JP4410502B2 - 孔版印刷装置ネットワークシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置ネットワークシステムに関し、さらに詳しくは、孔版印刷装置とコンピュータとが通信可能に接続されて構成された孔版印刷装置ネットワークシステムにおける機密モード処理および機密解除モード処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、簡便な印刷方式として感熱デジタル式の孔版印刷装置が知られている。これは、熱可塑性樹脂フィルムを有する感熱孔版マスタ(以下、「マスタ」という)に微細な発熱素子が1列ないしは複数列に並んだサーマルヘッドを接触させ、この発熱素子に対しパルス的に通電を行いながらマスタをプラテンローラ等のマスタ搬送手段で搬送することにより、サーマルヘッドの発熱素子に接触しているマスタの熱可塑性樹脂フィルム部分を画像情報に基づいて加熱溶融穿孔することで、マスタに穿孔画像を形成した後、この穿孔されたマスタ(以下、「製版済みのマスタ」という)を印刷ドラムとも呼ばれる版胴の外周面に巻き付け、プレスローラ等の押圧手段によって印刷用紙(以下、「用紙」という)を版胴の外周面に押し付けることで版胴の開孔部分およびマスタの穿孔部分からインキを滲出させ、このインキを用紙に転移させて印刷画像を得るものである。
【0003】
このような孔版印刷装置では、印刷が終了して原稿を変更した後、次の印刷を行う際に、先ず、ユーザが製版スタートキーを押す操作を行うことにより、排版手段が版胴から使用済みのマスタを剥離し、製版手段によって新しく製版された製版済みのマスタを版胴の外周面に自動的に巻装させるように構成されている。これは、印刷終了直後に版胴より使用済みのマスタを剥離すると、次の印刷に先立って新しい製版済みのマスタが巻装されるまでは版胴の外周が大気に晒された状態で放置されることとなり、この放置状態が長時間に及ぶと、版胴の外周面や開孔部分に残留したインキが硬化し、次版の印刷に際してマスタへのインキの流動が阻害されて良好な印刷が行われないことがあるため、使用済みのマスタを版胴の外周面上に巻装させておくことによって、版胴外周面の乾燥を防止してそのインキの流動性を確保するためである。
【0004】
けれども、上述のように使用済みのマスタを版胴に巻装させたまま放置しておくと、孔版印刷装置のユーザが交代して製版スタートキーを押さずに印刷スタートキーまたは試し刷りキーを押した場合には、前ユーザの原稿がそのまま印刷されてしまう。このことは、原稿の内容が他のユーザに知られては困る内容のものや複製されては困る内容のもの、つまり機密を保持すべきものであるとき、大きな問題となる。
【0005】
この問題点を解決するため、原稿の機密漏洩を防止するための一連の動作に係る機密保持モードを設け、このモード設定時においては、機密に係る原稿を製版した製版済みのマスタを廃棄すると共に新しい未製版のマスタを版胴に巻装することにより、原稿の機密を保持する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記特開昭59−198185号公報(特許文献1)に開示された技術の有する問題点、すなわち機密保持モード時において未製版のマスタを版胴に巻装するため、マスタが無駄となってコストアップしてしまうという問題点を解消する技術も既に公知である(例えば、特許文献2ないし4参照)。
すなわち、特開昭63−74679号公報(特許文献2)に開示された技術は、印刷部に原稿をセットした状態でスタートキーを押すと排版動作に続いて製版動作、印刷動作を自動的に行い、原稿をセットしない状態でスタートキーを押すと印刷動作のみを行う孔版印刷装置において、機密保持キーからの入力がメモリーに入力されると、原稿がセットされていない状態では印刷動作を行わないように構成され、マスタを無駄にすることなく原稿の機密を保持することができるものであった。
【0007】
本願出願人により提案された特開平8−183238号公報(特許文献3)に開示された技術は、特開昭59−198185号公報(特許文献1)および特開昭63−74679号公報(特許文献2)にそれぞれ開示された技術を適用し、機密保持モード状態で印刷動作を規制することにより原稿の機密保持を行おうとしても、最近の多くの孔版印刷装置に設けられ印刷に先立って用紙に対する原稿画像の位置や原稿画像の濃度などを確認するために、少数枚の印刷を行うための試し刷り機能を割り付けられた試し刷りキーが押された場合には原稿の機密が保持されずにそのまま印刷されてしまったり、装置本体より版胴を離脱して巻装されたマスタを版胴から剥離させることによりその内容を判読することができたりすることで、機密保持を行うことができないという問題点を解消できるものであった。
すなわち、特開平8−183238号公報(特許文献3)に開示された技術によれば、機密保持キーが押されると、制御手段は製版スタートキーからの入力のみを有効とすると共に、製版スタートキーが押されたときのみ機密保持モードを解除し、記憶手段は、機密保持キーが押されると、製版スタートキーが押されて機密保持モードが解除されるまで、機密保持モードが設定されたことを記憶するので、機密保持モード時において印刷スタートキーまたは試し刷りキーが押されても印刷動作または試し刷り動作は行われず、印刷物の機密を保持することができ、また、この機密保持モードを解除する手段が、製版スタートキーの押下のみであるため、機密内容を製版されたマスタが排版手段によって版胴より剥離、廃棄されないと機密保持モードが解除されないので、製版されたマスタから機密が漏洩することも防止できる。さらに、機密保持モードを記憶する記憶手段が、機密保持モードが解除されるまで機密保持モードを記憶しているので、機密保持モード時において、孔版印刷装置の電源が落とされても機密保持モードが解除されることがなく、機密保持性が高いという効果を奏するものであった。
加えて、機密保持キーが押されると、制御手段は版胴の装置本体からの離脱を禁止するので、孔版印刷装置より版胴を外し、他の同種の孔版印刷装置によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、版胴より製版済みのマスタを剥離させ、マスタそのものを解読することで機密が漏洩する事態をも防止することができるという効果も奏するものであった。
【0008】
一方、本願出願人により提案された特開平9−71029号公報(特許文献4)に開示された技術によれば、特開昭59−198185号公報(特許文献1)および特開昭63−74679号公報(特許文献2)にそれぞれ開示された技術の問題点、すなわち電源スイッチをオフさせても、次使用者に対する機密保持モード設定状態を確保するために、不揮発性またはバックアップされたメモリを必要とするため、コスト高になるという問題点を解消できるものであった。
【0009】
上記各公報に開示された技術では、機密保持モードを設定すると、▲1▼印刷終了後に、その機密を保持すべき使用済みのマスタを自動的に排版・廃棄することにより原稿の機密を保持したり、▲2▼印刷終了後に、新たに製版を行うまで追加で印刷を実行できなくしたり、▲3▼版胴の離脱を不可にしたりすることなどで原稿の機密を保持しているものであった。
【0010】
【特許文献1】
特開昭59−198185号公報
【特許文献2】
特開昭63−74679号公報
【特許文献3】
特開平8−183238号公報
【特許文献4】
特開平9−71029号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公報に開示された技術では、近年のコンピュータ・ネットワークを利用した技術の発達に伴い、例えばホストコンピュータやパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)あるいはワークステーション等のコンピュータと孔版印刷装置とが通信可能に接続されて構成された孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記各公報に開示された技術を使用ないしは利用し、コンピュータからの信号によって孔版印刷装置を作動させた場合、以下のような新たな問題点が発生してしまう。
すなわち、例えばホストコンピュータと通信可能に接続された孔版印刷装置がある程度離れた場所にあって、孔版印刷装置により印刷・出力された機密文書が第三者によって見得る状態にあるような環境条件の場合、ユーザは孔版印刷装置から離れた場所に居てホストコンピュータを操作することにより機密保持モード(以下、「機密モード」という)の設定を行うが、孔版印刷装置側では印刷終了後に機密モードに移行するため、ユーザが孔版印刷装置まで移動する間に、その機密文書が印刷され出力された状態になってしまうことで機密保持が図れなくなってしまうという問題点がある。
【0012】
この問題点を回避して確実に出力文書の機密を保持したい場合、例えば上記ホストコンピュータと電気的に接続されていて手元にあるプリンタで機密を図るべき原稿を印刷・出力した後、その原稿を持って孔版印刷装置まで移動してからその孔版印刷装置の原稿読取部によって上記出力した原稿を読み取らせ、製版・印刷を実行する必要があり、便利な孔版印刷装置ネットワークシステムでありながら、結局従来と同様の操作の他に、手元にあるプリンタ等で機密を図るべき原稿を一度出力しなければならないという問題点が発生してしまう。
【0013】
一方、例えばホストコンピュータと通信可能に接続された孔版印刷装置がある程度離れた場所にあって、孔版印刷装置により印刷され出力された機密文書がその機密が漏れてはならない第三者によって見得る状態にないような環境条件の場合、例えばちなみに学校等での試験文書を大量に印刷するために生徒等が立ち入ることができないようにその孔版印刷装置が特別な部屋(例えば職員室を仕切ってあるような場合等)に隔離されているような環境条件の場合、教師(ユーザ)が孔版印刷装置から離れた場所にあるホストコンピュータを操作することにより機密モードの設定を行った後、試験文書(機密文書)を取りに孔版印刷装置まで移動する間に、その試験文書(機密文書)が出力された状態になっても生徒等が立ち入ることができないから特別な問題は発生しない。
【0014】
したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、上記問題点を解決して、例えば孔版印刷装置から出力される機密文書がその機密が漏れてはいけない第三者によって見得るような状態にある環境条件の場合、孔版印刷装置より離れた場所にあるコンピュータから機密を確実に保持した製版・印刷が可能となる孔版印刷装置ネットワークシステムを提供することを第1の目的としている他、後述する請求項ごとの効果を奏する孔版印刷装置ネットワークシステムを提供することも目的としている。
また、例えば孔版印刷装置から出力される機密文書が第三者によって見得る状態にあるか否かの環境条件に応じて、孔版印刷装置より離れた場所にあるコンピュータから機密を確実に保持した製版または製版・印刷が可能となる孔版印刷装置ネットワークシステムを提供することを第2の目的としている他、後述する請求項ごとの効果を奏する孔版印刷装置ネットワークシステムを提供することも目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、各請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、製版済みのマスタを巻き付けられて回転駆動される多孔性円筒状の版胴を備えた印刷部、マスタを製版しその製版済みのマスタを上記版胴に巻き付ける製版部および上記版胴より使用済みのマスタを排版する排版部を具備した孔版印刷装置と、上記孔版印刷装置と通信可能に接続されたコンピュータとで構成され、該コンピュータからの信号に基づいて上記孔版印刷装置が作動する孔版印刷装置ネットワークシステムであって、上記コンピュータは、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、この後、印刷動作を行う製版・印刷モードおよび上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける動作までを行い、以降の印刷動作を禁止する製版終了後機密モードの何れか一方を選択的に設定する機密モード設定手段を備えており、上記機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記製版終了後機密モードを実行するように上記排版部、上記製版部および上記印刷部を制御する第1の制御手段を有し、上記孔版印刷装置は、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えており、上記孔版印刷装置で上記機密解除モードを設定することによって、上記新しい製版済みのマスタを巻き付けた上記版胴で上記印刷動作を行うことを可能にしたことを特徴とする。
【0016】
請求項1において、「孔版印刷装置と通信可能に接続されたコンピュータ」とは、孔版印刷装置とコンピュータとが通信ケーブルを介して電気的に接続されている場合を含む他、光ファイバケーブルや赤外線等で通信可能に接続されている場合も含まれる。これは、請求項8でも同様である。
「版胴より使用済みのマスタを除去した後、版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け」とは、版胴より使用済みのマスタを除去する排版動作後に、版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける製版・給版動作が行われることを意味する他、排版動作と並行して製版・給版動作が行われることも含まれる。また、「版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、この後、印刷動作を行う」とは、製版・給版動作後に印刷動作が行われることを意味する他、製版・給版動作と並行して印刷動作が行われることも含まれる。これは、請求項でも同様である。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記版胴は、上記孔版印刷装置の本体に対して着脱自在に設けられており、上記製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱を禁止する第2の制御手段を有し、上記孔版印刷装置は、第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モード設定手段は、既存の操作パネルを構成している操作構成要素の少なくとも2つの組み合わせからなることを特徴とする。
【0020】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モード設定手段からの機密解除モード設定信号に基づいて、上記機密解除モードを実行させる第3の制御手段を有することを特徴とする。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記コンピュータは、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成する第1の解除コード生成手段を備えており、上記孔版印刷装置は、第1の解除コードと同一の第2の解除コードを生成することが可能な第2の解除コード生成手段を備えており、第1の解除コード生成手段から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき、上記機密解除モードを設定して該機密解除モードを実行させる第4の制御手段を有することを特徴とする。
【0022】
請求項記載の発明は、請求項ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記コンピュータは、製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを上記孔版印刷装置に送信する場合、上記複数頁の先頭頁にのみ上記製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モード設定手段を備えており、上記先頭頁機密モード設定手段からの先頭頁機密モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止を上記先頭頁にのみ対して実行させる第5の制御手段を有することを特徴とする。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項ないし6の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モードが設定されて上記印刷動作が終了した後、再度、上記製版終了後機密モードに移行することを特徴とする。
【0024】
請求項記載の発明は、製版済みのマスタを巻き付けられて回転駆動される多孔性円筒状の版胴を備えた印刷部、マスタを製版しその製版済みのマスタを上記版胴に巻き付ける製版部および上記版胴より使用済みのマスタを排版する排版部を具備した孔版印刷装置と、上記孔版印刷装置と通信可能に接続されたコンピュータとで構成され、該コンピュータからの信号に基づいて上記孔版印刷装置が作動する孔版印刷装置ネットワークシステムであって、上記コンピュータは、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、この後、印刷動作を行う製版・印刷モード、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、その後、印刷動作までを実行し、以降の使用済みのマスタによる印刷動作を禁止する印刷終了後機密モードおよび上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける動作までを実行し、以降の印刷動作を禁止する製版終了後機密モードのうちの何れか一つを選択的に設定する複数機密モード設定手段を備えており、上記複数機密モード設定手段からの印刷終了後機密モード設定信号に基づいて、上記印刷終了後機密モードを実行するように、上記複数機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記製版終了後機密モードを実行するように、それぞれ上記排版部、上記製版部および上記印刷部を制御する第1の制御手段を有し、上記孔版印刷装置は、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えており、上記孔版印刷装置で上記機密解除モードを設定することによって、上記新しい製版済みのマスタを巻き付けた上記版胴で上記印刷動作を行うことを可能にしたことを特徴とする。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記版胴は、上記孔版印刷装置の本体に対して着脱自在に設けられており、上記印刷終了後機密モード設定信号または上記製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱を禁止する第2の制御手段を有し、上記孔版印刷装置は、第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えていることを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モード設定手段は、既存の操作パネルを構成している操作構成要素の少なくとも2つの組み合わせからなることを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項または記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モード設定手段からの機密解除モード設定信号に基づいて、上記機密解除モードを実行させる第3の制御手段を有することを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明は、請求項8ないし11の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記コンピュータは、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成する第1の解除コード生成手段を備えており、上記孔版印刷装置は、第1の解除コードと同一の第2の解除コードを生成することが可能な第2の解除コード生成手段を備えており、第1の解除コード生成手段から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき、上記機密解除モードを設定して該機密解除モードを実行させる第4の制御手段を有することを特徴とする。
【0030】
請求項13記載の発明は、請求項ないし12の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記コンピュータは、製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを上記孔版印刷装置に送信する場合、上記複数頁の先頭頁にのみ上記製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モード設定手段を備えており、上記先頭頁機密モード設定手段からの先頭頁機密モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止を上記先頭頁のみに対して行う第5の制御手段を有することを特徴とする。
【0031】
請求項14記載の発明は、請求項ないし13の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、上記機密解除モードが設定されて上記印刷動作が終了した後、再度、上記製版終了後機密モードに移行することを特徴とする
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0033】
(第1の実施形態)
図1〜図10を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
まず、図1および図2に基づいて、本実施形態に係る孔版印刷装置ネットワークシステムの概要を説明する。
【0034】
図1において、符号1は孔版印刷装置(以下、「孔版印刷機」と言い替えることがある)を、符号100はコンピュータとしての例えばホストコンピュータを示す。孔版印刷機1とホストコンピュータ100とは、通信ケーブル101を介して電気的に接続されていて、最も単純な孔版印刷装置ネットワークシステムを構成している。
孔版印刷機1は、後で詳述するように図5および図6に示す特有の制御構成を有する他、製版済みのマスタを巻装する印刷ドラムとも呼ばれる版胴を備え、版胴の内部からインキを供給することにより、給送されてきた用紙を版胴上の製版済みのマスタに押し付けて印刷を行う周知の構成を有する。
【0035】
ホストコンピュータ100は、後で詳述するように図3に示す特有の機能・構成を有する他、ここでは、画像を編集しこれをデジタル信号に変換して外部の孔版印刷機1に送信することにより、上記画像に応じた印刷を可能とするソフトウェアとハードウェアとで構成されたコンピュータを指す。
【0036】
孔版印刷装置ネットワークシステムは、図1に示したものに限らず、例えば図2に示すように、複数台(図2では2台)のホストコンピュータ100A,100Bと複数台(図2では2台)の孔版印刷機1A,1Bとがネットワーク回線を介して通信可能に接続されているものであってもよい。この孔版印刷装置ネットワークシステムでは、各ホストコンピュータ100A,100Bから孔版印刷機1A,1Bの何れか一つを選択して、印刷を実行させることができる。以下、説明の簡単化のため、図1の孔版印刷装置ネットワークシステムで説明する。
【0037】
コンピュータは、ホストコンピュータ100〜100Bに限らず、パソコンやワークステーション等であってもよい。また、孔版印刷装置は、孔版印刷機1〜1Bに限らず、製版済みのマスタを巻き付けられて回転駆動される多孔性円筒状の版胴を備えた印刷部、マスタを製版しその製版済みのマスタを版胴に巻き付ける製版部および版胴より使用済みのマスタを排版する排版部を具備していれば、どのような孔版印刷装置であってもよい。
【0038】
孔版印刷機1は、印刷部2、製版部としてのプロッタ3、給紙部4、排版部5排紙部6および画像読取部としてのスキャナ32から主に構成されている。
印刷部2は、版胴7、インキ供給手段8、プレスローラ9から主に構成されていて、回転駆動される版胴7上の製版済みのマスタに給紙部4から給送されてくる印刷用紙50をプレスローラ9で押し付けて印刷する機能を有する。
【0039】
版胴7は、ステンレス薄板をエッチング加工したもの、あるいはニッケル電鋳された薄板により円筒状に形成されている。版胴7は、インキ通過性の孔をその外周面上に多数穿設された印刷可能領域と、ステージ部10を固着された非印刷可能領域とを有しており、後述する駆動モータ12によって回転駆動される。また、版胴7の外周面上には、ポリエステルまたはステンレスの細線等で織られた図示しないメッシュスクリーンが1〜3層程度巻き付けられている。さらに版胴7の外周面上には、版胴7の軸線方向に延在するステージ部10と、ステージ部10と共にマスタの先端を挟持するクランパ11とが配設されている。クランパ11は、支軸11aに揺動自在に支持され、ステージ部10に対して接離・開閉自在に設けられている。
【0040】
版胴7の内部には、インキ供給手段8が配設されている。インキ供給手段8は、インキ供給パイプ13、インキローラ14、ドクターローラ15から主に構成されている。
インキ供給パイプ13は、版胴7の支持軸を兼ねており、その一端を孔版印刷装置本体側に配設された孔版印刷機1の筐体側板(以下、単に「筐体側板」という)に支持されており、その表面には、版胴7の内部にインキを供給するための無数の小さな孔が穿設されている。インキ供給パイプ13の下方には、インキローラ14とドクターローラ15とが配設されている。インキローラ14は、版胴7の側板に回転自在に支持されていて、その外周面を版胴7の内周面と当接させており、インキ供給パイプ13より供給されたインキを版胴7に供給する。インキローラ14の近傍には、回転自在なドクターローラ15が配設されている。ドクターローラ15は、その外周面とインキローラ14の外周面との間に僅かな間隙が生じるように配置されており、インキローラ14との外周面の近接部において、断面楔状のインキ溜まり16を形成する。インキ供給パイプ13よりインキ溜まり16へと供給されたインキは、インキローラ14とドクターローラ15との間隙を通過することにより均一な層状とされ、インキローラ14の外周面に供給される。
【0041】
図4に、版胴7の駆動機構を示す。
版胴7の両端部には、一対の端板7a,7bが取り付け・固定されている。版胴7は、インキ供給パイプ13の周りに、図示しない軸受および一対の端板7a,7bを介して回転自在に支持されており、一対の端板7a,7bと共に回転駆動される。版胴7の一方の端板7aの外壁面には、インキ供給パイプ13の外周面と僅かに隙間をもって同パイプ13を中心としたギヤ17が固着されている。インキ供給パイプ13の図4における左奥側の一端部は、ギヤ17を緩く貫通して、孔版印刷機1の図示しない筐体側板に支持されている。端板7aの外壁面には、版胴7の外周縁寄りに配置され、軸方向に延出するドグ25が固着されている。また、一方の端板7aと他方の7bの外方には、版胴7を持ち運ぶための略コ字状を呈した図示しない取手が、版胴7を軸方向に跨ぐようにインキ供給パイプ13に取り付けられている。他方の端板7b側の図示しない取手の側板には、インキ供給パイプ13へ供給するインキを補充するための図示しないインキ供給装置が設けられている。
【0042】
ギヤ17は、ギヤ部17aとフランジ部17bとを有しており、ギヤ部17aが端板7a側に位置するように配設され、フランジ部17bの一部が切り欠かれている。ギヤ17の近傍には、ギヤ部17aと噛み合うギヤ部18aとフランジ部18bとを有するギヤ18が配設されている。ギヤ18は、孔版印刷機1の上記筐体側板に回転自在に支持された支軸18cに固着されていて、フランジ部18bが端板7a側に位置するように配設され、フランジ部18bの一部がフランジ部17bと同様に切り欠かれている。ギヤ17とギヤ18とは、互いの切り欠き部が一致した状態においてのみ係脱自在となっており、他の状態では噛み合った各ギヤ部17a,18aが各フランジ部17b,18bに挟まれて、版胴7の軸方向のスライドが阻止されてその噛合・係合状態を解除できないように構成されている。版胴7は、孔版印刷機1の上記筐体側板に設けられた図示しないレール部材に、前述の図示しない取手を係合可能に構成されており、各フランジ部17b,18bの切り欠き部が一致する図4の状態において、図の白抜き矢印で示す版胴抜き出し方向に抜き出すことにより、孔版印刷機1からの取り外し・離脱が可能となっている。
【0043】
版胴7の回転と共に回転移動するドグ25の円軌道上には、ホームポジションセンサ26と機密モード位置センサ27とが配設されている。各センサ26,27は、孔版印刷機1の上記筐体側板に取り付けられており、ドグ25がその検知部を通過する際に、後述する制御装置90を構成する主制御部89のCPU86へ向けて信号を出力する。ホームポジションセンサ26は、フランジ部17bの切り欠き部とフランジ部18bの切り欠き部とが一致する位置においてドグ25を検知するように配設されている。
【0044】
支軸18cの一端部には、歯付プーリ19が固着されている。一方、駆動モータ12の出力軸端には、歯付プーリ20が固着されている。歯付プーリ19と歯付プーリ20との間には、タイミングベルト21が掛け渡されている。上述した構成のとおり、駆動モータ12と版胴7とは、歯付プーリ20、タイミングベルト21、歯付プーリ19、支軸18c、ギヤ18、ギヤ17からなる駆動力伝達手段を介して駆動力伝達関係にあり、駆動モータ12の回転駆動力は該駆動力伝達手段を介して版胴7に伝達されて、版胴7がインキ供給パイプ13を中心に回転駆動される。駆動モータ12の出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ22が取り付け・固定されており、エンコーダ22の外周部を挟む態様でパルス検出センサ23が孔版印刷機1の上記筐体側板に取り付けられている。これにより、駆動モータ12は、パルス検出センサ23によってその回転角度を検出され、検出された角度信号は、図示しないパルスカウンタおよび比較器を通過した後、後述する主制御部89のCPU86に入力される。
【0045】
版胴7の下方には、図示しない接離手段に支持され、その外周面を版胴7の外周面に対して接離自在に設けられた回転自在なプレスローラ9が配設されている。プレスローラ9は、図3に二点鎖線で示すように給紙部4より給送されてきた印刷用紙50を版胴7に押し付け・押圧して印刷用紙50に印刷画像を形成させる印刷位置と、同図に実線で示すように版胴7の外周面から離間した非印刷位置との間で揺動変位自在に配設されている。プレスローラ9近傍の上記筐体側板側には、プレスローラ9を印刷位置と非印刷位置との間で版胴7の回転と同期を取って揺動変位させる上記接離手段が配設されている。
【0046】
印刷部2の上方の筐体の上部には、原稿の画像を読み取るスキャナ32が配設されている。
スキャナ32は、図示しない原稿受け台上に配置された複数枚の原稿を一枚ずつ自動的に分離・搬送して読取部としてのコンタクトガラス41上に移送した後、図示しない原稿排紙台に排出する周知の構成を具備するADF(自動原稿給送装置)ユニット40と、ADFユニット40により搬送された原稿または手動操作により原稿が載置されるコンタクトガラス41と、コンタクトガラス41上を搬送される原稿または載置された原稿の表面を照明する蛍光灯42と、原稿の表面からの反射光を折り返し反射するミラー群43と、ミラー群43により反射された反射光を縮小レンズ44を介して受光するCCD(電荷結合素子)等の画像読取センサ45とを有する。画像読取センサ45は、受光した反射光に対応して光電変換をし、これにより得られた画像信号を図示しないアナログ/デジタル(以下、「A/D」と略記する)変換部に入力する。
【0047】
スキャナ32の下方であって印刷部2の右方には、マスタ34を製版しその製版済みのマスタ34を版胴7の外周面に巻き付けるためのプロッタ3が配設されている。プロッタ3は、マスタ貯容手段28、製版手段29、切断手段30、搬送手段31等から主に構成されている。
【0048】
マスタ貯容手段28は、孔版印刷機1の上記筐体側板に固着されたマスタ貯容部材33等から主に構成されている。マスタ貯容部材33は、マスタ34をロール状に巻成したマスタロール35の芯部35aを回転自在に支持している。
マスタ貯容手段28の左方には、製版手段29が配設されている。製版手段29は、プラテンローラ36、サーマルヘッド37等から主に構成されている。プラテンローラ36は、上記筐体側板に回転自在に支持され、図示しないステッピングモータによって回転駆動される。サーマルヘッド37は、多数の発熱素子を有しており、上記筐体側板に取り付けられており、図示しない付勢手段によってプラテンローラ36に圧接する向きに付勢されている。サーマルヘッド37は、スキャナ32の画像読取センサ45により光電変換された画像信号が上記A/D変換部に入力されてデジタル画像信号に変換され、さらに図6に示す画像処理部91で処理されて送出されるデジタル画像データ信号に基づいて、多数の発熱素子を発熱駆動されることでマスタ34を位置選択的に穿孔・製版する周知の機能を有する。
【0049】
製版手段29のマスタ搬送方向下流側には、上記筐体側板に取り付けられた固定刃30aと、この固定刃30aに対して回転移動する可動刃30bとからなる切断手段30が配設されている。切断手段30のマスタ搬送方向下流側には、図示しない駆動手段で回転駆動される駆動ローラ31a,31cと、各駆動ローラ31a,31cと連れ回りする従動ローラ31b,31dとから構成される搬送ローラ対等からなる搬送手段31、およびマスタの搬送を案内・補助するガイド板38,39等がそれぞれ配設されている。
【0050】
プロッタ3の下方には、給紙部4が配設されている。給紙部4は、給紙台としての給紙トレイ46、給紙ローラ47、分離手段48、レジストローラ対49等から主に構成されている。
【0051】
給紙トレイ46は、その上面に印刷用紙50を積載し、印刷用紙50の増減と連動して、上記筐体側板に上下動自在に支持されている。また、給紙トレイ46には、サイドフェンス51と、サイドフェンス51の移動に伴って印刷用紙50の幅を検知する印刷用紙幅検知センサ52とが設けられている。
給紙ローラ47は、給紙トレイ46上の最上位の印刷用紙50と当接するように設けられており、図示しない駆動手段で回転駆動される。分離ローラ48aは、給紙ローラ47を回転駆動する上記駆動手段によって回転駆動され、それぞれ図示しない歯付プーリおよびタイミングベルトからなる駆動力伝達手段を介して給紙ローラ47に連結されている。
分離手段48は、分離ローラ48aと、分離ローラ48aと圧接する方向およびこれから離間する方向に上記筐体側板に移動自在に案内された摩擦分離部材としての分離パッド48bと、この分離パッド48bを分離ローラ48aと圧接する向きに付勢する図示しない圧縮ばねとからなる。給紙ローラ47により複数枚の印刷用紙50が引き出された場合、分離手段48による協働作用によってその最上位の1枚のみが分離される。レジストローラ対49は、分離手段48によって給送された印刷用紙50の先端を突き当てることで印刷用紙50の先端部に所定の撓みを形成し、版胴7の回転およびプレスローラ9の揺動動作と同期して、版胴7の外周面とプレスローラ9との間に印刷用紙50を給送する。
【0052】
印刷部2の左方には、版胴7より使用済みのマスタ34を排版する排版部5が配設されている。排版部5は、上部排版部材53、下部排版部材54、排版ボックス55、圧縮板56等から主に構成されている。
【0053】
上部排版部材53は、図示しない駆動手段で回転駆動される駆動ローラ57と従動ローラ58、および各ローラ57,58間に掛け渡された耐油性を有するゴムベルト59から構成されている。下部排版部材54は、駆動ローラ57と図示しないギヤ列によって連結され回転駆動される駆動ローラ60と従動ローラ61、および各ローラ60,61間に掛け渡された耐油性を有するゴムベルト62から構成されている。下部排版部材54は、駆動ローラ57の図示しない支軸を中心に、図示しない移動手段によって左右方向に移動自在に設けられており、駆動ローラ60の外周面は、版胴7の外周面に対して接離自在となるように構成されている。排版ボックス55は、その内部に剥離搬送された使用済みのマスタ34を貯容する機能・構成を有し、上記筐体側板に対して着脱自在に設けられている。排版ボックス55の上方近傍には、図示しない昇降手段によって図の実線位置と破線位置とを選択的に取り得る上下動自在な圧縮板56が配設されている。
【0054】
排版部5の下方には、印刷部2で印刷された印刷用紙50を版胴7から剥離し排紙台としての排紙トレイ68に排出する排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪63、従動ローラ64、駆動ローラ65、無端ベルト66、吸引ファン67、排紙トレイ68等から主に構成されている。
【0055】
剥離爪63は、版胴7上の製版済みのマスタからインキを転移された印刷済みの印刷用紙50を剥離するものであり、その基端部を上記筐体側板に所定角度回動自在に支持され、その先端を版胴7上の製版済みのマスタに近接させて印刷済みの印刷用紙50を剥離・分離する分離位置と、その先端を分離位置から離間させることでクランパ11等の障害物がその先端と干渉しない非分離位置との間で揺動変位自在に配設されている。剥離爪63の基端部近傍の上記筐体側板側には、剥離爪63の先端を分離位置と非分離位置との間で、版胴7の回転と同期を取って揺動変位させる図示しない揺動手段が配設されている。
従動ローラ64と駆動ローラ65とは、上記筐体側板に回転自在に支持されており、各ローラ間64,65には、表面に複数の開孔を有する耐油性を有する無端ベルト66が掛け渡されている。駆動ローラ65は、図示しない駆動手段で回転駆動され、この回転力は無端ベルト66を介して従動ローラ64に伝達される。従動ローラ64と駆動ローラ65との間の下方には、無端ベルト66の表面に印刷画像を形成された印刷済みの印刷用紙50を吸引するための吸引ファン67が配設されている。駆動ローラ65の印刷用紙搬送方向下流側には、搬送・排出された印刷済みの印刷用紙50を積載する排紙トレイ68が配設されている。排紙トレイ68は、上記筐体側板側に着脱自在に取り付けられている。
【0056】
孔版印刷装置本体としての孔版印刷機1の筐体(以下、単に「筐体」という)内部には、孔版印刷機1の動作を制御する制御装置90が配設されている。制御装置90は、図示しないインターフェース装置および通信ケーブル101を介してホストコンピュータ100の主制御部102に電気的に接続されており、その詳細については後述する。
【0057】
図5は、孔版印刷機1の各部・各装置に所定の動作指示を与えたり動作状態を確認したりするための操作パネル69を示している。操作パネル69は、上記筐体の上部前面に設けられており、その上面に製版スタートキー70、印刷スタートキー71、試し刷りキー72、ストップキー73、テンキー74、エンターキー75、クリアキー76、プログラムキー77、拡大縮小キー78、印刷速度設定キー79、7セグメントLED(発光ダイオード)からなる表示装置81、LCD(液晶表示装置)からなる表示装置82等の周知の構成の他、機密モード状態を表示するLEDからなる機密モード表示手段84を有している。
【0058】
製版スタートキー70は、孔版印刷機1に製版・給版動作を行わせる際に押下され、製版スタートキー70が押下されると排版動作および原稿読取動作が行われた後ないしはこれらの動作と一部並行して製版動作が行われ、その後、版付け動作が行われて孔版印刷機1は印刷待機状態となる。製版スタートキー70は、後述する印刷終了後機密モードを解除するための印刷終了後機密解除モード設定手段としての機能を有する。印刷スタートキー71は、孔版印刷機1に正規の通常の印刷動作を行わせる際に押下され、孔版印刷機1が印刷待機状態となり各種印刷条件が設定された後に印刷スタートキー71が押下されることにより印刷動作が行われる。試し刷りキー72は、孔版印刷機1に試し刷りを行わせる際に押下され、各種条件が設定された後に試し刷りキー72が押下されることにより1枚だけ印刷が行われる。
【0059】
ストップキー73は、孔版印刷機1の動作を停止させる際に押下される。テンキー74は、数値入力等に用いられる他、後述する機密モード状態を手動操作により解除する機密解除モード設定手段を構成している。エンターキー75は、各種設定時に数値等を設定する際に押下される他、後述する機密モード状態を手動操作により解除する機密解除モード設定手段を構成している。機密解除モード設定手段による機密解除コードの一例としては、テンキー74で「1,2,3,4」をこの順に押下した後、エンターキー75を押下することで「1,2,3,4」を確定・入力する例が挙げられる。
このように、機密解除モード設定手段は、従来と同様の既存の操作パネル69を構成している操作構成要素としてのテンキー74の10種類のキーおよびエンターキー75との、少なくとも2つの組み合わせからなるものである。本発明における機密解除モード設定手段は、例えば特開平8−183238号公報の図5のフローチャートに示されている機密保持キー(83)の押下後に押下されることで機密モードを解除して排版・製版を実行するための製版スタートキー(70)とは異なり、後述する製版終了後機密モードを解除するためのものである。
【0060】
また、テンキー74は、機密解除モード設定手段の他、後述するようにホストコンピュータ100側の入力装置104におけるキーボードのテンキーにより生成される第1の解除コード(例えば「1234」)と同一の第2の解除コード(例えば「1234」)を生成することが可能な第2の解除コード生成手段の機能を有している。
【0061】
クリアキー76は、置数のクリア時等に押下され、プログラムキー77は、よく行う操作を登録したりそれを呼び出したりする際に押下される。拡大縮小キー78は、原稿の画像に対して拡大したり縮小したりする際にその倍率を設定するものである。印刷速度設定キー79は、印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。
【0062】
表示装置82には、例えば後述する図10において表示される、「機密モードが設定されました」という機密モードメッセージ表示や、「印刷できません」という印刷不可メッセージ表示のような孔版印刷機1の状態が報知・表示される他、製版あるいは排版ジャム、給紙あるいは排紙ジャム等の警告、印刷用紙、マスタ、インキ等のサプライの供給指示等も表示される。
なお、操作パネル69には、例えば特開平8−183238号公報の図3に示されている機密保持キー(83)が配置されていて、孔版印刷機1単独で機密モードを実行する構成であっても勿論構わない。
【0063】
説明の都合上から、まず、図7を参照してホストコンピュータ100側の制御構成を説明する。
ホストコンピュータ100のハードウェアは、ホストコンピュータ本体に内蔵されている演算装置および制御装置としての主制御部102および記憶装置103と、外付けされている入力装置104およびホストコンピュータ本体で処理された情報を出力する装置である出力装置としての画像表示装置105とから主に構成されている。
【0064】
主制御部102は、演算機能および制御機能を有するCPU等からなる。記憶装置103は、例えばキャッシュやレジスタを含む内部記憶装置(メインメモリ)と、例えばHDD(ハードディスク・ドライブ)からなる外部記憶装置とを有する。記憶装置103には、図9に示すように主としてホストコンピュータ100側での動作プログラムが予め記憶されている。主制御部102の上記両機能は、主として上記CPUが担っていることから、後述する説明の簡明化のために、「主制御部102」を「CPU102」というときがある。
【0065】
入力装置104は、主制御部102に対して指示を与えたりデータを入力する装置であり、本実施形態では周知構成のキーボードおよびマウス等を有する。画像表示装置105は、CRT(陰極線管・表示装置)を有するが、CRTに代えてLCD(液晶表示装置)も用いられる。また、入力装置としてはイメージスキャナやデジタルカメラあるいはデジタルビデオ、出力装置としてはプリンタ等も随時用いられる。
【0066】
ホストコンピュータ100のソフトウェア構成は、基本ソフトウェアとしてのOS(オペレーティング・システム)110と、アプリケーション・ソフトウェアとしてのアプリケーション112と、ユーティリティ・ソフトあるいはユーティリティ・プログラムとも呼ばれるユーティリティとしての印刷管理ユーティリティ113とから主に構成されていて、これらは相互に関連付けられている。 OS110には、ユーザがホストコンピュータ100を利用できる環境を提供するためのソフトウェアとして、例えばWindows(登録商標)が使用されていて、アプリケーション・ソフトウェアを共通して利用できるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の提供のための、孔版印刷機1側での後述する動作を制御する指示を与える印刷機用ドライバ111が設定されている。
【0067】
画像表示装置105には、印刷機用ドライバ111を作動させるために、図8に示す印刷機用ドライバ設定画面111A(以下、「印刷機のプロパティ画面111A」と言い替える)を表示させることができる。印刷機のプロパティ画面111Aは、例えばウインドウズ(登録商標)のデスクトップ画面またはWord(ワード:商品名)メニュー画面のファイルから、マウスによるカーソル移動操作や、キーボードの各種キーの組み合わせによるショートカットキー操作で呼び出すことができる。
図8に示した印刷機のプロパティ画面111Aの表示例は、マウスによるカーソル移動操作やキーボードのショートカットキー操作で上欄の「機密」に係る欄を選択して白黒反転表示させた後、さらに機密モードのうちの製版終了後機密モードを選択した場合のイメージを表している。印刷機のプロパティ画面111Aの欄外に注記したように、機密モードを選択・設定しない、すなわち後述する通常の製版・印刷モードに係る動作指示を孔版印刷機1に与えるコードとして「1」が、後述する製版終了後機密モードを選択・設定するコードとして「2」が、後述する印刷終了後機密モードを選択・設定するコードとして「3」が割り付け・設定されている。
【0068】
印刷機のプロパティ画面111Aの表示において、機密モード・メニューの下方にある「解除コード」は、製版終了後機密モードを解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成するためのものであり、例えばキーボードのテンキーで「1234」という第1の解除コードとしての数値コードを入力することで、後述する印刷用の画像データと一緒に第1の解除コード:「1234」を孔版印刷機1に送信できるようになっている。入力装置104におけるキーボードのテンキーは、第1の解除コードを生成する第1の解除コード生成手段としての機能を有する。
【0069】
印刷機のプロパティ画面111Aの表示において、解除コード・メニューの下方にある「先頭ページのみ」は、ホストコンピュータ100から製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを孔版印刷機1に送信する場合、複数頁の先頭頁にのみ製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モードを設定するためのものである。
【0070】
印刷機のプロパティ画面111Aの表示において、ユーザはマウスによるカーソル移動操作やキーボードの各種キーもしくはショートカットキー操作(以下、単に「マウスやキーボード操作」という)を行うことによって、上欄の各メニュー画面のうち、「全般」ではテスト印刷やプリンタ機能の表示等を、「詳細」ではプリント処理方法を、「共有」ではネットワークの他のユーザとプリンタ共有を、「用紙」では用紙の向き、サイズ、出力トレイ等を表示した後、マウスやキーボード操作によって必要なジョブやメニュー等を選択・設定することができる。
【0071】
ここで、製版・印刷モードとは、ホストコンピュータ100のCPU102からの信号に基づいて、孔版印刷機1が作動し実行する機密保持を必要としない一連の動作、すなわち版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後あるいはこの排版動作と並行して、版胴7上に新しい製版済みのマスタ34を巻き付け、その後あるいはその製版・給版動作と並行して、給紙・印刷・排紙の各工程、版付けを含む印刷動作を行うためのモードをいう。
【0072】
機密モードとは、ホストコンピュータ100のCPU102からの信号に基づいて、印刷を行う者以外にその印刷物等の内容を知られないように機密を保持した状態で孔版印刷機1が作動し実行する一連の動作を行うためのモードをいい、製版終了後機密モードと印刷終了後機密モードとの二つのモードがある。
すなわち、印刷終了後機密モードとは、版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後あるいはこの排版動作と並行して、版胴7上に機密保持を要する新しい製版済みのマスタ34を巻き付け、その後あるいはその製版・給版動作と並行して、機密保持を要する印刷動作(版付けを含む)までを実行し、以降の機密保持を要する使用済みのマスタによる印刷動作を禁止するモードをいう。製版終了後機密モードとは、版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後あるいはこの排版動作と並行して、版胴7上に機密保持を要する新しい製版済みのマスタ34を巻き付ける動作までを実行し、以降の印刷動作(版付けを含む)を禁止するモードをいう。
【0073】
上述したとおり、ホストコンピュータ100は、製版・印刷モード、印刷終了後機密モードおよび製版終了後機密モードのうちの何れか一つを選択的に設定する複数機密モード設定手段と、後述する第1の制御手段による製版終了後機密モードの実行状態および後述する第2の制御手段による版胴7の上記筐体からの離脱の禁止状態のうちの少なくとも一つ(本実施形態では両方)を解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成するための第1の解除コード生成手段と、ホストコンピュータ100から製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを孔版印刷機1に送信する場合、複数頁の先頭頁にのみ製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モードを設定する先頭頁機密モード設定手段とを有する。
複数機密モード設定手段、第1の解除コード生成手段、先頭頁機密モード設定手段は、入力装置104におけるキーボードのテンキーやマウスと、画像表示装置105における印刷機のプロパティ画面111Aとから構成されている。
【0074】
アプリケーション112には、ユーザがある用途のために利用するソフトウェアであって、ワープロ・ソフトやグラフィックス・ソフト等が設定されている。印刷管理ユーティリティ113は、孔版印刷機1の状態を監視したり、動作モードの設定(省エネモード以降等)するための補助的なソフトウェアである。
【0075】
印刷機用ドライバ111には、孔版印刷機1とホストコンピュータ100とが通信可能に接続されている場合に、製版スタートキー70を押下したと同様の起動指令を図6に示す孔版印刷機1の主制御部85に送信することにより、図6に示すプロッタ駆動回路94、排版駆動回路95、主駆動回路93を作動させて排版・製版動作ないしは版付け・排紙動作に至る一連の動作を自動的に実行させるためのソフトウェア(プログラム)と、印刷スタートキー71を押下したと同様の起動指令を主制御部85に送信することにより、主駆動回路93を作動させて通常の印刷動作(給紙、印刷、排紙工程を含む)を自動的に実行させるためのソフトウェア(プログラム)と、テンキー74を押下したと同様の印刷枚数データを主制御部85に送信することにより、印刷枚数分の通常の印刷動作(給紙、印刷、排紙工程を含む)を自動的に実行させるためのソフトウェア(プログラム)等とが設定されている。
これにより、孔版印刷機1とホストコンピュータ100とが通信可能に接続されている場合において、ユーザが孔版印刷機1側の製版スタートキー70や印刷スタートキー71やテンキー74を押下することなく、ホストコンピュータ100側において所定の操作を行うだけで、図10に示す一部のキー操作を除き孔版印刷機1に対して上記各動作を自動的に実行させることができる。
【0076】
次に、図6を参照して孔版印刷機1側の制御構成を説明する。
同図において、符号90は制御装置を示す。制御装置90は、主制御部85および記憶装置87から構成されている。主制御部85は、CPU(中央演算処理装置)86およびタイマ等から主に構成されている。記憶装置87は、電池でバックアップされたRAM(読み書き可能な記憶装置)88、PROM(プログラム可能な読み出し専用記憶装置)89等から主に構成されている。制御装置90は、本実施形態では後述する第1〜第5の制御手段としての機能・構成を有する。図6において、符号91は、スキャナ32から出力される画像データや、主制御部85を介してホストコンピュータ100から出力される画像データを、ラスタイメージデータ展開処理した後2値化展開処理ないしは2値化展開処理する画像処理部を示す。また同図において、太い実線の矢印は画像データ信号の流れを、細い実線の矢印は制御データ信号の流れをそれぞれ表している。
【0077】
CPU86には、スキャナ32の画像読取センサ45で読み取られ光電変換された画像信号が上記A/D変換部に入力されてデジタル画像信号に変換され、さらに画像処理部91でラスタイメージデータに展開処理されて送出されるデジタルの画像データ信号と、パルス検出センサ23で検出され、図示しないパルスカウンタおよび比較器を通過した駆動モータ12の角度信号と、操作パネル69の上記各種キーからの出力信号と、ホームポジションセンサ26からの出力信号と、機密モード位置センサ27からの出力信号と、ホストコンピュータ100からのデジタルの印刷用の画像データおよび上記4つのモードに関する(製版・印刷モード、印刷終了後機密モード、製版終了後機密モード、先頭頁機密モード)機密印刷設定情報に係る出力信号とが送信・入力される。
【0078】
図6において、符号92は、同図に括弧を付して示すスキャナ32を構成する上記モータや画像読取センサ45等のアクチュエータ(制御対象手段)に電気的に接続されていてそれらを駆動するスキャナ駆動回路を示す。符号93は、同図に括弧を付して示す印刷部2、給紙部4および排紙部6を構成する各モータ等のアクチュエータ(制御対象手段)に電気的に接続されていてそれらを駆動する主駆動回路を示す。符号94は、同図に括弧を付して示すプロッタ3を構成する上記各モータやサーマルヘッド37等のアクチュエータ(制御対象手段)に電気的に接続されていてそれらを駆動するプロッタ駆動回路を示す。符号95は、同図に括弧を付して示す排版部5を構成する各モータ等のアクチュエータ(制御対象手段)に電気的に接続されていてそれらを駆動する排版駆動回路を示す。
スキャナ駆動回路92、主駆動回路93、プロッタ駆動回路94、排版駆動回路95は、主制御部85のCPU86に電気的に接続されている。
【0079】
CPU86に入力された上記各信号は、PROM89に記憶された動作プログラムに基づいて演算・制御処理され、電池でバックアップされたRAM88(以下、単に「RAM88」という)に随時記憶されつつ、操作パネル69の各表示装置81,82、機密モード表示手段84と、画像処理部91と、スキャナ駆動回路92と、主駆動回路93と、プロッタ駆動回路94と、排版駆動回路95とにそれぞれ各種指令・データ信号として出力される。
【0080】
第1に、制御装置90は、ホストコンピュータ100側の複数機密モード設定手段(入力装置104におけるキーボードのテンキーやマウスと、画像表示装置105における印刷機のプロパティ画面111Aとから構成される)からの印刷終了後機密モード設定信号に基づいて、印刷終了後機密モードを実行するように、複数機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、製版終了後機密モードを実行するように、それぞれ排版部5、プロッタ3、給紙部4、印刷部2および排紙部6の各アクチュエータを制御する第1の制御手段としての機能を有する。
換言すれば、制御装置90は、複数機密モード設定手段からの印刷終了後機密モード設定信号に基づいて、排版部5を作動させることによって版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後、プロッタ3を作動させることによって版胴7上に機密保持を要する新しい製版済みのマスタ34を巻き付け、その後、給紙部4、印刷部2および排紙部6を作動させることによって機密保持を要する印刷動作(版付けを含む)までを実行し、以降の機密保持を要する使用済みのマスタによる印刷動作を禁止し、複数機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、排版部5を作動させることによって版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後、プロッタ3を作動させることによって版胴7上に機密保持を要する新しい製版済みのマスタ34を巻き付ける動作までを実行し、以降の印刷動作(版付けを含む)を禁止する機能を有する。
【0081】
第2に、制御装置90は、複数機密モード設定手段からの印刷終了後機密モードまたは製版終了後機密モード信号に基づいて、版胴7の上記筐体からの離脱を禁止する第2の制御手段としての機能を有する。
【0082】
第3に、制御装置90は、複数機密モード設定手段からの印刷終了後機密モード設定信号に基づいて、印刷スタートキー71および試し刷りキー72からの入力を無効とし、製版スタートキー70からの入力のみを有効とし、かつ、印刷終了後機密モードを解除して、製版スタートキー70が押されたときのみ排版部5を作動させることによって版胴7より使用済みのマスタ34を除去した後、プロッタ3を作動させることによって版胴7上に新しい製版済みのマスタ34を巻き付け、その後、印刷動作(版付けを含む)を実行させる機密解除モードを実行させる機能を有する。
【0083】
第4に、制御装置90は、複数機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、印刷スタートキー71、試し刷りキー72および製版スタートキー70からの入力を無効とする機能を有する。
【0084】
ここで、説明が前後するが、上述した孔版印刷機1側の機密解除モード設定手段(テンキー74、エンターキー75)は、第1および第2の制御手段としての機能を有している制御装置90による上記印刷動作の禁止状態および版胴7の上記筐体からの離脱の禁止状態のうちの少なくとも一つ(本実施形態では両方)を解除する機密解除モードを設定する機能を有する。
本実施形態に限らず、孔版印刷機1の操作パネル69に配設された機密解除モード設定手段と、機密解除モードに係る孔版印刷機1の操作パネル69に配設された第2の解除コード生成手段および機密解除モードに係るホストコンピュータ100の入力装置104、印刷機のプロパティ画面111Aに配設された第1の解除コード生成手段とは、何れか一方が配設されていればよい。
【0085】
第5に、制御装置90は、機密解除モード設定手段(テンキー74、エンターキー75)からの機密解除モード設定信号に基づいて、機密解除モードを実行させる第3の制御手段としての機能を有する。
換言すれば、制御装置90は、機密解除モード設定手段からの機密解除モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による上記印刷動作の禁止状態および第2の制御手段による版胴7の上記筐体からの離脱の禁止状態のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)を解除する機能を有する。
【0086】
第6に、制御装置90は、第1の解除コード生成手段(ホストコンピュータ100における入力装置104の上記キーボードの上記テンキー(以下、「上記キーボードのテンキー」という)および印刷機のプロパティ画面111A)から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段(孔版印刷機1における操作パネル69のテンキー74)から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき、機密解除モードを設定して機密解除モードを実行させる第4の制御手段としての機能を有する。
換言すれば、制御装置90は、第1の解除コード生成手段(上記キーボードのテンキーおよび印刷機のプロパティ画面111A)から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段(テンキー74)から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき機密解除モード設定信号を生成しこれに基づいて、第1の制御手段による上記印刷動作の禁止状態および第2の制御手段による版胴7の上記筐体からの離脱の禁止状態のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)を解除する機能を有する。
【0087】
第7に、制御装置90は、先頭頁機密モード設定手段(入力装置104におけるキーボードのテンキーやマウス、画像表示装置105における印刷機のプロパティ画面111A)からの先頭頁機密モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による製版終了後機密モードの実行および第2の制御手段による版胴7の上記筐体からの離脱の禁止のうちの少なくとも一方(本実施形態では両方)を先頭頁のみに対して行う第5の制御手段としての機能を有する。
【0088】
第8に、制御装置90は、機密解除モード設定手段により機密解除モードが設定されて、または第1および第2の解除コード生成手段を介して制御装置90で機密解除モードが設定されて、給紙部4、印刷部2および排紙部6をそれぞれ作動させることによって印刷動作(版付けを含む)が終了した後、再度、製版終了後機密モードに移行させる第6の制御手段としての機能を有する。
【0089】
第1〜第8の制御装置90の機能は、本実施形態では主としてCPU86が担っている。この点から、後述する説明の簡明化のために、「制御装置90」を「CPU86」というときがある。
本実施形態に限らず、第1〜第6の制御手段としての機能を、例えば、ホストコンピュータ100側のハードウェア(主制御部102)に持たせたり、孔版印刷機1とホストコンピュータ100とを通信可能に接続しているインターフェース装置の制御手段(図示せず)に持たせたり、あるいは孔版印刷機1の制御装置とホストコンピュータ100の制御装置とで適宜分担してもよい。すなわち、第1〜第5の制御手段は、孔版印刷装置ネットワークシステム内に有していればよい。
【0090】
PROM89は、一度だけプログラムのできる狭義のPROMの他、これに代えて、紫外線等で消去が可能なEPROM、電気的に消去可能なEEPROMを使用してもよい。孔版印刷機1側のテンキー74に機密解除モード設定手段としての機能を付与しない場合には、PROM89に代えたROMで構成してもよい。また、PROM89とROMとを使用して、その機能により役割分担しても勿論構わない。PROM89には、孔版印刷機1の各アクチュエータを作動させる複数の動作プログラムが予め記憶されている。各動作プログラムのうち、ユーザによって複数機密モード設定手段(ホストコンピュータ100側の入力装置104におけるキーボードのテンキーやマウス、画像表示装置105における印刷機のプロパティ画面111A)により印刷終了後機密モードまたは製版終了後機密モードが設定されたとき、印刷終了後機密モードまたは製版終了後機密モードに係る動作を実行するための印刷終了後機密モード・プログラムおよび製版終了後機密モード・プログラムが予め記憶されている。
【0091】
PROM89には、複数機密モード設定手段により印刷終了後機密モードまたは製版終了後機密モードが選択・設定されたとき、印刷スタートキー71および試し刷りキー72からの入力を無効とし、製版スタートキー70からの入力のみを有効とする機密モードプログラムが予め記憶されている。
また、PROM89には、複数機密モード設定手段により印刷終了後機密モードまたは製版終了後機密モードが選択・設定されたとき、版胴7の孔版印刷機1本体からの離脱を禁止するための関係データ、すなわち版胴7をホームポジションで停止させないように駆動モータ12の停止タイミングを決定するためのデータや、機密解除モードに係る解除コード等が予め記憶・登録されている。
【0092】
AM88は、SRAMに限らずこれに代えて、フラッシュメモリ等を使用してもよい。RAM88には、CPU86によってPROM89より呼び出された動作プログラムや関係データが一時的に書き込まれる。書き込まれた動作プログラムや関係データは、操作パネル69からの入力によって書き換えられる。また、RAM88には、ユーザによって印刷終了後機密モード、製版終了後機密モードや機密解除モードが設定されたときにのみ、印刷終了後機密モード・プログラム、製版終了後機密モード・プログラムや機密解除モードが書き込まれる。
【0093】
RAM88に書き込まれた印刷終了後機密モード・プログラムおよび製版終了後機密モード・プログラムだけは、孔版印刷機1のメイン電源が切られても消去されないように構成されている。RAM88に書き込まれた印刷終了後機密モード・プログラムは、操作パネル69の製版スタートキー70以外からのキー入力によって書き換えることはできず、製版スタートキー70が押されて印刷終了後機密解除モードが設定されたときのみ消去される。RAM88に書き込まれた製版終了後機密モード・プログラムは、ホストコンピュータ100における入力装置104の通常のキー操作等や孔版印刷機1における操作パネル69の通常のキー操作等からの信号入力によって書き換えることはできず、機密解除モード設定手段(テンキー74、エンターキー75)や第1の解除コード生成手段(上記キーボードのテンキーおよび印刷機のプロパティ画面111A)および第2の解除コード生成手段(テンキー74)を介して機密解除モードが設定されたときのみ消去される。
【0094】
次に、図9および図10のフローチャートを併用しながら動作を説明する。図9において、ステップS1〜ステップS5まではホストコンピュータ100側での、ステップS6以降は孔版印刷機1側での、それぞれ操作を含む動作を表している。
【0095】
先ず、孔版印刷機1側においては、ユーザによって孔版印刷機1の図示しない電源スイッチの投入がなされた後、所定の印刷をする前に必要な準備、例えば給紙トレイ46上への印刷用紙50の補充がなされる。これと前後は問わないものの、ホストコンピュータ100側においても、ユーザによってホストコンピュータ100の図示しない電源スイッチの投入がなされる。
【0096】
次に、ホストコンピュータ100側において、ユーザはマウスやキーボード操作により、印刷機用ドライバ111の起動を介して、図8に示した印刷機のプロパティ画面111Aを呼び出して表示させた後、「全般」、「詳細」、「共有」、「用紙」の各メニュー画面にてマウスやキーボード操作によって必要な印刷条件を設定すると共に、「機密」メニュー画面にて、適宜、製版・印刷モードを選択・設定するためのコード「1」、製版終了後機密モードを選択・設定するためのコード「2」および印刷終了後機密モードを選択・設定するコードの「3」のうちの何れか一つをマウスやキーボード操作によって選択し機密印刷設定を行う。また、適宜、機密解除モードを設定するためにテンキーで解除コード「1234」を設定したり、先頭頁機密モードを設定するためにマウス操作によって機密印刷設定を行う(ステップS1参照)。
【0097】
次いで、ステップS2に進み、図7に示した印刷機用ドライバ111が起動することによりアプリケーション112から印刷要求が実行される。ここでは、ユーザによる入力装置104(キーボードやマウス)等の操作で作成された機密保持を要するかまたは要しない印刷用の画像データが生成される(ステップS3参照)。
【0098】
次いで、ステップS4において、印刷機用ドライバ111の作動によって、ステップS1で設定された4つのモードの少なくとも一つの機密印刷設定情報が印刷用の画像データに付加された後、ホストコンピュータ100から印刷用の画像データと一緒に機密印刷設定情報が孔版印刷機1の制御装置90におけるCPU86に出力される(ステップS5参照)。
【0099】
(動作例1)
動作例1では、ホストコンピュータ100から出力される機密保持を要しない通常の印刷用の画像データに基づいて、孔版印刷機1で複数枚印刷する場合に用いられる製版・印刷モードを選択・設定した例について述べる。
ちなみに、ホストコンピュータ100側での製版・印刷モードの設定例としては、図8に示す印刷機のプロパティ画面111Aの「機密」メニュー表示状態において、製版・印刷モードを選択・設定するために、図8中「製版終了後」の右欄の黒三角表示位置にマウスのカーソルを移動させ、2回のクリック操作を行うことで製版・印刷モードに対応した表示「しない」をさせるか、またはキーボードのテンキー操作で製版・印刷モードに対応したコード「1」の表示をさせるかで行う。次いで、右下メニューの「設定」の位置にマウスでカーソル移動後クリックすることで、またはキーボードのエンターキーを押下操作することで製版・印刷モードの設定が終了する。
【0100】
孔版印刷機1側の動作では、ステップS6における機密モードの設定・有無によってその動作が分かれ、動作例1では機密モードの設定をしていないので、ステップS7ないしステップS8に進み、通常の排版・製版動作ないし印刷動作が実行される。
すなわち、先ず、排版部5では、版胴7の外周面上から使用済みマスタ34を剥離する排版動作が行われる。
【0101】
外周面上に使用済みのマスタ34を巻装している版胴7は、CPU86からの指令信号により作動する駆動モータ12によって回転駆動され、図3において反時計回り方向に回転を開始する。版胴7が、その外周面上に巻装した使用済みのマスタ34の後端が駆動ローラ60と対応する所定の排版位置に到達したことを、パルス検出センサ23からの信号に基づいてCPU86が判断すると、CPU86からの指令により図示しない移動手段と駆動手段とが作動し、各駆動ローラ57,60を回転させると共に下部排版部材54を版胴7側に移動させる。駆動ローラ60の外周面が版胴7の外周面上の使用済みのマスタ34と当接したとき、版胴7は反時計回り方向への回転を継続しており、駆動ローラ60と当接してすくい上げられた使用済みのマスタ34は、下部排版部材54と上部排版部材53とで挟持された状態で搬送され、版胴7の外周面より順次剥離される。剥離された使用済みのマスタ34は、下部排版部材54と上部排版部材53とで搬送されて排版ボックス55内に廃棄された後、圧縮板56によって圧縮される。
【0102】
版胴7の外周面より使用済みのマスタ34が全て剥離されると、版胴7はさらに回転を継続する。そして、版胴7はクランパ11が図3に示す給版位置であるホームポジションに到達し、図4に示すドグ25がホームポジションセンサ26で検知されると、ホームポジションセンサ26からCPU86に信号が出力される。CPU86は、ホームポジションセンサ26からの信号を受けて主駆動回路93を介して駆動モータ12に指令信号を送り、駆動モータ12の回転を停止させる。駆動モータ12の停止により、版胴7がホームポジションで停止すると、CPU86より図示しない開閉手段へ指令信号が送られることによって、クランパ11が時計回り方向に回動し、版胴7が図3に示す給版待機状態となって排版動作が完了する。
【0103】
排版動作が完了すると、これに続いてもしくは一部並行して製版・給版動作が行われる。版胴7が給版待機状態となると、CPU86からの指令信号によって図示しないステッピングモータが作動してプラテンローラ36と各駆動ローラ31a,31cが回転駆動され、マスタロール35からマスタ34が引き出される。そして、上記ステッピングモータのステップ数より、マスタ34の画像形成領域がサーマルヘッド37の発熱素子と対応する位置に達したことをCPU86が判断すると、CPU86から指令信号が、画像処理部91から2値化された画像データ信号がそれぞれ送られることで、ホストコンピュータ100から送られた画像データ信号に基づいてサーマルヘッド37の発熱素子が位置選択的に発熱し、マスタ34上に穿孔・製版画像が形成される。
【0104】
穿孔製版画像を形成されたマスタ34は、各ガイド板38,39にガイドされつつ搬送手段31によってクランパ11へと搬送され給版動作が開始される。すなわち、上記ステッピングモータのステップ数より、マスタ34の先端がクランパ11とステージ部10との間の所定位置まで到達したことをCPU86が判断すると、図示しない開閉手段に指令信号が送られてクランパ11が反時計回り方向に揺動・開閉し、ステージ部10とクランパ11とでマスタ34の先端部を挟持する。その後、CPU86より駆動モータ12に指令信号が送られ、版胴7がマスタ34の搬送速度と同じ周速度か僅かに速い周速度で時計回り方向に回転駆動され、マスタ34の版胴7への巻装動作が行われる。そして、上記ステッピングモータのステップ数より、1版分の製版が完了したことをCPU86が判断すると、プラテンローラ36と各駆動ローラ31a,31cの回転が停止すると共に、可動刃30bが回転移動してマスタ34が切断される。切断されたマスタ34の後端は版胴7の回転動作によって引き出され、版胴7が再びホームポジションに到達すると、CPU86からの指令によって駆動モータ12が停止して巻装・給版動作が完了する。
【0105】
給版動作に引き続き、版付け動作が行われる。
すなわち、版胴7がホームポジションで停止すると、CPU86より指令信号が送られて駆動モータ12が再び起動することにより、版胴7が低速で回転駆動されると共に給紙ローラ47、分離ローラ48a、駆動ローラ65、吸引ファン67がそれぞれ回転駆動される。給紙ローラ47と分離ローラ48aとの回転により、給紙トレイ46上に積載された複数枚の印刷用紙のうち、最上位の1枚の印刷用紙50のみが分離されて引き出され、レジストローラ対49のニップ部に突き当てられ所定の撓みを形成されて一時的にその状態が保持される。版胴7に巻装された製版済みのマスタ34の製版画像領域の、版胴7の回転方向における先端がプレスローラ9と対向する位置近傍に到達したことを、パルス検出センサ23からの信号に基づいてCPU86が判断すると、CPU86より指令信号が送られてレジストローラ対49が回転することにより、製版済みのマスタ34の製版画像領域の先端との位置を合わせたタイミングで、版胴7とプレスローラ9との間に印刷用紙50を給送する。CPU86は、レジストローラ対49を回転駆動させるための指令信号に続いて、プレスローラ9を支持する図示しない接離手段へ指令信号を送り、プレスローラ9を図3中二点鎖線で示すように揺動・上昇させる。レジストローラ対49より給送された印刷用紙50は、プレスローラ9によって版胴7上の製版済みのマスタ34に押し付けられる。この押圧動作により、プレスローラ9と印刷用紙50と製版済みのマスタ34と版胴7の外周面とが圧接し、インキローラ14によって版胴7の内周面に供給されたインキは、版胴7の外周面の開孔部とメッシュスクリーンより滲出した後、版胴7の外周面と製版済みのマスタ34との空隙部に充填され、さらにマスタ34の穿孔部から印刷用紙50に転移される。インキを転移された印刷用紙50は、剥離爪63の先端で版胴7の外周面より剥離されて下方へと落下し、吸引ファン67の吸引力によって無端ベルト66の上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、排紙トレイ68上に排出される。この一連の工程によって版付け動作が完了し、孔版印刷機1は印刷待機状態となる。
【0106】
上述の、排版、製版・給版、版付けの各動作が完了して、印刷待機状態となった孔版印刷機1において、ユーザによって試し刷りキー72が押されると、版付け動作と同様に、給紙トレイ46上の最上位の1枚の印刷用紙が給紙ローラ47と分離手段48とによって分離されて引き出され、レジストローラ対49のニップ部に突き当てられ所定の撓みを形成されて一時的にその状態が保持される。CPU86より指令信号が送られて駆動モータ12が印刷速度の設定値に応じた印刷速度で回転駆動することにより、版胴7が版付け動作時よりも高速の設定された印刷速度で回転駆動される。レジストローラ対49は、版付け動作と同じタイミングで、かつ、設定された印刷速度に対応した速度で回転することで、高速回転している版胴7とプレスローラ9との間に印刷用紙50を給送する。給送された印刷用紙50は、プレスローラ9によって版胴7上の製版済みのマスタ34に押圧されてインキを転移され、その上面に印刷画像を形成された後、剥離爪63によって版胴7の外周面より剥離され、無端ベルト66によって左方へと搬送されて、排紙トレイ68上に排出される。版胴7は再びホームポジションに戻り、試し刷り動作が完了する。
【0107】
この試し刷りによって印刷画像の濃度や位置を確認し、これらを操作パネル69上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー74で印刷枚数を表示装置81に置数し、印刷速度設定キー79で印刷速度を設定し、所望する印刷物に合わせて拡大縮小キー78等を押して印刷スタートキー71を押すことにより、給紙部4より印刷用紙50が連続的に送られて通常の正規の印刷動作が行われる。印刷動作完了後にも、版胴7は再びホームポジションに戻る。
【0108】
(動作例2)
動作例2は、本発明に特有の印刷終了後機密モードに係る例である。動作例2では、ホストコンピュータ100から出力される機密保持を要する印刷用の画像データに基づいて孔版印刷機1で複数枚印刷する場合に用いられる印刷終了後機密モードを選択・設定した例について述べる。
印刷終了後機密モードを選択・設定する環境条件としては、例えば、学校等で生徒に対して試験を行う場合において、機密保持を要する試験に係る印刷物を孔版印刷機1で印刷している間中、該当する試験を受ける生徒等が上記孔版印刷機1を設置してある部屋に入室できないようにロックされているが、機密保持を要する試験に係る印刷物を上記孔版印刷機1で印刷した後、後日、機密保持を要する試験に係る印刷物を追加印刷するような場合であって、その製版済みのマスタ34を孔版印刷機1に残したままでは試験内容が漏洩してしまうようなときなどが想定される。この他の環境条件としては、ユーザのすぐ近くに孔版印刷機1が有る場合などであって、機密に係る作業や印刷物がユーザによって常に監視でき得る状態に置かれているときなども想定される。
【0109】
ちなみに、ホストコンピュータ100側での印刷終了後機密モードの設定例としては、図8に示す印刷機のプロパティ画面111Aの「機密」メニュー表示状態において、印刷終了後機密モードを選択・設定するために、図8中「製版終了後」の右欄の黒三角表示位置にマウスのカーソルを移動させ、1回のクリック操作を行うことで印刷終了後機密モードに対応した表示「印刷終了後」をさせるか、またはキーボードのテンキー操作で印刷終了後機密モードに対応したコード「3」の表示をさせるかで行う。次いで、右下メニューの「設定」の位置にマウスでカーソル移動後クリックすることで、またはキーボードのエンターキーを押下操作することで印刷終了後機密モードの設定が終了する。
【0110】
孔版印刷機1側の動作では、ステップS6における機密モードの設定・有無によってその動作が分かれ、動作例2では機密モードの設定をしたので、ステップS9に進み、機密モード条件の設定内容のチェックが行われた後、印刷終了後機密モードが実行される。
まず、ステップS10ではステップS7と同様の排版・製版動作が実行された後、ステップS11ではステップS8と同様に、版付けないし適宜行われる試し刷りの後、通常の印刷動作が実行されることにより所定の印刷枚数の印刷物を得る。ステップS10およびステップS11とステップS7およびステップS8とにおける排版・製版動作および印刷動作と相違する点は、前者では機密保持を要する製版および印刷動作であるのに対し、後者では機密保持を要しない製版および印刷動作である点でのみ相違する。
【0111】
上記印刷動作が終了した後、図10のステップS12に進み、直ちに機密モードに移行する。すなわち、CPU86はPROM89より印刷終了後機密モード・プログラムを呼び出し、RAM88に印刷終了後機密モード・プログラムを書き込むと共に、操作パネル69のLED駆動回路およびLCD駆動回路(共に図示せず)に信号を送り、機密モード表示手段84のLEDを点灯させて機密モードであることを表示すると共に、表示装置82に「印刷終了後機密モード」のメッセージを表示させる。(ステップS13参照)。
RAM88への印刷終了後機密モード・プログラムの書き込み動作後、CPU86は駆動モータ12へ指令信号を送り、ホームポジションで停止している版胴7を、ドグ25が機密モード位置センサ27に検知されるまで(図6において距離Lだけ)回転させる。以後、ステップS14において、ユーザによって印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されると、操作パネル69よりCPU86に信号が送られるが、CPU86はRAM88に印刷終了後機密モード・プログラムが書き込まれていることを認識し、主駆動回路93へ指令信号を出力しないため、孔版印刷機1は印刷動作と試し刷り動作とを実行しない。また、CPU86は、印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されることにより、それらの信号が入力されると、操作パネル69の上記LED駆動回路および上記LCD駆動回路に信号を送り、表示装置82に「印刷不可」のメッセージを表示させる(ステップS15参照)。
【0112】
この印刷終了後機密モード状態は、製版スタートキー70が押されるまたはホストコンピュータ100から次の画像データを受信するまで継続される。製版スタートキー70が押されると、CPU86は、RAM88に書き込まれた印刷終了後機密モード・プログラムを消去することにより印刷終了後機密モードを解除すると共に、排版駆動回路95とプロッタ駆動回路94とに指令信号を送り、孔版印刷機1に、排版動作に続いて製版動作を実行させて孔版印刷機1を印刷待機状態とさせる(ステップS16、ステップS17参照)。
次いで、ユーザによって印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されると、ステップS11と同様に、版胴上7の新しい製版済みのマスタ34による版付け、適宜行われる試し刷りの後、通常の印刷動作が実行されることにより所定の印刷枚数の印刷物を得て、印刷動作が終了する。
【0113】
従って、本発明の印刷終了後機密モードによれば、例えば特開平8−183238号公報で開示されている機密保持キー(83)の押下による機密保持モード設定時と同等の動作を、孔版印刷機1から離れた場所に設置されているホストコンピュータ100から指示して実行することができる。また、印刷動作と試し刷り動作とを禁止することに加え、版胴7をホームポジションから回転・移動させることにより、フランジ部17bの切り欠き部とフランジ部18bの切り欠き部との位置を違え、孔版印刷機1からの版胴7の離脱を禁止しているため、孔版印刷機1より版胴7を離脱させることで、他の同種の孔版印刷機によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、版胴7より製版済みのマスタ34を剥離させることによって、マスタ34そのものを解読することで機密が漏洩する事態をも防止することができる。
印刷終了後機密モードを記憶する記憶装置87(RAM88)が、印刷終了後機密モードが解除されるまでその機密モードを記憶しているので、印刷終了後機密モード時において、孔版印刷機1の電源が落とされても印刷終了後機密モードが解除されることがなく、機密保持性が高い。
【0114】
(動作例3)
動作例3は、本発明に特有の製版終了後機密モードに係る例である。動作例3では、ホストコンピュータ100から出力される機密保持を要する印刷用の画像データとして1頁分だけの画像データに基づいて複数枚印刷する場合に用いられる製版終了後機密モードおよび機密解除モード設定手段による機密解除モードを選択・設定した例について述べる。
製版終了後機密モードを選択・設定する環境条件としては、例えば、学校等で生徒に対して試験を行う場合において、機密保持を要する試験に係る印刷物をホストコンピュータ100から離れた場所、例えば職員室に設置されている孔版印刷機1で印刷している間中、該当する試験を受ける生徒等が職員室に入室可能で、機密保持を要する試験に係る印刷物を見られたり、機密保持を要する試験に係る製版済みのマスタ34を巻装している版胴7を着脱・交換等すること等で生徒等に試験内容が漏洩してしまうようなときなどが想定される。
【0115】
ちなみに、ホストコンピュータ100側での製版終了後機密モードの設定例としては、図8に示す印刷機のプロパティ画面111Aの「機密」メニューにおける「製版終了後」表示状態において、ユーザ(例えば先生等、以下省略)が右下メニューの「設定」の位置にマウスでカーソル移動後クリックすることで、またはキーボードのエンターキーを押下操作することで製版終了後機密モードの設定が終了する。
【0116】
孔版印刷機1側の動作では、ステップS6における機密モードの設定・有無によってその動作が分かれ、動作例3では機密モードの設定をしたので、ステップS9に進み、機密モード条件の設定内容のチェックが行われた後、製版終了後機密モードが実行される。
まず、ステップS20ではステップS10と同様の排版・製版動作が実行された後、版付けを含む印刷動作を実行することなく、図10のステップS21に進み、直ちに機密モードに移行する。すなわち、CPU86はPROM89より製版終了後機密モード・プログラムを呼び出し、RAM88に製版終了後機密モード・プログラムを書き込むと共に、操作パネル69のLED駆動回路およびLCD駆動回路(共に図示せず)に信号を送り、機密モード表示手段84のLEDを点灯させて機密モードであることを表示すると共に、表示装置82に「製版終了後機密モード」のメッセージを表示させる。(ステップS22参照)。
RAM88への製版終了後機密モード・プログラムの書き込み動作後、CPU86は駆動モータ12へ指令信号を送り、ホームポジションで停止している版胴7を、ドグ25が機密モード位置センサ27に検知されるまで(図6において距離Lだけ)回転させる。以後、ステップS23において、ユーザによって印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されると、操作パネル69よりCPU86に信号が送られるが、CPU86はRAM88に製版終了後機密モード・プログラムが書き込まれていることを認識し、主駆動回路93へ指令信号を出力しないため、孔版印刷機1は機密保持を要する印刷動作と試し刷り動作とを実行しない。また、CPU86は、印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されることにより、それらの信号が入力されると、操作パネル69の上記LED駆動回路および上記LCD駆動回路に信号を送り、表示装置82に「印刷不可」のメッセージを表示させる(ステップS24参照)。
【0117】
この印刷不可状態であって、かつ、版胴7を離脱させることができない機密保持状態の間に、ユーザは機密漏洩の心配をすることなく、ホストコンピュータ100の設置場所から孔版印刷機1の設置場所に移動してから、操作パネル69上で特殊なキー操作をすることで機密解除モードを設定し、印刷実行が可能となる操作をすればよい。すなわち、ステップS25において、テンキー74、エンターキー75の押下により解除コードとして「1,2,3,4」をエンターすれば、機密解除モード設定信号が生成される。この信号がCPU86に入力されると、CPU86は機密解除モードに係る処理動作を行うこととなる。
すなわち、CPU86は機密解除モード設定信号に基づいて、RAM88に書き込まれた製版終了後機密モード・プログラムを消去すると共に、操作パネル69の上記LED駆動回路および上記LCD駆動回路に信号を送り、表示装置82に「機密モード解除」のメッセージを表示させる(ステップS26参照)。同時に、CPU86は主駆動回路93に指令信号を送り、孔版印刷機1に対して印刷動作可能状態とさせる。
【0118】
次いで、ユーザによって印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されると、ステップS11と同様の動作順序で、版胴上7の機密保持を要する製版済みのマスタ34による版付け、適宜行われる試し刷りの後、ユーザが孔版印刷機1に始終付いた状態で印刷動作が実行されることにより、機密保持を要する所定の印刷枚数の印刷物を得て、印刷動作が機密を保持した状態で終了する(ステップS27、ステップS28参照)。
【0119】
この後、機密保持を要する製版済みのマスタ34が版胴7上にそのまま排版されずに残されている状態となっているため、CPU86は機密保持を要する印刷動作終了の信号(例えば上記所定の印刷枚数や部数を計数するために排紙部5等に適宜配設される印刷枚数計数手段としての図示しないセンサからの信号等)に基づいて、再び製版終了後機密モードに移行させる処理動作を実行することとなる(ステップS21参照)。
一方、ステップS25において、上記解除コードを入力しなかった場合にも、再び、製版終了後機密モードに移行することとなる(ステップS21参照)。
【0120】
動作例3のステップS28では、ユーザが再び製版終了後機密モードにするための操作を忘れたりしないように、自動的に再び製版終了後機密モードに移行させる処理動作を実行するものであったが、これに限らず、ステップS28の下に破線矢印のフローで示すように機密保持を要する所定の印刷枚数の印刷動作が機密を保持した状態で一旦終了した後で、ユーザが再び製版終了後機密モードにするかどうかを決めるようにしてもよい。
【0121】
従って、動作例3の製版終了後機密モードによれば、孔版印刷機1より離れた場所に設置されているホストコンピュータ100からでも、機密保持を要する製版・印刷を機密を漏洩させることなく機密を確実に保持した状態で指示して実行することができる。また、印刷動作と試し刷り動作とを禁止することに加え、版胴7をホームポジションから回転・移動させることにより、フランジ部17bの切り欠き部とフランジ部18bの切り欠き部との位置を違え、孔版印刷機1からの版胴7の離脱を禁止しているため、孔版印刷機1より版胴7を離脱させることで、他の同種の孔版印刷機によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、版胴7より製版済みのマスタ34を剥離させることによって、機密保持を要するマスタ34そのものを解読することで機密が漏洩する事態をも防止することができる。
製版終了後機密モードを記憶する記憶装置87(RAM88)が、製版終了後機密モードが解除されるまでその機密モードを記憶しているので、製版終了後機密モード時において、孔版印刷機1の電源が落とされても製版終了後機密モードが解除されることがなく、機密保持性が高い。
【0122】
加えて、機密解除モード設定手段は、既存の操作パネル69を構成している操作構成要素の少なくとも2つの組み合わせからなる(テンキー74、エンターキー75)ことにより、特別なキー(例えば機密保持キー等)を配設することで第三者によって製版終了後機密モードを解除されてしまう虞を極めて少なくできると共に、安価に構成できる。さらに、これらのキーで入力される解除コードが、機密が漏洩しては困る第三者に知られる虞が極めて少ないことからも、機密を確実に保持した状態で製版終了後機密モードを解除して機密保持を要する所望の印刷を孔版印刷機1に常時付いて監視した状態で行うことができる。なお、複数のユーザ(例えば複数人の先生等)が孔版印刷装置ネットワークシステムを利用して機密保持を要する印刷を実行したい場合、上記解除コードを信頼のおける複数のユーザだけで決めて共有すればよく、その解除コードを第三者(例えば生徒等)に教えない限り解除コードは漏れてしまうことがない。
【0123】
(動作例4)
動作例4は、動作例3と同様に本発明に特有の製版終了後機密モードに係る例であり、動作例3と比較して、機密解除モード設定手段に代えて、第1の解除コード生成手段(上記キーボードのテンキーおよび印刷機のプロパティ画面111A)および第2の解除コード生成手段(テンキー74)を介して機密解除モードを設定することのみ相違する。製版終了後機密モードを選択・設定する環境条件は、動作例3と同様である。
【0124】
ちなみに、ホストコンピュータ100側での製版終了後機密モードの設定例としては、図9のステップS1において、ユーザ(例えば先生等、以下省略)はホストコンピュータ100側で動作例3と同様に製版終了後機密モードを選択すると共に、図8において、入力装置104におけるキーボードのテンキーでパスワードとして第1の解除コード:「1234」をプロパティ画面111Aの解除コードのメニュー欄に表示し入力した後、ユーザが右下メニューの「設定」の位置にマウスでカーソル移動後クリックすることで、またはキーボードのエンターキーを押下操作することで製版終了後機密モードの設定およびその第1の解除コードの生成が終了する。
【0125】
以下、動作例3のフローと同様の動作が実行され、ステップS24における印刷不可状態であって、かつ、版胴7を離脱させることができない機密保持状態の間に、ユーザは機密漏洩の心配をすることなく、ホストコンピュータ100の設置場所から孔版印刷機1の設置場所に移動してから、操作パネル69上で特殊なキー操作、すなわちホストコンピュータ100から送信されてきた第1の解除コード:「1234」と同一の第2の解除コード:「1234」をテンキー74の押下により入力すればよい。すなわち、ステップS25において、第1の解除コード:「1234」と第2の解除コード:「1234」とが同一で合致するとき、CPU86にて機密解除モード設定信号が生成されるので、この機密解除モード設定信号信号に基づいて、CPU86は動作例3と同様の機密解除モードに係る処理動作を行うこととなる。動作例4では、記憶装置87は、そのPROM89に代えたROMで置き換えてよい。
【0126】
従って、動作例4の製版終了後機密モードによれば、動作例3の前段部分と同様の利点が得られる。加えて、動作例3における単一の機密解除モード設定手段により解除コード等をPROM89に予め記憶させておく必要がなく、複数の信頼のおける者達(例えば先生等)で予め第1の解除コードを自由に決めて、あるいは自由に設定し直して、ホストコンピュータ100から孔版印刷機1に送信すると共に、操作パネル69等のテンキー74等により第1の解除コードと同一の第2の解除コードを入力することによって機密解除モードを設定できるため、複数の信頼のおける者が使用できて機密漏洩のセキュリティが動作例3の場合よりも向上する。
【0127】
(動作例5)
動作例5は、動作例3と比較して、ホストコンピュータ100から出力される機密保持を要する印刷用の画像データとして1頁分に代えて、複数頁(以下、3頁として説明する)に亘る画像データに基づいて複数枚印刷する場合に用いられる先頭頁機密モードおよび機密解除モード設定手段による機密解除モードを選択・設定した例について述べる。先頭頁機密モードを選択する・設定する環境条件は、動作例4と同様である。以下、図9および図10のフローチャートを適宜借用しながら説明する。
【0128】
ちなみに、図9のステップS1において、ユーザ(例えば先生等、以下省略)はホストコンピュータ100側で動作例3と同様に製版終了後機密モードを選択すると共に、解除コード:「1234」を設定・入力した後、「先頭ページのみ」メニュー丸内にマウス操作でカーソルを移動させクリックし、その後ユーザが右下メニューの「設定」の位置にマウスでカーソル移動後クリックすることで、またはキーボードのエンターキーを押下操作することで先頭頁機密モードの設定が終了する。
【0129】
孔版印刷機1側の動作では、ステップS6における機密モードの設定・有無によってその動作が分かれ、動作例5では製版終了後機密モードおよび先頭頁機密モードの設定をしたので、ステップS9に進み、機密モード条件の設定内容のチェックが行われた後、先頭頁機密モードに係る製版終了後機密モードが実行される。
ステップS20〜ステップS24までは、動作例3と同様に1頁目の画像データに基づく排版・製版動作が実行された後、動作例3と同様に版付けを含む印刷動作を実行することなく、ステップS24における「印刷不可」のメッセージ表示に進む。この印刷不可の状態であって、かつ、版胴7を離脱させることができない機密保持状態の間に、ユーザは機密漏洩の心配をすることなく、ホストコンピュータ100の設置場所から孔版印刷機1の設置場所に移動してから、操作パネル69上で動作例3と同様の解除コードをエンターすれば、機密解除モード設定信号が生成され、この信号がCPU86に入力される。CPU86は機密解除モード設定信号に基づいて、RAM88に書き込まれた製版終了後機密モード・プログラムを消去すると共に、操作パネル69の上記LED駆動回路および上記LCD駆動回路に信号を送り、表示装置82に「機密モード解除」のメッセージを表示させる(ステップS26参照)。同時に、CPU86は主駆動回路93に指令信号を送り、孔版印刷機1に対して印刷動作可能状態とさせる。
【0130】
次いで、ユーザによって印刷スタートキー71または試し刷りキー72が押されると、ステップS11と同様の動作順序で、版胴上7の機密保持を要する製版済みのマスタ34による版付け、適宜行われる試し刷りの後、印刷動作がユーザが孔版印刷機1に始終付いた状態で実行されることにより、機密保持を要する所定の印刷枚数の印刷物を得て、1頁目の画像データに応じた印刷動作が機密を保持した状態で終了する(ステップS27、ステップS28参照)。
【0131】
その後、2頁目ないし3頁目の画像データに係る機密保持を要する製版時には、再び製版終了後機密モードに移行すると、その製版終了後機密モードを解除する操作が必要となって非常に面倒となる。そこで、機密保持を要する1頁目の画像データに応じた印刷動作の実行後たいていの場合、ユーザは孔版印刷機1に付きっきりで機密保持を要する2頁目以降の画像データに応じた製版、印刷を監視しながら孔版印刷機1を使用するので、機密モードに移行する必要がなく通常の製版・印刷モードで以降の各動作が実行される。但し、3頁目の画像データに応じた印刷動作の実行後は、自動的に再び製版終了後機密モードに移行させる処理動作を実行するか、ユーザが再び製版終了後機密モードにするかどうかを決めるようにする必要がある。
【0132】
動作例5は、これに限らず、動作例5における機密解除モード設定手段に代えて、第1の解除コード生成手段(上記キーボードのテンキーおよび印刷機のプロパティ画面111A)および第2の解除コード生成手段(テンキー74)を介して機密解除モードを設定することで、動作例5と実質的に同様の先頭頁機密モードに係る動作を実行できることはいうまでもない。
【0133】
従って、動作例5の先頭頁機密モードによれば、動作例3と同様の利点が得られる。加えて、機密保持を要する1頁目の画像データに応じた印刷動作の実行後たいていの場合、ユーザは孔版印刷機1に付きっきりで機密保持を要する2頁目以降の画像データに応じた製版、印刷を監視しながら孔版印刷機1を使用するので、2頁目以降の画像データに係る機密保持を要する製版時には、再び製版終了後機密モードに移行した場合における製版終了後機密モードを解除するという面倒な操作を行う必要がなくなって操作性が向上する。
【0134】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、図1〜図10に示した第1の実施形態と比較して、印刷終了後機密モードを設定するための手段および印刷終了後機密モードを解除する印刷終了後機密解除モード設定手段(製版スタートキー70)を除去した点、これに伴い図9および図10のフローチャートにおいてステップS9〜ステップS19の処理動作を除去し、これに代えて、製版終了後機密モードおよびその機密解除モードに係るステップS21〜ステップS28の処理動作を実行する点が主に相違する。
【0135】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、図1〜図10に示した第1の実施形態と比較して、印刷終了後機密モードを設定するための手段および印刷終了後機密モードを解除する印刷終了後機密解除モード設定手段(製版スタートキー70)を除去した点、これに伴い図9および図10のフローチャートにおいてステップS9〜ステップS19の処理動作を除去し、これに代えて、製版終了後機密モードおよびその機密解除モードに係るステップS21〜ステップS28の処理動作を実行する点が主に相違する。
そして、第2の実施形態の特有の構成および動作は、第1の実施形態の構成の説明文、図9および図10のフローチャートにおけるステップS21〜ステップS28の説明文において、「印刷終了後機密モード」を削除すると共に、「複数機密モード設定手段」を「機密モード設定手段」に読み替えることにより、当業者であるならば容易に理解して実施できるから、重複説明を避けるためこれ以上の説明を省略する。第1の実施形態は請求項14に、第2の実施形態は請求項1〜にそれぞれ対応した実施形態である。
【0136】
上記各実施形態では、製版スタートキー70と印刷スタートキー71とを別々のキーとしたが、これらを1つのキーで賄い、製版スタートと印刷スタートとを切り替えるモード設定キーを別に設けた構成としてもよい。
版胴7の上記筐体からの離脱を禁止するための版胴7の離脱防止機構は、図4に示した機構に限らず、例えば特開平8−183238号公報の図6および図7に示されている離脱防止機構等でもよい。
上記各実施形態では、図1の孔版印刷装置ネットワークシステムでの例であったが、図2の孔版印刷装置ネットワークシステムでも上記各実施形態例と同様に上記各モードを選択・設定して実施できることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成および動作は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成したり動作させたりしてもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0137】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来技術の有する諸問題点を解決して新規な孔版印刷装置ネットワークシステムを提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、上記構成により、孔版印刷装置から出力される機密文書がその機密が漏れてはいけない第三者によって見得るような状態にある環境条件の場合、例えば孔版印刷装置から離れた場所に設置されたコンピュータからの指示によって、ユーザが孔版印刷装置に移動する間に機密保持を要する印刷物が印刷・出力されてしまうことによる機密漏洩の虞をなくすことが可能となると共に、孔版印刷装置で機密解除モードを設定することによって、機密保持を要する新しい製版済みのマスタを巻き付けた版胴で刷動作を行うことができるので、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、すなわち機密を確実に保持した状態での印刷動作が可能となる。
【0138】
請求項2記載の発明によれば、上記構成により、請求項1記載の発明の効果に加えて、孔版印刷装置より版胴を離脱させることで、他の同種の孔版印刷装置によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、版胴より製版済みのマスタを剥離させることによって、マスタそのものを解読することで機密が漏洩する事態をも防止することができると共に、孔版印刷装置で機密解除モードを設定することによって、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことが可能となる。
【0140】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、特別なキーを配設することで第三者によって機密モードを解除されてしまう虞を極めて少なくできると共に、安価に構成できる。
【0141】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要する印刷動作の実行や、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことができる。
【0142】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項1ないし4の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要する印刷動作の実行や、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことができる。
【0143】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項ないしの何れか一つに記載の発明の効果に加えて、機密保持を要する先頭頁の画像データに応じた印刷動作の実行後たいていの場合、例えばユーザは孔版印刷装置に付きっきりで機密保持を要する2頁目以降の画像データに応じた製版、印刷を監視しながら孔版印刷装置を使用するので、2頁目以降の画像データに係る機密保持を要する製版時には、再び製版終了後機密モードに移行した場合における製版終了後機密モードを解除するという面倒な操作を行う必要がなくなって操作性が向上する。
【0144】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項ないし6の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、第1の制御手段による製版終了後機密モードが実行されるので、機密を確実に保持することができる。
【0145】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、孔版印刷装置から出力される機密文書がその機密が漏れてはいけない第三者によって見得る状態にあるか否かの環境条件に応じて、印刷終了後機密モードを実行するのか、製版終了後機密モードを実行するのかをユーザの自由な選択・設定を介して、例えば孔版印刷装置より離れた場所にあるコンピュータからの指示によって機密を確実に保持した印刷動作が可能となる。すなわち、例えば孔版印刷装置から離れた場所に設置されたコンピュータからの指示によって、ユーザが孔版印刷装置に移動する間に機密保持を要する印刷物が印刷・出力されて機密が漏洩してしまう環境条件にないと判断する場合には、版胴より使用済みのマスタを除去した後、版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、その後、印刷動作までを実行し、以降の使用済みのマスタによる印刷動作を禁止する印刷終了後機密モードを実行することができる。一方、ユーザが孔版印刷装置に移動する間に機密保持を要する印刷物が印刷・出力されて機密が漏洩してしまう環境条件にあると判断する場合には、版胴より使用済みのマスタを除去した後、版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける動作までを実行し、以降の印刷動作を禁止する製版終了後機密モードを実行したり、製版終了後機密モードを解除したりすることができることで、請求項1と同様の効果を奏する。
【0146】
請求項記載の発明によれば、上記構成により、請求項記載の発明の効果に加えて、孔版印刷装置より版胴を離脱させることで、他の同種の孔版印刷装置によって印刷を行うことで機密が漏洩する事態や、版胴より製版済みのマスタを剥離させることによって、マスタそのものを解読することで機密が漏洩する事態をも防止することができると共に、孔版印刷装置で機密解除モードを設定することによって、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことが可能となる。
【0148】
請求項10記載の発明によれば、上記構成により、請求項8または9記載の発明の効果に加えて、特別なキーを配設することで第三者によって印刷終了後機密モードや製版終了後機密モードを解除されてしまう虞を極めて少なくできると共に安価に構成できる。
【0149】
請求項11記載の発明によれば、上記構成により、請求項8または9記載の発明の効果に加えて、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要する印刷動作の実行や、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことができる。
【0150】
請求項12記載の発明によれば、上記構成により、請求項8ないし11の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、例えば孔版印刷装置に付きっきりで監視した状態での、機密保持を要する印刷動作の実行や、機密保持を要するマスタを巻装した版胴の孔版印刷装置本体からの離脱を行うことができる。
【0151】
請求項13記載の発明によれば、上記構成により、請求項ないし12の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、機密保持を要する先頭頁の画像データに応じた印刷動作の実行後たいていの場合、例えばユーザは孔版印刷装置に付きっきりで機密保持を要する2頁目以降の画像データに応じた製版、印刷を監視しながら孔版印刷装置を使用するので、2頁目以降の画像データに係る機密保持を要する製版時には、再び製版終了後機密モードに移行した場合における製版終了後機密モードを解除するという面倒な操作を行う必要がなくなって操作性が向上する。
【0152】
請求項14記載の発明によれば、上記構成により、請求項ないし13の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、第1の制御手段による製版終了後機密モードが実行されるので、機密を確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す孔版印刷装置ネットワークシステムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の別の実施形態を示す孔版印刷装置ネットワークシステムのシステムブロック図である。
【図3】孔版印刷機の概要を示す正面図である。
【図4】孔版印刷機における版胴の離脱防止機構を示す斜視図である。
【図5】孔版印刷機の操作パネルを示す平面図である。
【図6】孔版印刷機側の制御構成を示すブロック図である。
【図7】ホストコンピュータ側の制御構成を示すブロック図である。
【図8】ホストコンピュータ側の印刷機用ドライバ設定画面のイメージ図である。
【図9】孔版印刷装置ネットワークシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図10】図9の続きのフローチャートである。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置の一例としての孔版印刷機
2 印刷部
3 製版部
5 排版部
7 版胴
70 印刷終了後機密解除モード設定手段としての製版スタートキー
71 印刷スタートキー
72 試し刷りキー
73 機密解除モード設定手段および第2の解除コード生成手段を構成するテン
キー
75 機密解除モード設定手段を構成するエンターキー
85 主制御部
86 主制御部を構成するCPU
87 記憶装置
88 記憶装置を構成するRAM
89 記憶装置を構成するPROM
90 第1ないし第5の制御手段としての制御装置
100 コンピュータの一例としてのホストコンピュータ
101 通信ケーブル
102 主制御部(CPU)
103 記憶装置
104 複数機密モード設定手段、機密モード設定手段および第1の解除コード
生成手段としての入力装置
105 画像表示装置
110 OS
111 印刷機用ドライバ
111A 複数機密モード設定手段、機密モード設定手段および第1の解除コー
ド生成手段としての印刷機のプロパティ画面

Claims (14)

  1. 製版済みのマスタを巻き付けられて回転駆動される多孔性円筒状の版胴を備えた印刷部、マスタを製版しその製版済みのマスタを上記版胴に巻き付ける製版部および上記版胴より使用済みのマスタを排版する排版部を具備した孔版印刷装置と、上記孔版印刷装置と通信可能に接続されたコンピュータとで構成され、該コンピュータからの信号に基づいて上記孔版印刷装置が作動する孔版印刷装置ネットワークシステムであって、
    上記コンピュータは、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、この後、印刷動作を行う製版・印刷モードおよび上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける動作までを行い、以降の印刷動作を禁止する製版終了後機密モードの何れか一方を選択的に設定する機密モード設定手段を備えており、
    上記機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記製版終了後機密モードを実行するように上記排版部、上記製版部および上記印刷部を制御する第1の制御手段を有し、
    上記孔版印刷装置は、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えており、
    上記孔版印刷装置で上記機密解除モードを設定することによって、上記新しい製版済みのマスタを巻き付けた上記版胴で上記印刷動作を行うことを可能にしたことを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  2. 請求項1記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記版胴は、上記孔版印刷装置の本体に対して着脱自在に設けられており、
    上記製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱を禁止する第2の制御手段を有し、
    上記孔版印刷装置は、第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えていることを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  3. 請求項1または2記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モード設定手段は、既存の操作パネルを構成している操作構成要素の少なくとも2つの組み合わせからなることを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  4. 請求項1または2記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モード設定手段からの機密解除モード設定信号に基づいて、上記機密解除モードを実行させる第3の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  5. 請求項1ないし4の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記コンピュータは、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成する第1の解除コード生成手段を備えており、
    上記孔版印刷装置は、第1の解除コードと同一の第2の解除コードを生成することが可能な第2の解除コード生成手段を備えており、
    第1の解除コード生成手段から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき、上記機密解除モードを設定して該機密解除モードを実行させる第4の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  6. 請求項ないしの何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記コンピュータは、製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを上記孔版印刷装置に送信する場合、上記複数頁の先頭頁にのみ上記製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モード設定手段を備えており、
    上記先頭頁機密モード設定手段からの先頭頁機密モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止を上記先頭頁にのみ対して実行させる第5の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  7. 請求項ないし6の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モードが設定されて上記印刷動作が終了した後、再度、上記製版終了後機密モードに移行することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  8. 製版済みのマスタを巻き付けられて回転駆動される多孔性円筒状の版胴を備えた印刷部、マスタを製版しその製版済みのマスタを上記版胴に巻き付ける製版部および上記版胴より使用済みのマスタを排版する排版部を具備した孔版印刷装置と、上記孔版印刷装置と通信可能に接続されたコンピュータとで構成され、該コンピュータからの信号に基づいて上記孔版印刷装置が作動する孔版印刷装置ネットワークシステムであって、
    上記コンピュータは、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、この後、印刷動作を行う製版・印刷モード、上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付け、その後、印刷動作までを行い、以降の使用済みのマスタによる印刷動作を禁止する印刷終了後機密モードおよび上記版胴より使用済みのマスタを除去した後、上記版胴上に新しい製版済みのマスタを巻き付ける動作までを行い、以降の印刷動作を禁止する製版終了後機密モードのうちの何れか一つを選択的に設定する複数機密モード設定手段を備えており、
    上記複数機密モード設定手段からの印刷終了後機密モード設定信号に基づいて、上記印刷終了後機密モードを実行するように、上記複数機密モード設定手段からの製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記製版終了後機密モードを実行するように、それぞれ上記排版部、上記製版部および上記印刷部を制御する第1の制御手段を有し、
    上記孔版印刷装置は、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えており、
    上記孔版印刷装置で上記機密解除モードを設定することによって、上記新しい製版済みのマスタを巻き付けた上記版胴で上記印刷動作を行うことを可能にしたことを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  9. 請求項8記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記版胴は、上記孔版印刷装置の本体に対して着脱自在に設けられており、
    上記印刷終了後機密モード設定信号または上記製版終了後機密モード設定信号に基づいて、上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱を禁止する第2の制御手段を有し、
    上記孔版印刷装置は、第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードを設定する機密解除モード設定手段を備えていることを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  10. 請求項8または9記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モード設定手段は、既存の操作パネルを構成している操作構成要素の少なくとも2つの組み合わせからなることを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  11. 請求項または記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モード設定手段からの機密解除モード設定信号に基づいて、上記機密解除モードを実行させる第3の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  12. 請求項8ないし11の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記コンピュータは、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行状態または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止状態を解除する機密解除モードに係る第1の解除コードを生成する第1の解除コード生成手段を備えており、
    上記孔版印刷装置は、第1の解除コードと同一の第2の解除コードを生成することが可能な第2の解除コード生成手段を備えており、
    第1の解除コード生成手段から送信されてきた第1の解除コードと第2の解除コード生成手段から送信されてきた第2の解除コードとが同一であるとき、上記機密解除モードを設定して該機密解除モードを実行させる第4の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  13. 請求項8ないし12の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記コンピュータは、製版・印刷すべき複数頁に亘る画像データを上記孔版印刷装置に送信する場合、上記複数頁の先頭頁にのみ上記製版終了後機密モードを設定する先頭頁機密モード設定手段を備えており、
    上記先頭頁機密モード設定手段からの先頭頁機密モード設定信号に基づいて、第1の制御手段による上記製版終了後機密モードの実行または第2の制御手段による上記版胴の上記孔版印刷装置本体からの離脱の禁止を上記先頭頁のみに対して行う第5の制御手段を有することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
  14. 請求項ないし13の何れか一つに記載の孔版印刷装置ネットワークシステムにおいて、
    上記機密解除モードが設定されて上記印刷動作が終了した後、再度、上記製版終了後機密モードに移行することを特徴とする孔版印刷装置ネットワークシステム。
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