JP2003342741A - めっき合成樹脂成形品とその製造方法 - Google Patents

めっき合成樹脂成形品とその製造方法

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信也 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面粗度が小さく平滑性に優れ、しかも強固
に密着しためっき層が表面に形成されためっき合成樹脂
成形品とその製造方法を提供すること。殊にガラス繊維
などの異方性無機フィラーを含有する合成樹脂成形品で
あっても、平滑性及び密着性に優れためっき層が形成さ
れめっき合成樹脂成形品を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂成形品の表面に、共重合成分と
してスルホイソフタル酸成分を含有するポリエステル樹
脂層が形成され、その表面に無電解めっき層が形成さ
れ、さらに所望により、その表面に電気めっき層が形成
されているめっき合成樹脂成形品、並びにその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、めっき層を有する
合成樹脂成形品とその製造方法に関し、さらに詳しく
は、密着性及び平滑性に優れためっき層が表面に形成さ
れためっき合成樹脂成形品とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形品の表面に無電解めっき等
の方法により金属導体層を形成する技術は、電子部品や
電子機器の筺体のシールドなどの用途や、射出成形品上
に導体回路を形成したMlD(Molded Interconnected D
evice)などの分野で非常に重要な技術である。めっき層
は、基材となる合成樹脂成形品に対する密着力ができる
だけ大きいこと、そして、その表面粗度が小さく平滑性
に優れていることが、めっき層及び導体回路層の電気的
信頼性の観点から望ましい。
【0003】無電解めっきは、金属イオンと還元剤を含
む溶液の中で酸化還元反応を起させて、還元剤が酸化さ
れると同時に金属イオンが金属に還元されるようにし
て、被膜を形成する方法である。一般に、合成樹脂成形
品の表面に無電解めっきを施すには、例えば、(1)成
形品の脱脂、(2)エッチング、(3)中和、(4)め
っき触媒担持、(5)めっき触媒の活性化、(6)めっ
き層の成長の工程によって行われる。無電解めっき層の
上には、必要に応じて、さらに電気めっきが施される。
【0004】例えば、ABS樹脂成形品を対象とする場
合には、エッチング工程をクロム酸と硫酸の混合液で行
うことにより、ABS樹脂中に微細な粒子として分散し
ているゴム成分を優先的に溶出させて、表面に凹凸を形
成させる。この凹凸のアンカー効果により、めっき層と
成形品表面との間に強固な密着が得られる。ABS樹脂
中のゴム成分は、サブミクロンから数ミクロンという非
常に微小なドメインサイズで均一に分散しているので、
エッチングにより形成される凹凸の表面粗度が小さく、
その結果、非常に平滑性に優れ、光沢のあるめっき層を
形成することができる。しかし、ABS樹脂は、ガラス
転移温度が100℃程度であるため、リフローはんだ付
けプロセスを伴うような高度の耐熱性が要求される電子
部品等の用途には使用することができない。
【0005】一方、耐熱性に優れるポリブチレンテレフ
タレートやポリアミド等のエンジニアリングプラスチッ
クの成形品に、めっき層を形成する方法が提案されてい
る。例えば、特開昭54−15977号公報には、ポリ
ブチレンテレフタレートに多量の炭酸カルシウムや珪酸
カルシウム等の無機充填材を混合した樹脂組成物を調製
し、次いで、該樹脂組成物を成形した後、得られた成形
品の表面をアルカリ性溶液で処理してエッチングするこ
とにより、該表面に凹凸を形成し、しかる後、無電解め
っきを行う方法が提案されている。アルカリ性溶液で処
理することにより、炭酸カルシウムなどの無機充填材が
溶出して、表面に凹凸が形成される。
【0006】しかし、上記方法は、エッチングにより形
成される表面の凹凸のサイズが前記ABS樹脂の場合よ
りも1桁以上大きく、その結果、その上に形成される無
電解めっき層の平滑性がABS樹脂の場合に比べて大幅
に劣るという間題があった。また、この方法は、エンジ
ニアリングプラスチック中に多量の無機充填材を添加す
る必要があるので、成形品の機械的強度や耐衝撃性が低
下するという間題もあった。
【0007】上記方法において、エッチングにより形成
される凹凸のサイズは、無機充填材の粒径が反映される
ので、凹凸のサイズを小さくするには、平均粒径の小さ
な無機充填材を使用すればよいと考えられる。しかし、
一般に、樹脂中に多量の無機充填材を溶融混合する場
合、無機充填材の粒径が小さくなるほど、無機充填材が
凝集し易くなるので、期待した効果が得られない。しか
も、粒径の小さな無機充填材を添加した樹脂組成物は、
溶融トルクが高くなるため、溶融流動性が大幅に低下
し、成形加工性が低下する。
【0008】ポリブチレンテレフタレートやポリアミド
等のエンジニアリングプラスチックを用いた成形品で
は、機械的強度や曲げ弾性率の向上を図るために、樹脂
中にガラス繊維やウィスカ等の異方性無機フィラーを添
加する方法が広く適用されている。しかし、このような
異方性無機フィラーを添加したエンジニアリングプラス
チック成形品の表面には、密着性が良く、かつ、平滑性
に優れるめっき層を形成することが極めて困難であっ
た。
【0009】その理由は、異方性無機フィラーを添加し
たエンジニアリングプラスチック成形品をアルカリ性溶
液を用いてエッチングすると、ガラス繊維やウィスカの
一部が成形品の表面に露出するので、表面粗度が大きく
なるためである。例えば、ガラス繊維の場合は、繊維外
径が通常20〜30μmであるため、炭酸カルシウムや
珪酸カルシウム等の無機充填材を添加した系よりも、エ
ッチング面の表面粗度が大きくなる。
【0010】上記問題を改善すべく、ポリブチレンテレ
フタレート中にABS樹脂を添加する方法も検討されて
いるが、それによって、成形品の熱変形温度が下がり、
ポリブチレンテレフタレート本来の耐熱性が損なわれて
しまうという間題があった。
【0011】特開昭63−275660号公報には、ス
ルホイソフタル酸金属塩を0.5〜10モル%共重合
し、かつ、主鎖の少なくとも80モル%がブチレンテレ
フタレート単位で構成されるポリエステル樹脂に、珪酸
金属塩及び/または炭酸金属塩を添加した無電解めっき
用のポリエステル樹脂組成物が開示されている。この方
法によれば、アルカリ性溶液による粗面化の処理時間を
短縮できる利点がある。しかし、樹脂中に珪酸金属塩や
炭酸金属塩などの無機充填材を多量に分散せしめる必要
がある点では、前述の特開昭54−15977号公報に
記載の方法と同じであるから、同様の理由で、めっき層
の密着強度と平滑性を両立させることが困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
粗度が小さく平滑性に優れ、しかも強固に密着しためっ
き層が表面に形成されためっき合成樹脂成形品とその製
造方法を提供することにある。
【0013】また、本発明の目的は、無機フィラー、殊
にガラス繊維などの異方性無機フィラーを含有する合成
樹脂成形品であっても、平滑性及び密着性に優れためっ
き層が形成されて、耐熱性及び機械的強度にも優れため
っき合成樹脂成形品とその製造方法を提供することにあ
る。
【0014】本発明者らは、前記目的を達成するために
鋭意研究した結果、合成樹脂成形品の表面にめっき層を
形成するに当たり、予め合成樹脂成形品の表面に特定の
ポリエステル樹脂からなる塗布層をめっきのプライマー
層として形成する方法に想到した。
【0015】より具体的には、合成樹脂成形品(A)の表
面に、スルホイソフタル酸成分及び芳香族ジカルボン酸
成分を含むジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分
との重縮合物からなるポリエステル樹脂層(B)、または
スルホイソフタル酸成分、芳香族ジカルボン酸成分、及
び不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成
分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物からなるポリ
エステル樹脂層(B2)を形成し、次いで、これらのポリエ
ステル樹脂層の表面に無電解めっきを施し、さらに所望
により電気めっきを施すことにより、平滑性及び密着性
に優れためっき層を形成し得ることを見出した。
【0016】本発明の方法によれば、めっき層の形成に
際して、従来は不可欠であった合成樹脂成形品表面のエ
ッチングによる粗面化処理を行わずとも、密着性に優れ
ためっき層を形成することができる。本発明の方法によ
れば、合成樹脂成形品がガラス繊維やウィスカーなどの
異方性無機フィラーを含有するものであっても、その表
面に特定のポリエステル樹脂層をプライマー層として形
成してからめっき層を形成するため、平滑性及び密着性
に優れためっき層を形成することができる。
【0017】さらに、合成樹脂成形品(A)の表面に、前
記ポリエステル樹脂層(B2)を形成すると、めっき層の形
成前または形成後に電離放射線を照射して該ポリエステ
ル樹脂層(B2)を架橋させることができ、それによって、
合成樹脂成形品に高度の耐熱性を付与することができ
る。表面実装技術では、リフローはんだ付け工程が重要
であり、使用される合成樹脂基板には、リフロー炉での
熱処理条件に耐えるだけの耐熱性(耐リフロー性)が要
求される。本発明のめっき合成樹脂成形品は、耐リフロ
ー性に関する要求水準を満たすことが可能である。本発
明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったもので
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、合成樹脂成形品(A)の表面に、スルホイソフタル酸
成分及び芳香族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成
分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物からなるポリ
エステル樹脂層(B)が形成され、該ポリエステル樹脂層
(B)の表面に無電解めっき層(C)が形成され、そして、所
望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき層
(D)が形成されていることを特徴とするめっき合成樹脂
成形品が提供される。
【0019】本発明によれば、合成樹脂成形品(A)の表
面に、スルホイソフタル酸成分、芳香族ジカルボン酸成
分、及び不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を含むジカルボ
ン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物からな
るポリエステル樹脂層(B2)が形成され、該ポリエステル
樹脂層(B2)の表面に無電解めっき層(C)が形成され、所
望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき層
(D)が形成され、そして、該ポリエステル樹脂層(B2)が
電離放射線により照射架橋されていることを特徴とする
めっき合成樹脂成形品が提供される。
【0020】また、本発明によれば、合成樹脂成形品
(A)の表面に、スルホイソフタル酸成分及び芳香族ジカ
ルボン酸成分を含むジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオ
ール成分との重縮合物からなるポリエステル樹脂を含有
する溶液を塗布して、ポリエステル樹脂層(B)を形成す
る工程1、該ポリエステル樹脂層(B)の表面に無電解め
っき層(C)を形成する工程2、並びに、所望により、該
無電解めっき層(C)の表面に電気めっき層(D)を形成する
工程3からなる一連の工程を含むことを特徴とするめっ
き合成樹脂成形品の製造方法が提供される。
【0021】さらに、本発明によれば、合成樹脂成形品
(A)の表面に、スルホイソフタル酸成分、芳香族ジカル
ボン酸成分、及び不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を含む
ジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合
物からなるポリエステル樹脂を含有する溶液を塗布し
て、ポリエステル樹脂層(B2)を形成する工程I、該ポリ
エステル樹脂層(B2)の表面に無電解めっき層(C)を形成
する工程II、所望により、該無電解めっき層(C)の表面
に電気めっき層(D)を形成する工程III、並びに、前記め
っき層の形成工程II及びIIIの前または後に、電離性放
射線を照射して、該ポリエステル樹脂層(B2)を照射架橋
する工程IVからなる一連の工程を含むことを特徴とする
めっき合成樹脂成形品の製造方法が提供される。
【0022】
【発明の実施の形態】1.合成樹脂成形品 本発明で使用する合成樹脂成形品は、各種合成樹脂を用
いて、射出成形、押出成形、圧縮成形、その他の任意の
成形法により賦形した成形品である。合成樹脂として
は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹
脂)、ポリエチレンテレフタレート、全芳香族ポリエス
テル樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46などのポリ
アミド樹脂;ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリアリレー
ト、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミ
ド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー(LCP)などが
挙げられる。
【0023】各種の特性を改良する目的で、これらの合
成樹脂に、無機フィラー、滑剤、可塑剤、着色剤、補強
材、充填材、難燃剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤な
どを適宣添加することができる。無機フィラーとして
は、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの通常の粒
状、粉末状などの無機フィラーを用いることができる。
【0024】機械的物性等の観点から、異方性無機フィ
ラーを用いることが好ましく、その具体例としては、ガ
ラス繊維、カーボン繊維などの繊維状無機フィラー;炭
化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、硝酸アルミ
ニウム、酸化亜鉛、塩基性硫酸マグネシウム、硝酸マグ
ネシウム、二硝化チタン、硫酸カルシウムなどのウィス
カー;などを挙げることができる。これらの添加剤は、
所望に応じて適量を配合することができる。
【0025】本発明のめっき合成樹脂成形品は、ガラス
繊維やウィスカーなどの異方性無機フィラーを高充填し
たものであっても、その表面に平滑性かつ密着性に優れ
ためっき層を形成することができるため、耐熱性や機械
的強度も向上させることができる。異方性無機フィラー
の配合割合は、特に制限されないが、合成樹脂100重
量部に対して、通常0.1〜200重量部、好ましくは
1〜150重量部の範囲内から選択される。これら添加
剤の混合は、単軸押出機や二軸押出機等の既知の混合装
置を適用して行うことができる。
【0026】合成樹脂成形品の形状は、特に限定され
ず、使用目的に応じて適宜定めることができる。合成樹
脂成形品は、成形性などの観点から、熱可塑性ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマーなどの熱可塑
性樹脂を射出成形した成形品であることが望ましい。
【0027】2.ポリエステル樹脂 本発明で使用するポリエステル樹脂は、(1)スルホイソ
フタル酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分を含むジカル
ボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物から
なるポリエステル樹脂、並びに、(2)スルホイソフタル
酸成分、芳香族ジカルボン酸成分、及び不飽和脂肪族ジ
カルボン酸成分を含むジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジ
オール成分との重縮合物からなるポリエステル樹脂であ
る。
【0028】スルホイソフタル酸成分としては、5−ス
ルホイソフタル酸ナトリウムなどのスルホイソフタル酸
金属塩が用いられる。スルホイソフタル酸金属塩は、他
のジカルボン酸成分やジオール成分とともに、既知のエ
ステル交換法や直接重合法で重縮合物であるポリエステ
ル樹脂とされるが、その後の酸処理により、スルホン酸
金属塩がスルホン酸に変換される。したがって、本発明
で使用するポリエステル樹脂層は、スルホイソフタル酸
成分がスルホン酸金属塩である場合からスルホン酸であ
る場合を包含し、無電解めっき層が形成される際には、
通常、酸処理を受けてスルホン酸の形態となっている。
【0029】このスルホイソフタル酸金属塩の共重合割
合は、全ジカルボン酸成分を基準として、0.5〜10
モル%とすることが好ましく、1〜8モル%とすること
がより好ましい。スルホイソフタル酸金属塩の共重合割
合が少なすぎると、めっき層の密着強度が不十分となり
やすく、逆に、多すぎると、合成樹脂成形品に対するコ
ーティング性が低下したり、ポリエステル樹脂層の耐熱
性が低下する。
【0030】芳香族ジカルボン酸成分としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、これらの低級アルキルエステル、これらの酸無水
物などが挙げられる。これらの芳香族ジカルボン酸成分
の中でも、高融点のポリエステル樹脂が得られる点で、
テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、ナフタレンジカ
ルボン酸、ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが好ま
しい。
【0031】不飽和脂肪族ジカルボン酸成分としては、
例えば、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸、これらのアルキ
ルエステル、これらの酸無水物などを挙げることができ
る。不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を使用する場合に
は、全ジカルボン酸成分を基準として、通常1〜20モ
ル%、好ましくは1〜10モル%の割合で用いられる。
不飽和脂肪族ジカルボン酸成分の共重合割合が小さすぎ
ると、電離放射線の照射による架橋度が不十分となり、
耐熱性の改善効果を得ることが難しくなり、逆に、大き
すぎると、ポリエステル樹脂の融点が低下する。
【0032】飽和脂肪族ジオール成分としては、例え
ば、エチレングリコール、l,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール、
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
等を例示することができる。
【0033】ジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成
分とをエステル化反応と重縮合反応させることにより、
ポリエステル樹脂を合成する。この反応において、通
常、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、三酸化アンチモン等の触媒が用いられる。
【0034】スルホイソフタル酸金属塩、芳香族ジカル
ボン酸、飽和脂肪族ジオール、更に必要に応じて不飽和
脂肪族ジカルボン酸を重縮合反応させることにより、ス
ルホン酸金属塩を含有するポリエステル樹脂を合成す
る。この製造工程としては、まず上記の各成分を反応器
に仕込んで、昇温、撹件開始、触媒添加によりエステル
化反応を行い、続いて重縮合反応を行う。
【0035】エステル化反応は、温度や時間には特に制
限されるものではなく、公知の範囲で実施すればよい
が、通常、190〜200℃程度でアルコールや水を留
去させながら実施される。重縮合反応においては、エス
テル化反応時よりも昇温して、例えば、210〜260
℃程度に昇温し、さらに、反応系を徐々に減圧して、1
00〜500Pa程度の圧力下で反応を行う。ジカルボ
ン酸成分に対して過剰量の飽和脂肪族ジオール成分を使
用することにより、スルホイソフタル酸金属塩と芳香族
ジカルボン酸成分、さらには不飽和脂肪族ジカルボン酸
成分とを所定のモル比で共重合させることが容易にな
る。
【0036】ポリエステル樹脂中のスルホイソフタル酸
金属塩を塩酸等を用いた酸処理によりスルホン酸へ変換
するには、上記で得られたポリエステル樹脂を適当な方
法で粉砕後、80〜90℃の水中に10〜20重量%の
濃度となるように溶解させた後、室温程度の温度で、酸
にてイオン交換させる。イオン交換すると、スルホン酸
基をもつポリエステル樹脂が析出するので、それを濾別
して水で洗浄すればよい。このイオン交換反応は、ほぼ
定量的に進行する。
【0037】ポリエステル樹脂には、必要に応じて、消
泡剤、レベリング剤、離型剤、界面活性剤、防腐剤、防
虫剤、防錆剤、増粘剤等を配合することができる。
【0038】3.ポリエステル樹脂層の形成 ポリエステル樹脂を水系分散媒体中に分散または溶解さ
せることにより、コーティング溶液(塗布液)を調製す
る。コーティング溶液は、ポリエステル樹脂の微粒子が
分散したディスパージョンであってもよいが、アンモニ
ア水溶液に溶解させた均一な溶液とすることが、均一な
塗膜を形成させる上で望ましい。ポリエステル樹脂中の
スルホン酸基をアンモニアで中和しておくと、溶液の形
態でもコーテイングすることができ、そして、塗膜が乾
燥すると、アンモニアが揮発してスルホン酸基をもつポ
リエステル樹脂の塗膜が形成される。コーティング溶液
中のポリエステル樹脂濃度は、適宜定めることができる
が、通常1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%程
度である。
【0039】合成樹脂成形品の表面にコーティング溶液
を塗布する方法としては、刷毛塗り法、スピンコート
法、ディップコート法などが挙げられ、それぞれの用途
に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、
合成樹脂成形品の表面に均一な塗膜を形成しやすく、ま
た、膜厚を調節しやすい点で、ディップコート法(浸漬
法)が好ましい。コーティング溶液のポリエステル樹脂
濃度を適宜調整することにより、乾燥後、通常1〜10
0μm、好ましくは2〜50μm程度の塗膜(ポリエス
テル樹脂層)を形成する。多くの場合、1〜10μm、
さらには数ミクロン程度の膜厚で、良好な結果を得るこ
とができる。
【0040】合成樹脂成形品と塗膜との密着性を向上さ
せるために、例えば、(i)コーティング後、塗膜を熱処
理する方法、(ii)合成樹脂成形品の表面をコロナ処理し
た後、コーティングする方法、(iii)少量の無機フイラ
ーを配合した合成樹脂を用いて合成樹脂成形品を成形
し、得られた成形品の表面をエッチングにより粗面化し
て、微細な凹凸を形成する方法、などを採用することも
できる。
【0041】合成樹脂成形品(A)の表面に、スルホイソ
フタル酸成分、芳香族ジカルボン酸成分、及び不飽和脂
肪族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成分と飽和脂
肪族ジオール成分との重縮合物からなるポリエステル樹
脂を含有するコーティング溶液を塗布して、ポリエステ
ル樹脂層(B2)を形成した場合、その上にめっき層を形成
する前または後に、電離性放射線を照射して、該ポリエ
ステル樹脂層(B2)を照射架橋させる。
【0042】電離放射線の照射は、紫外線(UV光)、
加速電子線、ガンマ線等を利用して行うことができる。
ポリエステル樹脂塗膜を予め照射架橋してから無電解め
っきを行う場合は、UV光、加速電子線を利用すること
が好ましい。UV光を利用する場合は、ポリエステル樹
脂中に光重合開始剤を添加することが好ましい。めっき
層の形成後に照射架橋する場合には、透過厚みの関係か
ら、加速電子線やガンマ線などを利用することが好まし
い。電離放射線の照射量は、一般に、50〜500kG
y程度の範囲内である。
【0043】4.めっき層の形成 合成樹脂成形品の表面にポリエステル樹脂層を形成した
後、常法に従って、ポリエステル樹脂層の表面に無電解
めっきを行う。無電解めっきとしては、無電解銅めっき
が好ましい。無電解銅めっきを行うには、例えば、(1)
プレディップ(触媒化液への水洗水の持ち込みを防
止)、(2)塩化すず、塩化パラディウム、塩化ナトリウ
ムなどを含有する溶液を用いた触媒化(キャタリス
ト)、(3)アクセラレーター、(4)無電解銅めっきの各工
程で処理する。
【0044】無電解銅めっきの組成としては、例えば、
銅イオン源(例えば、硫酸銅)、錯化剤(例えば、ET
DA)、還元剤(例えば、ホルムアルデヒド)、pH調
整剤(例えば、NaOH)、添加剤(例えば、ジピリジ
ル)などが代表的なものである。無電解銅めっき液とし
ては、市販品を使用することができる。
【0045】無電解銅めっきの後、水洗してから、電気
銅めっきなどの電気めっきを行うことができる。電気め
っきは、常法に従って、堆積させたい金属が溶けた水溶
液に陰極と陽極を挿入し、直流電流を流し、一般には陰
極上の基板に金属を堆積させる。
【0046】めっき層の厚みは、使用目的に応じて適宜
定めることができるが、無電解めっき層の厚みは、通常
0.5〜10μm、好ましくは1〜5μm程度であり、
電気めっき層の厚みは、通常1〜30μm、好ましくは
3〜20μm程度である。
【0047】5.めっき合成樹脂成形品 本発明のめっき合成樹脂成形品は、(1)合成樹脂成形
品(A)の表面に、ポリエステル樹脂層(B)が形成され、該
ポリエステル樹脂層(B)の表面に無電解めっき層(C)が形
成され、そして、所望により、該無電解めっき層(C)の
表面に電気めっき層(D)が形成されているめっき合成樹
脂成形品、及び(2)合成樹脂成形品(A)の表面に、ポ
リエステル樹脂層(B2)が形成され、該ポリエステル樹脂
層(B2)の表面に無電解めっき層(C)が形成され、所望に
より、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき層(D)が
形成され、そして、該ポリエステル樹脂層(B2)が電離放
射線により照射架橋されているめっき合成樹脂成形品で
ある。
【0048】合成樹脂成形品(A)は、異方性無機フィラ
ーを含有する合成樹脂から形成されたものであること
が、耐熱性や機械的強度の観点から好ましい。本発明の
めっき合成樹脂成形品は、めっき層の密着強度が2.0
MPa以上で、かつ、めっき層の平滑性が2.0μm以
下であることが好ましい。めっき層の密着強度は、2.
0〜6.0MPaの範囲内にあることがより好ましい。
めっき層の平滑性は、共焦点顕微鏡を用いて観察した1
0点平均粗さで評価することができ、1.5μm以下で
あることがより好ましい。
【0049】めっき合成樹脂成形品の室温(20℃)で
の曲げ弾性率は、合成樹脂成形品が異方性無機フィラー
を含まない場合には、好ましくは2.0GPa以上であ
り、異方性無機フィラーを含有させた場合には、好まし
くは4.0GPa以上、より好ましくは5.0GPa以
上である。
【0050】めっき合成樹脂成形品の引張降伏点強度
は、異方性無機フィラーを含まない場合には、通常40
MPa以上、好ましくは45MPa以上、特に好ましく
は50MPa以上であり、異方性無機フィラーを含有さ
せた場合には、通常60MPa以上、好ましくは70M
Pa以上である。衝撃強度は、異方性無機フィラーを含
まない場合には、通常30J/m以上、好ましくは40
J/m以上であり、異方性無機フィラーを含有させた場
合には、通常50J/m以上、好ましくは80J/m以
上である。
【0051】本発明のめっき合成樹脂成形品は、ポリエ
ステル樹脂層(B2)が照射架橋されている場合、耐リフロ
ー性に優れている。より具体的には、本発明のめっき合
成樹脂成形品を240℃のリフロー炉中に10秒間で通
過させる条件下で耐リフロー性を評価すると、めっきの
膨れなどの不都合が観察されない。合成樹脂の種類など
を選択することにより、めっき合成樹脂成形品の耐リフ
ロー性をさらに向上させることができ、例えば、260
℃のリフロー炉中に10秒間で通過させる条件下で評価
した耐リフロー性を満足させることができる。
【0052】本発明のめっき合成樹脂成形品は、電子部
品や電子機器の筺体のシールドなどの用途、射出成形品
上に導体回路を形成したMlDとしての用途などに好適
に適用することができる。
【0053】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。なお、以下の実施例等に
おいて、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重
量基準で示した。
【0054】[製造例1]コーティング溶液aの製造 撹拌機、温度計、ガス吹き込み口、及び蒸留口を備えた
反応器に、窒素ガス雰囲気下で、テレフタル酸95g
(0.6モル)、イソフタル酸53g(0.32モ
ル)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸21g(0.
08モル)、及びエチレングリコール93g(1.5モ
ル)を仕込み、触媒としてテトラブチルチタネートを用
いて、180〜200℃で2時間反応させ、水とメタノ
ールを合計64g留出させた。続いて、反応混合物を2
40℃から260℃まで昇温し、反応系内の圧力を13
0Paの減圧状態として2時間反応させ、スルホン酸ナ
トリウム塩基を0.08モル%の割合で含有するポリエ
ステル樹脂を合成した。
【0055】得られたポリエステル樹脂を80〜90℃
の水に溶解して、20重量%のスルホン酸ナトリウム塩
基を含有するポリエステル樹脂水溶液を調製した。次
に、2Lの撹拌機付のガラスフラスコに、25℃に調整
した12重量%塩酸水溶液750gを供給し、これに上
記のポリエステル水溶液1,000gを5分間かけて滴
下して、25℃で3時間熟成させた。析出したポリエス
テル樹脂粉末をヌッチェで濾過して、水洗し、得られた
ケーキに、水780gと25重量%アンモニア水溶液
6.2g(スルホン酸基に対して1.2倍モル)を添加
し、80〜90℃で溶解してから冷却して、コーティン
グaを製造した。
【0056】[製造例2]コーティング溶液bの製造 上記と同様の反応器に、窒素ガス雰囲気下で、テレフタ
ル酸86g(0.6モル)、イソフタル酸53g(0.
32モル)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸21g
(0.08モル)、フマル酸7.0g(0.06モ
ル)、及びエチレングリコール93g(1.5モル)を
モノマー成分として使用し、製造例1と同様に反応させ
て、スルホン酸ナトリウム塩基を0.075モル%の割
合で含有するポリエステル樹脂を合成した。得られたポ
リエステル樹脂を製造例1と同様に酸処理した後、アン
モニア水溶液に溶解して、コーティング溶液bを製造し
た。
【0057】[めっき法] (1−a)脱脂処理:合成樹脂成形品またはポリエステ
ル樹脂層を形成した合成樹脂成形品を超音波洗浄機で5
分間洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、その後、以下
に示す手順の無電解銅めっき処理にて、厚み2μmのめ
っき層を形成し、引き続いて、電気銅めっきを行い、総
厚み約15μmのめっき層を形成した。
【0058】(1−b)プレディップ:塩化ナトリウム
(180g/l)、塩酸(80ml/l)、OS−15
05〔シプレイ・ファーイースト(株)製〕(20ml
/l)の溶液に、45℃で3分浸漬する。
【0059】(1−c)キャタリスト:塩化ナトリウム
(180g/l)、塩酸(100ml/l)、OS−1
505〔シプレイ・ファーイースト(株)製〕(20m
l/l)、OS−1558〔シプレイ・ファーイースト
(株)製〕(20ml/l)の溶液に、30℃で8分浸
漬する。浸漬後、イオン交換水で洗浄する。
【0060】(1−d)アクセラレーター:OS−15
60〔シプレイ・ファーイースト(株)製〕(20ml
/l)溶液に、30℃で2分浸漬する。浸漬後、イオン
交換水で洗浄する。
【0061】(1−e)無電解銅めっき:OS−159
8M(48ml/l)、OS−1598A(10ml/
l)、OS−1598R(2ml/l)、OS−112
0SR(2.lml/l)、CupZ(23ml/
l)、CupY(12ml/l)〔シプレイ・ファーイ
ースト(株)製〕の水溶液に、45℃で15分浸漬す
る。浸漬後、イオン交換水で洗浄する。
【0062】(1−f)電気銅めっき:硫酸銅220g
/l及び硫酸60g/lの溶液中で、25℃で2A/d
2の電流密度で20分間通電し、金属銅の総厚み約1
5μmのめっき膜を形成する。
【0063】[試験片の作製と評価法]溶融混合が必要
なものについては、二軸混合機(45mmφ、L/D=
32)を用いて混合し、溶融ストランドを水冷ペレタイ
ズして成形に使用する樹脂組成物のペレットを得た。射
出成形は、射出成形機(型締力100トン、スクリュー
径45mm)を用いて、射出圧100kg/cm2、保
圧時間10秒、金型温度60℃の条件にて、引張試験ダ
ンベル、曲げ試験片、アイゾット衝撃試験片、長さ50
×幅20×厚み0.5mmのプレートを作製した。プレ
ートには、めっき層を形成して、めっき密着強度及びめ
っき平滑性を測定した。
【0064】(1)引張降伏点強度:ASTM D−6
38に準じて測定した。測定温度20℃。 (2)曲げ弾性率:ASTM D−790に準じて測定
した。測定温度20℃。 (3)衝撃強度:ASTM D−256(アイゾット、
ノッチ付き、1/4インチ)に準じて測定した。測定温
度20℃。
【0065】(4)めっき密着強度:図1に示すよう
に、頭4の直径が7mmφの釘5を使用し、釘5の頭4
とプレート1のめっき面2を半田付けして(半田層
3)、めっき面と垂直方向に引っぱり速度10mm/分
で引き剥がし、めっきの密着強度を測定した。めっきの
密着強度が2MPa以上ならば、良好と判断される。
【0066】(5)めっき平滑性:めっきの平滑性につ
いては、共焦点顕微鏡(キーエンス製 VK8550)
を用い、10点平均粗さを測定した。10点平均粗さが
5μm以下であれば、良好と判断される。
【0067】[実施例l]ポリブチレンテレフタレート
(非強化PBT樹脂;宇部興産株式会社製、UBE P
BT1000)を用いて、上記の射出成形機でバレル温
度を250℃に設定して射出成形することにより、引張
試験ダンベル、曲げ試験片、アイゾット衝撃試験片、長
さ50×幅20×厚み0.5mmのメッキ用プレートを
作製した。得られたメッキ用プレートに、ディッピング
法でコーティング溶液aを塗布し、60℃の恒温槽内で
1時間乾燥した。このようにしてポリエステル樹脂の塗
膜を形成したプレートに無電解めっきを行い、引き続い
て電気めっきを行った。
【0068】結果を表1に示す。表lから明らかなよう
に、得られためっき合成樹脂成形品は、機械的物性が何
れも良好な値を示し、めっきの平滑性が0.3μm、密
着強度が2.3MPaであり、平滑性及び密着性がとも
に優れている。
【0069】[実施例2]ポリブチレンテレフタレート
(非強化PBT樹脂;宇部興産株式会社製、UBE P
BT1000)100重量部に炭酸カルシウム(平均粒
径3μm)5重量部配合したPBT樹脂組成物のペレッ
トを上記の二軸混合機を用いて、バレル温度250℃の
条件で作製した。このペレットを実施例1と同様の方法
で射出成形して、引張試験ダンベル、曲げ試験片、アイ
ゾット衝撃試験片、長さ50×幅20×厚み0.5mm
のめっき用プレートを作製した。
【0070】上記で得られたメッキ用プレートに、ディ
ッピング法でコーティング溶液aを塗布し、60℃の恒
温槽内で1時間乾燥した。このようにしてポリエステル
樹脂の塗膜を形成したプレートに無電解めっきを行い、
引き続いて電気めっきを行った。結果を表1に示す。
【0071】表lから明らかなように、得られためっき
合成樹脂成形品は、機械的物性が何れも良好な値を示
し、めっきの平滑性が0.6μm、密着強度が4.5M
Paであり、平滑性及び密着性がともに優れている。
【0072】[実施例3]ガラス繊維強化ポリブチレン
テレフタレート(GF強化PBT樹脂;宇部興産株式会
社製、UBE PBTG600)を用いて、実施例1と
同様の方法で射出成形し、引張試験ダンベル、曲げ試験
片、アイゾット衝撃試験片、長さ50×幅20×厚み
0.5mmのプレートを作製した。
【0073】得られたプレートに、ディッピング法でコ
ーティング溶液bを塗布し、60℃の恒温槽内で1時間
乾燥した。このようにしてポリエステル樹脂の塗膜を形
成したプレートに3MeVの電子線を200kGy照射
して、ポリエステル樹脂を照射架橋した。その後、無電
解めっきと電気めっきを行った。結果を表1に示す。
【0074】表lから明らかなように、得られためっき
合成樹脂成形品は、機械的物性が何れも良好な値を示
し、めっきの平滑性が0.7μm、密着強度が3.4M
Paであり、平滑性及び密着性がともに優れている。
【0075】上記で得られためっきプレートを240℃
設定ゾーンを10秒間で通過する条件にてリフロー炉内
を通過させる方法により耐リフロー性試験を行ったとこ
ろ、めっきの膨れ等は観察されず、耐熱性に優れている
ことがわかった。
【0076】[実施例4]ナイロン6(非強化ナイロン
6樹脂;宇部興産株式会社製、UBEナイロン1013
B)100重量部にトリアリルイソシアヌレート(TA
IC)3重量部を配合したナイロン樹脂組成物のペレッ
トをバレル温度250℃に設定した2軸混合機を用いて
作製した。このペレットを実施例1と同様の方法で射出
成形し、引張試験ダンベル、曲げ試験片、アイゾット衝
撃試験片、長さ50×幅20×厚み0.5mmのプレー
トを作製した。得られたプレートに、ディッピング法で
コーティング溶液bを塗布し、60℃の高温槽内で1時
間乾燥した。
【0077】このようにしてポリエステル樹脂の塗膜を
形成したプレートに無電解めっき、引き続いて電気めっ
きを行った後、3MeVの電子線を100kGy照射し
て、ポリエステル樹脂を照射架橋させた。結果を表1に
示す。
【0078】表lから明らかなように、得られためっき
合成樹脂成形品は、機械的物性が何れも良好な値を示
し、めっきの平滑性が0.3μm、密着強度が4.7M
Paであり、平滑性及び密着性がともに優れている。
【0079】上記で得られためっきプレートを240℃
設定ゾーンを10秒間で通過する条件にてリフロー炉内
を通過させる方法により耐リフロー性試験を行ったとこ
ろ、めっきの膨れ等は観察されず、耐熱性に優れている
ことがわかった。さらに、このめっきプレートを260
℃設定ゾーンを10秒間で通過する条件にてリフロー炉
内を通過させる方法で耐リフロー性試験を行ったとこ
ろ、めっきの膨れ等は観察されず、耐熱性に優れている
ことがわかった。
【0080】[実施例5]無機フィラーを添加した液晶
ポリマー(LCP樹脂;ポリプラスチック株式会社製、
ベクトラC820)を実施例1と同様の射出成形機で射
出成形して、引張試験ダンベル、曲げ試験片、アイゾッ
ト衝撃試験片、長さ50×幅20×厚み0.5mmのプ
レートを作製した。得られたプレートを、45%の水酸
化ナトリウム水溶液に40℃で5分間浸漬し、次いで、
3%の塩酸で中和した後、イオン交換水で洗浄、60℃
×1時間乾燥する方法でプレートの粗面化処理を行っ
た。この粗面化処理したプレートにディッピング法でコ
ーティング溶液bを塗布し、60℃の高温槽内で1時間
乾燥した。
【0081】次に、ポリエステル樹脂塗膜を形成したプ
レートに、無電解めっき、引き続いて電気めっきを行
い、その後、3MeVの電子線を100kGy照射し
て、ポリエステル樹脂層を照射架橋させた。結果を表1
に示す。
【0082】表lから明らかなように、得られためっき
合成樹脂成形品は、機械的物性が何れも良好な値を示
し、めっきの平滑性が1.2μm、密着強度が5.2M
Paであり、平滑性及び密着性がともに優れている。
【0083】上記で得られためっきプレートを240℃
設定ゾーンを10秒間で通過する条件にてリフロー炉内
を通過させる方法により耐リフロー性試験を行ったとこ
ろ、めっきの膨れ等は観察されず、耐熱性に優れている
ことがわかった。さらに、このめっきプレートを260
℃設定ゾーンを10秒間で通過する条件にてリフロー炉
内を通過させる方法で耐リフロー性試験を行ったとこ
ろ、めっきの膨れ等は観察されず、耐熱性に優れている
ことがわかった。
【0084】
【表1】
【0085】[比較例1]実施例1で得られたプレート
に、直接、無電解めっき、引き続いて電気めっきを行っ
た。部分的にめっきが成長していない箇所があり、均一
なめっき面が得られず、めっき層ができている部分の密
着強度も0.2MPaと低く、実用に耐えないものであ
った。結果を表2に示す。
【0086】[比較例2]実施例3で得られたブレート
を、45%の水酸化ナトリウム水溶液に80℃で5分間
浸漬し、次いで、3%の塩酸で中和した後、イオン交換
水で洗浄する方法で粗面化処理した。この粗面化処理し
たプレートに、無電解めっき、引き続いて電気めっきを
行った。その結果、ガラス繊維の露出部周辺に集中的に
めっきが成長し、また、めっきの成長していない箇所も
あり、均一なめっき面が得られず、実用に耐えないもの
であった。結果を表2に示す。
【0087】[比較例3]実施例2で得られたプレート
を、45%の水酸化ナトリウム水溶液に80℃で5分間
浸漬し、次いで、3%の塩酸で中和した後、イオン交換
水で洗浄する方法で粗面化処理した。この粗面化処理し
たプレートに、無電解めっき、引き続いて電気めっきを
行った。めっきの密着強度を測定した結果、0.6MP
aと低く、平滑性も4.2μmと不十分であることがわ
かった。
【0088】[比較例4]ポリブチレンテレフタレート
(非強化PBT樹脂;宇部興産株式会社製、UBE P
BT1000)100重量部に炭酸カルシウムを30重
量部配合したPBT樹脂組成物のペレットを2軸混合機
を用いて作製した。このペレットを射出成形して、引張
試験ダンベル、曲げ試験片、アイゾソト衝撃試験片、長
さ50×幅20×厚み0.5mmのプレートを作製し
た。
【0089】上記で得られたプレートを45%の水酸化
ナトリウム水溶液に80℃で5分間浸漬し、次いで、3
%の塩酸で中和した後、イオン交換水で洗浄する方法で
粗面化処理した。この粗面化したプレートに、直接、無
電解めっき、引き続いて電気めっきを行った。機械的物
性は、表2に示すように、引張降伏点強度、衝撃強度が
低く、実用上間題があることがわかった。一方、めっき
の密着強度は、2.5MPaと十分な値であることがわ
かったが、表面粗度は7.2μmであり、平滑性に劣る
ことがわかった。
【0090】[比較例5]実施例5で作製した液晶ポリ
マーのプレートを、45%の水酸化ナトリウム水溶液に
80℃で5分問浸漬し、次いで、3%の塩酸で中和した
後、イオン交換水で洗浄する方法で粗面化処理した。こ
の粗面化処理したプレートに、無電解めっきを行い、引
き続いて電気めっきを行った。結果を表2に示す。めっ
きの密着強度は2.8MPaと十分な値を示したが、表
面粗度は10.2μmであり、平滑性は劣ることがわか
った。
【0091】
【表2】
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、めっき法により、合成
樹脂成形品の表面に密着性が大きく、かつ、表面粗度が
小さく平滑性に優れてた金属導体層を形成することがで
きる。本発明のめっき合成樹脂成形品は、電子機器の筺
体のシールド用途、射出成形品上に導体回路を形成した
MlDなどの分野で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】めっき密着強度を測定する方法を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1:樹脂成形品、 2:めっき層、 3:半田層、 4:釘の頭 5:釘。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西川 信也 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 阪本 義人 大阪府大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電気工業株式会社大阪製作所内 (72)発明者 管家 春水 岐阜県大垣市神田町2丁目35番地 日本合 成化学工業株式会社大垣事業所内 Fターム(参考) 4J038 DD061 GA13 NA01 NA12 PA17 PB09 PC08 4K022 AA16 AA25 AA36 BA08 BA31 BA36 CA03 CA13 DA03 DB06 4K024 AA09 AB02 AB17 BA14 BB09 BC08 CA01 CA04 CA06 DA08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂成形品(A)の表面に、 スルホイソフタル酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分を
    含むジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分との重
    縮合物からなるポリエステル樹脂層(B)が形成され、 該ポリエステル樹脂層(B)の表面に無電解めっき層(C)が
    形成され、そして、 所望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき
    層(D)が形成されていることを特徴とするめっき合成樹
    脂成形品。
  2. 【請求項2】 合成樹脂成形品(A)の表面に、 スルホイソフタル酸成分、芳香族ジカルボン酸成分、及
    び不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成
    分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物からなるポリ
    エステル樹脂層(B2)が形成され、 該ポリエステル樹脂層(B2)の表面に無電解めっき層(C)
    が形成され、 所望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき
    層(D)が形成され、そして、 該ポリエステル樹脂層(B2)が電離放射線により照射架橋
    されていることを特徴とするめっき合成樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 合成樹脂成形品(A)が、異方性無機フィ
    ラーを含有する合成樹脂から形成されたものである請求
    項1または2記載のめっき合成樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 めっき層の密着強度が2.0MPa以上
    で、かつ、めっき層の平滑性が2.0μm以下である請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載のめっき合成樹脂成
    形品。
  5. 【請求項5】 合成樹脂成形品(A)の表面に、 スルホイソフタル酸成分及び芳香族ジカルボン酸成分を
    含むジカルボン酸成分と飽和脂肪族ジオール成分との重
    縮合物からなるポリエステル樹脂を含有する溶液を塗布
    して、ポリエステル樹脂層(B)を形成する工程1、 該ポリエステル樹脂層(B)の表面に無電解めっき層(C)を
    形成する工程2、並びに、 所望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき
    層(D)を形成する工程3からなる一連の工程を含むこと
    を特徴とするめっき合成樹脂成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 合成樹脂成形品(A)の表面に、 スルホイソフタル酸成分、芳香族ジカルボン酸成分、及
    び不飽和脂肪族ジカルボン酸成分を含むジカルボン酸成
    分と飽和脂肪族ジオール成分との重縮合物からなるポリ
    エステル樹脂を含有する溶液を塗布して、ポリエステル
    樹脂層(B2)を形成する工程I、 該ポリエステル樹脂層(B2)の表面に無電解めっき層(C)
    を形成する工程II、 所望により、該無電解めっき層(C)の表面に電気めっき
    層(D)を形成する工程III、並びに、 前記めっき層の形成工程II及びIIIの前または後に、電
    離性放射線を照射して、該ポリエステル樹脂層(B2)を照
    射架橋する工程IVからなる一連の工程を含むことを特徴
    とするめっき合成樹脂成形品の製造方法。
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