオール、メチルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、2−メチル−3−テトラヒドロフランチオール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−3−フランチオール、p−メチルベンジルメルカプタン、3−メチル−2−ブタンチオール、2−メチルブタンチオール、2−メチルプロパン−2−チオール、2−ナフタレンチオール、1,9−ノナンジチオール、1,8−オクタンジチオール、オクチルメルカプタン、2,4,4,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタンチオール、ペンタン−2−チオール、ペンタン−1−チオール、2−フェニルエタン−1−チオール、1−p−メンテン−8−チオール、1,2−プロパンジチオール、プロピルメルカプタン、ピラジンエタンチオール、ターピニルメルカプタン、2−テニルメルカプタン、1−(2−チエニル)エチルメルカプタン、2−メチル−1,3−ジチオラン、3,5−ジエチル−1,2,4−トリチオラン、2−メチルテトラヒドロチオフェン、1,1−ジメチルヘプタンチオール、1,4−ブタンジチオール、2−メチル−4,5−ジヒドロフラン−3−チオール、2−チアゾリン−2−チオール、4−エトキシ−2−メチル−2−ブタンチオール、エタンジチオール、ヘプタンチオール(S)−1−メトキシ−3−、ヘキサンチオール、2−メチル−1−プロパンチオール、メルカプトメチルブタノール、プレニルメルカプタン、メチル5−メチル−2−フリルスルフィド、アリルメチルスルフィド、アリルメチルトリスルフィド、アリルプロピルスルフィド、アリルプロピルトリスルフィド、ベンジルメチルスルフィド、ジアリルポリスルフィド、ジアリルスルフィド、ジブチルサルフィド、ジエチルスルフィド、ジフルフリルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジメチルスルフィド、ジメチルテトラスルフィド、ジメチルトリスルフィド、ジノニルスルフィド、ジプロピルポリスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジプロピルトリスルフィド、エチル2−ヒドロキシエチルスルフィド、エチルプロペニルスルフィド、フルフリルイソプロピルスルフィド、フルフリルメチルスルフィド、メチル1−プロペニルスルフィド、メチルブチルスルフィド、メチルエチルスルフィド、メチルオクチルスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、メチルプロピルスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、プロペニルプロピルスルフィド、アリルメチルジスルフィイド、アリルプロピルジスルフィイド、ベンジルメチルジスルフィド、ビス−(2−メチル−3−フリル)ジスルフィド、ブチルプロピルジスルフィド、ジアリルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ジシクロヘキシルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジフルフリルジスルフィド、ジイソアミルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド、ジ−o−トリルジスルフィド、ジ−tert−アミルジスルフィド、ジチエニルジスルフィド、メチル2−メチル−3−フリルジスルフィド、メチル2−オキソプロピルジスルフィド、メチル5−メチルフルフリルジスルフィド、ジメチルジスルフィド、メチルエチルジスルフィド、メチルフルフリルジスルフィド、メチルo−トリルジスルフィド、メチルフェニルジスルフィド、2−メチル−3−フリル2−メチル−3−テトラヒドロフリルジスルフィド、フェニルジスルフィド、プロペニルプロピルジスルフィド、プロピルジスルフィド、ビス(2−メチルブチル)ジスルフィド、ジアリルトリスルフィド、ジブチルジスルフィド、ジイソブチルジスルフィド、ジペンチルジスルフィド、ジ−sec−ブチルジスルフィド、イソブチルメチルジスルフィド、2−アセチル−5−メチルチオフェン、2−プロピオニルチオフェン、3−アセチル−2,5−ジメチルチオフェン、2−アセチルチオフェン、2−ブチルチオフェン、2,5−ジメチルチオフェン、3,4−ジメチルチオフェン、2−エチルチオフェン、2−ヘキシルチオフェン、2−メチルチオフェン、3−メチルチオフェン、チオメントン、4,5−ジヒドロ−3(2H)−チオフェノン、2−メチルテトラヒドロ−3−チオフェノン、2−ペンチルチオフェン、テトラヒドロチオフェン、5−アセチル−2,4−ジメチルチアゾール、2−アセチル−4−メチルチアゾール、2−アセチルチアゾール、ベンゾチアゾール、2−ブチル−4,5−ジメチルチアゾール、2−(sec−ブチル)チアゾール、4,5−ジメチル−2−エチルチアゾール、4,5−ジメチル−2−プロピルチアゾール、2,4−ジメチルチアゾール、2,5−ジメチルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、2−エトキシチアゾール、2−エチル−4−メチルチアゾール、5−エチル−4−メチルチアゾール、4−エチル−5−メチルチアゾール、2−エチルチアゾール、2−イソブチル−4,5−ジメチルチアゾール、2−イソブチル−4−メチルチアゾール、2−イソブチル−5−メチルチアゾール、2−イソブチルチアゾール、2−イソプロピル−4−メチルチアゾール、4−メチル−5−ビニルチアゾール、2−メチルチアゾール、4−メチルチアゾール、5−メチルチアゾール、2−プロピルチアゾール、チアゾール、トリメチルチアゾール、2−ペンチル−4−メチルチアゾール、2−ペンチルチアゾール、2−プロピル−4−メチルチアゾール、ジヒドロ−2−メチルチアゾール等が挙げられる。
ピラジン系化合物としては、ジメチルピラジン、トリメチルピラジン、2−(sec−ブチル)−3−メトキシピラジン、2−エトキシ−3,5or6−メチルピラジン、2−エトキシ−3−エチルピラジン、2−エトキシ−3−イソプロピルピラジン、2−エチル−3−メトキシピラジン、2−エチル−4−メチル−1,3−ヂオキソラン、2−ヘキシル−3−メトキシピラジン、2−イソブチル−3−メトキシピラジン、2−イソプロポキシ−3−メチルピラジン、2−イソプロピル−(3,5or6)メトキシピラジン、2−メトキシ−(3,5or6)−メチルピラジン、2−メトキシ−3,5−ジメチルピラジン、2−メトキシ−3−イソプロピルピラジン、2−メトキシピラジン、2−メチル−6−プロポキシピラジン、2−アセチル−3,5(3,6)−ジメチルピラジン、2−アセチル−3,5−ジメチルピラジン、2−アセチル−3−エチルピラジン、2−アセチル−3−メチルピラジン、2−アセチルピラジン、2−メチル−3(5,6)−フルフリルチオピラジン、2−メチル−3(5,6)−メチルチオピラジン、2−メチルチオ−3−エチルピラジン、メチルチオピラジン、2−メルカプトメチルピラジン、2−メチル−5−ヒドロキシメチルピラジン、2−(フルフリルチオ)−3−メチルピラジン、2−イソプロピル−3−(メチルチオ)ピラジン等が挙げられる。なお、ジメチルピラジン及びトリメチルピラジンを用いる場合には、フーゼルオイルを使用することができる。
エーテル類、又はケトン類としては、2−ブチルフラン、2,5−ジエチルテトラヒドロフラン、2,2−ジメチル−5−(1−メチルプロプ−1−エニル)テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、エチルフラン、2−メチル−3−メチルチオフラン、2−メチルフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、N−フルフリルピロール、2−ペンチルフラン、2−プロピルフラン、3−アセチル−2,5−ジメチルフラン、2−アセチル−5−メチルフラン、2−アセチルフラン、2−アセチルピロール、2,5−ジメチル−3(2H)−フラノン、ジプロピルケトン、エチル2−フリルケトン、エチルアミルケトン、エチルアニシリデンケトン、エチルブチルケトン、マルトール、エチルマルトール、フラネオール、エチルシクロペンテノロン、エチルヘキシルケトン、エチルプロピルケトン、エチルビニルケトン、5−エチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−3(2H)−フラノン、ファルネシルアセトン、フルフリルメチルケトン、フルフリデンアセトン、1−(2−フルフリルチオ)プロパノン、4−フルフリルチオ−4−メチルペンタノン−2、4−(メチルチオ)ブタン−2−オン、9−メチルチオメガスティグマ−3,5−ジエン−7−オン、8−(メチルチオ)−p−メンタン−3−オン、3−アセチルピロール、3−ノネン−2−オン、ヌートカトン、5−オクタジエン−2−オン、1,5−オクタジエン−3−オン、3−オクテン−2−オン、オクテン−3−オン、2−オクテン−4−オン、3−ペンタノン、3−ペンテン−2−オン、ペンチルフリルケトン、2−プロピオニルピロール、ラズベリーケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ブチロフェノン、3,4−ジメトキシアセトフェノン、2,4−ジメチルアセトフェノン、p−イソプロピルアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン等が挙げられる。
その他、脂肪酸類として、ヘキサノイック アシド、プロピオニック アシド、アセチック アシド、ホルミック アシド、オクタノイック アシド等、アルコール類として、フルフリル アルコール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、ヘキサノール、ノナノール、オクタノール等、フェノール類として、オイゲノール、グアヤコール、イソオイゲノール、5−メチルグアヤコール、ビニルグアヤコール等、アルデヒド類として、オクタナール、2−オクテナール、trans−2−オクテナール、2,4−デカジエナール、ヘキサナール、ヘプタナール等が挙げられる。
本発明の液体調味料において、焙煎胡麻風味を有するものとする方法として、焙煎胡麻や胡麻油から抽出したフレーバー成分や、香料成分を選択して疑似的に焙煎胡麻風味を再現可能なフレーバー成分を添加する方法を用いる場合には、2−プロピオニルチアゾールに加え、これら硫黄系化合物、ピラジン系化合物、エーテル類、ケトン類、脂肪酸類、アルコール類、フェノール類又はアルデヒド類等から選択される1又は2以上の物質を含有させることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する点から好ましい。
以上の中でも2−メチル−1−プロパンチオール、2−アセチルピラジンから選択される1又は2の物質を用いることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する点から好ましい。2−メチル−1−プロパンチオールについては、本発明の液体調味料中に0.05〜5ppm、更に0.01〜1ppm、特に0.05〜0.5ppm、2−アセチルピラジンについては、本発明の液体調味料中に0.01〜10ppm、更に0.1〜5ppm、特に0.5〜2ppm含有することが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する点から好ましい。
また、香料成分は、焙煎胡麻中に含まれるフレーバー成分を含有させることが、焙煎胡麻の香ばしい風味を付与する点から好ましい。焙煎胡麻からフレーバー成分を抽出するには、水蒸気蒸留、超臨界抽出等が挙げられる。特に、焙煎胡麻中に含まれるフレーバー成分であって、前記硫黄系化合物及び/又はピラジン系化合物に該当する成分をそれぞれ1種又は2種以上含有させることが好ましい。
更に、香料成分は、ベース油として通常の食用油脂を用いることができ、大豆油、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油、胡麻油等が挙げられる。中でも胡麻油を用いることが、焙煎胡麻の香ばしい風味を付与する点から好ましい。胡麻油を用いる場合には、その製造に用いる胡麻は、その種類や産地を限定するものではく、通常の白胡麻、金胡麻、黒胡麻、茶胡麻等を用いることができるが、香りが良い点から白胡麻、金胡麻が好ましい。また、胡麻は焙煎したものを用いることが、香ばしい風味を付与し、本発明の液体調味料の特徴である焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持するという効果をより強調できる点から好ましい。
添加するフレーバー成分のベース油として胡麻油を用いる場合には、胡麻油は前述の製造方法により得ることが好ましい。即ち、前述の「胡麻の焙煎方法」を用い、前述の「胡麻の焙煎度」を前述の「胡麻の明度の測定方法」により判断し、前述の「胡麻油の製造方法」を用いることが好ましい。
本発明の液体調味料は、油相及び水相を含むものの他、油相のみからなるもの又は水相を主成分とするものも含まれる。油相のみからなるものとしては胡麻油そのものや胡麻油を含む食用油、胡麻フレーバーを添加した食用油(これらを「胡麻風味油」とする)等が挙げられる。水相を主成分とするものとしては、フライ用胡麻ソース、胡麻和えの素、しゃぶしゃぶの胡麻だれ、焼肉のたれ、麺用胡麻だれ等が挙げられる。なお、ここでいう「水相を主成分とする」の意は、積極的に油相を添加しないもの、油分が胡麻中にのみ含まれるものを含む。油相及び水相を含むものとしては、ドレッシング、胡麻だれ、マヨネーズ又は胡麻ソース等が挙げられる。ドレッシングには、油相と水相を含む乳化型の他、油相と水相が分離したもの、更には乳化相と油相が分離したものも含まれ、ドレッシングタイプのソースも含まれる。胡麻だれは、冷しゃぶ等に用いられるもので食用油を用いて乳化タイプとしたものをいい、商品の分類としてはドレッシングに含まれる場合もある。また、マヨネーズには、食品の分類上マヨネーズには含まれないが、マヨネーズタイプの商品も含まれる。
本発明の液体調味料は、上記胡麻油を用いる場合に限らず、油相を含有することが好ましい。例えば、水相として水を主成分として用い、油相を上層、水相を下層とした分離型、水中油型の乳化物からなる乳化型、又は水中油型の乳化物に油相を積層した分離型が挙げられるが、嗜好性の点から乳化型が好ましく、更に、水中油型の乳化物を下層とし、上層として油相を積層した分離型であることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持する点から好ましい。
2−プロピオニルチアゾールは、水と接触しても分解せず、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りを長期間維持することができる点から、水相として水を主成分として用いた液体調味料に使用することが好ましい。なお、本発明の液体調味料が油相を含有する場合には、2−プロピオニルチアゾールが油溶性であることから、製造時は油相中に含有させることが好ましい。水中油型の乳化物を下層とし、上層として油相を積層した分離型ドレッシングとする場合には、2−プロピオニルチアゾールは、乳化物の上に積層した油相中に含有させることが好ましい。また、更にその他の油溶性フレーバー成分を用いる場合にも、油相中、更には乳化物の上に積層した油相中に含有させることが、同様の点から好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる油相は、食用油脂が主成分であり、動物性、植物性のいずれでも良く、例えば、動物油としては牛脂、豚脂、魚油等、植物油としては大豆油、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油、胡麻油等が挙げられるが、風味、実用性の点から、大豆油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、胡麻油等の植物油を用いることが好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる油相の主成分である食用油脂は、ジアシルグリセロールを15%以上含むことが好ましい。食用油脂中のジアシルグリセロールは、より好ましくは15〜95%、更に35〜95%、更に50〜95%、特に70〜93%、特に75〜93%、殊更80〜90%含有することが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが長期間維持され、すっきりと後切れの良い風味を有する点から好ましい。
ジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸であることが好ましく、より好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのがすっきりと後切れの良い風味、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%であることが好ましく、更に25〜60%、特に30〜50%、殊更30〜45%であるのがすっきりと後切れの良い風味、外観、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。更に外観、生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のジオレイルグリセロールの含有量は、45%未満、更に0〜40%が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は15〜65%、好ましくは20〜60%、更に30〜55%、特に35〜50%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で好ましい。更に、酸化安定性、生理効果の点から、ジアシルグリセロール中のリノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜2、好ましくは0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうちリノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは0〜13%、更に1〜10%、特に2〜9%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランス、酸化安定性の点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の含有量は20%未満であることが好ましく、より好ましくは0〜10%、更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが、外観、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、トランス不飽和脂肪酸の含有量は、0〜4%、好ましくは0.1〜3.5%、更に0.2〜3%であるのがすっきりと後切れの良い風味、生理効果、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、共役不飽和脂肪酸の含有量は1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.9%、更に0.1〜0.8%、特に0.2〜0.75%、殊更0.3〜0.7%であるのがすっきりと後切れの良い風味、生理効果、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、すっきりと後切れの良い風味の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが更に好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
また、生理効果、保存性、油脂の工業的生産性及びすっきりと後切れの良い風味の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、更に52〜100%、特に54〜90%、殊更56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
ジアシルグリセロールの起源としては、植物性、動物性油脂のいずれでもよい。具体的な原料としては、ナタネ油、サンフラワー油、コーン油、大豆油、あまに油、米油、サフラワー油、綿実油、牛脂、魚油等を挙げることができる。またこれらの油脂を分別、混合したもの、水素添加や、エステル交換反応などにより脂肪酸組成を調整したものも原料として利用できるが、水素添加していないものであることが、食用油脂を構成する全脂肪酸中のトランス不飽和脂肪酸含量を低減させる点から好ましい。また、生理効果、製品が白濁せず外観が良好となる点から、不飽和脂肪酸含有量が高い植物油が好ましく、中でも菜種油、大豆油がより好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる油相の主成分である食用油脂は、トリアシルグリセロールを4.9〜84.9%含有することが好ましく、より好ましくは4.9〜64.9%、更に6.9〜39.9%、特に6.9〜29.9%、殊更9.8〜19.8%含有するのが、長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点、乳化型特有の豊かなコク味と乳味感、すっきりと後切れの良い風味を有する点、生理効果、油脂の工業的生産性、外観の点で好ましい。トリアシルグリセロールの構成脂肪酸は、ジアシルグリセロールと同じ構成脂肪酸であることが、生理効果、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる油相の主成分である食用油脂は、モノアシルグリセロールを0.1〜5%含有することが好ましく、より好ましくは0.1〜2%、更に0.1〜1.5%、特に0.1〜1.3%、殊更0.2〜1%含有するのが長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点、すっきりと後切れの良い風味を有する点、外観、油脂の工業的生産性等の点で好ましい。電子レンジ調理により加熱されやすいという点でモノアシルグリセロールは0.1%以上含有するのが好ましく、電子レンジ調理中の発煙等安全性の点から5%以下が好ましい。モノアシルグリセロールの構成脂肪酸はジアシルグリセロールと同じ構成脂肪酸であることが、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる油相の主成分である食用油脂は、これに含まれる遊離脂肪酸(塩)含量は、5%以下に低減されるのが好ましく、より好ましくは0〜3.5%、更に0〜2%、特に0.01〜1%、特に0.05〜0.5%とするのが、長期間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが保持される点、すっきりと後切れの良い風味を有する点、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の液体調味料に用いることのできる水相は、水が主成分であり、その他の成分として食酢、塩、醤油、味噌、香辛料、糖、蛋白質素材、有機酸、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、動植物エキス、発酵調味料、酒類、澱粉、増粘剤、安定剤、乳化剤、着色料等の各種添加剤等を適宜含有させることが好ましい。特に、乳化物を安定化させるためには、増粘剤、安定剤、乳化剤を含有させることが好ましい。増粘剤の具体例としては、キサンタンガム、カラギーナン、グアガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、モナトウガム、アラビアガム、アルギン酸塩類、トラガントガム、ポリデキストロース、セルロース類、加工澱粉類、プルラン、カードラン、卵黄、ペクチン、ゼラチン、寒天、大豆多糖類等の天然物やカルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の化学合成品のガム類等が挙げられる。安定剤の具体例としては、ラクトアルブミン等の乳蛋白、澱粉類等が挙げられる。乳化剤の具体例としては、卵黄液、カゼイン、ゼラチンの他、モノグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等、一般に食品に使用可能な乳化剤が挙げられる。
また、水相のpHは5.5以下であることが保存性の点から好ましく、更に4.7〜3、特に4.5〜3.5、殊更4.2〜3.7の範囲が好ましい。この範囲にpHを低下させるためには、食酢、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸、リン酸等の無機酸、レモン果汁等の酸味料を使用することができるが、保存性を良くする点、加工直後の具材の風味成分を維持する点から食酢を用いることが好ましい。食酢は穀物酢、りんご酢、ビネガー類など様々な種類を用いることができ、その配合量は、液体調味料中に、3〜20%、更に5〜15%、特に6〜10%が好ましい。
本発明の液体調味料が乳化型の場合には、乳化物中の油相と水相の質量比率は、5/95〜35/65、更に20/80〜32/68、特に25/75〜30/70とすることが、乳化型特有の豊かなコク味と乳味感を有する点、乳化安定性の点から好ましい。また、乳化物の上に油相を積層した分離型の液体調味料とする場合には、上層に積層する油相/下層の乳化物の質量比が3/97〜30/70であることが、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが長期間維持され、乳化型特有の豊かなコク味と乳味感に加え、すっきりと後切れの良い風味を有する点から好ましい。上層に積層する油相/下層の乳化物の質量比は、更に5/95〜20/80、特に7/93〜15/85であることが好ましい。
本発明の液体調味料においては、抗酸化剤を添加することが好ましい。抗酸化剤は、通常、食品に使用されるものであればいずれでもよいが、天然抗酸化剤、トコフェロール、カテキン、リン脂質、アスコルビン酸脂肪酸エステル、BHT、BHA、TBHQから選ばれる1種以上が好ましく、天然抗酸化剤、トコフェロール、アスコルビン酸パルミチン酸エステルから選ばれる1種以上がより好ましい。抗酸化剤は、焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りの維持の点から油相へ添加することが好ましい。特に好ましい抗酸化剤の含有量は、油相中50〜5000ppm、更に200〜2000ppmである。更に、ジアシルグリセロールを含む油脂と水相を含有する液体調味料において、保存により異味(金属味)が生じるのを防止する点から、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルを実質的に含まず、δ−トコフェロールを200ppm以上含有させることが好ましい。
実施例1〜7及び比較例1
〔マヨネーズによる評価〕
市販のマヨネーズ(キューピー株式会社)に、擂り胡麻(胡麻の焙煎度L=54.5)を3%、表1に示したフレーバーオイルを0.1%添加し、マヨネーズ中の2−プロピオニルチアゾールの濃度を表2に示す量とした。へらを用いて十分に攪拌してマヨネーズを製造した。製造後、各マヨネーズを110mLガラス容器に60gずつ充填し、蓋で密閉して室温(25℃)に保存した。保存前、並びに保存1週間後のマヨネーズについて、専門パネル6名により、きゅうり6gにマヨネーズ1.2gを付けて食することにより行った。評価は、「焙煎胡麻の香ばしい香り」について、下記基準に従って行い、評価ポイントの平均値を四捨五入して評価値とした。なお、フレーバーオイルはベース油としてサフラワー油とナタネ油の1:1(質量比)調合サラダ油(以下「サラダ油」と記載)を使用した。
〔評価基準〕
5:強く感じられる
4:はっきり感じられる
3:やや感じられる
2:かろうじて感じられる
1:ほとんど感じられない
実施例8〜18及び比較例2
〔ドレッシングによる評価〕
表3に示す配合に従い、まず卵黄以外の水相成分を混合し、TKホモディスパー(特殊機化工業(株))で均一に分散し、加熱殺菌後冷却した。その後卵黄を混合後、攪拌しながら食用油を配合し、TKホモディスパーを用いて3000rpmにて10分間乳化して乳化型胡麻ドレッシングを製造した。なお、実施例8〜14及び比較例2については、乳化を行う際に用いた食用油に表1に示したフレーバーオイルをドレッシング全体の0.1%となるように添加し、実施例15〜18については、ドレッシングに用いた食用油の75%にて乳化を行い、残りの25%に表1に示したフレーバーオイルをドレッシング全体の0.1%となるように添加し、これを乳化物の上層に積層し、下層が乳化物、上層が油相の分離型ドレッシングとした。製造後、各ドレッシングを100mLプラスチック容器に85gずつ充填し、40℃、湿度75%の環境に保存した。保存前、並びに保存1週間後のドレッシングについて、専門パネル6名により、レタス20gにドレッシング8gをかけて食することにより行った。評価基準はマヨネーズにおけるものと同じとした。結果を表4に示した。
2−プロピオニルチアゾールを含むマヨネーズ又はドレッシングは、製造後初期のみならず、1週間保存後においても焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りが維持されることが分かった。また、2−メチル−1−プロパンチオール、又は2−アセチルピラジンを同時に添加、更にこれら3つを同時に添加することで、その効果がより向上することが分かった。更に、ドレッシングにおいては、2−プロピオニルチアゾールを乳化物に使用する食用油脂中に含有させるのではなく、上層に積層する油相中に含有させることで、保存後の焙煎胡麻の擂り立ての軽い香りの維持効果がより高くなることが分かった。

Claims (2)

  1. 2−プロピオニルチアゾールを含有し、胡麻風味を有する液体調味料。
  2. 2−プロピオニルチアゾール含有量が0.5〜15ppmである請求項1記載の液体調味料。
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