JP4467076B2 - エアクリーナ - Google Patents

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Description

本発明は、コネクティングチューブを備えるエアクリーナの改良に関する。
エアクリーナケースに開けた開口に、コネクティングチューブの一端を固定する形式のエアクリーナが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭62−160767号公報(第4図)
特許文献1の第4図において、ケース開口縁1aをアウトレットチューブ5のフランジ7で挟み、ケース開口縁1aとフランジ7の間にシール材8を充填し、フランジ7の外方からインナープレート9、アウタープレート10を重ね、図示せぬボルト、ナットにより締結する。このように、エアクリーナケース1にアウトレットチューブ5を取付けることで、エアクリーナケース1とアウトレットチューブ5の間のシール性を確保することができる。
しかし、コネクティングチューブ5に曲げ力などの外力が作用すると、コネクティングチューブ5は変形し、シール材8も変形する。シール材8は、ケース開口縁1aとフランジ7の間の矩形断面状の隙間に充填したものであるが、コネクティングチューブ5の変形量が大きくなった場合に、変形によりシール材8がケース開口縁1aから剥離し、シール性が損なわれることがないような配慮が別途必要となる。
本発明は、エアクリーナケースとコネクティングチューブの間のシール性を高めたエアークリーナを提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、エアクリーナケースに開けた開口に、コネクティングチューブの一端を固定する形式のエアクリーナにおいて、コネクティングチューブに、エアクリーナケースの厚さに相当する間隔をおいて第1鍔と第2鍔を一体形成すると共に、これらの第1鍔と第2鍔との間で環状の突起部を一体形成し、第1鍔をエアクリーナケースの内面に当て、第2鍔をエアクリーナケースの外面に当てる挟持作用でコネクティングチューブの一端をエアクリーナケースに保持させると共に、環状の突起部を開口を構成する周面に当てるようにし、開口に、コネクティングチューブの内周面を保持する保持具が備えられ、この保持具に、コネクティングチューブの一端から環状の突起部までの距離より長い筒部が設けられ、この筒部の先端部に凸部が形成され、この凸部に嵌合する凹部がコネクティングチューブに設けられ、筒部をコネクティングチューブの一端から挿入し、凸部に凹部を嵌合させることでエアクリーナケースにコネクティングチューブを保持するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、保持具は、筒部の基部から延ばした係止部を備え、この係止部をエアクリーナケースに止めることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、エアクリーナは、車体フレームに揺動自在に懸架されるパワーユニットに取付けられるものであって、保持具の取付は、エアクリーナケースに備えられている固定軸を、係止部に設けられている係止穴に通し、固定軸の先端を熱かしめで加工することで取付けられるものであって、固定軸は、パワーユニットのピボット軸と平行に配置されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明は、コネクティングチューブの一端に第1鍔及び第2鍔を形成し、第1鍔及び第2鍔をエアクリーナケースの内外面に当ててエアクリーナケースに保持させると共に、第1鍔及び第2鍔との間に形成した環状の突起部を、開口の周面に当てるようにした。
仮に、コネクティングチューブに外力が作用して、コネクティングチューブにたわみが生じ、コネクティングチューブと開口の間に隙間ができる場合があっても、環状の突起部が周面に接触しシールをする。このため、シール性を高めることができる。
加えて、開口に保持具が備えられ、この保持具に筒部が設けられ、この筒部の先端部に凸部が形成され、この凸部に嵌合する凹部がコネクティングチューブに設けられているので、コネクティングチューブの保持をより確実にすることができる。
請求項2に係る発明は、コネクティングチューブの一端から筒部と係止部とで構成した保持具の筒部をコネクティングチューブの一端から挿入し、係止部をエアクリーナケースに止めるようにしたので、コネクティンングチューブの保持をより確実に行うことができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るエアクリーナを備える自動二輪車の側面図であり、自動二輪車10は、車体フレーム11の後部にピボット軸12を含むリンク機構14を介して、車体フレーム11にパワーユニット15を揺動自在に懸架した車両である。
車体フレーム11は、前端に設けたヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21に取付け斜め下方に延ばしたメインフレーム22と、メインフレーム22の後端部に取付けたクロスフレーム23と、このクロスフレーム23から斜め後方に立ち上げ車体フレーム11の後部を構成するリヤフレーム24、24(手前側の符号24のみ示す。)とからなる。
そして、ヘッドパイプ21に操舵自在にフロントフォーク25を取付け、このフロントフォーク25の下端に前輪28を取付け、フロントフォーク25の上部に操舵ハンドル29を取付ける。
また、リヤスイングアームを兼ねるパワーユニット15の後端に後輪30を取付け、パワーユニット15の後部及びリヤフレーム24のそれぞれにリヤクッションユニット26を渡して取付ける。
パワーユニット15は、無段変速機16を含むエンジン31であり、リヤスイングアームを兼ねる部材である。
パワーユニット15とクロスフレーム23の間に介在させたリンク機構14は、クロスフレーム23の近傍に支持軸33を設け、この支持軸33から後方にリンク部材34を延ばし、このリンク部材34の後端部にピボット軸12を設けてなる。
パワーユニット15の前部を構成するエンジン31のシリンダブロック36には、吸気装置37及び排気装置38を接続する。
吸気装置37は、エアクリーナ41と、このエアクリーナ41に接続したコネクティングチューブ42と、このコネクティングチューブ42に接続した燃料供給装置43と、この燃料供給装置43に接続し混合気をエンジン31に供給する吸気管44とからなる。
排気装置38は、エンジン31に接続し後方に延ばした排気管45と、この排気管45に接続し後方に延ばした消音器46とからなる。
リヤフレーム24、24の上方に収納ボックス53を配置し、この収納ボックス53の上方に乗員シート55を設ける。
Heは、収納ボックス53に収納したヘルメットである。
56は他の収納ボックス、48はスタンド、57はフロントブレーキユニット、58はフロントフェンダ、59はカウル部材、60はリヤフェンダである。
図2は発明に係るエアクリーナを備える自動二輪車の要部側面図であり、エアクリーナ41を、パワーユニット15に締結部材62・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を介して取付ける部材である。従って、パワーユニット15とエアクリーナ41とは一体で揺動する。
65はエアクリーナケース、66は吸入ダクト、67はドレーンボルト、68・・・は2分割構造のエアクリーナケースを閉じるビスである。
図3は図2の3−3線断面図であり、エアクリーナ41は、エアクリーナケース65に開けた開口71に、コネクティングチューブ42の一端42aを固定する形式を有するものであり、エアクリーナケース65を備え、このエアクリーナケース65にコネクティングチューブ42の一端42aを固定する開口71を備え、開口71の内側にエアクリーナエレメント72を備える。
コネクティングチューブ42の他端42bに、燃料供給装置43を接続する。
77はホースバンドである。
図4は図3の4部拡大図であり、コネクティングチューブ42は、その一端42aに、エアクリーナ41の開口71と係合する係合部78を備える。係合部78は、エアクリーナケース65の内面81と外面82を挟む第1鍔83と第2鍔84を備え、これらの第1鍔83と第2鍔84の間に、開口71の周面71fと係合する係合面85を備え、この係合面85に、開口71の周面71fに向け突起させた環状の突起部86を備える。
なお、開口71の周面71fに、締め代をもって密着する(図の点線部150が締め代として圧縮される部分である。)。
本実施例において、シール性を高めるため、第2鍔84は、その先端部84aをエアクリーナケース65に向けて傾斜させたが、第1鍔83の前端部83aをエアクリーナケース65に向けて傾斜させることは差し支えなく、第1鍔83の先端部83aと第2鍔84の先端部84aは、各々、傾斜させても、傾斜させなくても良い。
また、固定軸101の突設方向は、コネクティングチューブ42の軸線方向と同一方向ではないが、同一方向に突設することは差し支えない。
加えて、エアクリーナケース65の内方から開口71に向け、コネクティングチューブ42の内周面88を保持する保持具91を延ばす。
保持具91は、基部92と、この基部92に設けエアクリーナケース65に係止する係止部93としての係止穴94と、基部92から延ばしコネクティングチューブ42の内周面88を保持する筒部95とからなる。そして、筒部95の先端部95tに凸部96を設け、この凸部96に嵌合する凹部97をコネクティングチューブ42の側に設けることでコネクティングチューブ42の保持をより確実にするようにした。
保持具91の材料は、例えば、樹脂であるが、鋼やアルミニウムなどの金属でも差し支えない。98は係止部93とエアクリーナケース41の間に介在させたカラーである。
筒部95の長さL1は、コネクティングチューブ42の一端42aから突起部86までの長さL2よりも長くする。
保持具91の取付けは、エアクリーナケース65の内側に固定軸101を延ばし、この固定軸101に係止穴94を通し、例えば、熱かしめなどにより固定軸101を加工して保持具91をエアクリーナケース65に取付ける。
すなわち、コネクティングチューブ42に、エアクリーナケース65の厚さに相当する間隔をおいて第1鍔83と第2鍔84を一体形成すると共に、これらの第1鍔83と第2鍔84との間で環状の突起部86を一体形成し、第1鍔83をエアクリーナケース65の内面82に当て、第2鍔84をエアクリーナケース65の外面81に当てる挟持作用でコネクティングチューブ42の一端42aをエアクリーナケース65に保持させると共に、環状の突起部86を開口71に備える周面71fに当てるようにした。
そして、コネクティングチューブ42の一端42aから環状の突起部86までの距離より長い筒部95と、この筒部95の基部92から延ばした係止部93とで保持具91を構成し、筒部95をコネクティングチューブ42の一端42aから挿入し、係止部93をエアクリーナケース65に備える固定軸101に止めるようにした。
図5は本発明に係る係合部の実施例及び比較例を説明する図であり、エアクリーナの作用を次に述べる。
(a)は実施例であり、コネクティングチューブ42の一端42aに第1鍔83及び第2鍔84を形成し、第1鍔83及び第2鍔84をエアクリーナケース65の内外面81、82に当ててコネクティングチューブ42をエアクリーナケース65に保持させると共に、第1鍔83及び第2鍔84との間に形成した環状の突起部86を、開口71の周面71fに当てるようにした。
仮に、コネクティングチューブ42に外力が作用して、コネクティングチューブ42にたわみが生じ、コネクティングチューブ42と開口71の間に隙間ができる場合があっても、環状の突起部86が周面71fに接触しシールをする。この結果、シール性を高めることができる。
具体的には、コネクティングチューブ42の係合部78とコネクティングチューブ42の内外面81、82との間に隙間ができる場合があっても、環状の突起部86の向きが変化して、突起部86が周面71fに接触した状態のままであるので、係合部78と周面71fの間のシール性は損なわれ難く、シール性を維持することができる。
加えて、シール性を維持するためにコネクティングチューブ42の係合部78と周面71fとの間に充填するシール材を省略することも可能となる。
このように、第1鍔83と第2鍔84と係合面85の3面で開口71及び開口71の近傍をシールすることで、シール材を用いることなく、コネクティングチューブ42に曲げ力などの外力が掛かり、変位が発生しても、シール性を確保することができる。
加えて、エアクリーナケース65に保持具91を取付け、この保持具91でコネクティンングチューブ42を保持するようにしたので、シールの信頼性を高めることができる。
(b)は比較例であり、コネクティングチューブ201の一端202に第1鍔203及び第2鍔204を形成し、第1鍔203及び第2鍔204をエアクリーナケース205の内外面206、207に当てて挟持し、第1プレート211と第2プレート212とで、第1鍔203と第2鍔204とを挟持することで、コネクティングチューブ201をエアクリーナケース205に保持する。このとき、係合部213と周面214との間にシール材215を充填する。
コネクティングチューブ201に外力が作用し、コネクティングチューブ201にたわみが生じ、コネクティングチューブ201に備える係合部213とエアクリーナケース205の内外面206、207の間に隙間ができると、係合部213と周面214とが離れ、係合部213と周面214の間のシール性が維持できない。
そこで、係合部213と周面214との隙間にシール材215を充填し、シール性を上げたり、又は、コネクティングチューブ201に外力が作用しない、あるいは、たわみが生じないように配置等を考慮する場合があった。
この点、本発明に係るエアークリーナでは、シール材がなくてもシール性が維持でき、また、コネクティングチューブの配置にも自由度を与えることができる。
尚、本発明に係るエアクリーナは、実施の形態では、エンジンを備える自動二輪車に適用したが、四輪車にも適用可能である。
また、本発明に係るエアクリーナの適用は、車両用エンジンに限定されることはなく、汎用型エンジンに適用することは差し支えない。
本発明は、自動二輪車に好適である。
本発明に係るエアクリーナを備える自動二輪車の側面図である。 本発明に係るエアクリーナを備える自動二輪車の要部側面図である。 図2の3−3線断面図である。 図3の4部拡大図である。 本発明に係る係合部の実施例及び比較例を説明する図である。
符号の説明
41…エアクリーナ、42…コネクティングチューブ、42a…コネクティングチューブの一端、65…エアクリーナケース、71…開口、71f…開口の周面、81…エアクリーナケースの外面、82…エアクリーナケースの内面、83…第1鍔、84…第2鍔、86…突起部、91…保持具、93…係止部、95…筒部。

Claims (3)

  1. エアクリーナケースに開けた開口に、コネクティングチューブの一端を固定する形式のエアクリーナにおいて、
    前記コネクティングチューブに、前記エアクリーナケースの厚さに相当する間隔をおいて第1鍔と第2鍔を一体形成すると共に、これらの第1鍔と第2鍔との間で環状の突起部を一体形成し、
    前記第1鍔を前記エアクリーナケースの内面に当て、前記第2鍔を前記エアクリーナケースの外面に当てる挟持作用で前記コネクティングチューブの一端を前記エアクリーナケースに保持させると共に、前記環状の突起部を前記開口を構成する周面に当てるようにし
    前記開口に、前記コネクティングチューブの内周面を保持する保持具が備えられ、この保持具に、前記コネクティングチューブの一端から前記環状の突起部までの距離より長い筒部が設けられ、この筒部の先端部に凸部が形成され、
    この凸部に嵌合する凹部が前記コネクティングチューブに設けられ、
    前記筒部を前記コネクティングチューブの一端から挿入し、前記凸部に前記凹部を嵌合させることで前記エアクリーナケースに前記コネクティングチューブを保持するようにしたことを特徴とするエアクリーナ。
  2. 前記保持具は、前記筒部の基部から延ばした係止部を備え、この係止部を前記エアクリーナケースに止めることを特徴とする請求項1記載のエアクリーナ。
  3. 前記エアクリーナは、車体フレームに揺動自在に懸架されるパワーユニットに取付けられるものであって、
    前記保持具の取付は、エアクリーナケースに備えられている固定軸を、前記係止部に設けられている係止穴に通し、前記固定軸の先端を熱かしめで加工することで取付けられるものであって、
    前記固定軸は、前記パワーユニットのピボット軸と平行に配置されていることを特徴とする請求項2記載のエアクリーナ。
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