図1−図7は一実施形態である。図1は映像式パチンコ機を示す。図2のa図は遊技領域41の着座点L1−L14を示す。図2のb図は着座知識53を示す。図2のc図は発射操作部33の最小回転停止位置P0と最大回転停止位置P14と複数の回転位置P2−P13を示す。図3のa図はハンドル値別到達値54を示す。図3のb図は各入賞口別ルートテーブル55を示す。図3のc図はアウトルート選択値56を示す。図4は主制御装置6の通常時の処理を示す。図5は図柄制御装置7の通常時の処理を示す。図6は主制御装置6の大当たり時の処理を示す。図7は図柄制御装置7の大当たり時の処理を示す。
図1を参照し、映像式パチンコ機について説明する。映像式パチンコ機の遊技機枠1は、パチンコ店の島と呼ばれるような遊技機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2は前後方向に開放された縦長な長方形の開口を囲む額縁形状である。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4で、前側横方向に片開き可能に取り付けられる。可動枠3は前後方向に開放された縦長な長方形の開口を囲む額縁形状である。可動枠3の内部には、画像表示器5が、表示画面を前側に向けた格好で、取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、CRT表示器、プラズマディスプレイなどのように、電気的に表示形態の変えられる画像が、表示画面に表示される構造である。可動枠3の裏部には主制御装置6、図柄制御装置7、カード制御装置8が取り付けられる。
主制御装置6と図柄制御装置7およびカード制御装置8は、CPU、ROM、RAMおよび入出力インターフェースを有するマイクロコンピュータを個別に備える。主制御装置6は遊技仕様や賞球に関する処理を行う。図柄制御装置7は主制御装置6からの信号により演出制御を行う。図柄制御装置7は画像表示器5の裏部に取り付けられることもある。可動枠3の前側には施錠装置9を備える。施錠装置9は、施錠装置9の前面に鍵穴10を備える。
固定枠2に取り付けられた可動枠3が固定枠2の側に閉じられた場合、図外のロック機構によって、可動枠3は固定枠2に開閉不能に支持される。可動枠3が閉じられてロック機構で開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が、図外のキープレートと呼ばれる鍵を、遊技機枠1の前側から施錠装置9の鍵穴10に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠2と可動枠3とのロック機構による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠3を前側に引くことによって、可動枠3はヒンジ4を回転中心として前側に片開きされる。
可動枠3の前面には、前面飾り枠11が、可動枠3に、ヒンジ4で、前側横方向に片開き可能に取り付けられる。可動枠3に取り付けられた前面飾り枠11が可動枠3の側に閉じられた場合、図外のロック機構によって、前面飾り枠11は可動枠3に開閉不能に支持される。前面飾り枠11が閉じられてロック機構で開閉不能に支持された状態において、施錠装置9の鍵穴10に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠3と前面飾り枠11とのロック機構による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が前面飾り枠11を前側に引くことによって、前面飾り枠11はヒンジ4を回転中心として前側に片開きされる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備える。丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられたガラスまたは合成樹脂からなる光透過性の有る無色のパネル13で、塞がれる。丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、清算操作機構17、発射操作機構18、持ち球表示器19、放音口部20、表示灯部21を備える。
カード挿入口14は遊技者がプリペイドカードのような遊技媒体22を前面飾り枠11の前側から挿入する口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23とカード搬送機構24と情報読取器25と情報書替器26とが、前面飾り枠11の裏部または可動枠3の前部のいずれかに取り付けられた格好で配置される。貸出操作機構15は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される貸出操作部27と、貸出操作部27によりオン・オフ動作する貸出スイッチ28とを備える。貸出スイッチ28は、前面飾り枠11の裏部または可動枠3の前部のいずれかに取り付けられる。
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、返却操作部29によりオン・オフ動作する返却スイッチ30とを備える。返却スイッチ30は、前面飾り枠11の裏部または可動枠3の前部のいずれかに取り付けられる。清算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される清算操作部31と、清算操作部31によりオン・オフ動作する清算スイッチ32とを備える。清算スイッチ32は、前面飾り枠11の裏部または可動枠3の前部のいずれかに取り付けられる。
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射操作部33と、発射操作部33により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、発射停止操作部35によりオン・オフ動作する発射停止スイッチ36とを備える。可変抵抗器34および発射停止スイッチ36は、発射操作機構18の発射操作部33を支持する機構本体の内部に設けられる。持ち球表示器19は、数値を表示する表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11または可動枠3に取り付けられる。放音口部20の裏部にはスピーカ37が取り付けられる。表示灯部21の裏部には表示灯38が取り付けられる。
実施形態の動作について説明する。主制御装置6、図柄制御装置7、カード制御装置8が遊技機枠1に設けられた図外の電源装置から供給された直流電源で起動すると、図柄制御装置7が画像表示器5を制御し、この制御によって画像表示器5が表示画面に盤面画像を表示する。この盤面画像は、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センター飾り42、図柄表示部43、一般入賞部44、始動入賞部45、可変入賞部46、風車47、サイドランプ48、アウト口49、図示を省略した多数の遊技釘などの遊技部品を表現する画像である。可変入賞部46の前面には、開閉体50が存在する。
そして、遊技者が金額情報の書き込まれた遊技媒体22をカード挿入口14に挿入すると、カード検出器23が挿入されたカードを検出した信号(以下、カード検出信号という)をカード制御装置8に出力し、カード制御装置8がカード搬送機構24を引込制御する。これによって、カード搬送機構24が遊技媒体22をカード挿入口14から前面飾り枠11の内部に搬送し、情報読取器25が前面飾り枠11の内部に搬送された遊技媒体22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、貸出スイッチ28が操作入力された投資金額に相当する投資金額情報をカード制御装置8に出力する。例えば、遊技者が貸出操作部27を1回操作すると、貸出スイッチ28が1個の貸出信号をカード制御装置8に出力し、遊技者が貸出操作部27を2回操作すると、貸出スイッチ28が2個の貸出信号をカード制御装置8に出力するというように、貸出操作部27が遊技者で操作された回数だけ、貸出スイッチ28が貸出信号をカード制御装置8に出力する。これによって、カード制御装置8が貸出スイッチ28から入力された貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、遊技媒体22から読み取って記憶された金額情報が演算した投資金額情報以上であるか否かをカード制御装置8が判断する。
次に、カード制御装置8に記憶された金額情報が演算した投資金額情報以上である場合、カード制御装置8が主制御装置6に投資金額情報を出力する。カード制御装置8に記憶された金額情報が演算した投資金額情報未満である場合、カード制御装置8が主制御装置6に記憶された金額情報の範囲内の投資金額情報を出力する。これによって、主制御装置6が投資金額情報に対応する球数情報を持ち球表示器19に出力し、持ち球表示器19が球数情報に相当する球数を数値表示する。
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、遊技媒体22には500円の整数倍の1000円、1500円、2000円、2500円、3000円、3500円、4000円、4500円、5000円などの金額情報が書き込まれている。そして、例えば、カード挿入口14に挿入された遊技媒体22には1000円の金額情報が書き込まれている場合において、遊技者が貸出操作部27を1回操作した場合には、500円に相当する球数が持ち球表示器19に表示され、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、1000円に相当する球数が持ち球表示器19に表示され、遊技者が貸出操作部27を3回操作した場合には、1000円に相当する球数が持ち球表示器19に表示される。
この貸出としての球数が持ち球表示器19に表示されることと並行し、カード制御装置8は記憶された金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれている遊技媒体22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。
また、残額情報が有価である場合において、遊技者が返却操作部29を操作すると、返却スイッチ30が返却信号をカード制御装置8に出力し、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。これらの戻し制御によって、カード搬送機構24が遊技媒体22を前面飾り枠11の内部からカード挿入口14に搬送し、遊技媒体22の一部がカード挿入口14より前側に突出する。この前側に突出した遊技媒体22の一部を人が手で持って手前に引き出すことによって、遊技媒体22が遊技機枠1から取り出される。
持ち球表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、可変抵抗器34が操作量に応じた発射出力としての可変抵抗値を主制御装置6に出力する。これによって、主制御装置6は可変抵抗値に応じた発射出力を1分間当たり例えば100発未満の一定間隔で刻み、その刻んだ発射出力ごとに、球到達位置、球到達時間、球軌道、入賞・非入賞など、画像表示器5の表示画面に画像として描かれる球(以下、単に、球という)が発射してから遊技領域41を飛び交いながら一般入賞部44や始動入賞部45あるいは可変入賞部46またはアウト口49に入るまでの情報を決定する。
けれども、本実施形態の場合は、非入賞つまりこれから発射される球がアウト球(アウト口49に取り込まれる球)となることが決定された場合、主制御装置6がアウト信号を図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が主制御装置6から入力されたアウト信号でアウト球の球到達時間と球軌道を決定する。
球到達位置は、球が発射してからどこに何秒後に到達するかを示す情報である。球軌道は、発射通路40からガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に移動し、当該球の飛び力よりも当該球の自重が大きくなり、当該球が遊技領域41を落下し始める着座点から遊技領域41を自重落下で移動しながら風車47やサイドランプ48および多数の遊技釘に接触したりして、一般入賞部44または始動入賞部45または可変入賞部46に入賞するまでの道筋を表わす情報、あるいは、一般入賞部44、始動入賞部45、可変入賞部46のいずれにも入賞しないでアウト口49に取り込まれるまでの道筋を表わす情報である。
入賞は、画像表示器5の表示画面における遊技領域41を自重落下で移動する球が一般入賞部44または始動入賞部45または可変入賞部46に入賞することを表わす情報である。非入賞は、画像表示器5の表示画面における遊技領域41を自重落下で移動する球が一般入賞部44、始動入賞部45、可変入賞部46のいずれにも入賞しないでアウト口49に取り込まれることを表わす情報である。入賞として始動入賞情報が決定された場合だけ、当たり外れ情報が決定される。
当たり外れ情報は、主制御装置6が入賞として始動入賞情報が決定されたタイミングによりカウンタからカウント値を取得し、取得したカウント値を乱数値と当たり外れなどの抽選内容とを対応付けた抽選知識に照合し、カウント値と同値の乱数値と対応する抽選内容を抽選知識から抽出し、抽出した抽選内容をRAMに記憶する。これによって、RAMに記憶される抽選内容は、当たりまたは外れのいずれか1つである。
このような情報処理後に、主制御装置6は、上記1分間当たり例えば100発未満の一定間隔で刻まれた発射出力を上記情報処理の結果と一緒に図柄制御装置7に出力するとともに、発射出力で球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球表示器19に出力する。これによって、図柄制御装置7は画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は複数の球動画を表示画面に表示する。この表示画面に表示される複数の球動画は、複数の球が上記1分間当たり例えば100発未満の一定間隔で表示画面の発射通路40から遊技領域41に移動する形態である。
持ち球表示器19は、上記主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球表示器19で表示された数値は、複数の球が発射されるごとに減算した数値となる。そして、遊技領域41に発射された球が一般入賞部44に入賞して画像表示器5の表示画面から消えると、主制御装置6は一般入賞部44に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を持ち球表示器19に出力し、持ち球表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球表示器19で表示された数値は、複数の球が発射されるごとに減算した数値と一般入賞部44に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
また、遊技領域41に発射された球が始動入賞部45に入賞して画像表示器5の表示画面から消えると、主制御装置6は図柄変動信号および上記抽選で決定された当たり情報または外れ情報を図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5が図柄表示部43に複数の図柄の可変表示を開始した後、画像表示器5が図柄表示部43に主制御装置6から図柄制御装置7に出力された上記抽選で決定された当たり情報または外れ情報を反映すべく複数の図柄の可変表示を停止する。
この停止によって図柄表示部43に表示される表示図柄は、上記抽選で決定された情報が当たり情報である場合には例えば「333」、「777」のように同数の数値が一列に並んだ表示形態となり、上記抽選で決定された情報が外れ情報である場合には例えば「133」、「767」のように異なる数値が一列に並んだ表示形態となる。
この図柄表示部43における図柄の停止した表示形態が当たりの形態である場合、主制御装置6が大当たり情報を図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は可変入賞部46の動作画像を表示画面に表示する。この可変入賞部46の動作画像は、可変入賞部46の開閉体50が下部を中心として後方垂直状態から斜め前方に開いた形態である。
この開閉体50の開放中に、遊技領域41から球が可変入賞部46に入賞して画像表示器5の表示画面から消えると、主制御装置6は可変入賞部46に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を持ち球表示器19に出力し、持ち球表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球表示器19で表示された数値は、可変入賞部46への入賞時点の数値と可変入賞部46に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
また、上記遊技領域41から球が可変入賞部46に入賞した球は可変入賞部46の内部に設定された普通入賞部と特定入賞部とのいずれかに入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始から経過時間をカウントアップするとともに、可変入賞部46に入賞した球が可変入賞部46の普通入賞部に入賞した場合、主制御装置6は普通入賞部に入賞した数値をカウントアップする。
そして、上記カウントアップした経過時間が設定開放時間に到達するか、または、カウントアップした普通入賞個数が例えば10個のような設定入賞個数に到達するかのいずれか一方の条件が成立すると、主制御装置6は開閉体50の閉じ情報を図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は可変入賞部46の動作画像を表示画面に表示する。この可変入賞部46の動作画像は、可変入賞部46の開閉体50が下部を中心として斜め前方から図1に示す後方垂直状に閉じた形態である。
この開閉体50が開いてから閉じるまでの間において、可変入賞部46に入賞した球が可変入賞部46の特定入賞部に入賞した場合、主制御装置6は上記開閉体50の1回の開閉を再び行う大当たり継続情報を図柄制御装置7に出力するとともに、特定入賞部に入賞した数値をカウントアップする。この大当たり継続情報を図柄制御装置7が受け取った場合、図柄制御装置7は上記開閉体50の1回の開閉が終了した後に画像表示器5を再び制御する。この制御によって、画像表示器5は可変入賞部46の開閉体50が下部を中心として斜め前方に開いた形態の動作画像を表示画面に表示する。
この開閉体50が再び開閉する大当たりの継続は、カウントアップした特定入賞個数が例えば16回のような設定継続回数に到達するまで、行われる可能性がある。その理由は、開閉体50の1回の開閉中において特定入賞部への入賞がなければ、その回で大当たりの継続が終了するからである。遊技者が遊技を終了する場合、遊技者が清算操作部31を操作する。これによって、清算スイッチ32が清算信号をカード制御装置8に出力し、カード制御装置8が清算信号を主制御装置6に出力する。
すると、主制御装置6が、持ち球表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置8に出力するとともに、持ち球表示器19の数値を「0」となるように持ち球表示器19を制御する。カード制御装置8は遊技機枠1の内部に取り込まれている遊技媒体22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれている遊技媒体22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御し、金額情報の書き替えられた遊技媒体22がカード挿入口14から前側に吐き出される。
この清算処理は、遊技媒体22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替えるのではなく、プリンタや紙などの付帯機構は増えるものの、カード制御装置8が主制御装置6から入力された球数情報または球数情報に対応する金額情報を紙にプリントし、当該レシートのような紙を遊技機枠1の前側に出力してもよい。
図2を参照し、遊技者による発射操作部33の操作に伴う可変抵抗器34の回転角度と画像表示器5の表示画面に表示された遊技領域41における着座点との関係について説明する。図2のa図において、遊技領域41の着座点は、発射通路40の出口に表示された戻り球防止弁51と戻り球防止弁51の反対側に表示された球反発体52との間に、L1−L14の符号で示す14個割り当てているものとする。図2のb図に示すように、可変抵抗器34の回転角度と着座点L1−L14との関係は、主制御装置6のROMに着座知識53であるデータとして格納される。図2のc図に示すように、発射操作機構18の発射操作部33の最小回転停止位置P0と最大回転停止位置P14との間が、回転位置P1−P13の13個に分割されているものとする。最小回転停止位置P0は、発射操作部33がそれ以上右側から左側に回転しないで停止する位置である。最大回転停止位置P14は、発射操作部33がそれ以上左側から右側に回転しないで停止する位置である。戻り球防止弁51は、発射通路40から遊技領域41に向けて移動する球で押し開けられて後に図示のように復元し、復元することで、遊技領域41から発射通路40に向けて移動する球を発射通路40に入らないように阻止する。球反発体52は、発射通路40から遊技領域41に勢いよく移動した球が衝突することで、当該衝突した球を遊技領域41の中央に向けて跳ね返す。
そして、発射操作部33が最小回転停止位置P0に在る場合、主制御装置6はハンドル回転角度を出力しない。遊技者が発射操作部33を最小回転停止位置P0から右側に操作し、発射操作部33が最小回転停止位置P0から回転位置P1までの間、回転位置P1から回転位置P2までの間、回転位置P2から回転位置P3までの間、回転位置P3から回転位置P4までの間、回転位置P4から回転位置P5までの間、回転位置P5から回転位置P6までの間、回転位置P6から回転位置P7までの間、回転位置P7から回転位置P8までの間、回転位置P8から回転位置P9までの間、回転位置P9から回転位置P10までの間、回転位置P10から回転位置P11までの間、回転位置P11から回転位置P12までの間、回転位置P12から回転位置P13までの間、回転位置P13から最大回転停止位置P14までの間のそれぞれにおいて、主制御装置6は、可変抵抗器34から入力される可変抵抗値に対応し、図2のb図に示すハンドル回転角度信号を形成し、この形成されたハンドル回転角度信号をマイクロコンピュータのブート処理でROMからRAMに格納された図2のb図に示す着座知識53に照合し、ハンドル回転角度信号に対応する着座点L1−L14を形成する。
図3を参照し、主制御装置6のROMに格納されたデータであるハンドル値別到達値54と、図柄制御装置7のROMに格納されたデータである各入賞口別ルートテーブル55とについて説明する。ハンドル値別到達値54は着座点L1−L14ごとに作成されており、全部のハンドル値別到達値54がマイクロコンピュータのブート処理でROMからRAMに格納される。そして、例えば、遊技者が図2のc図に示す発射操作部33を回転位置P4から回転位置P5までの間に操作した場合、主制御装置6が図2のb図に示すハンドル回転角度信号90H+10Hを形成して着座知識53から着座点L5を形成する。これによって、主制御装置6が、着座点L5に対応するハンドル値別到達値54に着座点L5を照合し、当該ハンドル値別到達値54における入賞率と到達時間とのそれぞれに対応する対応コマンドを図柄制御装置7に出力する(ステップ103の処理に相当する)。各入賞口別ルートテーブル55は着座点L1−L14ごとに作成されており、全部の各入賞口別ルートテーブル55がマイクロコンピュータのブート処理でROMからRAMに格納される。そして、例えば、図柄制御装置7が主制御装置6から着座点L5による対応コマンドを受信すると、図柄制御装置7が着座点L5に対応した各入賞口別ルートテーブル55を用いた処理を実行する。
図4を参照し、本実施形態の主制御装置6における大当たり発生中ではない通常時の処理について説明する。発射出力が主制御装置6に入力されると、主制御装置6がステップ101で大当たり中であるか判定する。大当たり中であれば、図6および図7に示す大当たり中の処理を行う。大当たり中でなければ、ステップ102に進む。ステップ102では、主制御装置6が発射操作機構18から入力された可変抵抗値を読み取りステップ103に進む。ステップ103では、主制御装置6が図2のb図に示す着座知識53から可変抵抗値に対応する着座点L1−L14のいずれか1つを形成し、この1つの着座点L1−L14に基づきハンドル値別到達値54から到達値、入賞率、到達時間を含む発射出力値別到達値を取得し、取得した発射出力値別到達値に対応する対応コマンドを図1の図柄制御装置7に出力してステップ104に進む。この主制御装置6からの対応コマンドを取得した図柄制御装置7は、取得した対応コマンドに基づき各入賞口別ルートテーブル55から発射出力値別到達値を取得する。
ステップ104では、発射出力値別到達値により選択された内容が入賞であるか判定する。入賞でなければ、発射出力値とアウト信号とを図柄制御装置7に出力し、入賞であれば、ステップ105に進む。ステップ105では、始動入賞であるかを判定する。始動入賞でなければ、発射出力値と球到達時間とを図柄制御装置7に出力する。この場合、主制御装置6は、発射出力値別到達値により、球がどこの一般入賞部44に発射されてから何秒後に到達するかを把握しているため、球の発射からその一般入賞部44への球到達時間後に、持ち球表示器19にその賞球数を出力する。
ステップ105の判定の結果、始動入賞であれば、ステップ106において当たり外れ抽選を行い、ステップ107に進む。ステップ107では、当たり外れ抽選の結果を判定する。判定の結果、当たりであれば、ステップ108;109;110;111において、当たり変動パターンと停止図柄とが決定されるとともに、可変入賞部開放カウンタに大当たり開始までの時間を加算する。
上記判定の結果、外れであれば、ステップ112;113;114;115において、外れ変動パターンと停止図柄とが決定されるとともに、外れ変動パターン終了時間を可変入賞部開放カウンタに加算する。これらの時間の加算後には、当たりおよび外れに関わらず、主制御装置6は、図柄制御装置7に、発射出力値別到達値、当たり変動パターンまたは外れ変動パターン、図柄を停止して確定させるための確定図柄信号を出力する。この処理によって、主制御装置6は、可変入賞部46が何秒後に開放するかを把握する。
図5を参照し、図柄制御装置7における大当たり発生中ではない通常時の処理について説明する。図4のステップ104の判定の結果、入賞でなければ、図柄制御装置7は、ステップ116において主制御装置6から発射出力値とアウト信号とを受信し、ステップ117において図3のc図に示すアウトルート選択値56から球軌道を決定し、ステップ118において球がアウト口49に到達した後、球を画像表示器5の表示画面より消す。
また、図4のステップ105の判定の結果、始動入賞でなければ、図柄制御装置7は主制御装置6から発射出力値と球到達時間とをステップ119において受け取る。図柄制御装置7は、ステップ120において各入賞口別ルートテーブル55から球軌道を決定し、ステップ121において球が一般入賞部44に到達した後に図1のスピーカ37あるいは表示灯38を駆動した演出を行い、ステップ122において球を画像表示器5の表示画面より消す。
図4のステップ111に引き続く処理として、図柄制御装置7は主制御装置6から大当たりに関するコマンドとして発射出力値別到達値から変動パターンと確定図柄と全図柄停止コマンドとをステップ123において受け取る。図柄制御装置7は、ステップ124において各入賞口別球軌道跡ルートテーブルから球軌道を決定し、ステップ125において球が始動入賞部45に到達した後に図1のスピーカ37あるいは表示灯38を駆動した演出を行い、ステップ126において図1に示す図柄表示部43による複数の図柄の可変表示を開始し、ステップ127において図柄表示部43に同数の数値が一列に並んだ表示形態を出力し、ステップ128において可変入賞部46の開閉体50の開閉による大当たりの演出を行う。
図4のステップ115に引き続く処理として、図柄制御装置7は主制御装置6から外れに関するコマンドとして発射出力値別到達値から変動パターンと確定図柄と全図柄停止コマンドとをステップ129において受け取る。図柄制御装置7は、ステップ130において各入賞口別球軌道跡ルートテーブルから球軌道を決定し、ステップ131において球が始動入賞部45に到達した後に図1のスピーカ37あるいは表示灯38を駆動した演出を行い、ステップ132において図1に示す図柄表示部43による複数の図柄の可変表示を開始し、ステップ133において図柄表示部43に異なる数値が一列に並んだ表示形態を出力し、ステップ134において可変入賞部46の開閉体50の開閉を行わない外れ演出を行う。
図6を参照し、主制御装置6における大当たり発生中の動作について説明する。ステップ135において、大当たり中発射出力値別到達値を大当たりテーブルより取得し、ステップ136に進む。大当たりテーブルは、それ以外の各入賞口別ルートテーブル55と比べて、アウト口49に対する入賞率を減らした分を可変入賞に移行しているだけである。よって、一般入賞部44や始動入賞部45などに対する入賞率は変化していない。
ステップ136では、上記取得した大当たり中発射出力値別到達値が入賞かを判定する。入賞でなければ、図7に示す図柄制御装置7の処理に進む。入賞であれば、ステップ137において大当たり中発射出力値別到達値から始動入賞かを判定する。始動入賞であれば、図4に示す主制御装置6におけるステップ106にジャンプする。始動入賞でなければ、ステップ138において大当たり中発射出力値別到達値から可変入賞かを判定する。可変入賞でなければ、図7に示す図柄制御装置7の処理に進む。
可変入賞であれば、ステップ139において普通入賞個数が設定入賞個数未満かを判断する。普通入賞個数が設定入賞個数未満であれば、ステップ140において可変入賞部46への球到達時間を算出した後に当該算出した球到達時間と可変入賞部46の開閉体50の何秒後に閉じる時間とを比較する。この比較によって、球到達時間の方が開閉体50の閉じる時間よりも小さい場合は、球が可変入賞部46に到達したとき、可変入賞部46の開閉体50は開放している。上記比較によって、球到達時間の方が開閉体50の閉じる時間よりも大きい場合は、球が可変入賞部46に到達したとき、可変入賞部46の開閉体50は閉じている。
よって、ステップ140の判定の結果、球到達時間の方が開閉体50の閉じる時間よりも小さい場合は、図7に示す図柄制御装置7の処理に進む。ステップ140の判定の結果、球到達時間の方が開閉体50の閉じる時間よりも大きい場合は、ステップ141において、可変入賞は発生しないので、可変入賞を取り消し、アウト球処理を行った後、図7に示す図柄制御装置7の処理に進む。上記ステップ139の判定の結果、普通入賞個数が設定入賞個数であるならば、ステップ142において可変入賞部46の球到達時間を算出してステップ143に進む。ステップ143において、算出した球到達時間後に可変入賞開閉コマンドを図柄制御装置7に出力する。
図7を参照し、図柄制御装置7における大当たり発生中の処理について説明する。図6のステップ136の判定の結果、入賞でなければ、または、図6のステップ141における主制御装置6からのアウト信号を図柄制御装置7が受け取ったならば、図柄制御装置7は、ステップ144において主制御装置6から発射出力値とアウト信号とを受信し、ステップ145においてアウトルート選択値56から球軌道を決定し、ステップ146において球がアウト口49に到達した後、球を画像表示器5の表示画面より消す。
また、図6のステップ138の判定の結果、可変入賞でなければ、または、図6のステップ140の判定の結果、算出した球到達時間が可変入賞部46の開閉体50の閉じる時間よりも小さければ、図柄制御装置7は主制御装置6から発射出力値と球到達時間とをステップ147において受け取る。図柄制御装置7は、ステップ148において各入賞口別ルートテーブル55から球軌道を決定し、ステップ149において球が可変入賞部46に到達した後に図1のスピーカ37あるいは表示灯38を駆動した演出を行い、ステップ150において球を画像表示器5の表示画面より消す。
図6のステップ143に引き続く処理として、図柄制御装置7は主制御装置6から大当たりに関するコマンドとして大入賞口閉止コマンドをステップ151において受け取る。図柄制御装置7は、ステップ152において可変入賞部46の開閉体50を閉じる演出を行う。
要するに、本実施形態によれば、アウト球については、主制御装置6がアウト信号を図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が主制御装置6からのアウト信号に基づき球軌道および球到達時間を決定する。また、一般入賞や始動入賞および可変入賞については、主制御装置6が球到達時間を決定して図柄制御装置7に出力し、図柄制御装置7が主制御装置6からの球到達時間に基づき球軌道を決定する。よって、主制御装置6の処理負担を軽減することができ、公的機関の検査負担も軽減することができる。