JP4466395B2 - 有機el素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子およびその製造方法に関し、特に、使用時に上下電極の短絡による画素欠陥およびラインなどの表示不良を抑制した発光安定性に優れた有機素子に関する。
一般的な有機EL素子は、基板上に、下部電極、有機EL材料からなる有機膜、上部電極が積層されてなる複数個の発光画素を有する。
このような有機EL素子は、自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待できる。
ここで、有機膜はダイオード特性を示し、上下の電極間に順方向バイアス電圧が加わると発光する。パッシブマトリクス(単純マトリクス)のパネルでは、発光状態の画素と非発光状態の画素とにより表示がなされるが、非発光の表示を得るには、発光画素間のクロストークを防止するために、ダイオードすなわち有機膜に逆方向バイアス電圧を印加する必要がある。
逆方向バイアスで夏を印加したときに流れる電流をリーク電流と呼ぶが、この電流値が大きいほど、素子の耐圧が小さくなり、長時間作動していると上下の電極が短絡するという問題がある。この電極の短絡はパネルにライン上の輝線もしくは暗線を発生させ、表示に不具合を生じさせる。
この現象は有機EL素子をつかさどる有機膜の厚さが、通常0.2μm以下と薄膜であるために、有機膜の下部(下地)の表面に凹凸があると、有機膜がカバーしきれないことが原因である。つまり、有機膜の下地表面に凹凸があると、この凹凸に電界集中が起こり、有機膜の絶縁破壊が生じ、上下電極の短絡が発生するのである。
特に、パッシブマトリクスの複数帯状電極パターンが交差するパネルでは下部電極のパターンエッジ先端部の表面の凹凸が大きいので、下部電極のエッジ部にて有機膜厚が局所的に薄くなり、短絡が顕著となる。
そのため、パターンエッジを覆う平坦な絶縁膜が必要となっている。つまり、発光画素間における下部電極の間に絶縁膜を設ける必要性が生じてくる。
また、有機膜は水分に弱くフォトエッチング等の加工技術が使用できないので、陰極とともに有機膜を画素の形状にパターニングするためには、前もって下部電極上に逆テーパ状の隔壁を形成しておき、有機膜、Al等の陰極の順に蒸着する。それにより、発光画素が形成された素子が作製する。
しかし、この隔壁によって有機膜が分断されるため、その有機膜が分断された部位にて露出した下部電極の上に上部電極が形成されると、上部電極と下部電極が短絡してしまうという問題がある。そのため、隔壁の下部に隔壁よりも幅の広い絶縁膜の形成が必要となっている。
つまり、このようなことから発光画素間に絶縁膜が設けられる。たとえば、ストライプ状をなす下部電極と上部電極とが交差するものにおいては、絶縁膜は、各々の発光画素間における下部電極の間および下部電極のうち上部電極の間に位置する部位上に配置されて格子状をなすものとなる。
しかしながら、この有機EL素子では有機材料を使用しているために、電界や熱によって有機材料の変質や材料相互の拡散が起こりやすく、その結果として、上下電極の短絡が発生することがある。
この不具合の対策として、従来では、逆方向のパルス電圧(逆方向バイアス電圧)を加えることで電子注入電極である上部電極を陽極酸化させたり、上部電極を飛散させて、上下電極間の短絡を防止する方法が知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、発光画素の外周の上下電極間の短絡を防止するために、発光画素の外周において上下の電極間に絶縁物を介在させるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
特開平11−162637号公報 特開2004−178986号公報 特開2004−179028号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記従来の有機EL素子では、次に述べるような問題が生じることがわかった。
上記特許文献1〜3に記載されているような従来の有機EL素子においては、発光画素内の上下電極間の短絡は防止できるが、発光画素間の絶縁膜を伝播する破壊が発生し、この発光画素間の絶縁膜の破壊によって、上下電極の短絡や下部電極間の短絡が発生することがわかった。
特に、発光画素内の短絡防止のためには、逆方向バイアス電圧を高くする必要がある。この高い逆方向バイアス電圧の印加により、リーク部の発熱が大きくなる。すると、絶縁膜は飛散までは至らないが、高分子膜などからなる発光画素間の絶縁膜において伝播破壊が発生し、上下電極の短絡にいたる。
すなわち、従来の有機EL素子においては、発光画素内における上下電極の短絡と発光画素間の上下電極の短絡とを、同時に防止することは不可能であることがわかった。特に、このことは、65℃以上の高温環境下での作動時に顕著であることもわかった。
このことについて、図11〜図13を参照して、具体的に述べる。
図11は、従来の一般的な有機EL素子の概略平面図である。ここにおいて、この図11では、陽極20の外形および絶縁膜60のうち隔壁70の下に隠れている部分以外の外形は透過して示してあり、絶縁膜60には斜線ハッチングを施してある。また、図12は、図11中のA−A線に沿った概略断面図であり、図13は、図11中のB−B線に沿った概略断面図である。
有機EL素子は、可視光に対して透明な基板10を備え、この基板10の上には、下部電極20、有機EL材料からなる有機膜30、上部電極40を順次積層してなる積層体としての画素50が複数個形成されている。
画素50の配置形態は、次のようである。下部電極20および上部電極40はそれぞれ複数本設けられ、複数本の下部電極20と複数本の上部電極40とは互いに直交する方向へ延びるストライプ状に配置されている。また、両電極20、40の間に挟まれた有機膜30は、上部電極40と同一のストライプ形状にパターニングされている。
そして、下部電極20と上部電極40とが交差して重なり合う積層体の部分が、発光部としての発光画素50を形成しており、図11に示される例では、複数個の発光画素50が格子状に配列された形となっている。
ここで、図11〜図13に示されるように、下部電極20のストライプの間と有機膜30および上部電極40のストライプの間には、電気絶縁性の絶縁膜60が形成されている。つまり、絶縁膜60は、基板10上にて各々の画素50の間に配置されており、画素分離層として構成されている。
このように、図示例では、複数個の画素50は、ストライプ状をなす下部電極20とこれに直交するストライプ状をなす上部電極40とにより形成された格子状に配置されたものであり、絶縁膜60は、各々の画素50間における下部電極20の間および下部電極20のうち上部電極40の間に位置する部位上に、配置されている。
このような絶縁膜60は、一般に感光性レジストやポリイミドなどの高分子から形成されている。また、絶縁膜60のうち有機膜30および上部電極40のストライプの間に位置する部分の上には、複数本の隔壁70がストライプ状に形成されている。この隔壁70はネガ型の感光性樹脂レジスト材料などからなる。
その結果、この有機EL素子では、上部電極40のストライプ方向に沿って形成された隔壁70により、各発光画素50が区画され分離されている。具体的には、この隔壁70によって、有機膜30および上部電極40がストライプ状に画定されるとともに、隣接する上部電極40の間が絶縁されている。
このような従来の有機EL素子において、発光画素50間の絶縁膜60を伝播する破壊の原因は、構造に着目すると次のようなものと考えられる。
特に、図13に示されるように、発光画素50間の積層構造は、下部電極20/絶縁膜60/有機膜30/上部電極40である。
ここで、発光画素50内では、逆方向バイアス電圧を印加して、上部電極40を飛散させるときに有機膜30も飛散する。しかしながら、発光画素50間では上部電極40を飛散させようとするときに絶縁膜60が飛散しない。このことが発光画素50間における上下電極20、40の短絡の原因であることをつきとめた。
高分子からなる絶縁膜60が飛散しないのは、上部電極を飛散させようとするときの電圧の印加に伴う高熱により飛散せずに、絶縁膜60が分解しながら凝集などの熱変形をするためと考えられる。そして、この絶縁膜60の熱変形によって、発光画素50間における上下電極20、40の短絡が発生すると考えられる。
さらに、発光画素50間の絶縁膜60上に位置する上部電極40は、発光画素50のうち絶縁膜60に接する領域に位置する上部電極40の飛散が関与することがわかった。
つまり、発光画素50のうち発光画素50間の絶縁膜60に接する発光画素領域での上部電極40が飛散するときに、この飛散に伴う熱により、発光画素50間の絶縁膜60が、上述と同じく、凝集などの破壊を起こすためと考えられる。
このように、従来では、発光画素内の短絡は、逆方向バイアス電圧を印加することにより可能であったが、発光画素内の短絡については、上述したように、適切に行うことが困難であった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発光画素間に絶縁膜を有する有機EL素子において、発光画素間の短絡、すなわち、発光画素間の絶縁膜を伝播する破壊による上下電極間の短絡を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、鋭意検討を行った結果、発光画素のうち発光画素間の絶縁膜に接する領域に位置する上部電極の飛散を防止する必要があることに着目した。つまり、発光画素と絶縁膜との境界に位置する上部電極の飛散を防止することに着目した。
上述したように、上部電極の飛散現象は、定電圧駆動である逆方向バイアス電圧の印加時に発生している。その詳細を以下に示す。
有機ELはダイオード特性を示すことが一般に知られており、順方向には電流を流すが、逆方向には電流を流さない。しかし、逆方向バイアス電圧の印加時には、有機EL膜の薄膜部などにおいて、リーク電流が流れ、発熱し、さらに有機EL膜の変形を伴いリーク電流が増加した結果、上部電極が飛散すると考えられる。
この上部電極飛散のメカニズムから、発光画素のうち発光画素間の絶縁膜に接する領域を、電流が流れない領域とすることが必要であると考えた。
すなわち、請求項1に記載の発明では、まず、基板(10)上に、下部電極(20)、有機EL材料からなる有機膜(30)、上部電極(40)が積層されてなる複数個の発光画素(50)を有するとともに、基板(10)上にて各々の発光画素(50)の間に配置された絶縁膜(60)を有し、下部電極(20)と上部電極(40)との間に、順方向バイアス電圧および逆方向バイアス電圧を印加できるようになっている有機EL素子において、絶縁膜(60)と発光画素(50)との間の領域である発光画素(50)の外周に、順方向および逆方向のバイアス電圧を印加したとき電流が注入されない領域(80)が形成されていることを特徴としている。
ここで、当該電流が注入されない領域(80)とは、上下電極(20、40)間に有機膜(30)が挟まれており、電界を印加しているにもかかわらず、電流を流さない領域である。
このような領域(80)を設ければ、発光画素(50)の外周に電流が流れなくなるため、発光画素(50)の外周部において上下電極(20、40)間の絶縁性を確保することができ、上下電極(20、40)の短絡を防止することができる。
さらに、上記領域(80)を設けることにより、発光画素(50)間において上下電極(20、40)間に電流が流れにくくなるため、発光画素(50)間において上下電極(20、40)間の絶縁性を確保することができ、発光画素(50)間の短絡を防止することができる。
つまり、発光画素(50)の外周に、上記電流が注入されない領域(80)を形成することにより、上下電極(20、40)間の絶縁性を大きくすることができ、発光画素(50)の外周および発光画素(50)間の絶縁膜(60)での上部電極(40)の飛散起点を無くし、発光画素(50)間の絶縁膜(60)の伝播破壊を防止することができる。
よって、本発明によれば、発光画素(50)間に絶縁膜(60)を有する有機EL素子において、発光画素(50)間の絶縁膜(60)を伝播する破壊による上下電極(20、40)間の短絡を防止することができる。
また、本発明によれば、発光画素(50)において下部電極(20)と上部電極(40)との間に、逆方向バイアス電圧を印加できるようになっているため、逆方向バイアス電圧を印加して上部電極(40)の飛散による自己修復を実現できる。つまり、本発明によれば、発光画素(50)内と発光画素(50)間の両方における上下電極(20、40)の短絡を同時に防止することができる。
また、請求項1に記載の有機EL素子においては、逆方向バイアス電圧を印加するときの電圧をVr、有機膜(30)の厚さをDyとしたとき、次の数式(1)にて表される電界強度Yaが1.5MV/cm以上となるように逆方向バイアス電圧を印加できるようになっているものにできる。
(数2)
Ya=Vr/Dy … (1)
さらに、請求項1に記載の発明では、絶縁膜(60)の表面の凹凸は、Rzが40nm以上のものであることを特徴としている。ここで、Rzは10点平均表面粗さRzであり、JIS(日本工業規格)に定義されたものである。
それによれば、絶縁膜(60)の表面をRzが40nm以上と粗くすることにより、絶縁膜(60)上および絶縁膜(60)に隣接する部分において、上部電極(40)が絶縁膜(60)から剥離したり、酸素や水分などの侵入によって上部電極(40)における有機膜(30)との界面部が酸化したりするため、発光画素(50)の外周に、上記の電流が注入されない領域(80)を適切に形成することができる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の有機EL素子において、前記電流が注入されない領域(80)の幅が、絶縁膜(60)の端部から8μm以上であることを特徴としている。それによれば、発光画素(50)間の短絡防止のためには好ましい。
また、請求項に記載の発明では、請求項1〜請求項に記載の有機EL素子において、発光画素(50)間に位置する上部電極(40)の部分に、部分的に開口部(90)が設けられていることを特徴としている。
それによれば、上部電極(40)における発光画素(50)間に位置する部位に設けられた開口部(90)から、酸素や水分などが侵入することによって上部電極(40)における有機膜(30)との界面部が酸化するため、発光画素(50)の外周に、上記の電流が注入されない領域(80)を適切に形成することができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1〜請求項に記載の有機EL素子において、発光画素(50)は、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止されていることを特徴としている。
それによれば、発光画素(50)の外周において、封止ガス中の酸素によって、上部電極(40)における有機膜(30)との界面部が酸化しやすくなるため、上記の電流が注入されない領域(80)を適切に形成しやすくなる。
また、請求項に記載の発明のように、請求項1〜請求項に記載の有機EL素子においては、上部電極(40)はAlを含有するものであって、その厚さが100nm以下であることが好ましい。
また、請求項に記載の発明では、基板(10)上に、下部電極(20)、有機EL材料からなる有機膜(30)、上部電極(40)が積層されてなる複数個の発光画素(50)を有するとともに、基板(10)上にて各々の発光画素(50)の間に配置された絶縁膜(60)を有する有機EL素子を製造する製造方法において、絶縁膜(60)を形成した後、絶縁膜(60)の表面に、UVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施すことにより、絶縁膜(60)の表面の凹凸を、Rzが40nm以上のものにするものであり、発光画素(50)を、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止することを特徴としている。
それによれば、絶縁膜(60)の表面をRzが40nm以上と粗くすることにより、絶縁膜(60)上および絶縁膜(60)に隣接する部分において、その後に形成される上部電極(40)が絶縁膜(60)から剥離したり、酸素や水分などの侵入によって上部電極(40)における有機膜(30)との界面が酸化したりするため、発光画素(50)の外周に、上記請求項1に記載されている電流が注入されない領域(80)を適切に形成することができる。また、本発明では、発光画素(50)を、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止するようにしているから、絶縁膜(60)の表面をRzが40nm以上と粗くしたうえで、発光画素(50)の外周において、封止ガス中の酸素によって、上部電極(40)における有機膜(30)との界面部が酸化しやすくなるため、上記の電流が注入されない領域(80)を、より適切に形成しやすくなる。
つまり、本発明によれば、請求項1に記載の有機EL素子を適切に製造することができ、本発明によっても、発光画素(50)間に絶縁膜(60)を有する有機EL素子において、発光画素(50)間の絶縁膜(60)を伝播する破壊による上下電極(20、40)間の短絡を防止することができる。
ここで、請求項に記載の発明では、請求項に記載の有機EL素子の製造方法において、絶縁膜(60)を形成した後で且つ有機膜(30)を形成する前に、絶縁膜(60)の表面を、15分以上、UVオゾン処理することを特徴としている。
また、請求項に記載の発明では、請求項に記載の有機EL素子の製造方法において、絶縁膜(60)を形成した後で且つ有機膜(30)を形成する前に、絶縁膜(60)の表面を、0.35W/cm以上のパワーで且つ酸素を含有するガスを導入した酸素プラズマ処理することを特徴としている。
絶縁膜(60)の表面の凹凸をRzが40nm以上とするために、絶縁膜(60)の表面に施す処理としては、このようなものにできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
[構成等]
図1は、本発明の実施形態に係る有機EL素子S1の概略平面図である。ここにおいて、この図1では、陽極20の外形および絶縁膜60のうち隔壁70の下に隠れている部分以外の外形は透過して示してあり、絶縁膜60には斜線ハッチングを施してある。また、図2は、図1中のC−C線に沿った概略断面図である。
本実施形態の有機EL素子S1は、可視光に対して透明な基板10を備えており、この基板10の上には、下部電極としての陽極20、有機EL材料からなる有機膜30、上部電極としての陰極40を順次積層してなる積層体としての発光画素50が、複数個形成されている。
基板10は、ガラスや樹脂などからなる透明な電気絶縁性を有する基板であり、本例では、ガラス基板を採用している。
基板10の上に形成された陽極20は、インジウム−錫の酸化物(ITO)膜やインジウム−亜鉛の酸化物膜等の透明導電膜からなるものであり、その膜厚は、たとえば、100nm〜1μm程度であり、好ましくは150nm程度である。
また、有機膜30は、真空蒸着法にて成膜されたもので、陽極20側から順に、たとえば、正孔注入性有機材料からなる正孔注入層、正孔輸送性有機材料からなる正孔輸送層、正孔輸送性有機材料や電子輸送性有機材料に蛍光色素をドープした有機EL材料からなる発光層、電子輸送性有機材料からなる電子輸送層が積層されてなる。
なお、有機膜30は、有機EL材料からなり、陽極20と陰極40との間に順方向バイアス電圧を印加したときに、発光するものであればよく、上記の積層例に限定されるものではない。
有機膜30の上に形成された陰極40は、通常有機ELパネルに採用可能な陰極材料を採用できる。たとえば、陰極40は、有機膜30側から、厚さ0.5nm程度の薄いフッ化リチウム(LiF)膜、厚さ100nm程度のアルミニウム(Al)膜が積層されて構成されたものにできる。
本実施形態における画素50の配置形態は、次のようである。陽極20および陰極40はそれぞれ複数本設けられ、複数本の陽極20と複数本の陰極40とは互いに直交する方向へ延びるストライプ状に配置されている。また、両電極20、40の間に挟まれた有機膜30は、陰極40と同一のストライプ形状にパターニングされている。
そして、陽極20と陰極40とが交差して重なり合う積層体の部分が、発光部としての発光画素50を形成しており、本例では、図1に示されるように、複数個の発光画素50が格子状に配列された形となっている。
ここで、図1、図2に示されるように、陽極20のストライプの間と有機膜30および陰極40のストライプの間には、電気絶縁性の絶縁膜60が形成されている。つまり、絶縁膜60は、基板10上にて各々の発光画素50の間に配置されており、画素分離層として構成されている。
言い換えれば、本例では、複数個の発光画素50は、ストライプ状をなす陽極20とこれに直交するストライプ状をなす陰極40とにより形成された格子状に配置されたものであり、絶縁膜60は、各々の発光画素50間における陽極20の間および陽極20のうち陰極40の間に位置する部位上に、配置されている。
このような絶縁膜60は、一般に感光性レジストやポリイミドなどの高分子から形成されている。そして、絶縁膜60は、フォトリソグラフやエッチングなどの技術を用いて、パターニング形成される。
また、絶縁膜60のうち有機膜30および陰極40のストライプの間に位置する部分の上には、複数本の隔壁70がストライプ状に形成されている。この隔壁70はネガ型の感光性樹脂レジスト材料などからなる。
この隔壁70の断面形状は、本実施形態では図示しないが、上記図2に示されるものと同様である。すなわち、図2に示されるように、隔壁70は、基板10側から上方に向かって広がる逆テーパ形状をなしている。隔壁70においてこのような逆テーパの断面形状とすることは、有機膜30および陰極40の成膜工程においてこれら有機膜30および陰極40を適切に画定するためである。
その結果、本有機EL素子S1では、陰極40のストライプ方向に沿って形成された隔壁70により、各発光画素50が区画され分離されている。具体的には、この隔壁70によって、有機膜30および陰極40がストライプ状に画定されるとともに、隣接する陰極40の間が絶縁されている。
そして、本有機EL素子S1においては、図示しない回路装置により、陽極20と陰極40との間に、順方向バイアス電圧および逆方向バイアス電圧を印加できるようになっている。
なお、本実施形態では、逆方向バイアス電圧を印加するときの電圧をVr、前記有機膜()の厚さをDyとしたとき、次の数式(1)にて表される電界強度Yaが1.5MV/cm以上となるように逆方向バイアス電圧を印加できるようになっている。
(数3)
Ya=Vr/Dy … (1)
ここで、両電極20、40間に順方向バイアス電圧を印加することにより、発光画素50における有機膜30が発光する、すなわち発光画素50が発光状態となる。一方、非発光の表示を得るには、発光画素50間のクロストークを防止するために両電極20、40間に逆方向バイアス電圧を印加する。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、両電極20、40の間に逆方向バイアス電圧を加えることで上部電極としての陰極40を酸化させたり、陰極40を飛散させたりすることで、発光画素50内において上下電極20、40間の短絡を防止できるようになっている。
さらに、図1、図2に示されるように、このような本実施形態の有機EL素子S1においては、独自の構成として、絶縁膜60と発光画素50との間の領域である発光画素50の外周に、順方向および逆方向のバイアス電圧を印加したとき電流が注入されない領域80が形成されている。
ここで、当該電流が注入されない領域80とは、上下電極20、40間に有機膜30が挟まれており、電界を印加しているにもかかわらず、電流を流さない領域である。以下、この電流が注入されない領域80を「セパレート領域80」と言うことにする。ここで、図1においては、識別を容易とするために、便宜上、セパレート領域80には、点々ハッチングを施してある。
ここで、発光画素50間の短絡防止のためには、図2中のセパレート領域80の範囲を示す両矢印の長さ、すなわち、セパレート領域80の幅が、絶縁膜60の端部から8μm以上であることが好ましい。
このようなセパレート領域80を形成するためには、絶縁膜60の表面(図2中の断面台形の絶縁膜60における上面およびテーパ状の側面)の凹凸は、Rzが40nm以上のものであることが好ましい。ここで、Rzは10点平均表面粗さRzであり、JIS(日本工業規格)に定義されたものである。
それによれば、絶縁膜60の表面をRzが40nm以上と粗くすることにより、絶縁膜60上および絶縁膜60に隣接する部分において、上部電極である陰極40が絶縁膜60から剥離したり、酸素や水分などの侵入によって陰極40の有機膜30との界面部が酸化したりするため、発光画素50の外周に、上記セパレート領域80を適切に形成することができる。
さらに言うならば、絶縁膜60の表面を粗くすることにより生じる陰極40の絶縁膜60からの剥離とは、粗い絶縁膜60表面と有機膜30との間の剥離であってもよいし、絶縁膜60表面の粗い凹凸形状が有機膜30表面に継承されて、その粗くなった有機膜30から陰極40が剥離するものであってもよい。
また、酸素や水分は、絶縁膜60の表面を粗くすることにより、密着性が低下した絶縁膜60と有機膜30との界面および有機膜30と陰極40との界面から、侵入する。具体的には、図1において、たとえば、隔壁70の周囲の微小な隙間などから酸素や水分が侵入し、上記各界面に広がっていき、陰極40の酸化を引き起こす。
このような陰極40の下地である絶縁膜60の表面に凹凸を形成する方法としては、絶縁膜60の表面に、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理を施すことによって実現できる。なお、これらUVオゾン処理や酸素プラズマ処理は、有機膜30を形成する前の陽極20としてのITOの表面改質処理と兼ねることが可能である。
また、セパレート領域80を形成するためには、発光画素50間に位置する上部電極としての陰極40の部分に、部分的に開口部を設けることも好ましい。
図3(a)、(b)は、陰極40における発光画素50間に位置する部位に開口部90を設ける方法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のD−D一点鎖線に沿った概略断面図である。
上述したように、有機膜30および陰極40のストライプの間の発光画素50間には、隔壁70が設けられている。そして、陽極20の間の発光画素50間の積層構造は、基板10側から絶縁膜60/有機膜30/上部電極40である。
図3に示される方法は、上記隔壁70を形成するのと同時に、この陽極20の間の発光画素50間において絶縁膜60上に、開口部形成用の隔壁91を形成する。この開口部形成用の隔壁91も、図3(b)に示されるように、上記隔壁70と同じく、逆テーパ形状とすることが好ましい。
それにより、この開口部形成用の隔壁91の部分には、有機膜30および陰極40が形成されず、開口部90が形成され、陰極40における発光画素50間に位置する部位に開口部90が形成される。
それによれば、陰極40における発光画素50間に位置する部位に設けられた開口部90から、酸素や水分などが侵入することによって陰極40における有機膜30との界面部が酸化するため、発光画素50の外周に、上記図1と同様に、セパレート領域80を適切に形成することができる。
なお、陰極40における発光画素50間に位置する部位に開口部90を設ける方法としては、図3に示されるような隔壁91を形成する方法に限定されるものではなく、たとえば、フォトリソグラフやエッチング技術を用いて、有機膜30や陰極40を部分的に除去することによっても可能である。
また、本実施形態の有機EL素子S1では、好ましい形態として、発光画素50は、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止されている。これは、基板10上において、その上の積層部を覆うように、缶などからなる図示しない封止部材を設けてその内部を封止し、その内部の封止ガスとして、たとえば、乾燥窒素に対し1%以上の酸素を含有するガスを用いればよい。
それによれば、発光画素50の外周において、封止ガス中の酸素によって、陰極40における有機膜30との界面部が酸化しやすくなるため、上記したセパレート領域80を適切に形成しやすくなる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、上部電極としての陰極40はAlを含有するものであって、その厚さが100nm以下であることが好ましい。
[製造方法等]
次に、本有機EL素子S1の製造方法について述べる。
まず、基板10の上に、スパッタ法などによりITO膜などを形成し、これをフォトリソグラフ技術を用いてパターニングすることにより、陽極20を形成する。
次に、発光画素50の間となる部分において基板10の上および陽極20の上に、感光性レジストなどを用いて上記絶縁膜60をホトリソグラフィ法などにより形成する。さらに、絶縁膜60の上に、有機膜30および陰極40を分断するための隔壁70をホトリソグラフィ法などにより形成する。
このように、絶縁膜60を形成した後、絶縁膜60の表面に、UVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施すことにより、絶縁膜60の表面の凹凸を、Rzが40nm以上のものにする。
具体的に、この絶縁膜60の表面を、Rzが40nm以上と粗くする処理方法としては、絶縁膜60を形成した後で且つ有機膜30を形成する前に、絶縁膜60の表面を、15分以上、UVオゾン処理する方法が挙げられる。
また、同処理方法としては、絶縁膜60を形成した後で且つ有機膜30を形成する前に、絶縁膜60の表面を、0.35W/cm2以上のパワーで且つ酸素を含有するガスを導入した酸素プラズマ処理する方法が挙げられる。
その後、陽極20の上に有機膜30を真空蒸着法等にて成膜して積層し、有機膜30の上に陰極40を真空蒸着法等にて成膜して積層する。
こうして、上記図1、図2に示される本実施形態の有機EL素子S1ができあがる。なお、上記図2に示されるように、実際には、このような成膜方法により、隔壁70の上端面にも、有機膜30および陰極40と同様の膜が積層される。
このような製造方法において、絶縁膜60の表面をRzが40nm以上と粗くすることにより、絶縁膜60上および絶縁膜60に隣接する部分において、その後に形成される陰極40が絶縁膜60から剥離したり、酸素や水分などの侵入によって陰極40における有機膜30との界面が酸化したりする。
そのため、本製造方法によれば、発光画素50の外周に上記セパレート領域80が形成された有機EL素子S1が製造される。
ここで、上述したように、絶縁膜60の表面にUVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施す工程を省略し、その代わりに、発光画素50間に位置する陰極40の部分に、開口部形成用の隔壁91を用いるなどにより、部分的に開口部90を設けてもよい。
また、当該開口部形成用の隔壁91を形成した後に、さらに、絶縁膜60の表面にUVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施す工程を行ってもよい。それによれば、酸素や水分などの侵入による陰極40の酸化を促進することができ、よりセパレート領域80を形成しやすくなると考えられる。
また、陰極40の酸化を促進するために、すでに好ましい形態として述べたが、本実施形態の製造方法においては、有機EL素子S1を、上記陰極40まで形成した後、その上を上記封止部材を用いて、1%以上の酸素を含有する封止ガスにて封止するようにしてもよい。もちろん、適切にセパレート領域80が形成できるならば、この封止ガスによる工程は省略してもよい。
[効果等]
次に、本実施形態の効果等についてまとめておく。
本実施形態によれば、基板10上に、陽極20、有機EL材料からなる有機膜30、陰極40が積層されてなる複数個の発光画素50を有するとともに、基板10上にて各々の発光画素50の間に配置された絶縁膜60を有し、両電極20、60の間に順方向バイアス電圧および逆方向バイアス電圧を印加できるようになっている有機EL素子において、絶縁膜60と発光画素50との間の領域である発光画素50の外周に、順方向および逆方向のバイアス電圧を印加したとき電流が注入されないセパレート領域80が形成されていることを特徴とする有機EL素子S1が提供される。
ここで、セパレート領域80とは、上述したように、上下電極20、40間に有機膜30が挟まれており、電界を印加しているにもかかわらず、電流を流さない領域である。
このようなセパレート領域80を設ければ、発光画素50の外周に電流が流れなくなるため、発光画素50の外周部において上下電極20、40間の絶縁性を確保することができ、上下電極20、40の短絡を防止することができる。
さらに、上記セパレート領域80を設けることにより、発光画素50間において上下電極20、40間に電流が流れにくくなるため、発光画素50間において上下電極20、40間の絶縁性を確保することができ、発光画素50間の短絡を防止できる。
つまり、発光画素50の外周に、上記セパレート領域80を形成することにより、上下電極20、40間の絶縁性を大きくすることができ、発光画素50の外周および発光画素50間の絶縁膜60での上部電極40の飛散起点を無くし、発光画素50間の絶縁膜60の伝播破壊を防止することができる。
よって、本実施形態によれば、発光画素50間に絶縁膜60を有する有機EL素子S1において、発光画素50間の絶縁膜60を伝播する破壊による上下電極20、40間の短絡を防止することができる。
また、本実施形態によれば、発光画素50において上下両電極20、40間に、逆方向バイアス電圧を印加できるようになっているため、逆方向バイアス電圧を印加して上部電極である陰極40の飛散による自己修復を実現できる。つまり、本実施形態によれば、発光画素50内と発光画素50間の両方における上下電極20、40の短絡を同時に防止することができる。
ここで、本実施形態の有機EL素子S1においては、上記数式(1)にて表される電界強度Yaが1.5MV/cm以上となるように逆方向バイアス電圧を印加できるようになっていることも特徴のひとつである。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、セパレート領域80の幅が、絶縁膜60の端部から8μm以上であることも特徴のひとつである。この8μmの根拠については、後述の具体例(図5参照)にて述べる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、絶縁膜60の表面の凹凸は、Rzが40nm以上のものであることも特徴のひとつである。この40nm以上の具体的な根拠については、後述の具体例(図8参照)にて述べる。
それによれば、上述したように、絶縁膜60上および絶縁膜60に隣接する部分において、陰極40や有機膜30とその下地との密着性が低下し、陰極40が絶縁膜60から剥離したり、酸素や水分などの侵入によって陰極40における有機膜30との界面部が酸化したりするため、発光画素50の外周に、上記セパレート領域80を適切に形成することができる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、発光画素50間に位置する陰極40の部分に、部分的に開口部90が設けられていることも特徴のひとつである。
それによれば、上述したように、当該開口部(90)から、酸素や水分などが侵入することによって陰極40の酸化が促進されるため、発光画素50の外周に、上記セパレート領域80を適切に形成することができる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、発光画素50は、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止されていることも特徴のひとつである。この1%以上の酸素含有の根拠については、後述の具体例(図7参照)にて述べる。
それによれば、上述したように、陰極40の酸化が促進され、発光画素50の外周にセパレート領域80を形成しやすくなる。
また、本実施形態の有機EL素子S1においては、上述したが、陰極40はAlを含有するものであって、その厚さが100nm以下であることが好ましい。この根拠についても、後述の具体例(図6参照)にて述べる。
また、本実施形態によれば、基板10上に、陽極20、有機EL材料からなる有機膜30、陰極40が積層されてなる複数個の発光画素50を有するとともに、基板10上にて各々の発光画素50の間に配置された絶縁膜60を有する有機EL素子100を製造する製造方法において、絶縁膜60を形成した後、絶縁膜60の表面に、UVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施すことにより、絶縁膜60の表面の凹凸を、Rzが40nm以上のものにすることを特徴とする製造方法が提供される。
それによれば、絶縁膜60の表面をRzが40nm以上と粗くすることにより、上述したように、絶縁膜60上およびその隣接部において、その後に形成される陰極40の剥離や酸化が起こるため、発光画素50の外周に、上記セパレート領域80を適切に形成することができる。
つまり、本製造方法によれば、上記特徴点を有する本実施形態の有機EL素子S1を適切に製造することができる。そして、本製造方法によっても、発光画素50間に絶縁膜60を有する有機EL素子100において、発光画素50間の絶縁膜60を伝播する破壊による上下電極20、40間の短絡を防止することができる。
ここで、本実施形態の有機EL素子の製造方法においては、上記UVオゾン処理として、絶縁膜60を形成した後で且つ有機膜30を形成する前に、絶縁膜60の表面を、15分以上、UVオゾン処理する方法を採用することも特徴のひとつである。
また、本実施形態の有機EL素子の製造方法においては、上記酸素プラズマ処理として、絶縁膜60を形成した後で且つ有機膜30を形成する前に、絶縁膜60の表面を、0.35W/cm2以上のパワーで且つ酸素を含有するガスを導入した酸素プラズマ処理する方法を採用することも特徴のひとつである。
絶縁膜60の表面の凹凸をRzが40nm以上とするために、絶縁膜60の表面に施すUVオゾン処理や酸素プラズマ処理としては、このようなものにできる。これらUVオゾン処理や酸素プラズマ処理を採用する根拠は、後述の具体例(図9、図10参照)にて述べる。
また、本実施形態の有機EL素子の製造方法においては、発光画素50を、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止することも特徴のひとつである。
それによれば、上述したように、絶縁膜60の表面をRzが40nm以上と粗くしたうえで、封止ガス中の酸素によって、陰極40の酸化が行われやすくなるため、上記セパレート領域80を、より適切に形成しやすくなる。
次に、本実施形態について、以下に示す各具体例を参照して、さらに説明する。
[具体例1]
ガラス基板からなる基板10の上に、スパッタ法によりITO膜を形成し、これをフォトリソグラフ技術を用いてパターニングすることにより、150nm程度の厚さの透明電極としてストライプ状の陽極20を形成した。
陽極20間を含む表示画素50間にノボラック系の感光レジストからなる絶縁膜60をパターニング形成した。厚さは1μm程度である。さらに、ネガ型の感光レジストを用いて、逆テーパ形状の上部電極分離用の隔壁70をパターニングするした。
次に、絶縁膜60の表面に対して、UVオゾン処理と酸素を含有するガスによる酸素プラズマ処理とを施した。
具体的には、UVオゾン処理としては、基板温度210℃で、20分処理した。つづいて、酸素プラズマ処理として、これを真空チャンバーに入れ、アルゴンと酸素の比が9:1程度のガスにより、パワー:0.4W/cm2のプラズマを300秒処理した。これにより、絶縁膜60の表面のRzが40nm以上となるとともに、ITOからなる陽極20の表面改質が行われる。
その後、陽極20の上に有機膜30を真空蒸着法等にて成膜して積層し、有機膜30の上に陰極40を真空蒸着法等にて成膜して積層した。
具体的には、陽極20の上に、蒸着法により、正孔注入層として厚さ15nmのCuPc(銅フタロシアニン)膜を形成し、続いて、正孔輸送層として厚さ50nmのNPD(αーナフチル・フェニル・ベンゼン)膜を形成した。
その上に、蒸着を行い、ホストであるAlq3(アルミキノリノール)中にドーパントすなわち蛍光色素としてクマリンが1wt%添加されてなる厚さ40nmの発光層を成膜した。
こうして、発光層を形成した後、蒸着法により、Alq3からなる厚さ20nmの電子輸送層を形成した。これにより、本例においては、厚さ125nmの有機膜30が形成される。
その後、蒸着法により、陰極40として厚さ0.5nmのLiF膜、その上に厚さ80nmのAl膜を順次成膜した。こうして、図1、図2に示されるような有機EL素子ができあがる。
さらに、このように陰極40まで形成された有機EL素子を、露点−70℃以下の乾燥窒素雰囲気に入れ、5%の酸素を導入した後、上記封止部材としての封止缶を用いて封止した。
本例の有機EL素子の発光特性を評価した結果、発光画素50と絶縁膜60との間には、非発光部としてのセパレート領域80が、絶縁膜60の端部から16μmの幅で形成されていた。
この非発光部としてのセパレート領域80は、順方向の電界すなわち順方向バイアス電圧に対して、電荷が注入されない絶縁領域になっていることがわかった。このことは、具体的には、図4に示される。
図4は、セパレート領域80と発光画素50とで、順方向バイアス電圧を印加したときの電圧−電流密度特性を示す図である。電圧を大きくしていくと、発光画素50では電流密度が増大し発光に至るのに対し、セパレート領域80では、ほとんど電流が流れないことが確認された。
また、本例の有機EL素子においては、絶縁膜60の詳細形状を評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60の表面には、Rzが40nmの凹凸が形成されていることが確認された。
また、本例の有機EL素子の駆動としては、1/64dutyとなるように、順方向においては定電流駆動で、初期輝度200cd/m2となるように調整した。そのときの順方向バイアスパルス電圧は10V程度とし、順方向バイアス電圧を印加する以外の時は、20Vの逆バイアスパルス電圧を印加した。この逆方向バイアス電圧による電界強度Yaは、1.6MV/cmである。
このようにして本例の有機EL素子を駆動させて耐久評価したところ、65℃の高温作動でも1000時間以上、上下電極20、40の短絡に至る不具合は、まったく発生しなかった。
さらに、発光画素50を詳細に評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60近傍に位置するセパレート領域80を起点とする陰極40の飛散は発生していなかった。また、発光画素50を起点とする陰極40の飛散がセパレート領域80まで拡大している部位はあったが、絶縁膜60を伝播する破壊の発生はなかった。
[比較例1]
本比較例1は、上記具体例1において、絶縁膜60の表面のRzを40nm以上とするための、絶縁膜60の表面に対して行うUVオゾン処理と酸素プラズマ処理との処理条件を弱くしたものであり、それ以外は、上記具体例1と同様に行った。
具体的には、UVオゾン処理としては、基板温度210℃で、3分処理した。つづいて、酸素プラズマ処理として、基板を真空チャンバーに入れ、アルゴンと酸素の比が9:1程度のガスにより、パワー:0.1W/cm2のプラズマを10秒処理した。
この処理によって形成された有機EL素子においては、陰極40間に位置する発光画素50の外周では、隔壁70による隙間があるため、そこから酸素や水分が侵入して、幅10μmのセパレート領域80が形成できた。しかし、陽極20間に位置する発光画素50の外周では、絶縁膜60の粗さが不足したため酸素などの侵入が不十分となり、セパレート領域80は形成できなかった。
本例の有機EL素子を、上記具体例1と同様にして、65℃の温度で駆動させて耐久評価したところ、86時間と316時間とにおいて各々1箇所ずつ、陽極20間の絶縁膜60を伝播する破壊が発生し、隣り合う陽極20間の短絡が発生した。また、絶縁膜60の詳細形状を評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60の表面に凹凸は観察されなかった。
上記具体例1と比較例1との結果から、次に述べるような種々の調査を行った。まず、発光画素50間の絶縁膜60の破壊による短絡防止に必要なセパレート領域80の幅を調査した。その結果は、図5に示される。
図5は、セパレート領域80の幅(単位:μm)とパネル不良率(単位:%)との関係を調査した結果を示す図である。ここで、パネル不良率は、上記具体例1に示される耐久評価によるもので、発光画素50および画素50間、つまりパネル全域における短絡の発生率を示すものである。
この図5に示されるように、絶縁膜60の端部からのセパレート領域80の幅が、8μm以上であれば、パネル不良率がほぼ0となり、発光画素50間の絶縁膜60の破壊による短絡防止が実現できることがわかった。
また、本実施形態において、Alを含有する陰極40の厚さが100nm以下であることが好ましいことの根拠について、図6を参照して述べる。
図6は、Alからなる陰極40の厚さ(Al厚さ、単位:nm)とパネル不良率(単位:%)との関係を調査した結果を示す図である。ここで、パネル不良率は上記図5と同様の耐久評価にて行ったものであり、短絡発生率を示すものである。
図6に示されるように、Alからなる陰極40の厚さが100nm以下であれば、パネル不良率がほぼ0となり、発光画素50内および発光画素50間における上下電極20、40の短絡を防止できることがわかった。
また、上記図5に示されるような幅8μm以上のセパレート領域80を実現するために必要な封止ガス中の酸素量について調査した。その結果が、図7に示される。
図7は、封止ガス中の酸素量(単位:%)とセパレート領域80の幅(単位:μm)との関係を調査した結果を示す図である。
具体例1では、封止ガス中の酸素濃度は5%としたが、図7に示されるように、1%以上であればセパレート領域80の幅は8μm以上となり、陰極40の酸化(不導体化)において十分な効果があることが確認されている。
また、本実施形態の有機EL素子においては、絶縁膜60の表面の凹凸は、Rzが40nm以上のものであることが特徴のひとつであるが、この40nm以上の具体的な根拠は、次に述べる図8に示される。
図8は、絶縁膜60の表面のRz(単位:nm)とセパレート領域80の幅(単位:μm)との関係を調査した結果を示す図である。この図8に示されるように、絶縁膜60の表面のRzが40nm以上であれば、短絡防止に十分な8μm幅のセパレート領域80を形成できることが実験的に確認されている。
また、絶縁膜60の表面の凹凸をRzが40nm以上とするために、絶縁膜60の表面に施すUVオゾン処理や酸素プラズマ処理の条件について、調査した。図9、図10は、それぞれUVオゾン処理、酸素プラズマ処理についての結果を示す図である。
図9は、UVオゾン処理における処理時間(単位:分)と絶縁膜60の表面のRz(単位:nm)との関係を調査した結果を示す図である。
この図9に示されるように、上記UVオゾン処理としては、15分以上、UVオゾン処理すれば、絶縁膜60の表面のRzを40nm以上とすることができる。つまり、処理時間を15分以上とすれば、短絡防止に十分な8μm幅のセパレート領域80を形成することができる。
図10は、酸素プラズマ処理におけるプラズマパワー(単位:W/cm2)と絶縁膜60の表面のRz(単位:nm)との関係を調査した結果を示す図である。
この図10に示されるように、上記酸素プラズマ処理としては、0.35W/cm2以上のパワーで酸素プラズマ処理すれば、絶縁膜60の表面のRzを40nm以上とすることができ、その結果、短絡防止に十分な8μm幅のセパレート領域80を形成することができる。
[具体例2]
本具体例2は、セパレート領域80を形成するために、上記図3に示したような開口部形成用の隔壁91を形成することにより、発光画素50間に位置する陰極40の部分に、部分的に開口部90を設けたものである。
本例では、上記隔壁70を形成する工程において、ネガ型の感光レジストを用いて隔壁70を形成すると同時に、陽極20の間の発光画素50間において絶縁膜60上に、開口部形成用の隔壁91を形成した。このこと以外は、上記具体例1と同様に行った。絶縁膜60の表面のRzを40nm以上とするための上記UVオゾン処理および酸素プラズマ処理も、同様に行った。
本例の有機EL素子の発光特性を評価した結果、発光画素50と絶縁膜60との間には、非発光部としてのセパレート領域80が、絶縁膜60の端部から10μmの幅で形成されていた。また、このセパレート領域80は、順方向の電界すなわち順方向バイアス電圧に対して、電荷が注入されない絶縁領域になっていることがわかった。
このように、本例の有機EL素子においては、陰極40の上記開口部90から、封止ガスに混入されている酸素や水分が回り込み、上記した陰極40の酸化を発生させ、この陰極40の酸化により、セパレート領域80を形成することができている。
本例の有機EL素子を、上記具体例1と同様にして、65℃の温度で駆動させて耐久評価したところ、この65℃の高温作動でも1000時間以上、上下電極20、40の短絡に至る不具合は、まったく発生しなかった。
さらに、本例においても、発光画素50を詳細に評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60近傍に位置するセパレート領域80を起点とする陰極40の飛散は発生していなかった。
[具体例3]
本具体例3では、陰極40まで形成された有機EL素子を上記封止部材としての封止缶を用いて封止する工程の前の処理と、当該封止工程について、以下のような変更を行ったこと以外は、上記具体例1と同様に行った。
上記具体例1と同様に、陰極40を形成した後、本例では、この有機EL素子を封止する前の処理として、酸素100%の雰囲気中に基板10を投入し、80℃に基板加熱しながら、10分間暴露した。
その後、封止工程では、別の封止チャンバーに基板10を移し、露点−70℃以下の乾燥窒素雰囲気に入れ、5%の酸素を導入した後、上記封止部材としての封止缶を用いて封止した。
本例の有機EL素子の発光特性を評価した結果、発光画素50と絶縁膜60との間には、非発光部としてのセパレート領域80が、絶縁膜60の端部から16μmの幅で形成されていた。
また、この非発光部としてのセパレート領域80は、順方向および逆方向の電界すなわち順方向バイアス電圧および逆方向バイアス電圧に対して、電荷が注入されない絶縁領域になっていることがわかった。
また、本例の有機EL素子においても、絶縁膜60の詳細形状を評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60の表面には、Rzが40nmの凹凸が形成されていることが確認された。
そして、本例の有機EL素子を、上記具体例1と同様にして、65℃の温度で駆動させて耐久評価したところ、この65℃の高温作動でも1000時間以上、上下電極20、40の短絡に至る不具合は、まったく発生しなかった。
さらに、本例においても、発光画素50を詳細に評価したところ、発光画素50間の絶縁膜60近傍に位置するセパレート領域80を起点とする陰極40の飛散は発生していなかった。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、下方の基板10側から下部電極が陽極、上部電極が陰極であったが、これとは反対に、下部電極が陰極、上部電極が陽極であってる有機EL素子の構成を採用してもよい。
また、上記具体例に示した有機膜30の構成、たとえば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の積層体からなる有機膜30の構成は、あくまでも一例であり、それ以外のものであってよいことは、もちろんである。
さらに、上記実施形態では、発光画素50の配置形態は、パッシブマトリクスの複数帯状電極パターンが交差するパネルの構成と同様のものであったが、本発明に適用される有機EL素子における発光画素の形態は、これに限定されるものではないことはもちろんである。
つまり、上記した各図に示される有機EL素子は、本発明に適用することのできる有機EL素子の一実施形態を示すものであり、これら本発明の有機EL素子は、これら図示例に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る有機EL素子の概略平面図である。 図1中のC−C概略断面図である。 陰極における発光画素間に位置する部位に開口部を設ける方法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中のD−D概略断面図である。 セパレート領域と発光画素とで順方向バイアス電圧を印加したときの電圧−電流密度特性を示す図である。 セパレート領域の幅とパネル不良率との関係を示す図である。 Alからなる陰極の厚さとパネル不良率との関係を示す図である。 封止ガス中の酸素量とセパレート領域の幅との関係を示す図である。 絶縁膜の表面のRzとセパレート領域の幅との関係を示す図である。 UVオゾン処理における処理時間と絶縁膜の表面のRzとの関係を示す図である。 酸素プラズマ処理におけるプラズマパワーと絶縁膜の表面のRzとの関係を示す図である。 従来の一般的な有機EL素子の概略平面図である。 図11中のA−A概略断面図である。 図11中のB−B概略断面図である。
符号の説明
10…基板、
20…下部電極としての陽極、
30…有機膜、
40…上部電極としての陰極、
50…発光画素、
60…絶縁膜、
80…セパレート領域。

Claims (8)

  1. 基板(10)上に、下部電極(20)、有機EL材料からなる有機膜(30)、上部電極(40)が積層されてなる複数個の発光画素(50)を有するとともに、前記基板(10)上にて各々の前記発光画素(50)の間に配置された絶縁膜(60)を有し、
    前記下部電極(20)と前記上部電極(40)との間に、順方向バイアス電圧および逆方向バイアス電圧を印加できるようになっている有機EL素子において、
    前記絶縁膜(60)と前記発光画素(50)との間の領域である前記発光画素(50)の外周に、順方向および逆方向のバイアス電圧を印加したとき電流が注入されない領域(80)が形成されており、
    前記逆方向バイアス電圧を印加するときの電圧をVr、前記有機膜(30)の厚さをDyとしたとき、次の数式(1)
    (数1)
    Ya=Vr/Dy … (1)
    にて表される電界強度Yaが1.5MV/cm以上となるように前記逆方向バイアス電圧を印加できるようになっており、
    前記絶縁膜(60)の表面の凹凸は、Rzが40nm以上のものであることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記電流が注入されない領域(80)の幅が、前記絶縁膜(60)の端部から8μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記発光画素(50)間に位置する前記上部電極(40)の部分に、部分的に開口部(90)が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL素子。
  4. 前記発光画素(50)は、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の有機EL素子。
  5. 前記上部電極(40)はAlを含有するものであって、その厚さが100nm以下であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の有機EL素子。
  6. 基板(10)上に、下部電極(20)、有機EL材料からなる有機膜(30)、上部電極(40)が積層されてなる複数個の発光画素(50)を有するとともに、前記基板(10)上にて各々の前記発光画素(50)の間に配置された絶縁膜(60)を有する有機EL素子を製造する製造方法において、
    前記絶縁膜(60)を形成した後、前記絶縁膜(60)の表面に、UVオゾン処理もしくは酸素プラズマ処理を施すことにより、絶縁膜(60)の表面の凹凸を、Rzが40nm以上のものにするものであり、
    前記発光画素(50)を、1%以上の酸素を含有する封止ガスによって封止することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  7. 前記絶縁膜(60)を形成した後で且つ前記有機膜(30)を形成する前に、前記絶縁膜(60)の表面を、15分以上、UVオゾン処理することを特徴とする請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
  8. 前記絶縁膜(60)を形成した後で且つ前記有機膜(30)を形成する前に、前記絶縁膜(60)の表面を、0.35W/cm以上のパワーで且つ酸素を含有するガスを導入した酸素プラズマ処理することを特徴とする請求項に記載の有機EL素子の製造方法。
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