JP4471088B2 - 有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物及び三次元射出成形回路部品の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)ポリアミド樹脂が、
a)二量体脂肪酸含有量が65重量%以上のダイマー酸またはそのアミド生成可能な誘導体(a-1)を全カルボキシル基の20当量%以上と、ダイマー酸以外のジカルボン酸化合物またはそのアミド生成可能な誘導体(a-2)を全カルボキシル基の80当量%以下とからなるジカルボン酸成分と、
b)下記式(I)
で表されるピペラジン化合物、及び下記式(II)
で表されるジピペリジル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含窒素複素環化合物(b-1)を全アミノ基の20当量%以上と、該含窒素複素環化合物以外のジアミン化合物(b-2)を全アミノ基の80当量%以下とからなるジアミン成分とを、
全アミン当量の全カルボキシル当量に対する比が0.8:1〜1.3:1の範囲内で重縮合して得られるポリアミド(A)、及び
c)二量体脂肪酸含有量が65重量%以上のダイマー酸またはそのアミド生成可能な誘導体(c-1)を全カルボキシル基の20当量%以上と、ダイマー酸以外のジカルボン酸化合物またはそのアミド生成可能な誘導体(c-2)を全カルボキシル基の80当量%以下とからなるジカルボン酸成分と、
d)ポリアルキレンポリアミンとを、
全アミン当量の全カルボキシル当量に対する比が1.3:1〜3.0:1の範囲内で重縮合して得られるポリアミドポリアミン(B)
を重量比(A:B)98:2〜40:60の範囲内で溶融混合してアミド交換反応させてなるものであり、かつ、
(2)濃度30重量%の酢酸水溶液に80℃で30分間浸漬して測定した樹脂組成物の溶解速度が0.3mm/30min以上
であることを特徴とする有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物が提供される。
(1)回路部品の基板を構成する一次成形品を合成樹脂の射出成形により形成する工程1、
(2)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程2、
(3)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、前記の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程3、
(4)二次成形品の該被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、めっきにより導体回路層を形成する工程4、及び
(5)有機酸水溶液を用いて該被覆層を溶解除去する工程5
を含む三次元射出成形回路部品の製造方法が提供される。
(I)回路部品の基板を構成する一次成形品を合成樹脂の射出成形により形成する工程I、
(II)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程II、
(III)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、前記の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程III、
(IV)二次成形品の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、触媒を賦与する工程IV、
(V)有機酸水溶液を用いて有機酸可溶型ポリアミド樹脂被覆層を溶解除去する工程V、及び
(VI)触媒賦与部分にめっきして導体回路層を形成する工程VI
を含む三次元射出成形回路部品の製造方法が提供される。
で表されるピペラジン化合物、及び下記式(II)
で表されるジピペリジル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含窒素複素環化合物(b-1)を全アミノ基の20当量%以上と、該含窒素複素環化合物以外のジアミン化合物(b-2)を全アミノ基の80当量%以下とからなるジアミン成分とを、全アミン当量の全カルボキシル当量に対する比が0.8:1〜1.3:1の範囲内で重縮合して得られるポリアミドである。本発明のポリアミド(A)は、例えば、特公昭45−6825号公報、特開昭48−14790号公報に記載されている製造方法により得ることができる。
R3OOC−COOR3
または下記式
R3OOC−R4−COOR3
で表される化合物を挙げることができる。これらの式において、R3は、炭素原子数1〜8のアルキル基またはアリール基であり、R4は、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素の脂肪族、脂環式または芳香族基である。また、これらの酸の無水物、ハロゲン化物(塩化物など)も使用することができる。エステルは、炭素原子数1〜4のアルキルエステルが好ましい。
H2NR5NH2
で表されるものである。式中、R5は、脂肪族、脂環式または芳香族の二価の炭化水素基で炭素原子数2ないし36のもの、あるいは、ポリオキシアルキレン基を持ったものである。このようなジアミン化合物の具体例は、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノブタン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシレンジアミン、シクロへキシレンジアミン、ビス(アミノエチル)ベンゼン、シクロヘキシルビス(メチルアミン)、ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、メチレンジアニリン、ポリオキシプロピレンジアミン、ダイマージアミンなどが挙げられる。ジアミン化合物は、R5が炭素原子数2ないし6のアルキレン基であるものが好ましい。
(i)軟化点が80〜190℃、好ましくは120〜180℃、より好ましくは135〜170℃、
(ii)酸価が0〜5mgKOH/g、
(iii)アミン価が10〜100mgKOH/g、及び
(iv)200℃で測定した溶融粘度が350〜80,000mPa・s、好ましくは500〜10,000mPa・s、より好ましくは1,000〜8,000mPa・s
を有するものであることが望ましい。本発明で使用するポリアミド樹脂の軟化点及び溶融粘度が低すぎると、樹脂組成物の射出成形性が低下することがある。
(2)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程2、
(3)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、前記の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程3、
(4)二次成形品の該被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、めっきにより導体回路層を形成する工程4、及び
(5)有機酸水溶液を用いて該被覆層を溶解除去する工程5。
(II)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程II、
(III)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、前記の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程III、
(IV)二次成形品の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、触媒を賦与する工程IV、
(V)有機酸水溶液を用いて有機酸可溶型ポリアミド樹脂被覆層を溶解除去する工程V、及び
(VI)触媒賦与部分にめっきして導体回路層を形成する工程VI。
軟化点は、JIS K6863−1994に記載されているホットメルト接着剤の軟化点試験方法に準拠して測定した。
(2)酸価:
酸価は、フェノールフタレインを指示薬とし、水酸化カリウム水溶液を滴定液とする中和滴定法により測定した。
アミン価は、ブロムクレゾールグリーンを指示薬とし、塩酸水溶液を滴定液とする中和滴定法により測定した。
(4)溶融粘度:
溶融粘度は、JIS K6862−1984に記載されているホットメルト接着剤の溶融粘度試験方法のB法に準拠して測定した。
ポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂組成物を用いて、縦×横×厚み=10mm×10mm×1mmの試験片を作製した。この試験片を濃度30重量%の酢酸水溶液50mlに80℃で30分間浸漬した後、取り出し、80℃で24時間乾燥させた。乾燥後の試験片の厚みを測定した。浸漬前の試験片の厚みをKmmとし、浸漬・乾燥後の試験片の厚みをLmmとすると、式「溶解速度=K−L(mm/30min)」により溶解速度が算出される。この溶解速度を有機酸に対する溶解性の指標とした。
めっき工程は、以下の手順により行った。すなわち、下記(1)〜(5)に示した処方にて無電解銅めっきを行い、厚み2μmの銅めっき層を形成し、引き続いて、(6)の手順で電気銅めっきを行い、めっき層の合計厚みを15μmとした。
一次成形品を超音波洗浄機で5分間洗浄した後、イオン交換水で洗浄する。
(2)プレディップ:
塩化ナトリウム(180g/L)、塩酸(80ml/L)、及びOS−1505〔シプレイ・ファーイースト(株)製、商品名〕(20ml/L)をこれらの比率で混合して処理液を調製し、この処理液を45℃の温度に設定して、その中に試料を3分間浸漬する。
塩化ナトリウム(180g/L)、塩酸(100ml/L)、OS−1505〔シプレイ・ファーイースト(株)製、商品名〕(20ml/L)、及びOS−1558〔シプレイ・ファーイースト(株)製、商品名〕(20ml/L)をこれらの比率で混合して処理液を調製し、この処理液を30℃の温度に設定して、その中に試料を8分間浸漬する。浸漬後、試料をイオン交換水で洗浄する。
OS−1560〔シプレイ・ファーイースト(株)製、商品名〕(濃度=20ml/L)からなる処理液を30℃の温度に設定し、この処理液中に試料を2分間浸漬する。浸漬後、試料をイオン交換水で洗浄する。
OS−1598M(48ml/L)、OS−1598A(10ml/L)、OS−1598R(2ml/L)、OS−1120SR(2.1ml/L)、CupZ(23ml/L)、及びCupY(12ml/L)〔それぞれシプレイ・ファーイースト(株)製、商品名〕をこれら比率で混合してめっき液を調製し、次いで、めっき液を45℃の温度に設定して、その中に試料を15分浸漬する。浸漬後、試料をイオン交換水で洗浄する。
硫酸銅(220g/L)と硫酸(60g/L)をこれらの比率で混合してめっき液を調製し、次いで、めっき液を25℃の温度に設定して、その中に試料を浸漬し、2A/dm2の電流密度で20分間通電することにより、厚み約15μmのめっき層を形成する。
ダイマー酸(0.65当量)、セバシン酸(0.35当量)、エチレンジアミン(0.53当量)、及びピペラジン(0.53当量)を重縮合して、ポリアミド(A)を合成した。このポリアミド(A)は、軟化点160℃、酸価1.0mgKOH/g、アミン価10.0mgKOH/g、溶融粘度3,000mPa・s(210℃)であった。
合成例1で合成したポリアミド(A)とポリアミドポリアミン(B)とを、A:B=97/3の重量比で混合し、230℃で12時間溶融混合し、アミド交換反応させることにより、ポリアミド樹脂(2)を合成した。ポリアミド樹脂(2)は、軟化点157℃、酸価1.5mgKOH/g、アミン価10mgKOH/g、溶融粘度3,000mPa・s(200℃)、有機酸に対する溶解速度0.03mm/30minであった。
合成例1で合成したポリアミド(A)とポリアミドポリアミン(B)とを、A:B=80/20の重量比で混合し、230℃で12時間溶融混合し、アミド交換反応させることにより、ポリアミド樹脂(3)を合成した。ポリアミド樹脂(3)は、軟化点150℃、酸価1.0mgKOH/g、アミン価25.0mgKOH/g、溶融粘度3,000mPa・s(200℃)、有機酸に対する溶解速度1.0mm/30minであった。
無機フィラーとして、水酸化アルミニウム(商品名「ハイジライトH32」、昭和電工製)、シリカ(商品名「アエロジル200V」、日本アエロジル製)、水酸化マグネシウム(商品名「キスマ5」、協和化学製)、炭酸カルシウム(商品名「白艶華CC」、白石工業製)、リン酸カルシウム(第三リン酸カルシウム、太平化学製)、及び炭酸マグネシウム(神島化学製)について、下記の試験法により無機フィラー単独での有機酸に対する溶解性試験を行った。
無機フィラー粉末3.0gを50mlの酢酸水溶液(濃度30重量%)に温度80℃で1時間浸漬した。浸漬中、1Hzでストローク30mmの条件で揺動させた。浸漬後、無機フィラーを濾過により取り出し、80℃で24時間乾燥させて、乾燥後の重量を測定した。試験に用いた無機フィラーの重量と浸漬試験後の乾燥重量に基づいて、重量減少率を算出した。溶解速度は、1時間当たりの重量減少率(%/時間)により算出した。結果を表1に示す。
合成例1で合成したポリアミド樹脂(1)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=85:15重量比〕に、試験例1で用いたのと同じ種々の無機フィラーを40重量%の割合で溶融混合してポリアミド樹脂組成物を調製した。各ポリアミド樹脂組成物を押出成形して厚み1mmの樹脂シートを作製し、この樹脂シートを裁断して、縦×横×厚み=10mm×10mm×1mmの試験片を作製した。この試験片を濃度30重量%の酢酸水溶液に80℃で30分間浸漬し、前述の試験法に従って溶解速度を測定した。浸漬試験中の揺動条件は、1Hzでストローク30mmであった。結果を表2に示す。
無機フィラーを混合したポリアミド樹脂組成物のめっき液に対する溶解性及び膨潤性の評価を行った。ポリアミド樹脂に混合したとき最も速い溶解速度を示す水酸化アルミニウムを混合した有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を用いた。
合成例1で合成したポリアミド樹脂(1)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=85:15重量比〕に、試験例1で用いたのと同じ水酸化アルミニウムを混合して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を調製した。この有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を用いて作製した厚み1mmの樹脂シートを裁断し、縦×横×厚み=10mm×10mm×1mmの試験片を作製した。この試験片をめっき液(前記したもの)50mlに45℃で1時間浸漬後、取り出し、80℃で24時間乾燥させた。浸漬中の揺動条件は、1Hzでストローク30mmであった。試験に用いた試験片の重量と浸漬試験後の試験片の重量を測定し、1時間当りの重量変化率(%/時間)を算出した。水酸化アルミニウムの配合割合は、20、40及び70重量%とした。重量変化率が10%/時間以下、好ましくは5%/時間以下の樹脂組成物は、耐めっき液性が良好であると判断される。結果を表3に示す。
合成例2で合成したポリアミド樹脂(2)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=97/3重量比〕に、試験例1で用いたのと同じ水酸化アルミニウムを表4に示す各配合割合で溶融混合してポリアミド樹脂組成物を調製した。各ポリアミド樹脂組成物を押出成形して厚み1mmの樹脂シートを作製し、この樹脂シートを裁断して、縦×横×厚み=10mm×10mm×1mmの試験片を作製した。この試験片を濃度30重量%の酢酸水溶液に80℃で30分間浸漬し、前述の試験法に従って溶解速度を測定した。浸漬試験中の揺動条件は、1Hzでストローク30mmであった。結果を表4に示す。
液晶ポリエステル樹脂(LCP)〔ベクトラC810、ポリプラスチック(株)製、商品名〕を、射出成形機(型締力=100トン、スクリュー径=45mmφ)を用いて、射出圧50kg/cm2、保圧時間10秒間、金型温度60℃の条件にて射出成形することにより、図2に示す形状の一次成形品21を成形した。得られた一次成形品をエタノールで洗浄した後、80℃に設定した45%の水酸化ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、次いで、3%の塩酸で中和する方法により粗面化した。粗面化した一次成形品を二次金型内にセットし、レジスト樹脂を射出成形して、一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面にレジスト樹脂被覆層を形成した(二次成形品の成形)。
ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)〔UBE PBT 3000 宇部興産(株)製、商品名〕100重量部に炭酸カルシウム20重量部を添加した樹脂組成物を、射出成形機(型締力100トン、スクリュー径45mmφ)を用いて、射出圧50kg/cm2、保圧時間10秒間、金型温度60℃の条件にて射出成形することにより、図2に示す形状の一次成形品21を成形した。この一次成形品をエタノールで洗浄した後、80℃に設定した濃度45重量%の水酸化ナトリウム水溶液中に5分間浸漬し、次いで、3%の塩酸で中和する方法で粗面化した。
レジスト樹脂として、合成例3で合成したポリアミド樹脂(3)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=80/20重量比〕)にシリカ(アエロジル200V)を20重量%の割合で溶融混合して調製した有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして三次元射出成形回路部品を作製した。得られた回路部品は、回路幅100μm、回路ピッチ200μmの回路を描くことができ、所望のパターンの導体回路層を高精度で形成することが可能であった。
レジスト樹脂として、合成例2で調製したポリアミド樹脂(2)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=97/3重量比〕)に水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)を50重量%の割合で溶融混合して調製した有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして三次元射出成形回路部品を作製した。得られた回路部品は、回路幅100μm、回路ピッチ200μmの回路を描くことができ、所望のパターンの導体回路層を高精度で形成することが可能であった。
レジスト樹脂として、合成例3で調製したポリアミド樹脂(3)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=80/20重量比〕)を単独で用いたこと以外は、実施例1と同様にして三次元射出成形回路部品を作製した。得られた回路部品は、回路幅300μm、回路ピッチ600μmの回路を描くことができた(L&S=300/300μm)。しかし、回路幅を100μm、回路ピッチを200μmに変更すると(L&S=100/100μm)、金型内のランナー部分で破断して樹脂が詰まったり、金型から取り出す際に、被覆層(レジスト樹脂層)のパターンが変形することがあった。
実施例1で作製したのと同じ一次成形品を使用し、二次成形用のレジスト樹脂として、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂〔エコマティAX2000、日本合成化学(株)製、商品名〕を使用し、図2に対応する形状を有する二次成形品の作製を試みた。しかし、粗面化工程において、レジスト樹脂の膨潤が見られ、回路幅300μm、回路ピッチ600μmのパターンの導体回路層を形成することができなかった。
レジスト樹脂として、合成例3で調製したポリアミド樹脂(3)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=80/20重量比〕)に水酸化アルミニウム(ハイジライトH32)を80重量%の割合で溶融混合して調製したポリアミド樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして三次元射出成形回路部品の作製を試みた。しかし、このポリアミド樹脂組成物は、溶融粘度が高いため、二次成形品にショートが発生し、回路幅300μm、回路ピッチ600μmのパターンの導体回路層の形成ができなかった。
レジスト樹脂として、合成例3で調製したポリアミド樹脂(3)〔ポリアミド(A):ポリアミドポリアミン(B)=80/20重量比〕)に水酸化マグネシウム(キスマ5)を40重量%の割合で溶融混合して調製したポリアミド樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして三次元射出成形回路部品の作製を試みた。しかし、めっき処理後、このポリアミド樹脂組成物から形成した被覆層(レジスト樹脂層)は、濃度30重量%の酢酸水溶液による除去ができなかった。
(1)回路パターン形成性の評価:
○:射出成形性に優れ、金型内のランナー部分で破断して樹脂が詰まったり、金型から取り出す際に、被覆層(レジスト樹脂層)のパターンが変形することなく、微細な回路パターンを精密に形成することができる、
△:回路パターンを微細化すると、金型内のランナー部分で破断して樹脂が詰まったり、金型から取り出す際に、被覆層(レジスト樹脂層)のパターンが変形することがある、
×:所望の回路パターンを形成することが極めて困難か、不可能である。
*2:射出成形によりレジスト樹脂層の形成ができなかった。
*3:酢酸水溶液によりレジスト樹脂層を除去することができなかった。
12:レジスト樹脂層、
13:めっき層(導体回路層)、
21:一次成形品、
22:めっき層(導体回路層)。
Claims (5)
- ポリアミド(A)とポリアミドポリアミン(B)とのアミド交換反応生成物であるポリアミド樹脂25〜90重量%、並びに水酸化アルミニウム、シリカ、及び炭酸マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の無機フィラー10〜75重量%を含有する有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物であって、
(1)ポリアミド樹脂が、
a)二量体脂肪酸含有量が65重量%以上のダイマー酸またはそのアミド生成可能な誘導体(a-1)を全カルボキシル基の20当量%以上と、ダイマー酸以外のジカルボン酸化合物またはそのアミド生成可能な誘導体(a-2)を全カルボキシル基の80当量%以下とからなるジカルボン酸成分と、
b)下記式(I)
で表されるピペラジン化合物、及び下記式(II)
で表されるジピペリジル化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の含窒素複素環化合物(b-1)を全アミノ基の20当量%以上と、該含窒素複素環化合物以外のジアミン化合物(b-2)を全アミノ基の80当量%以下とからなるジアミン成分とを、
全アミン当量の全カルボキシル当量に対する比が0.8:1〜1.3:1の範囲内で重縮合して得られるポリアミド(A)、及び
c)二量体脂肪酸含有量が65重量%以上のダイマー酸またはそのアミド生成可能な誘導体(c-1)を全カルボキシル基の20当量%以上と、ダイマー酸以外のジカルボン酸化合物またはそのアミド生成可能な誘導体(c-2)を全カルボキシル基の80当量%以下とからなるジカルボン酸成分と、
d)ポリアルキレンポリアミンとを、
全アミン当量の全カルボキシル当量に対する比が1.3:1〜3.0:1の範囲内で重縮合して得られるポリアミドポリアミン(B)
を重量比(A:B)98:2〜40:60の範囲内で溶融混合してアミド交換反応させてなるものであり、かつ、
(2)濃度30重量%の酢酸水溶液に80℃で30分間浸漬して測定した樹脂組成物の溶解速度が0.3mm/30min以上
であることを特徴とする有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂が、下記特性i〜iv:
(i)軟化点が80〜190℃、
(ii)酸価が0〜5mgKOH/g、
(iii)アミン価が10〜100mgKOH/g、及び
(iv)200℃で測定した溶融粘度が350〜80,000mPa・s
を有するものである請求項1記載の樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂が、下記特性v
(v)濃度30重量%の酢酸水溶液に80℃で30分間浸漬して測定した溶解速度が0.02mm/30min以上
を有するものである請求項1または2記載の樹脂組成物。 - 下記工程1〜5:
(1)回路部品の基板を構成する一次成形品を合成樹脂の射出成形により形成する工程1、
(2)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程2、
(3)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程3、
(4)二次成形品の該被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、めっきにより導体回路層を形成する工程4、及び
(5)有機酸水溶液を用いて該被覆層を溶解除去する工程5
を含む三次元射出成形回路部品の製造方法。 - 下記工程I〜VI:
(I)回路部品の基板を構成する一次成形品を合成樹脂の射出成形により形成する工程I、
(II)必要に応じて、一次成形品の表面を粗面化する工程II、
(III)一次成形品の回路を形成すべき部分を除く全表面に、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物を射出成形して、有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層を有する二次成形品を成形する工程III、
(IV)二次成形品の有機酸可溶型ポリアミド樹脂組成物の被覆層部分を除く回路を形成すべき部分に、触媒を賦与する工程IV、
(V)有機酸水溶液を用いて有機酸可溶型ポリアミド樹脂被覆層を溶解除去する工程V、及び
(VI)触媒賦与部分にめっきして導体回路層を形成する工程VI
を含む三次元射出成形回路部品の製造方法。
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