JP2602692B2 - パチンコ機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、複数の図柄を変動表示可能な図柄表示装置
と、該図柄表示装置の図柄変動を開始させる始動口と、
前記図柄表示装置の変動が停止したときの図柄の表示が
所定の表示態様であるときに入賞し難い状態から入賞し
易い状態に変化する変動入賞装置と、が配設されたパチ
ンコ機に関するものである。

【従来の技術】

従来、複数の図柄を変動表示可能な図柄表示装置、例
えば、「０〜９」までの数字を順次変化させるデジタル
表示器を複数配列したデジタル表示装置を遊技盤に配設
し、そのデジタル表示器の表示を同じく遊技盤に設けた
始動入賞口に入賞した玉を検出することにより変動さ
せ、一定時間経過した後に停止させ、その停止時の表示
態様が所定の組み合せであるときに変動入賞装置を開放
して遊技盤上を落下するパチンコ玉が入賞し易い状態に
変化させ、短時間に多量の賞品球を獲得できるようなパ
チンコ機が市場に提供されている。しかして、このよう
なパチンコ機は、デジタル表示装置の組み合せが所定の
組み合せ態様になる確率は、きわめて低く抑えられてい
る。

【発明が解決しようとする課題】

ところで、上記のようなデジタル表示装置を有するパ
チンコ機においては、デジタル表示装置を数多く作動さ
せないと、賞品球を獲得するチャンスがなかなか出現し
ないので、勢いデジタル表示装置を作動させるための始
動入賞口へ打球が入賞し易いように調整される傾向にあ
る。しかして、始動入賞口は、デジタル表示装置を作動
させる機能を有すると共に、そこに入賞した玉によって
所定個数の賞品球も払い出されるため、極端に始動入賞
口への入賞率を高めることは、当該パチンコ機の出玉管
理をする上で難しい問題がある。逆に、始動入賞口への
入賞率を低くするとデジタル表示装置の所定の表示態様
の出現回数が少なくなり、このため多量の賞品球が獲得
できるという期待感を喪失せしめ、遊技客に飽きられて
しまうという問題がある。 本発明は、上記した問題てに鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、デジタル表示装置等の図柄表示
装置を有するパチンコ機において、図柄表示装置の作動
を多くして多量の賞品球の獲得ができるという期待感を
喪失することなく、かつ出玉管理のし易いパチンコ機を
提供することにある

【課題を解決するための手段】

上記した目的を達成するために、この発明のパチンコ
機は、図柄表示装置の所定の表示態様として、出現確率
が低いが前記変動入賞装置の入賞し易い状態の時間が長
く設定される大当り表示態様と、出現確率が高いが前記
変動入賞装置の入賞し易い状態の時間が短く設定される
当り表示態様と、が設定される一方、図柄表示装置の図
柄変動を開始させる始動口をパチンコ玉が通過して再度
遊技盤上に放出されるように構成すると共に、該始動口
を図柄表示装置の変動が停止したときの図柄の表示が所
定の表示態様であるときに入賞し難い状態から入賞し易
い状態に変化する変動入賞装置の上方に配置して構成し
たものである。

【作用】

遊技盤上を落下するパチンコ玉が始動口に入った場合
には、図柄表示装置を作動させる検出スイッチを作動さ
せ、再度遊技盤上を落下する。このため、始動口に入っ
たパチンコ玉によっては、賞品球が払い出されない。一
方、図柄表示装置の作動回数を多くすることができるの
で、所定の表示態様の出現率を高めることができ、この
ため変動入賞装置が開放する回数もある程度高めること
ができ、この変動入賞装置が開放している状態において
は、始動口を通過したパチンコ玉が変動入賞装置に入賞
して賞品球が払い出される。したがって、始動口への入
賞率を高くしても全体的に出玉を抑えることができ、管
理が行い易い。更に、通常の遊技状態においても、始動
口が通過型のものであるので、検出スイッチを作動させ
た後、その玉が下方に位置する他の入賞口に入賞して賞
品球が払い出される可能性があるので、始動口を通過し
た玉によって全く賞品球が払い出されないものに比べて
遊技者の不満を和らげることができる。

【実施例】

以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明
する。 第１図ないし第４図は、本発明に係るパチンコ機の一
実施例を示す。図において、パチンコ機１の前面枠２の
開口には、金枠３が周設され、該金枠３の一側にガラス
扉枠４及び前面板５が開閉自在に設けられている。ガラ
ス扉枠４の後方には、後に詳述する遊技盤７が配置さ
れ、前面板５の表面には、打球として供給される賞品球
が貯留される上受皿６が取り付けられている。 遊技盤７の表面には、第３図に示すように、ほぼ円状
に打球を誘導する誘導レール８が植立され、該誘導レー
ル８に囲まれる範囲が打球の落下する遊技領域９を構成
している。遊技領域９のほぼ中央には、図柄表示装置10
が配設されている。この図柄表示装置10は、３つのデジ
タル表示器11a〜11cを有し、それぞれのデジタル表示器
11a〜11cが「０〜９」の数字を順次表示し得るようにな
っている。もちろん、この表示の変化速度は、自由に設
定できるが、遊技客が視認できない程度の速度で変化さ
せることが好ましい、更に、表示される数字の順序もラ
ンダムに表示されるようにした方がよい。なお、図示の
デジタル表示器11a〜11cは、ａセグメント〜ｇセグメン
トからなる７セグメントLEDを使用して、「０〜９」ま
での数字を表示するようにしているが、これに独立した
ｈセグメント（小数点として表示される）を加えたデジ
タル表示器を使用すれば、１つのデジタル表示器で２倍
の異なる図柄を表示することができる。 また、図柄表示装置10には、始動記憶表示ランプ（LE
Dランプ）12が設けられている。図示のパチンコ機１に
おいては、後述する始動口19を通過したパチンコ玉を最
高４個まで記憶できるようになっているが、この始動記
憶表示ランプ12は、その記憶個数を表示するものであ
る。更に、図柄表示装置10の上部には、打球を受け入れ
て入賞球とする通常入賞口13が形成されている。 また、図柄表示装置10の左右及び下方の遊技領域９に
は、変動入賞装置14,15a,15bが配設されている。この変
動入賞装置14,15a,15bは、前記図柄表示装置10のデジタ
ル表示器11a〜11cの表示態様が予め定めた所定の表示態
様となったときに開放されるようなっており、そり具体
的には、第４図に示すように遊技盤７の裏面にソレノイ
ド16,17a,17bが設けられ、該ソレノイド16,17a,17bの励
磁により一対の開閉翼片が所定時間開放するようになっ
ている。また、変動入賞装置14,15a,15bの上部には、前
記開閉翼片が起立状態のときにパチンコ玉の開閉翼片間
への入賞を阻止する障害釘18が植立されている。これに
より、変動入賞装置14,15a,15bが起立した閉成状態にあ
っては、遊技領域９を落下する打球が入賞することはな
い。 前記図柄表示装置10の下方に位置する変動入賞装置14
の上部には、始動口19が配設されている。この始動口19
は、パチンコ玉が通過し得るように筒状に構成されると
共に、その内部には、第４図に示すように始動検出スイ
ッチ（近接スイッチ）20が設けられている。したがっ
て、打球が始動口19に入ると、始動検出スイッチ20を作
動させるので、前記図柄表示装置10のデジタル表示器11
a〜11cが変動を開始し、一定時間（例えば、８秒）経過
すると左のデジタル表示器11aから右のデジタル表示器1
1cに向って順に停止するようになっている。また、図柄
表示装置10や変動入賞装置14,15a,15bが作動中に打球が
始動口19に入った場合は、最高４個まで記憶され、その
記憶数が前記始動記憶表示ランプ12に表示されるように
なっている。なお、４個を越えて入ったものについて
は、無効とされる。また、始動口19に入った打球は、始
動検出スイッチ20を作動させた後、再度遊技盤７上を前
記変動入賞装置14に向けて落下するが、変動入賞装置14
が閉成状態であるときには、前記障害釘18により入賞す
ることはなく、したがって、賞品球を獲得することがで
きない。一方、変動入賞装置14が開放している状態にお
いては、始動口19を通過した打球は、障害釘18に衝突し
ても、その大多数が変動入賞装置14内に誘導されて入賞
球となるようになっている。また、通常の遊技状態にお
いて、始動口19を通過した打球は、再度遊技盤７上に放
出されるので、例えば、障害釘18に衝突して左右方向に
も反発され、そのうちの一部の打球が左右に配置される
通常入賞口21a,21bにも誘導される場合もあり、この場
合には、賞品球が払い出される。したがって、単に始動
口への打球の入賞に基づいて賞品球排出装置を駆動しな
いことによって賞品球を払い出さない形式のものと比べ
て、始動口19を通過した打玉によっても賞品球が払い出
される可能性のある本実施例においては、遊技者の不満
を和らげることができる。 なお、図示の実施例においては、３つある変動入賞装
置14,15a,15bのうち、中央下方の変動入賞装置14の上部
にだけ始動口19を配設したものを示したが、これは、一
般的にパチンコ機で遊技する場合に、遊技客は、遊技盤
７の中心を一番多く落下するように狙って弾発すること
が多く、かつ障害釘の配列も落下する打球を中心方向へ
誘導するようになっているため、最も打球が通り易い位
置に始動口19を配設したためである。もちろん、すべて
の変動入賞装置14,15a,15bの上部に始動口19を設けるよ
うに構成しても良い。更に、他の２つの変動入賞装置15
a,15bを図に示すように上部左右に配置したので、その
開閉翼片が開放状態にあるとき、開閉翼片の頂点に衝突
した打球が遊技領域９の中心方向に誘導され、始動口19
に、より打球が入り易くなるように補助している。 遊技領域９には、上記した図柄表示装置10や変動入賞
装置14,15a,15b以外に、通常入賞口21a,21b,22a,22bや
当り表示ランプ23a,23bやアウト口24等が配設されてい
る。上記通常入賞口22,22bは、その内部にランプが内蔵
されており、前記図柄表示装置10の表示が所定の表示態
様である場合には、当り表示ランプ23a,23bと共に点灯
又は点滅して遊技効果を盛り上げるようになっている。
なお、前記前面枠２の上部にも大当り表示ランプ25が設
けられ、前記図柄表示装置10の所定の組み合せの中でも
特に付与される価値の大きい大当り状態となったときに
点灯して、遊技客と店員に、その旨を知らせるようにな
っている。また、前記アウト口24は、いずれの入賞口に
も入賞しなかった打球が誘導され、その誘導された打球
は、パチンコ機外１へ排出されるようになっている。ま
た、前記前面枠２の下部には、打球の弾発力を調節する
操作ハンドル26と、前記上受皿６に貯留しきれない賞品
球を貯留する下受皿27が設けられている。 次に、パチンコ機１の裏面には、第２図に示すよう
に、前記遊技盤７の裏面全体を覆うように機構板28が開
閉自在に配設されている。機構板28には、前記入賞口か
らの入賞球を受けて１個づつ処理する入賞球処理機構29
と、図示しない補給機構から補給される賞品球を貯留す
る賞品球タンク30と、前記入賞球処理機構29と関連して
動作し、かつ賞品球タンク30からの賞品球を所定個数
（例えば、13個）受け入れて排出する賞品球排出装置31
とが設けられている。また、機構板30の中央部分には、
開口32が開設され、該開口21には、遊技盤７の裏面に直
接取り付けられる入賞球集合カバー33が臨み、その入賞
球集合カバー33の裏面に固定される制御基板ケース34が
開口32から後方に突出している。 制御基板ケース34内には、前記図柄表示装置10や反動
入賞装置14,15a,15b等の動作を制御する制御回路基板が
収納されている。しかして、図示の場合における制御
は、始動検出スイッチ20からの検出信号を受けて、図柄
表示装置10のデジタル表示器11a〜11cを変動開始し、所
定時間経過後にデジタル表示器11a〜11cを順次停止させ
る。そして、停止時の表示態様の組み合せが予め定めら
れた組み合せであるか否かを判断する。予め定められた
組み合せとして、この実施例の場合は、大当り（例え
ば、「３」のゾロ目、又は「７」のゾロ目）と、中当り
（例えば、大当り以外のゾロ目や左と中央の数字がゾロ
目で右の数字がその前後の数字）と、小当たり（右の数
字が左の数字の前後の数字）とに分類され、それぞれ、
出現する確率は、当然のことながら、大当り（1/500）
よりも中当り（14/500）、中当りよりも小当り（135/50
0）の方が大きくなるように設定されている。また大当
りが出現した場合には、次回以降の大当りの出現確率が
極めて大きくなるよう（例えば、250/500）に設定され
ている。なお、上述した出現確率は、制御回路内に設け
られる乱数発生手段によって設定され、その設定した出
現確率によってパチンコ機１の出玉率が当然のことなが
ら大きく依存することになる。 そして、制御回路は、図柄表示装置10の表示態様が大
当り状態と判別されたときには、変動入賞装置14,15a,1
5bを一定時間（例えば、６秒）開放状態とし、中当り状
態と判別したときは、その半分の時間だけ開放状態と
し、更に小当り状態と判別したときは、さらにその半分
の時間だけ開放状態とするように制御する。 また、パチンコ機１裏面には、更に、打球を弾発する
ための打球発射機構35や、上記した大当り状態、中当り
状態、小当り状態となったとき、あるいは始動口19を打
球が通過したときに効果音を発生するスピーカー36が設
けられている。 上記のような構成からなる実施例のパチンコ機１の動
作について説明すると、遊技客が操作ハンドル26を操作
することに打球発射機構35が駆動して上受皿６に貯留さ
れている打球を１個づつ遊技盤７の遊技領域９に打ち出
す。打ち出された出球は、風車や障害釘に衝突しながら
遊技盤７上を落下するが、その多くは、遊技領域９の中
心を通って落下する。このため、始動口19に入り易くな
るが、打球は、通過するだけなので、賞品球は払い出さ
れない。しかし、始動検出スイッチ20が作動されるので
図柄表示装置10が変動開始する回数が多くなり、しかも
小当り状態の出現回数もある程度の確率（約1/3）で設
定されているので、始動口19に入った打球がすべてアウ
ト口24に誘導されるのではなく、小当り状態のときに
は、変動入賞装置14に誘導されて入賞球となる。 しかして、図柄表示装置10の表示態様が大当り状態と
なると、変動入賞装置14,15a,15bが一定時間開放されて
打球を誘導して入賞球するが、このとき、前述したよう
に一度大当り状態が出現すると、次回以降の大当り状態
の出現確率が大幅に高められているので、図柄表示装置
10の少ない作動回数で次の大当り状態が出現し、以下、
その動作を繰り返すことにより、短時間に多量の賞品球
を獲得することができる。 上記したように、この実施例におけるパチンコ機は、
図柄表示装置10を作動させるための始動口19を打球が通
過し得るように構成したので、始動口19に入った打球に
よって賞品球が排出されることなく、図柄表示装置10だ
けを作動し、これにより、図柄表示装置10の作動回数を
多くしても出玉管理の上で問題となることはなく、遊技
客に図柄表示装置10を有するタイプのパチンコ機におけ
る多量の賞品球を獲得することができるという期待感を
喪失させることがない。一方、図柄表示装置10の作動回
数が多くなることにより、図柄表示装置10の表示態様が
予め定められた所定の表示態様となる単位時間当りの回
数も多くなり、そのときは、変動入賞装置14が開放して
始動口19を通過した打球を受け入れるようになっている
ので、結果的に適当な時間間隔をおいて始動口19に入っ
た打球を入賞球として取扱い、それに対応する賞品球を
排出させるようになっている。これにより遊技客の手持
の遊技球が短時間に消費されてしまうこともない。 なお、上述した実施例においては、予め定められた表
示態様として、３つの状態、すなわち大当り状態、中当
り状態、小当り状態を設定したものを示したが、大当り
状態と中当り状態だけを設定したり、あるいは大当り状
態と小当り状態とを設定したものでも良い。更に、大当
り状態だけを設定したものでも良い。また、予め定めら
れた表示態様の出現確率は、乱数発生手段の設定値によ
って決定されるため、乱数発生手段のプログラムを変更
することにより、容易に出現確率を変化させることがで
き、これにより所望の出玉率を有するパチンコ機を得る
ことができる。

【発明の効果】

以上、説明したように、本発明のパチンコ機は、図柄
表示装置の図柄変動を開始させる始動口をパチンコ玉が
通過して再度遊技盤上に放出するように構成すると共
に、該始動口を図柄表示装置の変動が停止したのきの図
柄の表示が所定の表示態様であるときに入賞し難い状態
から入賞し易い状態に変化する変動入賞装置の上方に配
置して構成したので、始動口に入った打球によって賞品
球が排出されることなく、図柄表示装置だけを作動し、
これにより、図柄表示装置の作動回数を多くしても出玉
管理の上で問題となることはなく、遊技客に図柄表示装
置を有するタイプのパチンコ機における多量の賞品球を
獲得することができるという期待感を喪失させることが
ない。更に、通常の遊技状態においても、始動口が通過
型のものであるので、検出スイッチを作動させた後、そ
の玉が下方に位置する他の入賞口に入賞して賞品球が払
い出される可能性があるので、始動口を通過した玉によ
って全く賞品玉が払い出されないものに比べて遊技者の
不満を和らげることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、パチンコ機の正面図、第２図は、パチンコ機
の背面図、第３図は、遊技盤の正面図、第４図は、遊技
盤の背面概略図である。 符号の説明 １……パチンコ機 10……図柄表示装置 14……変動入賞装置 19……始動口

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の図柄を変動表示可能な図柄表示装置
   と、該図柄表示装置の図柄変動を開始させる始動口と、
   前記図柄表示装置の変動が停止したときの図柄の表示が
   所定の表示態様であるときに入賞し難い状態から入賞し
   易い状態に変化する変動入賞装置と、が配設されたパチ
   ンコ機において、 前記図柄表示装置の所定の表示態様として、出現確率が
   低いが前記変動入賞装置の入賞し易い状態の時間が長く
   設定される大当り表示態様と、出現確率が高いが前記変
   動入賞装置の入賞し易い状態の時間が短く設定される当
   り表示態様と、が設定され、 前記始動口は、パチンコ玉が通過して再度遊技盤上に放
   出されるように構成されると共に、前記変動入賞装置の
   上方に配置されたことを特徴とするパチンコ機。