JP4465482B2 - 匂い測定装置 - Google Patents

匂い測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4465482B2
JP4465482B2 JP2004155170A JP2004155170A JP4465482B2 JP 4465482 B2 JP4465482 B2 JP 4465482B2 JP 2004155170 A JP2004155170 A JP 2004155170A JP 2004155170 A JP2004155170 A JP 2004155170A JP 4465482 B2 JP4465482 B2 JP 4465482B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
odor
container
gas
sample gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004155170A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005337816A (ja
Inventor
高道 中本
克弘 小林
淳二 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical Tokyo Institute of Technology NUC
Priority to JP2004155170A priority Critical patent/JP4465482B2/ja
Publication of JP2005337816A publication Critical patent/JP2005337816A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4465482B2 publication Critical patent/JP4465482B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Description

本発明は、匂い測定装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載された匂い測定装置が知られている。この匂い測定装置は、匂いを発する試料が封入される容器と、この容器に乾燥空気からなるキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段と、容器を通過したキャリアガスに含まれる匂い成分を検出する測定手段とを備えて構成されている。
ところで、口臭は、三種類の匂い成分(硫化水素(hydrogen sulfide);ジメチルサルファイド(dimethyl sulfide);メチルメルカプタン(methylmercaptan))が原因とされているが、口臭の測定は、医師による官能検査と匂い測定装置(口臭測定器)による検査とに依存している。なお、本明細書では、硫化水素、ジメチルサルファイド、メチルメルカプタンを総称して揮発性硫黄化合物(Volatile Sulfur Compounds)ということがある。
官能検査は、主観的な口臭評価法であって客観的な指標を患者に対して提供できないことから、官能検査の結果に基づいて自臭症に悩む患者を納得させることは困難である。これに対して、匂い測定装置による検査によれば、客観的な指標を患者に対して提供することが可能となる。
特開平11−271204号公報(図1)
ところが、口臭に含まれている揮発性硫黄化合物の濃度が非常に低いことから、特許文献1に係る匂い測定装置では、その感度の向上が望めず、また、揮発性硫黄化合物の種類を識別することも難しい。
なお、このような問題は、口臭を測定する場合に限らず、測定対象となるガス(以下、「サンプルガス」という。)に含まれる匂い成分の濃度が低い場合に共通して当てはまる問題である。
そこで、本発明は、サンプルガスに含まれる匂い成分の濃度が低い場合であっても、精度良く測定することができる匂い測定装置を提供することを課題とする。
本発明に係る匂い測定装置は、匂い成分を捕集する捕集剤が装填された容器と当該捕集剤に捕集された匂い成分を脱着させる脱着手段とを有する濃縮手段と、口臭に含まれる硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンのうちの少なくとも一つの匂い成分を含むサンプルガスの供給源から前記容器に至るサンプルガス供給路と、前記容器にキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段と、前記容器を通過したキャリアガスに含まれる匂い成分を測定する測定手段と、を備えることを特徴とする。
このような匂い測定装置によると、サンプルガスに含まれる匂い成分を濃縮したうえで、この濃縮した匂い成分を測定することが可能となる。つまり、この匂い測定装置によれば、サンプルガスに含まれる匂い成分の濃度が低い場合であっても、精度良く測定することができる。
前記測定手段は、硫化水素に対するセンサ応答パターンとジメチルサルファイドに対するセンサ応答パターンとメチルメルカプタンに対するセンサ応答パターンとが異なるように選択された第一センサ、第二センサおよび第三センサを少なくとも含んでいる。前記第一センサは、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンにも応答する硫化水素用の電気化学式ガスセンサであり、前記第二センサは、硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンにも応答する二酸化硫黄用の電気化学式ガスセンサであり、前記第三センサは、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンに応答する電気化学式ガスセンサである。前記第二センサおよび前記第三センサの少なくとも一方には、硫化水素を除去するフィルタを装着する。このようにすると、口臭に含まれる硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンのうちの少なくとも一つの匂い成分がサンプルガスに含まれている場合に、パターン認識により匂い成分の種類を識別することが可能となる。なお、前記捕集剤としては、活性炭などの多孔質材料を使用するとよい。
また、本発明に係る匂い測定装置においては、前記複数のガスセンサのセンサ応答パターンを認識するパターン認識手段をさらに備えているものであってもよい。匂い測定装置にパターン認識手段を備えておけば、匂い成分の種類を簡易迅速に識別することが可能となる。
なお、電気化学式のガスセンサは、湿度の影響を受け難くいので、例えば、湿度を多く含む口臭の測定に好適である。また、前記各ガスセンサが、口臭に含まれる揮発性硫黄化合物に対して応答するものであれば、口臭の有無や強弱および口臭の質を客観的に評価することが可能となる
また、本発明に係る匂い測定装置によると、サンプルガスに含まれる匂い成分を濃縮したうえで、この濃縮した匂い成分を測定することが可能となる。つまり、本発明に係る匂い測定装置によると、サンプルガスに含まれる匂い成分の濃度が低い場合であっても、精度良く測定することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。
(匂い測定装置)
本実施形態に係る匂い測定装置は、図1に示すように、サンプルガスに含まれる匂い成分を濃縮する濃縮手段10と、この濃縮手段10にサンプルガスを供給するサンプルガス供給手段20と、濃縮手段10にキャリアガスを供給するキャリアガス供給手段30と、匂い成分を測定する測定手段40とを備えて構成されている。
なお、本実施形態に係る匂い測定装置には、濃縮手段10の前段に設けられた入口弁V1と、濃縮手段10の後段に設けられた出口弁V2と、入口弁V1とキャリアガス供給手段30との間に設けられた排出弁V3と、出口弁V2とサンプルガス供給手段20のポンプ22との間に設けられた吸入弁V4と、前記の各手段10〜40および各弁V1〜V4を制御するコンピュータ50とが備えられている。
ここで、入口弁V1および出口弁V2は、それぞれ電磁駆動式の三方弁であり、入口弁V1は、第一流路R1と第三流路R3とを連通させる状態と、第一流路R1と第六流路とを連通させる状態とを切換可能に構成されており、出口弁V2は、第二流路R2と第四流路R4とを連通させる状態と、第二流路R2と第九流路R9とを連通させる状態とを切換可能に構成されている。
また、排出弁V3および吸入弁V4もそれぞれ電磁駆動式の三方弁であり、排出弁V3は、第七流路R7と第六流路R6とを連通させる状態と、第七流路R7と排出路R11とを連通させる状態とを切換可能に構成されており、吸入弁V4は、第四流路R4と第五流路R5とを連通させる状態と、吸入路R12と第五流路R5とを連通させる状態とを切換可能に構成されている。
なお、各弁V1〜V4は、コンピュータ50と電気的に接続されており、コンピュータ50からの指令に基づいて駆動する。
濃縮手段10は、サンプルガスに含まれる匂い成分を濃縮するものであり、筒状の容器11と、容器11の周囲に配置された加熱部12と、容器11の温度を計測する温度センサ13と、加熱部12を制御する温度コントローラ14とを有している。
容器11は、その一端が第一流路R1を介して入口弁V1に接続されており、その他端が第二流路R2を介して出口弁V2に接続されている。容器11の内部には、図2に示すように、匂い成分を捕集する捕集剤11aが装填されており、容器11の両端の開口部は、封止材11b,11b(図2では一方のみを図示している)で閉塞されている。捕集剤11aとしては、例えば、活性炭などの多孔質材料からなる吸着剤、2,6-diphenyl-p-phenylene oxide 構造の耐熱性樹脂、担体で保持されたODPN(β,β'-Oxydipropionitrile)、これらの混合材料などが使用される。
加熱部12は、容器11を介して捕集剤11aを加熱するものであり、容器11の外周に巻装されたニクロム線12aからなる。つまり、加熱部12は、捕集剤11aに捕集された匂い成分を揮発(蒸発)させるものであり、捕集剤11に捕集された匂い成分を脱着させる脱着手段として機能する。なお、ニクロム線12aは、絶縁用シリコンチューブ12bの中に挿通されている。
温度センサ13は、一端が容器11の外周面に接続され、他端が温度コントローラ14(図1参照)に接続された熱電対13a,13aからなる。
図1に示す温度コントローラ14は、コンピュータ50と電気的に接続されており、温度センサ13で計測された容器11の温度とコンピュータ50にて設定された脱着温度および昇温速度とに基づいてニクロム線12a(図2参照)に流す電流の大きさを制御する。つまり、温度コントローラ14は、容器11(捕集剤11a)の温度を制御するものであり、容器11(捕集剤11a)の温度をコンピュータ50にて設定された昇温速度で上昇させることができ、さらには、容器11(捕集剤11a)の温度をコンピュータ50にて設定された脱着温度に保つことができる。
サンプルガス供給手段20は、図1に示すように、匂い成分を含むサンプルガスが封入されているサンプリングバッグ21と、ポンプ22とを有している。
サンプリングバッグ21は、サンプルガスの供給源であり、第三流路R3、入口弁V1および第一流路R1からなるサンプルガス供給路を介して容器11の一端に接続されている。
ポンプ22は、第五流路R5、吸入弁V4、第四流路R4、出口弁V2および第二流路R2を介して容器11の他端に接続されており、第五流路R5側の気体を吸入し、吐出路R13側へ吐出する。
キャリアガス供給手段30は、キャリアガスが封入されているボンベ31と、このボンベ31から流出するキャリアガスの流量を制御するマスフローコントローラ32とを有している。なお、キャリアガスとしては、例えば、乾燥空気が使用される。
ボンベ31は、第八流路R8を介してマスフローコントローラ32に接続されており、マスフローコントローラ32は、第七流路R7、排出弁V3、第六流路R6、入口弁V1および第一流路R1を介して容器11の一端に接続されている。なお、マスフローコントローラ32をコンピュータ50に電気的に接続し、コンピュータ50でマスフローコントローラ32を制御するように構成してもよい。
測定手段40は、容器11を通過したキャリアガスに含まれる匂い成分を測定するものであり、異なる特性を有する複数のガスセンサ41,42,…,4n(以下、ガスセンサを区別しないときは符号4nを付す。)からなる。各ガスセンサ4nは、コンピュータ50と電気的に接続されており、そのセンサ応答をコンピュータ50に出力する。各ガスセンサ4nとしては、例えば、酸化物半導体センサ、QCMセンサ、SAWセンサ、導電性ポリマセンサなどを使用することができるが、口臭などサンプルガスに湿気が多く含まれている場合には、電気化学式のガスセンサが好適である。ここで、電気化学式のガスセンサは、定電位電解式であり、出力電圧IAとガスの濃度C0との間に、「IA∝C0」の関係が成り立つ。
コンピュータ50は、各弁V1〜V4の駆動制御、脱着温度の設定、昇温速度の設定、容器11の温度のモニタリング、キャリアガスの流量の設定、各ガスセンサ4nから出力されたセンサ応答の収集などを行うものである。また、本実施形態では、コンピュータ50は、複数のガスセンサのセンサ応答パターンを認識するパターン認識手段として機能する。つまり、コンピュータ50は、複数のガスセンサ4nのセンサ応答から測定された匂い成分についてのセンサ応答パターンを作成し、予め記憶されている匂い成分毎のセンサ応答パターンと比較することにより、測定された匂い成分の種類を識別する。なお、パターン認識の方法としては、例えば、多変量解析法やニューラルネットワークがある。
次に、匂い測定装置を用いた匂い測定方法について説明する。
(捕集工程)
まず、濃縮手段10の容器11に匂い成分を含むサンプルガスを供給する。具体的には、図3(a)に示すように、サンプリングバッグ21から容器11の一端に至る流路(サンプルガス供給路)が連通するように入口弁V1を切り換えるとともに、容器11の他端からポンプ22に至る流路が連通するように出口弁V2および吸入弁V4を切り換えたうえで、ポンプ22を作動させる。そうすると、サンプリングバッグ21内のサンプルガスが容器11に導入され、当該サンプルガスに含まれる匂い成分が捕集剤11aに捕集される。なお、サンプルガスを供給している間は、第七流路R7と排出路R11とが連通するように排出弁V3を切り換えておく。このようにしておくと、ボンベ31からキャリアガスが放出されたとしても、排出路R11から排出されることになるので、第六流路R6〜第八流路R8やマスフローコントローラ32に余分な圧力が作用することがない。
(脱着工程)
所定時間サンプルガスを供給した後に、容器11を介して捕集剤11aを加熱して捕集剤11aに捕集された匂い成分を脱着(揮発)させるとともに、容器11にキャリアガスを供給する。具体的には、加熱部12のニクロム線12b(図2参照)に電流を流して容器11(捕集剤11a)を加熱し、容器11の温度が脱着温度に達した後に、図3(b)に示すように、ボンベ31から容器11の一端に至る流路が連通するように入口弁V1および排出弁V3を切り換えるとともに、容器11の他端から測定手段40に至る流路が連通するように出口弁V2を切り換えたうえで、ボンベ31を開いてキャリアガスを放出させる。そうすると、濃縮された匂い成分が捕集剤11aから離脱してキャリアガスとともに測定手段40に流入することになる。なお、キャリアガスを供給している間は、吸入路R12と第五流路R5とが連通するように吸入弁V4を切り換えておく。このようにしておくと、ポンプ22が作動したとしても、吸入路R12から空気が供給されることになるので、ポンプ22が過負荷となることがない。また、本実施形態では、容器11(捕集剤11a)の温度が脱着温度に達した後に容器11にキャリアガスを供給することとしたが、容器11にキャリアガスを供給しながら容器11(捕集剤11a)の温度を昇温させてもよい。
(測定工程)
そして、測定手段40の各ガスセンサ4nにおいて容器11を通過したキャリアガスに含まれる匂い成分を測定する。なお、各ガスセンサ4nのセンサ応答は、コンピュータ50に送られ、コンピュータ50において収集される。また、コンピュータ50は、収集された各ガスセンサ4nのセンサ応答からサンプルガスに含まれる匂い成分についてのセンサ応答パターンを作成し、予め記憶されている匂い成分毎のセンサ応答パターンと比較することにより、サンプルガスに含まれる匂い成分の種類を識別する。
このように、本実施形態に係る匂い測定装置を用いて前記したような手順で匂いを測定すると、サンプルガスに含まれる匂い成分が濃縮されるので、サンプルガスに含まれる匂い成分の濃度が低い場合であっても、精度良く測定することが可能となる。
次に、前記した匂い測定方法および匂い測定装置の効果を確認するために実施した実験の結果を示す。なお、測定対象となる匂い成分は、口臭の原因とされている硫化水素(hydrogen sulfide)、ジメチルサルファイド(dimethyl sulfide)、メチルメルカプタン(methylmercaptan)である(以下、これらを総称して「揮発性硫黄化合物」ということがある。)。
ここで、本実施例においては、容器11(図1参照)は、外径3.06(mm)、内径2.64(mm)、長さ50(mm)のステンレス製の円筒管であり、捕集剤11a(図1参照)は、40(mg)の活性炭(30/60(mesh))であり、封止剤11b,11bは、ガラス繊維である。また、サンプリングバッグ21(図1参照)の容量は、20(l)である。
なお、サンプルガスをサンプリングバッグ21(図1参照)へ収集するには、例えば、0.1%(w/w)に希釈された揮発性硫黄化合物溶液を容積14(ml)のサンプルボトルに4(ml)入れ、そのヘッドスペースガスをサンプリングバッグ21へ導けばよい。なお、硫化水素は水を用いて、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンはODO(Octyl Decil Oil)を用いて希釈する。
また、本実施例においては、口臭に含まれる揮発性硫黄化合物に対して応答する以下に示す三種類の電気化学式のガスセンサ4n(図1参照)を使用した。
(i)硫化水素用センサ(Dragel Safety社製;XS RH2S 100)
(ii)二酸化硫黄用センサ(Dragel Safety社製;XS SO2
(iii)ガス濃度測定用センサ(Dragel Safety社製;XS odorant(ジメチルサルファイドやメチルメルカプタンなどのガス濃度を測定するもの)
なお、各ガスセンサ(i)〜(iii)は、揮発性硫黄化合物に対して干渉特性を有し、例えば、硫化水素用センサは、硫化水素以外のガスにも応答し、二酸化硫黄用センサは、二酸化硫黄以外のガスにも応答することになるが、三種類のセンサの応答パターン(センサアレイの応答パターン)が異なることから、揮発性硫黄化合物の種類を識別することが可能である。また、例えば、二酸化硫黄用センサおよびガス濃度測定用センサのいずれか一方あるいは双方に、硫化水素を除去するフィルタを装着してもよい。
また、各ガスセンサ(i)〜(iii)は、相対湿度70(%RH)のガスに対して応答しないことが確認された。つまり、電気化学式のガスセンサは、口臭の測定など相対湿度が高い環境下における測定に好適である。
捕集工程では、サンプルガスの流速が800(ml/min)となるようにポンプ22(図1参照)を制御した。また、サンプルガスの供給時間は、180(sec)とした。
脱着工程では、容器11の昇温速度が300(℃/min)になるように温度コントローラ14で加熱部12を制御した。また、脱着温度は、250(℃)とした。
キャリアガスは乾燥空気とし、その流量が500(ml/min)となるようにマスフローコントローラ32を制御した。
図4は、捕集工程および脱着工程を前記の条件で行った場合の二酸化硫黄用センサの応答波形(図中、符号p)と、捕集工程および脱着工程を行わない場合(つまり、サンプルガスを直接計測した場合)の二酸化硫黄用センサの応答波形(図中、符号q)を示すグラフである。なお、センサ応答値は任意スケールである。
このグラフに示すように、捕集工程および脱着工程を行った場合の二酸化硫黄用センサの応答波形のピークが、捕集工程および脱着工程を行わない場合の二酸化硫黄用センサの応答波形の約7.5倍であることがわかる。つまり、前記した匂い測定方法によれば、捕集工程により匂い成分が濃縮されるが故に、サンプルガスに含まれる匂い成分の濃度が低い場合であっても、精度良く測定することが可能となる。なお、図4では、サンプルガスに含まれる匂い成分は硫化水素のみであり、その濃度は3.8(ppm)である。
図5は、サンプルガスの濃度と前記の各ガスセンサの最大応答値との関係を示すグラフであって、図5(a)は、サンプルガスに含まれる匂い成分が硫化水素のみである場合、図5(b)は、サンプルガスに含まれる匂い成分がジメチルサルファイドのみである場合、図5(c)は、サンプルガスに含まれる匂い成分がメチルメルカプタンのみである場合を示している。なお、捕集工程および脱着工程は、それぞれ前記の条件で行った。また、センサ応答値は任意スケールである。
図5の各グラフに示すように、各ガスセンサ(i)〜(iii)の最大応答値(つまり、捕集剤11a(図1参照)から脱着する匂い成分の量)とサンプルガスの濃度とは、おおよそ比例関係にあることがわかる。また、捕集工程および脱着工程が前記の条件であれば、各匂い成分について、0.5(ppm)以下の濃度まで測定できることがわかる。
図6は、各匂い成分について測定した各ガスセンサ(i)〜(iii)の最大応答値に対して行った主成分分析の結果を示すグラフである。ここで、主成分分析とは、多次元の情報を、情報の損失がないように少数の次元に圧縮してデータを表示する方法である。
このグラフに示すように、各匂い成分の応答パターンの分離が可能であることがわかる。つまり、前記した匂い測定装置によれば、サンプルガスに複数の匂い成分が含まれている場合に、匂い成分の種類を識別することが可能となる。また、このグラフから、各匂い成分の最小濃度が0.5(ppm)程度でも匂い成分の種類を識別することが可能であることがわかる。つまり、前記した匂い測定方法によれば、口臭レベルの低濃度の匂い成分を識別することができることがわかる。すなわち、前記した匂い測定装置および匂い測定方法によれば、口臭の有無や強弱および口臭の質を客観的に評価することが可能となる。
(サンプルガスの供給時間の検討)
図7(a)は、サンプルガスの供給時間とセンサ応答との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、サンプルガスの供給時間が長くなるほどセンサ応答は大きくなるが、その増加率は次第に小さくなる傾向にあることがわかる。図7(a)においては、サンプルガスに含まれる匂い成分はジメチルサルファイドのみであり、その濃度は5.7(ppm)である。また、キャリアガスたる乾燥空気の流量を500(ml/min)とし、容器11(図1参照)の脱着温度を250(℃)としている。
(キャリアガスの流量の検討)
図7(b)は、キャリアガスの流量(ml/min)とセンサ応答との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、キャリアガスの流量が大きくなるほどセンサ応答が大きくなることがわかる。なお、センサ応答値は任意スケールである。図7(b)においては、サンプルガスに含まれる匂い成分はジメチルサルファイドのみであり、その濃度は1.2(ppm)である。また、サンプルガスの供給時間を180(sec)とし、容器11(図1参照)の脱着温度を200(℃)としている。
(脱着温度の検討)
図8は、脱着温度とセンサ応答パターンとの関係を示すグラフである。このセンサ応答パターンは、次式により規格化したものである。
Figure 0004465482
このグラフに示すように、脱着温度によってセンサ応答パターンが変化することがわかる。なお、図8においては、サンプルガスに含まれる匂い成分はジメチルサルファイドのみであり、その濃度は1.4(ppm)である。また、サンプルガスの供給時間を180(sec)とし、キャリアガスたる乾燥空気の流量を500(ml/min)としている。
本発明に係る匂い測定装置の構成図である。 濃縮手段を説明するための断面図である。 (a),(b)は本発明に係る匂い測定方法を説明するための図である。 本発明に係る匂い測定方法を実施した場合の二酸化硫黄用センサの応答波形と、当該匂い測定方法を実施しない場合の二酸化硫黄用センサの応答波形を示すグラフである。 図5は、サンプルガスの濃度とガスセンサの最大応答値との関係を示すグラフであって、(a)は、サンプルガスに含まれる匂い成分が硫化水素のみである場合、(b)は、サンプルガスに含まれる匂い成分がジメチルサルファイドのみである場合、(c)は、サンプルガスに含まれる匂い成分がメチルメルカプタンのみである場合である。 図5(a)〜(c)に対して主成分分析を行った結果を示すグラフである。 (a)は、サンプルガスの供給時間とセンサ応答との関係を示すグラフ、(b)は、キャリアガスの流量とセンサ応答との関係を示すグラフである。 脱着温度とセンサ応答パターンとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 濃縮手段
11 容器
11a 捕集剤
12 加熱部(脱着手段)
20 サンプルガス供給手段
30 キャリアガス供給手段
40 測定手段

Claims (3)

  1. 匂い成分を捕集する捕集剤が装填された容器と当該捕集剤に捕集された匂い成分を脱着させる脱着手段とを有する濃縮手段と、
    口臭に含まれる硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンのうちの少なくとも一つの匂い成分を含むサンプルガスの供給源から前記容器に至るサンプルガス供給路と、
    脱着させた匂い成分を移送するキャリアガスを前記容器に供給するキャリアガス供給手段と、
    前記容器を通過したキャリアガスに含まれる匂い成分を測定する測定手段と、を備える匂い測定装置であって、
    前記測定手段は、硫化水素に対するセンサ応答パターンとジメチルサルファイドに対するセンサ応答パターンとメチルメルカプタンに対するセンサ応答パターンとが異なるように選択された第一センサ、第二センサおよび第三センサを少なくとも含み、
    前記第一センサは、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンにも応答する硫化水素用の電気化学式ガスセンサであり、
    前記第二センサは、硫化水素、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンにも応答する二酸化硫黄用の電気化学式ガスセンサであり、
    前記第三センサは、ジメチルサルファイドおよびメチルメルカプタンに応答する電気化学式ガスセンサであり、
    前記第二センサおよび前記第三センサの少なくとも一方に、硫化水素を除去するフィルタが装着されていることを特徴とする匂い測定装置。
  2. 前記捕集剤は、活性炭などの多孔質材料であることを特徴とする請求項1に記載の匂い測定装置。
  3. 前記第一センサ、前記第二センサおよび前記第三センサのセンサ応答パターンを認識するパターン認識手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の匂い測定装置。
JP2004155170A 2004-05-25 2004-05-25 匂い測定装置 Expired - Fee Related JP4465482B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004155170A JP4465482B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 匂い測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004155170A JP4465482B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 匂い測定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005337816A JP2005337816A (ja) 2005-12-08
JP4465482B2 true JP4465482B2 (ja) 2010-05-19

Family

ID=35491564

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004155170A Expired - Fee Related JP4465482B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 匂い測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4465482B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007212258A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Sharp Corp 携帯電話装置
JP4669456B2 (ja) * 2006-09-01 2011-04-13 花王株式会社 揮散性物質採取装置および方法
JP5082419B2 (ja) * 2006-12-11 2012-11-28 株式会社島津製作所 におい識別装置
JP2009222619A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Olympus Corp 物質検出システム
JP5289837B2 (ja) * 2008-06-30 2013-09-11 日本光電工業株式会社 生体由来ガス成分分析装置及び疾病判定支援装置
JP5679437B2 (ja) * 2011-03-02 2015-03-04 国立大学法人東京工業大学 匂い濃縮装置
WO2020003532A1 (ja) * 2018-06-29 2020-01-02 日本電気株式会社 学習モデル作成支援装置、学習モデル作成支援方法、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005337816A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6749912B2 (ja) 検体を測定するための、ミニポイントオブケアのガスクロマトグラフィ検査ストリップ及び方法
JP7086927B2 (ja) バッチ校正可能なテストストリップを用いる検体測定方法と検体測定システム
JP4192409B2 (ja) におい識別装置
US9128061B2 (en) Measuring device and method for detecting the hydrocarbon content in gases
US9301709B2 (en) Method for optimizing the gas conversion rate in a respiratory gas analyzer
WO2008134270A1 (en) Vaporized hydrogen peroxide probe calibration rig
JP4465482B2 (ja) 匂い測定装置
WO2009025488A2 (en) Apparatus and method of analyzing constituents of gas in oral cavity and alveolar gas
JP5160939B2 (ja) ガスセンサ装置
JP4157492B2 (ja) ホルムアルデヒドガス検出装置
JP4164951B2 (ja) 臭気測定装置
JP4472893B2 (ja) におい測定方法
JP2003302316A (ja) 油分測定方法および装置
JP4253971B2 (ja) におい識別装置
JP6847092B2 (ja) 冷媒分析器及び冷媒分析器の使用方法
EP1099949B1 (en) Device for measuring gases with odors
JP3367398B2 (ja) におい測定装置
JP3988675B2 (ja) におい測定装置
JP4042232B2 (ja) ガス測定装置
WO2022038838A1 (ja) 検査装置および検査方法
JP2001041945A (ja) ガス吸収缶検査方法及び検査装置
JP2015072174A (ja) 試料ガス測定装置および試料ガス測定方法
JP3873492B2 (ja) ガス測定装置
Gonzalez et al. Combined pulsed UV and temperature activation of metal oxide nanomaterials in breath analysis applications
JPH11125612A (ja) におい測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071106

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071023

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071023

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090410

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20091118

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091125

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20091119

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100112

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100129

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140305

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees