JP4465699B2 - ノイズフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内にノイズ成分を除去するためのコイルを一乃至複数設けたノイズフィルタに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、この種のノイズフィルタは、例えば図8に示すようなものが知られている。同図において、101は導電性を有する金属製のケースで、このケース101は上面を開口する有底多角形状すなわち四角形状に形成され、その内部にはコイル102の他に、コンデンサや抵抗といったいずれもフィルタ回路を構成する各種電子部品(図示せず)が収納されている。また、コイル102の両側外方には、ケース101の側部上側の内外を挿通して絶縁性の合成樹脂からなる端子台104が設けられ、この端子台104にはケース101の内外の電気的接続を図るために、入力端子および出力端子などの接続端子105が複数設けられている。
【0003】
接続端子105は、前記端子台104に一体的に設けた端子金具106と、端子金具106を介して前記端子台104に螺着するねじ107とを有する。このねじ107はケース101の内方と外方の双方にそれぞれ設けられており、ケース101の外方に設けられたねじ107は、外部の機器からの配線端子(図示せず)をねじ止めするためのものであり、一方、ケース101の内方に設けられたねじ107により、コイル102のリード線端子108がねじ止めされている。
【0004】
110は、コイル102を固定して、振動によるがたつきを防止するためのモールド樹脂材である。このモールド樹脂材110は、ケース101内の下部全体を浸すように充填されるが、特にコイル102の巻線部111とケース101との接触を避けるために、ケース101の底面には樹脂製の絶縁板112が載置される。
【0005】
上記のような従来のノイズフィルタでは、多角形のケース102にモールド樹脂材110を流し込んで、コイル102や各種電子部品103を固定しているが、モールド樹脂材110がケース101内の隅々にまで流し込まれるため、ノイズフィルタとしての全体重量が増加する問題があった。また、ケース101の曲げ部などに継ぎ目がある場合には、そこからモールド樹脂材110がケース101の外部に漏出するため、ケース101にモールド樹脂材110の漏れ対策を施さなければならず、ケース101の構造が複雑になる虞れを有していた。
【0006】
本発明は、上記問題点に着目して成されたものであって、モールド樹脂材の使用量を限定して軽量化を図り、かつケースからのモールド樹脂材の漏れを確実に防止できるノイズフィルタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のノイズフィルタは、前記目的を達成するために、金属製のケースと、このケース内に設けられる2つのコイルと、前記各コイルに一つずつ設けられ、前記コイルの外形に沿った形状の壁面を有するコイル収容部を形成し、このコイル収容部に前記コイルを収容して前記ケースに取付けられる樹脂製のコイル固定用皿と、前記コイル収容部と前記コイルとの間に充填されるモールド樹脂材と、前記2つのコイル間を電気的に接続する中継金具とにより構成され、前記中継金具が前記コイル固定用皿を介在して前記ケースに取付けられるように、前記中継金具が前記コイル固定用皿に取付け固定される。
【0008】
この場合、ケースに取付けられたコイル固定用皿のコイル収容部にコイルを収容し、このコイルの外側周囲にモールド樹脂材を流し込むと、モールド樹脂材はコイル収容部の壁面により堰き止められて、コイル収容部よりも外方に流出しなくなる。したがって、モールド樹脂材がケース内全体に充填されることはなく、コイル固定用皿を介在させただけで、ケース外部へのモールド樹脂材の漏出を確実に防止できると共に、ケースにおけるモールド樹脂材の漏れ対策を施す必要もなく、ケースの構造を簡素化できる。また、壁面はコイルの外形に沿って形成されるので、モールド樹脂材の充填量を必要最小限に抑えることができる。よって、ノイズフィルタの軽量化を効果的に達成できる。
【0009】
また、コイルを収容するコイル固定用皿が、金属製のケースに対する絶縁部材を兼用するので、従来の絶縁板を不要にすることができる。
【0010】
しかも、中継金具は絶縁部材であるコイル固定用皿を介在して金属製のケース本体に取付けられるため、中継金具とケースとの確実な絶縁が図られる。
【0011】
本発明の請求項2記載のノイズフィルタは、請求項1の構成において、前記ケースが縦長矩形箱状に形成され、このケースの側面に前記コイル固定用皿が取付けられることを特徴とする。
【0012】
ケースは縦長矩形箱状、すなわち基盤などに取付けられる底面から前面に至る前後方向の奥行きが、少なくとも一方の側面間の長さよりも長い寸法に形成されるので、奥行きの短い弁当箱形状のものよりも基盤などへの取付面積が少なくなる。したがって、薄型でかつ小型のノイズフィルタを容易に実現できる。
【0013】
【発明の実施形態】
以下、本発明のノイズフィルタについて添付図面を参照して詳細に説明する。図1〜図7は本発明の一実施例を示すものであり、図1および図2において、1は例えばFA(Factory Automation)用装置や工作機に設けられる縦置きの基盤で、この基盤1の垂直面である平坦な取付面2に、ノイズフィルタ3の外郭をなすケース4が取付け固定される。このケース4は金属製で、前記基盤1の取付面2に対向し当接する被取付面11を底面に形成すると共に、この被取付面11とは反対側に前面すなわちフロント面12を形成し、その間に一対の第1の側面である上下側面13と第2の側面である左右側面14をそれぞれ形成した、いわゆる縦長矩形箱状を有する。なお実際には、各外面11〜14の縁部に湾曲状の面取りを形成したものや、後述する区画部15をフロント面12から前方に突出させたものも、ここでいう矩形箱状として許容する。そして、被取付面11からフロント面12ひいては区画部15の前面に至る前後方向の奥行きD3が、被取付面11の少なくとも左右方向(短手方向)にある左右側面14,14間の幅W3のみならず、場合によっては上下方向(長手方向)にある上下側面13,13間の高さH3よりも長く形成される。特に本実施例におけるケース4の高さH3は、同じ取付け面2に取付けられる別の電子機器筐体5の上下方向の側面間の高さH1と同じ寸法に形成される。
【0014】
17は被取付面11と面一に形成された取付部で、これはケース4の上下側面13よりフランジ状に延設される。取付部17はケース4を取付面2に確実に取付けるためのものであって、取付部17に形成したU字状溝18に止め具であるネジ(図示せず)を挿通し、これを取付面2のネジ孔(図示せず)に螺着することで、取付部17がネジの頭部と取付面2との間に挟持され、ケース4が略垂直な取付面2に取付け固定される。なお、上方の取付部17にあるU字状溝18に代わって丸穴を形成し、ここにねじを挿通するようにしてもよい。このようにすると、ネジの仮止め状態において、ケース4が落下することを防止できる。
【0015】
ケース4のフロント面12には、ノイズフィルタ3の入力端子21と出力端子22を各々左右方向に並設した端子台23,24が取付けられる。この端子台23,24は実際には同一部品で、フロント面12の上下方向両側の離れた位置に各々設けられており、その左右方向の幅はケース4の左右側面14,14間の幅W3とほぼ同じ寸法を有する。すなわち、入力端子21を並設する端子台23および出力端子22を並設する端子台24の幅に合わせて、ケース4の幅W3が設計される。また、端子台23,24の間には、フロント面12より前方に突出する区画部15が形成される。区画部15の前面は、端子台23,24の上端部よりも高い位置に形成され、その左右方向両側には一対のネジ穴25が形成される。このネジ穴25は、例えば端子台23,24のカバー(図示せず)を取付けるために設けられている。
【0016】
26は入力端子21に近傍にあるグランド端子、27は出力端子14の近傍にあるグランド端子で、これらの接地用のグランド端子26,27は、いずれも入力端子21や出力端子22の左右方向に並設しないフロント面12上に配置される。入力端子21,出力端子22およびグランド端子26,27には、いずれも連結具である同一形状のねじ28が螺着されており、これらの各端子21,22,26,27へのリード線取付け作業は、ケース4の取付面2への取付作業を含めて、いずれも同じドライバーなどの工具で、同じ方向から行なえるようになっている。なお、29はケース4内に空気の流通路を形成するための風穴、30は区画部15を含むケース4の左右側面14に形成された凹部で、ケース4の左右方向から挟み込むようにして凹部30に指を当てることで、箱状のケース4を手で簡単に持ち運ぶことが可能になる。
【0017】
次に、ノイズフィルタ3の内部構造を図3〜図7にて説明する。前記ケース4は、図3に示すケース本体41と、このケース本体41の一側面を覆うケースカバー(図示せず)とにより構成され、このケースカバーをねじ止めするための折曲げ部42が、ケース本体41の開口部に形成される。43は、環状の磁心(図示せず)に巻線44を巻装したトロイダル形状のコイルであり、これは主に三相の各電源ラインとグランドとの間に生じるコモンモードノイズを除去するものである。また45は、略同一形状の各コイル43に一つずつ設けられたコイル固定用皿である。このコイル固定用皿45は、電気的に絶縁性を有する合成樹脂からなり、図4および図5にも示すように、コイル43の外形に沿った形状(円筒形状)の壁面46を有する有底筒状のコイル収容部47と、このコイル収容部47の外側四隅にそれぞれ貫通形成された皿取付孔48と、コイル収容部47の上側若しくは下側に3個形成された凹状の金具取付孔49とを各々一体的に備えている。そして、コイル43をコイル収容部47に収容した状態で、コイル43とコイル収容部47との間にモールド樹脂材(図3参照)50が充填される。なお、本実施例では2つのコイル43とコイル固定用皿45が、ケース2の左右側面14の一方に取付けられているが、所望のノイズ除去特性が得られるならば、単独のコイル43およびコイル固定用皿45であってもよい。なお、51は、前記皿取付孔48に挿通してケース4に螺着するねじであり、このねじ51によってコイル固定用皿45がケース4の一方の左右側面14に取付け固定される。
【0018】
本実施例におけるコイル43は三相用で、各相に対応して3本の巻線44が巻装されている。そして、コイル43の左右方向一側と他側から各々引出された巻線44の一端部52および他端部53が、コイル43の上下方向に向けて互いに反対側に延びている。その際、それぞれの巻線44の一端部52および他端部53は、コイル43の前側に揃って一列に並設される。一方、前記端子台23に取付けられた入力端子21と、端子台24に取り付けられた出力端子22は、巻線44の一端部52や他端部53と直交する方向に3個ずつ並設される。
【0019】
ケース4の上側に取付けられるコイル43は、それぞれの巻線44の一端部52と、これに対応して設けられた入力端子21との間に、導電性の連結金具すなわちバスバー55,56,57が設けられる。同様に、ケース4の下側に取付けられるコイル43も、それぞれの巻線44の一端部52と、これに対応して設けられた出力端子22との間に、L字形の連結金具すなわちバスバー55,56,57が設けられる。バスバー55,56,57はいずれも、L字形部58と、このL字形部58の一端を折り曲げて形成され、巻線44の一端部52を接続する接続部59と、L字形部58の他端を折り曲げて形成され、入力端子21若しくは出力端子22の基端部に取付けられる端子取付部60とを備えているが、バスバー55,56,57が互いに接触しないように、巻線44の一端部52から入力端子21若しくは出力端子22までの距離に対応して、各バスバー55,56,57のL字形部58が異なる大きさに形成される。
【0020】
64は、2つのコイル43間を電気的に接続する中継金具である。この中継金具64は、ねじ65によって前記コイル固定用皿45の金具取付孔49に取付け固定されており、その先端部には各コイル43の各相毎における巻線44の他端部53を、それぞれ反対側から差し込んで半田付け接続する接続部66が設けられる。また中継金具64には、後述する圧着端子71を取付け固定するための取付孔67も設けられている。
【0021】
69は、ケース4の被取付面11に間隔を置いて設けた電子部品ユニットである。この電子部品ユニット69は、前記コイル43以外のノイズ除去回路を構成するもので、具体的にはプリント基板上にコンデンサや抵抗などの電子部品を実装して構成される。70は、電子部品ユニット69を各相の電源ラインに接続するためのリード線であり、各リード線70の先端には接続端子としての圧着端子71が設けられている。本実施例では、この圧着端子71がいずれもねじ72により、入力端子21,出力端子22および中継金具64に取付け固定される。
【0022】
上記構成において、製造に際しては、入力端子21付きの端子台23と出力端子22付きの端子台24を、ケース本体41のフロント面12にそれぞれ取付けると共に、電子部品ユニット69をケース本体41の被取付面11に取付ける。そして、各バスバー55,56,57の接続部59がケース4の前後方向に一列に並ぶように、これらのバスバー55,56,57を、リード線70の先端部にある圧着端子71と共に、入力端子21または出力端子22の基端部にねじ72を用いてそれぞれ取付け固定する。
【0023】
また、コイル固定用皿45の皿取付孔48にねじ51を挿通し、このねじ51をケース本体41に螺着することにより、コイル固定用皿45をねじ51とケース本体41との間に挟持させる。これにより、ケース本体41の左右側面14において、2つのコイル固定用皿45が取付け固定される。そして、ケース本体41の下側にあるコイル固定用皿45の金具取付孔49にねじ65を螺着して、3個の中継金具64をそれぞれコイル固定用皿45に取付け固定する。その際、中継金具64は絶縁部材であるコイル固定用皿45を介在して金属製のケース本体41に取付けられるため、中継金具64とケース4との確実な絶縁が図られる。また、中継金具64に接続するリード線70の先端部にある圧着端子71が、ねじ72を取付孔67に螺着することで、中継金具64に取付け固定される。そして、この中継金具64や、前記入力端子21および出力端子22に接続した各リード線70の基端部が、電子部品ユニット69の所望の位置にコネクタ(図示せず)などを介して接続される。
【0024】
こうして、ケース本体41に取付けた各コイル固定用皿45のコイル収容部47に、コイル43を一つずつ収容し、コイル43を構成する各巻線44の一端部52を、それぞれ入力端子21または出力端子22に接続した各バスバー55,56,57の接続部59に挿通して半田付け接続すると共に、各々の巻線44の他端部53を、中継金具64の接続部66に挿通して半田付け接続する。これにより、各コイル43の巻線44が電源ラインの各相に挿入接続される。その後、コイル43とコイル収容部47との間にモールド樹脂材50を流し込んで、コイル43の固定を図る。
【0025】
上記一連の作業において、コイル43の周囲にはこのコイル43を固定するためのモールド樹脂材50が流し込まれるが、本実施例ではコイル43の外側に壁面46を有する有底筒状のコイル収容部47が存在するので、モールド樹脂材50はコイル収容部47の壁面46により堰き止められて、コイル収容部47よりも外方に流出しなくなる。したがって、ケース4に継ぎ目などが形成されていても、モールド樹脂材50が外部に漏出する虞れはなく、ケース4におけるモールド樹脂材50の漏れ対策を施す必要もないので、ケース4の構造を簡素化できる。また、コイル固定用皿45はコイル収容部47を一体形成しているので、コイル収容部47に隙間などがなく、コイル収容部47から外部にモールド樹脂材50が漏れることもない。さらに、コイル収容部47の壁面46はトロイダル形状のコイル43の外周に沿って、このコイル43と比較的近接して円筒状に形成されており、モールド樹脂材50の充填量を必要最小限に抑えることができる。このため、モールド樹脂材50の充填量が従来よりも減った分、ノイズフィルタ3の軽量化を効果的に達成できる他に、モールド樹脂材50の充填時間も短縮して作業効率も向上し、製品のコストダウンも達成できる。
【0026】
また、ノイズフィルタ3の外郭であるケース4が金属製である場合、コイル43との絶縁が問題となるが、本実施例におけるコイル固定用皿45は樹脂製で、いわばコイル43とケース4との間に介在する絶縁部材としての機能も兼用するため、従来の絶縁板112(図8参照)が不要になり、この点でも部品点数の削減を図ってコストダウンを図ることができる。
【0027】
ところで、本実施例のような縦長矩形箱状を有するケース4の場合、ケース4の特に左右方向の幅W3を極力小さくする必要がある関係で、トロイダル形状のコイル43は、ケース4の左右側面14に沿って縦置きに配置せざるを得ず、コイル43を構成する巻線44の引出し端部すなわち一端部52は、ケース4の内部でケース4の奥行き方向に沿って一列に並設される。したがって、作業性を高めるためにケース4のフロント面12に端子台23,24を配置し、そこに左右方向に入力端子21や出力端子22を並設すると、これらの入力端子21や出力端子22が前記巻線44の一端部52と直交して、巻線44の一端部52を直接入力端子21や出力端子22に接続することが困難となる。
【0028】
しかし、本実施例では各々の入力端子21や出力端子22と、これに対応する各巻線44の一端部52との間を、それぞれ形状の異なるL字形のバスバー55,56,57で連結している。すなわちこのバスバー55,56,57は、単に入力端子21や出力端子22とコイル43の巻線44との連結を図っているのではなく、左右方向に並んだ入力端子21や出力端子22の接続部を、巻線44の一端部52と同じ配列方向に転換する方向転換金具としての機能をも兼用している。そのため、バスバー55,56,57の基端部(端子取付部60)は入力端子21や出力端子22に対向し、バスバー55,56,57の先端部(接続部59)は巻線44の一端部52に対向するので、いずれの接続作業も容易に行なうことができる。これにより、縦長矩形箱状を有するケース4の利点を活かしつつも、コイル43の巻線44と入力端子21や出力端子22との接続作業を、バスバー55,56,57によって簡単に行なうことが可能になる。
【0029】
以上のように、本実施例のノイズフィルタ3は、金属製のケース4と、このケース4内に設けられる2つのコイル43と、各コイル43に一つずつ設けられ、コイル43の外形に沿った形状の壁面46を有するコイル収容部47を形成し、このコイル収容部47にコイル43を収容してケース4に取付けられる樹脂製のコイル固定用皿45と、コイル収容部47とコイル43との間に充填されるモールド樹脂材50と、2つのコイル43間を電気的に接続する中継金具64とにより構成され、中継金具64がコイル固定用皿45を介在してケース4に取付けられるように、中継金具64がコイル固定用皿45に取付け固定されている。
【0030】
これにより、ケース4に取付けられたコイル固定用皿45のコイル収容部47にコイル43を収容し、このコイル43の外側周囲にモールド樹脂材50を流し込むと、モールド樹脂材50はコイル収容部47の壁面46により堰き止められて、コイル収容部47よりも外方に流出しなくなる。したがって、モールド樹脂材50がケース4内全体に充填されることはなく、コイル固定用皿45を介在させただけで、ケース4外部へのモールド樹脂材50の漏出を確実に防止できると共に、ケース4におけるモールド樹脂材50の漏れ対策を施す必要もなく、ケース4の構造を簡素化できる。また、壁面46はコイル43の外形に沿って形成されるので、モールド樹脂材50の充填量を必要最小限に抑えることができる。よって、ノイズフィルタ3の軽量化を効果的に達成できる。
【0031】
また特に本実施例では、ケース4が金属製であり、コイル固定用皿45が樹脂製であるので、コイル43を収容するコイル固定用皿45が、金属製のケース4に対する絶縁部材を兼用し、従来の絶縁板112を不要にできる。
【0032】
さらに本実施例では、ケース4が特に縦長矩形箱状に形成され、このケース4の側面すなわち左右側面14の一方に、コイル固定用皿45が取付けられている。この場合、ケース4は縦長矩形箱状、すなわち基盤1などに取付けられる底面すなわち被取付面11から、前面すなわちフロント面12に至る前後方向の奥行きが、少なくとも一方の側面(左右側面14)間の長さよりも長い寸法に形成されるので、奥行きの短い弁当箱形状のものよりも基盤1などへの取付面積が少なくなる。したがって、薄型でかつ小型のノイズフィルタ3を容易に実現できる。
【0033】
以上、本発明のノイズフィルタについて前記実施例に基づき説明してきたが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載されるノイズフィルタによれば、モールド樹脂材の使用量を限定して軽量化を図り、かつケースからのモールド樹脂材の漏れを確実に防止できる。さらに、ケースにおけるモールド樹脂材の漏れ対策を施す必要もなく、ケースの構造を簡素化できる。また、絶縁部材を兼用するコイル固定用皿により、従来の絶縁板を不要にして部品点数の削減を図ることができる。しかも、中継金具とケースとの確実な絶縁を図ることができる。
【0035】
また、請求項2に記載されるノイズフィルタによれば、モールド樹脂材の使用量を限定して軽量化を図りつつも、さらに薄型でかつ小型のノイズフィルタを容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるノイズフィルタの取付状態を示す正面図である。
【図2】 同上ノイズフィルタの側面図である。
【図3】 同上ケースカバーを外した状態のノイズフィルタの側面図である。
【図4】 同上コイル固定用皿の側面図である。
【図5】 同上コイルおよびその周辺の要部断面図である。
【図6】 同上バスバーと巻線の一端部をあらわした平面図である。
【図7】 同上入力端子周辺の斜視図である。
【図8】 従来例を示すノイズフィルタの断面図である。
【符号の説明】
4 ケース
43 コイル
45 コイル固定用皿
46 壁面
47 コイル収容部
50 モールド樹脂材
64 中継金具
Claims (2)
- 金属製のケースと、
このケース内に設けられる2つのコイルと、
前記各コイルに一つずつ設けられ、前記コイルの外形に沿った形状の壁面を有するコイル収容部を形成し、このコイル収容部に前記コイルを収容して前記ケースに取付けられる樹脂製のコイル固定用皿と、
前記コイル収容部と前記コイルとの間に充填されるモールド樹脂材と、
前記2つのコイル間を電気的に接続する中継金具とにより構成され、
前記中継金具が前記コイル固定用皿を介在して前記ケースに取付けられるように、前記中継金具が前記コイル固定用皿に取付け固定されることを特徴とするノイズフィルタ。 - 前記ケースが縦長矩形箱状に形成され、このケースの側面に前記コイル固定用皿が取付けられることを特徴とする請求項1記載のノイズフィルタ。
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