JP2006046067A - ねじ込み杭の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ込み貫入の能率を向上すると共に回転トルクを大幅に低減し、かつ、大きな先端支持力を得ることのできるねじ込み杭の施工方法及びこれに使用するねじ込み杭を提供すること。
【解決手段】中空の杭体1の略先端部に固着した翼10の木ネジ作用と、オーガー20の地盤掘削作用とを利用して、杭打ち機30により杭体1に回転力を与えると共に、同時にオーガー20の頭部に回転力を与えて杭を地盤中に回転貫入させる施工方法であって、杭回転用モーターとオーガー回転用モーターは、互いに反対方向に回転することができ、杭体1の先端部が支持層の近傍に達したときは杭体1内にオーガー20を挿入してオーガー20に回転力を与え、杭体1の回転中に支持層にオーガーヘッド22から硬化性流動物を噴出して所定の深さまで土砂と硬化性流動物を攪拌混合した後、杭体1を残置してオーガー20を引き抜き、時間の経過とともに軟化した土砂を固化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ねじ込み杭の施工方法に係り、さらに詳しくは、鋼管杭やコンクリート杭の如き既製杭の先端部又はその近傍に取付けた翼を利用し、杭体を回転させることにより翼の木ネジとしての作用によって地中に貫入するようにしたねじ込み杭の施工方法に関するものである。
地上に設置した杭打ち機によって回転力を与えることにより、先端部近傍に取付けた翼の木ネジとしての作用により鋼管杭を埋設する方法は、従来から種々提案されており、その一部は小径の鋼管杭を対象としたものではあるが実用化されている。以下、本発明に関連すると思われる従来の技術について説明する。
特公平2−62648号公報に記載された鋼管杭の埋設工法は、鋼管製の杭本体の下端に底板を固設し、該底板に掘削刃を設けると共に、杭本体の下端部外周面に杭本体の外径のほぼ2倍強の外径を有する翼幅の大きな杭ネジ込み用の螺旋翼を、ほぼ一巻きにわたり突設した鋼管杭を、軟弱地盤にネジ込むように回転させながら地中に押圧し、下端の掘削刃によって杭本体先端の土砂を掘削軟化させて、杭側面の未掘削土砂中に螺旋翼を食い込ませて、土の耐力を反力として杭体を回転推進しつつ、掘削軟化した土砂を杭側面に押出し圧縮し、無俳土で地中に抗体をネジ込んでゆくようにしたものである(従来技術1)。
また、特開平7−292666号公報に記載された鋼管杭は、一枚の長さが半巻きで、外径が杭本体の1.5〜3倍程度である一対のラセン翼を、鋼管杭の下端部外周面の同じ高さ位置でラセン方向を同じにして互いに相対的に複数枚不連続に固定したものである(従来技術2)。
さらに、特開昭61−98818号公報に記載された回転圧入式鋼管杭は、鋼製円筒体の下部に、上下方向に延長する押込用傾斜前面を有する刃を設けると共に、その傾斜前面の下端部から円筒体回転方向の後方に向って斜めに上昇する傾斜ブレードを固定して環状のドリルヘッドを構成し、そのドリルヘッドの上端部に鋼管杭の下端部を取付けたものである(従来技術3)。
また、特開平8−226124号公報には、鋼管杭の先端近くの外周面に螺旋状の羽根を設けるとともに、先端より上方の鋼管内側に土砂の閉塞を促す開孔リブを設けて有孔筒状部を形成した杭とその埋設方法が記載されている。この技術は施工時に鋼管内に土砂が入ることを許すことによりトルク低減を図るとともに、有孔筒状部に土砂を閉塞して支持底部を形成させ先端支持力の確保を図るようにしたものである(従来技術4)。
また、特開平4−58850号公報に記載された鋼管杭の埋設工法は、鋼管杭の下端を掘削刃とグラウト噴出口を有する底板で閉塞するとともに、鋼管の外径のほぼ2倍の外径を有する螺旋翼を鋼管杭の下端外周面にほぼ一巻きに固着した鋼管杭を、回転埋設中及び埋設後にグラウト噴射口よりセメントミルクを噴出して周辺地盤を強化するようにしたものである(従来技術5)。
従来技術1に係る鋼管杭は鋼管径が300mm未満の範囲で広く実用化されている。鋼管先端が底板で閉塞されているために、比較的大きな先端支持力を確保することができるが、螺旋翼が地盤から受ける反力が大きいために、回転貫入に要するトルクは非常に大きくなるとともに、貫入能率が悪くなる。発明者の行った数回の現場試験によると、支持層貫入に必要なトルクは軟弱地盤貫入時のトルクの3〜5倍に増える。このため、抗体を回転するために大きな能力のモーターとこれを搭載するためのベースマシンが必要になるとともに、杭体のねじりモーメントが大きくなって設計上必要な厚さよりも大きな厚さの鋼管が施工上必要となる場合が多い。また、ねじりに弱いコンクリート杭には適用することができない。また、鋼管径が600mmを超えるとトルクが大きくなりすぎて特殊な大型機械が必要になり、実用的でない。
さらに、杭体の回転貫入時に螺旋翼および掘削能率を上げるための掘削刃により硬い支持層は乱されて翼直下に軟化した土砂の層ができるため、支持層本来の支持力を発揮することができない。
従来技術2の鋼管杭は、杭先端に底板が付くか否かは限定されていない。底板が付く場合は、従来技術1と同じ問題点がある。また、底板が付いていない場合は杭体内に土砂が入るため回転貫入に要するトルクはさほど大きくならない。しかし、杭先端が開放されていること及び螺旋翼による支持層地盤の攪拌のために、大きな先端支持力を得ることができない。
従来技術3の鋼管杭は、傾斜ブレードの幅が狭いために、施工時の回転トルクは小さいが、回転貫入のための推進力が小さいために貫入能率が悪い。また、翼の外径が小さいとともに先端開放杭であるために、従来技術2と同様に大きな先端支持力を得ることができない。
また、従来技術4の鋼管杭は、先端開放にすることにより回転トルクの低減と貫入能率の向上を図り、有孔筒状部を設けて支持層部の土砂を有孔筒状部に滞留させることにより閉塞効果を得て大きな先端支持力を得ようとするものである。しかし、支持層貫入時において十分な閉塞効果を得るためには開孔リブの内径を十分小さくして有孔筒状部の土砂が上方に移動しないようにする必要がある。このようにすると実際には杭先端を底板で閉塞したときと同じ状態、すなわち貫入能率が悪くなるとともに回転トルクが増大せざるを得ない。この種の技術は他にも提案されているが、実用的ではない。
さらに、従来技術5の鋼管杭の埋設方法は、先端からセメントミルクを噴出して螺旋翼で土砂と攪拌混合するため、螺旋翼による支持層地盤の乱れは多少回復する。しかし、攪拌混合のための回転が螺旋翼だけの一方向であるために土砂とセメントミルクの十分な攪拌は期待できない。特に地盤が粘性土である場合、攪拌混合は不均一になりやすい。また、セメントミルクを噴出しない場合に比べて回転トルクは若干低減できるものの、杭先端が閉塞されており、杭先端付近の土砂が移動しにくいためトルクの大幅な低減は期待できない。
本発明は、上記の課題を解決するためなされたもので、ねじ込み貫入の能率を向上すると共に回転トルクを大幅に低減し、併せて地盤本来の支持能力を十分発揮させて大きな先端支持力を得ることのできるねじ込み杭の施工方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係るねじ込み杭の施工方法は、中空の杭体の先端部又は先端部近傍に固着した翼の木ネジとしての作用と、前記杭体の中空部に挿入したオーガーの地盤掘削軟化作用とを利用して、杭打ち機に搭載した杭回転用モーターにより杭体に回転力を与えると共に、前記杭体の杭頭部又はその近傍に配置したオーガー回転用モーターによりオーガーの頭部に回転力を与えて杭を地盤中に回転貫入させる施工方法であって、前記杭回転用モーターと前記オーガー回転用モーターは、互いに反対方向に回転することができ、前記杭体の先端部が支持層の近傍に達したときは該杭体内にオーガーを挿入してその頭部にオーガー回転用モーターにより該オーガーに回転力を与え、
前記杭体の回転中に支持層にオーガーヘッドから硬化性流動物を噴射し、前記翼とオーガーヘッドの回転により土砂と前記硬化性流動物を攪拌混合し、所定の深さまで攪拌混合が終了したときは杭体を残置してオーガーを引き抜き、時間の経過とともに軟化した土砂を固化させるようにしたものである。
上記のオーガーヘッドの外径が杭先端部の外径より大きく、かつ翼の外径とほぼ同じか又はそれ以下の範囲で拡大できるオーガーを使用するようにした。
上記の杭体の先端部又は先端部近傍の外周に、螺旋状又は複数の平板から構成される翼が固着され、杭体上部の外径が杭体下部の外径より大きく、かつ前記翼の外径以下に構成されて上記の施工方法により施工するようにした。
本発明に係るねじ込み杭の施工方法は、中空の杭体の先端部または先端部近傍に固着した翼の木ネジとしての作用と、杭鯛の中空部に挿入したオーガーの地盤掘削軟化作用とを利用することにより、小さなトルクで杭を地盤中に回転貫入できると共に、大径の杭にもねじ込み工法を施工することができる。また、杭体とオーガーを互いに反対方向に回転できるようにしたので、杭打ち機に作用するトルクを低減することができ、その結果、杭打ち機を小型化することができる。
さらに、オーガーヘッドから噴出した硬化性流動物と土砂とを、翼とオーガーヘッドでオーガーヘッドを反対方向に回転させることにより、硬化性流動物と土砂を均一に攪拌混合することができる。
また、硬化性流動物を支持層のみに噴出するようにしたので、少ない硬化性流動物により大きな先端支持力を得ることができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1を説明するめたの模式図である。図において、1は鋼管杭、コンクリート杭の如き中空で円形断面の既製杭(以下、杭体という)で、先端部外周又はその近傍には翼10が設けられており、これら杭体1と翼10とによりねじ込み杭を構成する。20は杭体1内に挿入されたオーガー、30は地上に設置された杭打ち機であるベースマシンで、互に反対方向に回転する2個の回転軸(外軸と内軸)を備えたモーター32が搭載されている。
杭体1は先端部が開口されており、先端部のやや上方の外周には翼10が取付けられている。この翼10は、図2に示すように、ドーナツ状の鋼板を曲げ加工した螺旋状の翼11を杭体1に溶接等により固着したもので、その始端部と終端部との間には開口した段差部12が形成されている。
オーガー20の軸方向には、後述のセメントミルクや地盤固化用薬液などの硬化性流動物を先端部に圧送するための貫通穴21が設けられており、先端部に設けたオーガーヘッド22には、この硬化性流動物を噴出する噴出口23が設けられている。また、オーガーヘッド22の上方にはスパイラル羽根24が設けられており、土砂を上方へ押し上げ又は下方に押し下げる機能を有する。
40は例えばセメントミルクや地盤固化用薬液などの硬化性流動物のプラント(以下、硬化材プラントという)で、オーガー20に設けた貫通穴21とはホース41によりオーガー20が回転自在に連結されている。
次に、上記のように構成した本実施の形態の施工方法の一例を図3、図4により説明する。なお、図3、図4にはベースマシン30及び硬化材プラント40は省略してある。
(1)図3(a)に示すように、杭体1内に杭体1より若干長いオーガー20を挿入する。なお、設計上、後述の地盤を固化する範囲が支持層だけの場合は、杭体1を地中に貫入し、杭先端部が支持層の近傍に達したときに杭体1内にオーガー20を挿入してもよい。
(2)図5に示すように、杭体1の杭頭部をモーター32の外軸33に連結し、オーガー20の頭部を内軸34に連結する。なお、設計杭頭位置が施工地盤面より下方にあってヤットコを使用する場合は、外軸33をヤットコの上部に連結する。また、硬化材プラント40のホース41をオーガー20の貫通穴21に回転自在の継手(図示せず)を介して連結する。このとき、オーガー20の先端部(オーガーヘッド22)は、図3(a)に示すように、杭体1の先端部から突出するが、その突出長は、翼10の外径とほぼ等しいかそれ以下であることが望ましい。
(3)モーター32により、例えば、杭体1を正方向に、オーガー20を逆方向に回転させる。
これにより、図3(b)に示すように、オーガーヘッド22は杭体1に先行して先端部近傍の地盤を掘削軟化し、杭体1は翼10の木ネジとしての作用により地盤中に貫入される。このとき、杭体1の先端部近傍の土砂は、翼10の段差部12を通過して翼10の上方の杭体1の外周部に移動し、一部の土砂はオーガー20のスパイラル羽根24により杭体1内に取り込まれる。
オーガー20により杭体1内に取り込まれる土砂の量は、杭体1の先端開口部の大きさやオーガーヘッド22の寸法、形状等によって異なるため、これらを調整することにより土砂が杭体1から溢れないようにする。この場合、杭体1内に取り込む土砂の量が多いほどトルクは小さくなる。また、杭体1内に取り込む土砂の量が少ないほど杭体1の周囲の土砂の密度が高くなり、大きな周面摩擦力を発揮する。
杭体1の貫入にあたっては、オーガーヘッド22により翼10に先行して地盤を掘削軟化させるために、杭体1の回転に必要なトルクはオーガー20を使用しない場合に比べて大幅に減少する。また、杭体1とオーガー20の回転方向が逆であるため、ベースマシン30に作用するモーター32からの反力も、両者のトルクの差による反力になるため、大幅に減少する。
(4)杭体1を適当な深さまで貫入したら、図3(b)に示すように、硬化材プラント40を駆動し、ホース41を介してオーガー20の貫通穴21に硬化性流動物42を圧送してオーガーヘッド22の先端部に設けた噴出口23から噴出させ、オーガーヘッド22及び翼10の回転により軟化した土砂と攪拌して混合させる。このとき、杭体1とオーガー20の回転方向が反対のため、硬化性流動物42と土砂はよく攪拌されて均一性の高い混合物50となる。
硬化性流動物42の噴出区間は、設計上必要な杭体1の周面摩擦に応じて決定されるもので、杭頭部から杭先端部までの全区間でもよいし、杭先端部の近傍だけでもよい。
(5)杭先端部が支持層に達したときは、図4(a)に示すように、翼10とオーガーヘッド22とにより支持層を十分攪拌して土砂と硬化性流動物42とをよく混合したのち、杭体1及びオーガー20の回転を停止する。
(6)ついで、図4(b)に示すように、杭体1をモーター32から外し、杭体1を地中に残置した状態でオーガー20を反対方向に回転させながらモーター32を上昇させれば、オーガー20は杭体1から引上げられ、杭体1は地盤中に埋設されて施工は終了する。
本実施の形態に係るねじ込み杭の施工方法は、杭体1内に挿入したオーガー20のオーガーヘッド22により杭先端部近傍の地盤を先行掘削するため、杭体1を回転するためのトルクを軽減することができ、これにより、杭体1の貫入能率が向上すると共に、オーガー20やベースマシン30を小型化することができる。また、杭体1に作用するねじりモーメントが小さいため、肉厚の薄い鋼管杭やねじりに弱いコンクリート杭にもねじ込み杭を適用することができる。さらに、従来ねじ込み式が困難とされていた外径が600mmを超える大型の杭体にも適用することができる。
また、オーガー20の先端部から噴出される硬化性流動物42と土砂が攪拌混合されて、乱された地盤が固化するために大きな先端支持力を発揮することができる。さらに、翼10とオーガー20は互いに反対方向に回転することができるために、硬化性流動物42と土砂が均一に攪拌混合される。
また、上記のように杭体1とオーガー20とは互いに反対方向に回転することができるために、それぞれのトルクが打ち消し合ってモーター32からベースマシン30に作用する反力を低減することができ、そのため、ベースマシン30を小型化しても安定性を確保することができる。
[実施の形態2]
図6は本実施の形態の説明図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、杭体1を回転させる杭体回転用モーター35を、ベースマシン30のリーダ31の下部に設けて杭体1の胴部に取付けるようになっており、ベースマシン30のリーダ31から吊り下げられてオーガー20を回転させるオーガー回転用モーター36を、杭頭部又はその近傍に配設したものである。
本実施の形態の作用は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、オーガー回転用モーター36を実施の形態1で示した2個の回転軸を持つモーター32より小型かつ軽量化できる。そのため、高い位置に配置される物(モーター)の重量が小さくなるので、ベースマシン30の安定性を増すことができる。
上記の説明では、オーガー回転用モーター36をベースマシン30のリーダ31の頭部から吊り下げた場合を示したが、オーガー回転用モーター36を杭体1の杭頭部に固定し、杭体1を反力体としてオーガー20に回転力を与えるようにしてもよい。このように構成することによりリーダ31の長さを短くできると共に、ベースマシン30に作用するトルクがさらに低減するので、ベースマシン30を小型化することができる。
[実施の形態3]
図7は地表面から支持層までの地盤条件の一例を示すもので、以下、実施の形態1又は2に係る施工方法により、杭体をこの地盤に貫入する本実施の形態によるねじ込み杭の施工方法について説明する。
図7において、地表面に近い上部軟弱層は、翼10や杭体1に作用する貫入抵抗が小さいため、オーガーヘッド22による地盤の掘削軟化を必要としない。このため、オーガー20の回転を停止して杭体1の回転だけで貫入する。
このとき、翼10により軟化した土砂は、オーガー20のスパイラル羽根24に邪魔されて杭体1内にはほとんど侵入せず、翼10の段差部12を通過して杭体1の周囲に移動し、圧縮されて高密度の土となり、その結果、設計上大きな周面摩擦力や水平抵抗を見込むことができる。
中間砂層は比較的硬いため杭体1の回転だけで貫入させるためには大きなトルクが必要になるので、同時にオーガー20を回転させて地盤を掘削軟化させる。この場合、オーガー20は地盤を下方に押し下げる方向に回転させる。これにより、掘削軟化された土砂の大部分は杭体1内に侵入せず、翼10の段差部12を通過して杭体1の周囲に移動する。
支持層は非常に硬いので、積極的に土砂を杭体1内に取り込んで貫入能率を高めると共に、トルクの低減をはかる。勿論、オーガー20は土砂を上方に押上げる方向に回転させる。支持層では、大量の土砂を杭体1内に取り込むが、硬化性流動物で軟化した土砂を固化するため、支持力上なんら問題はない。
以上のように、本実施の形態においては、オーガー20の回転の有無や回転方向を地盤条件に応じて調整することにより、杭体内への土砂の侵入の抑制や貫入能率の制御を行うことができる。
[実施の形態4]
図8は本発明の実施の形態4の要部の模式図である。
本実施の形態は、杭体1内に挿入されたオーガー20のオーガーヘッド22を、地上からの操作などによって拡大できる構造にしたものである。この場合、オーガーヘッド22の拡大は、杭体1の外径以上で、かつ翼10の外径とほぼ同じか又はそれ以下の範囲であることが望ましい。
本実施の形態の施工方法も実施の形態1〜3の場合とほぼ同様であるが、オーガーヘッド22は、オーガー20を杭体1内に挿入した杭先端部から突出させたのち最初から拡大してもよく、あるいは、オーガー20の先端部が支持層の近傍に達したときに拡大してもよい。この場合、オーガーヘッド22の杭先端部からの突出量をできるだけ少なくすることにより、硬化性流動物と土砂との攪拌混合効率を高めることができる。そして、杭体1の埋設が終了したときは、オーガーヘッド22を縮小して元の状態に戻し、杭体1を地中に残置してオーガー20を引き上げる。
本実施の形態においても実施の形態1の場合と同様の効果が得られるが、さらに、拡大されたオーガーヘッド22により土砂を掘削軟化させる範囲が広くなるため、杭体1を回転するためのトルクをより小さくすることができる。
また、図9に示すように、翼10で乱された翼10の下方の土砂も翼10の上方の土砂も硬化性流動物によって固化されるため、支持層51の支持能力を十分に発揮させることが出来、先端支持力をさらに向上させることができる。
[実施の形態5]
図10は本実施の形態の要部を示す斜視図、図11はその下面図である。図において、10は螺旋状の翼であり、杭体1の先端部を斜めに切除した部分に固着したものである。翼10の外径D1 は杭体1の外径D2 の1.3〜2.0倍であり、上方から透視したときの翼10の内角は330°〜360°の範囲にある。また、翼10の内径D3は杭体1の外径D2よりも小さくなっているが、オーガーヘッド22の外径よりも大きく形成されている。
一般に、ねじ込み杭の翼の外径は、杭体の外径の1.5〜2.5倍程度の範囲にあるが、実施の形態1〜4に示す施工方法においては、杭先端部周辺に硬化性流動物を噴出して軟化した土砂を固化するため、翼10の単位面積当りの支持力が大きくなる。この結果、翼10の面積が小さくても十分大きな支持力を確保することができる。
この場合、翼10の外径D1を杭体1の外径D2の1.3倍未満にすると、木ネジとしての貫入機能が低下すると共に支持力が小さくなって経済性が低下する。また、翼10の外径D1が杭体1の外径D2の2倍を超えることは設計上不必要であり、その上翼10の厚さが非常に厚くなり、製造コストが高くなる。
また、従来、翼の内角は360°であったが、転石など粒径の大きな礫地盤の場合、礫などが翼の段差部12を通過することができなくなって施工性が低下する。本実施の形態によれば、礫の径に応じて翼10の内角を調整することにより、礫地盤でも容易に施工することができる。この場合、翼10の内角の和が330°未満の場合は支持力が低下し、360°を超えると土砂が翼10の段差部12を通過することきの抵抗が大きくなる。
図12〜図15は本実施の形態に係る翼10の他の例を示すものである。
図12の例は、ドーナツ状の円形鋼板を中央から2分割して平板状の鋼製翼13a,13bを形成し、この鋼製翼13a,13bを杭体の先端部外周に、溶接により螺旋状に連続して固着して翼10を構成したものである。
また、図13の例は、杭体1の先端部を2分割してそれぞれ同方向に傾斜した取付部を設け、この取付部に鋼製翼13a,13bを固着したものである。
図14の例は、図13の例において、両鋼製翼13a,13bの中心部に形成された穴に、外径が杭体1の内径より小さく、内径がオーガーヘッド22の外径より大きい円筒部材14を溶接により取付けて、両鋼製翼13a,13bの安定性を増すようにしたものである。
また、図15の例は、杭体1の先端部に螺旋状部又は2分割してそれぞれ同方向に傾斜した傾斜部を形成し、杭体1の外周にこの螺旋状部又は傾斜部に沿って螺旋翼11又は鋼製翼13a,13bを固着したものである。
以上、本発明に係る杭体1に設ける翼10の例について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、他の形状又は構造に係る翼を杭体に設けてもよい。
[実施の形態6]
図16は本実施の形態に係る杭体の一例の正面図である。本実施の形態に係る杭体1は、杭体上部1aの外径を杭体下部1bの外径より大きく、かつ翼10の外径以下に構成し、杭体上部1aと杭体下部1bを短尺のテーパ管1cを介して接続したものである。そして、杭体下部1bの先端部に、図13に示すようなほぼ半円状の2枚の鋼製翼を交差させて取付けて翼10を構成したが、他の構造の翼を設けてもよい。なお、本実施の形態に係る杭の施工方法は、実施の形態1〜4の場合とほぼ同様である。
地震時に杭に作用する水平力が大きい場合や、地表付近の地盤が非常に軟弱な場合、あるいは地震時に液状化を生じるような地盤の場合、杭体上部には大きな曲げモーメントが作用すると共に、水平変位量も大きくなる。このような条件のもとでは、杭体上部の板厚や強度を増すよりも、杭体上部の外径を大きくして剛性を高めた杭(頭部拡大杭)を使用するほうが設計上経済的であることがよく知られている。実際、場所打ちコンクリート杭では頭部拡大杭が多用されている。
しかし、既成杭の分野では過去に何度か試みられたが、十分な実用化は行われていない。その最大の理由は、杭は製造できても、施工時に杭径が変化する部分(拡径部)で大きな貫入抵抗が発生して施工が難しくなるためである。
しかしながら、実施の形態1〜4の施工方法を用いることにより、本実施の形態に係る頭部拡大杭を容易に実用化することができる。なぜならば、杭体1の周囲の土砂は、杭体上部1aの外径より大きい外径の翼10により掘削軟化され、かつ圧縮されて土の間隙水圧が上昇しているため、施工中は非常に軟らかい。このため、拡径部においても大きな貫入抵抗を受けないためである。
図17は本実施の形態に係る杭体の他の例を示す正面図で、杭体上部1aと杭体下部1bとを円形鋼板1dを介して接合し、頭部拡大杭1を構成したものである。
発明者らは、先端部に、外径1000mmの鋼製翼を交差して取付けた外径508mmの翼付き鋼管(杭体下部1b)の上端部に、厚さ40mm、外径800mmの円形鋼板1dを介して外径800mmの鋼管(杭体上部1a)を接合し、長さ43mのねじ込み杭を製作し、実際の地盤で施工性を調査する試験を行った。
その結果、外径508mmの通常の翼付きねじ込み杭の施工能率とほとんど同じ能率で施工できることを確認した。
図18に示す杭体1は、杭体1の内壁面に曲げ加工した鉄筋や山形鋼などを溶接等により取付けて、凸部3を設けたもので、これにより、土砂と硬化性流動物との混合物の杭体1の内面への付着力を高め、先端支持力をより確実にしたものである。
この凸部3を設ける範囲は、杭体1の先端部から杭体1の外径Dの1/2から2倍程度の範囲が望ましい。
本発明の実施の形態1を説明するための説明図である。 図1の杭体先端部の説明図である。 実施の形態1の施工方法の説明図である。 実施の形態1の施工方法の説明図である。 実施の形態1のモーターと杭体及びオーガーとの連結状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2の説明図である。 本発明の実施の形態3の説明図である。 本発明の実施の形態4の要部の説明図である。 実施の形態4の施工結果を示す説明図である。 本発明の実施の形態5の要部の斜視図である。 図10の下面図である。 実施の形態5の他の例の斜視図である。 実施の形態5の他の例の斜視図である。 実施の形態5の他の例の説明図である。 実施の形態5の他の例の説明図である。 本発明の実施の形態6の説明図である。 本発明の実施の形態6の他の例の説明図である。 杭体の他の例の説明図である。
符号の説明
1 杭体
1a 杭体上部
1b 杭体下部
3 凸部
10 翼
11 螺旋状翼
12 段差部
13a,13b 鋼製翼
20 オーガー
21 貫通穴
22 オーガーヘッド
23 噴出口
24 スパイラル羽根
30 ベースマシン
32 モーター
33 杭体回転用モーター
34 オーガー回転用モーター
40 硬化材プラント
42 硬化性流動物
50 土砂と硬化性流動物の混合物

Claims (3)

  1. 中空の杭体の先端部又は先端部近傍に固着した翼の木ネジとしての作用と、前記杭体の中空部に挿入したオーガーの地盤掘削軟化作用とを利用して、杭打ち機に搭載した杭回転用モーターにより杭体に回転力を与えると共に、前記杭体の杭頭部又はその近傍に配置したオーガー回転用モーターによりオーガーの頭部に回転力を与えて杭を地盤中に回転貫入させる施工方法であって、
    前記杭回転用モーターと前記オーガー回転用モーターは、互いに反対方向に回転することができ、前記杭体の先端部が支持層の近傍に達したときは該杭体内にオーガーを挿入してその頭部にオーガー回転用モーターにより該オーガーに回転力を与え、
    前記杭体の回転中に支持層にオーガーヘッドから硬化性流動物を噴出し、前記翼とオーガーヘッドの回転により土砂と前記硬化性流動物を撹拌混合し、
    所定の深さまで撹拌混合が終了したときは杭体を残置してオーガーを引き抜き、時間の経過とともに軟化した土砂を固化させることを特徴とするねじ込み杭の施工方法。
  2. 前記オーガーヘッドの外径が杭先端部の外径より大きく、かつ翼の外径とほぼ同じか又はそれ以下の範囲で拡大できるオーガーを使用することを特徴とする請求項1記載のねじ込み杭の施工方法。
  3. 前記杭体の先端部又は先端部近傍の外周に、螺旋状又は複数の平板から構成される翼が固着され、
    杭体上部の外径が杭体下部の外径より大きく、かつ前記翼の外径以下に構成され、
    請求項1又は2の施工方法により施工されることを特徴とするねじ込み杭の施工方法。
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