JP4467913B2 - ベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法及び同無端ベルトと同無端ベルトを装着したベルトマシーン - Google Patents

ベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法及び同無端ベルトと同無端ベルトを装着したベルトマシーン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2以上のドラム間に掛け渡された一枚の金属製の無端ベルト上で、又は上下一対の金属製無端ベルトに挟んで移送しながら加熱・加圧・冷却などの全ての処理を行うベルトマシーンに適用される金属製無端ベルトと、その製造方法に関し、特にその代表的な素材であるステンレススチールベルトを使った無端ベルト及びその製造方法と同ベルトが適用されたベルトマシーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属製の無端ベルトを使った機械は、従来も、例えば塗工機、フィルム成形機、電子部品の製造機、合成樹脂の重合機、シート同士の貼着機、各種樹脂や化学品、食品などの冷却・固化・造粒機など多分野にわたって使われている。これらの加工や製造のための機械は、単にベルトマシーンと呼称されることが多い。これらのベルトマシーンには、単一の金属製無端ベルトを使い、そのベルト上で所望の加工を行うシングルベルトマシーンと、上下一対の金属製無端ベルトの間にて各種の加工を行うダブルベルトマシーンがある。これらのベルトマシーンに適用される金属製の無端ベルトの代表的な材質はステンレススチールである。そして、この金属製無端ベルトは、その肉厚が0.6〜3mmと厚く剛性も高く、長さが8mを越える大重量のものが多い。
【0003】
シングルベルトマシーンとしては、例えば光学用フィルムキャスティング装置があり、高精度のギアポンプから供給される液状の樹脂を特殊に設計されたTダイから一方向に走行する表面が鏡面加工された金属製無端ベルト上に供給し、同ベルトの回動とともに脱溶剤させたり、樹脂材料を重合させながらフィルム状又はシート状として引き取るものである。このとき、フィルムやシートの幅及び厚みを高精度に制御しており、製品フィルムは全ての方向に張力が一切かからない状態で製造されるため光学的歪みのない高品質のフィルムが製造できるというものである。
【0004】
このシングルベルトマシーンの具体例として、例えば特許文献1に開示されたシングルベルトマシーンがある。このシングルベルトマシーンは、流動性の化学製品を粒子に成形するための滴下成形機である。この滴下成形機は、大気圧下において、流動性の化学製品が収容される内部室を有する回転スクリーンを回転させて、室内の圧力部材に流動性の化学製品を衝突させて流体圧力を生成し、スクリーンの開口を通って流動性の化学製品を押し出して点滴を形成せしめ、一方に走行する金属製の無端ベルトの搬送表面上に滴下させる。この搬送表面上で滴下した点滴は搬送され固化して粒子になり、そこから取り出されて収集される。この粒子としては、例えば薬剤、調味料、芳香剤、合成洗剤、樹脂安定剤などの化学製品からなる粒子である。
【0005】
一方のダブルベルトマシーンは、被加工物を走行する上下ベルト間で搬送しながら同時に加熱/冷却、反応、加圧/積層、鏡面転写などの各種加工を連続的に行うものであり、例えば、特許文献2によれば、コイルアンテナにICチップが実装されたインレットシートをカード基材間に配置させたワークWを、上下に配され対向ベルト領域において一方向に走行する金属製の無端ベルト間に挟持して、加熱・加圧装置により加熱したのち加圧するとともに冷却し、ICチップ内蔵型の樹脂カードを製造するダブルベルトマシーンが開示されている。また、例えば特許文献3では、同一方向に同速度で進行する一対の金属製無端ベルトを直列に2組以上設置し、未発砲樹脂シートを前記一対のベルトをもって挟圧して移送しながら、温度条件などが変えられた複数組の上下ベルト間を通して、均一な気泡を有する発泡シートを連続して製造する方法が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−276877号公報
【特許文献2】
特開平11−338997号公報
【特許文献3】
特開平8−156119号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この種の金属製無端ベルトの製法は、一般的にアーク溶接の一種であるTIG溶接法により、ベルト材の両端を突き合わせて溶接したのち、その溶接部を研削/研磨をして仕上げている。この溶接部分を母材と面一となるように研削/研磨しているが、その溶接部が母材から凹み、両者の間に板厚差が生じる。例えば、前述のようにTIG溶接で溶接した無端ベルトを使用して、プリント配線基板に配線をプリントすると、前記溶接部の凹みが加圧加熱時影響してプリント回路が正常に作動しなくなることがあるため、歩留りが低下するといわれている。
【0008】
このように、この種のベルトマシーンでは、ベルト表面にて高圧・高温・低温と過酷な条件下で被加工物を連続して直接加工処理すること、及び加工後の製品に対する極めて厳しい加工精度が要求されることのため、ベルト表面のみならず多数のドラムやロール表面と接触するベルト裏面に対しても極めて高い平滑性が求められている。更には、この種のベルトマシーンに適用される金属製無端ベルトには極めて高い張力が付与される。そのため、前記溶接部にも相応の破断強度が要求される。
【0009】
本発明は、かかる課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は特にベルトマシーンに一般的に適用されるステンレス等の金属製無端ベルトにあって所要の破断強度を有するとともに、その溶接継部とベルト母材との間の板厚差が限りなく零に近い高精度な無端ベルトと、同ベルトの効果的な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
かかる目的は、以下に説明する本発明の金属製の無端ベルトの製造方法及び同無端ベルトと同無端ベルトを装着したベルトマシーンにより効果的に達成される。
【0011】
本発明のベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法の基本構成は、複数のドラム上に掛け渡されて回動し、その走行面上で被加工物の処理を連続して行う無端ベルトを有するベルトマシーンに適用される金属製無端ベルトの製造方法であって、金属製のベルト材の端部同士を溶接して無端ベルトとすること、ベルト母材及び溶接部を含めて、溶接された無端ベルトの表面全体及び裏面全体を研削すること、及びこのベルトの表裏全体の研削により、ベルト母材と溶接部との板厚差を50μm以下とすることを含んでなることを特徴としている。
【0012】
本発明にあって、最も特徴とする構成部分は、ベルト母材及び溶接部を含めて、溶接された無端ベルトの表面全体及び裏面全体を研削することにある。すなわち、無端ベルトの端部同士を溶接したのちに発生する溶接部の凹み部分を越えて、ベルト母材と溶接部の表裏両面を全面研削する。なお、本明細書における「研削」なる用語は「研磨」をも含んでいる。無端ベルトの表裏面を前述のように研削することにより、従来はベルト母材と溶接部との間の板厚差が100μmであったものが、50μm以下の任意の板厚差まで減少させることが可能となる。
【0013】
その板厚差が50μmであれば大概のベルトマシーンに載せることができるが、例えば既述したようなプリント基板のベルトマシーンや光学用フィルムのベルトマシーンなどでは、その板厚差も20μm以下が要求される。従って、本発明によれば研磨材を選択することにより、ベルト母材と溶接部との間の平滑度も要求精度に合わせて修正が可能となる。そして、その研削操作は粒度120〜1500番の研磨材の粒度の中からベルトの材質に応じて適当な粒度の組合せを選択し、その組合せの粒度をもって2段以上の研削を行って、粗仕上げから始めて順次高精度に仕上げていくことが望ましい。
【0014】
また、上記溶接には従来と同様TIG溶接を採用しても前述の精度をもつ研削が可能であるが、溶接部における物性に対する最も影響が少なく溶接幅も小さくて済み、しかも溶接作業も空気中で行える高速溶接が可能なレーザー溶接法を採用することが好ましい。また、ベルト自体の強度を高めるため、金属製のベルト材として冷間圧延により得られるステンレススチールからなるベルト材を使うことが好ましい。こうして得られるステンレス製の高精度な無端ベルトが装着されたベルトマシーンであれば、高精度の加工が要求される場合にも、その要求に速やかに対応することができる。
【0015】
【発明の実施形態】
以下、本発明の高精度な金属製無端ベルトが適用されたベルトマシーンの実施形態を、同無端ベルトの製造方法とともに図面を参照して具体的に説明する。なお、金属製無端ベルトの材質としてはステンレススチール、一般構造用圧延鋼、チタン等が挙げられるが、最も好ましい冷間圧延加工を経て得られたステンレススチールを例として説明する。図1は前記ベルトマシーンの一機種である複合シートの連続積層機の概略構成を示しており、図2は同連続積層機に適用されるステンレススチール製の高精度な無端ベルトの製造手順を模式的に示している。
【0016】
前記複合シート連続積層機は、ベルト幅方向の高い厚み精度をもつ加工がなされた上下一対のステンレススチール製無端ベルト101,102を使った複合シートの連続積層機100である。前記上下一対のステンレススチール製無端ベルト101,102は、それぞれに上下一対の駆動ドラム対103と従動ドラム対104に掛け渡されて、その対向領域において駆動側から従動側へと一方向に積極走行させる。
【0017】
この複合シートの連続積層機100に装着される前記ステンレススチール製無端ベルト101は、その厚みは1.5mm、ベルト幅は750mmのステンレススチール製ベルトである。積層されるシート材料は、例えば各種樹脂、ゴム、金属などであり、それらが組み合わされて複合シート製品が製造される。ベルト速度は5m/分であって、加熱温度は最高で400℃、冷却温度は40℃以下、加圧力は最大10MPaである。これらの値は、製造しようとするシート製品により異ならせることができる。そのため、図示例では走行する上下の無端ベルト101,102の対向する領域の内面に、同じく上下に対向させて複数対の加熱/冷却ロール105、106が列設されている。これらの加熱/冷却ロール105,106には、400℃以上の高温加熱が可能であり、所要の発熱温度に高精度に制御できるとともに、ロール面の温度分布を高精度に均一化できる内部に熱媒体を封入した誘導加熱/冷却ロールが使われている。また、上部の誘導加熱ロールには、それぞれ加圧シリンダー107が連結されており、下部の誘導加熱ロールに対してそれぞれの加圧力が制御可能とされている。更に、前記複数の冷却ロールの後方に15℃以下の冷却エアがチャンバー内から各無端ベルト101,102の内面に向けて噴射される冷却装置108が設置されている。
【0018】
図示例による複合シートの連続積層機100は、複数(図示例では3種類)の材質の異なるシート材A〜Cが、従動ドラム対104の上下ベルト101,102間に導入され、ベルト対向領域のベルト間を一方向に移送されると同時に400℃の温度に加熱、加圧されて積層一体化しながら駆動ドラム対103側のベルト端部から、図示せぬ引取ロールにより連続して引き取られて製品となる。
【0019】
本実施形態による複合シートの連続積層機100に適用された上記ステンレススチール製の無端ベルト101,102は、図2に示す次のような手順で製造される。
先ず、同図(A)に示すように、冷間圧延により製造された所定長さを有するステンレススチール製のベルト材の端部を、端部同士が互いに平行となるようにベルトエッジと所定の交差角度を持たせて切断する。この交差角度は、通常、90°又は80°としているが、その角度は任意である。しかしながら、交差角度を90°とすると、ベルトの張力と溶接面とが垂直の関係となり、溶接歪の影響が出やすいことから、80°であるほうが溶接歪の影響が分散されるため好ましい。
【0020】
次いで、前記交差角度を持たせて切断されたベルト材の切断端面を図示せぬヤスリやストレッチャーを使って、その平面度を高めたのち、図2(B)に示すように、端面同士を突き合わせて、通常のYAGレーザ溶接機を使い突合せ線Lに沿って擦り合わせ面を溶接する。なお、溶接機はYAGレーザ溶接機に限らず、炭酸ガスを使ったレーザ溶接機を使ってもよいし、或いは溶接部の破壊強度などが製造時の許容範囲に入る場合には、従来と同様にTIG溶接機を使うこともできる。この溶接後の無端ベルト101(102)の表裏両面の全体を、図3に例示するベルト研削機109を使って研削して、図2(C)に示すように、ベルト母材101a(102a)と溶接部101b(102b)との板厚差を50μm以下とする。
【0021】
本実施形態によれば、溶接対象としてオーステナイト系とマルテンサイト系のステンレススチールからなる冷間圧延加工を経て得られる板厚が0.8mmのベルト材の上記擦り合わせ面を、YAGレーザ溶接機及びTIG溶接機を使って溶接している。YAGレーザ溶接機の溶接条件は、例えば、オーステナイト系であればパルス幅10ms、パルス速度22pps、イナートガス7Nml/min、溶接速度10mm/secで溶接し、マルテンサイト系ではパルス幅10ms、パルス速度20pps、イナートガス8Nml/min、溶接速度10mm/secで溶接する。一方、TIG溶接機による溶接条件は、例えば、オーステナイト系では電流値30A、イナートガス6Nml/min、溶接速度200mm/minであり、マルテンサイト系では電流値30A、イナートガス8Nml/min、溶接速度200mm/minで溶接している。なお、イナートガスにはアルゴンなどの不活性ガスを使用する。また、本発明においては、フェライト系のステンレススチールからなる冷間圧延加工を経て得られるベルト材も使用することができる。
【0022】
さらにまた、上記研削に使われる研削機の概略構成を図3に示している。同図は研削機の正面図である。本発明の研削の対象はステンレススチール製の上下無端ベルト101,102であり、各無端ベルト101,102の表裏両面を図3に示すベルト研削機109をもって研削する。このベルト研削機109は、機械研磨と化学研磨を組み合わせた湿式の複合研磨機である。本実施形態では、研磨材として粒度120番手程度の研磨材を使って粗研削を行ったのち、400番手の研磨材で1回研磨し、更に600番手の研磨材を使って1回の研磨を行い、最後に800番手の研磨材により仕上げている。
【0023】
上記ベルト研削機109の構成を図3に基づいて簡単に説明すると、ベッド110上の左右側部にはX軸に沿って往復動可能な送り台111,112が配され、その送り台111,112の一方にはサーボモーター113が設置されており、両送り台111,112の間に架け渡されたネジ棒114の一端は軸受115を介して前記サーボモーター113に連結するととともに、ネジ棒114の他端を他方の送り台に設けられたもう一方の軸受116に支持させている。
【0024】
更に、前記ベッド110の中央部には定盤117が据え付けられており、同定盤117上に載置された無端ベルトの表裏面を主軸118の先端に固定された研磨車119によって別々に研削する。また、前記左右の送り台111,112にはクロスレール120が架設されており、更に同クロスレール120の上記ネジ棒114と対面する側には、図示せぬ駆動源に連結され、同クロスレール120に案内されて左右に往復動する主軸支持台121を有している。この主軸支持台121は、左右が開口した枠体から構成され、その背面側には前記クロスレール120に摺動可能な図示せぬ軸受部を有している。またベッド110に研磨液受部110aを有しており、研削済の研磨液を同研磨液受部110aを介して機外に排出して処理している。
【0025】
また、同主軸支持台121の上面にはエアーシリンダー122が固設されており、同エアーシリンダー122のロッド端部に、図示せぬ玉継ぎ手を介して主軸端が軸心回りに回転自在に連結されている。上記主軸118には複数条のスプラインが形成されており、同主軸118の自由端部には研磨車119が固設されている。一方、前記主軸支持台121の内面には上下一対のブラケット124,125が固設されており、この上下ブラケット124,125の間にはウォーム歯車126が配されている。
【0026】
このウォーム歯車126の軸孔内には前記主軸のスプラインと結合するスプラインが形成されており、前記主軸118に対して軸方向に摺動するとともに、ウォーム歯車126の回転を主軸118に伝達して回転する。上記主軸118は前記上下一対のブラケット124,125に形成された図示せぬ軸受部を貫通して回転自在に支持されるとともに、同ブラケット124,125の間に配される前記ウォーム歯車126は前記主軸118に回転可能に且つ軸方向に移動可能にスプライン結合させている。一方、上記ネジ棒114は前記主軸支持台121の内部を左右に挿通して配され、前記ウォーム歯車126と噛合している。
【0027】
以上の構成にあって、無端ベルト101(102)を研削するときは、図示せぬ駆動源を作動させて主軸支持台121をクロスレール120に沿わせて移動させ、主軸位置を作業開始位置の直上に位置決めさせる。次いで、サーボモーター113を駆動して、ネジ棒114を回転させて、ウォーム歯車126を介して研磨車119を駆動回転する。ここで、エアーシリンダー122を制御作動させて、主軸118を待機位置から下降させ、研磨車119を予め設定されている圧接力をもってベルトの研磨面に押し付けて研磨を開始する。このあと、図示せぬ制御部に記憶されたシーケンスにしたがって図示せぬ駆動源を駆動して、主軸支持台121をクロスレール120に沿って所定の速度で移動させ、研磨車119を無端ベルト101(102)のベルト幅方向に移動させながら研磨を続ける。
【0028】
このベルト幅方向の研磨が往復して行われる。本実施形態では、1回の往復研磨が終了すると、左右の送り台111,112を同じ移動量で移動させ、無端ベルト101(102)の研磨領域を移動させたのち、上記操作と同じ操作がなされて次回の研磨領域を研磨する。これを繰り返すことにより無端ベルト101及び102の一面を全面研削(研磨)する。
【0029】
ところで、本発明にあっては、上述のごとく、無端ベルトの表面のみならず裏面をも同様に全面研削(研磨)する。研削対象領域が無端ベルト101(102)の表面側である場合には、図4に示すように、上記ベルト研削機100のベッド110の下面に配される図示せぬ脚部の間に無端ベルト101(102)の一部を潜らせて配置し、上述の手順で定盤117の上面に載置された領域の研削が終了すると、無端ベルト101(102)を図示せぬ駆動装置により必要量回動させて、続く研削領域を研削し、これを繰り返してベルト表面の全体を研削する。
【0030】
また、無端ベルト101及び102の裏面側の表面を研削するには、無端ベルトの表裏面を反転させる必要があるが、本発明の対象となる無端ベルト101,102は、既述したとおり、極めて肉厚が厚く且つ高い剛性をもつステンレススチールベルトであることから、これを反転することは難しいため、図5に示すように、本実施形態では上記ベルト研削機109にベルト吊り下げ治具127を上述のベルト研削機109の上方に設けている。
【0031】
このベルト吊り下げ治具127は自由回転ロールからなり、このベルト吊り下げ治具127に前記無端ベルト101又は102の一部を掛け回して無端ベルト101又は102の全体を上から吊り下げるように構成している。こうして吊り下げ状態にある無端ベルト101(102)の内部に、上記ベルト研削機109の研磨車119、クロスレール120、主軸支持台121などの研削に直接携わる機器類を定盤117の上方に配し、それらの機器類と前記定盤117との間に形成されている間隙に無端ベルト101,102の一部を差し入れて、無端ベルト101又は102を間欠的に回動させながら、同ベルト101(102)の裏面(内面)の全体を研削する。
【0032】
このように研削して仕上げられた本発明のステンレススチール製無端ベルト101及び102は、そのベルト母材101a(102a)とその端部の継部である溶接部101b(102b)との板厚差が20μm以下となり、例えば樹脂シートや光学用フィルム、或いはプリント基板などの製造機であるベルトマシーンに適用しても、それらの物性に格別の影響がなく、極めて高品質の製品が歩留りの低下を来すことなく製造される。
【0033】
なお、上記実施形態では上下2枚のステンレススチール製無端ベルト101,102を使ったダブルベルトマシーンを例に挙げて説明したが、本発明のベルトマシーンは単一のステンレススチール製無端ベルトを適用するシングルベルトマシーンにも当然に使うことができ、更には上記実施形態ではベルト母材101a(102a)とその端部の継部である溶接部101b(102b)との板厚差を20μm以下として説明したが、本発明はその板厚差が50μm以下であれば、この種のベルトマシーンでは十分その機能が発揮されるため、全てが前述のごとく20μm以下でなければならないものではない。その結果、上述の研磨材の粒度も様々な組合せが可能である。
【0034】
なお、ベルトマシーンに装着された金属製無端ベルトの張力は30〜100MPaの範囲内であることが好ましい。張力が低すぎるとベルトに撓みが発生することがある。張力が高すぎるとベルトの寿命が短くなることがある。
【0035】
本発明のベルトマシーンにて処理される被加工物としては、溶融樹脂、溶媒を含む樹脂、反応性原料、樹脂シート、樹脂フィルム、金属箔等が挙げられる。処理としては、加熱、冷却、反応、加圧、積層、鏡面転写等の処理が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステンレススチール製無端ベルトが適用されるベルトマシーンの代表的な構成例を概略で示す側面図である。
【図2】本発明に係るステンレススチール製無端ベルトの製造手順の代表例を説明する説明図である。
【図3】本発明に係るステンレススチール製無端ベルト用の研削機の構成例を概略で示す正面図である。
【図4】本発明に係るステンレススチール製無端ベルトの表面研削時の研削機構を概略で示す説明図である。
【図5】本発明に係るステンレススチール製無端ベルトの裏面研削時の研削機構を概略で示す説明図である。
【符号の説明】
100 複合シートの連続積層機(ダブルベルトマシーン)
101,102 上下金属製(ステンレススチール製)無端ベルト
101a,102a ベルト母材
101b,102b 溶接部
103 駆動ドラム対
104 従動ドラム対
105,106 上下複数対の加熱/冷却ロール
107 加圧シリンダー
108 冷却装置
109 ベルト研削機
110 ベッド
110a 研磨液受部
111,112 送り台
113 サーボモーター
114 ネジ棒
115,116 軸受
117 定盤
118 主軸
119 研磨車
120 クロスレール
121 主軸支持台
122 エアーシリンダー
124,125 上下ブラケット
126 ウォーム歯車
127 吊り下げ治具

Claims (8)

  1. 複数のドラム上に掛け渡されて回動し、その走行面上で被加工物の処理を連続して行う無端ベルトを有するベルトマシーンに適用される金属製無端ベルトの製造方法であって、
    金属製のベルト材の端部同士を溶接して無端ベルトとすること、
    ベルト母材及び溶接部を含めて、溶接された無端ベルトの表面全体及び裏面全体を研削すること、及び
    この無端ベルトの表裏全体の研削により、ベルト母材と溶接部との板厚差を50μm以下とすること、
    を含んでなることを特徴とするベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法。
  2. 前記ベルト材の端部同士をレーザ溶接により溶接することを含んでなる請求項1記載のベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法。
  3. 前記研削として粒度120〜1500番の研磨材の粒度の中からベルトの材質に応じて適当な粒度の組合せを選択し、その組合せの粒度をもって2段以上の研削を行うことを含んでなる請求項1又は2記載のベルトマシーン用金属製無端ベルトの製造方法。
  4. 複数のドラム上に掛け渡されて回動し、その走行面上で被加工物の処理を連続して行う無端ベルトを有するベルトマシーンに適用される金属製の無端ベルトであって、
    前記無端ベルトが金属製のベルト材の端部同士が溶接により連結され、その溶接後にベルトの表裏面全体が研削されることにより、ベルト母材と溶接部との板厚差が50μm以下であることを特徴とするベルトマシーン用の金属製無端ベルト。
  5. 前記ベルト材が冷間圧延加工を経て得られるベルト材である請求項4記載のベルトマシーン用金属製無端ベルト。
  6. 前記ベルト材の端部同士がレーザ溶接により連結されたものである請求項4記載のベルトマシーン用金属製無端ベルト。
  7. 請求項4〜6項のいずれかに記載の金属製無端ベルトが装着されてなることを特徴とするベルトマシーン。
  8. 金属製無端ベルトの張力が30〜100MPaの範囲内である請求項7に記載のベルトマシーン。
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