JP2015507049A - ブリスタリングが発生しないポリアミド組成物 - Google Patents

ブリスタリングが発生しないポリアミド組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、例えば、リフロー半田付けプロセスの結果であるブリスタリングに対する耐性を高めたポリアミド組成物に関する。この組成物は、A)99〜50重量%の少なくとも1種のポリアミドAであって、A1)4個の炭素原子を有し、C4−ジアミンの量がジアミンの全量に対して少なくとも2mol%である、少なくとも1種のジアミンモノマーと、A2)少なくとも1種の二酸モノマーとに由来する、モノマーの少なくとも1種が少なくとも1個の芳香族構造単位を有し、Mnで表される分子量が少なくとも9000g/molであるポリアミドA、B)1〜50重量%の少なくとも1種の強化剤、C)0〜20重量%の無機フィラーおよび/または添加剤、D)0〜49重量%のA)以外の1種以上のポリマー(但し、A、B、C、およびDの合計は100重量%である)を含む。本発明はまた、本ポリアミド組成物の使用、およびポリアミド組成物から作製された成形品に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ポリアミドおよび一定量の強化繊維を含む組成物に関する。本発明はまた、その組成物の成形品製造のための使用、および成形品それ自体に関する。
ポリアミド樹脂は、多くの他の熱可塑性成形材料と比べて、優れた機械的特性、成形性および耐薬品性を有しており、したがって、自動車部品、電気/電子(E&E)部品、機械部品、および他の多くの用途で使用されている。ポリアミド樹脂から作られた物品は、高流動性、関連する温度での耐ブリスター性、高い表面品質および/または高剛性、ならびに良好な寸法安定性などの、極めて望ましい物理的特性を有することができる。今日、E&E部品は小型化が進んでおり、そのために高流動性がより一層重要になりつつある。ブリスタリングが起きないことは、表面実装半田付け法では必須である。例えば、コンピュータの筐体に使用するには、高剛性、良好な寸法安定性および良好な表面品質が要求される。
その物理的特徴である高い機械的特性および高い熱変形温度のために、強化高融点ポリアミドが、E&E部品の表面実装用途に、従来使用されてきた。表面実装技術(SMT)は、プリント回路基板(PCB)に半田含有ペーストを塗布する工程、電気および電子部品をPCB表面の適切な場所に配置する工程、および、半田を溶融させ、部品を永久的にPCBに固定するための赤外線リフロー炉に組立体全体を通過させる工程を含む。より古いスルーホール法では、ドリルで穴を開け、各部品を個々に所定の位置に半田付けすることが要求された。SMTは、スルーホール法で可能であったものより、より小さく、かつ高密度の配置の製造を可能にし、得られる基板は一般により安価に製造される。しかしながら、SMT法では、部品は、260℃、またはそれ以上の温度に加熱されることがあり、例えばピーク温度は270℃に達する。このような条件下で、プラスチック製電子部品が、反らず、変形せず、かつブリスタリングが起きないことが重要である。
部品は、射出成型などの溶融加工法を使用することにより、強化高融点ポリアミド組成物から作製することができる。しかしながら、保管中の湿潤条件には注意しなければならない。この種のポリマーに関係する水の吸収のために、加工中、炉で加熱される際に、部品中にブリスタリング現象としても知られる空隙が形成される。その結果、得られる部品は、望ましくないほどに、かつ許容できないほどに変形している。
電気・電子デバイスの小型化傾向に伴い、SMTの用途で使用される樹脂には、高い溶融流動性に対する要求がますます高まっている。高い溶融流動性(または低い溶融粘度(これらの用語は同義語として使用される))は、射出成型などの加工において、その使用を非常に容易にするため、溶融加工可能なポリマー樹脂組成物として非常に望ましい特性である。高い溶融流動性、すなわち低い溶融粘度を有する組成物は、この特性を持たない他の樹脂と比較して、極めて容易に射出成型を行うことができる。そのような組成物は、低い射出圧力および温度で、極めて高い充填度で型を満たす能力を有し、また、断面の小さい入り組んだ設計の型を満たす高い能力を有する。直鎖状ポリマーでは、ポリマーの分子量と溶融粘度には正の相関があるが、分岐したポリマーでも一般にそうである。
電気および電子部品の製造に使用する、ポリアミドを含む組成物は、欧州特許第2,354,176号明細書により知られている。欧州特許第2,354,176号明細書に記載の組成物は、酸成分のテレフタル酸(および/または、ナフタレン−ジカルボン酸)およびイソフタル酸と、アミンモノマーの1,6−ヘキサジアミンおよびC9〜C12ジアミンとから生成されるポリアミドをポリアミドとして含む。このように、ポリアミドは、アミンモノマーの混合物とカルボン酸の混合物を常に含む。組成物は、ポリアミドの他に、フィラー、強化繊維、難燃剤および添加剤を含むことができる。
欧州特許第2,354,176号明細書のポリアミド組成物の欠点は、それらの組成物が不利な流動挙動を示すことにある。さらに、それらの組成物は、例えばPA66、PA46、PA6およびPA410などのポリマーとのブレンドが困難である。
これらの欠点を克服、または少なくとも低減することが、本発明の目的である。この目的は、
A)99〜50重量%の少なくとも1種のポリアミドAであって、
A1)4個の炭素原子を有し、C4−ジアミンの量がジアミンの全量に対して少なくとも2mol%である、少なくとも1種のジアミンモノマーと、
A2)少なくとも1種の二酸モノマーと
に由来する、
モノマーの少なくとも1種が少なくとも1個の芳香族構造単位を有し、Mnで表される分子量が少なくとも9000g/molであるポリアミドA、
B)1〜50重量%の少なくとも1種の強化剤、
C)0〜20重量%の無機フィラーおよび/または添加剤、
D)0〜49重量%のA)以外の1種以上のポリマー
(但し、A、B、C、およびDの合計は100重量%である)
を含むポリアミド組成物によって達成される。
本発明の組成物は、非常に好ましい組み合わせの特性、すなわち極めて低頻度のブリスター発生と組み合わされた良好な流動性を有する。したがって、この組成物からは薄壁の成形品を作製することができ、かつ成形品は表面にブリスターを発生させずに高温に供することができる。
「成形品のブリスタリング」とは、表面にゆがみが生ずることをいい、これは、その物品に取り込まれ、例えばリフロー半田付け炉内で加熱されるときにその物品から出ることができない吸収湿分が、成形品中に存在することから生じる。炉内の温度上昇のために、物品中に存在する水の蒸気圧は着実に上昇するが、しかし、材料の特性や物品の構造のために水は逃れることができず、これが内部の層剥離をもたらし、物品の表面に所謂ブリスターとして観察されることがある。ブリスタリングは、審美的観点から非常に望ましくないだけでなく、内部または外部の亀裂をもたらす機械的損傷が生じていることの指標でもあり得る。
上述のように、ブリスタリングはリフロー半田付け炉内で成形品を加熱中に起こり得る。適用の厳格さの程度に応じて、成形品は、リフロー半田付け炉内で特定の温度プロファイルで処理される。温度プロファイルにおいては、一般に、4つの、ゾーンまたはフェーズとも呼ばれるステージ、すなわち予備加熱、熱浸漬、リフローおよび冷却のステージが特定され得る。予備加熱ステージは、一般に成形品が比較的急速に加熱される、リフロー半田付けプロセスにおけるフェーズである。昇温速度は、約150℃になるまで毎秒1.0〜3.0℃である。このフェーズで、半田ペーストの溶剤は蒸発し始める。第2のゾーン、熱浸漬では、半田ペーストは相変化に近づく。浸漬フェーズの時間は、半田ペーストの種類によって変化するが、一般には60〜200秒である。浸漬フェーズの後、リフローフェーズと呼ばれる第3のフェーズが始まる。このプロセスの一部で、最高温度に到達する。ここでの重要な観点は、ピーク温度であり、これはプロセス全体で許容できる最高の温度であって、殆どの場合、260℃前後である。この限界は、高温に対する許容度が最も低い、組立体の部品により決まる。リフローフェーズの長さは変えることができ、一般に、60〜120秒である。最終フェーズは冷却フェーズである。一般に、冷却は毎秒約6℃の速度である。
電気および電子工業、特に表面実装デバイスの分野では、上記の望ましくない効果に対する材料の感度を表すために、ある分類が開発され、一般に受け入れられている。この分類システムは、電子機器技術評議会(Joint Electron Devices Engineering Council)にちなんでJEDECと呼ばれる。JEDECは、ノンハーメチック半導体実装デバイスの湿分/リフロー感度を評価するための試験および分類システムを開発した。これに関連する標準は、IPC/JEDEC J−STD−020D.1.と呼ばれる。試験後に得られたレベルは、ブリスタリングに対する脆弱性を示す。レベル1の結果は、物品が湿分に曝露されたとしてもブリスタリングが起きないことを示し、一方、レベル5または6はブリスタリングに対する高レベルの脆弱性を示す。レベル1の試験(一般に、JEDEC−1と呼ばれる)は、85℃、相対湿度85%で行われる。レベル2の試験(JEDEC−2)は、85℃、相対湿度60%で行われる。
驚いたことに、本発明の組成物は、JEDEC試験で最も厳しい条件であるレベル1の試験結果に到達できることがわかった。この結果により、例えば、電子および電気工業の大部分の生産が行われているアジアの国々にあてはまるような高温高湿条件下で、この組成物から物品を作製することが可能になる。また驚いたことに、難燃剤をさらに含む本発明の組成物は、ブリスタリング挙動に関して、依然、非常に良好な結果を示すことがわかった。難燃剤の存在がこの特性に悪影響を及ぼすことが一般に知られていることから、これは驚くべきことである。
上記のように、本発明の組成物は、少なくとも1種のポリアミド(A)を99〜50重量%の量で含み、かつ少なくとも1種の強化剤(B)を1〜50重量%の量で含む。示された量は、組成物の全重量を基準としている。ポリアミド(A)および強化剤(B)のみが含まれる場合、それらの量は合計で100重量%になり、他の成分Cおよび/またはDがさらに含まれる場合、A、B、CおよびDの量を合計すると100重量%になる。
本発明の組成物に含まれる少なくとも1種のポリアミド(A)は、少なくとも1種のジアミンモノマー(A1)と少なくとも1種の二酸モノマー(A2)に由来する、ジアミンモノマーの少なくとも1種は4個の炭素原子を有し、このC4−ジアミンの量は、ジアミンの全量に対して少なくとも2mol%である。このように、本発明の組成物中のポリアミドは、例えば、1種のジアミンモノマーと1種の二酸モノマーとから生成され、ホモポリマーを得るが、例えば、2種の異なるジアミンモノマーと1種の二酸モノマー、または1種のジアミンモノマーと2種の二酸モノマー、などからポリアミドを生成させることもでき、共重合ポリアミドを得る。
ポリアミドの生成に使用されるジアミンモノマーの少なくとも1種は、4個の炭素原子を有さなければならない。より多種のジアミンモノマーが使用されるとき、ジアミンモノマーの少なくとも2mol%が4個の炭素原子を有する限り、他のジアミンモノマーは4個超の、または4個未満の炭素原子を含有していてもよい。1種超のジアミンモノマーが使用されるとき、全ジアミンの少なくとも2mol%がC4−ジアミンからのものでなければならない。全ジアミンモノマーの、好ましくは少なくとも5mol%、より好ましくは少なくとも10mol%、より一層好ましくは少なくとも15mol%が、C4−ジアミンとして含まれる。
ジアミンモノマー(A1)および二酸モノマー(A2)は、モノマーの少なくとも1種が少なくとも1個の芳香族構造単位を有する限り、比較的自由に選択することができる。芳香族構造単位がジアミンモノマーの1種の一部であるか、または二酸モノマーの1種の一部であるかは特に関係がない。1種超のモノマーが芳香族構造単位を有することも可能であり、したがって、例えば、芳香族構造単位を有する2種の二酸モノマーを使用することが可能である。芳香族構造単位とは、芳香族性を有する構造単位を意味する。例えば、二酸がイソフタル酸誘導体であるとき、イソフタル酸は芳香族性を有する構造単位、ここではベンゼン環を有するから、二酸モノマーが芳香族構造単位を含む。
本発明の組成物で使用される、上で示した要件を満たすポリアミドは、さらに、数平均分子量として測定される分子量、Mが、少なくとも9000g/molでなければならない。分子量が9000g/mol未満では、ブリスタリングに対する要件(JEDEC−1)を常に満たすとは限らないことがわかった。分子量は少なくとも10,000g/molであることが好ましい。
数平均分子量(M)は、異なる検出器を併用したサイズ排除クロマトグラフ法(SEC)により測定される。SECシステムは、Polymer Standards Serviceから供給される、3本のPFG Linear XLカラム(300mm×8mm内径)から構成され、0.4ml/minで動作させ、35℃に温度調節した。測定には、示差屈折計(RI)、粘度計、および直角レーザー光散乱検出器を使用し、モル質量については、モル質量を得るためのこれら3種の検出器信号を使用して計算した。注入量は75μlであった。0.1%(重量/重量)のトリフルオロ酢酸カリウムを含むヘキサフルオロイソプロパノールを溶離液として使用した。すべての試料を、注入の前に、0.1μmのろ紙でろ過した。
本発明の組成物のポリアミドを生成するために使用するジアミンモノマー(A1)は、含まれる全ジアミンモノマーの少なくとも2mol%がC4−ジアミンである限り、例えば、3〜12個の炭素原子、好ましくは4〜10個の炭素原子を有することができる。C4−ジアミンとは、分子中に4個の炭素原子を含有するモノマーを意味する。C4ジアミンは、1,4−ブタン−ジアミンであることが好ましい。ポリアミドの生成に使用する、C4−ジアミン以外の、他の適切なジアミンモノマーは、例えば、ペンタン−ジアミン、ヘキサン−ジアミンおよびm−キシレン−ジアミンである。
本発明の組成物のポリアミドを生成するために使用する二酸モノマー(A2)は、例えば、3〜14個の炭素原子を有することができる。二酸モノマーの特性は特に関係がなく、例えば脂肪族、脂環式または芳香族とすることができる。二酸は芳香族カルボン酸が好ましい。芳香族カルボン酸の適切な例としては、イソフタル酸およびその誘導体、フタル酸およびその誘導体、テレフタル酸およびその誘導体、またはナフタレンジカルボン酸およびその誘導体が挙げられる。二酸は、イソフタル酸、フタル酸またはテレフタル酸であることが好ましい。
強化剤は、本発明の組成物に、少なくとも1重量%、多くとも50重量%の量で含まれる。適切な繊維強化繊維の例は、ガラス繊維または炭素繊維である。ガラス繊維を使用することが好ましい。
ポリアミド成分と強化剤の他に、他の成分Cを含有させることができる。この成分Cは、例えば、1種以上の無機フィラー、および/または1種以上の添加剤であり得る。成分Cは、本発明の組成物に、0〜20重量%の量で含まれる。この量は、成分A、B、ならびに任意選択によりCおよび/またはDを含む、全組成物の重量に対するものである。この分類区分Cに入る1種以上の成分が含まれるとき、Cに対して与えられた量は、全ての成分Cの合計をいう。
無機フィラーの適切な例としては、カオリン、クレイ、タルク、マイカ、珪灰石、炭酸カルシウム、シリカ、チタン酸カリウムなどが挙げられる。
添加剤の適切な例としては、酸捕捉剤、耐衝撃性改良剤、可塑剤、安定剤(例えば、熱安定剤、酸化安定剤、UV光安定剤、および薬品安定剤など)、加工助剤(例えば、離型剤および核化剤など)、固体潤滑剤、着色剤(カーボンブラック、他の顔料、染料など)、ナノクレイなどが挙げられる。
ポリアミド成分Aと強化剤Bの他に、1種以上のA以外のポリアミドDを含有させることができる。この成分Dは、例えばAについて特定されたこと以外の特徴を有するポリアミド、例えば芳香族構造単位を含まないか、もしくは分子量Mが9000g/mol未満のポリアミド、または4個の炭素原子を有するジアミンモノマーを含まないポリアミドであり得る。例としては、他の脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミドが挙げられる。これらのポリアミドは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得る。適切な例として、PA410、PA6、PA66、PA1010、PA6I/6T、PA10Tおよび/またはPA6T/4Tが挙げられる。
本発明の組成物には、成分Dが0〜49重量%の量で含まれる。この量は、成分A、B、ならびに任意選択によりCおよび/またはDを含む、全組成物の重量に対するものである。この分類区分Dに入る1種以上の成分が含まれるとき、Dに対して与えられた量は、全ての成分Dの合計をいう。
本発明の組成物は、含有成分を溶融ブレンドする方法により調製することができる。含有成分の一部を溶融ミキサーで混合し、その後、残りの材料を加え、均一になるまでさらに溶融混合してもよい。溶融ブレンドは、当業者に知られている任意の適切な方法を使用して行い得る。適切な方法としては、一軸または二軸押出機、ブレンダ−、ニーダー、バンバリーミキサー、成型機などの使用が挙げられる。特に、添加剤および/または強化剤を含む組成物を調製するときは、二軸押出法の使用が好ましい。
上述の、本発明のポリアミド組成物は、成形品の製造に有利に使用することができるが、これは、この組成物が、特に、小サイズの物品の成型および成形を可能にする有利な流動特性を示すからである。したがって、本発明はまた、本発明のポリアミド組成物を供給し、その組成物を所望の形状に成型する工程を少なくとも含む、成形品の製造方法に関する。本発明はさらにまた、成形品を製造するための、本発明のポリアミド組成物の使用、および成形品そのものに関する。これは、この組成物から作製された物品が、良好な機械的強度など、他の有利な特性を保持しながら、ブリスタリングの問題を有しないからである。成形品は、電気または電子工業において、電気または電子部品の製造に有利に使用される。特に有利な成形品は、自動車用の用途で使用するためのコネクターである。本発明はまた、本発明のポリアミド組成物を供給し、その組成物を所望の形状に成型する工程を少なくとも含む、成形品の製造方法に関する。
以下の実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
[ポリアミドおよび組成物の調製]
[実施例1]
以下の手順に従って、炭素原子4個を有する、少なくとも1種のジアミンモノマーを含むポリアミドを調製した。
127.09gのテトラメチレンジアミン、350.05gのヘキサメチレンジアミン、487gの水、0.66gの次亜リン酸ナトリウム一水和物、91.59gのアジピン酸、および567.48gのテレフタル酸の混合物を、2.5リットルのオートクレーブ内で加熱し、蒸留により水分を除去しながら撹拌した。なお、ポリアミド調製中におけるテトラメチレンジアミンの損失を補償するために、計算によるポリアミド組成物の組成と比べて、4重量%の、僅かに過剰のテトラメチレンジアミンを使用した。27分後、温度が170℃から212℃に上昇し、91重量%の塩の水溶液が得られた。その後、オートクレーブを閉じた。210℃から240℃に温度が上昇する中、25分間、重合を行い、その間、圧力は2.4MPaへと増加し、その後、オートクレーブの内容物をフラッシュし、固体生成物は窒素下でさらに冷却した。金属製の管型反応器(d=85mm)において、窒素気流(2400g/h)中で200℃に加熱して4時間、その後、窒素/水蒸気流(3/1の重量比、2400g/h)中、225℃で2時間、次いで250℃で18時間、このプレポリマー粉末を固相で後濃縮させた。その後、ポリマーを室温にまで冷却した。得られたポリアミドの分子量は12.1kg/molであった。
[実施例2]
実施例1に記載のようにしてポリアミドを調製したところ、分子量は15.1kg/molであった。
[比較例3]
実施例1に記載のようにしてポリアミドを調製したところ、分子量は8.5kg/molであった。
[実施例4]
実施例1のようにしてポリアミドを調製したところ、分子量は12.0kg/molであった。
[組成物1]
実施例1のポリアミドを含む組成物を調製した。ポリアミド(69.58重量%)に、30重量%のガラス繊維を、0.42重量%のIrganox 1098とともに添加した。
[組成物2]
実施例2のポリアミドを含む組成物を調製した。ポリアミド(69.48重量%)に、30重量%のガラス繊維を、0.47重量%のヨウ化カリウムおよび0.05重量%のヨウ化銅とともに添加した。
[比較組成物3]
比較例3のポリアミドを含む組成物を調製した。ポリアミド(70重量%)に、30重量%のガラス繊維を添加した。
[組成物4]
実施例4のポリアミドを含む組成物を調製した。ポリアミド(58重量%)に、30重量%のガラス繊維、および12重量%の、ジエチルホスフィン酸アルミニウムを含有するハロゲンフリーの難燃剤であるExolit OP1230を添加した。
[試験バーの射出成型]
組成物1〜4を乾燥粒状材料に加工し、これを金型で射出成型して、2.0、1.6、0.8および0.4mmの各種厚さの試験バーに成型した。評価のために、示された厚さのULバーを使用した。
射出成型の前に、次の条件を適用して、材料を予備乾燥させた:窒素気流中、0.02Mpaの真空下、80℃に共重合ポリアミドを加熱し、その温度圧力を24時間維持した。その後、直径22mmのスクリューを具備したArburg 5射出成型機、および0.8mmのCampus UL射出成型用2枚金型により、予備乾燥した材料を射出成型した。シリンダー壁の温度は、345℃に設定し、金型の温度は140℃に設定した。
このようにして得たCampus ULバーを、さらに、組成物のブリスタリング特性を測定する試験に使用した。その結果を下に示す。
[標準ブリスタリング試験]
上記のように作製した厚さ0.8mmのULバーをブリスタリング試験に使用した。ブリスタリング試験は、JEDECレベル1の試験条件を適用して行った。最初に、85℃、相対湿度85%で168時間、試料のコンディショニングを行った。このコンディショニングの後、試料をリフロー半田付け炉に移し、半田付けプロセスの代表的な温度プロファイルに供した。試料を炉から取り出した後、表面におけるブリスターの発生を調べた。リフロー半田付け後にブリスタリングが観察されなければ、JEDECレベル1が達成されている。
Figure 2015507049

[ブリスター発生開始温度試験]
上記のように作製したULバーをブリスター発生開始温度試験に使用した。ブリスタリング試験は、JEDECレベル1の試験条件を適用して行った。最初に、85℃、相対湿度85%で168時間、試料のコンディショニングを行った。その後、示された温度に十分に予備加熱した炉に試料を2分間入れた。使用した温度は240〜280℃であった。炉の試験で少なくとも260℃の温度に曝露された後にブリスタリングが観察されなければ、JEDECレベル1が達成される。言い換えれば、ブリスター発生開始温度が260℃より高いとき、JEDECレベル1に到達する。260℃より高い温度に達すると、その材料はリフロー半田付けプロセスにより一層適している。
各炉温に対して、5個の試料を評価した。
Figure 2015507049

この表より、実施例1、2および4はJEDEC−1のレベルに達していると結論することができる。

Claims (13)

  1. A)99〜50重量%の少なくとも1種のポリアミドAであって、
    A1)4個の炭素原子を有し、C4−ジアミンの量がジアミンの全量に対して少なくとも2mol%である、少なくとも1種のジアミンモノマーと、
    A2)少なくとも1種の二酸モノマーと
    に由来する、
    前記モノマーの少なくとも1種が少なくとも1個の芳香族構造単位を有し、Mで表される分子量が少なくとも9000g/molであるポリアミドA、
    B)1〜50重量%の少なくとも1種の強化剤、
    C)0〜20重量%の無機フィラーおよび/または添加剤、
    D)0〜49重量%のA)以外の1種以上のポリマー
    (但し、A、B、C、およびDの合計は100重量%である)
    を含むポリアミド組成物。
  2. 前記ポリアミドAがコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド。
  3. 前記ジアミンモノマーが2〜50mol%のC4−ジアミンを含む請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
  4. 前記二酸モノマーがフタル酸、テレフタル酸またはイソフタル酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  5. 1種超の二酸モノマーが含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  6. ポリアミドAの、Mで表される分子量が少なくとも10,000g/molであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  7. 成分D)がA)以外のポリアミドを少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  8. 前記強化剤の1種であるB)が、ガラス繊維であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物の、成形品製造のための使用。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物を供給し、前記組成物を所望の形状に成型する工程を少なくとも含む成形品の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記組成物から作製された成形品。
  12. 電気または電子部品であることを特徴とする請求項10に記載の成形品。
  13. 自動車用途で使用するためのコネクターであることを特徴とする請求項11または12に記載の成形品。
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