JP6749173B2 - レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、レーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物に関するものであり、詳しくは、高いメッキ性及び機械的特性に優れたレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物に関する。
ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに代表される熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的強度、耐薬品性及び電気絶縁性等に優れており、また優れた耐熱性、成形性、リサイクル性を有していることから、電気電子機器部品、自動車部品その他の電装部品、機械部品等に広く用いられている。
近年、スマートフォンに代表される多機能携帯端末が急速に普及しているが、その部品には熱可塑性ポリエステル樹脂も多く用いられている。多機能携帯端末は多機能化、高機能化並びに軽量小型化、薄型化が著しく進行しており、そのため携帯端末に必要なアンテナはその内部に回路として形成されている。アンテナ回路は導電性を有する金属製の回路パターンとして形成されるが、携帯電話等の内部は狭く且つ複雑な形状であり、これにアンテナ回路を形成する場合は回路パターンも3次元の立体的なものになっている。
導電性を有さない樹脂製品の表面に回路パターンを形成するには、通常の無電解メッキによる方法があり、成形品の表面を酸でエッチング後、触媒付与を行って次の無電解メッキ(化学メッキ)の触媒とし、無電解メッキ液に浸漬して導電層を形成し、次に種々の金属のメッキを施して回路パターンを形成する。この方法は酸処理、中和処理、触媒化及びその活性化というような複雑な工程があるという欠点を有している。
近年、非常に注目されているのはレーザーダイレクトストラクチャリング(laser direct structuring、以下、LDSともいう。)と呼ばれる方法である。この方法では、まず、金属化合物を配合した樹脂材料から成る成形品の表面にレーザーを回路パターン状に照射し、これによって回路パターンを設ける領域だけに成形品表面に活性化された金属層を形成して、メッキ処理をしやすくしておき、銅、ニッケル、金などを無電界メッキ(もしくは電界メッキ)でメッキすることで回路パターンを構築する方法である。かかるLDS技術は、例えば特許文献1〜3等に開示されている。
しかしながら、熱可塑性ポリエステル樹脂にLDSを適用してもメッキが乗りにくいという欠点がある。これはレーザー照射の強度を強化しても弱くしても改善されない。特許文献4では、メッキ性を向上させるために、タルクを配合(段落[0048]及び実施例参照)することが行われている。しかしながら、この方法では製品の機械的物性(特に脆性)が低下するという問題がある。
国際公開WO2011/095632号 国際公開WO2011/076729号 国際公開WO2011/076730号 特開第2010−229410号公報
本発明の目的(課題)は、上記問題点を解消し、高いメッキ性及び機械的特性に優れたレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、熱可塑性ポリエステル樹脂に、ISO62A法で測定される吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)を配合した樹脂組成物にレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤を含有するポリエステル樹脂組成物が、高いメッキ性及び機械的特性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の通りである。
[1]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とISO62A法で測定される吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)1〜20質量部を含有することを特徴とするレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物。
[2]熱可塑性樹脂(B)の含有割合が、(A)と(B)の合計100質量%基準で、1〜50質量%である上記[1]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[3]レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)が、銅クロム酸化物、又はアンチモン含有酸化錫である上記[1]又は[2]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[4]熱可塑性樹脂(B)が、ポリアミド樹脂又はポリカーボネート樹脂である上記[1]又は[2]に記載のポリエステル系樹脂組成物。
[5]熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレート樹脂である上記[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
本発明のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物は、高度のメッキ性を有し、機械的特性にも優れる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物がかかる効果を発現する理由の解明は未だ十分ではいないが、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)より吸水率が高い熱可塑性樹脂(B)を配合することにより、成形品表面に活性化された金属層をレーザー照射により形成し、これをメッキ液に浸漬して無電界メッキで金属を積層する際に、メッキ液中の金属イオンを含む水を吸収することにより、金属の積層効率が向上して、短時間でより厚肉に金属層が形成されるのではないかと考察している。
実施例における耐アルカリ性評価のために用いた直方体形状の鉄製インサート物の模式図である。 インサート物が支持ピンで支えられた金型キャビティーの断面説明図である。 支持ピン跡に2つのウエルドラインが発生しているインサート成形品の模式図である。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
以下に記載する各構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様や具体例に限定して解釈されるものではない。なお、本願明細書において、「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とISO62A法で測定される吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)1〜20質量部を含有することを特徴とする。
[熱可塑性ポリエステル樹脂(A)]
本発明の樹脂組成物の主成分である熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれらの化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れであってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸化合物としては、芳香族ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体が好ましく使用される。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、ビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルイソプロピリデン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、アントラセン−2,5−ジカルボン酸、アントラセン−2,6−ジカルボン酸、p−ターフェニレン−4,4’−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸等が挙げられ、テレフタル酸が好ましく使用できる。
これらの芳香族ジカルボン酸は2種以上を混合して使用しても良い。これらは周知のように、遊離酸以外にジメチルエステル等をエステル形成性誘導体として重縮合反応に用いることができる。
なお、少量であればこれらの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を1種以上混合して使用することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)を構成するジヒドロキシ化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環式ジオール等、及びそれらの混合物等が挙げられる。なお、少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖ジオール、すなわち、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を1種以上共重合せしめてもよい。
また、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールも用いることができる。
また、上記のような二官能性モノマー以外に、分岐構造を導入するためトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三官能性モノマーや分子量調節のため脂肪酸等の単官能性化合物を少量併用することもできる。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、通常は主としてジカルボン酸とジオールとの重縮合からなるもの、即ち樹脂全体の50質量%、好ましくは70質量%以上がこの重縮合物からなるものを用いる。ジカルボン酸としては芳香族カルボン酸が好ましく、ジオールとしては脂肪族ジオールが好ましい。
中でも好ましいのは、酸成分の95モル%以上がテレフタル酸であり、アルコール成分の95質量%以上が脂肪族ジオールであるポリアルキレンテレフタレートである。その代表的なものはポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンテレフタレートである。これらはホモポリエステルに近いもの、即ち樹脂全体の95質量%以上が、テレフタル酸成分及び1,4−ブタンジオール又はエチレングリコール成分からなるものであるのが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.3〜2dl/gであるものが好ましい。固有粘度が0.3dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械的強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化したりする場合がある。固有粘度は、成形性及び機械的特性の点からして、より好ましくは0.4dl/g以上、さらには0.5dl/g以上、特には0.6dl/g以上が好ましく、また、より好ましくは1.5dl/g以下、さらには1.2dl/g以下、特には0.8dl/g以下が好ましい。
なお、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。50eq/tonを超えると、樹脂組成物の溶融成形時にガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、通常3eq/ton、好ましくは5eq/ton、より好ましくは通常、10eq/tonである。
なお、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mlに樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
中でも、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を含むものであることが好ましく、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中の50質量%以上がポリブチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分又はこれらのエステル誘導体と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を、回分式又は通続式で溶融重合させて製造することができる。また、溶融重合で低分子量のポリブチレンテレクタレート樹脂を製造した後、さらに窒素気流下又は減圧下固相重合させることにより、重合度(又は分子量)を所望の値まで高めることができる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分とを、連続式で溶融重縮合する製造法が好ましい。
エステル化反応を遂行する際に使用される触媒は、従来から知られているものであってよく、例えば、チタン化合物、錫化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物などを挙げることができる。これらの中で特に好適なものは、チタン化合物である。エステル化触媒としてのチタン化合物の具体例としては、例えば、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコラート、テトラフェニルチタネートなどのチタンフェノラートなどを挙げることができる。
ポリブチレンテレフタレート樹脂は、共重合により変性したポリブチレンテレフタレート樹脂(以下、「変性ポリブチレンテレフタレート樹脂」ということもある。)であってもよいが、その具体的な好ましい共重合体としては、ポリアルキレングリコール類(特にはポリテトラメチレングリコール)を共重合したポリエステルエーテル樹脂や、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が挙げられる。
共重合成分を導入することによって結晶性を低下させたポリブチレンテレフタレート樹脂は、吸水率が向上するために、メッキ性がより向上するので好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂を用いる場合は、共重合体中のテトラメチレングリコール成分の割合は3〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%がより好ましく、10〜25質量%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、ダイマー酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合は、全カルボン酸成分に占めるダイマー酸成分の割合は、カルボン酸基として0.5〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂として、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を用いる場合は、全カルボン酸成分に占めるイソフタル酸成分の割合は、カルボン酸基として1〜30モル%であることが好ましく、1〜20モル%がより好ましく、3〜15モル%がさらに好ましい。
変性ポリブチレンテレフタレート樹脂の中でも、ポリテトラメチレングリコールを共重合したポリエステルエーテル樹脂、イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、0.5〜2dl/gであるものが好ましい。成形性及び機械的特性の点からして、0.6〜1.5dl/gの範囲の固有粘度を有するものがより好ましい。固有粘度が0.5dl/gより低いものを用いると、得られる樹脂組成物が機械的強度の低いものとなりやすい。また2dl/gより高いものでは、樹脂組成物の流動性が悪くなり成形性が悪化する場合がある。
なお、固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、適宜選択して決定すればよいが、通常、60eq/ton以下であり、50eq/ton以下であることが好ましく、40eq/ton以下であることがより好ましく、30eq/ton以下であることがさらに好ましい。50eq/tonを超えると、樹脂組成物の溶融成形時にガスが発生しやすくなる。末端カルボキシル基量の下限値は特に定めるものではないが、ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造の生産性を考慮し、通常、10eq/tonである。
なお、ポリブチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基量は、ベンジルアルコール25mLにポリアルキレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を用いて滴定により測定する値である。末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂(A)としては、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと前記変性ポリブチレンテレフタレート樹脂とを含むものも好ましい。変性ポリブチレンテレフタレート樹脂を特定量含有することにより、ウエルド強度、耐アルカリ性、メッキ加工後の耐ヒートショック性が向上しやすくなり好ましい。
ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと変性ポリブチレンテレフタレート樹脂とを含有する場合の含有量は、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーと変性ポリブチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して、変性ポリブチレンテレフタレート樹脂が、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜30質量%である。
さらに、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有することも好ましい。ポリエチレンテレフタレート樹脂を特定量含有することにより、ウエルド強度が向上しやすくなり好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とを含有する場合の含有量は、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂の合計100質量%に対して、ポリエチレンテレフタレート樹脂が、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜45質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。
ポリエチレンテレフタレート樹脂は、全構成繰り返し単位に対するテレフタル酸及びエチレングリコールからなるオキシエチレンオキシテレフタロイル単位を主たる構成単位とする樹脂であり、オキシエチレンオキシテレフタロイル単位以外の構成繰り返し単位を含んでいてもよい。ポリエチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸又はその低級アルキルエステルとエチレングリコールとを主たる原料として製造されるが、他の酸成分及び/又は他のグリコール成分を併せて原料として用いてもよい。
テレフタル酸以外の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸及びこれらの構造異性体、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸及びその誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸等のオキシ酸又はその誘導体が挙げられる。
また、エチレングリコール以外のジオール成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族ジヒドロキシ化合物誘導体等が挙げられる。
更に、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、分岐成分、例えばトリカルバリル酸、トリメリシン酸、トリメリット酸等の如き三官能、もしくはピロメリット酸の如き四官能のエステル形性能を有する酸、又はグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット等の如き三官能もしくは四官能のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは0.3モル%以下を共重合せしめたものであってもよい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、好ましくは0.3〜1.5dl/g、さらに好ましくは0.3〜1.2dl/g、特に好ましくは0.4〜0.8dl/gである。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂の固有粘度は、テトラクロロエタンとフェノールとの1:1(質量比)の混合溶媒中、30℃で測定する値である。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基の濃度は、3〜50eq/ton、中でも5〜40eq/ton、更には10〜30eq/tonであることが好ましい。
なお、ポリエチレンテレフタレート樹脂の末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエチレンテレフタレート樹脂0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/lベンジルアルコール溶液を使用して滴定することにより求める値である。
末端カルボキシル基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調整する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
[熱可塑性樹脂(B)]
本発明のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物は、ISO62A法で測定される吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)を含有する。
吸水率としては、好ましくは0.20質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上であり、上限は限定されるものではないが、通常5質量%以下、好ましくは4質量%以下である。
吸水率は、ISO62A法に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定して得られる値であって、60mm角、厚み3.0mmの平板状試験片を用いて行われ、試験片の元の質量(100%)に対する吸水前後の質量増加分の割合%から求める質量%である。
熱可塑性樹脂(B)の好ましいものとして、例えば、ポリアミド樹脂(吸水率:0.4〜4%)、ポリカーボネート樹脂(0.24%)、ポリオキシメチレン樹脂(0.25%)、ポリイミド樹脂(0.3%)、ポリアミドイミド樹脂(0.28%)、ポリメチルメタアクリレート樹脂(0.3%)、ABS樹脂(0.3%)等を挙げることができる。ちなみに、ポリブチレンテレフタレート樹脂の吸水率は0.09%、ポリエチレンテレフタレート樹脂は0.10%である。
本発明においては、吸水率が0.15質量%未満の熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と、吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)を組み合わせるのが好ましく、特に、ポリアミド樹脂及びポリカーボネート樹脂を、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)に配合することにより、前記した効果をより顕著に発現することができる。
[ポリアミド樹脂]
ポリアミド樹脂は、ラクタム類の開環重合体、ジアミノカルボン酸の重縮合によって得られる重合体、アミン類と二塩基酸類又はこれらと同等な化合物との重縮合によって得られる重合体類を意味する。ラクタム類としては、プロピオラクタム、α−ピロリドン、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタム、シクロドデカラクタム等が挙げられ、ジアミノカルボン酸としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸等が挙げられる。アミン類としては、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン等が挙げられ、二塩基酸類としてはテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸等が挙げられる。
より具体的には、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド6T、ポリアミド6/66、ポリアミド6/12、ポリアミド6/6T、ポリアミド6/6I、ポリアミド6I/6T、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合物(ポリアミドMXD6)、メタキシリレンジアミンとパラキシリレンジアミンからなる混合ジアミンとアジピン酸との重縮合物(ポリアミドMP6)等が挙げられる。上記ポリアミド樹脂は、単独でも2種以上の混合物であってもよい。この中では、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)の融点とポリアミド樹脂との融点にあまり差がないものが好ましく、ポリブチレンテレフタレート樹脂の場合には、ポリアミド6、ポリアミド6/66共重合あるいはポリアミド66、ポリアミドMXD6が好ましく、さらにはポリアミド6やポリアミド66等の脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、最も好ましくはポリアミド6である。
ポリアミド樹脂の相対粘度は、98%硫酸中、濃度1質量%、温度25℃で測定した相対粘度で、通常は1.6〜4、好ましくは2〜3.8である。相対粘度が1.6未満であると、得られる樹脂組成物が脆くなる傾向にあり、逆に相対粘度が4を超えると、樹脂組成物成形時の流動性が不足する場合がある。
ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基含有量は適宜選択して決定すればよいが、好ましくは35μeq/g以上、より好ましくは40μeq/g以上、さらに好ましくは45μeq/g以上、特に好ましくは50μeq/g以上である。上限は、通常140μeq/g、好ましくは130μeq/g、より好ましくは120μeq/gである。また、末端アミノ基含有量は、好ましくは10μeq/g以上、より好ましくは15μeq/g以上、さらに好ましくは20μeq/g以上であり、その上限は、通常100μeq/g、好ましくは80μeq/g、より好ましくは70μeq/gである。このような末端基含有量とすることにより、耐アルカリ性、耐ヒートショック性が向上しやすい傾向となり、好ましい。
ポリアミド樹脂の末端カルボキシル基含有量は、ポリアミド樹脂をベンジルアルコールに溶解して0.01N苛性ソーダで滴定することにより測定できる。また、末端アミノ基は、ポリアミド樹脂をフェノールに溶解して0.01N塩酸で滴定することにより測定可能である。末端カルボキシル基含有量、末端アミノ基量を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調節する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法等、従来公知の任意の方法により行えばよい。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物又はこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲン又は炭酸ジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性重合体又は共重合体である。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の界面重合法や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。
原料のジヒドロキシ化合物は、芳香族ジヒドロキシ化合物が好ましい。具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(即ちビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニル等が挙げられ、好ましくはビスフェノールAが挙げられる。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物を使用することもできる。
ポリカーボネート樹脂としては、上述した中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導される芳香族ポリカーボネート樹脂、又は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導される芳香族ポリカーボネート共重合体が好ましい。また、シロキサン構造を有するポリマー又はオリゴマーとの共重合体等の、芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体であってもよい。更には、上述したポリカーボネート樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の分子量を調節するには、一価の芳香族ヒドロキシ化合物を用いればよく、例えば、m−及びp−メチルフェノール、m−及びp−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−長鎖アルキル置換フェノール等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mvは、5,000〜30,000であることが好ましく、10,000〜28,000であることがより好ましく、14,000〜24,000であることがより好ましい。粘度平均分子量が5,000より低いものを用いると、得られる成形品が機械的強度の低いものとなりやすい。また30,000より高いものでは、樹脂材料の流動性が悪くなり成形性が悪化する場合がある。なお、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算される粘度平均分子量[Mv]である。
ポリカーボネート樹脂の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の質量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)は、2〜5であることが好ましく、2.5〜4がより好ましい。Mw/Mnが過度に小さいと、溶融状態での流動性が増大し成形性が低下する傾向にある。一方、Mw/Mnが過度に大きいと、溶融粘度が増大し成形困難となる傾向がある。
また、ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシ基量は、熱安定性、加水分解安定性、色調等の点から、100質量ppm以上であることが好ましく、より好ましくは200質量ppm以上、さらに好ましくは300質量ppm以上、特に好ましくは400質量ppm以上、最も好ましくは500質量ppm以上である。但し、通常1,500質量ppm以下、好ましくは1,300質量ppm以下、さらに好ましくは1,200質量ppm以下、特に好ましくは1,100質量ppm以下、最も好ましくは1,000質量ppm以下である。ポリカーボネート樹脂の末端ヒドロキシ基量が過度に小さいと、熱可塑性ポリエステルとの相溶性が低下する。また、成形時の初期色相が悪化する場合がある。末端ヒドロキシ基量が過度に大きいと、滞留熱安定性や耐湿熱性が低下する傾向がある。
熱可塑性樹脂(B)の含有割合は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量%基準で、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、特には15質量%以上である。熱可塑性樹脂(B)が1質量%未満であると本発明の改良効果が得られず、50質量%を超えると、熱可塑性樹脂(B)の分散不良、機械的性質の低下、寸法安定性の低下、あるいは成形性が低下する場合があり、好ましくない。
[レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)]
本発明の樹脂組成物は、レーザダイレクトストラクチャリング(LDS)添加剤(C)を含有する。LDS添加剤はレーザビームが照射されると、金属原子が活性化され表面に金属層を形成する。LDS添加剤(C)としては、銅クロム酸化物(CuCr)等の重金属複合酸化物スピネル;銅水酸化物リン酸塩、リン酸銅、硫酸銅、チオシアン酸銅等の銅塩;アンチモンがドープされた酸化錫等のアンチモン含有酸化錫等が好ましく例示できる。このうち銅クロム酸化物又はアンチモン含有酸化錫がより好ましい。
また、銅クロム酸化物は黒色顔料としても機能するので黒色の成形品を得る場合に好適であり、またアンチモン含有酸化錫は白色顔料として使用できるので、白色成形品として、あるいはさらに他の色の顔料と併用して所望のカラーバリエーションとして応用することもできる。
LDS添加剤(C)の粒子径は、0.01〜50μmであることが好ましく、0.05〜30μmであることがより好ましい。このような粒子径とすることにより、メッキを適応した際のメッキ表面状態の均一性が良好になる傾向にある。
LDS添加剤(C)の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、1〜20質量部であり、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは17質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。
上記した各成分を含有する樹脂組成物を射出成形等により成形した成形品には、表面にレーザービームをアンテナ回路等の所望のパターン状に照射する。これによって回路パターンを設ける領域だけに活性化された金属層が成形品表面に形成されるとともに、後続する金属メッキのために有利な表面構造が発生する。成形品はメッキ液に浸漬され、銅、ニッケル、金などを無電界メッキ(もしくは電界メッキ)でメッキされ、回路パターンが形成される。
[難燃剤]
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、難燃剤を含有することが好ましい。ポリエステル系樹脂の難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など各種のものが使用でき、ハロゲン系難燃剤又はリン系難燃剤を含有することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤の好ましい具体例としては、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、臭素化ビスフェノールA、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、臭素化イミド(臭素化フタルイミド等)等が挙げられ、中でも、臭素系難燃剤が好ましく、臭素化ポリフェニレンエーテル樹脂、臭素化ポリカーボネート樹脂、臭素化ポリスチレン樹脂、グリシジル臭素化ビスフェノールA、ペンタブロモベンジルポリアクリレートが、耐衝撃性の低下を抑制しやすい傾向にあり、より好ましい。特には、これらの中でも臭素化ポリフェニレンエーテルが好ましい。臭素化ポリフェニレンエーテルは、他の難燃剤に比べて特異的にLDSメッキ性と難燃性と耐アルカリ性の全てに優れる。
しかしながら、同じ臭素系の難燃剤でも、N,N’−エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)等の臭素化フタルイミド、エポキシ化テトラブロモビスフェノールA等の臭素化エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネート等の臭素化ポリカーボネート、あるいは、ポリペンタブロモアクリレート、ポリペンタブロモベンジルアクリレート等の臭素化ポリアクリレート、さらにデカブロモジフェニルエーテルまたはデカブロモジフェニルエタン等は、上記した3つの特性を同時に満たすことは困難であるものの、目的に応じて、使用することは可能である。
臭素化ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、1)ポリフェニレンエーテルを臭素化して得られる臭素化ポリフェニレンエーテル、あるいは、2)フェノール、ジブロモフェノール、トリブロモフェノール、テトラブロモフェノール、ペンタブロモフェノール等を原料として高重合度化して得られる臭素化ポリフェニレンエーテルなどを挙げることができる。このような臭素化ポリフェニレンエーテルの製造方法は、公知であり、例えば特公昭56−2100あるいは特開平7−278290等に記載されるような方法が採用できる。
臭素化ポリフェニレンエーテルの分子量は、質量平均分子量(Mw)で1,000〜50,000が好ましく、より好ましくは1,000〜30,000、さらには1,000〜20,000の範囲内にあるものが好ましい。また、臭素含有量は55重量%以上のものが好ましい。
臭素化ポリフェニレンエーテルの末端構造は特に限定されず、例えば、末端基として、OH基、カルボキシル基等を有していてもよく、又は、金属塩の形になっていてもよい。
臭素化ポリフェニレンエーテルの含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましい。3質量部未満であると本発明の効果が得られにくく、60質量部を超えると、臭素化ポリフェニレンエーテル(B)の分散不良、機械的性質の低下あるいは成形性が低下しやすい。より好ましい含有量は4量部以上、さらに好ましくは5質量部以上、特には10質量部以上であり、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは45質量部以下、特には40質量部以下である。
[エラストマー]
本発明の樹脂組成物は、上記した各成分に加えて、エラストマーを含有することも好ましい。エラストマーを含有することで、樹脂組成物の耐衝撃性を改良することができる。
本発明に用いるエラストマーは、ゴム成分にこれと共重合可能な単量体成分とをグラフト共重合したグラフト共重合体が好ましい。グラフト共重合体の製造方法としては、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などのいずれの製造方法であってもよく、共重合の方式は一段グラフトでも多段グラフトであってもよい。
ゴム成分は、ガラス転移温度が通常0℃以下、中でも−20℃以下が好ましく、更には−30℃以下が好ましい。ゴム成分の具体例としては、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブチルアクリレートやポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、ブチルアクリレート・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体などのポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴムなどのシリコーン系ゴム、ブタジエン−アクリル複合ゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN(Interpenetrating Polymer Network)型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴムやエチレン−ブテンゴム、エチレン−オクテンゴムなどのエチレン−α−オレフィン系ゴム、エチレン−アクリルゴム、フッ素ゴムなど挙げることができる。これらは、単独でも2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、ポリブタジエンゴム、ポリアルキルアクリレートゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴム、スチレン−ブタジエンゴムが好ましい。
ゴム成分とグラフト共重合可能な単量体成分の具体例としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のマレイミド化合物;マレイン酸、フタル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸化合物やそれらの無水物(例えば無水マレイン酸等)などが挙げられる。これらの単量体成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、機械的特性や表面外観の面から、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸化合物が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。
ゴム成分を共重合したグラフト共重合体は、耐衝撃性や表面外観の点からコア/シェル型グラフト共重合体タイプのものが好ましい。なかでもポリブタジエン含有ゴム、ポリブチルアクリレート含有ゴム、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキルアクリレートゴムとからなるIPN型複合ゴムから選ばれる少なくとも1種のゴム成分をコア層とし、その周囲に(メタ)アクリル酸エステルを共重合して形成されたシェル層からなる、コア/シェル型グラフト共重合体が特に好ましい。上記コア/シェル型グラフト共重合体において、ゴム成分を40質量%以上含有するものが好ましく、60質量%以上含有するものがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル酸は、10質量%以上含有するものが好ましい。尚、本発明におけるコア/シェル型とは必ずしもコア層とシェル層が明確に区別できるものでなくてもよく、コアとなる部分の周囲にゴム成分をグラフト重合して得られる化合物を広く含む趣旨である。
これらコア/シェル型グラフト共重合体の好ましい具体例としては、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(MABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB)、メチルメタクリレート−アクリルゴム共重合体(MA)、メチルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン共重合体(MAS)、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴム)共重合体等が挙げられる。このようなゴム性重合体は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
このようなエラストマーとしては、例えば、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製の「パラロイド(登録商標、以下同じ)EXL2602」、「パラロイドEXL2603」、「パラロイドEXL2655」、「パラロイドEXL2311」、「パラロイドEXL2313」、「パラロイドEXL2315」、「パラロイドKM330」、「パラロイドKM336P」、「パラロイドKCZ201」、三菱レイヨン社製の「メタブレン(登録商標、以下同じ)C−223A」、「メタブレンE−901」、「メタブレンS−2001」、「メタブレンSRK−200」、カネカ社製の「カネエース(登録商標、以下同じ)M−511」、「カネエースM−600」、「カネエースM−400」、「カネエースM−580」、「カネエースM−711」、「カネエースMR−01」、宇部興産製の「UBESTA XPA」等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物がエラストマーを含む場合、エラストマーの配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましく、8〜12質量部がさらに好ましい。エラストマーは1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[エポキシ化合物]
本発明の樹脂組成物はエポキシ化合物を含有することも好ましい。エポキシ化合物は、樹脂組成物の耐加水分解特性を向上させ、また成形品のウエルド部の強度、耐久性をより向上させるように機能する。
エポキシ化合物としては、1分子中に1個以上のエポキシ基を有するものであればよく、通常はアルコール、フェノール類又はカルボン酸などとエピクロロヒドリンとの反応物であるグリシジル化合物や、オレフィン性二重結合をエポキシ化した化合物を用いればよい。
エポキシ化合物の好ましい具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物等のビスフェノール型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、脂環化合物型ジエポキシ化合物、グリシジルエーテル類、グリシジルエステル類、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
脂環化合物型エポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシド等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体例としては、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等のモノグリシジルエーテル;ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また、グリシジルエステル類としては、安息香酸グリシジルエステル、ソルビン酸グリシジルエステルなどのモノグリシジルエステル類;アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグリシジルエステルなどが挙げられる。
また、エポキシ化合物は、グリシジル基含有化合物を一方の成分とする共重合体であってもよい。例えばα,β−不飽和酸のグリシジルエステルと、α−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種または2種以上のモノマーとの共重合体が挙げられる。
エポキシ化合物としては、エポキシ当量100〜500g/eq、数平均分子量2,000以下のエポキシ化合物が好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満のものは、エポキシ基の量が多すぎるため樹脂組成物の粘度が高くなり、ウエルド部の密着性を低下させる原因となりやすい。逆にエポキシ当量が500g/eqを超えるものは、エポキシ基の量が少なくなるため、樹脂組成物の耐湿熱特性を向上させる効果が十分に発現しない傾向にある。また数平均分子量が2,000を超えるものは、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との相溶性が低下し、成形品の機械的強度が低下する傾向にある。
エポキシ化合物としては、ビスフェノールAやノボラックとエピクロロヒドリンとの反応から得られる、ビスフェノールA型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物が特に好ましい。
エポキシ化合物の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部、特には0.2〜2質量部含有することが好ましい。
[ガラス繊維]
本発明の樹脂組成物は、ガラス系充填材を含有することも好ましい。ガラス系充填材としては、ガラス繊維、板状ガラス、ガラスビーズ、ガラスフレークが挙げられる。ガラス系充填材は、Aガラス、Cガラス、Eガラスなどのガラス組成からなり、特に、Eガラス(無アルカリガラス)が樹脂成分に悪影響を及ぼさないので好ましい。
ガラス繊維は、長さ方向に直角に切断した断面形状が真円状、多角形状で繊維状外嵌を呈するものをいう。ガラス繊維は、単繊維の平均繊維径が通常1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。平均繊維径が1μm未満であると、樹脂組成物の成形加工性が損なわれる場合があり、平均繊維径が25μmを超えると、樹脂成形品の外観が損なわれ、補強効果も十分ではない場合がある。ガラス繊維は、単繊維または単繊維を複数本撚り合わせたものであってもよい。
ガラス繊維の形態は、単繊維や複数本撚り合わせたものを連続的に巻き取ったガラスロービング、長さ1〜10mmに切りそろえたチョップドストランド、長さ10〜500μm程度に粉砕したミルドファイバーなどのいずれであってもよい。ガラス繊維は、形態が異なるものを併用することもできる。
また、ガラス繊維としては、異形断面形状を有するものも好ましい。この異形断面形状とは、繊維の長さ方向に直角な断面の長径/短径比で示される扁平率が、例えば、1.5〜10であり、中でも2.5〜10、更には2.5〜8、特に2.5〜5であることが好ましい。
ガラスビーズは外径10〜100μmの球状のもの、また、ガラスフレークとしては厚さ1〜20μm、一辺の長さが0.05〜1mmの燐片状のものが好ましく挙げれる。
ガラス系充填材は、本発明の樹脂組成物の特性を大きく損なわない限り、樹脂成分との親和性を向上させるために、例えば、シラン系化合物、エポキシ系化合物、ウレタン系化合物などで表面処理したもの、酸化処理したものであってもよい。
ガラス系充填材の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、好ましくは10〜100質量部であり、10〜85質量部がより好ましく、20〜70質量部がさらに好ましく、30〜65質量部が特に好ましく、40〜60質量部が最も好ましい。
ガラス系充填材は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
[難燃助剤]
本発明の樹脂組成物は、難燃剤と共に、難燃助剤を含有することが好ましい。難燃助剤としては、例えば、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、酸化アルミニウム、アンチモン化合物、硼酸亜鉛等が挙げられ、2種以上併用してもよい。これらの中でも、難燃性がより優れる点からアンチモン化合物、硼酸亜鉛が好ましい。
アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン(Sb)、五酸化アンチモン(Sb)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ハロゲン系難燃剤を用いる場合、難燃剤との相乗効果から、三酸化アンチモンを併用することが好ましい。
ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物を併用する場合は、樹脂組成物中のハロゲン系難燃剤由来のハロゲン原子と、アンチモン化合物由来のアンチモン原子の質量濃度が、両者の合計で5〜16質量%であることが好ましく、6〜15質量%であることがより好ましい。5質量%未満であると難燃性が低下する傾向にあり、16質量%を超えると機械的強度や耐トラッキング特性が低下する場合がある。また、ハロゲン原子とアンチモン原子の質量比(ハロゲン原子/アンチモン原子)は、0.3〜5であることが好ましく、0.3〜4であることがより好ましい。
難燃助剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.5〜20質量部、より好ましくは0.7〜18質量部、さらに好ましくは1〜15質量部である。
また、本発明においては、特に、ハロゲン系難燃剤を使用する場合、難燃助剤として、上述したアンチモン化合物と硼酸亜鉛を併用してもよい。硼酸亜鉛は、アンチモン化合物と同様に難燃性を向上させる他、さらに比較トラッキング指数(CTI)を向上させ、絶縁性を改善するという効果を有する。
硼酸亜鉛を使用する場合の含有量は、ハロゲン系難燃剤に対し、硼酸亜鉛を0.3〜1(質量比)の割合で用いるのが好ましく、0.4〜0.8の割合で用いるのがさらに好ましい。
[安定剤]
本発明の樹脂組成物は安定剤を含有することが好ましい。
安定剤としては、リン系安定剤、硫黄系安定剤、フェノール系安定剤等、種々の安定剤が挙げられる。特に好ましいのはリン系安定剤及びフェノール系安定剤である。
安定剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.001〜2質量部であることが好ましい。安定剤の含有量が0.001質量部未満であると、樹脂組成物の熱安定性の改良が期待しにくく、成形時の分子量の低下や色相悪化が起こりやすく、2質量部を超えると、過剰量となりシルバーの発生や、色相悪化が更に起こりやすくなる傾向がある。安定剤の含有量は、より好ましくは0.01〜1質量部であり、更に好ましくは、0.05〜0.5質量部である。
リン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜リン酸エステル、リン酸エステル等が挙げられ、中でも有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物又は有機ホスホナイト化合物が好ましく、特には有機ホスフェート化合物が好ましい。
有機ホスフェート化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
(一般式(1)中、Rはアルキル基又はアリール基を表す。nは0〜2の整数を表す。なお、nが0のとき、3つのRは同一でも異なっていてもよく、nが1のとき、2つのRは同一でも異なっていてもよい。)
上記一般式(1)において、Rはアルキル基又はアリール基を表すが、Rは、炭素数が1以上、好ましくは2以上であり、通常30以下、好ましくは25以下のアルキル基、又は、炭素数が6以上、通常30以下のアリール基であることがより好ましいが、Rは、アリール基よりもアルキル基が好ましい。なお、Rが2以上存在する場合、R同士はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)で示される有機ホスフェート化合物として、より好ましくは、Rが炭素原子数8〜30の長鎖アルキルアシッドホスフェート化合物が挙げられる。炭素原子数8〜30のアルキル基の具体例としては、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、トリアコンチル基等が挙げられる。
長鎖アルキルアシッドホスフェートとしては、例えば、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、オクタデシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジメチルアシッドホスフェート、ジエチルアシッドホスフェート、ジプロピルアシッドホスフェート、ジイソプロピルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジラウリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ビスノニルフェニルアシッドホスフェート等が挙げられる。
これらの中でも、オクタデシルアシッドホスフェートが好ましく、このものはADEKA社製の商品名「アデカスタブAX−71」として、市販されている。
上記一般式(1)で表されるリン系安定剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.001〜1質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.6質量部、さらに好ましくは0.05〜0.4質量部である。
上記一般式で表されるリン系安定剤の配合により、特に、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレートであり、熱可塑性樹脂(B)がポリカーボネート樹脂である場合、両者のエステル交換反応を適度に抑制することとなるので好ましい。
フェノール系安定剤としては、ヒンダードフェノール系安定剤が好ましく、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製(商品名、以下同じ)「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO−50」、「アデカスタブAO−60」等が挙げられる。
なお、ヒンダードフェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
フェノール系安定剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.01〜1質量部であることが好ましい。含有量が0.01質量部未満であると、熱安定性が低下する傾向にあり、1質量部を超えると、発生ガス量が増大する場合がある。より好ましい含有量は、0.05〜0.8質量部であり、さらに好ましくは0.1〜0.6質量部である。
本発明においては、上記一般式(1)で表されるリン系安定剤とフェノール系安定剤を併用することが、滞留特性と耐熱性の観点から好ましい。
[離型剤]
本発明の樹脂組成物は、更に、離型剤を含有することも好ましい。離型剤としては、熱可塑性ポリエステル樹脂に通常使用される既知の離型剤が利用可能であるが、中でも、ポリオレフィン系化合物、脂肪酸エステル系化合物及びシリコーン系化合物から選ばれる1種以上の離型剤が好ましい。
ポリオレフィン系化合物としては、パラフィンワックス及びポリエチレンワックスから選ばれる化合物が挙げられ、中でも、質量平均分子量が、700〜10,000、更には900〜8,000のものが好ましい。また、側鎖に水酸基、カルボキシル基、無水酸基、エポキシ基などを導入した変性ポリオレフィン系化合物も特に好ましい。
脂肪酸エステル系化合物としては、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル類等の脂肪酸エステル類やその部分鹸化物等が挙げられ、中でも、炭素原子数11〜28、好ましくは炭素原子数17〜21の脂肪酸で構成されるモノ又はジ脂肪酸エステルが好ましい。具体的には、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリン−12−ヒドロキシモノステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
また、シリコーン系化合物としては、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)との相溶性等の点から、変性されている化合物が好ましい。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖に有機基を導入したシリコーンオイル、ポリシロキサンの両末端及び/又は片末端に有機基を導入したシリコーンオイル等が挙げられる。導入される有機基としては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基等が挙げられ、好ましくはエポキシ基が挙げられる。変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖にエポキシ基を導入したシリコーンオイルが特に好ましい。
離型剤の含有量は、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対し、0.05〜2質量部であることが好ましい。0.05質量部未満であると、溶融成形時の離型不良により表面性が低下する傾向があり、一方、2質量部を超えると、樹脂組成物の練り込み作業性が低下し、また成形品表面に曇りが見られる場合がある。離型剤の含有量は、好ましくは0.1〜1.5質量部、更に好ましくは0.3〜1.0質量部である。
[その他含有成分]
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、上記した以外の種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、ガラス系充填材以外の充填材、帯電防止剤、防曇剤、染顔料、蛍光造白剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
ガラス系充填材以外の充填材としては、特にタルクを配合するとLDSでのメッキのノリがよいことから、特に好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法は、特に定めるものではなく、公知の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。具体的には、各成分を、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどで溶融混練することによって樹脂組成物を製造することができる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、または、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の樹脂組成物を製造することもできる。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによって本発明の樹脂組成物を製造することもできる。
本発明の樹脂組成物から樹脂成形品を製造する方法は、特に限定されるものではなく、熱可塑性ポリエステル樹脂について一般に採用されている成形法、すなわち一般的な射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシストなどの中空成形法、断熱金型を用いた成形法、急速加熱金型を用いた成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサ−ト成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シ−ト成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法等を採用することができる。また、ホットランナ−方式を用いた成形法を選択することもできる。特には射出成形が好ましい。
[レーザーダイレクトストラクチャリング]
樹脂成形品の表面にはレーザーダイレクトストラクチャリングによってメッキを形成する。樹脂成形品の形状はいかなるものであってもよく、平坦なものであっても、一部または全部が曲面になっていてもよく、3次元的に複雑な形状のものでもよい。
樹脂成形品にレーザーを照射するが、レーザーとしては、特に限定はなく、YAGレーザー、エキシマレーザー等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YAGレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmである。特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると照射された領域だけに活性化された金属層が成形品表面に形成されるとともに、後続する金属メッキのために有利な表面粗化がなされる。成形品は、洗浄工程を挟むか又は挟まずに、メッキ液に浸漬され、銅、ニッケル、金、銀、パラジウム、好ましくは銅を無電界メッキ(もしくは電界メッキ)でメッキされ、レーザー照射した領域のみ金属層が形成される。
また、本発明において、樹脂成形品は、最終製品に限らず、各種部品も含む趣旨であるが、樹脂成形品としては、耐衝撃特性と剛性、耐熱性を併せ持つうえ、異方性が小さく、反りが小さいという特徴を有し、これにレーザーダイレクトストラクチャリングを適用することにより、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回線間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)の回路を形成することができる。従って、スマートフォンやタブレット端末等に代表される各種携帯端末、補聴器、医用又は歯科用の治療・手術用機器デバイス、各種センサー、ハンドルスィッチ等の自動車用デバイス、あるいはそれらの部品等として極めて有効である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、使用した成分は、以下の表1の通りである。
(実施例1〜18、比較例1〜8)
[レーザー透過側成形体の製造]
上記表1に記載したガラス繊維以外の各成分を、以下の表2以下に記載した量(いずれも質量部)でブレンドし、これを30mmのベントタイプ2軸押出機(日本製鋼所社製「TEX30α」)を用い、ガラス繊維はサイドフィーダーより供給し、押出機バレル設定温度を260℃、スクリュー回転数200rpmの条件で混練してストランド状に押し出し、水槽で急冷しペレタイザーでペレット化して樹脂組成物のペレットを得た。
得られた樹脂組成物ペレットを、120℃で5時間乾燥した後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件でISO多目的試験片(4mm厚)、燃焼試験片(0.75mm厚)を射出成形した。
[曲げ強度と衝撃強度]
ISO178に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用い、曲げ強度(単位:MPa)を測定した。
また、ISO179規格に準拠して、上記ISO多目的試験片(4mm厚)を用い、ノッチ付きシャルピー衝撃強度(単位:KJ/m)を測定した。
[難燃性]
難燃性の評価は、以下のようにして行った。
難燃性(UL94):
アンダーライターズ・ラボラトリーズのサブジェクト94(UL94)の方法に準じ、5本の試験片(厚み:0.75mm)を用いて難燃性を試験し、V−0、V−1及びV−2、NR(不適合)に分類した。
[LDS性能]
得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80」)にて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件で100mm×100mm×3mm厚の平板状試験片を射出成形した。
上記で得られた平板状試験片の10mm×10mmの範囲に、Trumpf製、VMc1のレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力15W)を用い、出力80%、周波数10kHz、速度1m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のEnthone社製、ENPLATE LDS CU 400 PCの48℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能(LDS性能)は20分間にメッキされた銅の厚みを目視にて、以下の基準で評価判定した。
◎+:以下の◎より更に優れた外観
◎:非常に良好な外観(銅の色も濃くメッキが厚く乗っている)
○:良好な外観
△:メッキは乗っているが若干薄い(実用レベルではある)
×:全くメッキが乗らない
[耐アルカリ性]
耐アルカリ性の評価を、以下のようにして行った。
得られた樹脂組成物ペレットを、日精樹脂工業社製TH60 R5VSE縦型射出成形機を用いて、シリンダー温度250℃、金型温度80℃で、図1に示す直方体形状の鉄(SUS)のインサート物1(縦16mm×横33mm×厚さ3mm)を、図2に示すように、支持ピン2にて金型キャビティー4内に仕込んでインサートした(インサート鉄片3)。インサート成形により、図3に示すインサート成形品(縦18mm×横35mm×厚さ5mm)を作製した。このインサート成形品の樹脂部の肉厚は1mmである。インサート成形品には支持ピン跡5に2つのウエルドライン6が発生する。上記方法で得られたインサート成形品を、室温で、10質量%濃度のNaOH水溶液に浸漬した。浸漬後、定期的に目視でクラック発生の有無を確認し、クラックが発生するまでの時間(hr)を測定した。この時間が長いほど、試験片は耐アルカリ性に優れている。
以上の結果を纏めて以下の表2以下に示す。
本発明のレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物は、高度のメッキ性を有し及び機械的特性にも優れるので、スマートフォンやタブレット端末等に代表される各種携帯端末、補聴器、医用又は歯科用の治療・手術用機器デバイス、各種センサー、ハンドルスィッチ等の自動車用デバイス、あるいはそれらの部品等として特に好適に適用でき、産業上の利用性は非常に高いものがある。
1.インサート鉄片
2.支持ピン
3.金型内にインサートされたインサート鉄片
4.キャビティー
5.支持ピン跡
6.ウエルドライン

Claims (4)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)とISO62A法で測定される吸水率が0.15質量%以上の熱可塑性樹脂(B)の合計100質量部に対して、熱可塑性樹脂(B)を1〜50質量部、及び、レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)1〜20質量部を含有し、かつ、熱可塑性ポリエステル樹脂(A)中の50質量%以上がポリブチレンテレフタレート樹脂であることを特徴とするレーザーダイレクトストラクチャリング用ポリエステル系樹脂組成物。
  2. レーザーダイレクトストラクチャリング添加剤(C)が、銅クロム酸化物、又はアンチモン含有酸化錫である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 熱可塑性樹脂(B)が、ポリアミド樹脂又はポリカーボネート樹脂である請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 熱可塑性ポリエステル樹脂(A)がポリブチレンテレフタレート樹脂である請求項1〜のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物。
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