JP4039566B2 - 有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機エレクトロルミネセンス(以後、「エレクトロルミネセンス」を「EL」と略記する。)ディスプレイ素子に係り、特に開口率の向上、又は解像度の向上を図った有機ELディスプレイ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機ELディスプレイ素子は、例えば、ガラス基板上に透光性の正孔注入電極を形成し、陰極である電子注入電極と陽極である正孔注入電極の間に一層又は複数層の有機化合物層(有機EL層)が挟まれた構造で構成されている。
従来の有機ELディスプレイ素子の構造について、図面を参照しつつ説明する。
【0003】
図6は、従来の有機ELディスプレイ素子を示す図である。図6には、ストライプ状の陽極52上に、有機層から構成される絵素54がマトリクス状に配置されている従来の有機ELディスプレイ素子50が示されている。
【0004】
図7は、図6における従来の有機ELディスプレイ素子50のB−B’断面図である。図7において、52はITO陽極、55はAl陰極、56は有機層、57は絶縁体、58はガラス基板である。ガラス基板58上には図6で示したようにITO陽極52がストライプ状に形成されている。ガラス基板58は透明な材料からなる。また、ITO陽極52には透明電極材料であるITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。
【0005】
このストライプ上のITO陽極52の隙間を絶縁体57で埋めて短絡を防ぐ。そして絶縁体57の間に有機層56を形成し、さらに有機層56に電子を注入するためのAl陰極55を形成する。
【0006】
このように構成された有機ELディスプレイ素子50は、Al陰極55とITO陽極52の各電極からそれぞれ電子と正孔を注入し、発光中心となる有機層56で再結合させて有機分子を励起状態にし、有機分子が励起状態から基底状態に戻るときに蛍光を発光することを利用するものである。かかる有機ELディスプレイ素子50は発光効率が高く、低い電圧による駆動が可能であり、多種の色の表示が可能であるなど、優れた特徴を有している。
【0007】
しかし、一方で、ディスプレイ装置として用いるときには、図7の「C」と表記して示した部分、すなわち、有機層56の面部分しか発光ができず、図7の「D」の部分は発光しない。つまり、絶縁体57上のスペースは何も使われていない無駄なスペースである。このため、開口率のさらなる向上が望まれている。
【0008】
この点、開口率の向上やコントラストの向上を図るために、ITO陽極52側ではなくAl陰極55側に対して発光させる有機ELディスプレイ素子や(例えば、特許文献1参照。)、ディスプレイの開口率の向上と狭ピッチ化を図るために、電極が蒸着される領域がマスクよりも広くできる有機ELディスプレイ素子がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−299044号公報
【特許文献2】
特開2001−313169号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
開口率を向上させるための技術は種々存在するものの、従来の有機ELディスプレイ素子は、有機層、すなわち、発光部に対して無視できない大きさの非発光部が存在するため、素子の面積に占める発光部の割合、すなわち、ディスプレイの開口率を大きくすることが難しく、ディスプレイの輝度も暗くなりがちであった。
【0011】
このため、輝度に関しては抜本的な改良が望まれていた。また、有機ELディスプレイ素子の発光部の配置に関しては、狭ピッチ化にも限りがあることから解像度の向上にも限りがあり、解像度のさらなる向上も望まれていた。
【0012】
【課題を解するための手段】
本発明に係る第一の有機ELディスプレイ素子は、基板上に形成された第一陽極と、第一陽極を相互に絶縁するための、基板上に形成された透光性の絶縁体と、絶縁体上に第一陽極と非接触になるように形成された第二陽極と、第一陽極と対応する位置に形成された第一有機層と、第二陽極と対応する位置に形成された第二有機層と、第一有機層上及び第二有機層上に、第二陽極と非接触になるように形成された、第一有機層及び第二有機層に電子を注入するための陰極と、を含む。
【0013】
本発明に係る第二の有機ELディスプレイ素子は、基板上に形成された第一陽極と、第一陽極を相互に絶縁するための、基板上に形成された透光性の絶縁体と、絶縁体上に第一陽極と非接触となるように形成された第二陽極と、第一陽極及び第二陽極上に形成され、第一陽極及び第二陽極から注入された正孔を輸送する正孔輸送層と、正孔輸送層上の第一陽極と対応する位置に形成された第一有機層と、正孔輸送層上の第二陽極と対応する位置に形成された第二有機層と、第一有機層上及び第二有機層上に形成された、第一有機層及び第二有機層に電子を注入するための陰極と、を含む。
【0014】
本発明に係る第三の有機ELディスプレイ素子は、隣接する1組の前記第一有機層と前記第二有機層とで同一色を発光させるための絵素を構成することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第四の有機ELディスプレイ素子は、第一の有機ELディスプレイ素子又は第二の有機ELディスプレイ素子に、さらに、隣接する前記第一有機層と前記第二有機層とで異なる絵素を構成することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る有機ELディスプレイ素子の第一の製造方法は、基板上に第一陽極を形成する工程と、第一陽極を相互に絶縁する、透光性の絶縁体を基板上に形成する工程と、絶縁体上に第一陽極と非接触になるように第二陽極を形成する工程と、第一陽極及び第二陽極のそれぞれに対応する位置に有機層を形成する工程と、有機層に電子を注入するための陰極を第二陽極と非接触になるように形成する工程と、を含む。
【0017】
本発明に係る有機ELディスプレイ素子の第二の製造方法は、基板上に第一陽極を形成する工程と、第一陽極を相互に絶縁する、透光性の絶縁体を該基板上に形成する工程と、絶縁体上に第一陽極と非接触になるように第二陽極を形成する工程と、第一陽極及び第二陽極から注入された正孔を輸送する正孔輸送層を第一陽極及び第二陽極上に形成する工程と、正孔輸送層上の、第一陽極及び第二陽極のそれぞれに対応する位置に有機層を形成する工程と、有機層に電子を注入するための陰極を形成する工程と、を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子を示す図である。図1において、10は本発明に係る有機ELディスプレイ素子、12は第一陽極としてのITO陽極、14は第一発光部、16は第二陽極としてのITO陽極、18は第二発光部である。
【0019】
図1において、有機ELディスプレイ素子10は、ストライプ状のITO陽極12上に有機層から構成される第一発光部14が配置され、さらに、ストライプ状のITO陽極16上に有機層から構成される第二発光部18が配置されている。第一陽極としてのITO陽極12と第二陽極としてのITO陽極16は、ずれた位置に配置されており、従って、第一発光部14と第二発光部18が隣接するように配置される。第一発光部14及び第二発光部18が全体としてマトリクス状に配置されている。
【0020】
図2は、図1の有機ELディスプレイ素子10のA−A’断面図であり、本発明に係る有機ELディスプレイ素子10の構造が示されている。12は第一陽極としてのITO陽極、16は第二陽極としてのITO陽極、22は陰極としてのAl陰極、24は第二有機層、26は正孔輸送層、28は第一有機層、32は絶縁体、36は基板である。
【0021】
図2で図示した有機ELディスプレイ素子10は、第一陽極としてのITO陽極12の上に第一有機層28を配置し、第一陽極としてのITO陽極12同士の間に設けている絶縁体32の上に、さらに、第二陽極としてのITO陽極16及び第二有機層24を設けている。第一有機層28を第一発光部、第二有機層24を第二発光部とすることにより、非発光部を減らして開口率を大きくするようにしたものである。
【0022】
具体的には、本発明の一実施形態に係る有機ELディスプレイ素子10は、基板36上に形成された第一陽極としてのITO陽極12と、基板36上に形成され第一陽極としてのITO陽極12を相互に絶縁するための、透光性の絶縁体32と、絶縁体32に第一陽極としてのITO陽極12に対して非接触になるように形成された第二陽極としてのITO陽極16と、第一陽極としてのITO陽極12に対応する位置に形成された第一有機層28と、第二陽極としてのITO陽極16に対応する位置に形成された第二有機層24と、第一有機層28上及び第二有機層24上に第二陽極としてのITO陽極16に対して非接触になるように形成された、第一有機層28及び第二有機層24に電子を注入するためのAl陰極22と、を含んでいる。
【0023】
さらに、第一陽極としてのITO陽極12と第一有機層28との間及び第二陽極としてのITO陽極16と第二有機層24との間に正孔輸送層26を形成してもよい。
【0024】
第二陽極16は、絶縁体32の上に形成される。第一陽極としてのITO陽極12と第二陽極としてのITO陽極16とが接触しないように形成されるが、使用による劣化等により短絡してしまうことを防ぐため、第一陽極としてのITO陽極12及び第二の陽極であるITO陽極16と、第一の有機層28及び第二の有機層24との間に、正孔輸送層26を形成することもできる。
【0025】
そして、絶縁体32の間に第一有機層28が形成され、第二陽極であるITO陽極16の上部に第二有機層24が形成されている。さらに第一有機層28及び第二有機層24に電子を注入するためのAl陰極22が、第一有機層28及び第二有機層24に接触して形成されている。
【0026】
基板36には、ガラス基板、フレキシブル基板、カラーフィルタや色変換膜あるいは誘電体反射膜が形成された基板を含む。透明基板は、ガラスや、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、非晶質ポリオレフィン等を材料とすることができる。カラーフィルタはその特性を調整し、効率や色純度を最適化できる。色変換膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行わせる。誘電体多層膜はカラーフィルタの代わりに、所定の波長の光を透過させる。
【0027】
また、第一陽極や第二陽極には高仕事関数で正孔注入の容易な材料が適するため、透明化の容易な材料が使用できる。透明化の容易な材料には、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、SnO(酸化スズ)、In(酸化インジウム)、ZnO(酸化亜鉛)等の酸化物、AuやNi等の金属がある。
【0028】
絶縁体32は、第一陽極としてのITO陽極12同士が短絡されないようにするために形成される。ここでは例えばSiO、Si等の無機膜や、ポリイミド等の有機膜のような透明な材料が用いられる。
【0029】
陰極として使用する金属電極には、低仕事関数で電子注入の容易な金属が適する。陰極電極材料には、Al、Li、Mg、Au、Ag又はこれらの合金を用いることができる。また、ITO等の透明な酸化物とAlやLi等の低仕事関数で電子注入の容易な金属薄膜との積層構造とすることによって、陰極側からも光を取り出すことができる。
【0030】
図1、図2から分かるように、第二発光部で発光した光が第一発光部の隙間から有機ELディスプレイ素子の外部に、又は第一発光部で発光した光が第二発光部の隙間から有機ELディスプレイ素子の外部に出射することになる。
【0031】
このように本実施形態に係る有機ELディスプレイ素子10によれば、発光部を構成する有機層を2階建ての構成としているので、開口率の向上、又は解像度の向上を図ることができた。
【0032】
(実施の形態2)
図3は、本発明の他の実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子を示した図である。図3において、10は本発明に係る有機ELディスプレイ素子、12は第一陽極としてのITO陽極、14は第一発光部、16は第二陽極としてのITO陽極、18は第二発光部である。
【0033】
本実施の形態では、第一陽極と対応する位置に第一有機層が形成され、第二陽極と対応する位置に第二有機層が形成されている。図3では、第一有機層が第一発光部14に、第二有機層が第二発光部18に対応する。図3において、隣接する1組の第一発光部14と第二発光部18とで同一色を発光させるための絵素を構成するように、第一発光部と第二発光部とを配置している。
【0034】
すなわち、図3には、R(赤)、G(緑)、B(青)の組み合わせでフルカラー化を行うに際しての絵素の配置が示されており、2つの発光部で絵素を構成し、さらに、3つの絵素で画素を構成し、画素をマトリクス上に配置した有機ELディスプレイ素子の例が示されている。ここで、フルカラー化のための手法に関しては、三色発光法、白色発光法、色変換法のいずれであるかについては問わず、いずれを用いてもよいことはもちろんである。また、図3では、同色の絵素を縦方向に並べているが、斜め方向に並べても、デルタ配列としてもよい。
【0035】
上記の例では、有機ELディスプレイ素子10の単位面積あたりの発光部を増やすことができるので、隣接する発光部14と発光部18とで同一色を発光させるための絵素として、輝度を向上させた。図3においては、絵素として、それぞれR、G、Bの記号を付した。
【0036】
このマトリクス状に表示する場合の有機ELディスプレイ素子の駆動方式には、パッシブマトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。
【0037】
本発明においては駆動方式を問わず、例えば、パッシブマトリクス方式とは、X方向とY方向のストライプ透明電極と発光層をガラス基板上に単純に配置したものであるところ、この方式で、行、列電極に信号が付加されるとその交点の画素が発光するようにしてもよい。
【0038】
また、アクティブマトリクス方式とは、パッシブマトリクス方式で生じる走査電極間のクロストークを排除するために、非選択時に関係のない信号を完全にカットする要にスイッチを各画素に設ける方式をいうところ、代表的な方法であるTFT方式を用いて、発光交点での薄膜トランジスタのゲート、ソース、ドレインの各電極をそれぞれ走査線、信号線、発光素子の一側に接続するようにして駆動してもよい。
【0039】
1組の発光部を絵素とした場合、RGBを規則正しく配置することでフルカラー化に際して、従来のフルカラー有機ELディスプレイ素子よりも輝度を向上させることができた。
【0040】
(実施の形態3)
図4は本発明の他の実施の形態に係る有機ELディスプレイ素子10を示した図である。図4において、10は本発明に係る有機ELディスプレイ素子、12は第一陽極としてのITO陽極、14は第一発光部、16は第二陽極としてのITO陽極、18は第二発光部である。
【0041】
本実施の形態では、第一陽極と対応する位置に第一有機層が形成され、第二陽極と対応する位置に第二有機層が形成されている。図4では、第一有機層が第一発光部14に、第二有機層が第二発光部18に対応する。図4において、隣接する第一発光部14と第二発光部18とで異なる色を発光させるための絵素を構成するように、第一発光部と第二発光部とを配置している。
【0042】
すなわち、図4には、R(赤)、G(緑)、B(青)の組み合わせでフルカラー化を行うに際しての絵素の配置が示されており、3つの絵素で画素を構成し、画素をマトリクス上に配置した有機ELディスプレイ素子の例が示されている。ここでも、フルカラー化のための手法に関しては、三色発光法、白色発光法、色変換法のいずれであるかについては問わず、いずれを用いてもよいことはもちろんである。また、図4では、同色の絵素を縦方向に並べているが、斜め方向に並べても、デルタ配列としてもよい。
【0043】
上記のとおり、本実施の形態で説明した有機ELディスプレイ素子10によれば、画素数を増やすことができる。具体的には、本実施の形態によれば、従来の1画素分の領域に2画素以上の画素を構成できるようになるため、高精細化につながる。
【0044】
よって、発光部14と発光部16とで異なる色にして絵素を構成し、画素をマトリクス上に配置することで、従来のフルカラー有機ELディスプレイ素子よりも高精細化が図ることが可能となり、解像度を向上させることができた。
【0045】
なお、実施の形態2及び実施の形態3で述べている、マトリクス状に画素を配置する形式の有機ELディスプレイ素子は、決まった文字や数字しか表示できないセグメント型の表示とは異なり、任意の画像が表現できるような行列配置により画面を構成できる。
【0046】
(実施の形態4)
図5は、本発明に係る有機ELディスプレイ素子の製造方法を示す図である。図5において、12は第一陽極としてのITO陽極、16は第二陽極としてのITO陽極、22は陰極としてのAl陰極、24は第二有機層、26は正孔輸送層、28は第一有機層、32は絶縁体、36は基板である。また、(1)から(4)は製造工程の順番を表す。
【0047】
図5には、基板36上に第一陽極としてのITO陽極12を形成する工程と、第一陽極としてのITO陽極12を相互に絶縁する、透光性の絶縁体32を基板36上に形成する工程(図5(1))と、絶縁体32上に第一陽極としてのITO陽極12に対して非接触になるように第二陽極としてのITO陽極16を形成する工程(図5(2))と、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16上に正孔輸送層26を形成する工程(図5(3))と、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16のそれぞれに対応する位置に第一有機層28、第二有機層24を形成し、さらに、第一有機層28、第二有機層24に電子を注入するための陰極22を形成する工程(図5(4))とが示されている。
【0048】
なお、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16のそれぞれに対応する位置に第一有機層28、第二有機層24を形成する工程は、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16から注入された正孔を輸送する正孔輸送層26を第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16上に形成する工程と、正孔輸送層26上の、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16のそれぞれに対応する位置に第一有機層28、第二有機層24を形成する工程とを含む工程であってもよい。
【0049】
図5(1)には、基板36上に第一陽極としてのITO陽極12と絶縁体32が形成されるまでの工程が示されている。まず、透明なガラス基板で例示される基板36に第一陽極としてのITO陽極12として機能するITOの膜を一面に形成し、ITOの膜をストライプ状に形成するようにエッチングして透明電極たる第一陽極としてのITO陽極12を形成する。一般に、パターンニングと呼ばれる手法を用いることができる。
【0050】
次に、絶縁体32が形成される。このとき、絶縁体には着色されているものではなく、例えばSiO、Si等の無機膜や、ポリイミド等の有機膜のような透明な材料を用いるようにする。これにより、絶縁体上に形成する第二有機層24で発光した光を基板36の側から外部に取り出すことができる。
【0051】
また、図5(1)で示される絶縁体32の幅Xについては、第一陽極としてのITO陽極12の縁を被う程度まで比較的大きくすることが好ましい。絶縁体32上にも画素を構成する第二の有機層24を形成することになるからである。また、幅Xを比較的大きくすることができれば、第一の有機層28と第二の有機層24との大きさを均等にすることもできるからである。
【0052】
図5(2)には、絶縁体32上に第一陽極としてのITO陽極12と非接触になるように第二陽極としてのITO陽極16を形成する工程が示されている。具体的には、マスクを用いてEB蒸着若しくはスパッタ等で絶縁体上にITOからなる第二の陽極16を成膜する。このとき、もともとパターニングされていた第一陽極としてのITO陽極12を構成するITOとの短絡を防ぐため、マスクアラインメントを精度よく行うことが好ましい。
【0053】
図5(3)は、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16から注入された正孔を輸送する正孔輸送層26を第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16上に形成する工程が示されている。具体的には、素子全体に正孔輸送層26が成膜されている。この工程は、後に行う陰極22の成膜時に第二陽極としてのITO陽極16と陰極22がショートするのを防ぐため、第二陽極としてのITO陽極16を完全に正孔輸送層26で覆ったものである。
【0054】
なお、図5(3)では正孔輸送層26が素子全体を覆う構造が開示されている。図5(4)に示す工程の第一有機層28や第二有機層24の形成に際して正孔輸送層26の表面が平らな方が望ましいため、正孔輸送層26はPVK等のポリマーをスピンコートにより成膜することにより行うことが好ましい。
【0055】
高分子材料PVK(ポリN−ビニルカルバゾール)は、高分子のためTPDのような低分子系材料よりも耐久性が高く,有機EL素子の寿命を改善する目的で使用されることが多い。PVKは高分子であるため、PVKによれば平坦化できて便宜であるが、本発明がこの材料に限定されるものではないのはもちろんである。
【0056】
ここで、スピンコート法とは、有機化合物を揮発性の溶媒に溶かし、回転する基板の上に塗布し溶媒を蒸発させて薄膜を得る方法をいう。スピンコートなどのウエットプロセスを用いれば,可溶な高分子EL材料を常温常圧で簡便に成膜することができるので便宜である。
【0057】
なお、正孔輸送層26を形成しない場合であっても、第二陽極としてのITO陽極16と陰極としてのAl陰極22とが接触しないような構成を採用することもできる。例えば、第二陽極としてのITO陽極16と第二有機層24とが接触することになる部分以外の部分を絶縁体で覆うなどすればよい。
【0058】
図5(4)は、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16のそれぞれに対応する位置に第一有機層28、第二有機層24を形成する工程、及び、第一有機層28、第二有機層24に電子を注入するためのAl陰極22を形成する工程が示されている。
【0059】
この工程においては、表面に第一有機層28、第二有機層24を全面蒸着またはマスク蒸着により形成する。このときも混色を防ぐため、第一有機層28、第二有機層24の真空蒸着時にはマスクアラインメントを精度よく行うことが好ましい。この第一有機層28、第二有機層24は、例えばトリフェニルアミン誘導体(TPD)等からなる正孔輸送層用の材料を設け、その上に発光材料である例えばアルミキレート錯体(Alq3)等の電子輸送材料を積層したものや、これらの混合層からなる。もちろん、上記したような正孔輸送層26を別途設ける場合にはこれに限定されず、種々の公知の材料を用いることができる。
【0060】
次に、第一有機層28、第二有機層24の表面に、Al陰極22を、上記第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16のパターンと直交する方向にストライプ状にマスク蒸着等で付着して形成する。陰極の材料としては、Al以外にもLi、Ag、Mg、In、Au、Ag又はこれらの合金等を適用することができる。また、ITO等の透明な酸化物とAlやLi等の低仕事関数で電子注入の容易な金属薄膜との積層構造とすることもできる。
【0061】
このような製造方法によって製造された有機ELディスプレイ素子は、第一陽極としてのITO陽極12及び第二陽極としてのITO陽極16と陰極22を構成するAl陰極との間に所定の電流が流れて発光するに際して、開口率の向上、又は解像度の向上を図ることができた。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、非発光部に対して発光部の面積を増加させることになるので開口率の向上が可能となり、輝度の向上又は解像度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る有機ELディスプレイ素子を示す図である。
【図2】 図1の有機ELディスプレイ素子のA−A’断面図である。
【図3】 本発明に係る有機ELディスプレイ素子を示す図である。
【図4】 本発明に係る有機ELディスプレイ素子を示す図である。
【図5】 本発明に係る有機ELディスプレイ素子の製造方法を示す図である。
【図6】 従来の有機ELディスプレイ素子を示す図である。
【図7】 図6におけるB−B’断面図である。
【符号の説明】
10:有機ELディスプレイ素子
12:ITO陽極
14:第一発光部
16:ITO陽極
18:第二発光部
22:Al陰極
24:有機層
26:正孔輸送層
28:有機層
32:絶縁体
36:ガラス基板
50:従来の有機ELディスプレイ素子
52:ITO陽極
55:Al陰極
56:有機層
57:絶縁体
58:ガラス基板

Claims (6)

  1. 基板上に形成された第一陽極と、
    該第一陽極を相互に絶縁するための、該基板上に形成された透光性の絶縁体と、該絶縁体上に該第一陽極と非接触になるように形成された第二陽極と、
    該第一陽極と対応する位置に形成された第一有機層と、
    該第二陽極と対応する位置に形成された第二有機層と、
    該第一有機層上及び該第二有機層上に、該第二陽極と非接触になるように形成された、該第一有機層及び該第二有機層に電子を注入するための陰極と、を含む有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  2. 基板上に形成された第一陽極と、
    該第一陽極を相互に絶縁するための、該基板上に形成された透光性の絶縁体と、該絶縁体上に該第一陽極と非接触となるように形成された第二陽極と、
    該第一陽極及び該第二陽極上に形成され、該第一陽極及び該第二陽極から注入された正孔を輸送する正孔輸送層と、
    該正孔輸送層上の該第一陽極と対応する位置に形成された第一有機層と、
    該正孔輸送層上の該第二陽極と対応する位置に形成された第二有機層と、
    該第一有機層上及び該第二有機層上に形成された、該第一有機層及び該第二有機層に電子を注入するための陰極と、を含む有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  3. 隣接する1組の前記第一有機層と前記第二有機層とで同一色を発光させるための絵素を構成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  4. 隣接する前記第一有機層と前記第二有機層とで異なる絵素を構成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子。
  5. 基板上に第一陽極を形成する工程と、
    該第一陽極を相互に絶縁する、透光性の絶縁体を該基板上に形成する工程と、
    該絶縁体上に該第一陽極と非接触になるように第二陽極を形成する工程と、
    該第一陽極及び該第二陽極のそれぞれに対応する位置に有機層を形成する工程と、
    該有機層に電子を注入するための陰極を該第二陽極と非接触になるように形成する工程と、を含む有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子の製造方法。
  6. 基板上に第一陽極を形成する工程と、
    該第一陽極を相互に絶縁する、透光性の絶縁体を該基板上に形成する工程と、
    該絶縁体上に該第一陽極と非接触になるように第二陽極を形成する工程と、
    該第一陽極及び該第二陽極から注入された正孔を輸送する正孔輸送層を該第一陽極及び該第二陽極上に形成する工程と、
    該正孔輸送層上の、該第一陽極及び該第二陽極のそれぞれに対応する位置に有機層を形成する工程と、
    該有機層に電子を注入するための陰極を形成する工程と、を含む有機エレクトロルミネセンスディスプレイ素子の製造方法。
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