JP2005221464A - 匂い測定方法及び匂い測定システム - Google Patents

匂い測定方法及び匂い測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 匂い強度が強い臭気についても匂い強度を精度よく測定できるとともに、かかる臭気の匂い強度を連続的に測定する場合でも匂いセンサーの劣化を抑えて高寿命化を図ることができる匂い測定方法及び匂い測定システムを提供する。
【解決手段】 本匂い測定方法は、被測定気体を所定の希釈条件で希釈する工程と、被測定気体を希釈した希釈気体の匂いを匂いセンサーを用いて検知する工程と、匂いセンサーの出力値と希釈条件とに基づいて、被測定気体の匂い強度を算出する工程とを有する。また、本匂い測定システムは、被測定気体を所定の希釈条件で希釈する希釈処理部20と、被測定気体を希釈した希釈気体を収容する測定チェンバー11と、測定チェンバー11内の該希釈気体の匂いを検知する匂いセンサー16A,16Bと、各匂いセンサー16A,16Bの出力値と希釈条件とに基づいて被測定気体の匂い強度を算出する演算制御部13とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、匂いセンサーを用いて匂いの臭気指数や臭気濃度等の匂い強度を測定する匂い測定方法及び匂い測定システムに関するものである。
従来の匂い測定に用いられる匂いセンサーは、測定対象の気体に含まれる匂い物質が検知面に付着してセンサーの物理特性や化学特性が変化することを利用して匂いの強さなどを測定する。そして、この匂いセンサーとしては、匂い物質が吸着したときに電気抵抗が大きくなったり逆に小さくなったりするSnOやZnO等の半導体材料を用いた匂いセンサーが知られている。この種の匂いセンサーは、その検知信号の大きさと測定対象の匂いの強さとの間に一定の関係を有する。しかも、その匂いセンサーの材料に添加した触媒等の添加物質の種類や作動温度が異なると、匂いに対する感応特性、すなわち所定の匂い強度を有する被検知体についての匂いの種類と検知信号の大きさとの関係である感応特性が異なる。そこで、本出願人は、添加物質の種類等を変えることで感応特性を互いに異ならせた2種類の匂いセンサーを用いて匂いの量(強さ)及び種類(香質)の両方を測定できる匂い測定装置を提案した(特許文献1参照)。この匂い測定装置は、感応特性が互いに異なる2つの匂いセンサーの検出信号の大きさをそれぞれ直交座標系の互いに異なるX軸及びY軸上にとった場合に得られるベクトルの大きさと、そのベクトルの座標軸に対する傾きとに基づいて、測定対象の匂いの強さ及び種類(香質)を測定するものである。
登録実用新案第3074494号公報
上記従来の匂い測定装置では、人の嗅覚によらずに、匂いセンサーを用いて一定場所における臭気(悪臭)を連続的に測定することができる。そのため、工場やゴミ処理場における臭気監視、堆肥熟成施設の臭気管理など多くの用途が考えられる。
ところが、上記測定対象の臭気は、一般にその匂いの強度が強い場合が多い。そのため、その臭気の強さが匂い測定装置の測定範囲を超えてしまい、臭気指数や臭気濃度等の匂い強度の測定ができない場合があるという問題点があった。また、匂いセンサーが強い臭気に連続してさらされることにより、匂いセンサーの寿命が短くなってしまうという問題点もあった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、匂い強度が強い臭気についても匂い強度を精度よく測定できるとともに、かかる臭気の匂い強度を連続的に測定する場合でも匂いセンサーの劣化を抑えて高寿命化を図ることができる匂い測定方法及び匂い測定システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、被測定気体の匂い強度を測定する匂い測定方法であって、被測定気体を所定の希釈条件で希釈する工程と、該被測定気体を希釈した希釈気体の匂いを匂いセンサーを用いて検知する工程と、該匂いセンサーの出力値と該希釈条件とに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出する工程とを有することを特徴とするものである。
ここで、上記「匂い強度」は匂いの強さを表すパラメータである。この「匂い強度」としては、例えば臭気指数や臭気濃度が挙げられる。また、上記「希釈条件」としては、被測定気体の希釈に用いる気体の種類や希釈倍率等がある。希釈倍率nは、希釈前の気体の体積に対する希釈後の気体の体積の比で定義される。例えば、希釈前の気体の体積をV1とし、希釈後の気体の体積をV2とすると、希釈倍率nはV2/V1で表される。
また、請求項2の発明は、被測定気体の匂い強度を測定する匂い測定システムであって、被測定気体を所定の希釈条件で希釈する希釈処理部と、該被測定気体を希釈した希釈気体を収容する測定チェンバーと、該測定チェンバー内の該希釈気体の匂いを検知する匂いセンサーと、該匂いセンサーの出力値と該希釈条件とに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出するデータ処理部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の匂い測定システムにおいて、上記希釈処理部を、被測定気体を収容する被測定気体用チェンバーと無臭標準気体を収容する無臭標準気体用チェンバーと、希釈混合チェンバーとを用い、該被測定気体用チェンバー内に収容されている被測定気体と該無臭標準気体用チェンバー内に収容されている無臭標準気体とを所定の希釈倍率nの体積比で該希釈混合チェンバーに導入して混合希釈し、該希釈混合チェンバー内の希釈気体を上記測定チェンバーに導入するように構成し、上記希釈条件が、上記被測定気体を上記無臭標準気体で希釈したときの希釈倍率nであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の匂い測定システムにおいて、上記希釈処理部を、上記測定チェンバー内の希釈気体を上記被測定気体用チェンバーに戻すように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項2の匂い測定システムにおいて、上記希釈処理部を、無臭標準気体を収容した無臭標準気体容器と、上記被測定気体と該無臭標準気体容器内の無臭標準気体とを互いに独立に設定した流量で上記測定チェンバーに導入する気体混合導入部とを用いて構成し、上記希釈条件が該被測定気体の流量及び該無臭標準気体の流量であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2乃至5のいずれかの匂い測定システムにおいて、互いに異なる複数の匂い強度について既知の気体の匂い測定を行ったときの匂いセンサーの出力値及び希釈条件と該匂い強度とからなる複数組のデータセットを記憶するデータ記憶部を備え、上記データ処理部は、上記被測定気体について測定したときの上記匂いセンサーの出力値及び上記希釈条件のデータセットと、該データ記憶部に記憶している該データセットとに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出するようにデータ処理することを特徴とするものである。
請求項1の匂い測定方法では、被測定気体を希釈した希釈気体の匂いを匂いセンサーで検知することにより、匂い強度が強い臭気の匂い強度を連続して測定する場合でも匂いセンサーの劣化を抑えることができる。また、被測定気体を希釈するときの希釈倍率n等の希釈条件と、その被測定気体の希釈前後の匂い強度との間には一定の関係があり、しかも匂いセンサーの検知感度は、匂い強度が強くなるほど悪くなる傾向がある。この一定の関係と傾向とを考慮し、被測定気体を所定の希釈条件で希釈することにより、この希釈条件と、希釈後の相対的に高い検知感度範囲で検知した匂いセンサーの出力値とに基づいて、希釈前の被測定気体の匂い強度を算出する。
請求項2の匂い測定システムでは、被測定気体を希釈処理部で希釈し、希釈後の希釈気体を測定チェンバーに収容する。この測定チェンバー内の希釈気体を匂いセンサーで検知することにより、匂い強度が強い臭気の匂い強度を連続して測定する場合でも匂いセンサーの劣化を抑えることができる。しかも、被測定気体に対する希釈倍率n等の希釈条件と、その被測定気体の希釈前後の匂い強度との間には一定の関係がある。この関係を利用し、データ処理部により、被測定気体を希釈したときの希釈条件と、上記希釈後の相対的に高い検知感度範囲で検知した匂いセンサーの出力値と基づいて、希釈前の被測定気体の匂い強度を算出する。
請求項3の匂い測定システムでは、被測定気体用チェンバーに被測定気体を収容し、無臭標準気体用チェンバーに無臭標準気体を収容する。そして、希釈気体導入部により、被測定気体用チェンバー内に収容されている被測定気体と無臭標準気体用チェンバー内に収容されている無臭標準気体とを所定の希釈倍率nになる体積比で混合希釈した希釈気体を、測定チェンバーに導入して収容する。このように測定チェンバーには、無臭標準気体によって被測定気体が所定の希釈倍率nで希釈された希釈気体が収容される。
請求項4の匂い測定システムでは、測定チェンバー内の希釈気体を被測定気体用チェンバーに戻して収容する。この被測定気体用チェンバーに戻された気体は、被測定気体を希釈倍率nで希釈した希釈気体であり、更に希釈倍率nで希釈することができる。その結果、最初の被測定気体は、希釈倍率nで希釈されて測定チェンバーに収容される。ここで、希釈気体を被測定気体用チェンバーに戻して再度処理する回数をmとすると、最初の被測定気体は、希釈倍率n(m+1)で希釈されて測定チェンバーに収容される。このように希釈気体導入部での1回あたりの希釈における希釈倍率が小さい場合でも、被測定気体を高い希釈倍率で希釈して匂い強度を測定できる。
請求項5の匂い測定システムでは、被測定気体と無臭標準気体容器内の無臭標準気体とを互いに独立に設定した希釈条件としての流量で測定チェンバーに導入する。この測定チェンバーに導入するときの被測定気体の流量と無臭標準気体の流量を調整して両気体間の流量の関係を変えると、測定チェンバーに収容する希釈気体の希釈倍率が変わる。
請求項6の匂い測定システムでは、互いに異なる複数の匂い強度について既知の気体の匂い測定を行ったときの匂いセンサーの出力値及び希釈条件と該匂い強度とからなる複数組のデータセットを予めデータ記憶部に記憶しておく。そして、匂い強度が不明な被測定気体を所定の希釈条件で希釈し、その希釈気体について測定したときの匂いセンサーの出力値及び希釈条件と、上記データ記憶部に記憶しているデータセットとに基づいて、被測定気体の匂い強度を算出する。このように被測定気体の匂い強度の算出に、単一の直線的な検量線ではなく、上記複数の匂い強度について測定したときのデータセットを用いることにより、匂いセンサーの出力値と匂い強度との関係が線形の関係にない場合でも、被測定気体の匂い強度を正確に算出して測定できる。
請求項1乃至6の発明によれば、匂い強度が強い臭気の匂い強度を連続して測定する場合でも匂いセンサーの劣化を抑えることができるので、匂いセンサーの高寿命化を図ることができる。しかも、被測定気体を希釈したときの所定の希釈条件と、希釈後の相対的に高い検知感度範囲で検知した匂いセンサーの出力値とに基づいて、希釈前の被測定気体の匂い強度を算出することができるので、匂い強度が強い臭気についても匂い強度を精度よく測定できるという効果がある。
特に、請求項3の発明によれば、所定の容積を有する被測定気体用チェンバー及び無臭標準気体用チェンバーそれぞれに収容した被測定気体と無臭標準気体とを混合して測定チェンバーに導入するという気体処理により、被測定気体を所定の希釈倍率nで希釈することができるという効果がある。
特に、請求項4の発明によれば、1回あたりの希釈における希釈倍率が小さい場合でも、被測定気体を高い希釈倍率で希釈して匂い強度を測定できるという効果がある。
特に、請求項5の発明によれば、測定チェンバーに導入するときの被測定気体の流量と無臭標準気体の流量を調整して両気体間の流量の関係を変えることにより、測定チェンバーに収容する希釈気体の希釈倍率を任意に変えることができる。しかも、所定の容積を有する被測定気体用チェンバーや無臭標準気体用チェンバーを備える必要がないという効果がある。
特に、請求項6の発明によれば、匂いセンサーの出力値と希釈条件及び匂い強度との関係が線形の関係にない場合でも、被測定気体の匂い強度を正確に算出して測定できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の実施形態に係るチェンバー型自動希釈機構を備えた匂い測定システムの全体構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係る匂い測定システムの全体構成図である。この匂い測定システムは、匂い測定装置10と、希釈処理部20と、採取気体導入部30とを備えている。
匂い測定装置10は、測定チェンバー11とセンサー信号処理部12とデータ処理部としての演算制御部13とデータ記憶部14と表示部15と内蔵ポンプ17とを備えている。内蔵ポンプ17としては、例えばエアーポンプやダイアフラム式のマイクロポンプを用いることができる。
測定チェンバー11は、被測定気体を希釈した希釈気体を収容するものであり、希釈気体の匂いを検知する複数の匂いセンサー16A、16Bを内蔵している。なお、本実施形態では、2種類の匂いセンサー16A、16Bが内部に取り付けられているが、測定対象の気体の種類に応じて1種類の匂いセンサーや3種類以上の匂いセンサーを取り付けるように構成してもよい。例えば、4種類の匂いセンサーを内部に取り付けることにより、多様な匂いの種類とその匂いの強度を同時に測定できるようにしてもよい。
上記各匂いセンサー16A、16Bは、匂いに対する感応特性が互いに異なるものであり、測定対象の匂いに応じて選択される。この匂いセンサー16A、16Bとしては、触媒を添加した金属酸化物半導体からなる匂いセンサー、合成皮膜と水晶振動子を組み合わせた匂いセンサー、バイオセンサーなどを用いることができる。
これらの匂いセンサーの中で、金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーは、耐久性、耐環境性、再現性、応答速度が良い上に、測定濃度範囲が広い。また、この金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーは、匂い分子の濃度(匂いガス濃度)に対して対数関数に近い感度特性を持っている。すなわち、この金属酸化物半導体を用いた匂いセンサーの匂いガス濃度Xに対するセンサー出力信号電圧(感応出力)Yは、次式のように対数関数で近似できる。ここで、式中のKは匂いの種類などによって異なる定数である。
Figure 2005221464
また、上記匂いセンサーの金属酸化物半導体としては焼結型のSnOやZnO等が用いられ、その材料の種類、触媒の種類、構造などによって、匂いを構成する匂い分子に対する感度に大きな差が生じる。これらのSnOやZnO等の金属酸化物半導体は、添加触媒、温度、多孔質焼結型構造の細孔径の違いによって、基本的な匂いガスに対する感応ガス選別を行うことができる。この細孔(Pore)は、その径により、マクロポア(50nm以上)、メゾポア(50〜2.0nm)、ミクロポア(2.0nm以下)のように分類される。
センサー信号処理部12はセンサー回路部とAD変換器とを有している。センサー回路部は、各匂いセンサー16A,16Bに所定の駆動電圧を供給したり各匂いセンサー16A,16Bからのセンサー出力信号(アナログ信号)を次段に受け渡したりする回路で構成されている。AD変換器は、センサー回路部51から受けたセンサー出力信号(アナログ信号)を、匂いセンサーの出力値のデータ(デジタル信号)に変換する。
図2は上記センサー回路部の具体的な回路構成の一例を示す説明図である。なお、図2では、匂いセンサー16Aの場合について示しているが、他の匂いセンサー16Bについても同様な回路構成を採用することができる。匂いセンサー16Aは、金属酸化物半導体161Aと白金薄膜162Aとが一体に構成されている。各白金薄膜162Aには、スイッチング素子120で発生したパルス電流が供給されて発熱される。この白金薄膜162Aで金属酸化物半導体161Aを400℃前後の高温に加熱することにより、周囲温度変化や水分の影響を軽減するとともに、センサーに付着した匂い分子を清浄空気で容易に洗浄除去できるようにしている。上記スイッチング素子120のON/OFFは、図示しないパルス発生部で発生した制御パルス信号Vpを入力抵抗121を介してスイッチング素子120に入力することにより制御される。また、匂いセンサー16Aの検出信号が出力される出力部は、金属酸化物半導体161Aにそれぞれ直列に接続された抵抗器122と蓄電器123とからなる積分電圧発生回路で構成されている。この積分電圧発生回路と匂いセンサー16Aとの接続点から、センサー出力信号(検出信号)が出力される。
また、本実施形態の匂い測定装置10は、AD変換器でデジタル信号に変換した各匂いセンサー16A,16Bの出力値についてデータ処理するデータ処理部としての演算制御部13を備えている。この演算制御部13は、センサー信号処理部12から受けたセンサー出力値のデータ処理の機能ほか、上記希釈処理部20を構成する電磁弁や真空ポンプ部等を含む匂い測定システム全体を制御する機能も有している。この演算制御部13は、本匂い測定システム用に設計されたデジタル論理回路を用いて構成してもいいし、CPU、RAM、ROM等からなる汎用のマイクロコンピュータを用いて構成してもよい。
また、演算制御部13は、センサー信号処理部12のほか、データ記憶部14と表示部15との間でデータや制御指令などのやり取りができるように構成されている。データ記憶部14は、磁気ディスクや書き込み可能な光ディスクのほか、RAM等の半導体メモリー等で構成される。このデータ記憶部14には、測定データを記憶させたり、互いに異なる複数の匂い強度について既知の気体の匂い測定を行ったときの匂いセンサーの出力値及び希釈条件と匂い強度とからなる複数組のデータセットを記憶させたりすることができる。データ記憶部14に記憶させているデータは、所定のタイミングに演算制御部13に読み出され、測定データから匂い強度の算出するときなどに用いられる。表示部15は液晶ディスプレイなどで構成され、センサー信号処理部12から出力される測定データや匂い強度等の演算結果が、数値やグラフ等の各種形式で表示される。
なお、測定データや匂い強度等の演算結果を外部のコンピュータ等で利用できるように、外部のコンピュータ等との間におけるデータ送受信のための通信を制御する通信制御部を設けてもよい。
上記希釈処理部20は、図1に示すように被測定気体用チェンバーとしての容積可変の試料チェンバー201と、無臭標準気体用チェンバーとしての容積可変の無臭空気チェンバー202と、容積可変の希釈混合チェンバー203とを備えている。更に、希釈処理部20は、無臭標準気体容器としての無臭空気タンク204と、排気チェンバー205と、真空ポンプ206とを備えている。容積可変の各チェンバー201〜203は、例えば蛇腹形状の容器や袋状の容器等の可撓性の容器で形成することができる。また、これらの容積可変の各チェンバー201〜203の導入口側にはチェンバー内に気体を導入するための小型の気体導入ポンプ201a〜203a,203bが取り付けられている。この気体導入ポンプとしては、例えばエアーポンプやダイアフラム式のマイクロポンプを用いることができる。
ここで、希釈倍率をnとしたとき、試料チェンバー201は最大容積(V/n)を有し、無臭空気チェンバー202は最大容積{(n−1)・V/n}を有し、希釈混合チェンバー203の最大容積はV/2を有している。例えば、希釈倍率nが3であり希釈混合チェンバー203の最大容積V/2が10リットルのとき、試料チェンバー201の最大容積(V/n)は3.33リットルであり、無臭空気チェンバー202の最大容積{(n−1)・V/n}は6.67リットルである。また、本実施形態では、排気チェンバー205の最大容積は希釈混合チェンバー203と同じ10リットルに設定している。
上記チェンバー等は、図1に示すようにパイプやホース等で連結され、所定位置に三方切替電磁弁211、215や通常の気体通過ON/OFF用の電磁弁212〜214、216〜220が取り付けられている。
上記採取気体導入部30は、測定箇所から採取した被測定気体を導入する導入パイプ31と、希釈処理部20への気体の導入を制御するための三方切替電磁弁32とを用いて構成されている。ほとんどの場合、被測定気体は、揮発性の匂い物質が水その他の浮遊粒子に付着して大気に浮遊している気体である。このような被測定気体が、導入パイプ31及び三方切替電磁弁32を介して希釈処理部20に導入される。
次に、本実施形態の匂い測定システムにおける被測定気体の希釈動作について説明する。本実施形態では、上記構成の希釈処理部20及び採取気体導入部30の三方切替電磁弁及び電磁弁を演算制御部13で制御し、次のように気体の流れを自動的に切り換えることにより、被測定気体を希釈して匂い測定を行っている。
まず、三方切替電磁弁32を流路B−Cが連通するように制御し、三方切替電磁弁211、215を流路A−Bが連通するように制御するとともに、各電磁弁212〜214、216〜220をオンするように制御する。この状態で真空ポンプ206を動作させておくことにより、各チェンバー11、201〜203、205内を無臭空気で洗浄する。所定時間だけ洗浄動作を実行した後、各電磁弁212〜214、216〜220をオフするように制御する。このとき各チェンバー11、201〜203、205は最小容積になり、それらの内部気圧は所定気圧まで低下している。
次に、採取気体導入部30の三方切替電磁弁32を流路A−Bが連通するように制御するとともに、電磁弁216と試料チェンバー201の気体導入ポンプ201aと無臭空気チェンバー203の気体導入ポンプ203aとをオンするように制御する。これにより、試料チェンバー201内に所定体積(V/n)の被測定気体を導入するとともに、無臭空気タンク204に収容されている所定体積{(n−1)・V/n}の無臭標準気体としての無臭空気を無臭空気チェンバー202内に導入する。その後、試料チェンバー201内が被測定気体で満たされ且つ無臭空気チェンバー202内が無臭空気で満たされ、各チェンバー201,202の容積が最大容積になったタイミングで、各気体導入ポンプ201a,202aをオフするように制御する。そして、三方切替電磁弁211を流路A−Cが連通するように制御する。以上により、試料チェンバー201内には所定体積(V/n)の被測定気体がほぼ大気圧で収容され、無臭空気チェンバー202内には所定体積{(n−1)・V/n}の無臭空気がほぼ大気圧で収容される。
また、上記試料チェンバー201及び無臭空気チェンバー202への気体導入制御にあわせて、電磁弁219をオンするように制御することにより、排気チェンバー205を介して希釈混合チェンバー203内の気体を排出し、所定の気圧まで真空引きする。その後、電磁弁219をオフするように制御する。このとき、希釈混合チェンバー203の容積は所定の最小容積(0リットル)まで低下している。
次に、電磁弁212、213をオンするように制御するとともに、希釈混合チェンバー203の気体導入ポンプ203a,203bをそれぞれ所定時間だけオンするように制御する。これにより、試料チェンバー201内の被測定気体と無臭空気チェンバー202内の無臭空気とが希釈混合チェンバー203内に流れ込む。この気体導入は、試料チェンバー201及び無臭空気チェンバー202それぞれの容積が最小容積(0リットル)になるまで続けられる。このとき、被測定気体と無臭空気とが1:2の割合で希釈混合チェンバー203内に流れ込み、被測定気体が希釈倍率3で希釈された希釈気体がほぼ大気圧で容積V/2の希釈混合チェンバー203内に収容される。その後、電磁弁212、213をオフするように制御するとともに、希釈混合チェンバー203の気体導入ポンプ203a,203bをオフするように制御する。
次に、三方切替電磁弁211を流路A−Bが連通するように制御するとともに、電磁弁214、220及び内蔵ポンプ17をオンするように制御する。これにより、希釈混合チェンバー203内の希釈気体が測定チャンバー11内に導入される。その後、所定のタイミングで各三方切替電磁弁215を流路B−Cが連通するように制御するとともに、電磁弁214、220及び内蔵ポンプ17をオフするように制御する。
以上により、測定チェンバー11内が密閉空間になり、被測定気体が希釈倍率3で希釈された希釈気体をほぼ大気圧で測定チャンバー11内に収容し、被測定気体の匂い測定を開始することができる。
被測定気体の希釈倍率を更に高めたいときは、次のように希釈処理を行う。
例えば、排気チェンバー205内に収容した希釈倍率nの希釈気体を、三方切替電磁弁211を介して試料チェンバー201内に戻す。そして、前述と同様な無臭空気による希釈動作を実行することにより、被測定気体が希釈倍率n(上記例のようにn=3の場合は3=9)で希釈された希釈気体をほぼ大気圧で希釈混合チェンバー203に収容し、その希釈倍率nの希釈気体を測定チャンバー11に導入することができる。この希釈動作を繰り返していくと、被測定気体を希釈倍率n(mは希釈回数)で希釈することができる。
また、希釈混合チェンバー203内に無臭空気を追加導入することにより、被測定気体の希釈倍率を高めるようにしてもよい。例えば、上記希釈混合チェンバー203から希釈倍率nの希釈気体を排出し、希釈混合チェンバー203の容積を最大容積の1/2まで低下させる。そして、その容積の低下分と同じ量の無臭空気を無臭空気チェンバー202から導入する。これにより、被測定気体が希釈倍率n(上記例のようにn=3の場合は3=9)で希釈された希釈気体をほぼ大気圧で希釈混合チェンバー203に収容し、その希釈倍率nの希釈気体を測定チャンバー11に導入することができる。
次に、上記構成の匂い測定システムを用いて臭気(悪臭)を含む被測定気体を希釈して匂い測定するときの測定手順及びデータ処理について説明する。
まず、測定対象の匂いの測定に先立って、測定チェンバー11に無臭標準気体を導入し、各匂いセンサー16A,16Bの出力信号を測定する。この測定値のデータは、演算制御部13内のメモリに保存され、その後の測定対象の匂いの測定値の補正に用いられる。この補正処理により、温度などの環境条件の変動やセンサー特性のばらつき等の影響を排除することができる。以下、この補正後の測定値を「センサー出力補正値」という。
次に、臭気を含む被測定気体を測定チェンバー11に導入し、各匂いセンサー16A,16Bの出力信号を測定する。この出力信号はセンサー信号処理部12でデジタルデータに変換されて演算制御部13に入力され、所定のデータ処理が実行される。
ここで、人が日常生活で感じる匂いの成分は、単一の成分(化学物質)であることは少なく、ほとんどの場合、複数の匂い成分である。このような複数の匂い成分を含む混合ガスの匂いを、いわゆる複合臭として感じている。本実施形態の匂い測定対象である臭気の匂い分子の代表例としては、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、硫化水素、トルエン、アルデヒド、酢酸、アルコール、アンモニアが挙げられる。これらの匂い成分を複数種類含む混合ガスの匂いを、複合臭の臭気(悪臭)として感じる。
〔総合匂い強度〕
上記複合臭の臭気(悪臭)の総合的な匂いの強さを示す「総合匂い強度」Sは、次式(2)に示すように、2つの匂いセンサー16A,16Bに対応するセンサー出力補正値a,bそれぞれを二乗して加算したものの平方根の値として求める。
Figure 2005221464
〔人の嗅覚特性により近似した匂い強度〕
上記(2)式の総合匂い強度Sで複合臭の臭気(悪臭)の総合的な匂いの強さを表現する場合、その匂いの種類(香質)によっては、人の嗅覚で感じる匂いの強さと乖離する場合がある。この乖離の原因としては、匂いセンサーの匂い感度特性が人の嗅覚の特性と完全に一致していないことと、各匂いセンサー間で匂い感度特性が干渉すること等が挙げられる。
そこで、次式(3)に示すように、匂いの種類(香質)ごとに決められた所定の定数Ωを乗算して総合匂い強度Stを算出するのが好ましい。この定数Ωは、匂いの種類(香質)ごとに、その種類と人の嗅覚による匂い強度とがそれぞれわかっている複数の臭気(悪臭)について測定し、その測定値Ωをデータ記憶部14に保存しておく。
Figure 2005221464
ここで、匂いセンサーが人の嗅覚に極めて近似した特性を有している場合は、上記定数Ωを1として総合匂い強度Stを算出してもよい。しかしながら、例えば硫黄成分を多く含むものに対する人の嗅覚は低濃度でも極めて高く、逆にアンモニアやトルエン等を含むものに対する人の嗅覚は低濃度に対して比較的鈍感な性質を有している。そのため、匂いセンサーの感応特性は、人の嗅覚特性を忠実に反映しない場合がある。この場合は、匂い種類(香質)ごとに、人の嗅覚特性に合わせるように上記定数Ωを設定する。この定数Ωは、言い換えれば匂いの種類(香質)によって匂い測定装置で測定した総合匂い強度に重み付けするものである。
なお、上記(3)式では、センサー出力補正値a,bそれぞれを二乗して加算したものの平方根の値の全体に一つの定数Ωを乗算して重み付けているが、センサー出力補正値a,bそれぞれを二乗したもののそれぞれに、互いに異なる定数Ωa,Ωbを乗算して重み付けするようにしてもよい。
〔臭気の種類(香質)の特定〕
上記構成の匂い測定装置を用いた臭気の種類(香質)の特定は、次のように行うことができる。すなわち、各匂いセンサー16A,16Bのセンサー出力補正値それぞれを平面直交座標系の原点から延びる互いに異なる座標軸(X軸、Y軸)上にとり、その平面直交座標系の第1象限それぞれにおいて定義される「要素匂いベクトル」を用いて行うことができる。
図3及び図4はそれぞれ、本実施形態で使用した2つの匂いセンサー16A,16Bのセンサー出力値[V]と被測定気体中の匂い成分の濃度[ppm]との関係を示すグラフである。これらのグラフは、空気中に各匂い成分を所定の濃度だけ含有させたテスト測定用の被測定気体について測定したものである。これらの2つの匂いセンサー16A及び16Bのセンサー出力補正値a、bをそれぞれ平面直交座標系のX軸のプラス領域及びY軸のプラス領域にとると、その平面直交座標系の第1象限に原点から延びるベクトルを定義できる。以下、このベクトルを「要素匂いベクトル」という。この要素匂いベクトルの長さは、匂いセンサー16A及び16Bが感度を有する匂い成分の濃度が高くなる(匂いの強度が強くなる)に従って長くなっていく。また、要素匂いベクトルがX軸となす角度は、匂いの種類によって変化する。
図5は、各種匂い成分の濃度を変化させて測定した匂いセンサー10A及び10Bのセンサー出力値a、b[V]をそれぞれ横軸(X軸)及び縦軸(Y軸)にとって得られたグラフである。原点と各測定データ点とを結ぶことにより「要素匂いベクトル」が得られる。ここで、次式(4)で表される要素匂いベクトルの大きさ|Seab|を「要素強度」と定義し、次式(5)で表される要素匂いベクトルの角度θabを「要素香質」と定義する。
Figure 2005221464
Figure 2005221464
従って、1つの被測定気体に対する1回の測定ごとに、1つの要素匂いベクトルが得られ、1組の要素強度及び要素香質の組(|Seab|,θab)からなるデータセットが得られる。これらのデータセットに基づいて、被測定気体の匂いの種類(香質)を特定することができる。
上記匂いの種類(香質)の特定は、例えば次のように行うことができる。まず、複数の匂い成分を所定の比率で含む複数種類の既知の複合臭(臭気)について匂い測定を行う。この匂い測定で得られた要素匂いベクトルから、1組の要素強度率及び要素香質のデータ(SRab,θab)からなるデータセットを算出し、演算制御部60内のメモリーに保存して蓄積しておく。そして、測定対象の複合臭(臭気)を含む被測定気体について同様な匂い測定を行い、この測定で得られた要素匂いベクトルから1組の要素強度率及び要素香質のデータを算出する。この被測定気体の要素強度率及び要素香質のデータと、上記予め測定した複数種類の既知の複合臭の要素強度率及び要素香質のデータとを比較し、両者データの一致の程度から、被測定気体の複合臭の種類(香質)を特定することができる。要素強度率及び要素香質のデータの比較処理の結果に基づいて、被測定気体の複合臭に含まれる匂い成分の比率を特定することも可能である。
なお、上記データセット(SRab,θab)の要素強度率及び要素香質の数値の標準偏差は、データの蓄積によって算出することができる。この標準偏差を考慮してデータセットの比較処理を行うことにより、複合臭の種類(香質)の特定の精度を高めることができる。
図6は、各種匂い成分について測定した総合匂い強度Stの補正前の実測値と、匂い成分の濃度[ppm]との関係を示すグラフである。このグラフからわかるように、匂い成分の種類によって総合匂い強度Stの値と濃度との関係が異なる。したがって、匂い成分の種類ごとに前述の(3)式中の定数Ωを補正することにより、どの匂い成分であっても同じ濃度であれば同じ総合匂い強度Stが得られるようにすることができる。さらに、各匂い成分について濃度と人の嗅覚による匂いの強さとの関係がわかっていれば、その関係を考慮して総合匂い強度Stを補正することにより、人の嗅覚の感度特性に近い総合匂い強度Stが得られるようになる。
〔要素匂いベクトルの表示〕
上記2つの匂いセンサー16A,16Bのセンサー出力補正値のデータから得られる要素匂いベクトルは、2次元の平面直交座標系上に表示することができる。この要素匂いベクトルは、匂い測定装置の表示部15に表示していいし、外部のコンピュータ等にデータを送って表示するようにしてもよい。この要素匂いベクトルの振る舞いを視覚によって確認することにより、被測定気体の複合臭の種類(香質)をある程度直感的に判断することができる。
また、上記匂い測定装置で測定した測定結果は、外部のコンピュータ等に送ってディスプレイに表示したり、コンピュータに組み込んだ所定のプログラムを使って演算処理したりするようにしてもよい。外部のコンピュータにおいて複合臭の種類(香質)を特定するためのプログラムは、一般的な数値パターン一致法を基本手法として、上記要素強度率及び要素香質のデータセットの数値パターンの一致処理を行うように作成したものを用いることができる。また、要素強度率と要素香質のデータのバラツキに対しては標準偏差による幅を設定して被測定気体の複合臭の種類(香質)を判定するようにしてもよい。
〔臭気濃度・臭気指数の測定〕
人の嗅覚による匂い強度の公的な表現単位として、「臭気濃度」及び「臭気指数」がある。臭気濃度は、測定対象の匂いを有する気体(空気)を無臭気体(無臭空気)で希釈していったとき、はじめて匂いを感じなくなる希釈倍数で定義される。臭気指数は、臭気濃度の常用対数値を10倍した値である。本実施形態の匂い測定装置を用いて被測定気体の臭気濃度や臭気指数を測定するには、予め臭気濃度や臭気指数がわかっている匂いを含む複数種類のサンプル気体について測定を行っておく。この測定結果から検量曲線を求め、検量曲線のデータを演算制御部13内のメモリやデータ記憶部14に記憶して保存しておく。
図7は、2種類の工場内溶剤臭気を含む被測定気体を希釈倍率100で希釈した希釈気体について測定した検量曲線のグラフである。このグラフの横軸は従来のパネラーによる方法で測定した臭気指数であり、縦軸は本実施形態の匂い測定装置で測定した総合匂い強度Stの値である。図中の「溶剤A」は酢酸エチルを含有しないグリコール系溶剤であり、「溶剤B」は酢酸エチルを含有するグリコール系溶剤である。
図7の検量曲線を参照して用いることにより、本実施形態の匂い測定システムで測定した工場内溶剤臭気を含む希釈気体の総合匂い強度Stの値から、その希釈気体の臭気指数X’及び臭気濃度Y’を求めることができる。そして、この希釈気体の臭気指数X’及び臭気濃度Y’の値と、希釈条件である希釈倍率n(=100)とに基づいて、上記2種類の工場内溶剤臭気を含む被測定気体の臭気指数X及び臭気濃度Yを算出することができる。この算出には、次の(6)式及び(7)式を用いることができる。
Figure 2005221464
Figure 2005221464
以上、本実施形態によれば、匂い強度が強い臭気の匂い強度を連続して測定する場合でも匂いセンサー16A,16Bの劣化を抑えることができるので、匂いセンサー16A,16Bの高寿命化を図ることができる。しかも、被測定気体を希釈したときの所定の希釈倍率nと、希釈後の相対的に高い検知感度範囲で検知した匂いセンサー16A,16Bの出力値とに基づいて、希釈前の被測定気体の匂い強度を算出することができるので、匂い強度が強い臭気についても匂い強度を精度よく測定できる。
また、本実施形態によれば、所定の容積を有する試料チェンバー201及び無臭空気チェンバー202それぞれに収容した被測定気体と無臭空気とを混合して希釈混合チェンバー203に一旦収容し測定チェンバー11に導入するという気体処理により、被測定気体を所定の希釈倍率nで希釈することができる。
また、本実施形態によれば、1回あたりの希釈動作で希釈した希釈気体を更に無臭空気で希釈することにより、1回あたりの希釈動作で希釈した希釈気体の希釈倍率nが小さい場合でも、被測定気体を高い希釈倍率で希釈して匂い強度を測定できる。
なお、上記実施形態では、希釈処理部20でチェンバー型自動希釈機構を採用した場合について説明したが、希釈混合チェンバー203に導入する被測定気体及び標準空気の流量を制御して希釈倍率nを調整する流量制御型自動希釈機構を採用してもよい。
図8は流量制御型自動希釈機構を採用した希釈処理部20を備えた匂い測定システムの全体構成図である。図中の匂い測定装置10は、上記図1の匂い測定システムと同様な構成であり、その説明は省略する。また、採取気体導入部30は、測定箇所から採取した被測定気体を導入する導入パイプ31と、希釈処理部20への気体の導入を制御するための電磁弁33とを用いて構成されている。
図8の希釈処理部20は、採取気体導入部30から導入された被測定気体の流量を制御する流量制御手段としてのマスフローコントローラ(電磁弁付き)207と、無臭空気の流量を調整する流量制御手段としてのマスフローコントローラ(電磁弁付き)208とを備えている。測定チェンバー11の内蔵ポンプ17と各マスフローコントローラ207,208の電磁弁をオンすると、各マスフローコントローラ207,208をそれぞれ所定の流量で通過した被測定気体及び無臭空気が希釈混合チャンバー203に導入されて混合される。ここで、各マスフローコントローラ207,208における流量の設定を制御することにより、希釈混合チャンバー203に単位時間当りに導入される被測定気体及び無臭空気の体積比を調整することができる。すなわち、希釈混合チャンバー203内の希釈気体の希釈倍率nを調整することができる。この希釈混合チャンバー203内で混合希釈された希釈気体が測定チェンバー11内に導入され、希釈気体の匂い測定が実行される。この匂い測定を、上記被測定気体及び無臭空気は流しながら実行すると、被測定気体の匂い強度の変化をリアルタイムに測定することができる。また、上記匂い測定は、測定チェンバー11の内蔵ポンプ17と各マスフローコントローラ207,208の電磁弁と排気側の電磁弁18とをそれぞれオフすることにより測定チェンバー11を密閉状態にして実行してもよい。
なお、図8の匂い測定システムにおける匂い測定の測定手順及びデータ処理は、上記図1の匂い測定システムの場合と同様であるので、説明を省略する。
以上、図8の匂い測定システムの実施形態によれば、測定チェンバーに導入するときの被測定気体の流量と無臭空気の流量を調整して両気体間の流量の関係を変えることにより、測定チェンバーに収容する希釈気体の希釈倍率を任意に変えることができる。しかも、上記図1の場合のような所定の容積を有する試料チェンバー201や無臭空気チェンバー202を備える必要がなく、希釈処理部20内の配管系が簡易構造になり電磁弁の個数も大幅に減らすことができる。
なお、上記各実施形態では、アンモニア等の悪臭である臭気の測定について説明したが、本発明は、このような臭気だけでなく他の種類の匂いの測定を行う場合にも同様に適用でき、同様な効果が得られるものである。
本発明の実施形態に係る匂い測定システムの全体構成図。 同匂い測定システムを構成する匂い測定装置の測定チェンバー内部に配置した匂いセンサーの周辺回路の説明図。 匂いセンサー16Aのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 匂いセンサー16Bのセンサー出力値と被測定気体中の匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 各種匂い成分の濃度を変化させて測定した匂いセンサー16A,16Bのセンサー出力値a、bをそれぞれ横軸(X軸)及び縦軸(Y軸)にとって得られたグラフ。 各種匂い成分について測定した総合匂い強度Stの補正前の実測値と匂い成分の濃度との関係を示すグラフ。 2種類の工場内溶剤臭気からなる被測定気体を希釈した希釈気体について測定した検量曲線のグラフ。 他の実施形態に係る匂い測定システムの全体構成図。
符号の説明
10 匂い測定装置
11 測定チェンバー
12 センサー信号処理部
13 演算制御部
14 データ記憶部
15 表示部
16A,16B 匂いセンサー
17 内蔵ポンプ
18 電磁弁
20 希釈処理部
30 採取気体導入部
201 試料チェンバー
202 無臭空気チェンバー
203 希釈混合チェンバー
204 無臭空気タンク
205 排気チャンバー
206 真空ポンプ
207,208 マスフローコントローラ
211〜220 電磁弁

Claims (6)

  1. 被測定気体の匂い強度を測定する匂い測定方法であって、
    被測定気体を所定の希釈条件で希釈する工程と、
    該被測定気体を希釈した希釈気体の匂いを匂いセンサーを用いて検知する工程と、
    該匂いセンサーの出力値と該希釈条件とに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出する工程とを有することを特徴とする匂い測定方法。
  2. 被測定気体の匂い強度を測定する匂い測定システムであって、
    被測定気体を所定の希釈条件で希釈する希釈処理部と、
    該被測定気体を希釈した希釈気体を収容する測定チェンバーと、
    該測定チェンバー内の該希釈気体の匂いを検知する匂いセンサーと、
    該匂いセンサーの出力値と該希釈条件とに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出するデータ処理部とを備えたことを特徴とする匂い測定システム。
  3. 請求項2の匂い測定システムにおいて、
    上記希釈処理部を、被測定気体を収容する被測定気体用チェンバーと無臭標準気体を収容する無臭標準気体用チェンバーと、希釈混合チェンバーとを用い、該被測定気体用チェンバー内に収容されている被測定気体と該無臭標準気体用チェンバー内に収容されている無臭標準気体とを所定の希釈倍率nの体積比で該希釈混合チェンバーに導入して混合希釈し、該希釈混合チェンバー内の希釈気体を上記測定チェンバーに導入するように構成し、
    上記希釈条件が、上記被測定気体を上記無臭標準気体で希釈したときの希釈倍率nであることを特徴とする匂い測定システム。
  4. 請求項3の匂い測定システムにおいて、
    上記希釈処理部を、上記測定チェンバー内の希釈気体を上記被測定気体用チェンバーに戻すように構成したことを特徴とする匂い測定システム。
  5. 請求項2の匂い測定システムにおいて、
    上記希釈処理部を、無臭標準気体を収容した無臭標準気体容器と、上記被測定気体と該無臭標準気体容器内の無臭標準気体とを互いに独立に設定した流量で上記測定チェンバーに導入する気体混合導入部とを用いて構成し、
    上記希釈条件が該被測定気体の流量及び該無臭標準気体の流量であることを特徴とする匂い測定システム。
  6. 請求項2乃至5のいずれかの匂い測定システムにおいて、
    互いに異なる複数の匂い強度について既知の気体の匂い測定を行ったときの匂いセンサーの出力値及び希釈条件と該匂い強度とからなる複数組のデータセットを記憶するデータ記憶部を備え、
    上記データ処理部は、上記被測定気体について測定したときの上記匂いセンサーの出力値及び上記希釈条件のデータセットと、該データ記憶部に記憶している該データセットとに基づいて、該被測定気体の匂い強度を算出するようにデータ処理することを特徴とする匂い測定システム。
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