JP4471510B2 - 鋼管ソイルセメント杭、その施工方法および施工装置 - Google Patents

鋼管ソイルセメント杭、その施工方法および施工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置された鋼管とを一体化させた鋼管ソイルセメント杭、鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現地の掘削土と地上から注入されたセメントミルク等の固化材とからなるソイルセメント柱体内に鋼管を沈設し、両者をソイルセメントの付着力で一体化させた鋼管ソイルセメント杭は、支持力性能や耐震性能がきわめてすぐれているだけでなく、場所打ち杭などに比べて施工時の掘削発生土が少ない等の理由により近年広く施工されるようになってきている。
【0003】
例えば図8は、従来の鋼管ソイルセメント杭の一例を示し、地中に所定の深さまで連続して施工されたソイルセメント柱体20内に、これより小径の鋼管21が沈設されている。ソイルセメントは鋼管21の外側と内側の両方に均等に注入された固化材と掘削土とを攪拌混合して製造されている。
【0004】
また、鋼管21としては、一般に鋼管21の表面形態が鋼管21とソイルセメント間の付着力を左右する大きな要素となることから、これまで外表面に突起が多数突設された表面突起付き鋼管が使用されている。
また、この種の杭の施工方法と施工装置に関しても、例えば特許登録第2645322号公報や特許登録第2887702号公報などに開示されている。杭の施工装置としては、例えば図9(a)に図示するような装置が使用されている。
【0005】
図示するように、鋼管21を貫通する回転ロッド22の先端部分に掘削ビット23と掘削翼24がそれぞれ突設され、その上側に共回り防止翼25と攪拌翼26が所定間隔おきにそれぞれ突設され、さらにその上方には回転ロッド22を鋼管21の中心部に保持するためのスタビライザー27が所定間隔おきに突設されている。
【0006】
また、回転ロッド22の先端部に回転ロッド22内を介して地中に注入された固化材を噴射するための固化材噴射口(図省略)が形成されている。
このような構成において、杭の施工に際しては、図9(a)〜(e)に図示するように、回転ロッド22が回転することで掘削ビット23と掘削翼24が回転し、これにより地盤が掘削される。また、地盤の掘削と並行して固化材噴射口(図省略)から掘削土内にセメントミルク等の固化材が噴射され、この固化材と掘削土が回転ロッド22とともに回転する攪拌翼26で攪拌されることでソイルセメント柱体20が形成される。
【0007】
また、鋼管21はソイルセメント柱体20を施工しながら未だ固まらないソイルセメント柱体20内に徐々に沈設するか、または先にソイルセメント柱体20を施工し、その後ソイルセメント柱体20が未だ固まらないうちにソイルセメン卜柱体20内に沈設する。そして、ソイルセメント柱体20の施工と鋼管21の沈設が完了したら、回転ロッド22を引き上げて施工を完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、こうして施工されたこれまでの鋼管ソイルセメント杭は、鋼管21の外側と内側の両方に固化材が均等に注入されているので、あまり高い強度を必要とされない鋼管21内の中心部まで必要以上の固化材が注入されることとなるため、固化材が無駄になってコストアップを免れないだけでなく、固化材の使用量に比例して掘削発生土が増大する等の課題があった。
【0009】
また、鋼管21として表面突起付き鋼管が使用されていると、ソイルセメントの付着強度が高められる点ではすぐれているものの、この種の表面突起付き鋼管は専用の製造工程で製造されることからきわめて高価なものであるため、材料コストが嵩む等の課題があった。
【0010】
この発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、固化材の無駄をなくして経済施工と掘削発生土の低減を図るとともに、表面に突起のない普通鋼管を使用した場合でも、鋼管とソイルセメントとの付着力を増大させて杭としての支持力の増大を可能にした鋼管ソイルセメント杭、その施工方法および施工装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための手段として、請求項1記載の鋼管ソイルセメント杭は、掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、かつ少なくとも前記鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の鋼管ソイルセメント杭は、掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、前記鋼管の外側表面部および内側のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載のソイルセメント杭は、掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、前記鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされ、かつ前記鋼管の内側表面部のソイルセメントが前記鋼管内の中心部のソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の鋼管ソイルセメント杭の施工方法は、杭施工装置を使い、掘削する際に掘削土に固化材を噴射し、かつ攪拌混合してソイルセメント柱体を施工しながら、このソイルセメント柱体内に鋼管を沈設して鋼管ソイルセメント杭を施工する際に、前記鋼管の外側表面に向けて固化材を噴射して前記鋼管の外側表面部のソイルセメントを周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とすることを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の鋼管ソイルセメント杭の施工方法は、杭施工装置を使い、掘削する際に掘削土に固化材を噴射し、かつ攪拌混合してソイルセメント柱体を施工しながら、このソイルセメント柱体内に鋼管を沈設して鋼管ソイルセメント杭を施工する際に、前記鋼管の外側表面と内側表面に向けて固化材をそれぞれ噴射することを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の鋼管ソイルセメント杭の施工方法は、請求項4または5記載の鋼管ソイルセメント杭の施工方法において、鋼管の表面に向けて固化材を噴射しながら杭施工装置を引き上げることを特徴とする。
【0017】
なお、これらの鋼管ソイルセメント杭の施工方法で使用する杭施工装置としては、例えば鋼管を貫通する回転ロッドの先端部分に、少なくとも掘削翼と攪拌翼がそれぞれ突設され、かつ前記攪拌翼に前記鋼管の外側表面に向けて固化材を噴射するための固化材噴射口が設けられている鋼管ソイルセメント杭の施工装置が使用される。
【0019】
請求項7記載の鋼管ソイルセメント杭の施工装置は、掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成される鋼管ソイルセメント杭の施工装置において、前記鋼管を貫通する回転ロッドの先端部分に、少なくとも掘削翼と攪拌翼がそれぞれ突設され、かつ前記攪拌翼に前記鋼管の内側表面と外側表面に固化材を噴射するための固化材噴射口がそれぞれ設けられており、前記外側表面に噴射するための固化材噴射口は斜め上を向いていることを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の鋼管ソイルセメント杭の施工装置は、請求項7記載の鋼管ソイルセメント杭の施工装置において、攪拌翼は、鋼管の内側表面に固化材を噴射するための固化材噴射口が設けられた位置より先の部分が拡径および縮径するように突設されていることを特徴とする。
【0021】
なお、拡径および縮径する攪拌翼としては、例えば固化材噴射口が設けられた位置より先の部分が回転して折り畳めるようになっているもの、あるいは固化材噴射口が設けられた位置より先の部分が攪拌翼の軸方向にスライドして伸縮できるようになっているもの等がある。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
図1(a)〜(e)は、この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の一例を示し、例えば図1(a)において、地中にソイルセメント柱体1が所定の深さまで連続して施工され、このソイルセメント柱体1内にこれより小径の鋼管2が連続して沈設されている。
【0024】
ソイルセメント柱体1は、鋼管2の外側と内側に鋼管2の軸方向にそれぞれ連続して存在するソイルセメント1aと1b、さらに鋼管2の外側表面部に存在する富配合のソイルセメント1cの三層で形成され、かつソイルセメント1a、1bおよび1cの下端部には根固め部1dが鋼管径の2倍程度の深さに形成されている。
【0025】
図1(a)におけるソイルセメント1aと1bは、図2に例示した装置のように掘削翼より下方の回転ロッド3に設けられた固化材噴射口8よりの固化材が、掘削翼5などで掘削された掘削土と攪拌翼7で攪拌混合されてソイルセメントとされたものである。
【0026】
さらに富配合のソイルセメント1cは、上記の掘削翼より下方の回転ロッド3に設けられた固化材噴射口8よりの固化材と掘削土で形成されたソイルセメントに、さらに鋼管2の外側表面に別の固化材噴射口(例えば図3に示した固化材噴射口9)からの固化材が鋼管2の外表面に堆積して集中的に存在することにより、上記の掘削翼より下方のロッドに設けられた固化材噴射口8よりの固化材と掘削土で形成されたソイルセメントに別の固化材噴射口(例えば図3に示した固化材噴射口9)からの固化材が加えられ、セメントなどの固化材料の含有量が多いソイルセメント、即ち富配合のソイルセメントである。
【0027】
このようにソイルセメント1cはソイルセメント1aおよび1bより高強度(特に高圧縮強度)に製造されている。なお、根固め部1dは図2に例示した装置のように掘削翼より下方のロッドに設けられた固化材噴射口8より突出される固化材の量をさらに大としたり、高濃度とすることにより富配合の根固め部として製造される。
【0028】
鋼管2としては、表面に突起のない例えは溶接スパイラル鋼管などの普通鋼管が使用され、必要に応じて表面に多数の突起を有する表面突起付き鋼管が使用されている。
【0029】
このように鋼管2の外側と内側にソイルセメント1aと1bがそれぞれ形成され、さらに鋼管2の外表面部にソイルセメント1aおよび1bより富配合のソイルセメント1cが充填されていることで、鋼管2とソイルセメント1aとの付着力が著しく高められ、これにより鋼管2として表面に突起のない普通鋼管が使用された場合でも、鋼管とソイルセメントとの付着力を増大させて杭としての支持力性能と耐震性能が著しく高められる。
【0030】
図1(b)〜(d)は、この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の他の例を示し図1(b)に図示するものは、図1(a)で説明した鋼管ソイルセメント杭において、さらに鋼管2の外側に鋼管2の内側に充填されたソイルセメント1bより富配合のソイルセメント1aが充填されている。
【0031】
また、図1(c)に図示するものは、図1(a)で説明した鋼管ソイルセメント杭において、鋼管2の内側と外側の両方の表面部に富配合のソイルセメント1cと1eが充填されたものであり、さらに図1(d)に図示するものは、鋼管2の内側と外側の両方の表面部に富配合のソイルセメント1cと1eが充填され、かつ鋼管2の外側に鋼管2内に充填されたソイルセメント1bより富配合のソイルセメント1aが充填されている例を示したものである。
【0032】
こうして施工された鋼管ソイルセメント杭は、図(a)で説明した杭と同じように杭としての支持力性能と耐震性能が著しく高められる。
【0033】
発明の実施の形態2
図2(a),(b)は、この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工装置の一例を、鋼管2の外側表面に向けて固化材を噴射する噴射口を省略した図面であり、噴射口以外の掘削翼や攪拌翼の構造について最初に説明する。
【0034】
図示するように鋼管2を貫通し、動力で回転する回転ロッド3の先端部に先行掘削ビット4、掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7が下から上方に順に所定間隔おきにそれぞれ突設されている。
【0035】
また、これらの翼の上方には回転ロッド3を鋼管2の中央に保持するためのスタビライザー(図省略)が所定間隔おきに突設されている。
先行掘削ビット4と掘削翼5は、回転ロッド3とともに回転して地盤を掘削するものであり、また攪拌翼7は回転ロッド3とともに回転して掘削土と固化材とを攪拌するものであり、さらに共回り防止翼6は地中に静止して、掘削土が掘削翼5および攪拌翼7と一緒に回転してしまう、いわゆる共回り現象を防止するものであり、いずれも回転ロッド3の側部に相対してまたは三方向ないし四方向に水平に突設されている。
【0036】
また特に、掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7は、いずれも中央部より先端部分5a,6aおよび7aがそれぞれ水平な状態から下方に垂直な状態に、およびその逆の状態に回転して自由に折り畳めるようになっている。
【0037】
これにより、掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7は先端部分5a、6aおよび7aがそれぞれ水平な状態に延長されたときに鋼管2の外側まで長く伸び(図2(a)参照)、一方先端部分5a,6a,7aが下方に回転して垂直な状態にあるときは、鋼管2内を通過する長さになるようになっている(図2(b)参照)。
【0038】
また、図示していないが、回転ロッド3の先端部には固化材噴射口8が、攪拌翼7には固化材噴出口9がそれぞれ形成され、いずれも地上から回転ロッド3内を介して地中に固化材を噴射するための噴射口として形成されている。
【0039】
回転ロッド3の先端部の固化材噴射口8は、掘削翼5などで掘削された固化材と混合するための固化材の噴射口であり、噴出された固化材と掘削土とが攪拌翼7によって攪拌混合され、ソイルセメントを形成するためのものである。
【0040】
特に、固化材噴射口9は、例えば図3(a),(b)に図示するように、固化材を鋼管2の外側表面に噴射できるように、攪拌翼7の先端部分7aに回転ロッド3側の斜め上方を向いて形成されている。
【0041】
このように斜め上方を向いた固化材噴射口9より噴射された固化材に対して鋼管2の表面が壁になり、その固化材が鋼管2の外側表面に集中して堆積されるようになる。そして既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口9からの固化材が加えられ、鋼管の外側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1cが形成される。勿論、固化材噴射口9から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
【0042】
図4(a),(b)は杭の施工装置の他の例を示し、図3(a),(b)で説明した施工装置におけると同様に鋼管2の外側表面に向かって固化材を噴射する固化材噴射口9が形成されているとともに、さらに攪拌翼7の先端部分7aより回転ロッド3寄りの基端部分7bに固化材噴射口10が形成され、固化材噴射口10は固化材を鋼管2の内側表面に噴射できるように、回転ロッド3とは反対側に斜め上方を向いて形成されている。
【0043】
この装置を使用すると、図1(c)に例示するような鋼管ソイルセメント杭を製造することができる。すなわち、鋼管2の外表面部に形成されるソイルセメント1cは上述した図3の場合と同様に鋼管内部のソイルセメント1bや鋼管外側のソイルセメント1aよりも富配合のソイルセメントとなる。
【0044】
なお、鋼管2の内表面に形成されるソイルセメント1eは、次の理由で、鋼管内部のソイルセメント1bや鋼管外側のソイルセメント1aよりも富配合のソイルセメントとなる。
【0045】
すなわち、斜め上方を向いた固化材噴射口10より噴射された固化材に対して鋼管2の内表面が壁になり、その固化材が鋼管2の内側表面に集中して堆積されるようになる。そして既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口10からの固化材が加えられ、鋼管の内側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1eが形成される。
【0046】
なお、固化材噴射口10は、例えば図5に図示するように、回転ロッドの側面に突設されて、鋼管2の内側表面に直接噴射できるようにしてもよい。
図4や図5に見られる固化材噴射口10を存在させると、固化材噴射口10より噴射された固化材に対して鋼管2の内側表面が壁になり、その固化材が鋼管22内側表面に集中して堆積されるようになる。
【0047】
そして、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴出口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口10からの固化材が加えられ、鋼管の内側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1eが形成される。
【0048】
勿論、固化材噴射口10から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
また、所定の部分に固化材が噴出できれば、固化材噴射口9と10は攪拌翼7にではなく、掘削翼5に形成されていてもよい。
【0049】
さらに、固化材噴射口9と10はすべての攪拌翼7または掘削翼5に形成されていてもよく、あるいはいくつかの攪拌翼7または掘削翼5にだけ形成されていてもよい。
【0050】
また、例えば図6に図示するように、回転ロッド3の両側に突設された攪拌翼7の先端部に固化材噴射口がそれぞれ設けられ、かつ一方の固化材噴射口9aが鋼管2の外側表面に向けて固化材を噴射できるように鋼管2側に向けて形成され、他方の固化材噴射口9bが真上に向けて形成されていてもよい。
【0051】
この場合、鋼管2の外表面には、固化材噴射口9aと固化材噴射口9bによる固化材が存在することとなり、図1(b)に例示すように、固化材噴射口9bによる固化材よりも多量の固化材が供給されることになるので、鋼管2の外表面のソイルセメント1cは外側のソイルセメント1aよりもセメントなどの固化材含有量が多くなり、富配合のソイルセメントとなる。
【0052】
また、外側のソイルセメント1aは、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射9bからの固化材が加えられたものであり、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)からなる鋼管2内部のソイルセメント1bに比べると、セメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1aが形成される。
【0053】
発明の実施の形態3.
このような構成において、次にこの発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法の一例を、図3(a),(b)に基づいて説明する。
【0054】
最初に、回転ロッド3を鋼管2に貫通させ、かつ掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7の先端部分5a,6a,7aをそれぞれ水平に延ばす。そして、回転ロッド3を駆動(回転)させて、回転ロッド3とともに回転する先行掘削ビット4と掘削翼5で掘削を開始し、同時に固化材噴射口8と9から鋼管2の先端部に固化材を噴射する。
【0055】
掘削が開始されると、掘削と平行して攪拌翼7が回転ロッド3とともに回転することにより、固化材噴射口8から噴射された固化材と掘削土が攪拌混合され、ソイルセメントとなる。このようなソイルセメントの形成と平行して鋼管2を徐々に沈設する。抵抗が大きいときは鋼管2を回転させながら沈設すればよい。
【0056】
一方、同時に、鋼管2の外側表面部に向けて固化材噴射口9から固化材が噴射されるが、このように斜め上方を向いた固化材噴射口9より噴射された固化材に対して鋼管2の表面が壁になり、その固化材が鋼管2の外側表面に集中して堆積されるようになる。そして既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口9からの固化材が加えられ、鋼管2の外側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1cが形成される。
【0057】
勿論、固化材噴射口9から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
このように、ソイルセメントの形成と平行して鋼管2を回転させながら徐々に沈設する際に、上述したように固化材噴射口9から鋼管外側表面に向けて固化材を噴射するので、ソイルセメント1aおよび1bより富配合(高強度、即ち、高い圧縮強度)のソイルセメント1cが鋼管2の外側表面に鋼管2の軸方向に連続して形成される。
【0058】
なお、鋼管2の内側のソイルセメントと外側のソイルセメントは、上述したように固化材晴出口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメントであり、鋼管2の外表面部のソイルセメントよりも貧配合のソイルセメントとなる。このようにして図1(a)に例示するように、鋼管2の外側と内側にソイルセメント1aと1bが地表から地中に向けて連続的に形成される。
【0059】
鋼管2が所定の位置近くまで沈設されたら、固化材噴射口8から噴出される固化材の濃度をセメントなどの固化材料が多く配合された富配合の固化材としたり、固化材噴射口8から噴出される固化材の量を増やしたりすることにより杭の先端部に富配合のソイルセメントからなる根固め部1dを鋼管径の2倍程度の深さに形成し、同時に図2(b)に例示するように、鋼管2の底部を根固め部1d内に沈設する。その後、回転ロッド3を引き上げて施工は終了する。こうして、ソイルセメント柱体1と鋼管2が一体化された鋼管ソイルセメント杭が築造される。
【0060】
なお、鋼管2内を回転ロッド3を引き上げる際、鋼管2の外側まで延びた掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7は、先端部分5a、6a,7aが下方に回転して垂直な状態に折り畳まれるので、鋼管2の下端部に当たることはない。
【0061】
発明の実施の形態4.
次にこの発朋に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法の他の例を図4(a),(b)に基いて説明する。
【0062】
回転ロッド3とともに回転する先行掘削翼4と掘削翼5で掘削を開始し、同時に固化材噴射口8と9、さらに固化材噴射口10から鋼管2の先端部に固化材を噴射する。
【0063】
掘削が開始されると、掘削と平行して掘削翼7が回転ロッド3とともに回転することにより、固化材噴射口8から噴射された固化材と掘削土が攪拌混合され、ソイルセメントとなる。このようなソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する。
【0064】
一方、同時に、鋼管2の外側表面部に向けて固化材噴射口9から固化材が噴射されるが、このように斜め上方を向いた固化材噴射口9より噴射された固化材に対して鋼管2の表面が壁になり、その固化材が鋼管2の外側表面に集中して堆積されるようになる。そして既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口9からの固化材が加えられ、鋼管の外側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1cが形成される。
【0065】
勿論、固化材噴射口9から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
このようにソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する際に、上述したように固化材噴射口9から鋼管外側表面に向けて固化材を噴射するので、ソイルセメント1aおよび1bより富配合(高強度、即ち、高い圧縮強度)のソイルセメント1cが鋼管2の外側表面に鋼管2の軸方向に連続して形成される。
【0066】
さらに、ソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する際に、同時に、鋼管2の内側表面部に向けて固化材噴射口10から固化材が噴射されるが、このように斜め上方を向いた固化材噴射口10より噴射された固化材に対して鋼管2の内側表面が壁になり、その固化材が鋼管2の内側表面に集中して堆積されるようになる。
【0067】
そして、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口10からの固化材が加えられ、鋼管2の内側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1eが形成される。
【0068】
勿論、固化材噴射口10から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
このようにソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する際に、上述したように固化材噴出口10から鋼管内側表面に向けて固化材を噴射するので、ソイルセメント1aおよび1bより富配合(高強度、即ち、高い圧縮強度)のソイルセメント1eが鋼管2の内側表面に鋼管2の軸方向に連続して形成される。
【0069】
なお、鋼管2の内側のソイルセメントと外側のソイルセメントは、上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメントであり、鋼管2の外表面部のソイルセメントよりも貧配合のソイルセメントとなる。
【0070】
このようにして図1(a)に例示すように、鋼管2の外側と内側にソイルセメント1aと1bが地表から地中に向けて連続的に形成される。
鋼管2が所定の位置近くまで沈設されたら、固化材噴射口8から噴出される固化材の濃度をセメントなどの固化材料が多く配合された富配合の固化材としたり、固化材噴射口8から噴射される固化材の量を増やしたりすることにより杭の先端部に富配合のソイルセメントからなる根固め部1dを鋼管径の2倍程度の深さに形成し、同時に図2(b)に例示するように、鋼管2の底部を根固め部1d内に沈設する。
【0071】
その後、回転ロッド3を引き上げて施工は終了する。こうして、ソイルセメント柱体1と鋼管2が一体化された、図1(c)図示するような鋼管ソイルセメント杭が築造される。
【0072】
発明の実施の形態5.
さらに、この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法の他の一例を図7(a),(b)に基づいて説明する。
【0073】
最初に図7(a)に示す状態に至るまでの施工手順について説明する。図7(a)において折り畳まれた部分の掘削翼7aには、図6に示すような固化材噴射口9a,9bが設けられている。
【0074】
図示していないが、最初に鋼管2に回転ロッド3を鋼管2の下方から貫通させ、かつ掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7の先端部分5a,5aおよび7aが水平にのばした状態で、鋼管2の下部に位置するようにする。
【0075】
このような状態にして掘削を開始する(図9(a),(b)を参照)。掘削が開始されると、掘削と並行して攪拌翼7が回転ロッド3とともに回転することにより、固化材噴射口8から噴射された固化材と掘削土が攪拌混合され、ソイルセメントとなる。
【0076】
このようなソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する。一方、同時に、鋼管2の外側には、図6で示したと同様な上を向いた固化材噴出口9bより固化材が噴出されている。それ故、外側のソイルセメント1aは、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口9bからの固化材が加えられたものであり、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)からなる鋼管2内部のソイルセメント1bに比べると、セメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1aが形成される。
【0077】
さらに、同時に、鋼管2の外側表面部に向けて、図6で示したと同様な斜め上を向いた固化材噴出口9aより固化材が噴出されている。このように斜め上方を向いた固化材噴射口9より噴射された固化材に対して鋼管2の表面が壁になり、その固化材が鋼管2の外側表面に集中して堆積されるようになる。
【0078】
そして、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口9bからの固化材が加えられたものに、更に固化材噴射口9aからの固化材が加えられ、鋼管の外側表面にセメントなどの固化材含有量が更に多い富配合のソイルセメント1cが形成される。
【0079】
勿論、固化材噴射口9から噴射する固化材をセメントなどの固化材含有量が多い富配合の固化材としてもよい。
このように、ソイルセメントの形成と並行して鋼管2を徐々に沈設する際に、上述したように固化材噴射口9bから鋼管2の外側に上向きに固化材が噴射され、また固化材噴射口9aから鋼管外側表面に向けて固化材を噴射するので、1bより富配合(高強度、即ち、高い圧縮強度)のソイルセメント1aが鋼管2の外側に鋼管2の軸方向に連続して形成されるとともに、ソイルセメント1aおよび1bより富配合(高強度、即ち、高い圧縮強度)のソイルセメント1cが鋼管2の外側表面に鋼管2の軸方向に連続して形成される。
【0080】
即ち、鋼管2の内側のソイルセメント1bは、上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメントであり、鋼管2の外側のソイルセメント1aや鋼管2の外表面部のソイルセメント1cよりも貧配合のソイルセメントとなる。
【0081】
このようにして図6に例示すように、鋼管2の内側と外側と外表面にソイルセメント1b、1a、1cが地表から地中に向けて連続的に形成される。鋼管が所定の位置近くまで沈設されたら、固化材噴射口8から噴射される固化材の濃度をセメントなどの固化材料が多く配合された富配合の固化材としたり、固化材噴射口8から噴射される固化材の量を増やしたりすることにより杭の先端部に富配合のソイルセメントからなる根固め部1dを鋼管径の2倍程度の深さに形成し、鋼管2の底部を根固め部1d内に沈設する。
【0082】
その後、図7(a)に示す状態まで回転ロッド3を引き上げることにより、鋼管2の外側まで延びた掘削翼5、共回り防止翼6および攪拌翼7の先端部5a、6a、7aが鋼管2の下部に当たり、下方に回転して垂直な状態に折り畳まれる。
【0083】
また、図7(b)に例示するように、このように折り畳まれた状態の攪拌翼7に鋼管2の内側表面を向けて固化材を噴出できる固化材噴射口10が最初から回転ロッド3に設けられている。
【0084】
そこで、回転ロッド3を引き上げながら、固化材噴出口10から鋼管2の内表面に向けて固化材を噴出する。すると鋼管2の内表面にソイルセメント1eが鋼管2の軸方向に連続して形成される。
【0085】
この鋼管2の内表面に形成されるソイルセメント1eは、次の理由で、鋼管内部のソイルセメント1bよりも富配合のソイルセメントとなる。即ち、鋼管2の内表面を向いた固化材噴射口10より噴射された固化材に対して鋼管2の内表面が壁になり、その固化材が鋼管2の内側表面に集中して堆積されるようになる。
【0086】
そして、既に形成されたソイルセメント(上述したように固化材噴射口8より供給された固化材と掘削土で形成されたソイルセメント)に固化材噴射口10からの固化材が加えられ、鋼管の内側表面にセメントなどの固化材含有量が多い富配合のソイルセメント1eが形成される。このように鋼管2の内表面に富配合のソイルセメント1eが鋼管2の軸方向に連続して形成される状態は、図4の固化材噴射口10や図5の固化材噴射口10による固化材を噴射する場合と同じである。
【0087】
このようにして、回転ロッド3を引き上げて施工は終了する。こうして、図1(d)に例示したソイルセメント柱体1と鋼管2が一体化された鋼管ソイルセメント杭が築造される。
【0088】
【発明の効果】
この発明は以上説明したとおりであり、この発明に係る鋼管ソイルセメント杭は、特に鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされているので、鋼管として外側表面に突起がない普通鋼管を使用した場合でも、鋼管とソイルセメントの付着が増大し、大きな周面摩擦力を発揮させることができるため、杭としての支持性能や耐震性能が極めて高い鋼管ソイルセメント杭になる。
【0089】
地盤に接するソイルセメントを富配合にし、鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより更に富配合とした場合でも上記の効果は維持され、地盤に接するソイルセメントを富配合にしているので、周面摩擦力を大きくすることができるため、杭としての支持性能や耐震性能が更に高い鋼管ソイルセメント杭になる。
【0090】
また、従来法による鋼管の沈設の際に鋼管の外側表面に粘性土が付着し、鋼管とソイルセメントの付着を阻害する場合があるが、鋼管の外表面部に向けた固化材噴出口より固化材を噴出することで、鋼管の外側表面に粘性土が付着することを防いで鋼管の外側表面に富配合のソイルセメントを形成することができ、鋼管とソイルセメントの付着が優れた鋼管ソイルセメントとすることができる。
【0091】
即ち、鋼管の外側表面に富配合のソイルセメントが形成されていること自体が鋼管の外側表面に粘性土の姿で付着していないことを意味する。
請求項2や講求項3に示したように、鋼管の外側表面のソイルセメントばかりでなく鋼管内側のソイルセメントを富配合のソイルセメントした場合は、鋼管の内表面でも鋼管とソイルセメントの一体化を高めることができ、杭としての支持性能や耐震性能が更に高い鋼管ソイルセメント杭になる。
【0092】
また、従来法による鋼管の沈設の際に鋼管の内側表面にも粘性土が付着し、鋼管とソイルセメントの付着を阻害する場合があるが、鋼管の内側面部に向けた固化材噴射口より固化材を噴出することで、鋼管の内側表面に粘性土が付着して存在することがない富配合のソイルセメントを形成することができ、鋼管とソイルセメントの付着が優れた鋼管ソイルセメントとすることができる。
【0093】
即ち、沈設する鋼管の先端部で鋼管の内側面部に向けた固化材噴射口から固化材を噴射することにより、鋼管の内側表面に粘性土が付着することが防止される。
【0094】
また、鋼管の内側面部に向けた固化材噴射口が鋼管先端を噴射しないで鋼管を沈設することにより鋼管の先端部内表面部に粘性土が付着しても鋼管の内側面部に向けた固化材噴射口から固化材を噴射することにより、付着した粘性土を砕きながら鋼管の内側表面に粘性土が付着して存在することがない富配合のソイルセメントを形成することができる。
【0095】
なお、粘性土層が支持層直上にあるような場合には、鋼管の内側表面での粘性土の付着は鋼管の最深部で発生しやすく、それ故に鋼管の内側表面に鋼管の最深部から少なくとも鋼管径の1倍の長さ、好ましくは少なくとも鋼管径の3倍の長さに富配合のソイルセメントを形成するように、鋼管内側表面へ向けて固化材を噴射すればよい。
【0096】
この鋼管内側表面へ向けての固化材の噴射は、鋼管を沈設する際に行われるか、掘削翼や攪拌翼を縮径(縮閉)してロッドを引き上げる際に行われるが、この固化材の噴射により上述したように、鋼管の内側表面に粘性土が付着することなく、杭の先端部における鋼管の内側表面と鋼管内側のソイルセメントとの一体性(付着力)が向上し、更に先端に根固め部が形成される場合は、鋼管の内側表面に形成された富配合のソイルセメントと根固め部により鋼管の先端部が確実に閉鎖されるので、先端部における支持力発現がより確実になり、杭としての支持力性能や耐震性能が更に高い鋼管ソイルセメント杭となる。
【0097】
なお、根固め部と一体性を高めるために鋼管先端部の内部に突起が存在する場合でも、鋼管内側表面へ向けての固化材の噴射により、この突起部に粘性土などが付着することなく、鋼管の内側表面を富配合のソイルセメントとすることができる。
【0098】
即ち、鋼管の内側表面に富配合のソイルセメントが形成されること自体が、鋼管の内側表面に粘性土の姿で付着していないことを意味する。
このように、請求項1から3のいずれの鋼管ソイルセメント杭の場合も、所望の場所を富配合のソイルセメントミルクとすることにより、ソイルセメント全体を富配合とすることが不要なため、全体の固化材の使用量を少なくすることができる。
【0099】
また、固化材の使用量の減少に伴い、これに比例して排土量も大幅に少なくすることができ、本発明の鋼管ソイルセメント杭は、きわめて経済的な鋼管ソイルセメント杭であるといえる。
【0100】
また、本発明の施工方法や装置によって、上記の優れた性能を有するソイルセメント杭を容易に施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の一例を示し、(a)〜(d)はその横断面図、(e)は縦断面図である。
【図2】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示し、(a)、(b)は縦断面図である。
【図3】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の一部拡大断面図である。
【図4】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の一部拡大断面図である。
【図5】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示す縦断面図である。
【図6】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示す縦断面図である。
【図7】この発明に係る鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)の一部拡大断面図である。
【図8】従来の鋼管ソイルセメント杭の一例を示す横断面図である。
【図9】(a)〜(e)は、従来の鋼管ソイルセメント杭の施工方法および施工装置の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ソイルセメント柱体
1a ソイルセメント
1b ソイルセメント
1c ソイルセメント
1d 根固め部
1e 富配合のソイルセメント
2 鋼管
3 回転ロッド
4 先行掘削ビット
5 掘削翼
5a 先端部分
6 共回り防止翼
6a 先端部分
7 攪拌翼
7a 先端部分
7b 基端部分
8 固化材噴射口
9 固化材噴射口
10 固化材噴射口
11 固化材噴射口
12 固化材噴射口

Claims (8)

  1. 掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、少なくとも前記鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする鋼管ソイルセメント杭。
  2. 掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、前記鋼管の外側表面部および内側のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする鋼管ソイルセメント杭。
  3. 掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成され、前記鋼管の外側表面部のソイルセメントが周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とされ、かつ前記鋼管の内側表面部のソイルセメントが前記鋼管内の中心部のソイルセメントより富配合とされていることを特徴とする鋼管ソイルセメント杭。
  4. 杭施工装置を使い、掘削する際に掘削土に固化材を噴射し、かつ攪拌混合してソイルセメント柱体を施工しながら、このソイルセメント柱体内に鋼管を沈設する鋼管ソイルセメント杭の施工方法において、前記鋼管の外側表面に向けて固化材を噴射して前記鋼管の外側表面部のソイルセメントを周囲の地盤に接するソイルセメントより富配合とすることを特徴する鋼管ソイルセメント杭の施工方法。
  5. 杭施工装置を使い、掘削する際に掘削土に固化材を噴射し、かつ攪拌混合してソイルセメント柱体を施工しながら、このソイルセメント柱体内に鋼管を沈設する鋼管ソイルセメント杭の施工方法において、前記鋼管の外側表面と内側表面に向けて固化材を噴射することを特徴する鋼管ソイルセメント杭の施工方法。
  6. 鋼管の表面に向けて固化材を噴射しながら杭施工装置を引き上げることを特徴とする請求項4または5記載の鋼管ソイルセメント杭の施工方法。
  7. 掘削土と固化材とからなるソイルセメント柱体とこのソイルセメント柱体内に設置される鋼管とで形成される鋼管ソイルセメント杭の施工装置において、前記鋼管を貫通する回転ロッドの先端部分に、少なくとも掘削翼と攪拌翼がそれぞれ突設され、かつ前記攪拌翼に前記鋼管の内側表面と外側表面に固化材を噴射するための固化材噴射口がそれぞれ設けられており、前記外側表面に噴射するための固化材噴射口は斜め上を向いていることを特徴とする鋼管ソイルセメント杭の施工装置。
  8. 攪拌翼は、鋼管の内側表面に固化材を噴射するための固化材噴射口が設けられた位置より先の部分が拡径および縮径するように突設されていることを特徴とする請求項7記載の鋼管ソイルセメント杭の施工装置。
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