JP4465571B2 - 既存建物の免震化構法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、既存建物を免震化するための構法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、既存建物を免震化するための構法としては、例えば、特開平8−284177号公報に記載のものがある。この構法は、既存建物の地下部分を掘削した後、その掘削底に厚肉のフラットスラブを打設し、次に前記フラットスラブを足場として前記既存建物の基礎をジャッキにより支承し、しかる後、前記基礎を支持する既存杭の上端部を撤去すると共に、前記フラットスラブ上に前記既存杭の上部分を鉄筋コンクリートで包みながら支柱を構築し、さらに前記支柱と前記基礎との間に免震装置を介装するようにしたものである。この免震化構法によれば、フラットスラブ上を、凹凸のない広い作業スペースとして提供できることから作業能率が向上し、既存建物を高能率に免震化できる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の免震化構法によれば、フラットスラブを既存建物を仮支承する受けとして用い、かつ支柱および免震装置を介して既存建物を本支承する受けとして用いているため、該フラットスラブを厚肉に打設しなければならず、その打設に多くの労力と時間とを要して、これが施工コストを押上げる大きな要因になっていた。
【0004】
本発明は、上記した問題点を解決することを課題としてなされたもので、その目的とするところは、従来構法がもつ利点を犠牲にすることなく、フラットスラブの打設に要する労力並びに時間を削減し、もって施工コストの低減に大きく寄与する既存建物の免震化構法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、既存建物の地下部分を、既存杭の周りの部分が凹部となるように掘削し、前記既存杭の周りの地盤中に複数の新規杭を打設し、次に前記凹部内に前記既存杭を包む状態で支板を打設し、次に前記新規杭を受けとして既存建物の基礎を支承しながら、前記支板の上方に突出する既存杭の上部分を該支板の上面に近接する部位で切除し、次に前記地下部分の掘削底に前記既存杭および新規杭を包む状態で前記支板と一体化させながらフラットスラブを打設し、しかる後、前記既存杭の切断端の上に前記フラットスラブの一部を共用して支柱を構築すると共に、前記支柱と前記基礎との間に免震装置を介装することを特徴とする。
この発明においては、新規杭を既存建物を仮支承する受けとして用い、かつ既存杭を支柱および免震装置を介して既存建物を本支承する受けとして用いるので、フラットスラブには横力を負担する梁としての機能を持たせるだけでよく、フラットスラブにかかる負担は著しく軽減され、これによりその薄肉化が可能になる。
この場合、支板の上面に近接する部位で既存杭を切除することにより、支板の上方空間を、支柱および免震装置の設置に最大限に利用することができ、これにより地下空間を余分に深く掘下げる必要はなくなる。
【0006】
この発明においては、上記作用を奏するほか、フラットスラブの一部を支柱として用いるので、フラットスラブの打設面すなわち掘削底を浅くすることができる。また、このフラットスラブは支板と一体となって既存杭に連結されるので、横力を負担する梁としての機能が損なわれることはない。
【0007】
上記発明において、新規杭を打設する方法は任意であるが、既存建物の基礎を反力受けとしてジャッキにより圧入する方式を採用することができる。
この場合、新規杭の打設に用いたジャッキをそのまま基礎の支承に用いるようにしても、新規杭の打設に用いたジャッキに換えた支持部材を基礎の支承に用いるようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施の形態としての免震化構法により構築した免震構造体10を示したものである。同図おいて、1は、フーチング2と基礎梁3とからなる既存建物の基礎、4は、基礎1のフーチング2上に立設された既存建物の柱、5は、当初は基礎1のフーチング2を支持するように地盤A中に打設された複数の杭(既存杭)である。なお、既存杭5としては、PC杭や鋼管杭(既製杭)、RC杭(場所打ち杭)等があるが、ここでいう既存杭5は、その種類を問わない。既存建物の地下部分は、掘削により掘下げられて地下空間Bとして提供されており、この地下空間Bの底(掘削底)Cと基礎1を構成する各フーチング2との間には、前記既存杭5の上部分5a(一点鎖線で示す)に換えて、本免震構造体10が設置されている。
【0010】
免震構造体10は、ここでは前記掘削底Cに打設されたフラットスラブ11と、上部分5aを切除した既存杭5上に構築された支柱12と、この支柱12の上面に固設した副支柱としての下部ベース13およびフーチング2の下面に固設された副支柱としての上部ベース14の間に介装された免震装置15とから概略構成されている。免震装置15は、ゴム板と鉄板とを交互に積層してなるもので、下部ベース13、上部ベース14に予め埋設した袋ナットと免震装置15のフランジを挿通して該袋ナットにねじ込んだボルトとからなるねじ締結手段16により下部ベース13、上部ベース14に対して脱着可能に結合されている。なお、図1中、17は既存杭5の周りの地盤A中に打設した新規杭、18は前記新規杭17の打設および基礎1の支承に用いたジャッキであり、これらについては、後に詳述する。また、図1中、19はフラットスラブ11の打設に先行して掘削底Cに打設された床板(通称、土間コン)である。
【0011】
図2および図3は、上記免震構造体10を構築する免震化構法を順を追って示したものである。既存建物の免震化に際しては、先ず、既存建物の周囲を掘削して擁壁(図示略)を打設し、その後、既存建物の地下部分を、適宜の掘削機械、例えばミニバックホウ等により掘削して地下空間Bをつくる。この地下空間Bは、既存建物の地下部分に全面的に形成しても、あるいは当面の施工対象であるフーチング2の下方域およびこの下方域と既存建物の周辺域とを接続する領域に部分的に形成してもよい。地下空間Bの深さは、掘削底Cにフラットスラブ11を打設してもなお、所望の作業空間を確保するに足る十分な深さ(例えば、1.5〜3.0m)とする。この掘削により、地下空間Bには、図1〜図3に示すように前記基礎1を構成するフーチング2および基礎梁3を始め、既存杭5の上部分5aが露出する。
【0012】
次に、図2丸付き数字(以下、カッコ付き数字でも示す)1に示すように基礎1のフーチング2を反力受けとしてジャッキ18により既存杭5の周りの地盤A中に前記新規杭17を打設する。新規杭17の打設は、所定長さの鋼管17´を継足しながら地盤A中に圧入する方式で行い、最終的にその杭頭部を前記掘削底Cから適当長さだけ突出させるようにする。そして、この新規杭17の打設後、前記ジャッキ18はそのまま新規杭17と基礎1のフーチング2との間に介装した状態で残すようにする。
【0013】
次に、図2(2)に示すように掘削底C(床板19)上にフラットスラブ11を打設する。このフラットスラブ11は、鉄筋コンクリートからなるもので、前記複数の既存杭5および新規杭17を包むように打設する。フラットスラブ11は、一様な厚さとする必要はなく、例えば、既存杭5と新規杭17との周りをその他の部分に比べて厚くしてもよい。
【0014】
次に、図2(3)に示すように、先ず掘削底Cの全面に薄く床板19を打設し、続いて前記新規杭17を受けとして前記ジャッキ18により基礎1(フーチング2)を支承し、地下空間B内に露出している既存杭5の上部分5aを撤去する。この既存杭5の上部分5aの撤去に際しては、フラットスラブ11に近接する部位とフーチング2に近接する部位との2箇所で既存杭5を切断するようにする。なお、この切断により既存杭5の切断端部5bがフラットスラブ11の上面からわずか突出する一方で、既存杭5の杭頭部がフーチング2の下面にわずかの残骸5cとして残るが、この切断端部5bおよび残骸5cは、切断機械(図示略)のセットスペースにより不可避的に生じたものである。
【0015】
次に、図3(4)に示すように上部分5aが撤去された既存杭5の切断端部5b上に、基礎1のフーチング2と対向させた状態で所定の厚さの支柱12を構築する。支柱12は、ここでは鉄筋コンクリートからなるもので、前記新規杭17も包むようにかつフラットスラブ11と一体となるように構築する。支柱12をフラットスラブ11に一体化するには、予めフラットスラブ11の上面をわずか掘削してその鉄筋を露出させ、これに連結して支柱12内の配筋を行うようにすればよい。
【0016】
次に、図3(5)に示すように支柱12上に下部ベース13を該支柱12と一体となるように構築し、さらに前記ねじ締結手段16を用いて前記下部ベース13上に免震装置15を載置固定する。下部ベース13は、ここでは背面に袋ナットを突設した鉄板(図示略)と該鉄板の背面側に前記袋ナットを埋込むように打設された鉄筋コンクリート層(図示略)とからなっており、その鉄筋コンクリート層が支柱12に一体化されている。前記鉄筋コンクリート層を支柱12に一体化するには、予め支柱12の上面をわずか掘削してその鉄筋を露出させ、これに連結して支柱12内の配筋を行うようにすればよい。
【0017】
その後は、フーチング2の下面に、上記下部ベース13の構築と同様の方法で上部ベース14(図1)を構築し、さらに前記ねじ締結手段16を用いて前記上部ベース14を免震装置15に固定する。なお、上部ベース14は既存杭5の杭頭部の残骸5cを包むように構築してもよい。そして、免震装置15の据付け完了後、前記新規杭17上からジャッキ18を撤去し、これにて1つのフーチング2下への免震構造体10の設置は完了する。
【0018】
このようにして、既存建物のフーチング2下に対して免震構造体10の設置を順次行い、これにて既存建物の免震化は完了する。この免震化により、基礎1を含めた既存建物の荷重は、免震装置15および支柱12を介して既存杭5に伝達されるが、既存杭5は十分なる鉛直方向の支持力を有しているので、従前と同様に既存建物の支持は安定する。なお、支柱12および免震装置15にも既存建物の載荷重がかかるので、それぞれは既存建物の載荷重に耐える十分なる大きさとする必要があることは、いうまでもない。
【0019】
一方、フラットスラブ11には横力が加わるが、このフラットスラブ11は、既存杭5および新規杭17を包んで打設されているので、前記横力にも十分に耐えるものとなり、梁として機能する。しかして、前記横力は鉛直方向の荷重に比べればかなり小さいので、フラットスラブ11としてはそれほどの厚さTを要しない。すなわち、フラットスラブ11にかかる負担は、基礎を仮支承しかつ既存建物を本支承する受けとして用いられる従来構法(特開平8−284177号公報)のフラットスラブに比べて著しく軽減され、その薄肉化が可能になる。換言すれば、フラットスラブ11を薄肉化できる分、その打設に要する労力並びに時間は削減され、施工コストの低減を達成できる。
【0020】
本第1の実施の形態においては特に、フラットスラブ11に近接する部位で既存杭5を切断しているので、フラットスラブ11の上方空間を、支柱12および免震装置15の設置に最大限に利用することができ、地下空間Bを余分に深く掘下げる必要がなくなり、この面でも施工コストは低減する。また、フラットスラブ11に近接する部位とフーチング2に近接する部位との2箇所で既存杭5を切断するようにしているので、フーチング2の下方の地下空間Bは大きく開放され、その後における支柱12の構築作業、免震装置15の介装作業は容易となる。また、新規杭17がフラットスラブ11に包まれているので、両者の間の摩擦力が新規杭17の支持力の増強に寄与し、施工の安定性が向上する。さらに、新規杭17の打設に用いたジャッキ18をそのまま基礎1の支承に用いるので、効率よく施工を行うことができる。
【0021】
なお、上記第1の実施の形態においては、支柱12を鉄筋コンクリート製としてフラットスラブ11に一体化したが、この支柱12は、フラットスラブ11とは独立に構築してもよく、また、鉄筋コンクリート製に代えて、鋼構造物としてもよいものである。
また、上記第1の実施の形態においては、フラットスラブ11を打設した後、新規杭17上のジャッキ18により基礎1を支承して既存杭5の上部分5aを撤去するようにしたが、これらの施工順序は逆、すなわち新規杭17上のジャッキ18により基礎1を支承して既存杭5の上部分5aを撤去した後、フラットスラブ11を打設するようにしてもよい。この場合は、フラットスラブ11の上面を既存杭5の切断端面と面一となるように打設することができるので、フラットスラブ11の打設面すなわち掘削底Cを浅くすることができ、地下空間Aの掘削に要するコストは低減する。
【0022】
図4は、本発明の第2の実施の形態としての免震化構法により構築した免震構造体20を示したものである。なお、本免震構造体20の基本構造は、上記第1の実施の形態における免震構造体10と同じであるので、ここでは、前記図1に示した部分と同じ部分には同一符号を付すこととする。本第2の実施の形態においては、既存建物下の掘削底Cの、既存杭5を囲む箇所に凹部21を形成して、この凹部21内にフラットスラブ11の支板22を打設し、また、このフラットスラブ11に一部を共用する状態で支柱12を構築し、さらに掘削底Cには薄肉の床板19を打設している。
【0023】
図5および図6は、上記免震構造体20を構築する免震化構法を順を追って示したものである。この場合、上記第1の実施の形態と同様に、先ず、既存建物の地下部分を掘削して地下空間Bをつくるが、この掘削に際しては、図5(1)に示すように既存杭5の周りを深く掘下げて凹部21を形成する。そして、掘削底Cの全面に前記した床板19を打設した後、凹部21の底の地盤A中に、第1の実施の形態と同様に基礎1のフーチング2を反力受けとしてジャッキ18により前記新規杭17を打設し、この新規杭17の打設後、前記ジャッキ18はそのまま新規杭17とフーチング2との間に介装した状態で残す。その後、前記凹部21内に配筋して鉄筋コンクリートからなる支板22を打設する。
【0024】
次に、図5(2)に示すように前記新規杭17を受けとして前記ジャッキ18により基礎1(フーチング2)を支承し、地下空間B内に露出している既存杭5の上部分5aを撤去する。この既存杭5の上部分5aの撤去に際しては、支板22に近接する部位とフーチング2に近接する部位との2箇所で既存杭5を切断するようにし、これにより、支板22の上面には既存杭5の切断端部5bが、フーチング2の下面には既存杭5の杭頭部の残骸5cがそれぞれ残る。
【0025】
次に、図6(3)に示すように前記床板19および支板22の上面に所定厚さとなるようにフラットスラブ11を打設する。この時、予め支板22の上面をわずか掘削してその鉄筋を露出させ、これに連結してフラットスラブ11内の配筋を行うようにし、これにより支板22を一体に有するフラットスラブ11が完成する。なお、このフラットスラブ11の打設により既存杭5の切断端部5bはフラットスラブ11内に埋込まれた状態となる。
次に、図6(4)に示すように前記フラットスラブ11上にこれと一体化して支柱12を構築する。この支柱12の構築に際しては、予めフラットスラブ11の上面をわずか掘削してその鉄筋を露出させ、これに連結して支柱12内の配筋を行うようにする。この場合、支柱12とフラットスラブ11との境目はなくなるが、仮想的に既存杭5の切断端部5b上に所定の厚さの支柱12が構築されるようになる。
【0026】
その後は、上記第1の実施の形態と同様の手順で、支柱12上に下部ベース13を、フーチング2の下面に上部ベース14をそれぞれ固設して、これらの間に免震装置15を介装し(図3(5)参照)、さらに新規杭17上からジャッキ18を撤去し、これにて1つのフーチング2下への免震構造体20の設置は完了する。
そして、第1の実施の形態と同様に既存建物のフーチング2下に対して前記免震構造体20の設置を順次行い、これにより既存建物の免震化は完了する。本第2の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態の作用効果に加え、フラットスラブ11に一部を埋没させた状態で支柱12を構築するので、その埋没させた分、フラットスラブ11の打設面すなわち掘削底Cを浅くすることができ、地下空間Aの掘削に要するコストはより一層低減する。また、このフラットスラブ11は支板22と一体となって既存杭5に連結されるので、梁としての機能を失うこともない。
【0027】
なお、上記第1、第2の実施の形態においては、基礎1のフーチング2を反力受けとしてジャッキ18により新規杭17を打設するようにしたが、フーチング2にスペース的な余裕がない場合は、基礎1の基礎梁3を反力受けとして用いてもよい。ただし、この場合は、必要に応じて基礎梁3とフーチング2との結合部を補強する。
また、上記第1、第2の実施の形態においては、新規杭17の打設に用いたジャッキ18をそのまま基礎1(フーチング2)の支承に用いて既存杭5を切除するようにしたが、新規杭17を打設した後、このジャッキ18を他の支持部材に換えて、該支持部材により既存建物を支承しながら既存杭5を切除するようにしてもよい。この場合は、ジャッキ18を次のフーチング2下への新規杭17の打設に転用できるので、用意するジャッキ18の数を可及的に削減できる。
また、第1、第2の実施の形態においては、支柱12の構築と、下部ベース13の構築と、免震装置15の据付けと上部ベース14の構築とを経時的に別個に施工するようにしたが、これらの施工は、免震装置15を型枠に組込む状態として同時に行ってもよい。この場合は、支柱12等の打設に用いたコンクリートの硬化を待ってジャッキ18を撤去することで、免震装置15は支柱12と基礎1との間に介装された状態となる。
【0028】
さらに、上記第1、第2の実施の形態においては、既存建物の基礎1の全てのフーチング2下に免震構造体10を設置するようにしたが、本発明は、選択された所定数のフーチング2下に免震構造体10を設置して、残りのフーチング2に対しては他の構造の免震構造体を設置するようにしてもよいものである。
【0029】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る既存建物の免震化構法によれば、フラットスラブの薄肉化を図ることができるので、フラットスラブの打設に要する労力と時間とを従来構法よりも削減することができ、施工コストの低減に大きく寄与するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態である免震化構法により構築した免震構造体を示す断面図である。
【図2】 本第1の実施の形態の施工手順の前半段階を示す断面図である。
【図3】 本第1の実施の形態の施工手順の後半段階を示す断面図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態である免震化構法により構築した免震構造体を示す断面図である。
【図5】 本第2の実施の形態の施工手順の前半段階を示す断面図である。
【図6】 本第2の実施の形態の施工手順の後半段階を示す断面図である。
【符号の説明】
1 既存建物の基礎、 2 フーチング、 3 基礎梁
5 既存杭、 5a 既存杭の上部分、 5b 既存杭の切断端部
10、20 免震構造体
11 フラットスラブ
12 支柱
13 下部ベース、 14 上部ベース
15 免震装置
17 新規杭
18 ジャッキ
21 凹部
22 支板
A 地盤
B 地下空間
C 掘削底
Claims (5)
- 既存建物の地下部分を、既存杭の周りの部分が凹部となるように掘削し、前記既存杭の周りの地盤中に複数の新規杭を打設し、次に前記凹部内に前記既存杭を包む状態で支板を打設し、次に前記新規杭を受けとして既存建物の基礎を支承しながら、前記支板の上方に突出する既存杭の上部分を該支板の上面に近接する部位で切除し、次に前記地下部分の掘削底に前記既存杭および新規杭を包む状態で前記支板と一体化させながらフラットスラブを打設し、しかる後、前記既存杭の切断端の上に前記フラットスラブの一部を共用して支柱を構築すると共に、前記支柱と前記基礎との間に免震装置を介装することを特徴とする既存建物の免震化構法。
- 支板の上面に近接する部位で既存杭を切除することを特徴とする請求項1に記載の免震化構法。
- 既存建物の基礎を反力受けとしてジャッキにより圧入する方式で新規杭を打設することを特徴とする請求項1または2に記載の免震化構法。
- 新規杭の打設に用いたジャッキをそのまま基礎の支承に用いることを特徴とする請求項3に記載の免震化構法。
- 新規杭の打設に用いたジャッキに換えた支持部材を基礎の支承に用いることを特徴とする請求項3に記載の免震化構法。
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