(第1参考形態)
第1参考形態を図面にしたがって説明する。図1に本発明の弾球遊技機を構成するパチンコ台およびプリペードカードユニットを示す。パチンコ台1aにはプリペードカードユニット1bが1つずつ併設され、遊技場に複数列レイアウトされる遊技機設置島には、パチンコ台1aとプリペードカードユニット1bとが交互に配置される。パチンコ台1aは、長方形の外枠111と前面枠112とを有しており、外枠111にて遊技機設置島に固定される。前面枠112は、左端上下のヒンジ116により外枠111に対し水平方向に回動自在に取り付けられており、前面枠112と一体化している各部をメンテナンス時等に手前側に出すことが可能である。
プリペードカードユニット1bは磁気カードの読み書き機能を持った一般的な構成のものが用いられている。プリペードカードユニット1bには、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペードカードの挿入口151が設けられている。
前面枠112の内側には、前面枠112の高さ方向の上側略2/3の大きさをカバーする金枠113が取り付けられ、金枠113の左側を支軸にして金枠113の内周を縁取るガラス枠114が開閉可能に蝶着される。ガラス枠114にはガラス板115が二重に装填されている。ガラス板115の奥側で前面枠112の内側には遊技盤16が収納され、ガラス板115を挟んで遊技者と対向するようになっている。
二重のガラス板115の間隔は、外側からの磁石の影響が後述する遊技盤16の盤面上の遊技球におよばないように、また、ガラス板115の表面を押圧した時に、ガラス板115と、上記盤面上からガラス板115方向に突出する遊技釘とが接触しないように設定される。
前面枠112の内側にはまた、金枠113の下方にバスタブ状の上皿121と下皿124とが手前側に突出して設けられている。直接遊技球を受ける上皿121の本体部にはエボナイド等の汚れのつきにくいものが用いられる。上皿121の内側面には賞球の払い出し用等の排出口122が開口している。
上皿121の左側には、上記プリペードカードユニット挿入口151に挿入されたプリペードカードの残高を表示する残高表示部133、遊技球の貸し出しを受ける場合に押下する球貸し釦131および精算する場合の精算釦132が設けられている。
下皿124は内側面に溢れ球排出口125が開口しており、上皿121満杯時の溢れ球が流入するとともに、発射し損ねた戻り球の出口となっている。また、遊技者が上皿球抜きレバー123を操作することにより、下皿124が溢れ球排出口125を介して上皿121と連通するようになっており、上皿121の遊技球を下皿124に移動することが可能である。また、下皿124が遊技球で満杯となった時には、下皿球抜きレバー126の操作により下皿124の底面が開口して下皿124の下方に排出可能であり、遊技球を別箱に移すことができる。
下皿124の右側には発射ハンドル141が設けられている。発射ハンドル141は、手前側に突出して取り付けられたグリップ部142の外周にリング状の回動リング143を同軸に設けてなり、遊技者が回動リング143を時計方向に回動すれば、上皿121から供給される遊技球を後述する遊技盤16の盤面160上に発射することができる(図2)。
遊技盤16は図2に示すように略正方形の盤で、レール161,162により略円形の遊技領域1600が形成される。遊技領域1600には、中央に特別図柄表示部171および普通図柄表示部172が設けられ、その周囲に図示しない多数の遊技釘の他、風車164,165等が設けられる。遊技領域1600には、発射ハンドル141の操作で遊技領域1600の天部へと発射された遊技球が遊技釘で弾かれたり、風車164,165で進路を変えられたりしながら不規則な経路をとって落下していく。そして、入賞口21,22,23に入球すれば入賞となって遊技球が払い出され、入賞することなく遊技領域1600の最下部に達した遊技球はアウト口25から取り込まれる。
特別図柄表示部171および普通図柄表示部172は、共通の液晶ディスプレイパネルユニット(以下、適宜、LCDパネルユニットという)により構成され、遊技領域1600の略中央に設けられた画像表示枠163に画面を手前に向けて設けられる。LCDパネルユニットの画面の略全体を特別図柄表示部171が占め、画面の隅部を普通図柄表示部172が占めている。また、画像表示枠163には、各々4つのLEDを有する特別図柄用の保留表示部173および普通図柄用の保留表示部174が設けられている。
画像表示枠163の下方には、第1種の始動口としての普通電動役物21が設けられる。普通電動役物21は図3(A)、図3(B)に示すように、左右1対の羽根31,32が開閉する入球装置であり、詳しくは後述する。
普通電動役物21の下方には大入賞口22が設けられる。大入賞口22は、アタッカー扉221が電動で作動して幅広の入球口を開閉し、「開」時には多くの入賞を見込むことができる。
また、画像表示枠163の左右には普通図柄作動ゲート24が設けられており、ここを遊技球が通過すると、普通図柄表示部172の表示画像が変動する。
遊技領域1600の外縁部には左右にサイドランプ175が設けられ、遊技中の遊技盤16の装飾効果を発揮する。さらに、図示しないスピーカから遊技の進行に合わせて音を発生させて、遊技中の臨場感を高めている。また、遊技盤16の上側の左右の隅部にはエラーの発生等の種々の案内用のランプ表示を行うコーナ飾り部176が設けられている。
また、レール162の先端部にはファール球防止具166が設けてある。
図4に普通電動役物21の完成状態を、図5に分解した状態を示す。また、図6(A)に羽根31,32が閉状態の普通電動役物21の断面を示し、図6(B)に羽根31,32が開状態の普通電動役物21の断面を示す。普通電動役物21は基本的には一般的なチューリップ式役物と同じ構成を備えている。普通電動役物21は遊技盤16に開口する普通電動役物21の取り付け用の穴を塞いで、プレート部41が設けられており、図示しないネジにより遊技盤16に固定されている。プレート部41はメインプレート部材411とサブプレート部材412とからなり、サブプレート部材412がメインプレート部材411の上側端側面に固定されて、一体化している。
プレート部41の手前にはプレート部41側から左右1対の羽根31,32とカバー部42が設けてある。羽根31,32により、羽根31,32間を遊技球が落下する遊技球入口300が形成される。また、羽根31,32の直上位置でサブプレート部材412にはコ字状のアーチ部43が設けてある。アーチ部43は1個の遊技球がゆとりをもって通り抜けが可能な大きさのもので、通り抜け方向を上下方向にとって配置される。アーチ部43、羽根31,32は、プレート部41の直上で遊技盤16に打設されるいわゆる命釘の真っ直ぐ下方に位置する。
カバー部42は野球のグローブを模した形状のもので、羽根31,32の基部312,322側の半部を覆って配置される。カバー部42の背面からは前後方向に1対のシャフト部45が伸び、それぞれ、対向する羽根31,32の基部312,322を貫通して形成された孔313,323を挿通し、先端部がプレート部41の1対の孔4111,4112に圧入されている。各羽根31,32はシャフト部45周りに揺動自在である。
上記シャフト部45よりも下方位置で、カバー部42の背面から球受け44が伸びて先端面がプレート部41と当接しており、羽根31,32の下方で遊技球を受けるようになっている。
プレート部41には、球受け44との当接部の直上位置に開口部4113が形成されて、遊技球入口300がプレート部41の背後に通じる。これにより、遊技球入口300からの遊技球を入賞球として取り込む第1の取り込み通路401が形成され、遊技球が遊技盤16の背後から図示しない遊技球回収装置へと回収される。
羽根31,32は図7(A)、図7(B)、図7(C)に示すように、上端部311,321が対向方向に湾曲し、閉状態では上端部311,321同士が近接対向して、両羽根31,32が実質的に逆U字をなしている。ここで、先端部311,321の対向間隔は遊技球の直径に比して十分に小さく殆ど隙間がないので、この状態では、羽根31,32の上方から遊技球が落下しても羽根31,32の間を通り抜けることはできず、遊技球入口300は閉鎖状態となる(図3(A)、図6(A))。
一方、この状態から、左側の羽根31が左側に、右側の羽根32が右側に揺動して、羽根先端部311,321が左右方向に離間すると、羽根31,32の上方からの遊技球は羽根31,32の間を抜けて球受け部44上に落下することができる。このとき、両羽根31,32が逆八字状をなすので、球受け部44に落下可能な遊技球は、アーチ部43の間を落下してくる遊技球だけではなく、普通電動役物21の左右斜め上方から普通電動役物21に向かってくる遊技球もが入球する(図3(B)、図6(B))。
羽根上端部311,321の近接対向面の上側の側縁部が、羽根31,32の前面から背面にかけて全体に断面1/4円状に切り欠かれており、閉状態のときに羽根先端部311,321に断面半円状の樋301が前後方向に形成される。樋301は連続的に遊技盤16側ほど低くなるように傾斜せしめてあり、上方から落下した遊技球を遊技盤16側に誘導する誘導樋301となっている。また、誘導樋301は、断面形状が連続的に遊技盤16側ほど広く、なだらかな傾斜面を有し、スムーズに遊技球が流れるようになっている。
プレート部41の上側部分をなすサブプレート部材412には、羽根31,32が閉状態のときに形成される上記誘導樋301と近接する位置に、上側が方形で下側が半円形の開口部4121が形成してある。開口部4121の下側半円形部が上記誘導樋301と対向している。その円弧状周縁部は背後に突出して、半割り筒部46となっている。開口部4121の下側半円形部および半割り筒部46は直径が遊技球よりもやや大きく、誘導樋301からの遊技球を取り込む第2の取り込み通路402が形成される。
しかして、羽根31,32が閉作動時には遊技球は第2の取り込み通路402に取り込まれ、羽根31,32が開作動時には遊技球は第1の取り込み通路401に取り込まれる。
羽根31,32の駆動部は各羽根31,32の下端部312,322から突出するピン33,34を上下に変位せしめることで羽根31,32の開閉作動を行う一般的なものである。すなわち、各ピン33,34は羽根31,32の揺動中心となる孔313,323に対して左右方向の外側すなわち、左側の羽根31のピン33は孔313よりも左側に、右側の羽根32のピン34は孔323よりも右側に偏した位置から突設されており、プレート部41の開口部4114,4115を通ってその背後に進出している。ここで、開口部4114,4115は長軸を上下方向にとった長穴であり、ピン33,34の上下動の邪魔をしないのは勿論であるが、遊技者側から視認不能に小さく空けられる。
各ピン33,34に1対1に対応してピン33,34と前後方向に対向する駆動アーム51,52が設けてあり、軸受け47,48により左右方向に保持された共通のシャフト53により軸支されている。駆動アーム51,52の作動は駆動アーム51,52の間に配置されたソレノイド54によりなされる。駆動アーム51,52は先端のC字状の係合部511,521でピン33,34と係合し、駆動アーム51,52の回転角度に応じて上記ピン33,34が上下方向に変位し、羽根31,32が開作動若しくは閉作動する。
駆動アーム51,52の基部512,522には、シャフト53に平行に、ピン513,523が突設されており、該ピン513,523は、ソレノイド54から伸びるプランジャ55の二重のフランジ部551,552の間に位置して、プランジャ55の直線動に応じて変位するようになっている。ソレノイド54がオフのときは、プランジャ55の外周に設けられたスプリング56の弾発力によりプランジャ55が後方変位して、図6中、駆動アーム51,52が時計周りに回動して羽根31,32のピン33,34を押し上げ、羽根31,32が閉作動する。反対に、ソレノイド54がオンのときは、上記スプリング56の弾発力に抗してプランジャ55が前方変位して、図6中、駆動アーム51,52が反時計周りに回動して羽根31,32のピン33,34を押し下げ、羽根31,32が開作動する。
また、羽根31,32の直下位置には第1の種類の入球検出手段である遊技球センサ713aが配設されており、その円形穴を遊技球が通過すると、遊技球が通過した旨の検出信号を出力するようになっている。また、第2の取り込み通路402には、途中に矩形のセンサ受け461が設けてあり、ここに第2の種類の入球検出手段である遊技球センサ713bが嵌設されている。センサ受け461は遊技球センサ713bの円形穴の内周面が第2の取り込み通路402と面一となるように深さが設定されており、遊技球センサ713bの円形穴を遊技球が通過可能である。遊技球センサ713bの円形穴を遊技球が通過すると、遊技球が通過した旨の検出信号を出力するようになっている。以下、適宜、遊技球センサ713a,713bを第1種始動口スイッチ713a,713bという)。
図8は、本弾球遊技機の電気的構成を示すもので、主制御装置61は、遊技制御プログラムを記憶したROMおよび演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、各部の制御装置62〜66、各種スイッチ類711〜718および各種アクチュエータ類719〜721との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。
主制御装置61が信号入力を受ける各種スイッチ類711〜718について説明する。
満タンスイッチ711は下皿124に通じる図示しない遊技球通路内に設けられた圧力センサであり、下皿124が遊技球で満タン状態になったことを検知する。補給スイッチ712は図示しない球タンクに設けられた圧力センサであり、球タンク内に遊技球が不足していることを検知する。
普通電動役物21に入球があり、上記第1種始動口スイッチ713a,713bにより検出されると、これをトリガーとして、主制御装置61は、大当たり判定処理を実行する。すなわち、ハード割り込みにより所定の周期で立ち上がるメインルーチンにおいて、普通電動役物21への入球ありとの判断がなされると、乱数の抽出による当たり判定処理を実行し、大当たりか外れかや、大当たり図柄の種類をランダムに決定する。特別図柄表示装置64には、大当たり判定処理の結果に基づいて図柄抽選を特別図柄表示部171上に表示することを要求する指令コマンドとともに送信される。また、主制御装置61は、普通電動役物21に連続して入賞した場合に、大当たり判定処理の権利を保留する保留記憶数を4を上限として記憶し、記憶数に変更があれば、特別図柄表示装置64に上記特別図柄用の保留表示部173に表示することを要求する指令コマンドが送信される。
また、普通電動役物21に入球があれば、主制御装置61は、賞球として払い出す遊技球の個数を賞球制御装置62に送信し、賞球の払い出しを指示する。ここで、第2の第1種始動口スイッチ713bがオンしたとき、すなわち普通電動役物21の羽根31,32が閉作動で入賞したときには、賞球個数は5個とし、第1の第1種始動口スイッチ713aがオンしたとき、すなわち普通電動役物21の羽根31,32が開作動で入賞したときには、賞球個数は10個とする。
また、普通図柄作動スイッチ714は普通図柄作動ゲート24内に設けられ、遊技球を検出すると、主制御装置61では乱数の抽出による当たり判定処理を実行し、普通図柄の種類をランダムに決定する。特別図柄表示装置64には、当たり判定処理の結果に基づいて図柄抽選を普通図柄表示部172上に表示することを要求する指令コマンドとともに送信される。また、主制御装置61は、普通図柄作動ゲート24に連続して入球した場合に、当たり判定処理の権利を保留する保留記憶数を4を上限として記憶し、記憶数に変更があれば、特別図柄表示装置64に上記普通図柄用の保留表示部174に表示することを要求する指令コマンドが送信される。
また、役物連続作動スイッチ(Vスイッチ)715は大入賞口22内に設けられ、入賞した遊技球が特別領域を通過したことを検出する。カウントスイッチ716は大入賞口22内に入賞するすべての遊技球を検出する。
賞球払い出しスイッチ717は図示しない賞球払出装置から払い出される遊技球をカウントする。
タッチスイッチ718は発射ハンドル141に内蔵されて、遊技者が発射ハンドル141に触れているか否かを検出するもので、遊技台が稼働中か否かが知られる。
主制御装置61により駆動されるアクチュエータ類719,720,54について説明する。大入賞口ソレノイド719はアタッカー扉221の開閉に、Vソレノイド720は大入賞口22内の上記特別領域の開閉に、普通役物ソレノイド54は普通電動役物21の開閉に、それぞれ使用される。アタッカー扉221は、基本的な開放時間(通常30秒)が設定されており、該開放時間がカウントアップする前に、カウントスイッチ716により検出される遊技球の数が所定数(通常、10個)に達すると閉鎖する。
賞球制御装置62は1チップマイコンを用いた論理演算回路として構成され、主制御装置61からの指令コマンドに従って入賞があった場合に球切りモータ722を作動せしめて賞球の払い出しの制御を行うとともに、上記のプリペードカードユニット1bおよびCR精算表示装置723と双方向通信を行い貸し球の供給の制御を行う。CR精算表示装置723は上記上皿121の押し釦131,132および残高表示部133形成位置に内蔵され、球貸し釦131の押下でオンする球貸しスイッチ、精算釦132の押下でオンする精算スイッチおよび残高表示部133における数値表示用のLEDから構成されている。
発射制御装置63は、遊技者が操作する回動リング143の回動量センサ724からの検出回動量に応じて図示しない発射装置を構成する発射モータ726を駆動制御するもので、1チップマイコンからなる。発射制御装置63には発射停止スイッチ725が接続され、遊技者により操作されると発射を一時的に停止せしめるようになっている。また、上記タッチスイッチ718がオンであることを表示するタッチランプ727が接続される。
特別図柄表示装置64は、特別図柄表示部171および普通図柄表示部172を構成するLCDパネルユニット641、4つの特別図柄用の保留表示部173および4つの普通図柄用の保留表示部174を構成するLEDを含む付属ユニット643の他、これらを主制御装置61の指令に基づいて制御する図柄制御装置642からなる。図柄制御装置642は1チップマイコン等を中心に構成され、主制御装置61から、図柄抽選の表示の指令を受信すると、特別図柄表示部171に図柄の抽選の様子を表示する。図柄の抽選は、例えばスロットマシンのごとく、回転するリールの表面に表された図柄がリールの回転により順繰りに現出するのを模した態様にて図柄を変動させて行われる。特別図柄表示部171の画面上では、抽選図柄の他に種々の演出用のキャラクターが動き、背景が変化するようになっている。主制御装置61で大当たりと判定されていれば、例えば3つの図柄がすべて揃った大当たり図柄で図柄が静止する。
ランプ制御装置65は、1チップマイコンを有するとともに、ランプ出力部に短絡防止用のICチップが設けられ、主制御装置61および図柄制御装置642からの指令を受けて、装飾および報知用の各種のランプ類728およびLED類729を点灯駆動する。
音制御装置66は多数の音声データを記憶したマスクROM内蔵の1チップマイコンと、これにより制御される音源ICおよびアンプ等から構成されており、主制御装置61および図柄制御装置642の指令を受けて、録音した音源をフレーズに組み立てスピーカ730を駆動制御する。
また、主制御装置61は、外部接続端子67を介して、遊技場全体のパチンコ台1a等を管理するホールコンピュータと接続され、ホールコンピュータに賞球の払い出し数等の種々の遊技情報を送信するようになっている。
上記電気構成の各装置は、一般的なパチンコ台と同様に遊技盤16の背後に配設される。
本弾球遊技機では、普通電動役物21が外観は一般的なチューリップ式役物と基本的に変わりがないが、閉状態では、羽根31,32の上端部311,321に誘導樋301が形成されて、誘導樋301から第2の取り込み通路402へと取り込まれていくようになっているから、遊技者に、従来のチューリップ式役物にはない面白みのある遊技球の動きを見せることができ、遊技の感興が増大する。そして、羽根31,32が開作動すれば、誘導樋301は消失して第2の取り込み通路402での取り込みが途絶され、一方、そのときに初めて羽根31,32の下方に遊技球が落下するのが許容される。そして、第1の取り込み通路401での遊技球の取り込みが可能となる。
また、羽根31,32が閉じている通常の状態では、羽根31,32の間から落下することは禁止されるから、羽根31,32が開作動したときには遊技者が大きな充実感に満たされることになる。したがって、羽根が閉状態と開状態とのいずれであっても羽根の間から遊技球の落下が可能な従来のチューリップ式役物を備えた弾球遊技機と比べて興趣が増す。羽根31,32が閉状態のときにも誘導樋301から第2の取り込み通路402に到るルートでの入賞が可能となるから、遊技者に不興を買うことはない。ここで、遊技球の取り込みの仕方そのものが切り換わるという、ダイナミックな動きを盤面160上に展開することができるので、遊技者に格別の感興を呼ぶ。また、単一の入球装置でありながら羽根31,32を開作動または閉作動することで異なる遊技球センサ713a,713bでの検出を可能とするため2つの入球口を有しているのと同じであり、遊技盤の盤面を有効に利用することにもなる。
このように、実質的に2つの入球口を有する複合構造を持つとともに、遊技球が従来のチューリップ式役物にはない動きをするから、普通電動役物21への注目度がさらに増すとともに、遊技の興趣を高めることができる。
しかも、誘導樋301が羽根31,32と一体化しており、羽根31,32の作動だけで誘導樋301の現出と消失とが切り換えられる構造となっているので、構成が簡単であり、しかも切り換わりが、複雑な動きを伴わずに軽快である。
さらに、取り込み通路401,402によって賞球の個数も異なるようにしているので、遊技者の期待感がさらに増大する。
(第2参考形態)
図9に第2参考形態になる弾球遊技機の普通電動役物の完成状態を示し、図10に普通電動役物の分解状態を示す。また、図11(A)に羽根が閉状態の断面を示し、図11(B)に羽根が閉状態の断面を示す。第1参考形態の構成において第2の第1種始動口スイッチ713bの配置を変えたものである。
プレート部41Aのサブプレート部材412Aは、基本的には図5のサブプレート部材412と同じ構造であり、相違点は、第2の取り込み通路402にセンサ受け部が省略されていることと、アーチ部43位置で開口部4121の上に横長の開口部4122が形成されており、これに、背後側から第2の第1種始動口スイッチ713bが挿入されて、第1種始動口スイッチ713bの、円形穴形成部がアーチ部43A内に嵌まるようになっている。
本参考形態では、羽根31,32が閉状態であると開状態であるとによらず、入球する遊技球は第2の第1種始動口スイッチ713bで検出される。したがって、羽根31,32が閉状態で入球した場合、すなわち第2の取り込み通路402で取り込まれたか否かは、両第1種始動口スイッチ713a,713bの検出結果に基づいて主制御装置61にて判定される。すなわち、第2の第1種始動口スイッチ713bで遊技球が検出され、かつ、第1の第1種始動口スイッチ713aで遊技球が検出されないときに、第2の取り込み通路402で取り込まれたものと判断することになる。なお、普通電動役物21に連続して入球することがあるので、第2の第1種始動口スイッチ713bを通過してから第1の第1種始動口スイッチ713aを通過するまでの時間を考慮して、第1の第1種始動口スイッチ713aの検出信号を取り込むタイミングを設定する。
(第3参考形態)
図12に第3参考形態になる弾球遊技機の普通電動役物を示す。上記第1、第2参考形態では、プレート部をメインプレート部材とサブプレート部材とからなる構成とすることで、サブプレート部材の交換により、第1参考形態の構成または第2参考形態の構成のいずれかを選択することができるが、本参考形態は、プレート部に改変を加えることなく、いずれの構成をも選択的にとり得るようにしたものである。
プレート部41Bのサブプレート部材412Bは半割り筒部46Bにセンサ受け部461が形成されるとともに、開口部4121の上にセンサ挿入用の開口部4122が形成してある。これにより、要求される仕様により、第1種始動口スイッチ713bの取り付け位置を変えるだけで、第1参考形態の構成または第2参考形態の構成のいずれの構成をもとることができる。
センサ受け部461は、第1種始動口スイッチ713bをアーチ部43Aに嵌めた場合を考慮して、段差で遊技球が滞留しないように、取り込み通路402に下りの傾斜をつけたり、センサ受け部461の段差を解消するセンサのダミーを設ける等の処置をして遊技球の流通を容易化するのがよい。
なお、上記各参考形態は、いずれも、遊技球入口300の直下に第1の第12種始動口スイッチ713aが設けられているが、これを省略して、半割り筒部46とアーチ部43Aとのそれぞれに遊技球センサを設けてもよい。この場合は、アーチ部43Aの遊技球センサで遊技球が検出され、かつ、第2の取り込み通路402の遊技球センサで遊技球が検出されないときに、第1の取り込み通路401で遊技球が取り込まれたものと判定する。
(第4参考形態)
図13(A)、図13(B)、図13(C)に第4参考形態になる弾球遊技機の普通電動役物の羽根を示す。なお、羽根の形状以外については第1参考形態と実質的に同じであり、第1参考形態との相違点を中心に説明する。
羽根31Aと羽根32Aとで閉状態のときに第1参考形態のものと同様のU字形状をなすが、羽根31A,32Aはそれぞれ櫛歯状に対向方向に凹凸を有し、羽根31Aの凹凸部3111Aと羽根32Aの凹凸部3211Aとがかみ合い状に近接しており、両者の間隙がジグザグ状になっている。誘導樋301Aの形状は実質的には第1参考形態のものと同じである。
本参考形態では次の効果を奏する。第1参考形態の1対の羽根31,32は、左右対称であり、左右方向の中心を上下に通る線を考えると、左側の羽根31はこの線よりも左側に、右側の羽根32は線よりも右側に位置し、両羽根31,32の上端部311,321が近接する間隙は前後方向の直線状である。この直線状の間隙に落下した遊技球から羽根31,32が受ける衝撃は、羽根31,32を左右に押し広げようとする力となるが、このとき羽根31,32を閉状態に保持し、遊技球が羽根の下方に落下するのを禁止しているのは、プランジャ55に同軸に設けられたスプリング56の弾発力である。
本参考形態では、両羽根31A,32Aは、上記線上に凹凸部3111A,3211Aが位置し、上端部311A,321Aが近接する間隙がこの線をジグザグに跨ぐようになっている。これにより、羽根31A,32Aの上に遊技球が落下しても、いずれかの羽根31A,32Aのみで遊技球を受けることになる。したがって、羽根31A,32Aを左右に押し広げる力は殆ど働かない。これにより、スプリング56が弾発力の余り大きくないものでも、羽根31A,32Aを閉状態に保持し得る。
(第1実施形態)
図14(A)、図14(B)、図14(C)に本発明を適用した第1実施形態になる弾球遊技機の普通電動役物の羽根を示す。本実施形態も、スプリングが弾発力の余り大きくないものでも羽根を閉状態に保持し得るような構造を提供するものである。なお、羽根の形状以外については第1参考形態と実質的に同じであり、第1参考形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態は、上記各参考形態のごとく両羽根31B,32Bで逆U字状をなしているが、その円弧状部分が、略右側の羽根32Bの上端部321Bで構成されており、羽根31B,32Bの大きさが左右でアンバランスになっている。誘導樋301Bは形状が実質的には第1参考形態のものと同じで、右側の羽根32Bのみで形成される。
かかる構成では、羽根31B,32Bの上に遊技球が落下したときに右側の羽根32Bのみで遊技球を受けることになるから、羽根31B,32Bを左右に押し広げる力は働かず、羽根31B,32Bを閉状態に保持し得る。
なお、左側の羽根31Bを小さく、右側の羽根32Bを大きくしているのは次の理由によるものである。すなわち、第1、第4参考形態では羽根が上端部で対向方向に折れ曲がっているので、羽根31,32、羽根31A,32Aが開作動したときに、開き角度によっては、普通電動役物の斜め上方から遊技球が進んできても、これを上端部311,321、上端部311A,321Aが遮ってしまい、十分に遊技球を呼び込むことはできない。
これに対して本実施形態では、右側の羽根32Bの上端部321Bに上記円弧状部分全体が含まれており、左側の羽根31Bは上端部311Bも略上記逆U字の直線部が含まれているに過ぎない。これにより、普通電動役物の左斜め上方からの遊技球を十分に呼び込むことができる。
ところで、一般に遊技領域の中央部に特別図柄表示部を配置し、その下に普通電動役物を配置した弾球遊技機では、遊技者が普通電動役物を狙う場合、遊技領域の天部のやや左側から中央の方へ寄せていくやり方と、遊技領域の天部のやや右側から中央の方へ寄せていくやり方との2通りがあるが、遊技者は通常、天部のやや左側から中央の方へ寄せていくやり方をとっている。これは、遊技盤を示す図2より知られるごとく、発射された遊技球を遊技領域に誘導するレール161,162が遊技領域の左側に配置されていることに基因するものと認められる。すなわち、遊技領域の右側部分に飛び込む遊技球は、左側部分に飛び込む遊技球に比してエネルギーが大きく、遊技球がとる落下経路がよりランダムになり、発射ハンドルの微調整による上記落下経路の制御性が低下するためと認められる。
したがって、左側に発射レールが設けられる遊技盤において、本実施形態のように普通電動役物の左側の羽根が上記のごとく略直線状部分だけで構成されるようにすることで、羽根31B,32Bが開状態となったところへ遊技球がスムーズに飛び込み、遊技者がより気分よく遊技を楽しむことができる。
上記各参考形態は普通電動役物がチューリップ式の役物である例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、左右一対のゲート部材により、ゲート部材の間を遊技球が落下する遊技球入口が形成されるとともに、ゲート部材の左右方向の開作動により遊技球入口が拡開するようになっており、かつ、遊技球入口の下方に、遊技球を受けてこれを取り込む取り込み通路が設けられている入球装置を備えた遊技機であれば適用することができる。
また、誘導樋は、断面半円形のものの他、遊技球の直径よりも狭い対向間隔で左右方向に配置された2本のレールにより構成してもよい。
また、誘導樋を、羽根等のゲート部材に形成するのではなく、別体でもよい。例えば、閉状態でも羽根の間が遊技球が落下可能な間隔となっている従来のチューリップ式役物を基本構成として、羽根の間に、羽根の間隔よりもやや狭幅の舌片状部材を略水平に設けてこれを誘導樋とし、羽根が閉状態のときには、羽根の間に落下した遊技球を舌片状部材で受けて遊技盤側に誘導するように構成する。そして、舌片状部材を、遊技盤の背後側で前後動自在に駆動可能として、羽根が閉状態のときには舌片状部材を羽根の間に進出させ、羽根が開状態のときには舌片状部材を遊技盤の背後に退避させるようにする。かかる構成でも、単一の入球装置でありながら実質的に2つの入球口として機能せしめることができる。
また、第4参考形態、第1実施形態で羽根の上に落下した遊技球が閉状態の羽根を押し広げて落下しないようにする構成を示しているが、万一の落下を考慮して、主制御装置における制御上、羽根が閉状態のときには第1の第1種始動口スイッチがオンしても、これを無効とするのもよい。この場合、第2の第1種始動口スイッチにより検出されたものとして取り扱い、入賞そのものは有効とする。
また、第2の取り込み通路を下流で二股に分岐する形状とするとともに各下流部に遊技球センサを設けて、同じ閉状態での入賞であっても、いずれの遊技球センサで検出されたか、すなわちいずれの遊技球下流部で取り込まれたかにより、賞球の個数等の遊技上の利益を変えるのもよい。
また、遊技球入口が拡開状態のときと非拡開状態のときとで賞球の個数を違えているが、これ以外の遊技者が受ける利益を変えるのもよい。例えば、拡開状態のときの入賞に対して実行される図柄抽選の大当たり確率を高くして、拡開状態に対する期待感をより高めることができる。また、逆に非拡開状態のときの大当たり確率を高くすれば、普通図柄作動ゲートを狙って始動口を拡開状態とすることを目指し、始動口への入球確率を高くするか、あるいは、大当たり確率の高い非拡開状態の始動口を狙っていくかという、遊技上の戦略を選択する楽しみが増える。あるいは、非拡開状態のときの入賞に対しては特別図柄の図柄抽選を1回実行し、拡開状態のときの入賞に対しては特別図柄の図柄抽選を2回実行するというのでもよい。
また、本発明は第1種の遊技機のみならず、他の種類の遊技機にも適用することができる。例えば、第3種遊技機の作動口に上記各実施形態の電動役物を用いることができる。この場合、羽根が閉作動時に入球した遊技球を、盤面の所定の位置に戻す構成とし、羽根が開作動時の入球に対しては、これを第3種遊技の権利発生と扱うことで、ベース値を従来の第3種遊技機のものと殆ど変えずに、遊技球を第3種作動口付近に集めるような遊技釘の構成にすることが可能となる。ここで、盤面の所定の位置から入球した遊技球が戻され、その遊技球が流下する際に入球する可能性のある位置に、別遊技(例えば2種の羽根始動口、1種の第1種始動口、3種の普通図柄始動ゲートなど)の発生に関連する入球口など、単に賞球を払い出すだけではない特殊な入球口を設けるように構成してもよい。
また、本発明は、プリペードカードを使うCR機だけではなく現金により球貸しを受ける現金機にも適用することができる。