JP2002350299A - におい測定方法及び装置 - Google Patents

におい測定方法及び装置

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JP2002350299A JP2001157609A JP2001157609A JP2002350299A JP 2002350299 A JP2002350299 A JP 2002350299A JP 2001157609 A JP2001157609 A JP 2001157609A JP 2001157609 A JP2001157609 A JP 2001157609A JP 2002350299 A JP2002350299 A JP 2002350299A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 口臭等、水分と揮発性成分の含有量が多い気
体であっても、高い再現性でもって官能試験結果に近い
測定結果を与えることのできるにおい測定方法及び装置
を提供する。 【解決手段】 気体試料の所定量をにおい成分捕集材に
通過させた後、におい成分捕集材を加熱することなく乾
燥不活性ガス(窒素ガス等)を高速でにおい成分捕集材
に送給することにより、気体試料をにおい成分捕集材か
ら離脱させて分析部に送り、測定する。これにより、試
料に含まれるにおい成分はほぼ全てがにおいセンサに送
られ、測定されることとなる。ここで、水分も同時にに
おいセンサに送られることとなるが、におい成分捕集材
に通過させる気体試料の量を、そこに含まれる水分量が
におい成分捕集材の水分捕集容量以上となるようにして
おくことにより、におい成分捕集材の担持する水分量は
一定値となる。従って、においセンサの測定可能な量を
それ以上としておくことにより、においセンサは目的と
するにおい成分の測定も可能であるし、水分による影響
も容易に補正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、においを測定する
方法及び装置に関し、特に、呼気等の水分と揮発性のに
おい成分を多く含む気体のにおい(例えば口臭)を測定
する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】におい測定装置は基本的にガスセンサで
あり、測定対象である気体試料に含まれる各種成分を定
量的に測定するものである。このようなにおい測定装置
のセンサとしては、金属酸化物半導体や導電性高分子の
抵抗値変化を利用するもの、水晶振動子上に、脂質膜若
しくは有機膜に感応物質を取り込んだ膜を付着し、その
振動周波数の変化を利用するもの、更に、SAWデバイ
ス上に前記感応膜を付着して表面弾性波の変化を利用す
るもの等、種々のタイプのものが考案されている。
【0003】いずれのタイプのものであれ、ガスセンサ
は目的とする成分を吸着して測定を行うものであるが、
ガスセンサに吸着されるのはにおい成分ばかりではな
く、多くの場合、水分も吸着される。従って、におい測
定装置として用いる場合は、従来、予め測定対象気体か
ら水分を除去した後、ガスセンサに送り込むようにして
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、口臭の測定には
ガスクロマトグラフ(以下、「GC」と呼ぶ)と官能試
験が併用されてきた。官能試験は口臭物質を総合して評
価することができるという特長を有するが、測定精度及
び定量化に問題がある。一方、GCによる測定では臭い
を定量化することができるという利点はあるが、口臭の
場合、従来より測定成分が専ら硫化水素(H2S)、メチ
ルメルカプタン(CH3SH)、硫化ジメチル((CH3)2S)の
3種類の揮発性硫化物(以下、「VSC」と呼ぶ)に限
られていたため、総合的な口臭評価に近づき難いという
問題がある。
【0005】特に口臭の強い呼気中にはVSCが多く含
まれると言われているが、上記の通り、従来のにおい測
定装置では予め水分を除去することが前提となっている
ため、水分除去過程でVSCの一部が同時に除去されて
しまい、感度が低くなるという問題もあった。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、口臭
等、水分と揮発性成分の含有量が多い気体であっても、
高い再現性でもって官能試験結果に近い測定結果を与え
ることのできるにおい測定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る水分及びにおい成分を含む気体
試料のにおい測定方法は、該気体試料の所定量をにおい
成分捕集材に通過させた後、該におい成分捕集材を加熱
することなく乾燥不活性ガスを高速で該におい成分捕集
材に送給することにより該気体試料を該におい成分捕集
材から離脱させて分析部に送り、分析部で測定を行うこ
とを特徴とする。
【0008】なお、ここで使用する「不活性ガス」は、
においセンサに対して不活性であればよいのであり、ア
ルゴンガスやヘリウムガス等の狭い意味での不活性ガス
の他、窒素ガスも含む。場合によっては(においセンサ
の種類によっては)、メタンガス等を使用することもで
きる。
【0009】
【発明の実施の形態及び効果】本発明に係るにおい測定
方法では、試料をにおい成分捕集材に担持させた後、そ
れを加熱することなく、乾燥した不活性ガスにより高速
でにおいセンサの方に送り出す。これにより、試料に含
まれるにおい成分はほぼ全てがにおいセンサに送られ、
測定されることとなる。ここで、水分も同時ににおいセ
ンサに送られることとなるが、におい成分捕集材に通過
させる気体試料の量を、そこに含まれる水分量がにおい
成分捕集材の捕集可能な水分量(これをにおい成分捕集
材の水分捕集容量と呼ぶ)以上となるようにしておくこ
とにより、におい成分捕集材の担持する水分量は一定値
(水分捕集容量)となる。従って、においセンサの測定
可能な量をそれ以上としておくことにより、においセン
サは目的とするにおい成分の測定も可能であるし、水分
による影響も容易に補正することができる。
【0010】本発明に係るにおい測定方法の測定対象は
気体に限らない。試料が水溶液である場合、或いは試料
が水分を多く含む固体である場合に、それらを加熱(又
は水溶液の場合はバブリング)することにより生成され
る気体試料も水分を多く含むものとなるが、本発明に係
るにおい測定方法ではこれらも分析対象とすることがで
きる。
【0011】なお、本発明に係る方法において用いる分
析部では、通常のにおい測定装置で用いられている前記
の金属酸化物半導体センサ、導電性高分子膜センサ等を
用いることができる。
【0012】このような本発明に係るにおい測定方法及
びその方法を用いたにおい測定装置は、特に口臭の測定
に適したものである。すなわち、口臭の強い呼気には揮
発性硫化物(VSC)が多く含まれており、これを従来
の方法又は装置で測定すると、水分除去時に口臭として
の寄与度が大きいにおい成分も同時に除去されてしま
い、官能試験の結果と整合しないことが多かった。それ
に対し本発明に係る方法及び装置では揮発性のにおい成
分も逃すことなく分析することができるため、その解析
方法により、官能試験の結果と十分対応した測定結果を
出すことができるようになる。
【0013】
【実施例】本発明に係るにおい測定方法の効果を確認す
るため、呼気を試料として、本方法による測定の結果を
ガスクロマトグラフによる測定の結果及び官能評価の結
果と比較した。
【0014】まず、本発明に係る方法を実施するために
用いた装置の構成と測定方法を説明する。図1は本実施
例のにおい測定装置のガス流路を中心とする構成図であ
る。図1において、純窒素ガス(N)を充填した窒素
ガス容器10のガス出口に設けられた定圧バルブ11の
出口側の流路は、それぞれマスフローコントローラ等の
第1、第2流量制御部13、16及び不純物を除去する
ためのモレキュラシーブフィルタ14、17を備えた第
1窒素ガス流路12と第2窒素ガス流路15の2本の流
路に分岐される。除塵用のPTFEメンブレンフィルタ
19を介して試料吸入口18に接続された試料流路と第
1窒素ガス流路12とは、三方バルブ20により選択的
に六方バルブ(6ポート2ポジションバルブ)21のポ
ートaに接続される。また、第2窒素ガス流路15は六
方バルブ21のポートdに接続されている。六方バルブ
21のポートcとポートfとの間には、加熱用のヒータ
23が設けられた捕集管22が接続されている。この捕
集管22には、測定対象のにおい成分に応じて、例えば
活性炭系吸着剤やその他の適宜の捕集材が充填されてい
る。
【0015】六方バルブ21のポートbは、三方バルブ
24によって、ポンプ25及び流量計26を通過する流
路又は通過しない流路に選択的に接続され、いずれも排
気口27に連なる。六方バルブ21のポートeは、複数
(本例では6個)のにおいセンサ29を設置したフロー
セル28に接続され、その下流側出口は排気口30に接
続されている。においセンサ29は、種々のにおい成分
に対してそれぞれ検出感度の相違する特性を有する、金
属酸化物半導体を感応膜に利用したにおいセンサであ
る。六方バルブ21及びフローセル28は恒温槽36の
内部に設置されており、恒温槽36は温度調節部37に
より所定温度となるように制御されている。
【0016】タンク33にはポンプ32により空気吸入
口31から吸入された空気が圧縮して貯蔵されている。
タンク33は、第3流量制御部34と不純物を除去する
ための活性炭フィルタ35とを介して、フローセル28
の入口に接続されている。これにより、フローセル28
に流れ込む試料に適宜量の空気を混合することができる
ようになっている。なお、空気の代わりに純酸素ガスを
混入する構成としてもよい。純酸素ガスを用いれば、空
気と比較して混合する体積を遥かに減らすことができる
ので、におい成分が希釈される割合が小さく、においセ
ンサ29による検出の感度の向上に有利である。
【0017】6個のにおいセンサ29の検出信号は、そ
れぞれ信号処理部40に入力される。信号処理部40
は、各においセンサ29毎にアナログ検出値をデジタル
値に変換するA/D変換部41と、におい分別処理部4
2と、臭気指数算出部43とを含んでいる。におい分別
処理部42及び臭気指数算出部43は、例えばパーソナ
ルコンピュータ上で所定のソフトウエアを実行させるこ
とにより、その機能を実現することができる。信号処理
部40において算出された臭気指数は表示部39に表示
される。また、制御部38は、所定のプログラムに従っ
て後述のように、三方バルブ20、24、六方バルブ2
1、ポンプ25、32、ヒータ23、温度調節部37、
信号処理部40等を制御する。
【0018】なお、本実施例では、においセンサ29と
して金属酸化物半導体センサを用いているが、これに限
るものではなく、導電性高分子を利用したセンサを用い
てもよい。その場合、フローセル28に空気又は酸素を
供給する必要はないから、図1に示した構成において、
フローセル28に流入するガスに空気を混合するための
構成要素は省くことができる。
【0019】次に、上記におい測定装置により口臭を測
定する方法を説明する。ここでは、下記の3種の条件で
測定を行うこととした。 (a)通常条件…前記従来の測定方法である。 (1)捕集材を低温(40℃)に加熱する。 (2)試料を捕集管22内の捕集材で捕集した後、捕集材
をドライパージ(乾燥)する。 (3)捕集管22をフローセルに接続し、捕集材に窒素ガ
スを流してにおい成分をフローセル28に送り、におい
センサ29で測定を行う。
【0020】(b)トップノート条件…本発明に係る方法
である。 (1)捕集材を低温(40℃)に加熱する。 (2)試料を捕集材で捕集する。ドライパージは行わな
い。 (3)捕集材を加熱することなく、捕集管22をフローセ
ル28に接続する。 (4)捕集材に窒素ガスを高速で流してにおい成分をフロ
ーセル28に送り、においセンサ29で測定を行う。
【0021】(c)ディープノート条件 (1)捕集材を急速に高温(100℃以上)に加熱する。 (2)試料を捕集材で捕集した後、捕集材をドライパージ
(乾燥)する。 (3)捕集管22をフローセル28に接続し、捕集材に窒
素ガスを流してにおい成分をフローセル28に送り、に
おいセンサ29で測定を行う。
【0022】以下にまず、通常条件及びディープノート
条件の場合の口臭の測定方法を説明する。
【0023】(i)呼気の採取 被検者の呼気は次のような条件で採取する。被検者は30
秒間、口を閉じた状態で鼻だけで呼吸をし、その後、所
定容量のにおい袋に口から息を吹き込む。この際の呼気
の量は、その水分量の合計が捕集管22内の捕集材の水
分捕集容量以上となるようにする。呼気を充満させたに
おい袋は、試料吸入口18に取り付ける。
【0024】(ii)試料の捕集 先に捕集材を、通常条件では40℃に、ディープノート
条件では例えば100℃に加熱しておく。制御部38
は、試料吸入口18と六方バルブ21のポートaとが接
続されるように三方バルブ20を切り替えるとともに、
六方バルブ21のポートbがポンプ25に接続されるよ
うに三方バルブ24を切り替える。また、図1の破線で
示す接続状態となるように六方バルブ21を切り替え、
ポンプ25を作動させる。すると、におい袋中の呼気試
料は試料吸入口18から吸引され、メンブレンフィルタ
19にて塵芥等の比較的大きな固形浮遊物が除去され、
三方バルブ20及び六方バルブ21を介して捕集管22
に導入され(図1中の左から右方向)、更に、六方バル
ブ21、三方バルブ24、ポンプ25、流量計26を通
って排気口27から排出される。このときヒータ23に
よる加熱は行わない。
【0025】試料が捕集管22を通過する際、試料に含
まれるにおい成分及び水分は捕集管22内の吸着剤(捕
集材)に吸着される。この吸引の際、制御部38は、流
量計26による検出値が所定の一定値となるようにポン
プ25の吸引力を制御し、試料の流通時間が所定値にな
るようにしている。
【0026】(iii)捕集管内のガスの置換 上記流通時間が経過すると、制御部38は三方バルブ2
0を切り替えて第1窒素ガス流路12を六方バルブ21
のポートaに接続するとともに、三方バルブ24を切り
替えて六方バルブ21のポートbを直接排出口27に接
続する。すると、試料に代わって、窒素ガス容器10よ
り供給された窒素ガスが、第1窒素ガス流路12−三方
バルブ20−六方バルブ21−捕集管22−六方バルブ
21−三方バルブ24を通り、排出口27から排出され
る。これにより、捕集管22を含む流路内部に残ってい
る試料ガスは、窒素ガスにより外部へ押し出される。こ
のとき、ヒータ23による加熱は行われないので、先に
吸着剤に吸着されたにおい成分はそのまま残る。その一
方、窒素ガスは極めて乾燥しているので、吸着特性の弱
い水や流路内壁に付着している水分はその大部分が窒素
ガス中に揮散して外部に運び去られ、これにより一定程
度までの除湿が達成される。
【0027】(iv)においセンサへの試料の導入 その後制御部38は、六方バルブ21を図1に実線で示
す接続状態に切り替える。すると、第2窒素ガス流路1
5−六方バルブ21−捕集管22−六方バルブ21−フ
ローセル28−排気口30という流路が形成される。こ
の状態でヒータ23に通電し、捕集管22を急速に(例
えば10℃/秒程度の温度上昇速度で)加熱する。この
際の加熱は、通常条件の場合220℃まで上昇させられ
る。これにより、捕集管22内の吸着剤に吸着していた
におい成分は吸着剤から離脱し、それ以前とは逆方向
(図1中で右から左方向)に流通する窒素ガスに乗って
フローセル28まで運ばれる。
【0028】タンク33に貯蔵されている空気は、第3
流量制御部34により適宜の流量に調節され、活性炭フ
ィルタ35により測定の外乱となる不所望の成分が除去
された後に、フローセル28に流入する測定ガスに混入
される。空気には酸素ガスが含まれているから、フロー
セル28にはにおい成分とともに酸素ガスが流入し、金
属酸化物半導体から成る感応膜に酸素ガス分子が吸着さ
れ、におい成分の分子との間で酸化還元反応を生じる。
これにより、においセンサ29の導電性が変化し、その
電極間の電気抵抗が変化する。この抵抗変化による検出
信号が信号処理部40に送られる。
【0029】こうした測定の期間中、六方バルブ21、
フローセル28とこれらの間を連結する流路は、温度調
節部37により室温よりもやや高い一定温度(例えば4
0℃程度)に維持される。これにより、周囲温度の変動
によるにおいセンサ29の受ける影響を軽減するととも
に、高沸点化合物が流路内壁等に付着して検出感度の安
定性が損なわれることを防止することができる。
【0030】(v)においセンサの清浄化 上述のように捕集管22の吸着剤に吸着されているにお
い成分を十分に離脱させたならば、制御部38は、六方
バルブ21を再び図1に破線で示す接続状態に切り替
え、温度調節部37により恒温槽36の温度を所定温度
まで上昇させる。これにより、フローセル28には清浄
な窒素ガスが流通する。においセンサ29の温度が上昇
すると、その感応膜に吸着されていたにおい成分やその
他の不純物が離脱し易くなり、窒素ガスに乗って排気口
30から排出される。その結果、においセンサ29の感
応膜は回復し、再びにおい成分を検出可能な状態に戻
る。
【0031】以上説明したのは通常条件及びディープノ
ート条件の場合であるが、トップノート条件の場合は、
上記の(iii)「捕集管内のガスの置換」のプロセスが
省略される。すなわち、捕集管22内の試料(呼気)の
水分はそのまま保持されるが、水分について破過を起こ
しているため、一定量となる。また、(iv)「においセ
ンサへの試料の導入」のプロセスにおいて、試料をフロ
ーセル28に送り出す際、ヒータ23による加熱は行わ
れず、窒素ガスのみによりにおい成分と水分を含む試料
を吸着剤から離脱させる。
【0032】においセンサ29により測定された各成分
の測定値はA/D変換器41を介してにおい分別処理部
42及び臭気指数算出部43に送られる。これらを含む
信号処理部40において行われる処理を図2のフローチ
ャートを参照して説明する。
【0033】まず、上述のようにして導入された試料を
測定し、6個のにおいセンサ29からの6チャンネルの
検出出力を取得する(ステップS1)。6個のにおいセ
ンサ29はそれぞれ異なる選択性や応答特性を有してい
るので、例えば、或るにおい成分に対して或るにおいセ
ンサからは大きな検出出力が得られ、他のにおいセンサ
からは全く検出出力が得られないということがあり得
る。
【0034】図3は、各においセンサ(チャンネル)の
検出出力の分布を示すレーダーグラフの一例である。一
般的に、すべてのセンサの出力が増加した場合、同一の
においの質で強度が増大したものと考えられ、センサ出
力の比率が変われば、その質が変化したものと判定され
る。このような複数のにおいの範疇とその代表的(典型
的)なレーダーグラフのパターンを実験により求め、信
号処理部40のにおい分別処理部42に内蔵したメモリ
に記憶させておく。
【0035】試料測定時には、におい分別処理部42は
A/D変換部41によりデジタル信号に変換された6チ
ャンネルの検出出力を受け取り、上述したようなレーダ
ーグラフを作成し、記憶されているパターンの何れと最
も類似しているかを調べる。そして、その結果により、
試料のにおいの範疇を決定する(ステップS2)。な
お、口臭等、試料が或る種類のにおいに限られているこ
とが明らかな場合、このにおいの範疇の決定は省略する
こともできる。
【0036】そのあと、臭気指数算出部43は、におい
の範疇の分別結果と6チャンネルの検出出力とを用い
て、次式により臭気指数Pを算出する(ステップS
3)。 P=a・S1+b・S2+c・S3+d・S4+e・S5+f・S6+g 但し、Snは第n(n=1〜6)チャンネルの検出出力、a〜gは
係数である。
【0037】上記計算式の中の係数a〜gはにおいの範疇
毎に異なる値を使用するものであるが、試料が口臭に限
られている場合、これらには一定値を用いる。なお、係
数a〜gはにおいの範疇毎に予め実験により求められ、臭
気指数算出部43に内蔵したメモリに記憶されている。
算出された臭気指数Pは表示部39に表示される(ステ
ップS4)。以上が図1のにおい測定装置による口臭の
測定方法である。
【0038】ガスクロマトグラフ(GC)による測定
は、次のような条件で行った。被検者に30秒間、口を閉
じた状態で鼻だけで呼吸をしてもらい、その後、口腔内
の空気をガスタイトシリンジにて10ml採取する。測定物
質は硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン(MESH)及
び硫化ジメチル(DMS)の3種類のVSCとした。これ
らの測定濃度を対数変換後、他の方法との比較データと
して使用した。対数変換を行ったのは、予備実験によ
り、対数変換しなかった場合と比較して官能評価値との
相関が相対的に高いことが明らかになったためである。
【0039】官能試験は次のような条件で行った。被検
者の呼気の採取は、前記のにおい測定装置の場合と同
様、30秒間口を閉じた状態で鼻だけで呼吸をした後、所
定容量のにおい袋に口から息を吹き込むことにより行っ
た。採取した試料を4名のパネラーが0〜5の数値で評
価し、1つの試料についての4名の評価値の平均値をそ
の試料の官能評価値値とした。
【0040】41名の被検者の呼気試料に対してこれら
3種(におい測定装置の3種の試験方法を含めると5
種)の試験をそれぞれ行い、それらの結果を対比した。
図4は、GCによる結果と官能評価の結果とを対比した
グラフである。横軸は各試料の官能評価値(4名の平均
値)であり、縦軸は、H2S、MESH、DMSの3種のVSC成
分の測定結果から回帰式を算出し、その式を用いて各試
料の官能評価予測値を算出した結果である。両者の相関
係数は0.401とそう高くなく、特に官能評価値が高くな
るにつれてGC予測値がばらつく傾向を見せている。
【0041】図5はにおい測定装置による結果と官能評
価の結果とを対比したグラフである。横軸は各試料の官
能評価値(4名の平均値)であり、縦軸はにおい測定装
置のトップノート条件による測定結果から同様に作成し
た予測式による各試料の官能評価を予測した値である。
こちらの方は、相関係数が0.718とかなり高い相関を示
している。すなわち、本発明に係る方法(トップノート
条件)による口臭の測定が、官能評価の値と比較的良く
一致することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施するために用いたにおい測定装
置の構成図。
【図2】 上記におい測定装置により臭気指数を算出す
る手順を示すフローチャート。
【図3】 上記におい測定装置の各においセンサ(チャ
ンネル)の検出出力の分布を示すレーダーグラフの一
例。
【図4】 ガスクロマトグラフによる官能評価予測値と
実際の官能評価の結果とを対比したグラフ。
【図5】 におい測定装置(トップノート条件)で試料
を測定した結果を用いて算出した官能評価予測値と実際
の官能評価の結果とを対比したグラフ。
【符号の説明】
11…定圧バルブ 12…第1窒素ガス流路 13…第1流量制御部 14…モレキュラシーブフィルタ 15…第2窒素ガス流路 16…第2流量制御部 17…モレキュラシーブフィルタ 18…試料吸入口 19…メンブレンフィルタ 22…捕集管 23…ヒータ 28…フローセル 29…においセンサ
フロントページの続き (72)発明者 青山 佳弘 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 (72)発明者 赤丸 久光 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所内 (72)発明者 雫石 聰 大阪府豊中市東豊中町2丁目13番2−502 号 Fターム(参考) 2G046 AA04 AA18 BA01 BD01 BG07 DC14 DC16 DC17 DC18 EB01 FA01 FB02 2G052 AA34 AB04 AB25 AD02 AD42 CA04 CA11 CA38 EA03 GA27 GA28 HA18 HC28 JA07 JA09 2G060 AA01 AB01 AB15 AB26 AE19 AF07 BA00 BA01 BB08 BB13 BC04 HC07 HC10 HC13 HC19 HC21 HD01 KA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分及びにおい成分を含む気体試料の所
    定量をにおい成分捕集材に通過させた後、該におい成分
    捕集材を加熱することなく乾燥不活性ガスを高速で該に
    おい成分捕集材に送給することにより該気体試料を該に
    おい成分捕集材から離脱させて分析部に送り、分析部で
    測定を行うことを特徴とするにおい測定方法。
  2. 【請求項2】 所定量の呼気をにおい成分捕集材に通過
    させた後、該におい成分捕集材を加熱することなく乾燥
    不活性ガスを高速で該におい成分捕集材に送給すること
    により該呼気を該におい成分捕集材から離脱させて分析
    部に送り、分析部で測定を行うことを特徴とする口臭測
    定方法。
  3. 【請求項3】 所定の水分捕集容量を有するにおい成分
    捕集材と、該水分捕集容量以上の水分を含む試料を該に
    おい成分捕集材に通過させる試料導入手段と、該成分捕
    集材に乾燥不活性ガスを高速で送給する手段と、該不活
    性ガスの送給により成分捕集材から離脱した成分を測定
    する分析部とを備えることを特徴とするにおい測定装
    置。
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