JP2004207126A - 有機elパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる発光色の画素を同一平面内に配置する有機ELパネルにおいて、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成とせずに、画素の発光領域の面積を低下させることなく、隣接画素間に存在する有機層の薄膜部に起因する上下電極の短絡を適切に低減させる。
【解決手段】下部電極10と上部電極60との間に発光層Y40、B40を含む有機層55を挟んでなる複数個の画素Y、Bが、同一平面内に配置されており、複数個の画素Y、Bは、2色の異なる発光色を有する画素にて構成されている有機ELパネルにおいて、複数個の画素Y、Bのうち同一の発光色を有する画素が2個隣接しており、これら隣接している同一の発光色を有する画素における発光層Y40、B40は、隣接している同一の発光色を有する画素同士で連続した一体のものとなっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルに関し、特に、マルチカラー表示を行う有機ELパネルであって、使用時に上下電極の短絡による画素欠陥およびラインなどの表示不良を抑制した発光安定性に優れた有機ELパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELパネルは、一対の電極すなわち下部電極と上部電極との間に有機EL材料からなる発光層を含む有機層を備えた複数個の画素を有するものである。
【0003】
このような有機ELパネルは、自己発光のため、視認性に優れ、かつ数V〜数十Vの低電圧駆動が可能なため駆動回路を含めた軽量化が可能である。そこで薄膜型ディスプレイ、照明、バックライトとしての活用が期待できる。
【0004】
多色発光を行うマルチカラーの有機ELパネルにおいては、発光色の異なる発光層を同一平面内に配置することにより、2色以上の異なる発光色を有する画素を有する構成としている。
【0005】
従来の一般的マルチカラータイプの有機ELパネルとして、黄色(Y)と青(B)の2色タイプの有機ELパネルの概略平面構成を図14に、概略断面構成を図15に示す。ここで、図14においては、識別のため、異なる発光色を有する画素Y、Bの境界は実線、下部電極10は一点鎖線、上部電極60は破線にて示してある。
【0006】
図14に示すように、黄色の発光色を有する黄色画素Yと青色の発光色を有する青色画素Bとが、YBYBYB……、というように異なる発光色の画素Y、B同士が隣接するように、同一平面内に繰り返し配置されている。なお、図14中の太線で囲んだ部分Uが繰り返しの1単位である。
【0007】
図14に示すように、各画素Y、Bは、1画素の縦ピッチがP1、横ピッチが(L1+S1)であり、画素Y、B中の発光領域Hは、その縦サイズがL3、横サイズがL1である。なお、下部電極10の間隔はS1、上部電極60の間隔は(P1−L3)である。
【0008】
その断面構成は、図15に示すように、基板1の上にITO等の下部電極10がフォトリソグラフ法にて形成され、この下部電極10の上に正孔輸送層30、発光層Y40、B40、電子輸送層50等の有機層55が順次積層され、その上に上部電極60が蒸着法にて積層されている。ここでは、下部電極10と上部電極60とはストライプ状であって、且つ直交している。
【0009】
ここで、複数個の画素Y、Bにおける正孔輸送層30および電子輸送層50すなわち発光層Y40、B40を除く有機層55は、一括して真空蒸着法にて成膜されることにより複数個の画素Y、B間で連続して一体化した膜として構成されている。
【0010】
一方、発光色の異なる発光層Y40、B40は、それぞれ発光層に対応した開口部を有するマスクを用いた真空蒸着法により成膜される。例えば、一方の発光層Y40をマスクを用いた真空蒸着にて成膜した後、マスクの位置をずらして、他方の発光層B40を真空蒸着にて成膜する。
【0011】
このようにして各画素Y、Bが形成され、図15に斜線ハッチング領域として示すように、各画素Y、Bのうち上下電極10、60が対向する領域が発光領域Hとして構成される。つまり、各画素Y、Bの発光領域Hにおいて、上下電極10、60の間に発光時には順バイアス電圧が印加され、非発光時には逆バイアス電圧が印加されるようなパルス電圧を加えることで表示を行うようにしている。
【0012】
しかしながら、図15に示すように、隣接する画素Y、Bの間においては、各画素の発光領域Hの周辺部において、有機層55中の発光層Y40、B40が薄くなり、ときには無くなることによって、発光領域Hにおける有機層55よりも薄くなった薄膜部55aが形成される場合がある。
【0013】
これは、上述したように、発光色の異なる発光層Y40、B40毎にマスクを用いた蒸着法にて成膜する際に、当該マスクの位置合わせ精度やマスクと基板間の距離に依存する蒸着材料の回り込みなどの影響から、発光層Y40、B40の端部が薄くなる(無くなる場合も含む)部分が生じるためである。
【0014】
すると、この隣接する画素Y、B間に形成される薄膜部55aにおいて、上下電極10、60の距離が必要以上に狭くなる部分が発生し、上下電極10、60間の短絡が生じやすくなる。例えば、図15中にジグザグ線Zgに示すように短絡が生じる。
【0015】
このような画素間の薄膜部に起因する上下電極の短絡の問題に対して、従来では、主として無機EL素子に適用されたものではあるが、隣接する画素間の発光層が必ず重なる部分を設けることで、当該重なり部分における層の膜厚を厚くし、上下電極の短絡を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0016】
ちなみに、従来では、薄膜部ではないが、画素の発光領域における対策として、当該発光領域に導電性異物等が存在することにより短絡しやすい欠陥部をオープン破壊させることで、自己修復させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0017】
【特許文献1】
特公平7−118387号公報(第2頁、第1図)
【0018】
【特許文献2】
特開平11−162637号公報(第3−6頁、第2−3図)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上述した隣接する画素間の発光層が必ず重なる部分を設ける手法では、以下のような問題が生じることがわかった。
【0020】
すなわち、重なり部分は、その膜厚が大きくなって電界強度が確保されず、非発光部となる。そのため、従来の一般的な隣接する画素間の発光層を重ねない構成に比べて、画素中の発光領域の面積が小さくなる。
【0021】
そうなった場合、有機ELパネルにおいて必要な発光輝度を実現するためには、画素の発光領域の輝度を高くする必要がある。すると、駆動電圧の増加が必要となり、画素の劣化等によって使用時間に伴う輝度の低下が促進される。これは好ましいことではない。
【0022】
本発明は、上述したように本発明者らが見出した新規な課題に基づいてなされたものであり、異なる発光色の画素を同一平面内に配置する有機ELパネルにおいて、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成とせずに、画素の発光領域の面積を低下させることなく、隣接画素間に存在する有機層の薄膜部に起因する上下電極の短絡を適切に低減させることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、下部電極(10)と上部電極(60)との間に少なくとも発光層(Y40、B40)を含む有機層(55)を挟んでなる複数個の画素(Y、B)が、同一平面内に配置されており、複数個の画素は、少なくとも2色以上の異なる発光色を有する画素にて構成されている有機ELパネルにおいて、複数個の画素のうち同一の発光色を有する画素が2個以上隣接しており、これら隣接している同一の発光色を有する画素における発光層は、隣接している同一の発光色を有する画素同士で連続した一体のものとなっていることを特徴とする。
【0024】
上述したように、従来では、異なる発光色の画素、例えば画素Y、画素Bを、YBYBYB……、というように、隣接する画素同士が異なる発光色のものとなるように繰り返し配置していた。
【0025】
それに対して、本発明によれば、同一発光色の画素を隣接させ、当該隣接する同一発光色の画素間で発光層を連続した一体のものにしているため、この隣接する同一発光色の画素間では、そもそも薄膜部は存在しない。つまり、隣接した同一発光色の画素の領域の分、従来よりもパネル内の薄膜部の発生確率が低減される。そのため、画素間の発光層を重ね合わせることが不要になる。
【0026】
よって、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成とせずに、画素の発光領域の面積を低下させることなく、隣接画素間に存在する有機層の薄膜部に起因する上下電極の短絡を適切に低減させることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明では、個々の画素(Y、B)の形状は長方形であり、この長方形の画素の縦横比として幅の狭い方向において、同一の発光色を有する画素が2個以上隣接していることを特徴とする。
【0028】
発光層は、通常、開口部を有するマスクを用いた真空蒸着法にて形成される。そして、マスクの厚さは開口部の最小寸法幅によって規定される。つまり、この幅が狭いほどマスクの厚さは薄くなり、広いほど厚くなる。
【0029】
本発明のように、長方形の画素の縦横比として幅の狭い方向において、同一の発光色を有する画素を隣接させれば、発光層を形成するためのマスクの開口部の最小寸法幅を広げることができる。そのため、当該マスクの厚さも厚くできる。
【0030】
ちなみに、長方形の画素の縦横比として幅の広い方向において、同一の発光色を有する画素を隣接させた場合、当該幅広方向における発光層の長さは大きくなるが、上記幅の狭い方向への発光層の長さは変わらない。そのため、発光層を形成するためのマスクの開口部の最小寸法幅も変わらず、当該マスクの厚さを厚くできない。
【0031】
マスクの厚さを厚くできるということは、マスクの剛性を大きくできるということである。そして、大面積パネル用のマスクとして使用しやすくなり、パネルの大型化を図れるという利点がある。
【0032】
請求項3に記載の発明では、隣接する同一の発光色を有する画素(Y、B)の間における下部電極(10)の間隔(S2)が、隣接する異なる発光色を有する画素の間における下部電極の間隔(S1)よりも狭いことを特徴とする。
【0033】
隣接する同一発光色の画素の間では、発光層は分離されずに一体化しているため、当該画素間の下部電極の間隔は、発光層のマスク成膜に対応した間隔を確保する必要はない。しかし、隣接する異なる発光色の画素の間では発光層は分離成膜されているため、その間における下部電極の間隔は、発光層のマスク成膜に対応した間隔を確保する必要がある。
【0034】
そして、通常、下部電極はITO等をフォトエッチングすることで形成されるが、このフォトエッチングの精度は一般にマスクを用いた蒸着法の成膜精度よりも高い。そのため、隣接する同一発光色の画素の間における下部電極の間隔は、精度の高いフォトエッチングで規定できるため、異なる発光色の画素の間における下部電極の間隔よりも狭くすることができる。
【0035】
請求項4に記載の発明では、複数個の画素は、2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)にて構成されており、これら2色の異なる発光色を有する画素のうち輝度低下特性が良好な方の画素(Y)を高輝度で発光させることを特徴とする。
【0036】
有機ELパネルにおいては、一般に輝度を大きくするほど輝度低下が早くなる、つまり輝度寿命が短くなる。そのため、本発明のようにすれば、異なる2色の画素の間で輝度特性の低下度合を同程度にすることができ、好ましい。
【0037】
請求項5に記載の発明では、2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)において、互いの発光色が補色関係にあることを特徴とする。
【0038】
それによれば、2色の異なる発光色を有する画素において、互いの発光色が補色関係にあるから、白色発光が可能なものにできる。
【0039】
請求項6に記載の発明では、複数個の画素は、2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)にて構成されており、カラーフィルタ(70)または色変換フィルタと組み合わせることで画素の発光色を異ならせるようになっていることを特徴とする。
【0040】
それによれば、画素の発光色が2色であっても、カラーフィルタや色変換フィルタによって、さらなる多色発光が可能となる。
【0041】
また、上記各手段は、請求項7に記載の発明のように、発光層(Y40、B40)がマスクを用いた真空蒸着法によって成膜されたものに用いて好適に効果を発揮する。
【0042】
また、上述したように、有機ELパネルは、一対の電極すなわち下部電極と上部電極との間に発光層を含む有機層を備えた画素を有するものであり、その駆動は、画素に対して、発光時には順バイアス電圧が印加され、非発光時には逆バイアス電圧が印加されるようなパルス電圧を加えることで行う。
【0043】
そして、上述したように、画素の発光領域においては、上記特許文献2のように自己修復させることで、発光領域の欠陥部をオープン破壊させ、上下電極の短絡を防止する方法が従来からある。この技術の基本的な概念は、逆バイアスパルスの電圧エネルギーによって、上部電極を飛散させるものとされている。
【0044】
しかしながら、このような自己修復技術を画素間の薄膜部に適用した例は、従来では無い。
【0045】
本発明者らは、この逆バイアス電圧を印加することで、有機層の薄膜部の欠陥部すなわち薄膜部における短絡しやすい部分をオープン破壊させることに着目した。そして、鋭意検討した結果、薄膜部の耐圧に着目して、その耐圧に対応した素子構造を採ることで、薄膜部に起因する上下電極の短絡を防止できることがわかった。
【0046】
薄膜部の耐圧は、次のように定義した。基本的には、使用時の電圧印加条件における薄膜部の耐圧とした。薄膜部の耐圧は、有機ELパネルの原理から、逆バイアス電圧印加時の耐圧である。そして、その薄膜部の耐圧は逆バイアス電圧の印加方法に依存する。
【0047】
そこで、その耐圧の評価においては、実際に駆動する場合のデューティ比、周波数などによって規定されるパルス幅と同一の状態で測定した電圧に基づいて、逆バイアス電圧の設定を行うべきである。
【0048】
このようなことから、薄膜部の耐圧の評価は、所定のデューティ比やパルス幅を持つパルス電圧を画素に印加し、順方向に電流を流すことで発光させつつ、非発光時には逆バイアス電圧を印加するという使用時の電圧印加条件にて行った(図7参照)。
【0049】
この操作において、順方向の電流は一定(つまり発光輝度はほぼ一定)のままで、逆バイアスの電圧を増加ながら、発光しなくなる逆バイアス電圧を耐圧とする。逆バイアス電圧の変え方は、各電圧毎に5秒以上1分以下の保持をしながら、数Vづつ上げていく方法とした(図8参照)。
【0050】
このようにして、逆バイアス電圧を上昇させていくと、薄膜部の一部もしくは全部が飛散する。このときの逆バイアス電圧の値を薄膜部の耐圧として定義する。この方法によれば、使用時の電圧印加条件における薄膜部の耐圧としてほぼ一定の値が得られる。
【0051】
請求項8に記載の発明は、上記したような薄膜部の耐圧を有機ELパネルにおいて求め、それを利用することで創出されたものである。
【0052】
すなわち、請求項8に記載の発明では、下部電極(10)と上部電極(60)との間に少なくとも発光層(Y40、B40)を含む有機層(55)を挟んでなる複数個の画素(Y、B)が、同一平面内に配置されてなる有機ELパネルにおいて、画素のうち発光領域(H)の周辺部にて、有機層は、発光層が発光領域よりも薄くなった薄膜部(55a)を形成しており、使用時の電圧印加条件における薄膜部の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、薄膜部がオープン破壊できるようになっていることを特徴とする。
【0053】
それによれば、使用時の電圧印加条件における薄膜部の耐圧を指標として、薄膜部の欠陥部をオープン破壊させるための逆バイアス電圧の値を適度な大きさに決定することができる。
【0054】
つまり、使用時において印加する電圧において、非発光時に印加する逆バイアス電圧を薄膜部の耐圧以下の大きさにすることにより、薄膜部の正常な部分も含めて薄膜部の全部が飛散してしまうような過大な逆バイアス電圧の設定を防止できる。
【0055】
また、薄膜部の耐圧を指標とするため、逆バイアス電圧の大きさは、その耐圧以下の大きさまでは許容される。そのため、逆バイアス電圧が小さすぎてオープン破壊が不十分になることも防止できる。
【0056】
このように、本発明によれば、隣接する画素間に有機層の薄膜部が存在していても、使用時にて薄膜部の欠陥部をオープン破壊し、飛散させることで、薄膜部が飛散した部分では上下電極をオープンにすることができ、短絡を防止することができる。
【0057】
そのため、本発明によれば、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成を採る必要がなく、結果、画素の発光領域の面積を低下させることが無くなる。そして、隣接画素間に存在する有機層の薄膜部に起因する上下電極の短絡を適切に低減させることができる。
【0058】
ここで、本発明でいうオープン破壊とは、薄膜部の一部、具体的には短絡しやすい欠陥部としての薄膜部の部分が飛散し、当該飛散した部分にて上下電極間が電気的にオープンになることである。
【0059】
請求項9に記載の発明では、薄膜部(55a)の耐圧を薄膜部の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度を計算する場合に薄膜部から導電性の有機膜(20)を除外し、当該電界強度は3.4×106V/cm以上であることを特徴とする。
【0060】
有機ELパネルにおいては、有機材料の種類にかかわらず有機層における薄膜部の耐圧は、そのトータル厚さで定義できることがわかった。そして、本発明の有機ELパネルとしては、上記電界強度が3.4×106V/cm以上であるものにできる。それによれば、上記請求項8の効果を有効に発揮することができる。
【0061】
ここで、薄膜部の膜厚は、銅フタロシアニン等の導電性の有機膜(30)を含む場合は当該導電性の膜を除いた薄膜部(30、Y40、B40、50)の膜厚である。当該導電性の膜を除外するのは、当該導電性の膜が、他の有機膜に比べて十分に抵抗値が小さく、電界がさほど加わらないためである。
【0062】
請求項10に記載の発明では、逆バイアス電圧をVrとし、薄膜部(55a)の厚さとして薄膜部から発光層(Y40、B40)を除いた厚さをDyとし、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとしたとき、当該Yaが1.4×106V/cm以上であり、発光領域(H)における有機層(55)の厚さとして厚さDyに発光層の厚さを加えた厚さTyを用い、VrとTyとの比Vr/TyをZaとしたとき、当該Zaが1.4×106V/cm以上2.4×106V/cm以下であることを特徴とする。
【0063】
それによれば、使用時にて薄膜部の欠陥部だけでなく発光領域の欠陥部も確実にオープン破壊できるとともに、Zaに上限を設けることで、発光領域における正常部を含む上部電極のすべてが飛散してしまうことを防止できる。
【0064】
請求項11に記載の発明では、逆バイアス電圧をVrとし、上部電極(60)の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、当該Xaが2.2×106V/cm以上であることを特徴とする。
【0065】
逆バイアス電圧が小さすぎたり、上部電極が厚すぎると、上部電極が飛散しにくく、自己修復しにくい。その点、逆バイアス電圧Vrと上部電極の厚さDaとの比Vr/Da=Xaを2.2×106V/cm以上とすれば、より適切に自己修復を行うことができるため(図12参照)、好ましい。
【0066】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
【0068】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る有機ELパネルの概略構成を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。ここで、図1(a)においては、識別のため、異なる発光色を有する画素Y、Bの境界は実線、下部電極20は一点鎖線、上部電極60は破線、また、発光領域Hは斜線ハッチングにて示してある。なお、本実施形態の平面図においては、この図1(a)と同様の線およびハッチングを採用している。
【0069】
図1に示すように、本例では、黄色の発光色を有する黄色画素Yと青色の発光色を有する青色画素Bとからなる複数個の画素Y、Bを有する。そして、これら複数個の画素Y、Bのうち同一の発光色を有する画素YとY、BとB同士がYYBBYYBB……、というように2個隣接して繰り返し同一平面内に配置されている。なお、図1(a)中の太線で囲んだ部分Uが繰り返しの1単位である。
【0070】
図1(a)に示すように、各画素Y、Bについて、1画素の縦ピッチがP1であり、横ピッチについては同一色の画素同士では(L2+S2)であり、異色の画素同士では(L2+S1)である。ここで、S2<S1の大小関係にある。また、画素Y、B中の発光領域Hは、その縦サイズがL3、横サイズがL2である。下部電極10の間隔はS1、上部電極60の間隔は(P1−L3)である。
【0071】
各画素Y、Bの断面構成は、図1(b)に示すように、ガラス基板1の上に、下部電極10、正孔注入層20、正孔輸送層30、発光層Y40、B40、電子輸送層50、陰極60が順次形成されたものである。そして、両電極10、60間にこれら有機層20、30、Y40、B40、50といった有機層55が挟まれた形になっている。
【0072】
そして、本実施形態では、隣接している同一色の画素における発光層は、この隣接している同一色の画素同士で連続した一体のものとなっている。つまり、図1(b)に示すように、隣接する黄色画素Y同士では、連続した一体の黄色発光層Y40をほぼ半分ずつ共用しており、隣接する青色画素B同士では連続した一体の青色発光層B40をほぼ半分ずつ共用している。
【0073】
本例における各層10〜60の材質等について述べておく。下部電極10は、ITO(インジウムチンオキサイド)やインジウム−亜鉛の酸化物から構成でき、膜厚は例えば100nm〜1μm程度である。ここでは、150nm程度の厚さの透明電極としてのITOからなり、スパッタ法等にて成膜されフォトエッチングによってストライプ状にパターニングされたものである。
【0074】
また、下部電極10の間隔S1、S2をみてみると、隣接する同一の発光色を有する画素の間における下部電極10の間隔S2が、異なる発光色を有する画素の間における下部電極10の間隔S1よりも狭くなっている。
【0075】
正孔注入層20は厚さ10nmの銅フタロシアニン(CuPc)からなり、正孔輸送層30は厚さ40nmのα−ナフチルフェニルベンゼンからなる。
【0076】
黄色画素Yの発光層Y40は、ホストであるAlq3(アルミキノリノール)にルブレンを5%ドープしたものからなる厚さ40nmの層であり、青色画素Bの発光層B40は、ホストであるBAlqにペリレンを1%ドープしたものからなる厚さ40nmの層である。
【0077】
また、電子輸送層50は厚さ20nmのAlq3からなる。陰極60は、下側から厚さ0.5nmのLiF、90nmのAl(アルミ)を順次積層したものからなる。これら正孔注入層20〜陰極60までは真空蒸着法により成膜される。
【0078】
黄色発光層Y40と青色発光層B40は、これら発光層に対応した開口部を有するガラスやステンレス等の金属からなるマスクを用いて、例えば黄色発光層Yを選択的に蒸着した後、マスクの位置をずらして位置あわせし、青色発光層B40を選択的に蒸着することで成膜される。
【0079】
これに対して、発光層Y40、B40の上下の有機層20、30、50、すなわち正孔注入層20、正孔輸送層30、電子輸送層50は、基板1の全面に一括して蒸着されることにより、複数個の画素Y、B間で連続して一体化した膜として構成されている。
【0080】
また、本例では、下部電極10は陽極、上部電極60は陰極として構成され、ともにストライプ状をなしている。ここで、図1に示すように、上下電極10、60は互いに直交しており、この直交する領域が発光領域Hとして構成されている。
【0081】
そして、本有機ELパネルでは、各画素Y、Bの発光領域Hにおいて、上下電極10、60の間に発光時には順バイアス電圧が印加され、非発光時には、クロストークを防止するために逆バイアス電圧が印加されるようなパルス電圧を加えることで、各発光層Y40、B40を発光させ表示を行うようにしている。
【0082】
本例では、黄色、青色の発光色の他、黄色と青色とが補色の関係にあるため、両色の同時発光による白色発光が可能になる。このように、2色の異なる発光色を有する画素Y、Bにおいて、互いの発光色が補色関係にあるものとすれば、白色発光が可能な有機ELパネルを実現できる。
【0083】
ところで、本実施形態によれば、複数個の画素Y、Bのうち同一発光色の画素を2個以上隣接させるとともに、これら隣接している同一発光色の画素における発光層Y40、B40を、隣接している同一発光色の画素同士で連続した一体のものとした構成としている。以下、この構成を「同一発光色隣接構成」ということにする。
【0084】
従来では、上記図14に示したように、異なる発光色の画素、例えば画素Y、画素Bを、YBYBYB……、というように、隣接する画素同士が異なる発光色のものとなるように繰り返し配置していた。この場合、上述したように、隣接する画素の間にて、有機層55のうち分離成膜された発光層Y40、B40の端部が薄くなることにより薄膜部が形成され、これが短絡を引き起こす可能性がある。
【0085】
それに対して、本実施形態によれば、隣接する異なる発光色の画素YとB同士の間では、薄膜部が発生する可能性があるが、隣接する同一発光色の画素YとY、BとB間にて発光層Y40、B40を連続した一体のものにしているため、この隣接する同一発光色の画素間では、そもそも薄膜部は存在しない。
【0086】
そのため、上記特許文献1に記載された技術のように、画素間の発光層を重ね合わせなくても、隣接した同一発光色の画素の領域の分、パネル内の薄膜部の発生確率が低減される。
【0087】
よって、本実施形態によれば、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成とせずに、画素の発光領域Hの面積を低下させることなく、隣接画素間に存在する有機層55の薄膜部に起因する上下電極10、60の短絡を適切に低減させることができる。
【0088】
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、隣接する同一発光色の画素YとY、BとBの間における下部電極10の間隔S2が、隣接する異なる発光色の画素YとBの間における下部電極10の間隔S1よりも狭くなっている。このような構成は、上記同一発光色隣接構成によりもたらされるものである。
【0089】
隣接する同一発光色の画素YとY、BとBの間では、発光層Y40、B40は分離されずに一体化しているため、当該画素間の下部電極10の間隔S2は、発光層Y40、B40のマスク成膜に対応した間隔を確保する必要はない。
【0090】
しかし、隣接する異なる発光色の画素YとBの間では発光層Y40と発光層B40とは分離成膜されているため、その間における下部電極10の間隔S1は、発光層のマスク成膜に対応した間隔を確保する必要がある。
【0091】
つまり、異なる発光色の画素間における下部電極10の間隔S1は、異なる発光層を成膜する際のマスクの位置合わせ精度やマスク下への蒸着材料の回り込み等を考慮して規定される。一方、同一発光色の画素間における下部電極10の間隔S2は、下部電極のフォトエッチング精度で規定される。
【0092】
そして、フォトエッチングの精度は一般にマスクを用いた蒸着法の成膜精度よりも高い。そのため、隣接する同一発光色の画素の間では、異なる発光色の画素の間よりも、フォトエッチング精度に合わせて下部電極10の間隔S2を狭くすることができる。
【0093】
そして、このように間隔S2をS1に比べて狭くできることにより、従来に比べて、画素の開口率すなわち発光領域を大きくできるという利点がある。このことについて、図1(a)と上記図14を参照しつつ具体的寸法の一例を挙げて説明する。
【0094】
まず、図14に示す従来のものにおいては、下部電極10の間隔S1=40μm、1画素の縦ピッチP1=240μm、横ピッチ(L1+S1)=120μm、発光領域Hの縦サイズL3=200μm、横サイズL1=80μmに設計される。
【0095】
それに対して、図1(a)に示す本例のものでは、異なる発光色の画素間における下部電極10の間隔S1=40μmは同様であるが、同一発光色の画素間における下部電極10の間隔S2=20μmと狭くできる。そして、本例では、1画素の縦ピッチP1=240μm、横ピッチ{L1+(S1+S2)/2}=120μm、発光領域Hの縦サイズL3=200μm、横サイズL2=90μmに設計される。
【0096】
本例では、1画素の横ピッチは、1単位である2画素の平均値とした。また、発光領域Hの横サイズL2は、同一発光色の画素間における下部電極10の間隔S2が、従来の電極間隔よりも狭くなった分広いものに設計できる。
【0097】
ここで、開口率は「発光領域Hの面積」を「1画素の面積(つまり1画素の縦ピッチと横ピッチの積)」で割った百分率で示される。上記寸法例では、従来のものでは開口率が56%であるのに対し、本例では63%であり、初期の設計レベルでも7%の開口率の増加が得られる。
【0098】
さらに、本実施形態では、隣接する異なる発光色の画素YとB間で、成膜の誤差等により一方の発光層が他方の発光層に一部重なって成膜されてしまった場合を考えても、開口率の面で従来に比べて有利である。
【0099】
例えば、図14のものにおいて、黄色発光層Y40の左右両端部に青色発光層B40が5μmの幅で重なったとする。同様の誤差が図1(a)に示す本例にて生じた場合、黄色発光層Y40の左右両端のうち片側の端部にのみ青色発光層B40が5μmの幅で重なることになる。
【0100】
つまり、従来では、トータルとして10μmの幅の重なり部分が生じ、その重なり部分が非発光部となるのに対し、本例では、発光領域Hの減少は、その半分の5μmである。そして、上記設計レベルでの開口率に、この重なり部による発光領域減少の影響を積算すると、従来では開口率は49%、本例では59%と、成膜時の5μmのずれが開口率にして10%の差を生じる。
【0101】
このように、本実施形態によれば、画素の発光領域Hの面積を低下させないというよりは、むしろ、発光領域Hの面積を従来よりも増加できるという利点がある。
【0102】
また、図1(a)に示す例では、個々の画素Y、Bの形状は長方形であり、この長方形の画素の縦横比として幅の狭い方向すなわち図中の横方向において、同一発光色の画素YとY、BとBが2個隣接している。
【0103】
上述したように、発光層Y40、B40は、通常、開口部を有するマスクを用いた真空蒸着法にて形成される。そして、このマスクの厚さは開口部の最小寸法幅によって規定される。つまり、この幅が狭いほどマスクの厚さは薄くなり、広いほど厚くなる。
【0104】
本例のように、長方形の画素Y、Bの縦横比として幅の狭い方向において、同一発光色の画素を隣接させれば、発光層を形成するためのマスクの開口部の最小寸法幅を広げることができる。2画素隣接させれば、従来に比べて同一発光色の発光層の横幅が2画素分に広くなり(図1(a)、図14参照)、当該マスクの厚さも厚くできる。
【0105】
マスクの厚さを厚くできるということは、マスクの剛性を大きくできるということである。そして、大面積パネル用のマスクとして使用しやすくなり、パネルの大型化を図れるという利点がある。
【0106】
ちなみに、長方形の画素の縦横比として幅の広い方向、例えば、図1(a)の縦方向において、同一発光色の画素を隣接させても良い。しかし、その場合、縦方向の発光層Y40、B40の長さは大きくなるが、横方向の発光層Y40、B40の長さは変わらない。そのため、発光層を形成するためのマスクの開口部の最小寸法幅は変わらず、当該マスクの厚さを厚くできない。
【0107】
さらに、本例では、複数個の画素Y、Bは、2色の異なる発光色の画素Y、Bにて構成されているが、これら2色の画素Y、Bのうち輝度低下特性が良好な方の画素を高輝度で発光させることが好ましい。
【0108】
有機ELパネルにおいては、一般に輝度を大きくするほど輝度低下が早くなる、つまり輝度寿命が短くなる。そのため、2色の画素Y、Bのうち輝度低下特性が良好な方の画素を高輝度で発光させるようにすれば、異なる2色の画素の間で輝度特性の低下度合を同程度にすることができ、好ましい。
【0109】
本例では、初期300cd/m2における青色発光層B40の輝度半減寿命が2000時間であるのに対して、黄色発光層Y40の輝度半減寿命は1万時間である。このことから、単色の発光輝度として、黄色の発光輝度を青色の発光輝度の5倍に設定するように駆動させることで、両色の輝度寿命を同程度に合わせ、焼き付きの少ない表示が可能になる。
【0110】
次に、本実施形態の変形例を示しておく。図2は本実施形態の第1の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。
【0111】
図2の例では、複数個の画素は、互いに補色でない色同士である緑色の発光色を有する緑色画素Gと赤色の発光色を有する赤色画素Rとからなる。これら複数個の画素G、Rのうち同一の発光色を有する画素GとG、RとR同士がGGRRGGRR……、というように2個隣接して繰り返し同一平面内に配置されている。なお、図2中の太線で囲んだ部分Uが繰り返しの1単位である。
【0112】
上記図1の例では、1つの発光層が横方向においては2画素単位、縦方向においては1画素単位で形成されていたが、この図2の例では、1つの発光層が横方向に2画素単位、縦方向にはすべての画素に渡るようにストライプ状に形成されている。つまり、発光層の成膜マスクとして、ストライプ状の開口部を有するものを用いればよい。
【0113】
この第1の変形例では、例えば、アルミキノリノール(Alq3)に1%クマリンをドープした緑色発光層と、Alq3に1%の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM1)をドープした赤色発光層の組合せ等を採用できる。
【0114】
例えば、車載用に用いる場合、警告表示の赤表示と機能が正常であることを示す緑表示が可能である。さらにこれら赤と緑を同時発光させて混色とした黄色によって、注意を促す表示が達成できる。
【0115】
図3は本実施形態の第2の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。図3の例では、複数個の画素は、赤色の発光色を有する赤色画素Rと緑色の発光色を有する緑色画素Gと青色の発光色を有する青色画素Bからなる。
【0116】
これら複数個の画素R、G、Bのうち同一の発光色を有する画素RとR、BとB同士がRRGBBGRRGBB……、というように2個隣接して繰り返し同一平面内に配置されている。なお、図3中の太線で囲んだ部分Uが繰り返しの1単位である。
【0117】
この第2の変形例では、画素RとBについて本実施形態の効果が発現される。また、この配列を決める場合、図3中の緑色画素Gの位置には、輝度寿命の長いものおよび発光効率が高く必要な輝度が出しやすい色を持ってくるようにすることが望ましい。
【0118】
図4は本実施形態の第3の変形例としての有機ELパネルおよびこれに組み合わせるカラーフィルタの概略平面図である。図4では(a)がカラーフィルタ70、(b)が有機ELパネルであり、カラーフィルタ70はこの配置のまま、(b)に示す有機ELパネルの上に貼り合わせられるものである。
【0119】
図4の例では、複数個の画素は、赤色の発光色を有する赤色画素Rと青色の発光色を有する青色画素Bからなる。そして、これら複数個の画素R、Bのうち同一の発光色を有する画素RとR、BとB同士がRRBBRRBB……、というように2個隣接して繰り返し同一平面内に配置されている。
【0120】
この例でも、上記図2と同様、各発光層は縦方向にストライプ状をなしている。そして、カラーフィルタ70は、緑色を透過する緑フィルタ部71と黄色を透過する黄フィルタ部72が設けられ、その他の領域は透明なものとなっている。
【0121】
このカラーフィルタ70を図4(b)の有機ELパネルの上に配置する場合、青色画素Bの一部に緑フィルタ部71が重なり、赤色画素Rの一部に黄フィルタ部72が重なるようにする。
【0122】
有機EL材料の発光スペクトルの半値幅は広く、例えば赤の発光でも黄色や橙の成分を有する。そこで、この第3の変形例のように、カラーフィルタ70を組み合わせることにより、画素の発光色を異ならせることができる。
【0123】
本例では、図5に模式的な色度図として示すように、赤、青、黄、緑の4色およびこれらの混色が発光可能となる。このように、画素の発光色が2色であっても、さらなる多色発光が可能となり、ひいてはフルカラーにも対応可能となる。なお、カラーフィルタの代わりに、蛍光体からなる色変換フィルタを用いても同様の効果が得られる。
【0124】
なお、本実施形態では、同一発光色の画素が例えば、YYBBYYBBYYB……、というように2個隣接していたが、例えばYYYBBBYYYBBB……、というように3個またはそれ以上隣接していても良い。
【0125】
これらの方式において注意を要するのは、繰り返し単位が大きくなりすぎると、表示ががたつくなどの品位の低下、さらには発光色が混色して認識されにくくなる。一般に混色距離は、繰り返し単位の200倍の距離離れればよいといわれているので、使用するディスプレイの設定によって考慮する。例えば、繰り返し単位が1mmの場合、200mm(20cm)以上離れて見る必要がある。この点に注意して、繰り返し単位の最大値を設定する必要がある。
【0126】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。なお、この図6に示す有機ELパネルの平面構成の概略は、上記図14に示すものと同様のものにできる。
【0127】
つまり、本例では、黄色の発光色を有する黄色画素Yと青色の発光色を有する青色画素Bとが、YBYBYB……、というように異なる発光色の画素Y、B同士が隣接するように、同一平面内に繰り返し配置されている。
【0128】
そして、各画素Y、Bは、図6に示すように、ガラス基板1の上に、下部電極10、正孔注入層20、正孔輸送層30、発光層Y40、B40、電子輸送層50、陰極60が順次形成されたものである。そして、両電極10、60間にこれら有機層20、30、Y40、B40、50といった有機層55が挟まれた形になっている。
【0129】
本例における各層10〜60の材質等について述べておく。下部電極10は、ITO(インジウムチンオキサイド)やインジウム−亜鉛の酸化物から構成でき、膜厚は例えば100nm〜1μm程度である。
【0130】
ここでは、下部電極10は、150nm程度の厚さの透明電極としてのITOからなり、スパッタ法等にて成膜されフォトエッチングによって、図6中の紙面垂直方向に延びるストライプ状にパターニングされたものである。
【0131】
正孔注入層20は厚さ10nmの銅フタロシアニン(CuPc)からなり、正孔輸送層30は厚さ40nmのα−ナフチルフェニルベンゼンからなる。
【0132】
黄色画素Yの発光層Y40は、ホストであるAlq3にルブレンを5%ドープしたものからなる厚さ40nmの層であり、青色画素Bの発光層B40は、ホストであるBAlqにペリレンを1%ドープしたものからなる厚さ40nmの層である。
【0133】
また、電子輸送層50は厚さ20nmのAlqからなる。陰極60は、下側から厚さ0.5nmのLiF、90nmのAl(アルミ)を順次積層したものからなる。これら正孔注入層20〜陰極60までは真空蒸着法により成膜される。
【0134】
黄色発光層Y40と青色発光層B40は、これら発光層に対応した開口部を有するガラスやステンレス等の金属からなるマスクを用いて、例えば黄色発光層Yを選択的に蒸着した後、マスクの位置をずらして位置あわせし、青色発光層B40を選択的に蒸着することで成膜される。
【0135】
これに対して、発光層Y40、B40の上下の有機層20、30、50、すなわち正孔注入層20、正孔輸送層30、電子輸送層50は、基板1の全面に一括して蒸着されることにより、複数個の画素Y、B間で連続して一体化した膜として構成されている。
【0136】
また、本例では、下部電極10は陽極、上部電極60は陰極として構成され、ともにストライプ状をなしている。上部電極60はマスクを用いた蒸着によって、図6中の左右方向に延びるストライプ状をなす。
【0137】
図6に示すように、上下電極10、60は互いに直交しており、この直交する領域が発光領域Hとして構成されている。つまり、平面の画素配置構成としては、ドットマトリクスタイプの画素構成となっている。
【0138】
そして、本有機ELパネルでは、各画素Y、Bの発光領域Hにおいて、上下電極10、60の間に発光時には順バイアス電圧が印加され、非発光時にはクロストークを防止するために逆バイアス電圧が印加されるようなパルス電圧を加えることで、各発光層Y40、B40を発光させ表示を行うようにしている。
【0139】
ところで、図6に示すように、発光層Y40、B40が分離されて成膜されているために、発光層Y40、B40の端部が薄くなる。そのため、画素Y、Bのうち発光領域Hの周辺部の有機層55には、発光層Y40、B40が発光領域Hよりも薄くなっている薄膜部55aが形成される。なお、発光層が薄くなっているとは、発光層が無くなっている場合も含む。
【0140】
これは、上述したように、発光色の異なる発光層Y40、B40毎にマスクを用いた蒸着法にて成膜する際に、当該マスクの位置合わせ精度やマスクと基板間の距離に依存する蒸着材料の回り込みなどの影響から、発光層Y40、B40の端部が薄くなる(または無くなる)部分が生じるためである。
【0141】
すると、この隣接する画素Y、B間に形成される薄膜部55aにおいて、上下電極10、60の距離が必要以上に狭くなる部分が発生し、上下電極10、60間の短絡が生じやすくなる。
【0142】
このような問題に対して、本実施形態の有機ELパネルでは、使用時の電圧印加条件における薄膜部55aの耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、薄膜部55aがオープン破壊できるようにした独自の構成を採用している。
【0143】
具体的に、本例のドットマトリクスタイプの有機ELパネルにおいては、一つの画素YまたはBに対して、図7に示すような所定のデューティ比やパルス幅を有する駆動波形のパルス電圧が印加される。順バイアス電圧(順方向パルス)の印加時には、発光層Y40またはB40が発光し、逆バイアス電圧(逆バイアスパルス)の印加時には、非発光状態となる。
【0144】
上記図7に示すような駆動波形が、有機ELパネルにおける使用時の電圧印加条件であり、本実施形態では、この使用時の電圧印加条件における薄膜部55aの耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、薄膜部55aがオープン破壊できるようになっている。
【0145】
薄膜部55aの耐圧は、実際に駆動する場合のデューティ比、周波数などによって規定されるパルス幅と同一の状態で測定した電圧に基づいて決められる。つまり、図7に示す駆動波形において、順方向の電流は一定(つまり発光輝度はほぼ一定)のままで、逆バイアス電圧の大きさを増加ながら、発光しなくなる逆バイアス電圧を耐圧とする。
【0146】
ここで、逆バイアス電圧の変え方は、図8に示すように、各電圧毎の保持時間を5秒以上1分以下としながら、数Vづつ上げていく方法とする。このようにして、逆バイアス電圧を上昇させていくと、薄膜部55aの一部もしくは全部が飛散する。この飛散が発生したときの逆バイアス電圧の値が薄膜部55aの耐圧として定義される。
【0147】
この方法によれば、使用時の電圧印加条件における薄膜部55aの耐圧としてほぼ一定の値が得られる。限定するものではないが、本例では、順バイアス電圧を10Vに一定とし、各逆バイアス電圧において保持時間を5秒としながら、20Vから1Vづつ上昇させていくことにより、薄膜部55aの耐圧を求めることができる。
【0148】
さらに、本例の有機ELパネルS1では、複数個の画素Y、Bを有するため、薄膜部55aも複数個存在し、薄膜部55aの耐圧は、ある一定の分布を持っている。
【0149】
具体的には、本例において、複数個の薄膜部55aについて薄膜部55aの耐圧を調べた結果、図9に示すような分布を有するものとなった。そして、本例における薄膜部55aの耐圧は、その平均値すなわち平均耐圧(図9では26V)としている。
【0150】
このようにして、使用時の電圧印加条件における薄膜部55aの耐圧が定義された有機ELパネルにおいて、本実施形態では、当該薄膜部55aの耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、薄膜部55aがオープン破壊できるようになっている。
【0151】
それによれば、使用時の電圧印加条件における薄膜部55aの耐圧を指標として、自己修復するための逆バイアス電圧の値を適度な大きさに決定することができる。
【0152】
つまり、使用時において印加する電圧条件(上記図7参照)において、非発光時に印加する逆バイアス電圧を薄膜部55aの耐圧以下の大きさにすることで、薄膜部55aの正常な部分も含めて薄膜部55aの全部が飛散してしまうような過大な逆バイアス電圧の設定を防止できる。
【0153】
そして、薄膜部55aの耐圧以下の大きさの逆バイアス電圧であっても、自己修復は十分に行うことができる。これは、オープン破壊される薄膜部55aの部分は短絡を生じやすい欠陥部であるため、薄膜部55aの耐圧よりも低い逆バイアス電圧を印加しても、欠陥部の薄膜部55aを飛散させるのに十分な電圧エネルギーやジュール熱を発生させ得るためであると考えられる。
【0154】
また、薄膜部55aの耐圧を指標とするため、逆バイアス電圧の大きさは、その耐圧以下の大きさまでは許容される。そのため、逆バイアス電圧が小さすぎてオープン破壊が不十分になることも防止できる。
【0155】
具体的に、薄膜部55aがオープン破壊するとは、薄膜部55aの一部、具体的には短絡しやすい欠陥部としての薄膜部55aの部分が飛散し、当該飛散した部分にて上下電極10、60間が電気的にオープンになることである。実際には、飛散する薄膜部55aとともに、その上部の上部電極60も飛散する。
【0156】
このように、本実施形態によれば、使用時における薄膜部55aの欠陥部をオープン破壊できることにより、隣接する画素間にて必ず発光層を重ね合わせた構成を採る必要がなくなるため、画素の発光領域の面積を低下させることがない。そして、隣接画素間に存在する有機層55の薄膜部55aに起因する上下電極10、60の短絡を適切に低減させることができる。
【0157】
[好適手段]
次に、本実施形態における好ましい手段を挙げておく。本実施形態の有機ELパネルにおいては、薄膜部55aの耐圧を薄膜部55aの単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度を計算する場合に薄膜部55aから導電性の有機膜を除外し、当該電界強度は3.4×106V/cm以上であることが好ましい。
【0158】
図10は、本実施形態にて上述した材質の例において、本発明者らが調べた有機層55の厚さ(nm)と有機層55の平均耐圧(V)との関係を示す図である。この図10では、有機層55の厚さは、導電性の有機膜であるCuPcからなる正孔注入層20の厚さは除外してある。
【0159】
図10中には、本実施形態にて上述した膜厚の例において、発光領域Hの有機層55の値、および有機層55の薄膜部55aの値も、それぞれ黒丸プロット、白丸プロットで示してある。
【0160】
この図10に示されるように、有機層55の厚さと耐圧とはほぼ直線関係であることから、有機ELパネルにおいては、有機材料の種類にかかわらず薄膜部55aの耐圧は、薄膜部55aに導電性の膜が存在する場合は、その導電性の膜の厚さを除外した薄膜部55aそのトータルの厚さで定義できることがわかる。
【0161】
そして、薄膜部55aについては、3.4×106V/cm以上の電界強度とした場合において、上述した薄膜部55aのオープン破壊を適切に実現できることが実験的に確認できた。ちなみに、薄膜部55aの耐圧が、上記電界強度で3.4×106V/cm未満であると、全画素の上部電極が飛散してしまう等の不具合が生じやすいこともわかった。
【0162】
また、逆バイアス電圧をVrとし、薄膜部55aの厚さとして薄膜部55aから発光層Y30、B30を除いた厚さをDyとする。つまり、薄膜部55aの厚さとして、発光層が存在せずにその他の有機層20、30、50のみからなる薄膜部55aの厚さをDyとする。そして、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとする。
【0163】
また、発光領域Hにおける有機層55の厚さとして前記の薄膜部55aの厚さDyに発光層Y40、B40の厚さを加えた厚さTyを用い、これらVrとTyとの比Vr/TyをZaとする。
【0164】
そして、本実施形態においては、これら値Ya(=Vr/Dy)と値Za(=Vr/Ty)とについて、値Yaが1.4×106V/cm以上であり、且つ値Zaが1.4×106V/cm以上2.4×106V/cm以下であることが好ましい。
【0165】
これら値Ya、Zaが小さいとは、同じ逆バイアス電圧Vrで考えると、薄膜部55aや発光領域Hの有機層55が厚い場合を示し、これら値Ya、Zaが大きいとは薄膜部55aや発光領域Hの有機層55が薄い場合を示す。
【0166】
薄膜部55aとともに発光領域Hの欠陥部もオープン破壊させて自己修復するには、一定の電界強度を必要とするが、高すぎると全画素の上部電極が飛散する等によって発光しなくなる。一方、薄膜部55aについては、その部分の上部電極60が飛散しても、画素の周辺部であるため、さほど発光には問題ない。
【0167】
そこで、本発明者らは、本実施形態の有機ELパネルにおいて、上記値Ya(=Vr/Dy)および値Za(=Vr/Ty)と上下電極10、60の短絡率との関係を調べた。その結果を図11に示す。
【0168】
図11では、上下電極の短絡率は、使用時間としての耐久時間が1000時間後すなわち有機ELパネルを1000時間駆動させた後において、薄膜部55aや発光領域Hにて発生した上下電極10、60の短絡(例えばライン欠陥等)の発生率を表している。
【0169】
また、横軸は、上記値Ya(=Vr/Dy)および値Za(=Vr/Ty)を含めた表記として逆バイアス/有機膜厚さ(V/cm)と表している。そして、図11中、実線グラフが値Ya(=Vr/Dy)、破線グラフが値Za(=Vr/Ty)を示している。実際には、これら両グラフは重なっており、両値Ya、Zaとも、上下電極の短絡率との関係は同様の傾向を持つものであった。
【0170】
図11から、上記比Vr/Dy=Yaが1.4×106V/cm未満の場合では、薄膜部55aが厚すぎたり、逆バイアス電圧が小さすぎたりして薄膜部55aの飛散が不十分であってオープン破壊しにくいことがわかる。
【0171】
また、上記比Vr/Ty=Zaが1.4×106V/cm未満の場合では、発光領域Hの有機層30が厚すぎたり、逆バイアス電圧が小さすぎたりして有機層30や上部電極40の飛散が不十分となり、発光領域Hで自己修復しにくいことがわかる。
【0172】
一方、上記比Vr/Ty=Zaが2.4×106V/cmよりも大きい場合では、発光領域Hの有機層30が飛散しすぎてしまい、表示品質の著しい低下を引き起こし、好ましくない。
【0173】
このような検討結果から、値Ya(=Vr/Dy)と値Za(=Vr/Ty)とについて、値Yaが1.4×106V/cm以上であり、且つ値Zaが1.4×106V/cm以上2.4×106V/cm以下であれば、使用時にて薄膜部55aの欠陥部だけでなく発光領域Hの欠陥部も確実にオープン破壊して自己修復できることがわかった。
【0174】
また、本実施形態の有機ELパネルにおいては、逆バイアス電圧をVrとし、上部電極60の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、Xa(=Vr/Da)の値が2.2×106V/cm以上であることが好ましい。
【0175】
薄膜部55aのオープン破壊においては、実際には飛散する薄膜部55aとともに、その上部の上部電極60も飛散する。そこで、逆バイアス電圧が小さすぎたり、上部電極60が厚すぎると、上部電極60が飛散しにくく、オープン破壊しにくい。つまり、Xa(=Vr/Da)の値が小さすぎるとオープン破壊しにくい。
【0176】
そこで、本発明者らは、本実施形態の有機ELパネルにおいて、上記比Vr/Da=Xaと上下電極10、60の短絡率との関係を調べた。その結果を図12に示す。図12では、上下電極の短絡率は上記図11と同じ定義としている。
【0177】
図12から、上記比Vr/Da=Xaが2.2×106V/cm未満の場合では、上部電極60が厚すぎたり、逆バイアス電圧が小さすぎたりして上部電極60の飛散が不十分であって薄膜部55aがオープン破壊しにくいが、上記比Vr/Da=Xaを2.2×106V/cm以上とすれば、適切にオープン破壊できることがわかる。
【0178】
なお、上述したように薄膜部55aについては、その部分の上部電極60が飛散しても、画素の周辺部であるため、さほど発光には問題ない。このことから、薄膜部55aのオープン破壊させるだけならば、逆バイアス電圧を大きくして行っても良い。ただし、上下電極の配置形態によっては、薄膜部55aが飛散しすぎると上部電極が断線するため、注意を要する。
【0179】
例えば、本実施形態の有機ELパネルの平面構成が、上記図14に示した画素のレイアウトである場合、上部電極60の幅方向に薄膜部55aが横断した形となっている。この場合、薄膜部55aが飛散しすぎると、上部電極60の断線を引き起こす恐れがある。
【0180】
一方、図13は、本実施形態の変形例としての有機ELパネルを示す概略平面図である。ここでは、識別のため、異なる発光色を有する画素Y、Bの境界は実線、下部電極20は一点鎖線、上部電極60は破線、また、発光領域Hは斜線ハッチングにて示してある。
【0181】
この例では、複数個の画素は、縦方向に延びる黄色発光層と青色発光層とかた構成されるもので、黄色の発光色を有する黄色画素Yと青色の発光色を有する青色画素Bとからなる。そして、これら複数個の画素Y、Bが図13に示すように、図中の左右方向へYYBBYYBB……、というように2個隣接して繰り返し同一平面内に配置されている。
【0182】
また、上部電極60は、発光層に沿って縦方向に延びるストライプ形状をなしている。このようなレイアウトの場合、薄膜部は、上部電極60の左右端部に沿って存在するため、薄膜部が飛散しすぎても、上部電極60の断線に至る可能性は極めて少ない。
【0183】
このように、有機ELパネルの平面構成が、上記図14に示した画素のレイアウトである場合には、図13のレイアウトの場合に比べて、薄膜部55aをオープン破壊するための逆バイアス電圧を低くして、薄膜部55aの過大な飛散を抑制する必要がある。
【0184】
例えば、上記した本実施形態の材質および膜厚の例を採用した有機ELパネルであって、上記図14に示すレイアウトとしたもの、および上記図13のレイアウトとしたものについて、駆動条件の一例を示しておく。
【0185】
前者では、上部電極60の厚さを60nm、逆バイアス電圧を比較的低く14Vとした場合、値Xa(=Vr/Da)は2.3×106V/cm、値Ya(=Vr/Dy)は2.3×106V/cm、値Za(=Vr/Ty)は1.4×106V/cmとなる。
【0186】
後者では、逆バイアス電圧を比較的高くでき、20Vとした場合、値Xa(=Vr/Da)は2.6×106V/cm、値Ya(=Vr/Dy)は3.3×106V/cm、値Za(=Vr/Ty)は2×106V/cmとなる。
【0187】
このように、薄膜部55aのオープン破壊によって上部電極60が断線する可能性があるときは、薄膜部55aの耐圧を示す上記比Vr/Dy=Yaが1.4×106V/cm以上の範囲で、比較的低い逆バイアス電圧を設定することが好ましい。
【0188】
なお、本実施形態においては、例えば、異なる発光色の画素Y、B同士がYBYBYB……、というように配置されていたが、その配置形態は特に限定されるものではなく、例えば、上記図13に示したように、YYBBYYBB……、というように同一発光色の画素が隣接した配置でも良い。
【0189】
また、複数個の画素の発光色も上記した色に限定されるものではもちろんない。さらには、複数個の画素がすべて同一色すなわち単色発光の有機ELパネルであっても良い。要するに、発光層が分離成膜されることで画素周辺部に薄膜部が形成されるものであれば適用可能である。
【0190】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態において、上下電極や各有機層を構成する材料およびサイズ、形状等は上記した例に限定されるものではなく、有機ELパネルを構成可能な材料やサイズ等に適宜設計変更しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマルチカラータイプの有機ELパネルの概略構成図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。
【図2】第1実施形態の第1の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。
【図3】第1実施形態の第2の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。
【図4】第1実施形態の第3の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。
【図5】上記第3の変形例におけるカラーフィルタの効果を示す模式的な色度図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る有機ELパネルの概略断面図である。
【図7】有機ELパネルにおける使用時の電圧印加条件としての駆動波形の一例を示す図である。
【図8】薄膜部の耐圧を決めるために逆バイアス電圧を上昇させていく方法を示す図である。
【図9】複数個の薄膜部について薄膜部の耐圧を調べた結果による耐圧分布の一例を示す図である。
【図10】本発明者らが調べた有機層の厚さと薄膜部の平均耐圧との関係を示す図である。
【図11】逆バイアス/有機膜厚さと上下電極の短絡率との関係を示す図である。
【図12】逆バイアス/上部電極厚さと上下電極の短絡率との関係を示す図である。
【図13】第2実施形態の変形例としての有機ELパネルの概略平面図である。
【図14】従来の一般的マルチカラータイプの有機ELパネルの概略平面図である。
【図15】従来の一般的マルチカラータイプの有機ELパネルの概略断面図である。
【符号の説明】
10…下部電極、20…正孔注入層、Y40…黄色発光層、
B40…青色発光層、55…有機層、55a…薄膜部、60…上部電極、
70…カラーフィルタ、H…発光領域、Y…黄色画素、B…青色画素。

Claims (11)

  1. 下部電極(10)と上部電極(60)との間に少なくとも発光層(Y40、B40)を含む有機層(55)を挟んでなる複数個の画素(Y、B)が、同一平面内に配置されており、
    前記複数個の画素は、少なくとも2色以上の異なる発光色を有する画素にて構成されている有機ELパネルにおいて、
    前記複数個の画素のうち同一の発光色を有する画素が2個以上隣接しており、
    これら隣接している同一の発光色を有する画素における前記発光層は、前記隣接している同一の発光色を有する画素同士で連続した一体のものとなっていることを特徴とする有機ELパネル。
  2. 個々の前記画素(Y、B)の形状は長方形であり、この長方形の画素の縦横比として幅の狭い方向において、同一の発光色を有する画素が2個以上隣接していることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
  3. 前記隣接する同一の発光色を有する画素(Y、B)の間における前記下部電極(10)の間隔(S2)が、隣接する異なる発光色を有する前記画素の間における前記下部電極の間隔(S1)よりも狭いことを特徴とする請求項1または2に記載の有機ELパネル。
  4. 前記複数個の画素は、2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)にて構成されており、
    これら2色の異なる発光色を有する画素のうち輝度低下特性が良好な方の画素(Y)を高輝度で発光させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の有機ELパネル。
  5. 前記2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)において、互いの発光色が補色関係にあることを特徴とする請求項4に記載の有機ELパネル。
  6. 前記複数個の画素は、2色の異なる発光色を有する画素(Y、B)にて構成されており、
    カラーフィルタ(70)または色変換フィルタと組み合わせることで前記画素の発光色を異ならせるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
  7. 前記発光層(Y40、B40)がマスクを用いた真空蒸着法によって成膜されたものであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の有機ELパネル。
  8. 下部電極(10)と上部電極(60)との間に少なくとも発光層(Y40、B40)を含む有機層(55)を挟んでなる複数個の画素(Y、B)が、同一平面内に配置されてなる有機ELパネルにおいて、
    前記画素のうち発光領域(H)の周辺部にて、前記有機層は、前記発光層が前記発光領域よりも薄くなった薄膜部(55a)を形成しており、
    使用時の電圧印加条件における前記薄膜部の耐圧以下の逆バイアス電圧を印加したときに、前記薄膜部がオープン破壊できるようになっていることを特徴とする有機ELパネル。
  9. 前記薄膜部(55a)の耐圧を前記薄膜部の単位厚さ当たりの電界強度で表したとき、当該電界強度を計算する場合に前記薄膜部から導電性の有機膜(20)を除外し、当該電界強度は3.4×106V/cm以上であることを特徴とする請求項8に記載の有機ELパネル。
  10. 前記逆バイアス電圧をVrとし、前記薄膜部(55a)の厚さとして前記薄膜部から前記発光層(Y40、B40)を除いた厚さをDyとし、これらVrとDyとの比Vr/DyをYaとしたとき、当該Yaが1.4×106V/cm以上であり、
    前記発光領域(H)における前記有機層(55)の厚さとして前記厚さDyに前記発光層の厚さを加えた厚さTyを用い、前記VrとTyとの比Vr/TyをZaとしたとき、当該Zaが1.4×106V/cm以上2.4×106V/cm以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の有機ELパネル。
  11. 前記逆バイアス電圧をVrとし、前記上部電極(60)の厚さをDaとし、これらVrとDaとの比Vr/DaをXaとしたとき、当該Xaが2.2×106V/cm以上であることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか一つに記載の有機ELパネル。
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