以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態および実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がないものは適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明を適用した第1の実施形態に係る印刷装置の一例としての孔版印刷装置1の全体構成について説明する。図1において、符号2は、孔版印刷装置1の装置本体としての骨組みをなす本体フレームを示す。本体フレーム2の上部にある、符号3で示す部分は原稿読取部を、その下方の符号4で示す部分は製版書込み部を、その左側に符号5で示す部分は印刷部を、符号51は印刷部5に配設された印刷ドラムを、その左の符号6で示す部分は排版部を、製版書込み部4の下方の符号7で示す部分は給紙部を、印刷部5の左下方の符号8で示す部分は排紙部を、それぞれ示している。
原稿読取部3は、原稿受け台10上から移送される原稿11の画像を読み取る周知の機能・構成を有する。原稿読取部3は、原稿受け台10上に配置された複数枚の原稿11を一枚ずつ分離してその最下部の原稿から順次、分離ローラ14へ案内する分離ブレード12と、分離ブレード12により分離された最下部の原稿を前原稿搬送ローラ対13a,13b間へ送り出す分離ローラ14と、該ローラ対13a,13bにより搬送される原稿11を原稿排出台15上に送出する後原稿搬送ローラ対16a,16bと、前原稿搬送ローラ対13a,13bと後原稿搬送ローラ対16a,16bとの間に配設されたコンタクトガラス17と、コンタクトガラス17上を搬送される原稿11の表面を照明する蛍光灯18と、原稿11の表面からの反射光を折り返し反射するミラー19と、ミラー19により反射された反射光をレンズ20を介して受光するCCD(電荷結合素子)等からなる画像センサ21とを有する。
画像センサ21は、原稿11の画像を読み取る原稿読取手段としての機能を有し、レンズ20を介して受光した反射光に対応して光電変換をし、これにより得られた画像信号を本体フレーム2の図示しないアナログ/デジタル(以下、「A/D」と略記する)変換部に入力する。前原稿搬送ローラ対13a,13bと後原稿搬送ローラ対16a,16bとは、図示しないプーリおよび無端ベルト等を備えた駆動力伝達手段を介して連結された原稿読取駆動手段としての図示しない原稿搬送モータによって回転駆動される。原稿読取部3は、本実施形態では後述するように製版書込み部4が製版ユニットとしてのプロッタユニット25を備えていて、プロッタユニット25を本体フレーム2から外部に引き出し・離脱させてマスタ26の補給・交換等を行えるように構成されているため、図1において例えば左側にスライド・開閉可能に、あるいは一部を中心として揺動・開閉可能に配設されたりしておらず、本体フレーム2の上部に固定されている。
原稿読取部3における上記原稿搬送モータ等の制御対象駆動手段(アクチュエータ)を、図12において原稿画像読取駆動部22として総括的に表す。
製版書込み部4は、印刷用版の一例としてのマスタ26を製版する機能・構成を有する他、製版済みのマスタ26cを印刷部5に給版する給版手段としての一部の機能・構成も有する。製版書込み部4は、マスタ26を製版する製版手段としてのサーマルヘッド28を備え本体フレーム2に対して着脱自在に構成されたプロッタユニット25と、プロッタユニット25を着脱自在に支持・案内する製版ユニット着脱手段としてのレール外35と、後述する機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定されたとき、プロッタユニット25の本体フレーム2からの離脱を阻止するための製版ロック手段としてのプロッタロック機構38とから主に構成されている。プロッタロック機構38は、図1では破線で矩形状に囲んで模式的に示す。
プロッタユニット25は、マスタ26が芯管26bの周りに巻かれてロール状に形成されたマスタロール26aからマスタ26を繰り出し可能に貯容・支持するマスタロール支持手段としてのマスタ支持部材27と、マスタロール26aから繰り出されるマスタ26を上記A/D変換部および図示しない製版制御部で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき加熱溶融穿孔するサーマルヘッド28と、このサーマルヘッド28にマスタ26を押し付けながら回転し搬送するプラテンローラ29と、プラテンローラ29と印刷ドラム51との間に配置されマスタ26を所定の長さに切断するマスタ切断手段としてのカッタ30と、印刷ドラム51とカッタ30との間に配置されマスタ26の案内をするガイド板32と、印刷ドラム51とガイド板32との間に配置されプラテンローラ29により搬送される製版済みの版としての製版済みのマスタ26cを印刷ドラム51へ搬送・給版する、その軸部に電磁クラッチ(図示せず)を介装された給版ローラ対31a,31bと、印刷ドラム51と給版ローラ対31a,31bとの間に配置され製版済みのマスタ26cを印刷ドラム51へ案内するガイド板対33と、マスタ26を搬送するマスタ搬送方向Y(副走査方向でもある)と平行に紙面の手前側および奥側に配置された一対の製版側板36と、製版側板対36を互いに強固に連結・固定する連結部材37a,37bと、連結部材37aに固着されその先端部に段付き溝39aを形成された被ロック部材としてのロックピン39と、図1の紙面の手前側および奥側に一対配置されたレール外35にそれぞれ緩く嵌合する一対のレール内34と、連結部材37bに一体的に取り付けられプロッタユニット25の着脱時に操作する取っ手37cとから主に構成されている。
プラテンローラ29は、プーリおよび無端ベルト等の駆動力伝達手段を介してマスタ搬送駆動手段としてのステッピングモータ(図示せず)に連結されており、同ステッピングモータで回転駆動される。プラテンローラ29は、また上記と同様の駆動力伝達手段を介して給版ローラ対31a,31bに連結されており、ステッピングモータで回転駆動される。製版ユニットは、簡素な構成のプロッタユニット25に限らず、例えばカッタ30と給版ローラ対31a,31bとの間にマスタにフロントテンションを付与するための搬送ローラ対を設けたり、製版済みのマスタを一時的に貯容するマスタストック手段を設けて俗に撓み製版を行えたりする複雑な公知の構成のものも用いられる。
プロッタユニット25には、上記した連結部材37a,37bの他に、製版側板対36を互いに強固に連結・固定すべく適宜の連結部材が配設されている。製版側板対36には、マスタ支持部材27がマスタロール26aを着脱自在とすべく取り付けられ、サーマルヘッド28がプラテンローラ29に接離自在に設けられている。また、製版側板対36には、プラテンローラ29が該プラテンローラ軸29aを介して回転可能に支持されると共に、給版ローラ対31a,31bが各軸を介して回転可能に支持されている他、例えば回転移動タイプの可動刃および固定刃からなるカッタ30が作動可能に設けられ、ガイド板32およびガイド板対33が取付け・固定されている。
各レール外35は、凸状形状をなしていて本体フレーム2に固着されている。各レール内34は、凹状形状をなしていて各製版側板36に固着されている。レール内34は、レール外35に支持・案内される被支持部材である。レール外35は、製版ユニット着脱手段であると共に、さらに詳しくはプロッタユニット25を挿脱自在にする製版ユニット挿脱手段とも呼べる。プロッタユニット25は、上記製版ユニット着脱手段(製版ユニット挿脱手段)により、図1において実線で示すように本体フレーム2内に挿入されて製版・給版可能となる製版ロック位置と、二点鎖線で示すように抜き出されてマスタロール26aの交換やマスタのジャム処理等が可能となる非製版ロック位置との間でマスタ搬送方向Yおよびこれと反対方向に摺動可能かつ挿脱可能(着脱可能)となっている。
非製版ロック位置には、図1に示した位置の他、プロッタユニット25の各レール内34が各レール外35から完全に抜き出された状態が含まれる。この状態では、印刷ドラム51の版胴外周面に巻装された製版済みのマスタ26cや使用済みの版としての使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集が可能となる。
上述した製版書込み部4のプロッタユニット25およびレール外35周りの構成は、例えば本願出願人が提案した特開平10−202996号公報の段落「0028」ないし「0037」、さらに詳しくは図1ないし図3、図5および図6に示され、段落「0045」ないし「0056」に記載されている構成と同様であるため、重複説明を避けるためこれ以上の説明を省略する。
プロッタロック機構38は、図2および図3に詳しく示すように、プロッタユニット25が本体フレーム2内に装着されているとき、プロッタユニット25を製版ロック位置に固定すべくロックピン39の段付き溝39aと係合する位置(図3(a)参照)とプロッタユニット25の本体フレーム2からの離脱を許すべくロックピン39の段付き溝39aとの係合を解除する位置(図3(b)参照)との間で摺動自在な製版ロック部材としての係合孔40aを備えたロック板40と、その一端部がロック板40の一端部に係止されロック板40の係合孔40aを常にロックピン39の段付き溝39aと係合する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね41と、ロック板40の他端部にピン43を介して緩く係止されロック板40の係合孔40aをロックピン39の段付き溝39aとの係合を解除する位置に引張ばね41の付勢力に抗して引張り・移動させることが可能なロック部材解除駆動手段としてのソレノイド42とから主に構成されている。
ロックピン39の先端部は、プロッタユニット25が製版ロック位置を占めるべく図2(b)に示す矢印方向への移動時に、引張ばね41の付勢力に抗してロック板40の係合孔40aに弾撥的に嵌入しやすくするためにテーパ付きの先細り状に形成されている。本体フレーム2側には、プロッタユニット25の連結部材37aに対向して設けられた製版フレーム45が固着されている。引張ばね41の他端部は、製版フレーム45に植設されたピン46に係止されている。ソレノイド42は、プル型のDCソレノイドからなり、作動部材であるプランジャ42aを介してピン43でロック板40の他端部に緩く連結・係止されている。ソレノイド42は、製版フレーム45に固定されている。製版フレーム45には、ロック板40の係合孔40aの内径と同じ大きさの孔45aと、2つの図示しないねじ孔と、プランジャ42a連結部のピン43の移動を上下方向Zに逃がすための図示しない長孔とが形成されている。ロック板40には、上記摺動範囲に対応した移動を許容する上下に長い長孔40bが2つ形成されている。ロック板40は、2つの長孔40bを挿通して製版フレーム45に形成された2つの図示しないねじ孔に螺合する2本の段付きねじ44で組み付けられることにより、少なくとも上記摺動範囲においてマスタ搬送方向Yと直交する上下方向Zに摺動自在になされている。
プロッタユニット25が製版ロック位置を占めたとき、上記したロック板40および引張りばね41により、プロッタユニット25はマスタ搬送方向Yに位置決めされる。プロッタユニット25の上下方向Zおよびマスタ搬送方向Yと直交するマスタ幅方向の位置決めは、レール内34とレール外35との嵌合によりなされる。
製版書込み部4におけるサーマルヘッド28、上記ステッピングモータ、上記電磁クラッチおよびソレノイド42等の制御対象駆動手段を、図12において総括的に製版駆動部47で表す。
なお、プロッタロック機構38は、これに限らず、上記特開平10−202996号公報の図4に示され、段落「0057」ないし「0059」に記載されている第2の移動規制手段(109)を利用してもよい。
印刷部5は、図1および図4に示すように、印刷ドラム51上の製版済みのマスタ26cに印刷ドラム51の内周側からインキを供給しながら給紙部7から給送されてくる用紙Sを押し付けて印刷画像を形成する周知の機能・構成を有する。印刷部5は、製版書込み部4で製版された製版済みのマスタ26cを外周面に巻装する、図1において矢印方向(時計回り)に回転可能な印刷ドラム51および後述するように印刷ドラム51の内周側からインキを供給するインキ供給手段等を備え本体フレーム2に対して着脱自在に構成されたドラムユニット50と、ドラムユニット50を着脱自在に支持するドラムユニット着脱手段(図示せず)と、本体フレーム2内において印刷ドラム51に接離自在に配設された押圧手段としてのプレスローラ58と、後述する機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定されたとき、ドラムユニット50の本体フレーム2からの離脱を阻止するためのドラムロック手段としてのドラムロック機構59とから主に構成されている。
印刷ドラム51は、外周部に設けられた周知の構成の版胴と、この版胴を両端で支持する端板51a,51bと、版胴外周面の一母線に沿って版胴軸線方向に延在したステージ53と、ステージ53に沿って版胴軸線方向に延在し製版済みのマスタ26cの先端部をステージ53との間に挟持する開閉可能なクランパ52と、印刷ドラム51の版胴内周面にインキを均一かつ薄膜状に供給するインキローラ55と、インキローラ55と微小間隙を置いて平行に配置され、インキローラ55との間に断面楔形状のインキ溜まり57を形成しインキ量を計量するドクターローラ56と、インキ溜まり57へインキを供給するインキ供給孔54aを備えたインキ供給管54とも呼ばれる支軸54とを有する。ここで、インキローラ55、ドクターローラ56および支軸54がインキ供給手段を構成する。
版胴は、図4に二点鎖線で示す一対の端板51a,51b外周面上にねじ等の締結手段で取り付けられている。版胴は、ステンレス薄板をエッチング加工したもの、あるいはニッケル電鋳された薄板により円筒状に形成されていて、インキ通過性の孔をその外周面上に多数穿設された印刷可能領域と、ステージ53を固着された非印刷可能領域とを有する。さらに、版胴の外周面上には、金属または樹脂製の図示しないメッシュスクリーンが複数層巻き付けられている。プレスローラ58は、インキローラ55に対向する印刷ドラム51の版胴外周面の近傍に配設され、図示しない接離手段によって上下に揺動されて用紙Sを印刷ドラム51上の製版済みのマスタ26cへ押し付けながら印刷ドラム51に従動回転する周知の機能・構成を有する。押圧手段としては、プレスローラ58に限らず、印刷ドラム51の版胴外周面の外径と同径の、用紙Sの先端部を挟持する用紙クランパを備えた圧胴も用いられる。
ドラムユニット着脱手段およびこれに着脱されるドラムユニット50側の被着脱手段の具体例としては、例えば特開平5−229243号公報記載の図2および図3に示されている保持手段(36)および版胴装置(55)と同様のものを用いている。この他、例えば特開2003−1918号公報の図7に示されている着脱手段(59a)およびドラムユニット(100a)の被着脱手段と同様のものや、例えば特開平10−297074号公報の図5に示された着脱手段(63a,63b)を用いてもよい。
ドラムユニット50は、ドラムユニット着脱手段によって、本体フレーム2内に挿入・装着され後述する印刷ドラム51の駆動機構に連結・セットされて印刷可能となるドラムロック位置と、本体フレーム2内から離脱されて、マスタや用紙のジャム処理、色替え、インキの補給、あるいは清掃・保守点検整備等が可能となる非ドラムロック位置との間で移動可能かつ挿脱可能になされている。非ドラムロック位置には、本体フレーム2内から完全に離脱された状態が含まれる。この状態を含め、印刷ドラム51の版胴外周面に巻装された製版済みのマスタ26cや使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集が可能となる。
図4および図5に、ドラムロック機構59を含む印刷ドラム51の駆動機構を示す。印刷ドラム51の一方の端板51aの外方には、支軸54を中心としたドラムギヤ60が、支軸54と僅かに隙間をもって端板51aの図示しない段部に固着されている。ドラムユニット50が本体フレーム2内に装着・セットされたとき、支軸54の図4における奥側の先端部は、ドラムギヤ60を貫通して、本体フレーム2に固着された筐体側板(図示せず)に設けられた図示しない軸受部に着脱自在に支持される。端板51aにおける版胴外周縁寄りの部位には、支軸54方向に延出する遮光板68が固着されている。また、図4の奥側の端板51aと手前側の端板51bの外方には、印刷ドラム51を持ち運ぶための略コ字状をなす図示しない取っ手が、印刷ドラム51を軸方向に跨ぐように支軸54に取り付けられている。手前側の端板51b側の図示しない前フレームには、支軸54へ供給するインキを補充するための図示しないインキ供給ポンプやインキ容器載置台等が設けられている。
ドラムギヤ60の近傍には、ドラムギヤ60と噛み合うギヤ部61a、フランジ部61bおよび切欠部61cとを一体的に形成され、上記筐体側板に回転自在に支持された駆動軸61dに固着された駆動ギヤ61が配設されている。駆動ギヤ61は、フランジ部61bが端板51a側に位置するように配置され、フランジ部61bの一部が切り欠かれて切欠部61cが形成されている。ドラムギヤ60を有するドラムユニット50は、図4および図5(a)に示すように、駆動ギヤ61の切欠部61cが図5(a)において右横となる駆動ギヤ61のホームポジション状態でのみ、切欠部61cのギヤ部61aと噛み合っている駆動ギヤ61が係脱自在となっている。一方、図5(b)に示すように駆動ギヤ61の回転・位相位置が例えば切欠部61cが略真上に位置する状態では、フランジ部61bのギヤ部61aと噛み合ったドラムギヤ60がフランジ部61bに阻まれて、噛合・係合状態を解除できないように構成されている。印刷ドラム51は、上記ドラムユニット着脱手段を介して、図4および図5(a)に示したように駆動ギヤ61の切欠部61cが略右横となる駆動ギヤ61の回転・位相位置状態(ホームポジション)でのみ、図4の白抜き矢印で示すドラムユニット抜き出し方向Xに抜き出すことにより、本体フレーム2からの取り外しが可能となっている。
印刷ドラム51の回転に伴って移動する遮光板68の円軌道上には、ホームポジションセンサ69と機密モード位置センサ70とが配設されている。各センサ69,70は、上記筐体側板に取り付けられており、遮光板68がその検知部を通過する際に、後述する制御装置に信号を出力する。ホームポジションセンサ69は、ホームポジションに回転された駆動ギヤ61の切欠部61cと、その回転を規制された印刷ドラム51と実質的に一体のドラムギヤ60とが噛み合う回転・位相位置において遮光板68を検知するように配設されている。
駆動軸61dを回転自在に支持している上記筐体側板から外方に突出した駆動軸61d端部には、歯付プーリ62が固着されている。一方、上記筐体側板に固着された図示しない不動部材には、印刷ドラム51を回転駆動する駆動手段としての例えばDCモータからなる駆動モータ65が取り付け固定されている。駆動モータ65の出力軸一端部には、歯付プーリ63が固着されている。歯付プーリ62と歯付プーリ63との間には、タイミングベルト64が掛け渡されていて、駆動モータ65とドラムギヤ60とは駆動力伝達関係にある。駆動モータ65の出力軸他端部には、エンコーダ66が取付け・固定されている。さらに、エンコーダ66の外周縁部には、これを挟む状態でエンコーダ66の回転と協働して発生するパルスを検出・カウントする透過型光学センサからなるパルス検出センサ67が上記筐体側板側に取付け・固定されている。駆動モータ65の回転速度および回転角度・位置は、パルス検出センサ67によって検出され、検出された角度信号は、図示しないパルスカウンタおよび比較器を通過した後、後述する制御装置に入力される。
上述の構成のとおり、ドラムロック機構59は、フランジ部61bを備えた駆動ギヤ61と、駆動ギヤ61の切欠部61cの回転・位相位置を検出し切欠部61cの回転・位相位置を例えば図5(b)のようにロック位相位置に変える駆動力伝達手段(駆動軸61d、歯付プーリ62、タイミングベルト64、歯付プーリ63)と、駆動モータ65と、エンコーダ66と、パルス検出センサ67と、ホームポジションセンサ69と、機密モード位置センサ70とから構成されている。
上述の印刷ドラム51の駆動機構により、駆動モータ65の回転力が、その出力軸から、歯付プーリ63、タイミングベルト64、歯付プーリ62、駆動軸61d、駆動ギヤ61、ドラムギヤ60へと順次伝達されて、印刷ドラム51が支軸54を中心に回転駆動される。印刷部5における駆動モータ65等の制御対象駆動手段を、図12において総括的に主駆動部72で表す。主駆動部72には、後述するように給紙部7および排紙部8の各制御対象駆動手段も含まれる。
ドラムユニット50には、本体フレーム2内からある程度ないし完全に離脱された状態で、印刷ドラム51のクランパ52の位置が例えば図1において略右横に位置する給版位置でもあるホームポジションを占めたままの状態に保持するための、図示しない周知の回転ロック装置が付設されている。また、ドラムユニット50は、図4に示す端板51bの紙面の手前側に設けられている図示しない前フレームに取り付けられた取っ手(図示せず)の把持操作に連動してドラムユニット50をドラムロック位置にロックする機械式のロック機構が設けられているものもある。
排版部6は、印刷ドラム51の版胴外周面から使用済みのマスタ26dを剥ぎ取り、これを収納する収納手段としての排版ボックス83内に排出する機能・構成を有する。排版部6は、図1、図6および図7に示すように、印刷ドラム51上の使用済みのマスタ26dを剥離・搬送排出する排版手段としての上排版ローラ80および下排版ローラ81と、剥離・搬送排出された使用済みのマスタ26dを収納する上記した排版ボックス83およびこの排版ボックス83内を図1における反時計回り方向に回転し使用済みのマスタ26dを圧縮してその収納量を増大させる圧縮板84を備え本体フレーム2に対して着脱自在に構成された排版ユニット82と、排版ユニット82を着脱自在に支持・案内する排版ユニット着脱手段としてのレール部材87と、後述する機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定されたとき、排版ユニット82の本体フレーム2からの離脱を阻止するための排版ロック手段としての排版ロック機構89とから主に構成されている。排版ロック機構89は、図1では破線で矩形状に囲んで模式的に示す。
上排版ローラ80、下排版ローラ81、排版ボックス83および圧縮板84は、特開平10−226147号公報に開示された排版ローラ対(5)および排版装置(6)と同様の構成であり、また排版ボックス83のさらに改良された細部構成は特開平11−198512号公報と同様の構成であるので、ここでの説明は簡単に留める。
上排版ローラ80は、本体フレーム2側に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されており、本体フレーム2側に配設された図示しない排版駆動手段(例えば排版モータ)によって回転駆動される。上排版ローラ80を支持する上記ブラケットは、図示しない揺動手段により揺動される。この揺動手段により、上排版ローラ80は、その外周面を印刷ドラム51の外周面より離間させる図1に実線で示す待機位置と、その外周面を印刷ドラム51の外周面に接触させる図1に二点鎖線で示す剥離位置とを選択的に占める。下排版ローラ81は、本体フレーム2側に回転自在に支持されていて、図示しないばね等の付勢手段の付勢力によってその外周面を上排版ローラ80の外周面に対して所定の圧接力で圧接されており、上排版ローラ80の回転時に従動回転する。
排版ユニット82は、上記した排版ボックス83と、上記した圧縮板84と、排版ボックス83の図1において奥側外周壁に一体的に形成され後述するロック部材と選択的に係合する被ロック部材としての被ロック部88とから主に構成されている。
排版ボックス83は、印刷ドラム51の軸線方向に延在して筒状をなしており、装置正面側から見てその右上部であって各排版ローラ80,81のニップ部と対応する位置には、その内部に使用済みのマスタ26dを受け入れるための搬入口83aが形成されている。排版ボックス83内に排出される使用済みのマスタ26dを収納する空間であるマスタ収納部83bを構成している内周壁83cは、圧縮板84がその圧縮板軸84aと一体となって270度回動するときにその先端部が移動する軌跡に沿った形状にその一部が形成されており、内周壁83cの他の外周部分は箱状となるように形成されている。排版ボックス83の奥側側面には、マスタ収納部83bに貯容された使用済みのマスタ26dを廃棄する際に開閉される蓋(図示せず)が配設されている。排版ボックス83の内部の紙面手前側には、マスタ収納部83bに圧縮されて収容された排版済みのマスタ26eを上記奥側の蓋に向けて押し出す図示しない押出し板が配設されている。
排版ユニット82は、排版ボックス83の下壁面が、図1に示すように、本体フレーム2側に固着され断面略コ字状に形成されたレール部材80に摺動自在かつ挿脱自在(着脱自在)に支持され、図1の紙面手前方向に、すなわち図6における排版ユニット82の抜き出し方向Xに引き出し可能に構成されている。圧縮板軸84aの紙面奥側の端部は、本体フレーム2側に配設された圧縮板駆動手段(圧縮板駆動モータ)およびウォームギヤを含むギヤ列からなる駆動力伝達手段を備えた圧縮板駆動機構(詳しくは特開2003−211813号公報参照)と図示しないカップリングを介して係脱自在に構成されている。排版ボックス83の手前側には、排版ボックス83を着脱する際に把持される取っ手86が一体的に設けられている。
排版ボックス83の下壁面は、レール部材87に支持・案内される被支持部材である。レール部材87は、排版ユニット着脱手段であると共に、さらに詳しくは排版ユニット82を挿脱自在にする排版ユニット挿脱手段とも呼べる。排版ユニット82は、上記排版ユニット着脱手段(排版ユニット挿脱手段)により、図1において実線で示すように本体フレーム2内に挿入されて排版可能となる排版ロック位置と、図1における手前側に抜き出されて排版済みのマスタ26eの廃棄処理等が可能となる非排版ロック位置との間で排版ユニット抜き出し方向Xおよびこれと反対方向に摺動可能かつ挿脱可能(着脱可能)となっている。
非排版ロック位置には、図7に二点鎖線で示し後述するようにロックレバー90が開口部95aとの嵌入・係合状態が解除されて排版ユニット抜き出し方向Xに移動可能になった位置を含む他、排版ユニット82の下壁面がレール部材87から完全に抜き出された状態が含まれる。この状態では、排版済みのマスタ26eの廃棄処理等を行えると共に、排版済みのマスタ26eの機密情報の収集が可能となる他、印刷ドラム51の版胴外周面に巻装された製版済みのマスタ26cや使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集が可能となる。
排版ロック機構89は、図7に詳しく示すように、排版ユニット82が本体フレーム2内に装着されているとき、その一端部(図において上端部)が排版ユニット82を排版ロック位置に固定すべく被ロック部88の被ロック当接面88aと係合する図7に実線で示す位置と排版ユニット82の本体フレーム2からの離脱を許すべく被ロック部88の被ロック当接面88aとの係合を解除する図7に二点鎖線で示す位置との間で支点軸93を中心として揺動・変位自在な当接部90aを備えた排版ロック部材としてのロックレバー90と、その一端部がロックレバー90の他端部(図において上端部)に係止されロックレバー90の当接部90aを常に被ロック部88の被ロック当接面88aと係合する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね91と、ロックレバー90の他端部にピン94を介して緩く係止されロックレバー90の当接部90aを被ロック部88の被ロック当接面88aとの係合を解除する位置に引張ばね91の付勢力に抗して引張り・移動させることが可能な排版ロック部材解除駆動手段としてのソレノイド92とから主に構成されている。
ロックレバー90は、例えば鋼板でできていて、ロックレバー90の一端部である当接部90aは、図において紙面の奥側に延びるように折り曲げ成形されている。引張ばね91の他端部は、本体フレーム2側に植設されたピン46に係止されている。排版部6における本体フレーム2側には、ロックレバー90の当接部90aおよび傾斜部90bの出入りを可能とする開口部95aを形成され、本体フレーム2に固着された排版フレーム95が配置されている。ソレノイド92は、プル型のDCソレノイドからなり、作動部材であるプランジャ92aを介してピン94でロックレバー90の他端部に緩く連結・係止されている。ソレノイド92は、排版フレーム95側に固定されている。支点軸93は、排版フレーム95側に植設されている。被ロック部88の被ロック当接面88aおよびロックレバー92の一端部は、排版ユニット82が本体フレーム2内に装着・セットされて排版ロック位置を占めたときに互いに係合可能となるそれぞれの位置に設けられている。
排版部6における上記排版駆動手段、上記圧縮板駆動モータおよびソレノイド92等の制御対象駆動手段を、図12において総括的に排版駆動部97で表す。
ここで、排版ユニット82および排版ロック機構89の動作を説明しておく。図7において、排版ユニット82が排版ロック位置を占めていて、ソレノイド92への通電が断たれてオフ状態のときは、同図に実線で示すように、ロックレバー90の一端部が引張ばね91の付勢力によって支点軸93を中心として反時計回りに揺動し、この揺動に伴ってロックレバー90の一端部が排版フレーム95の開口部95aから下方に嵌入し、ロックレバー90の当接部90aが被ロック部88の被ロック当接面88aと当接・係合することにより、排版ユニット82が排版ロック位置にロック・固定保持されるため、同図において右側の矢印X方向に抜き出し本体フレーム2から離脱することができない。
一方、排版ユニット82が排版ロック位置を占めている状態で、ソレノイド92へ通電されてオン状態になると、同図に二点鎖線で示すように、プランジャ92aが引張ばね91の付勢力に抗して吸引・引き込まれて、ロックレバー90の当接部90aが支点軸93を中心として被ロック部88の被ロック当接面88aとの当接・係合を解除すると共に、排版フレーム95の開口部95aから上方に変位・離間することで、排版ユニット82が同図において右側の矢印X方向(排版ユニット抜き出し方向X)に摺動可能となり、排版ユニット82を本体フレーム2から離脱することができる。
給紙部7は、給紙台99上に積載されたシート状記録媒体の一例としての用紙Sを印刷部5に送出する周知の機能・構成を有する。給紙部7は、上記した給紙台99と、用紙Sを送り出す給紙手段を構成する給紙コロ100と、用紙Sを1枚ずつ分離する一対の分離コロ101a,101bと、印刷ドラム51とプレスローラ58との間に所定のタイミングを取って用紙Sを送り出すレジスト手段としてのレジストローラ対102a,102bとから主に構成されている。分離コロ101bは、給紙手段を構成する分離コロ101aとの協働作用により用紙Sを1枚に分離する分離手段としての周知の機能を有する。
給紙コロ100と分離コロ101aとは、図示しない歯付プーリおよびタイミングベルトを介して例えばステッピングモータからなる給紙モータ(図示せず)に連結されていて、上記給紙モータによって図において時計回りに回転駆動される。下側のレジストローラ102bは、図示しない歯付プーリおよびタイミングベルトを介して例えばステッピングモータからなるレジストモータ(図示せず)に連結されていて、上記レジストモータによって図において反時計回りに回転駆動される。
排紙部8は、印刷部5で印刷された印刷済みの用紙Sを排紙台110に排出する周知の機能・構成を有する。排紙部8は、印刷部5にて印刷された印刷済みの用紙Sを順次積載する上記した排紙台110と、印刷ドラム51の近傍に配置され印刷済みの用紙Sを印刷ドラム51から剥離する剥離爪105と、剥離爪105によって剥離された印刷済みの用紙Sを排紙台110上へ搬送するための吸着排紙前ローラ106および吸着排紙後ローラ107間に掛け渡された空気吸引用の孔が開けられた無端の搬送ベルト108と、搬送ベルト108の下方に配置され印刷済みの用紙Sを搬送ベルト108に吸着するモータを内蔵した吸着用ファン109とを有する。
吸着排紙後ローラ107および搬送ベルト108は、図示しないプーリおよび無端ベルトを介して例えばDCモータからなるベルト駆動モータ(図示せず)に連結されていて、上記ベルト駆動モータによって図において反時計回りに回転駆動される。
給紙部に7おける上記給紙モータ、上記レジストモータ、排紙部8における上記ベルト駆動モータ、吸着用ファン109および上述した印刷部5における駆動モータ65等の制御対象駆動手段を、図12において総括的に主駆動部72で表す。
図8に示すように、原稿読取部3の下部に位置する本体フレーム2の前面には、それぞれ二点鎖線で模式的に示すドラムユニット5および排版ユニット82を着脱する図示しない着脱口を形成された筐体前フレーム120が固着されている。筐体前フレーム120の前面には、ドラムユニット5および排版ユニット82を覆うべく筐体前フレーム120に開閉自在に設けられた開閉手段(開閉部材)としての前ドアカバー111が設けられている。前ドアカバー111は、例えば適宜の板金等がインサートされた合成樹脂等で一体的に形成されている。前ドアカバー111は、図において筐体前フレーム120の右側部に設けられた図示しないヒンジを介して、筐体前フレーム120に開閉自在となっている。上記ヒンジ取付部と反対側の図において左側の前ドアカバー111の略中央部には、段付き溝113aを形成された被ロック部材としてのロックピン113が取付け・固定されている。ロックピン113に対向する筐体前フレーム120には、ロックピン113を緩く出入りさせる孔120aが開けられている。前ドアカバー111における右側端部には、従来例と同様の、前ドアカバー111の開閉状態を検知する開閉部材検知手段としての図示しないドアセンサ(例えばリミットスイッチ等)が設けられている。
上記ドアセンサは、印刷ドラム51を始めとするその周囲の駆動部が回転駆動中にあるときにユーザに直接的に上記駆動部等に触れることを防止するために、開閉状態に係る信号を図示しない制御装置に送信することで、上記駆動部が駆動中にユーザが前ドアカバー111を開けた場合に上記駆動部を停止させる信号を生成するためのものである。
前ドアカバー111は、図8に破線で囲んで模式的に示すドアロック機構114を介して、筐体前フレーム120に対して開放されドラムユニット5および排版ユニット82を露出させこれらの着脱を可能とする開放位置と、ドラムユニット5および排版ユニット82を覆うと共にこれらの離脱を阻止する筐体前フレーム120側に固定されたロック位置との間で開閉自在になっている。
開放位置の状態には、ドラムユニット5を本体フレーム2側に装着・セットされた状態で、あるいはドラムユニット5をドラムロック位置から抜き出される途中状態を含めて印刷ドラム51の版胴外周面に巻装された製版済みのマスタ26cや使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したり、あるいは排版ボックス83内の排版済みのマスタ26eを取り出したりする機密情報の収集が可能となる位置状態も含まれる。
ドアロック機構114は、後述する機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定されたとき、前ドアカバー111の開放を阻止するための開閉ロックロック手段としての機能・構成を有する。ドアロック機構114は、図9および図10に詳しく示すように、前ドアカバー111が筐体前フレーム120に対して閉じられているとき、その一端部が前ドアカバー111をロック位置に固定すべくロックピン113の段付き溝113aと係合する位置(図10(a)参照)と前ドアカバー111の筐体前フレーム120からの開放を許すべくロックピン113の段付き溝113aとの係合を解除する位置(図10(b)参照)との間で摺動自在な開閉ロック部材としてのロック板115と、その一端部がロック板115の一端部(上端部)に係止されロック板115の係合孔115aを常にロックピン113の段付き溝113aと係合する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね116と、ロック板115の他端部(下端部)にピン118を介して緩く係止されロック板115の係合孔115aをロックピン113の段付き溝113aとの係合を解除する位置に引張ばね116の付勢力に抗して引張り・移動させることが可能な開閉ロック部材解除駆動手段としてのソレノイド117とから主に構成されている。
ロックピン113の先端部は、前ドアカバー111の閉時における図9(b)に示す矢印方向に移動時に、引張ばね116の付勢力に抗してロック板115の係合孔115aに弾撥的に嵌入しやすくするためにテーパ付きの先細り状に形成されている。引張ばね116の他端部は、筐体前フレーム120の内壁面に植設されたピン121に係止されている。ソレノイド117は、プル型のDCソレノイドからなり、作動部材であるプランジャ117aを介してピン118でロック板115の他端部に緩く連結・係止されている。ソレノイド117は、筐体前フレーム120の内壁面に固定されている。筐体前フレーム120の孔120aは、ロック板115の係合孔115aの内径と同じ大きさに形成されていて、筐体前フレーム120には、2つの図示しないねじ孔と、プランジャ117a連結部のピン118の移動を上下方向Zに逃がすための図示しない長孔とが形成されている。ロック板115には、上記摺動範囲に対応した移動を許容する上下に長い長孔115bが2つ形成されている。ロック板115は、2つの長孔115bを挿通して前フレーム122に形成された2つの図示しないねじ孔に螺合する2つの段付きねじ119で組み付けられることにより、少なくとも上記摺動範囲において上下方向Zに摺動自在になされている。
図11を参照して、孔版印刷装置1を操作するための操作パネル125を説明する。同図において、操作パネル125は、図1に示されている原稿読取部3上部の紙面手前側に配置されており、製版スタートキー126、印刷スタートキー127、試し刷りキー128、クリア/ストップキー129、テンキー130、エンターキー131、モードクリアキー132、プログラムキー133、印刷速度設定キー134、4方向キー137、7セグメントLED(発光ダイオード)からなる表示装置135、LCD(液晶表示装置)からなる表示装置136等の周知の構成の他、機密保持モード状態を点灯・表示するLEDを内蔵した機密保持キー138とを有している。
製版スタートキー126は、孔版印刷装置1に製版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー126が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後に製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。印刷スタートキー175は、孔版印刷装置1に印刷動作を行わせる際に押下され、孔版印刷装置1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー175が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー176は、孔版印刷装置1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー176が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。
クリア/ストップキー129は、孔版印刷装置1の動作を停止させる際あるいは置数のクリア時に押下され、テンキー130は、数値入力に用いられる。エンターキー131は、各種印刷条件等の設定時に数値等を設定する際に、プログラムキー133は、よく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際にそれぞれ押下される。モードクリアキー132は、各種のモードをクリアして初期状態に戻す際に押下される。
印刷速度設定キー134は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。4方向キー137は、画像編集時にその画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。
機密保持キー138は、印刷を行う者以外に印刷ドラム51上の製版済みのマスタ26cや使用済みのマスタ26dの情報および印刷物の情報を知られたくない場合に機密保持モードを設定する機密保持モード設定手段としての機能としての機能を有する。機密保持キー138を押下すると、内蔵されたLEDが点灯して機密保持モード設定状態であることが表示される。なお、機密保持キー138は、これに限らず、機密保持モード設定手段としての機密保持キーの部分と、機密保持モードを表示・報知する表示・報知手段としての上記LEDの部分とを分離してもよい。
機密保持モード・設定状態を解除する機密保持モード解除手段としては、本実施形態では、テンキー130とエンターキー131との組み合わせ、すなわち機密情報を保持すべき者達だけ、あるいは機密情報を保持すべき単独の者が第三者に知られないように設定できるいわゆるサービスマン・プログラムで予め設定しておく例が挙げられる。具体的には、例えばテンキー130で暗証コードとして「6,7,8,9」をこの順に押下した後、エンターキー131を押下することで「6,7,8,9」を確定・入力する例が挙げられる。
このように、機密保持モード解除手段は、従来と同様の既存の操作パネル125を構成している操作構成要素としてのテンキー130の10種類のキーおよびエンターキー131との、少なくとも2つの組み合わせからなるものである。本発明における機密保持モード解除手段は、例えば特開平8−183238号公報の図5のフローチャートに示されている機密保持キー(83)の押下後に押下されることで機密モードを解除して排版・製版を実行するための製版スタートキー(70)とは異なり、製版・給版終了後に印刷ドラム51上に巻装されている機密情報を有する製版済みのマスタ26cを用いて追加印刷が可能に構成された、いわば製版終了後機密モードを解除するためのものである。
また、第三者に対して機密保持モード設定状態や機密保持モード解除状態であることを知られたくない場合には、機密保持キー138を2回押下した後、テンキー130等で第三者が知らない上記例のような暗証コードを入力することで、上記LEDを消灯させて機密保持モード解除状態とするような機密保持モード解除手段であっても構わない。これに加えて後述するように、表示装置136の階層表示構造を利用してタッチパネル方式等でさらに複雑に設定するようなことも勿論可能である。
表示装置136は、階層表示構造となっており、その下方に設けられた選択設定キー136a,136b,136c,136dを押下することにより、変倍や画像位置調整等の様々なモードへの変更および各モードでの設定が可能に構成されている。また表示装置136には、図示したように「製版・プリントできます」のような孔版印刷装置1の状態が表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等のアラーム、用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。操作パネル125で生成された各種出力信号は、図1および図12に示す制御装置140に向けて出力され、制御装置140からは各表示装置135、136への表示指令が送られる。
図12は、制御装置140周りの制御構成を示している。同図において、制御装置140は、CPU(中央演算処理装置)141、記憶手段としてのRAM(読み書き可能な記憶装置)142、ROM(読み出し専用記憶装置)143、図示しないタイマおよび図示しない入出力ポートを備えたマイクロコンピュータを具備している。
CPU141には、原稿読取部3の画像センサ21で読み取られ、図示しない原稿画像読取回路および画像信号処理部で処理された画像データ信号と、パルス検出センサ67で検出され、パルスカウンタおよび比較器71を通過した駆動モータ65の角度信号(印刷ドラム51の回転位置・角度信号でもある)と、操作パネル125の上記各種キーからの出力信号と、ホームポジションセンサ69からの出力信号と、機密モード位置センサ70からの出力信号とが入力される。入力された各信号は、ROM143に記憶された動作プログラムおよび関係データに基づいてCPU141によって演算処理されて、図示しない各種モータ駆動回路を介して主駆動部72の上記各制御対象駆動手段に、図示しない各種モータ駆動回路およびソレノイド駆動回路を介して製版駆動部47の上記各制御対象駆動手段に、図示しない各種モータ駆動回路およびソレノイド駆動回路を介して排版駆動部97の上記各制御対象駆動手段に、図示しないソレノイド駆動回路を介してドアロック機構114のソレノイド117に、CPU141からそれぞれ動作・指令信号として出力される。
RAM142には、CPU141によってROM143より呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれる。書き込まれた動作プログラムは、操作パネル125からの入力によって書き換えられる。また、RAM142には、ユーザによって機密保持キー138が押されたときにのみ、機密保持モードプログラムが書き込まれる。RAM142は、バックアップメモリを有しており、書き込まれた機密保持モードプログラムのみは孔版印刷装置1の図示しない電源スイッチがオフされメイン電源が切られても消去されないように構成されている。RAM142に書き込まれた機密保持モードプログラムは、上記機密保持解除手段によって消去され、機密保持モード解除状態となる。
ROM143には、孔版印刷装置1の各制御対象駆動手段を作動させる複数の動作プログラムが記憶されている。各動作プログラムのうち、ユーザによって機密保持キー138が押された機密保持モード時においては、印刷スタートキー127と試し刷りキー128とからの入力を無効とする機密保持モードプログラムが記憶されている。機密保持モード解除手段としてテンキー130とエンターキー131との組み合わせによるサービスマン・プログラムを採用する場合には、ROM143としてはPROM(プログラム可能な読み出し専用記憶装置)や、紫外線等で消去が可能なEPROM、あるいは電気的に消去可能なEEPROMを使用したり、これらを適宜併用してもよい。
CPU141(以下、説明の簡明化のため「制御装置140」というときがある)は、機密保持キー138からの信号に基づいて、少なくとも一つのユニット(本実施形態では、プロッタユニット25、ドラムユニット50、排版ユニット82)の本体フレーム2からの離脱を阻止するように少なくとも一つのユニットごとに配設されたロック手段(本実施形態では、プロッタユニット25におけるプロッタロック機構38のソレノイド42、ドラムユニット50におけるドラムロック機構59の駆動モータ65、排版ユニット82における排版ロック機構89のソレノイド92)を制御する第1の制御手段としての制御機能を有する。また、本実施形態では、ソレノイド92を備えた排版ロック機構89を有する排版ユニット82を具備しているため、排版ロック機構89のソレノイド92を制御する第2の制御手段としての制御機能も有する。
CPU141(制御装置140)は、機密保持モード解除手段としてのテンキー130およびエンターキー131からの信号に基づいて、印刷ドラム51上の製版済みのマスタ26cを用いて追加印刷を行うように主駆動部72を制御する第3の制御手段としての制御機能を有する。
CPU141(制御装置140)は、機密保持キー138により機密保持モードが設定されたとき、前ドアカバー111の開放を阻止するようにドアロック機構114のソレノイド117を制御する第4の制御手段としての制御機能を有する。
次に、孔版印刷装置1の動作(工程)について説明する。
最初に、機密保持キー138を押下しないで実行される孔版印刷装置1の通常動作、すなわち機密保持を必要としない場合の動作について説明する。ここで、プロッタユニット25は図1に実線で示すように本体フレーム2内に装着・セットされた製版ロック位置を、ドラムユニット50は図1に実線で示すように本体フレーム2内に装着・セットされたドラムロック位置を、排版ユニット82は図1に実線で示すように本体フレーム2内に装着・セットされた排版ロック位置をそれぞれ占めているものとする。また、前ドアカバー111は、図8に示す筐体前フレーム120に対して閉じられ・ロックされているドアロック位置を占めているものとする。
ユーザが原稿読取部3の原稿受け台10上に原稿11を載置した後、操作パネル125上の各種キーによって製版条件を設定した後に製版スタートキー126を押すと、スタート信号が生成されこれがトリガとなって、先ず、排版動作が行われる。この状態では、印刷ドラム51の版胴外周面上に前回の印刷で使用されこの動作例では機密情報を有していない使用済みのマスタ26dが巻装されたまま残っている。
制御装置140からの指令信号(以下、単に「指令」というときがある)により、駆動モータ65が起動(回転駆動開始)することによって、印刷ドラム51が図1において時計回りに回転する。そして、使用済みのマスタ26dの先端が上排版ローラ80と対応する所定の排版位置に印刷ドラム51が到達したと制御装置140が判断すると、印刷ドラム51の回転が停止すると共に、制御装置140からの指令によって図示しない揺動手段および上記排版モータが作動し、上排版ローラ80が回転すると共に上排版ローラ80が二点鎖線で示すように剥離位置に移動して使用済みのマスタ26dの先端部をすくい上げる。上排版ローラ80が使用済みのマスタ26dと当接すると印刷ドラム51が再び時計回りに回転し、上排版ローラ80によってすくい上げられた使用済みのマスタ26dは上排版ローラ80および下排版ローラ81とで挟持されて印刷ドラム51の外周面より剥離される。剥離された使用済みのマスタ26dは上排版ローラ80と下排版ローラ81とで挟持された状態でY1方向へ搬送されて排版ボックス83内に排出された後、圧縮板84によって圧縮される。この圧縮時において、排版ボックス83内にある程度以上の排版済みのマスタ26eが収納されている場合、圧縮板84は排版済みのマスタ26eを所定時間(例えば2秒間)圧縮する。
外周面上より使用済みのマスタ26dが全て剥離された後も印刷ドラム51はさらに回転を継続する。印刷ドラム51が図1に示す給版位置であるホームポジションに到達してホームポジションセンサ69により検知されると、このホームポジションセンサ69から制御装置140に向けて信号が出力される。制御装置140はホームポジションセンサ69からの信号に基づいて、駆動モータ65に指令を送ってその作動を停止させる。印刷ドラム51がホームポジションで停止すると、制御装置140より図示しない開閉手段へ指令が送られてクランパ52が二点鎖線で示すようにステージ53から開放され、印刷ドラム51が図1に示す給版待機状態となって排版動作が完了する。
上記排版動作と並行しながら原稿画像の読み取り動作が行われる。すなわち、図示しない原稿搬送モータが起動することにより、分離ローラ14が回転することで、原稿受け台10上の原稿11が前原稿搬送ローラ対13a,13b間へ送り出され、その後、原稿11の先端部を挟持した前原稿搬送ローラ対13a,13bが回転することで、さらに原稿11は後原稿搬送ローラ対16a,16b間へ送り出され、次いで後原稿搬送ローラ対16a,16bの回転によって原稿11が原稿排出台15上に排出される。この時、コンタクトガラス17上を搬送される原稿11の表面は、蛍光灯18により照明され、原稿11の表面で反射した反射光がミラー19で反射された後、レンズ20を介して画像センサ21に入射され、原稿11の画像が読み取られる。このとき、原稿受け台10上に複数枚の原稿11が積載された場合には、分離ブレード12により1枚ずつ分離され最下部の原稿11から順次搬送されて画像の読み取りが行われる。
画像センサ21により光電変換された画像信号は本体フレーム2内の上記A/D変換部に入力されてデジタル画像信号に変換され、さらに上記画像信号処理部で画像処理を施され、画像処理を施されたデジタル画像信号はCPU141に送られる。
一方、上述した原稿11の画像読み取りと並行して、製版書込み部4では、上記画像信号処理部および図示しない製版制御部にて処理され制御装置140を経由して送出されるデジタル画像信号に基づき、製版および給版動作が行われる。すなわち、CPU141からの指令により上記ステッピングモータが起動されることで、マスタロール26aからマスタ26が引き出されつつ、サーマルヘッド28にマスタ26を介して押圧しているプラテンローラ29の回転によってマスタ搬送方向Yの下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ26に対して、サーマルヘッド28にライン状に並んだ複数の微小な発熱素子がデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子に接触しているマスタ26の熱可塑性樹脂フィルム部分が加熱溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ26の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。このように穿孔・製版された製版済みのマスタ26cの先端部は、給版ローラ対31a,31bが回転することにより搬送され、ガイド板対33により進行方向を下方に変えられ、図1に示す給版待機状態にある印刷ドラム51の拡開したクランパ52に向かって送り出される。
次いで、上記ステッピングモータの所定ステップ数の回転駆動によって製版済みのマスタ26cの先端がステージ53とクランパ52との間の所定の位置に届いたとCPU141によって判断されると、これに合わせた所定のタイミングでクランパ52が閉じられることにより、製版済みのマスタ26cの先端部がクランプされ、次いで印刷ドラム51が同図中の矢印時計回りに回転することにより、製版済みのマスタ26cは印刷ドラム51の外周面に巻きつけられていく。上記ステッピングモータの所定ステップ数の回転駆動により、1版分の製版が完了したとCPU141によって判断されると、同ステッピングモータが停止することで、プラテンローラ29および給版ローラ対31a,31bの回転が停止すると共に、図1におけるカッタ30の上側の可動刃がマスタ搬送方向Yと直交するマスタ幅方向に回転しながら移動してマスタ26が所定の長さに切断される。この切断された製版済みのマスタ26cが製版書込み部4から完全に引き出され印刷ドラム51の外周面に巻装された後、印刷ドラム51が再びホームポジションに到達すると、CPU141からの指令によって駆動モータ65が停止して製版および給版動作が終了する。
次いで、試し刷りとも呼ばれるいわゆる版付け・印刷動作が開始される。CPU141からの指令により駆動モータ65が起動されることによって、印刷ドラム51が低速度で図1中矢印方向に回転されると共に、上記給紙モータが起動されることにより給紙部7の給紙コロ100および分離コロ101aが時計回りに回転駆動され、同時に排紙部8における吸着排紙前ローラ106,107の回転を介して搬送ベルト108および吸着用ファン109が回転駆動される。給紙コロ100と分離コロ101aとの時計回りの回転により、給紙台99上に積載された最上の用紙Sが分離コロ対101a,101bの協働作用で1枚に分離されてレジストローラ対102a,102bに向けて矢印Y4方向に送り出される。
次いで、1枚に分離された用紙Sは、レジストローラ対102a,102bのニップ部に一時的に突き当て保持されて所定の撓みが形成された後、レジストローラ対102a,102bにより印刷ドラム51の回転と同期した所定のタイミングで印刷ドラム51とプレスローラ58との間に用紙Sが給送される。レジストローラ対102a,102bにより送り出された用紙Sが図示しない用紙検知手段により検知されると、この信号に基づいてCPU141は、プレスローラ58を印刷ドラム51の版胴外周面から離間する位置に保持する図示しないソレノイドおよび引張ばね等を備えた係止手段の保持状態を解除することにより、印刷ドラム51の外周面から離間していたプレスローラ58が上方に移動して、同図中の矢印方向に回転する印刷ドラム51の外周面に巻装された製版済みのマスタ26cに用紙Sが押圧される。
こうして、印刷ドラム51の版胴の多孔部分および製版済みのマスタ26cの穿孔パターン部分からインキが滲み出し、このインキが用紙Sの表面に転移されて印刷画像が形成され印刷される。この時、上記版胴の内周側では、インキ供給管(支軸)54の複数のインキ供給孔54aからインキローラ55とドクターローラ56との間に形成されたインキ溜まり57にインキが供給され、印刷ドラム51の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム51の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ55により、インキが印刷ドラム51の版胴内周側に供給される。
印刷部5において印刷画像が形成された用紙Sは、剥離爪105により印刷ドラム51から剥がされ、吸着用ファン109に吸着されつつ、反時計回りに回り動く搬送ベルト108に沿って矢印Y5方向に搬送され、排紙台110上に排出される。この一連の工程によって版付・印刷動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。
上述した排版、原稿読み取り、製版、版付けの各動作が完了して、印刷待機状態となった孔版印刷装置1において、ユーザが試し刷りキー128を押すと版付動作と同様に、給紙台99上の最上の用紙Sが給紙コロ100と分離コロ対101a,101bとによって1枚に分離されて送り出されてレジストローラ対102a,102bのニップ部に一時的に突き当て保持された後、CPU141からの指令により駆動モータ65が起動することで、印刷ドラム51が印刷速度設定キー134で設定された上記版付け時の低速度よりは速い適宜の速度で回転駆動される。レジストローラ対102a,102bは、印刷速度に応じた所定のタイミングで、高速回転している印刷ドラム51とプレスローラ58との間に用紙Sを給送する。給送された用紙Sは、プレスローラ58によって印刷ドラム51上の製版済みのマスタ26cに押圧されてインキを転移され、その上面に印刷画像を形成された後、剥離爪105によって印刷ドラム51の外周面より剥離され、搬送ベルト108によって左方へと搬送されて、排紙台110上に排出・積載される。印刷ドラム51は再びホームポジションに戻り、試し刷り動作が完了する。
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル125上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー130で印刷枚数を表示装置135に置数し、印刷速度設定キー134で印刷速度を設定し、所望する印刷物に合わせて変倍キー136c等を適宜押して印刷スタートキー127を押すことにより、上記版付け、試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が置数・セットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。印刷動作完了後、印刷ドラム51は再びホームポジションに戻る。
次に、機密保持キー138を使用した場合の孔版印刷装置1の機密保持モードに係る動作を説明する。まず、機密保持モードを設定して追加印刷を行わない動作例、つまり印刷ドラム51上に巻装されているマスタが機密を保持する必要のある使用済みのマスタ26dである場合について述べる。
ユーザは、上述と同様に、製版、適宜行われる版付けおよび試し刷り、印刷の各工程を経て印刷物を得る。この印刷物の内容が機密を要する場合、第三者に機密が漏れては困る機密を守るべきユーザ(以下、単に「ユーザ」という)は、当然のことながら、機密保持を要する印刷物を第三者に知られたり、見られたりしない状態で上述と同様に、上記した製版、版付け、試し刷り、印刷の各工程を実行している。機密を保持すべき印刷動作完了後に、印刷ドラム51上に巻装されている使用済みのマスタ26dは、当然のこととして機密情報を持っているから、ユーザは機密を保持すべき印刷動作完了後に機密保持キー138を押す。
機密保持キー138が押されると、操作パネル125よりCPU141に機密保持モード設定に係る信号が送信される。CPU141はROM143より機密保持モードプログラムを呼び出し、RAM142に機密保持モードプログラムを書き込むと共に、操作パネル125に指令信号を送り、機密保持キー138に内蔵された上記LEDを点灯させて機密保持モードであることを表示させる。RAM142への機密保持モードプログラムの書き込み動作後、CPU141は主駆動部72における駆動モータ65へ動作・指令信号を送り、ホームポジションで停止している印刷ドラム51を、遮光板68が機密モード位置センサ70に検知されるまで所定の角度分(図4において距離L)だけ回動させて、例えば図5(b)に示したようなドラムギヤ60と駆動ギヤ61との噛み合い状態にさせる。
これにより、図5(b)に示すように駆動ギヤ61の回転・位相位置が切欠部61cが略真上に位置する状態では、フランジ部61bのギヤ部61aと噛み合ったドラムギヤ60がフランジ部61bに阻まれて、図5(b)の紙面手前側、すなわち図4に示すドラムユニット抜き出し方向Xにドラムギヤ60ごとドラムユニット50を抜き出し・離脱することを禁止しているから、本体フレーム2より印刷ドラム51を備えたドラムユニット50を抜き出し・離脱することで、他の同種の孔版印刷装置によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、印刷ドラム51より使用済みのマスタ26dを剥離させて、マスタそのものを解読することで機密が漏洩する事態、あるいは印刷ドラム51に巻装されているままの使用済みのマスタ26dの製版画像(通常は鏡像であるが両面印刷装置等では正像の場合もある)の機密情報そのものを見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集も防止することができる。
同時に、RAM142への機密保持モードプログラムの書き込み動作後、CPU141は、製版駆動部47のソレノイド42、排版駆動部97のソレノイド92へ各ソレノイド駆動回路を介してこれらを作動すべき指令信号を出力せずに、各ロック位置を保持するように各ソレノイド42,92を制御することで、各ソレノイド42,92を作動させないでオフ状態を保持する。これにより、プロッタユニット25は図1において実線でおよび図3(a)に示すように製版ロック位置にロック・固定されることによって、本体フレーム2よりプロッタユニット25を抜き出し・離脱することが不可能となる。また、排版ユニット82は、その排版ロック機構89のロックレバー90が図7に実線で示すように排版ユニット82をして排版ロック位置にロック・固定されるように保持されたままであるから、本体フレーム2より排版ユニット82を抜き出し・離脱することが不可能となる。従って、印刷ドラム51に巻装されているままの使用済みのマスタ26dの製版画像(通常は鏡像であるが両面印刷装置等では正像の場合もある)の機密情報そのものを見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集を防止することができる。
これに加えて、同時に、RAM142への機密保持モードプログラムの書き込み動作後、CPU141は、ドアロック機構114のソレノイド117へソレノイド駆動回路を介して作動すべき指令信号を出力せずに、開閉ロック位置を保持するようにソレノイド117を制御することで、ソレノイド117を作動させないでオフ状態を保持する。これにより、前ドアカバー111は図10(a)に示すようにドアロック位置にロック・固定されて保持されたままであるから、前ドアカバー111を筐体前フレーム120から開放することが不可能となる。従って、印刷ドラム51に巻装されているままの使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報そのものを見たり、ドラムユニット50を構成する前フレームと印刷ドラム51の版胴外周面との隙間から製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集をより確実に防止することができる。
以後、ユーザによって印刷スタートキー127または試し刷りキー128が押されると、操作パネル125よりCPU141に信号が送られるが、CPU141はRAM142に機密モードプログラムが書き込まれていることを認識し、主駆動部72における上記各制御対象駆動手段へ動作すべき指令信号を出力しないため、CPU141の制御の下に孔版印刷装置1は印刷動作と試し刷り動作とを行わない。また、CPU141は、印刷スタートキー127または試し刷りキー128が押され、操作パネル125からの信号が入力されると、操作パネル125に信号を送り、表示装置136に印刷不可のメッセージを表示させる。この機密保持モード状態は、上記した機密保持モード解除手段によって機密保持モードが解除されるまで継続される。RAM142は、上述したようにバックアップメモリであることにより、孔版印刷装置1に電源を供給するための電源スイッチのオフ後においても、上記機密保持状態が保持されることは言うまでもない。
次に、機密保持キー138を使用し機密保持モードを設定して追加印刷を行う動作例、つまり印刷ドラム51上に巻装されているマスタが機密を保持することが必要な製版済みのマスタ26cである場合について述べる。機密を保持すべき所定印刷枚数の印刷動作完了後に、追加印刷を行いたい場合がある。このようなとき、ユーザは機密保持モード・設定状態を解除するために、機密保持モード解除手段であるテンキー130とエンターキー131との組み合わせで、例えばテンキー130で暗証コードとして「6,7,8,9」をこの順に押下した後、エンターキー131を押下することで「6,7,8,9」を確定・設定すると、操作パネル125よりCPU141に機密保持モード解除に係る信号が送信される。これにより、CPU141は、RAM142に書き込まれた機密モードプログラムを消去すると共に、機密保持キー138に内蔵された上記LEDを消灯させて機密保持モード解除状態であることを表示させ、かつ、主駆動部72に動作・指令信号を送ることで、孔版印刷装置1の印刷部5、給紙部7、排紙部8の上記各制御対象駆動手段を制御することにより、追加印刷動作が可能な状態となる。
ユーザは上述したと同様に、テンキー130で印刷枚数を表示装置135に置数し、印刷速度設定キー134で印刷速度を設定し、所望する印刷物に合わせて適宜変倍キー136c等を押して印刷スタートキー127を押すことにより、上記版付け、試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が置数・セットした追加印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。印刷動作完了後、印刷ドラム51は再びホームポジションに戻る。機密を保持すべき追加印刷動作完了後に、印刷ドラム51上に巻装されている使用済みのマスタ26dは、当然のこととして機密情報を持っているから、ユーザは機密を保持すべき追加印刷動作完了後に再び機密保持キー138を押すこととなる。
本実施形態では、プロッタロック機構38はマスタロール26aの交換やマスタのジャム処理時等のために着脱される際のロック手段を、ドラムロック機構59は用紙やマスタのジャム処理時、インキの補給あるいは色替え時等のために着脱される際のロック手段を、排版ロック機構89は排版済みのマスタの廃棄や使用済みのマスタのジャム処理時等のために着脱される際のロック手段をそれぞれ兼ねていることにより、従来から配設されているロック手段をそのまま利用することができるので、構成の簡素を図ることができると共に、これに伴いコスト上昇も避けることができる。
本実施形態では、上述した用途のロック手段をそれぞれ兼ねている他、各ユニット25,50,82作動時の安全上の配慮(例えば回転駆動中の印刷ドラム51を始めとした駆動部分からの隔絶のため)からも上記各ロック機構38,59,89,114が配設されている。そのため、各ユニット25,50,82ごとに本体フレーム2からの離脱を許容するための離脱設定手段としての各離脱キーを、また前ドアカバー111の筐体前フレーム120からの開放を許容するための開放設定手段としてのドア開放キーを、操作パネル125に配設することが望ましい。
これにより、上記各離脱キーや上記ドア開放キーが押されるまで、CPU141は、製版駆動部47のソレノイド42、排版駆動部97のソレノイド92、ドアロック機構114のソレノイド117へそれぞれ通電すべき指令信号を送信せずに制御を行うように構成できるから、例えば特開平8−183238号公報の図6および図7に示され段落「0057」ないし「0059」に記載されているように、機密モードプログラムが消去された際に版胴(7)のロック状態を解除するソレノイド(93)への通電を再開するというような消費電力の無駄遣いを防止して省エネ化をも図ることが可能となる。つまり、CPU141は、上記各離脱キーや上記ドア開放キーからの各ロック機構のロック状態を解除するための信号の入力があるまで、各ソレノイド42、ソレノイド92、ソレノイド117への通電をしないようにオフ制御すればよい。
また、孔版印刷装置等の機種に拘わらず、完全に機密情報を保持するためには、機密保持モード設定状態にあっては、離脱設定手段としてのプロッタユニット離脱キー、排版ユニット離脱キーやドラムユニット離脱キーからの信号が、CPU141に送信されたとしても、CPU141はこれを無効化して機密保持モード設定状態を保持するように構成される。同様に、開放設定手段としてのドア開放キーからの信号が、CPU141に送信されたとしても、CPU141はこれを無効化して機密保持モード設定状態を保持するように構成されている。
そして、機密保持モード解除状態にあっては、プロッタユニット離脱キー、排版ユニット離脱キーやドラムユニット離脱キーからの信号が、CPU141に送信されたとき、CPU141は、プロッタユニット離脱キーからの信号に基づいて製版駆動部47のソレノイド42をオン制御することにより図3(b)に示すロック解除状態(以下、「アンロック状態」という)に、排版ユニット離脱キーからの信号に基づいて排版駆動部97のソレノイド92をオン制御することにより図7に二点鎖線で示すようにアンロック状態に、またドラムユニット離脱キーからの信号に基づいて主駆動部72の駆動モータ65をして図5(a)に示すようにアンロック状態にそれぞれすることで、上記した必要な処理・操作を行えるようになる。
(第1の参考例)
図1、図13および図14に、第1の参考例に係る孔版印刷装置1Aを示す。
孔版印刷装置1Aは、図1、図13および図14に示すように、第1の実施形態の孔版印刷装置1と比較して、プロッタユニット25を有する製版書込み部4に代えて、本体フレーム2側に着脱不能に設けられた製版書込み部4Aを有する点、本体フレーム2側に開閉不能に設けられた原稿読取部3に代えて、本体フレーム2に対してスライド・開閉可能に配設された読取ユニットとしてのスキャナユニット23等を備えた原稿読取部3Aを有する点および制御装置140に代えた制御装置140Aを有する点が主に相違する。製版書込み部4A、原稿読取部3A、制御装置140Aは、図1では括弧を付して示すことにより、第1の実施形態のそれと区別するものとする。
製版書込み部4Aは、第1の実施形態の製版書込み部4と比較して、プロッタユニット25を構成している連結部材37a,37b、取っ手37c、一対のレール内34、一対のレール外35、プロッタロック機構38等を除去して、プロッタユニット25を構成しているマスタ支持部材27、サーマルヘッド28、プラテンローラ29、カッタ30、給版ローラ対31a、31b、ガイド板31、ガイド板対33、製版側板対36等をフレーム内に着脱不能に配設したことが主に相違する。
原稿読取部3Aは、第1の実施形態の原稿読取部3と比較して、上記したスキャナユニット23を有する点、スキャナユニット23を着脱自在に支持・案内する周知の読取ユニット着脱手段(図示せず)を有する点、上記した機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定されたとき、スキャナユニット23の本体フレーム2からの離脱を阻止するための読取ロック手段としてのスキャナロック機構151を有する点が主に相違する。スキャナロック機構151は、図13(a)では破線で矩形状に囲んで模式的に示す。
スキャナユニット23は、図1に示したと同様の構成要素、すなわち原稿受け台10、分離ブレード12、前原稿ローラ対13a,13b、分離ローラ14、原稿排出台15、後原稿搬送ローラ対16a,16b、コンタクトガラス17、蛍光灯18、ミラー19、レンズ20、画像センサ21等を備え、これらが筐体をなすスキャナユニットフレーム150に取付け・支持されている。図13(a)に実線で示すスキャナユニットフレーム150の図において右側の底壁面には、後述する読取ロック部材と係合する被ロック孔150aが開けられている。
スキャナユニット23は、製版書込み部4Aにおけるマスタロール26a(図13には図1参照)のセット・交換やマスタ等のジャム処理作業、あるいは印刷ドラム51でのマスタや用紙等のジャム処理作業等を可能とするために、上記読取ユニット着脱手段を介してスキャナユニットスライド方向Y3にスライド(摺動)できるようになっている。すなわち、スキャナユニット23は、図13に実線で示すように原稿11の画像読み取りを行う読取ユニットロック位置と、図13に二点鎖線で示すようにマスタロール26aのセット・交換やマスタ26等のジャム処理作業等を可能とする非読取ユニットロック位置との間で矢印Y3方向に摺動可能かつ開閉可能となっている。スキャナユニット23が非読取ユニットロック位置を占めた状態では、印刷ドラム51の版胴外周面に巻装された製版済みのマスタ26cや使用済みのマスタ26dの製版画像の機密情報を見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集が可能となる。
スキャナロック機構151は、図13(b)に詳しく示すように、スキャナユニット23が本体フレーム2内に装着・セットされているとき、その一端部(図において上端部)がスキャナユニット23を読取ロック位置に固定すべく被ロック孔150aに嵌入・係合する図13(b)に実線で示す位置とスキャナユニット23の本体フレーム2からの離脱を許すべく被ロック孔150aとの係合を解除する図13(b)に二点鎖線で示す位置との間で支点軸156を中心として揺動・変位自在な読取ロック部材としてのロックレバー152と、その一端部がロックレバー152の他端部に係止されロックレバー152の一端部を常に被ロック孔150aに嵌入・係合する向きに付勢する付勢手段としての引張ばね153と、ロックレバー152の他端部(図において下端部)にピン157を介して緩く係止されロックレバー152の一端部を被ロック孔150aとの係合を解除する位置に引張ばね153の付勢力に抗して引張り・移動させることが可能な読取ロック部材解除駆動手段としてのソレノイド154とから主に構成されている。
引張ばね153の他端部は、本体フレーム2側に植設されたピン158に係止されている。支点軸156は、本体フレーム2側に植設されている。ソレノイド154は、本体フレーム2側に固定されている。被ロック孔150aおよびロックレバー152の一端部は、スキャナユニット23が本体フレーム2内に装着・セットされて読取ロック位置を占めたときに互いに係合可能となるそれぞれの位置に設けられている。
原稿読取部3Aにおける上記原稿搬送モータ、スキャナロック機構151のソレノイド154等の制御対象駆動手段を、図14において原稿画像読取駆動部22Aとして総括的に表す。原稿画像読取駆動部22Aは、図12に示した原稿画像読取駆動部22と比較して、スキャナロック機構151のソレノイド154を新設した点が主に相違し、他は原稿画像読取駆動部22と同様である。
ここで、スキャナユニット23およびスキャナロック機構151の動作を説明しておく。図13(a),(b)において、スキャナユニット23が図13(a)に実線で示すように読取ユニットロック位置を占めていて、ソレノイド154への通電が断たれてオフ状態のときは、図13(b)に実線で示すように、ロックレバー152の一端部が引張ばね153の付勢力によって支点軸156を中心として時計回りに揺動し、この揺動に伴ってスキャナユニットフレーム150の被ロック孔150aに嵌入・係合することにより、スキャナユニット23が読取ユニットロック位置にロック・固定保持されているため、同図において左側の矢印Y3方向にスライド・開閉することができない。
一方、スキャナユニット23が読取ユニットロック位置を占めている状態で、ソレノイド154へ通電されてオン状態になると、同図に二点鎖線で示すように、プランジャ154aが引張ばね153の付勢力に抗して吸引・引き込まれて、ロックレバー152の一端部が支点軸156を中心として被ロック孔150aとの係合を解除する反時計回りに離間することで、ロックレバー152の一端部が被ロック孔150aから離脱されて、スキャナユニット23が同図において左側の矢印Y3方向にスライド可能となる。
図14を参照して、制御装置140周りの制御構成を説明する。
制御装置140Aは、第1の実施形態の制御装置140と比較して、CPU141に代えたCPU141Aを有する点、RAM142に代えたRAM142Aを有する点およびROM143に代えたROM143Aを有する点が主に相違し、他の点は制御装置140と同様であり、図示しないタイマおよび図示しない入出力ポートを備えたマイクロコンピュータを具備している。製版駆動部47Aは、製版駆動部47と比較して、製版駆動部47の上記各制御対象駆動手段からプロッタロック機構38のソレノイド42を除去した点が主に相違し、他は製版駆動部47と同様である。
CPU141Aには、図12に示したとそれぞれ同様の、画像データ信号と、駆動モータ65の角度信号と、操作パネル125の上記各種キーからの出力信号と、ホームポジションセンサ69からの出力信号と、機密モード位置センサ70からの出力信号とが入力される。入力された各信号は、ROM143Aに記憶された動作プログラムおよび関係データに基づいてCPU141Aによって演算処理され、図12に示したとそれぞれ同様に、主駆動部72の上記各制御対象駆動手段に、排版駆動部97の上記各制御対象駆動手段に、ドアロック機構114のソレノイド117に、また図示しない各種モータ駆動回路等を介して製版駆動部47Aの上記各制御対象駆動手段に、図示しない各種モータ駆動回路およびソレノイド駆動回路等を介して原稿画像読取駆動部22Aの上記各制御対象駆動手段に、CPU141Aからそれぞれ動作・指令信号として出力される。
RAM142Aには、CPU141AによってROM143Aより呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれる。書き込まれた動作プログラムは、操作パネル125からの入力によって書き換えられる。また、RAM142Aには、オペレータ等を含むユーザによって機密保持キー138が押されたときにのみ、機密保持モードプログラムが書き込まれる。RAM142Aは、例えばバックアップメモリであり、書き込まれた機密保持モードプログラムのみは、孔版印刷装置1のメイン電源が切られても消去されないように構成されている。RAM142Aに書き込まれた機密保持モードプログラムは、上記機密保持解除手段によって消去され、機密保持モード解除状態となる。
ROM143Aには、孔版印刷装置1の各制御対象駆動手段(アクチュエータ)を作動させる複数の動作プログラムが記憶されている。各動作プログラムのうち、ユーザによって機密保持キー138が押された機密保持モード時においては、印刷スタートキー127と試し刷りキー128からの入力を無効とする機密保持モードプログラムが記憶されている。ROM143Aとしては、上述したと同様にPROMやEPROMあるいはEEPROMを使用したり、これらを適宜併用してもよい。
CPU141A(以下、説明の簡明化のため「制御装置140A」というときがある)は、機密保持キー138からの信号に基づいて、少なくとも一つのユニット(本実施形態では、スキャナユニット23、ドラムユニット50、排版ユニット82)の本体フレーム2からの開放・離脱を阻止するように少なくとも一つのユニットごとに配設されたロック手段(本実施形態では、スキャナユニット23におけるスキャナロック機構151のソレノイド154、ドラムユニット50におけるドラムロック機構59の駆動モータ65、排版ユニット82における排版ロック機構89のソレノイド92)を制御する第1の制御手段としての制御機能を有する。また、本実施形態では、ソレノイド92を備えた排版ロック機構89を有する排版ユニット82を具備しているため、排版ロック機構89のソレノイド92を制御する第2の制御手段としての制御機能も有する。CPU141A(制御装置140A)は、第1の実施形態における制御装置140の第3の制御手段、第4の制御手段と同様の制御機能を有する。
次に、孔版印刷装置1Aの動作(工程)について、第1の実施形態の孔版印刷装置1と相違する点を中心に説明する。機密保持キー138を押下しないで実行される孔版印刷装置1Aの通常動作は、第1の実施形態の孔版印刷装置1と実質的に同様に行われ、製版書込み部4および製版ユニット25に関する記述に代えて、原稿読取部3Aおよびスキャナユニット23と読み替えると共に、スキャナユニット23は図13(a)に実線で示す読取ロック位置を占めているものとし、かつ、制御装置140およびCPU141に代えて、制御装置140AおよびCPU141Aと読み替えれば容易に理解し実施できるからその説明を省略する。
機密保持キー138を使用した場合の孔版印刷装置1Aの機密保持モードに係る動作を説明する。まず、機密保持モードを設定して追加印刷を行わない動作例、つまり印刷ドラム51上に巻装されているマスタが機密を保持する必要のある使用済みのマスタ26dである場合について述べる。
ユーザは、上述と同様に、製版、版付け、試し刷り、印刷の各工程を経て印刷物を得る。この印刷物の内容が機密を要する場合、ユーザは当然のことながら、機密保持を要する印刷物を第三者に知られたり、見られたりしない状態で上述と同様に、製版、版付け、試し刷り、印刷の各工程を実行することとなる。機密を保持すべき印刷動作完了後に、印刷ドラム51上に巻装されている使用済みのマスタ26dは、当然のこととして機密情報を持っているから、ユーザは機密を保持すべき印刷動作完了後に機密保持キー138を押す。
機密保持キー138が押されると、操作パネル125よりCPU141Aに機密保持モード設定に係る信号が送信され、第1の実施形態と同様の詳細制御動作を経て、CPU141Aは主駆動部72における駆動モータ65へ動作・指令信号を送り、ホームポジションで停止している印刷ドラム51を、遮光板68が機密モード位置センサ70に検知されるまで所定の角度分だけ回動させて、例えば図5(b)に示したようなドラムギヤ60と駆動ギヤ61との噛み合い状態にさせる。これにより、図4に示すドラムユニット抜き出し方向Xにドラムギヤ60ごとドラムユニット50を抜き出し・離脱することが禁止・阻止され、第1の実施形態と同様の利点が得られる。
同時に、RAM142Aへの機密保持モードプログラムの書き込み動作後、CPU141Aは、排版駆動部97のソレノイド92、原稿画像読取駆動部22Aのソレノイド154へ各ソレノイド駆動回路を介してこれらを作動すべき指令信号を送らずに、各ロック位置を保持するように各ソレノイド92,154を制御することで、各ソレノイド92,154を作動させないでオフ状態を保持する。これにより、スキャナユニット23は図13(b)において実線で示すように読取ロック位置にロック・固定されることによって、本体フレーム2よりスキャナユニット23をスライド・開放することが不可能となる。また、排版ユニット82は、第1の実施形態と同様に排版ユニット82をして排版ロック位置にロック・固定されるように保持されたままであるから、本体フレーム2より排版ユニット82を抜き出し・離脱することが不可能となる。従って、印刷ドラム51に巻装されているままの使用済みのマスタ26dの製版画像(通常は鏡像であるが両面印刷装置等では正像の場合もある)の機密情報そのものを見たり、用紙に転写したりする機密情報の収集を防止することができる。
これに加えて、同時に、RAM142Aへの機密保持モードプログラムの書き込み動作後、CPU141Aは、第1の実施形態と同様にドアロック機構114のソレノイド117へソレノイド駆動回路を介して作動すべき指令信号を送らずに、開閉ロック位置を保持するようにソレノイド117を制御することで、前ドアカバー111を筐体前フレーム120から開放することが不可能となるから、第1の実施形態と同様の利点が得られる。
以後、ユーザによって印刷スタートキー127または試し刷りキー128が押されると、操作パネル125よりCPU141Aに信号が送られるが、CPU141AはRAM142Aに機密モードプログラムが書き込まれていることを認識し、主駆動部72における上記各制御対象駆動手段へ動作・指令信号を出力しないため、CPU141Aの制御の下に孔版印刷装置1Aは印刷動作と試し刷り動作とを行わない。また、CPU141Aは、印刷スタートキー127または試し刷りキー128が押され、操作パネル125からの信号が入力されると、操作パネル125に信号を送り、表示装置136に印刷不可のメッセージを表示させる。この機密保持モード状態は、上記した機密保持モード解除手段によって機密保持モードが解除されるまで継続される。RAM142Aは、上述したようにバックアップメモリであることにより、孔版印刷装置1Aに電源を供給するための電源スイッチのオフ後においても、上記機密保持状態が保持されることは言うまでもない。
次に、機密保持キー138を使用し機密保持モードを設定して追加印刷を行う動作例、つまり印刷ドラム51上に巻装されているマスタが機密を保持する必要のある製版済みのマスタ26cである場合について述べる。機密を保持すべき所定印刷枚数の印刷動作完了後に、追加印刷を行いたい場合がある。このようなとき、ユーザは機密保持モード・設定状態を解除するために、機密保持モード解除手段であるテンキー130とエンターキー131との組み合わせで、例えばテンキー130で暗証コードとして「6,7,8,9」をこの順に押下した後、エンターキー131を押下することで「6,7,8,9」を確定・設定すると、操作パネル125よりCPU141Aに機密保持モード解除に係る信号が送信される。これにより、CPU141Aは、RAM142Aに書き込まれた機密モードプログラムを消去すると共に、機密保持キー138に内蔵された上記LEDを消灯させて機密保持モード解除状態であることを表示させ、かつ、主駆動部72に動作に係る指令信号を送ることで、孔版印刷装置1Aの印刷部5、給紙部7、排紙部8の上記各制御対象駆動手段を制御することにより、追加印刷動作が可能な状態となる。
ユーザは上述したと同様に、テンキー130で印刷枚数を表示装置135に置数し、印刷速度設定キー134で印刷速度を設定し、所望する印刷物に合わせて適宜変倍キー136c等を押して印刷スタートキー127を押すことにより、上記版付け、試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が置数・セットした追加印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。印刷動作完了後、印刷ドラム51は再びホームポジションに戻る。機密を保持すべき追加印刷動作完了後に、印刷ドラム51上に巻装されている使用済みのマスタ26dは、当然のこととして機密情報を持っているから、ユーザは機密を保持すべき追加印刷動作完了後に再び機密保持キー138を押すこととなる。
本実施形態では、第1の実施形態で説明した以外に、スキャナロック機構151はマスタロール26aの交換やマスタのジャム処理時等のためにスライド・開放される際のロック手段を兼ねている他、読取ユニット23作動時の安全上の配慮(例えば回転駆動中の印刷ドラム51を始めとした駆動部分からの隔絶のため)からもスキャナロック機構151が配設されている。そのため、読取ユニット23の本体フレーム2からのスライド・開放を許容するための開放設定手段としての開放キーを操作パネル125に配設することが望ましい。
従って、印刷装置の機種に拘わらず、完全に機密情報を保持するためには、機密保持モード設定状態にあっては、第1の実施形態で説明した以外に、開放設定手段としてのスキャナユニット開放キーからの信号が、CPU141Aに送信されたとしても、CPU141Aはこれを無効化して機密保持モード設定状態を保持するように構成される。そして、機密保持モード解除状態にあっては、第1の実施形態で説明した以外に、スキャナユニット開放キーからの信号が、CPU141Aに送信されたとき、CPU141Aは、スキャナユニット開放キーからの信号に基づいて原稿画像読取駆動部22Aのソレノイド154を作動すべくオン制御することにより図13(b)に二点鎖線で示すロック解除状態(アンロック状態)にすることで、上記した必要な処理・操作を行えるようになる。
装置構成が第1の実施形態や第1の参考例よりも複雑化してコストアップしても構わないのであれば、第1の実施形態のプロッタロック機構38、ドラムロック機構59、排版ロック機構89およびドアロック機構114に、スキャナロック機構151を加えて、機密保持モードが設定されたとき、上記全てのロック機構38,59,89,114,151をしてロック作動するように制御しても構わない。なお、読取ユニットおよびそのロック手段は、スキャナユニット23およびスキャナロック機構151に限らず、例えば実開平4−39023号公報に開示されているような揺動・開閉方式のユニットにスキャナロック機構151に類似のロック手段を配設することにより上述したと同様に構成し動作させることができる。
(第2の参考例)
第2の参考例は、第1の実施形態を示す各図を借りて説明すると、第1の実施形態と比較して、プロッタユニット25のユニット構成、プロッタロック機構38、排版ユニット82のユニット構成、排版ロック機構89を除去して、ドラムユニット50、ドラムロック機構59および前ドアカバー111のドアロック機構114を有し、機密保持キー138の押下により機密保持モードが設定されたとき、ドラムユニット50の本体フレーム2からの離脱を阻止するようにドラムロック機構59を制御し、かつ、ドアカバー111の開放を阻止するようにドアロック機構114を制御する第6の制御手段としてのマイクロコンピュータを備えて構成された制御装置(図示せず)を具備する孔版印刷装置である。第2の参考例の細部構成および動作は、第1の実施形態から容易に理解して実施できるからこれ以上の説明を省略する。
(第3の参考例)
第3の参考例は、第1の実施形態を示す各図を借りて説明すると、第2の参考例と比較して、さらにドラムユニット50のユニット構成およびドラムロック機構59を除去して、印刷ドラム51を覆う位置と印刷ドラム51を露出する位置との間で開閉自在に配設された開閉手段としての前ドアカバー111およびそのドアロック機構114を有し、機密保持キー138の押下により機密保持モードが設定されたとき、ドアロック機構114をしてロック作動するように制御する第7の制御手段としてのマイクロコンピュータを備えて構成された制御装置(図示せず)を具備する孔版印刷装置である。この場合の印刷ドラム51は、本体フレーム2から離脱できない構成であり、例えばA4サイズの用紙のみを用いて印刷可能な専用機等を含む。第3の参考例の細部構成および動作は、第1および第2の参考例から容易に理解して実施できるからこれ以上の説明を省略する。なお、第3の参考例の開閉手段には、その機能から見て、図13に示したスキャナユニット23を有する孔版印刷装置の場合にはスキャナユニット23が含まれる。
図15に、ドラムロック機構の変形例を示す。
図15において、符号59Aはドラムロック機構を示す。ドラムロック機構59Aは、例えば本願出願人が提案した特開2001−10189号公報の図4、図5に示され、段落「0072」ないし「0076」に記載されている版胴駆動手段(80)および着脱駆動部と実質的に同じである。図15において、符号73は、ドラムギヤ60に代えて、ドラムユニット50側の後フレームに固着され切欠部73aを備えた円環部を示す。符号74は、駆動モータ65側の駆動ギヤ61に代えて、歯付プーリ62に一体的に取付けられ駆動モータ65の回転駆動力が伝達される版胴駆動板74を示す。符号74aは版胴駆動板74と一体成形された突起部を、符号74bは版胴駆動板74の突起部74aに開けられたピン孔を、符号75は印刷ドラム51の端板51aに植設・固着された嵌合ピンをそれぞれ示す。
ドラムユニット50を図示しないドラムユニット着脱手段を介して本体フレーム2に挿入しセットするとき、図15(a)に示すように上記後フレーム側の円環部73の切欠部73aと版胴駆動板74の突起部74aとの位置が合った状態で、円環部73の内側に版胴駆動板74が嵌入されると同時に、印刷ドラム51側の嵌合ピン75が版胴駆動板74側のピン孔74bに嵌入することにより、駆動モータ65の回転駆動力が印刷ドラム51に伝達可能な状態となり、この状態で駆動モータ65が時計回り方向または反時計回り方向に所定の回転をすると、図15(b)において版胴駆動板74の突起部74aの回転位置が上記後フレーム側の切欠部73aに対してずれるから、ドラムユニット50が本体フレーム2からドラムユニット抜き出し方向Xに離脱不能なロック状態に保持されることとなる。
ドラムロック機構59,59Aは、これらに限らず、例えば本願出願人が提案した特開平8−183238号公報の図6および図7に示され段落「0051」ないし「0059」に記載されている離脱禁止機構(92)を用いてもよい。
図16に、機密保持キー138に代えた機密保持モード設定手段の変形例を示す。
図16に示す機密保持モード設定手段は、原稿11の画像を読み取る原稿読取手段としての画像センサ21と、原稿11の画像面側の特定領域である例えば図16における原稿11の右上余白部146(破線で示す)に形成された読み取り可能な標識としての例えば黒色の輪環マーク147と、画像センサ21からの輪環マーク147の読み取りに係る信号に基づいて、機密保持モードを自動的に設定する第5の制御手段としての制御装置140,140A(以下、第1の実施形態の制御装置140で代表する)とから主に構成される。
標識は、黒色の輪環マーク147に限らず、画像センサ21で読み取り可能なものおよび範囲のものであれば、黒色以外の赤等の有色の輪環マーク147であってもよく、また形状は矩形状等でもよく、また丸付きの「秘」や「機密」文字、「シークレット」文字、丸付きの「S」文字、あるいはバーコード等でも構わない。
制御装置140には、機密保持モードを自動的に設定するという基本的な制御機能の他に、次の制御機能を付与するとよい。すなわち、輪環マーク147を含む原稿11の画像の読み取りは製版動作と並行してもしくは少し遅れて製版動作が行われるから、機密保持モードは製版スタートキー126等の押下による製版条件の設定後に設定される。従って、機密を保持すべき版付け印刷物を含む機密を保持すべき正規の印刷物を得るためには、輪環マーク147を含む原稿11の画像の読み取りによって機密保持モードが設定されても、版付けを含む印刷条件の設定を可能として設定された印刷枚数の印刷を行えるようにする必要がある。このような点に着目して、制御装置140は、画像センサ21からの輪環マーク147の読み取りに係る信号に基づいて、機密保持モードを自動的に設定した後、印刷条件の設定を可能とするようにテンキー130、印刷スタートキー127からの信号に基づいて、所定の印刷を実行するように主制御部72を制御する制御機能を付与すればよい。以下の動作は、上記各実施形態と同様に行われる。
図16に示した機密保持モード設定手段によれば、機密が漏れては困る第三者に対して、視認できる機密保持キー138を除去することが可能となるから、機密保持機能をさらに高めることができると共に、ユーザが機密を要する所定の印刷終了後に機密保持キー138を押すのを忘れてしまって機密保持モード解除(通常モード)となってしまうことで、上記した機密情報の漏洩をさらに確実に防止することができる。図16に示した機密保持モード設定手段は、機密保持キー138と併用して配設し、適宜切り替えて使い分けるようにしてもよい。
上述したプロッタロック機構38における引張ばね41とソレノイド42との組み合わせ、排版ロック機構89における引張ばね91とソレノイド92との組み合わせ、ドアロック機構114における引張ばね116およびソレノイド117との組み合わせは、これに限らず、電源オフ状態でも各ロック作動状態を行える永久磁石を備えたいわゆるキープソレノイドに置き換えても構わない。また、製版に用いる画像信号データは、孔版印刷装置1,1Aに配設された図示しないコントローラを介して通信可能に接続されたパソコンを含むコンピュータから送信されるものであってもよい。
上述した構成例および動作例に限らず、機密保持キー138や図16に示した機密保持モード設定手段により機密保持モードが設定された時、機密保持したいユニットや開閉手段のロック機構だけを選択的に設定(全ユニットのロック機構38,59,89,151およびドアロック機構114またはこれらの2つ以上の組み合わせ)してロックできるように、例えば図11に示した表示装置136の階層表示構造を利用したタッチパネル方式等で構成してもよい。
上述した構成例および動作例に限らず、マスタや用紙のジャム処理、サプライ(マスタやインキ等)の交換、排版ボックス内の排版破棄等の場合は、操作パネルの各種キーで暗証コード入力後、機密モードを解除したいユニットや開閉手段のロック機構だけを選択的に設定(全ユニットのロック機構38,59,89,151およびドアロック機構114またはこれらの2つ以上の組み合わせ)した後、その処理を行うように構成してもよい。また、機密モードを解除後、選択的に排版を行うように構成してもよい。
本発明に係る印刷装置は、上記実施形態の孔版印刷装置に限らず、例えば、特開平7−17013号公報(特許第2790963号公報)に開示されているような印刷ドラムの外側からインキを供給する構成のもの、つまり印刷ドラム上のマスタにインキを供給して、印刷画像を用紙上に形成するいわば凹版印刷装置とも呼べるような構成の印刷装置にも準用できる。すなわち、所定の印刷終了後に印刷ドラム上に機密保持を要する製版済みの版や使用済みの版を残しておく虞のある印刷装置であればどのようなタイプの装置にも適用ないしは準用可能である。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。