JP4462575B2 - 試料導入システム - Google Patents

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Description

本発明は、分析試料を分析装置に導入するための試料導入システムに関する。
近年、生活環境や労働環境に対する関心の高まりから、大気中に存在する微粒子の組成や濃度を測定する分析技術の向上が求められている。また、原料ガスの高純度化や製造工程における雰囲気ガス制御が必要な半導体産業に代表されるような産業においては、微粒子を含む原料ガスや雰囲気ガスの分析を容易かつ高精度に行うことが要望されている。
そこで、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC−MS法)、誘導結合プラズマ分析法(ICP法)、マイクロ波プラズマ分析法(MIP法)等の高感度分析法を用いる分析装置により、試料ガスに含まれる微粒子や特定ガス成分といった分析試料を分析することが行われている。例えばICP法やMIP法においては、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等をプラズマガスとして高温のプラズマを生成し、プラズマ中に分析試料を導入し、プラズマからの信号変化を検出することで分析を行っている。
そのような試料ガスに含まれる分析試料の分析を高精度に行うには、試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置が必要になる。例えば、気体状の分析試料を含む試料ガスを用いる場合、その試料ガスに含まれる分析試料以外の不純物ガス成分や水分等を不要成分として除去する必要がある。また、溶剤中に分析試料が溶け込んだ溶液を噴霧器等により噴霧ガス中に浮遊する液滴とし、その噴霧ガスを試料ガスとする場合、その試料ガスに含まれる溶剤蒸気や水分等を不要成分として除去する必要がある。
そのような前処理装置として、ガス置換装置、微粒子分級装置、ドライヤ等が用いられている。例えば、特許文献1に記載されたガス置換装置においては、分析試料を溶かし込んだ溶剤を噴霧器によって霧状とすることで試料ガスを生成し、加熱することで液滴を溶剤蒸気と分析試料とに分離し、その試料ガスを多孔材製の管状密閉フィルタに導入し、その溶剤蒸気を密閉フィルタ外部に拡散させることで除去している。特許文献2に記載された微粒子分級装置においては、試料ガスに含まれる分析試料である微粒子を荷電して分級する際に、試料ガス中のガス状汚染成分を除去し、微粒子を所望のガス種からなる雰囲気中に浮遊させた状態としている。非特許文献1に記載されたドライヤにおいては、分析試料を溶かし込んだ水溶液を霧状とすることで試料ガスを生成し、その試料ガスに含まれる水分をナフィオン(デュポン社登録商標:perfluoro-3,6-dioxa-4-methyl-7octene-sulfonic とtetrafluoroethylene の共重合体)製の非多孔質膜を介して除去している。
分析装置に導入される分析試料を含むガスの流量は、最適な分析条件を充足するよう、分析試料を構成する元素の種類等に応じて変更される。例えばプラズマを用いた高感度分析においては、分析試料に含まれる複数の分析対象元素を分析するため、プラズマに分析試料と共に導入されるガス流量を自動的に切り替えるオートチューニングが行われている。また、プラズマのイオン化作用を利用した質量分析においては、分析対象元素と同様の質量数を有する多原子イオンにより分析が妨げられないように、プラズマに導入されるガス流量を自動的に変動させている。
特表平7−500416号公報 特開2001−239181号公報 Journal of Analytical Atomic Spectrometry, January 1998, vol. 13(13-18)
従来においては、分析試料と共に分析装置に導入されるガスの流量を変化させるため、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させていた。しかし、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させる場合、前処理装置において試料ガスの流量や圧力が変化するため、その変化に応じて処理条件を変化させる必要がある。そうすると、分析条件の多様性に適合するのが困難になり、簡便な試料導入が阻害される。また、前処理装置と分析装置との間のガス流路においてガスの圧力変動が生じ、シールが破れて周囲環境等における汚染物質が分析装置に混入するおそれがある。特にプラズマ分析装置においては、プラズマの温度変化や電子密度変化等が誘発され、安定したプラズマが維持できず高感度分析が阻害されるおそれがある。
本発明の試料導入システムは、分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置とを備え、前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、前記圧力調整装置はシールガス流路を有し、前記シールガス流路は、シールガスの供給源に接続される入口と、大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する出口とを有し、前記シールガス流路は前記ガス付加装置の上流に連通され、前記シールガス流路に導入される前記シールガスの一部が前記ガス付加装置の上流に導かれることで、前記ガス付加装置の上流における圧力低下がキャンセルされる。
本発明によれば、前処理装置と分析装置との間における接続ガス流路を流れる処理済試料ガスへのキャリアガスの付加流量がガス付加装置により変更され、ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動が圧力調整装置により規制される。これにより、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させることなく、また、前処理装置において分析試料を含むガスの圧力変動を生じさせることなく、分析試料と共に分析装置に導入されるガスの流量を変化させることができる。よって、前処理装置による処理条件を変化させる必要がないので分析条件の多様性に適合することができる。さらに、ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動が規制されることで、前処理装置と接続ガス流路との接続部におけるシール等を介して周囲環境等における汚染物質が分析装置に混入したり、処理済試料ガスが外部に漏洩するのを防止できる。よって、安定した分析結果を得ることができ、特にプラズマ分析装置においては、プラズマの温度変化や電子密度変化を生じることなく安定したプラズマを維持でき、高感度分析に貢献できる。
前記圧力調整装置は連通流路を有し、前記シールガス流路の入口と出口との間は、前記接続ガス流路における前記前処理装置と前記ガス付加装置との間に前記連通流路を介して連通され、前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段が設けられ、前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定されるのが好ましい。
これにより、接続ガス流路における前処理装置とガス付加装置との間は、大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通し、前処理装置への未処理試料ガスの導入流量は一定になる。よって、キャリアガスの付加流量を変化させる際に、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させることなく、確実に前処理装置におけるガスの圧力変動を防止できる。また、シールガス流路を流れるシールガスにより、試料導入システムと外部との間をシールできる。すなわち、可動部材を用いることなく、前処理装置でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
さらに、本発明の試料導入システムは、前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導入する導入流路を備え、前記圧力調整装置は連通流路を有し、前記シールガス流路の入口と出口との間は、前記導入流路に前記連通流路を介して連通され、前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段が設けられ、前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定されるのが好ましい。
これにより、導入流路は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通し、前処理装置への未処理試料ガスの導入流量は一定になる。よって、キャリアガスの付加流量を変化させる際に、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させることなく、確実に前処理装置におけるガスの圧力変動を防止できる。また、シールガス流路を流れるシールガスにより、試料導入システムと外部との間をシールできる。すなわち、可動部材を用いることなく、前処理装置でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
さらにまた、本発明の試料導入システムは、分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置と、前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導入する導入流路を備え、前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、前記圧力調整装置は、前記導入流路から分岐する排気流路を有し、前記排気流路は、大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する出口を有し、前記導入流路への前記未処理試料ガスの供給流量の設定手段と、前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段とが設けられ、前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定され、前記未処理試料ガスの前記供給流量の設定値は前記導入流量の設定値よりも大きくされ、前記排気流路の出口が大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通され、前記未処理試料ガスの導入流量が一定値に設定されることで、前記前処理装置でのガスの圧力変動が規制される
これにより、排気流路の出口は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通し、前処理装置への未処理試料ガスの導入流量は一定になるため、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量を変化させることなく、確実に前処理装置におけるガスの圧力変動を防止できる。また、導入流路への未処理試料ガスの供給流量の設定値が前処理装置への未処理試料ガスの導入流量の設定値よりも大きくされているので、排気流路を流れる未処理試料ガスにより、試料導入システムと外部との間をシールできる。すなわち、可動部材を用いることなく、前処理装置でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
前記分析試料は固体微粒子とされ、前記前処理装置は多孔性隔壁を有し、前記前処理装置により、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分を前記多孔性隔壁での分圧差による拡散を介して置換ガスと置換するガス置換機能が奏され、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分と置換された置換ガスにより前記処理済試料ガスが構成されるのが好ましい。
これにより、未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分を置換ガスと置換することで不要成分を除去できる。この際、前処理装置に導入される未処理試料ガスの流量や前処理装置でのガス圧力が変動しないので、置換ガスの流量や圧力等の処理条件を変化させる必要がなく、分析装置に導入されるガス流量の変化に容易に対応できる。さらに、多孔性隔壁を挟んだ領域でのガス圧力差を低減し、未処理試料ガスと置換ガスとの分圧差による多孔性隔壁での拡散を介するガス置換が阻害されるのを防止できる。また、分析装置に導入されるガス流量と無関係にガス置換できることから、ガス置換に際して分析試料である微粒子等の散逸を防止できるだけでなく、ガス置換効率を一定に維持できる。
しかも、分析試料の種類に応じてガス置換効率が変化しないように未処理試料ガスの流量を変化させる場合、未処理試料ガスの流量変化に応じてキャリアガスの流量を変化させることで、分析装置に導入されるガス流量を分析に最適な値に維持できる。これにより、前処理装置でのガス置換効率を最適化すると同時に、分析装置に導入されるガス流量を最適化し、特にプラズマ分析装置においては安定したプラズマを維持することができる。
また、本発明の試料導入システムは、分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置と、前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導く導入流路を備え、前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、前記分析試料は固体微粒子とされ、前記前処理装置は、第1配管と第2配管、前記第1配管と前記第2配管を隔てる多孔性隔壁を有し、前記第1配管は、前記導入流路に接続される第1入口と、前記接続ガス流路に接続される第1出口と、前記第1入口と前記第1出口との間の第1ガス流路とを有し、前記第2配管は、置換ガスの供給源に接続される第2入口と、前記置換ガスと置換された前記未処理試料ガスを含む排出ガスを流出させるための第2出口と、前記第2入口と前記第2出口との間の第2ガス流路とを有し、前記前処理装置により、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分を前記多孔性隔壁での分圧差による拡散を介して前記置換ガスと置換するガス置換機能が奏され、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分と置換された前記置換ガスにより前記処理済試料ガスが構成され、前記多孔性隔壁の各孔径は、前記第1ガス流路におけるガス圧力と前記第2ガス流路におけるガス圧力との差による前記多孔性隔壁を介するガス移動を実質的に阻止するように設定され、前記圧力調整装置は、前記導入流路を、前記第1入口の近傍において前記第2出口に連通させる分岐流路を有し、前記導入流路に供給された前記未処理試料ガスの一部を、前記分岐流路を介して前記排出ガスと共に吸引するガス吸引手段と、前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段と、前記ガス吸引手段による前記未処理試料ガスと前記排出ガスの合計吸引流量の設定手段と、前記置換ガスの前記第2配管への供給流量の設定手段とが設けられ、前記導入流路に供給される前記未処理試料ガスの圧力は大気圧あるいは一定圧とされ、前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定され、前記未処理試料ガスと前記排出ガスの合計吸引流量の設定値は、前記置換ガスの供給流量の設定値よりも大きくされ、前記ガス吸引手段のガス排出側は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する。
これにより、導入流路に供給される未処理試料ガスの圧力は大気圧あるいは一定圧とされ、未処理試料ガスと排出ガスの合計吸引流量の設定値は、第2配管への置換ガスの供給流量の設定値よりも大きくされる。よって、導入流路に供給される未処理試料ガスの一部は、確実に分岐流路を介してガス吸引手段により吸引される。そして、ガス吸引手段のガス排出側は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通するので、導入流路における第1入口の近傍において未処理試料ガスの圧力を略大気圧あるいは一定圧にできる。これにより、導入流路が長いために未処理試料ガスの圧力損失が大きく、導入流路の長さや径の相違により圧力損失の大きさが一定でない場合でも、導入流路における第1入口の近傍でのガスの圧力変動を阻止し、前処理装置でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
前記分析装置は、前記キャリアガスを付加された前記処理済試料ガスをプラズマに導くためのチューブを有するプラズマ分析装置であるのが好ましい。
キャリアガスの処理済試料ガスへの付加流量が変化する際、そのチューブにおいてガスが絞られることから接続ガス流路の内圧は変動しようとする。しかし、前処理装置とガス付加装置との間における接続ガス流路のガスの圧力変動は圧力調整装置により規制されることで、前処理装置と接続ガス流路との接続部におけるシール等を介して周囲環境等における汚染物質が分析装置に混入したり、処理済試料ガスが外部に漏洩するのを防止できる。
前記ガス付加装置は、前記接続ガス流路に導入されるキャリアガスの圧力ヘッド低下に基づき前記処理済試料ガスを前記接続ガス流路に導くアスピレータを有するのが好ましい。
これにより、接続ガス流路に可動部材や動力源を設けることなくキャリアガスを付加できる。また、未処理試料ガスを前処理装置に導入するのに必要な圧力を未処理試料ガス自身が有さない場合であっても、可動部材や動力源を設けることなく、所定量の未処理試料ガスを前処理装置に導入できる。
本発明によれば、分析装置に導入されるガス流量に影響されることなく分析条件の多様化に容易に適合できる柔軟性を持ち、分析試料を無駄なく分析装置に導入でき、簡便で精度の高い高感度分析に寄与する試料導入システムを提供できる。
本発明の第1実施形態に係る試料導入システムの全体構成の説明図 本発明の第1実施形態に係る試料導入システムにおいて用いられる噴霧器の説明図 本発明の第1実施形態に係る試料導入システムのガス付加装置と圧力調整装置の構成説明用断面図 本発明の第2実施形態に係る試料導入システムの全体構成の説明図 本発明の第2実施形態に係る試料導入システムのガス付加装置の構成説明用断面図 本発明の第2実施形態に係る試料導入システムの圧力調整装置の構成説明用断面図 本発明の第3実施形態に係る試料導入システムの全体構成の説明図 本発明の第3実施形態に係る試料導入システムのガス付加装置と圧力調整装置の構成説明用断面図 本発明の第4実施形態に係る試料導入システムの全体構成の説明図 本発明の変形例に係る前処理装置の部分断面図 比較例に係る試料導入システムの全体構成の説明図
符号の説明
1…前処理装置、2…内管、2A…多孔性隔壁、2a…内側入口、2b…内側出口、3…外管、3a…外側入口、3b…外側出口、8、43、46、61…流量制御器、10…導入流路、20…接続ガス流路、30…分析装置、30b…センターチューブ、40、40A…ガス付加装置、50、50B、50C…圧力調整装置、50a…分岐流路、50′…排気流路、50″…排気流路出口、52a…シールガス流路、53a…連通流路、60…真空ポンプ、101、102…配管、G1…未処理試料ガス、G3…置換ガス、G4…処理済試料ガス、G7…キャリアガス、G8…シールガス、P…プラズマ
図1に示す第1実施形態の試料導入システムA1は、分析試料を含む未処理試料ガスG1から、水分、不純物、溶剤蒸気等の不要成分を除去する前処理を行う前処理装置1と、前処理装置1へ未処理試料ガスG1を供給源から導入する導入流路10を備えている。
前処理される分析試料は液体状でも気体状でもよい。例えば、未処理試料ガスG1の供給源として図2に示す噴霧器11を用いることができる。噴霧器11は、溶剤中に分析試料が溶け込んだ溶液12を噴霧ガスG2中に浮遊する液滴状とし、粒径の大きな液滴Lを除去した残りを加圧された未処理試料ガスG1として前処理装置1に供給する。そのような噴霧器11は公知のものを用いることができる。本実施形態においては、ガスボンベ等の圧力容器から供給される加圧された噴霧ガスG2の流量を質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器13により制御し、その流量制御器13を前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定手段として用いる。
また、気体状の分析試料を含む加圧ガスを充填した圧力容器を未処理試料ガスG1の供給源とし、その圧力容器を前処理装置1に導入流路10を構成する配管を介して接続し、その配管に前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定手段として流量制御器を設けてもよい。
本実施形態においては、導入流路10への未処理試料ガスG1の供給流量が前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量とされ、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量は一定値に設定される。
本実施形態の分析試料は固体微粒子とされている。すなわち、未処理試料ガスG1に含まれる分析試料である微粒子は、例えば鉄粉等の金属、酸化物や硫化物等の金属化合物、セラミックや高分子化合物等の有機物等である。前処理装置1は、多孔性隔壁2Aを有し、未処理試料ガスG1における少なくとも一部のガス成分を、多孔性隔壁2Aでの分圧差による拡散を介して置換ガスG3と置換するガス置換機能を奏する。これにより、未処理試料ガスG1に含まれる溶剤蒸気等の不要成分を除去できる。
前処理装置1は、横断面円環形の直管である内管2を第1配管として備え、また、内管2を覆う横断面円環形の直管である外管3を第2配管として備える二重管構造である。内管2の両端は外管3から突出し、外管3の両端近傍は次第に小径とされて内管2の外周に接合されている。なお、内外管2、3の形状は限定されず、例えば直管でなく湾曲管でもよい。
内管2は、一端に形成された内側入口2aを第1入口として有し、他端に形成された内側出口2bを第1出口として有し、内側入口2aと内側出口2bとの間の内側ガス流路2cを第1ガス流路として有する。内側入口2aに導入流路10が接続されることで内側ガス流路2cに未処理試料ガスG1が導入される。
外管3は、置換ガスG3を導入するために一端近傍の周壁に形成された外側入口3aを第2入口として有し、他端近傍の周壁に形成された外側出口3bを第2出口として有し、外側入口3aと外側出口3bとの間の外側ガス流路3cを第2ガス流路として有する。外側入口3aは置換ガスG3の供給源に接続される。その供給源として、例えば加圧された置換ガスG3を充填した圧力容器が用いられ、その圧力容器を外側入口3aに接続する配管に、置換ガスG3の外管3への供給流量の設定手段として質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器8が設けられる。
内側入口2a、内側出口2b、外側入口3aおよび外側出口3bは、内側ガス流路2cにおける未処理試料ガスG1の流動方向と外側ガス流路3cにおける置換ガスG3の流動方向とが互いに逆方向となるように配置されている。
多孔性隔壁2Aにより第1配管である内管2と第2配管である外管3とが隔てられている。すなわち、内管2における内側ガス流路2cを覆う周壁の両端間部位は、未処理試料ガスG1と置換ガスG3との分圧差による拡散によって未処理試料ガスG1を内側ガス流路2c外に移動させると共に置換ガスG3を内側ガス流路2c内に移動させるための多孔性隔壁2Aにより構成されている。多孔性隔壁2Aの各孔径は、内側ガス流路2cにおけるガス圧力と外側ガス流路3cおけるガス圧力との差による多孔性隔壁2Aを介するガス移動を実質的に阻止するように設定され、本実施形態では実質的に0.8μm〜0.001μmとされる。各孔径は、ガスG1、G3の置換効率が低下して装置が大型化するのを防止するために0.001μm以上とされ、好ましくは0.002μm以上であり、より好ましくは0.02μm以上である。また各孔径は、微粒子が各孔を透過したり各孔に捕捉されて分析精度が低下したりガス圧力差によるガス移動が生じるのを防止するため0.8μm以下とされ、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.2μm以下である。なお、多孔性隔壁2Aにおいて、ガス置換機能に影響することのない程度の僅かな数の孔の径が0.8μm〜0.001μmの範囲外であっても良く、実質的に0.8μm〜0.001μmであればよい。多孔性隔壁2Aの気孔率は特に制限されないが、ガス置換効率および機械的強度の観点から40%〜80%であるのが好ましい。多孔性隔壁2Aの材質は、上記条件に合致する多孔性材であれば特に制限されず、石英ガラス等のガラスやセラミック等が好ましく、例えばシラス多孔質ガラス(SPG)を用いることができる。内管2の両端近傍部位2B、2Cは多孔性隔壁2Aと内外径が等しく滑らかに結合される。なお、内側ガス流路2cを覆う周壁全体を多孔性隔壁2Aとしてもよく、内側ガス流路2cの少なくとも一部を覆う部位を多孔性隔壁2Aとすればよい。
内管2の両端近傍部位2B、2Cと外管3の材質は特に限定されず、複数の異なる材質から構成してもよい。例えば、加工容易性および内管2に導入された未処理試料ガスG1の加熱容易性や耐熱性の観点から、金属、セラミック、ガラスであるのが好ましく、セラミックや石英ガラスのようなガラスとするのが望ましい。
前処理装置1によるガス置換は、内管2に内側入口2aから微粒子を含む未処理試料ガスG1を導入し、多孔性隔壁2Aにより囲まれた内側ガス流路2cにおいて流動させ、置換ガスG3を外側入口3aから外管3に流入させて多孔性隔壁2Aの周囲における外側ガス流路3cにおいて未処理試料ガスG1の流動方向と逆方向に流動させることで行う。これにより、未処理試料ガスG1と置換ガスG3との分圧差による拡散により、換言すれば内側ガス流路2cの内外における未処理試料ガスG1と置換ガスG3との濃度差を推進力として、未処理試料ガスG1の大部分を多孔性隔壁2Aを介して内側ガス流路2c外に移動させると共に置換ガスG3の一部を多孔性隔壁2Aを介して内側ガス流路2c内に移動させる。内側ガス流路2cにおいては、内側入口2aから内側出口2bに向かうに従い未処理試料ガスG1の濃度が次第に低下すると共に置換ガスG3の濃度が次第に増加する。外側ガス流路3cにおいては、外側入口3aから外側出口3bに向かうに従い置換ガスG3の濃度が次第に低下すると共に未処理試料ガスG1の濃度が次第に増加する。これにより、未処理試料ガスG1のすくなくとも一部のガス成分と置換された置換ガスG3は、微粒子と僅かな未処理試料ガスG1と共に内側出口2bから流出する処理済試料ガスG4を構成する。また、未処理試料ガスG1と置換ガスG3を外側出口3bから排出ガスG5として流出させることができる。この際、内側ガス流路2cと外側ガス流路3cとのガス圧力差、すなわち内側ガス流路2cの内外のガス圧力差による多孔性隔壁2Aを介するガス移動を多孔性隔壁2Aにより実質的に阻止できる。よって、多孔性隔壁2Aの各孔径、気孔率、肉厚、管径、長さ、形状、外管3の内径、形状、未処理試料ガスG1および置換ガスG3の流量等を適宜設定することで、内側出口2bから流出する処理済試料ガスG4の不要成分を、分析装置における分析に悪影響を及ぼさないだけの限界量以下にまで削減できる。
前処理装置1においては、内側ガス流路2c外に移動する未処理試料ガスG1の量と内側ガス流路2c内に移動する置換ガスG3の量とを略等しくし、内側ガス流路2cにおいて未処理試料ガスG1の殆どを置換ガスG3に置換し、内側出口2bから流出する処理済試料ガスG4の流量が変動するのを防止できる。この際、内側ガス流路2cにおける微粒子は、その径が多孔性隔壁2Aの孔径を超えるものは各孔を透過したり各孔に捕捉されることはなく、また、その孔径以下のものもガスより拡散速度が遅く拡散ガスの流れによる慣性力も非常に弱いことから、大部分の微粒子は外側ガス流路3cに移動することなく置換ガスG3と共に内側出口2bから流出する。よって、内側ガス流路2cに未処理試料ガスG1と共に導入された微粒子を減損することなく、未処理試料ガスG1とほぼ同流量の置換ガスG3と共に分析装置に供給することができる。
前処理装置1により前処理された処理済試料ガスG4は、内側出口2bから接続ガス流路20へ流出し、接続ガス流路20を介して分析装置30に導かれる。本実施形態の分析装置30はプラズマ分析装置とされている。分析装置30は、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等をプラズマガスG6としてプラズマPを形成するためのプラズマトーチ30aと、処理済試料ガスG4をプラズマPに導くためにプラズマトーチ30aの中心に配置されるセンターチューブ30bを有する。プラズマ分析装置は公知のものを用いることができる。噴霧ガスG2、置換ガスG3はプラズマガスG6と同一組成とするのが好ましい。
図1および図3に示すように、接続ガス流路20に、ガス付加装置40と、前処理装置1の下流であってガス付加装置40の上流に配置される圧力調整装置50が設けられている。接続ガス流路20はガス付加装置40と圧力調整装置50の内部を貫通する。
ガス付加装置40は、分析装置30に向かい流動する処理済試料ガスG4に接続ガス流路20においてキャリアガスG7を付加し、そのキャリアガスG7の付加流量の変更手段を有する。本実施形態のガス付加装置40は、接続ガス流路20に導入されるキャリアガスG7の圧力ヘッド低下に基づき処理済試料ガスG4を接続ガス流路20に導くアスピレータを有する。
すなわちガス付加装置40は、第1ダクト41と、第1ダクト41に接続される第2ダクト42と、キャリアガスG7の付加流量の変更手段として質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器43を有する。両ダクト41、42は接続ガス流路20の一部を構成する。第1ダクト41の一端開口は接続ガス流路20のガス流出口20bを構成し、分析装置30のセンターチューブ30bの入口に接続される。第1ダクト41内に、絞り部41aと、絞り部41aの出口に連なるディフューザ41bが形成されている。第1ダクト41の他端開口はキャリアガスG7の供給源44に流量制御器43を介して接続される。第2ダクト42の入口は後述の圧力調整装置50の第1パイプ51を介して前処理装置1の内側出口2bに通じ、第2ダクト42の出口は絞り部41aの出口近傍におけるキャリアガスG7の噴出領域に通じる。供給源44は、例えばガスボンベのような圧力容器とされ、加圧されたキャリアガスG7を第1ダクト41に供給する。これにより、接続ガス流路20に導入されるキャリアガスG7の絞り部41aからの噴出による圧力ヘッド低下に基づき、処理済試料ガスG4が接続ガス流路20に吸引され、キャリアガスG7が処理済試料ガスG4に付加される。すなわちガス付加装置40はアスピレータを構成する。このアスピレータは公知のものを用いることができる。このキャリアガスG7の付加流量は流量制御器43により変更される。キャリアガスG7を付加された処理済試料ガスG4は、分析装置30のセンターチューブ30bを介しプラズマPに導かれる。キャリアガスG7はプラズマガスG6と同一組成とするのが好ましい。
圧力調整装置50は、ガス付加装置40の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する。本実施形態の圧力調整装置50は、接続ガス流路20における前処理装置1とガス付加装置40との間において、ガスの圧力変動を規制する。そのため本実施形態の圧力調整装置50は、接続ガス流路20を構成する第1パイプ51と、シールガス流路52aを構成する第2パイプ52と、第1パイプ51と第2パイプ52を連結する連結パイプ53を有し、連結パイプ53の内部が連通流路53aとされている。
第1パイプ51の一端開口は、接続ガス流路20のガス流入口20aを構成し、前処理装置1の内側出口2bに接続される。第1パイプ51の他端開口は、ガス付加装置40の第2ダクト42の入口に接続される。これにより、前処理装置1から流出する処理済試料ガスG4は、接続ガス流路20を介して分析装置30のセンターチューブ30bに導かれる。シールガス流路52aの入口52a′はシールガスG8の供給源54に質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器55を介して接続され、シールガス流路52aの出口52a″は大気中に連通される。なお、シールガス流路52aの出口52a″は一定圧力の雰囲気中に連通されてもよい。シールガス流路52aにおける入口52a′と出口52a″との間は、接続ガス流路20における前処理装置1とガス付加装置40との間に、連通流路53aを介して連通する。
ガス付加装置40による処理済試料ガスG4の吸引等により、ガス付加装置40の上流の接続ガス流路20においてガス圧力が低下すると、シールガス流路52aに入口52a′から導入されるシールガスG8の一部が接続ガス流路20に導かれ、その圧力低下がキャンセルされる。これにより、前処理装置1とガス付加装置40との間において接続ガス流路20内を略大気圧に維持できる。よって、キャリアガスG7の付加流量変更時に、接続ガス流路20内のガスの圧力変動を前処理装置1とガス付加装置40との間において規制することで、前処理装置1におけるガスの圧力変動を規制できる。シールガスG8はプラズマガスG6と同一組成とするのが好ましい。シールガスG8の流量は、試料導入システムA1と外部との間のガスシールが破壊されることのない予め定めた充分な流量に設定すればよい。
上記実施形態によれば、接続ガス流路20を流れる処理済試料ガスG4へのキャリアガスG7の付加流量がガス付加装置40により変更され、前処理領域におけるガスの圧力変動が圧力調整装置50により規制される。これにより、前処理装置1に導入される未処理試料ガスG1の流量を変化させることなく、また、前処理装置1におけるガスの圧力変動を生じさせることなく、分析試料と共に分析装置30に導入されるガスの流量を変化させることができる。よって、前処理装置1による処理条件を変化させる必要がないので分析条件の多様性に適合できる。
さらに、前処理装置1とガス付加装置40との間において接続ガス流路20はシールガス流路52aを介して大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通し、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量は一定になる。よって、キャリアガスG7の付加流量を変化させる際に、前処理装置1に導入される未処理試料ガスG1の流量を変化させることなく、確実に前処理装置1におけるガスの圧力変動を防止できる。また、キャリアガスG7の付加流量が変化しても、前処理装置1とガス付加装置40との間における接続ガス流路20の内圧を均一かつ一定に保持できる。さらに、シールガス流路52aを流れるシールガスG8により、試料導入システムA1と外部との間をガスシールできる。すなわち、可動部材を用いることなく接続ガス流路20の内圧変動を規制すると共に、接続ガス流路20の内部と周囲環境との間をシールすることでシステム内の汚染を防止できる。これにより、前処理装置1と接続ガス流路20との接続部におけるシール等を介して周囲環境等における汚染物質が分析装置30に混入したり、処理済試料ガスG4が外部に漏洩するのを防止できる。よって、安定した分析結果を得ることができ、特にプラズマ分析装置30においては、プラズマPの温度変化や電子密度変化を生じることなく安定したプラズマPを維持でき、高感度分析に貢献できる。
また、前処理装置1において、未処理試料ガスG1における少なくとも一部のガス成分を置換ガスG3と置換することで不要成分を除去できる。この際、前処理領域1に導入される未処理試料ガスG1の流量や前処理装置1でのガス圧力が変動しないので、置換ガスG3の流量や圧力等の処理条件を変化させる必要がなく、分析装置30に導入されるガス流量の変化に容易に対応できる。さらに、多孔性隔壁2Aを挟んだ領域でのガス圧力差を低減し、未処理試料ガスG1と置換ガスG3との分圧差による多孔性隔壁2Aでの拡散を介するガス置換が阻害されるのを防止できる。また、分析装置30に導入されるガス流量と無関係に前処理装置1においてガス置換できることから、ガス置換に際して分析試料である微粒子の散逸を防止できるだけでなく、ガス置換効率を一定に維持できる。しかも、分析試料の種類に応じてガス置換効率が変化しないように未処理試料ガスG1の流量を変化させる場合、未処理試料ガスG1の流量変化に応じてキャリアガスG7の流量を変化させることで、分析装置30に導入されるガス流量を分析に最適な値に維持できる。これにより、前処理装置1でのガス置換効率を最適化すると同時に、分析装置30に導入されるガス流量を最適化して安定したプラズマPを維持することができる。
プラズマPにセンターチューブ30bを介して分析試料をガスと共に導く際、そのセンターチューブ30bにおいてガスが絞られることから、もし前処理装置1と分析装置30を直接に接続するとセンターチューブ30bへの導入ガス流量の変化により接続ガス流路20の内圧は変動する。しかし、本実施形態では、前処理装置1と分析装置30はガス付加装置40を介して接続され、ガス付加装置40によりセンターチューブ30bへの導入ガス流量が変更され、その導入ガス流量の変更時における前処理装置1とガス付加装置40との間における接続ガス流路20のガスの圧力変動は圧力調整装置50により規制されるので、前処理装置1と接続ガス流路20との接続部におけるシール等を介して周囲環境等における汚染物質がシステム内に混入したり、処理済試料ガスG4が外部に漏洩するのを防止できる。例えば、センターチューブ30bの先端部の内径が1〜2mm、プラズマPに導入されるガス流量が500〜2000ml/minである場合、もし前処理装置1と分析装置30を直接に接続すると前処理装置1の内管2の内圧は数百Paになることから、分析試料が多孔性隔壁2Aを介してシステム外へ散逸するのを防止する必要がある。そのためには、置換ガスG3の供給条件等の設定を厳密にして外管3内のガス圧力を制御する必要があるため、分析装置30における分析条件の変化に容易に対応できない。しかし上記実施形態によれば、圧力調整装置50により内管2の内圧変動を防止できるので、そのような外管3内のガス圧力の制御は不要である。これにより、分析試料を構成する元素の種類等に応じてプラズマPに導入されるガス流量を自動的に切り替えるオートチューニングにより分析条件の最適化を容易に行える。
ガス付加装置40としてアスピレータを用いることで、接続ガス流路20に可動部材や動力源を設けることなくキャリアガスG7を付加できる。また、未処理試料ガスを前処理装置1に導入するのに必要な圧力を未処理試料ガスG1自身が有さない場合であっても、可動部材や動力源を設けることなく、所定量の未処理試料ガスG1を前処理装置1に導入できる。アスピレータの性能は特に限定されないが、吸引される処理済試料ガスG4の流量はキャリアガスG7の流量以上であるのが好ましい。例えば、キャリアガスG7の流量が500ml/minのとき、吸引される処理済試料ガスG4の流量は500ml/min以上とされる。アスピレータの材質は、システム内を汚染したり特定成分を選択的に吸着する等の不具合のないものであればよく、例えば石英ガラスやタイゴン(Norton Performance Plastics 社商標:ポリ塩化ビニル)等を用いることができる。
図4〜図6は本発明の第2実施形態の試料導入システムA2を示す。以下、第2実施形態において第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
第2実施形態においては、圧力調整装置50は前処理装置1の上流に配置され、シールガス流路52aにおける入口52a′と出口52a″との間が、接続ガス流路20ではなく導入流路10に連通流路53aを介して連通される。そのため、第2実施形態のガス付加装置40における第2ダクト42の入口は、前処理装置1の内側出口2bに直接に接続される。圧力調整装置50における第1パイプ51の一端開口は、導入流路10のガス流出口10aを構成し、前処理装置1の内側入口2aに接続される。第1パイプ51の他端開口は、導入流路10を構成する配管を介して未処理試料ガスG1の供給源に接続される。シールガス流路52aにおける入口52a′と出口52a″との間は、導入流路10における前処理装置1の内側入口2a近傍に、連通流路53aを介して連通する。
ガス付加装置40による処理済試料ガスG4の吸引等により、導入流路10においてガス圧力が低下すると、シールガス流路52aに入口52a′から導入されるシールガスG8の一部が導入流路10に導かれ、その圧力低下がキャンセルされる。これにより、導入流路10内のガスの圧力変動を規制することで、前処理装置1におけるガスの圧力変動を規制できる。
なお、シールガスG8が導入流路10に導かれることで、前処理装置1へは未処理試料ガスG1だけでなくシールガスG8も導入されるが、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量自体は一定であるので、前処理装置1による処理条件を変化させる必要はない。
他は第1実施形態と同様である。
図7、図8は本発明の第3実施形態の試料導入システムA3を示す。以下、第3実施形態において第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
第3実施形態においては、圧力調整装置50Bは前処理装置1の上流に配置され、シールガスを用いることなくガスの圧力変動を防止する。そのため。第3実施形態の圧力調整装置50Bは、第1実施形態における圧力調整装置50の構成に代えて、導入流路10から分岐する排気流路50′を有する。本実施形態においては、排気流路50′を導入流路10から分岐させるため、排気流路50′と導入流路10をT字管により構成している。導入流路10に第1実施形態と同様に供給される加圧された未処理試料ガスG1は、一部が前処理装置1に導入され、残部が排気流路50′の出口50″から排出される。排気流路50′の出口50″は大気中に連通される。なお、排気流路50′の出口50″は一定圧力の雰囲気中に連通されてもよい。
第3実施形態のガス付加装置40Aにおける第2ダクト42の入口は、前処理装置1の内側出口2bに直接に接続される。また、第3実施形態のガス付加装置40Aは、第1実施形態のガス付加装置40と同様の構成に加えて、第3ダクト45と、流量制御器46を有する。第3ダクト45の一端開口はディフューザ41bよりも下流において第1ダクト41の内部に連なり、第3ダクト45の他端開口は流量制御器46を介してキャリアガスG7′の供給源47に接続される。供給源47は、例えばガスボンベのような圧力容器とされ、加圧されたキャリアガスG7′を第3ダクト45を介して第1ダクト41に供給する。キャリアガスG7′はプラズマガスG6と同一組成とするのが好ましい。これにより、第3実施形態のガス付加装置40Aにおいては、供給源44から流量制御器43を介して供給されるキャリアガスG7だけでなく、供給源47から流量制御器46を介して供給されるキャリアガスG7′が処理済試料ガスG4に付加される。第3実施形態におけるガス付加装置40AによるキャリアガスG7′の付加流量の変更手段は流量制御器46により構成される。
第3実施形態においては、ガス付加装置40Aが構成するアスピレータによる未処理試料ガスG1の吸引流量が、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量とされる。その吸引流量は流量制御器43により設定されるキャリアガスG7の流量に応じて定まることから、流量制御器43が前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定手段として機能する。その前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量は一定値に設定される。
第3実施形態においては、導入流路10へ加圧された未処理試料ガスG1が第1実施形態と同様に供給源から供給され、その導入流路10への未処理試料ガスG1の供給流量の設定手段が設けられている。第1実施形態と同様に導入流路10に未処理試料ガスG1を噴霧器11により供給する場合、噴霧ガスG2の流量を設定する流量制御器13が未処理試料ガスG1の供給流量の設定手段として機能する。また、気体状の分析試料を含む加圧ガスを未処理試料ガスG1として充填した圧力容器を供給源とし、その圧力容器を導入流路10に供給流量の設定手段として機能する流量制御器を介して接続してもよい。導入流路10への未処理試料ガスG1の供給流量の設定値は、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定値よりも大きくされる。
他は第1実施形態と同様とされる。
第3実施形態によれば、排気流路50′の出口は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通し、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量は一定になるため、前処理装置1に導入される未処理試料ガスG1の流量を変化させることなく、確実に前処理装置1におけるガスの圧力変動を防止できる。また、導入流路10への未処理試料ガスG1の供給流量の設定値が前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定値よりも大きくされているので、排気流路50′を流れる未処理試料ガスG1により、試料導入システムA3と外部との間をガスシールできる。すなわち、可動部材を用いることなく、前処理装置1でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
図9は本発明の第4実施形態の試料導入システムA4を示す。以下、第4実施形態において第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
第4実施形態においては、導入流路10に供給される未処理試料ガスG1の圧力は大気圧あるいは一定圧とされ、導入流路10の入口は質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器を介することなく直接に未処理試料ガスG1の雰囲気中に連通する。例えば、導入流路10の入口が大気中や一定圧力の雰囲気中に連通するものとされ、その大気あるいは雰囲気が未処理試料ガスG1とされる。
第4実施形態においては、圧力調整装置50Cは前処理装置1の上流に配置され、シールガスを用いることなくガスの圧力変動を防止する。第4実施形態の圧力調整装置50Cは、第1実施形態における圧力調整装置50の構成に代えて、導入流路10から分岐する分岐流路50aを有する。分岐流路50aを構成する配管の一端は、前処理装置1の内側入口2aの近傍において導入流路10を構成する配管に接続され、分岐流路50aを構成する配管の他端は前処理装置1の外側出口3bに接続される。これにより、分岐流路50aは導入流路10を内側入口2aの近傍において外側出口3bに連通させる。
導入流路10に供給された未処理試料ガスG1の一部を、分岐流路50aを介して前処理装置1の外側出口3bからの排出ガスG5と共に吸引するガス吸引手段が設けられている。本実施形態のガス吸引手段は真空ポンプ60により構成され、真空ポンプ60のガス吸引側は分岐流路50aを構成する配管に流量制御器61を介して接続される。真空ポンプ60のガス排出側は大気中に連通される。ガス吸引手段は真空ポンプ60に限定されず、例えばブロアやファンにより構成してもよい。また、真空ポンプ60のガス排出側は一定圧力の雰囲気中に連通されてもよい。その流量制御器61により、真空ポンプ60による未処理試料ガスG1と排出ガスG5の合計吸引流量の設定手段が構成される。真空ポンプ60による未処理試料ガスG1と排出ガスG5の合計吸引流量の設定値は、流量制御器8により設定される外管3への置換ガスG3の供給流量の設定値よりも大きくされている。
第4実施形態においては、第1実施形態のガス付加装置40に代えて第3実施形態と同様のガス付加装置40Aを備え、流量制御器46がガス付加装置40AによるキャリアガスG7′の付加流量の変更手段として機能する。また、第4実施形態においては、ガス付加装置40Aが構成するアスピレータによる未処理試料ガスG1の吸引流量が、前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量とされる。その吸引流量は流量制御器43により設定されるキャリアガスG7の流量に応じて定まることから、流量制御器43が前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量の設定手段として機能する。その前処理装置1への未処理試料ガスG1の導入流量は一定値に設定される。
他は第1実施形態と同様とされる。
第4実施形態によれば、導入流路10に供給される未処理試料ガスG1の圧力は大気圧あるいは一定圧とされ、未処理試料ガスG1と排出ガスG5の合計吸引流量の設定値は、外管3への置換ガスG3の供給流量の設定値よりも大きくされる。よって、導入流路10に供給される未処理試料ガスG1の一部は、確実に分岐流路50aを介して真空ポンプ60により吸引される。そして、真空ポンプ60のガス排出側は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通するので、導入流路10における内側入口2aの近傍において未処理試料ガスG1の圧力を略大気圧あるいは一定圧にできる。これにより、導入流路10が長いために未処理試料ガスG1の圧力損失が大きく、導入流路10の長さや径の相違により圧力損失の大きさが一定でない場合でも、導入流路10における内側入口2aの近傍でのガスの圧力変動を阻止し、前処理装置1でのガスの圧力変動を規制すると共に周囲環境に対するシールができる。
本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、圧力調整装置を圧力調整弁により構成してもよい。
また、第1、第2実施形態において、ガス付加装置として、アスピレータに代えてポンプ、ブロア、ファン等のガス吸引手段により処理済試料ガスを吸引し、そのガス吸引手段の下流の接続ガス流路において、高圧ボンベやポンプから吐出されるキャリアガスを質量流量コントローラ(MFC)、流量制御弁等の流量制御器を介して処理済試料ガスに付加する構成としてもよい。
第3、第4実施形態においては、供給源47から流量制御器46を介してキャリアガスG7′を処理済試料ガスG4に付加できるので、ガス付加装置40Aはアスピレータに代えて未処理試料ガスG1を吸引するポンプ、ブロアあるいはファン等のガス吸引手段を有するものであってもよい。
また、上記各実施形態の前処理装置1においては内管2を第1配管とし、外管3を第2配管としたが、これに代えて、内管2を第2配管とし、外管3を第1配管としてもよい。この場合、内側入口2aが第2入口とされ、内側出口2bが第2出口とされ、内側ガス流路2cが第2ガス流路とされ、外側入口3aが第1入口とされ、外側出口3bが第1出口とされ外側ガス流路3cが第1ガス流路とされる。これにより、内側入口2aは置換ガスG3の供給源に接続され、内側出口2bから未処理試料ガスG1と置換ガスG3が排出ガスG5として流出され、外側入口3aに導入流路10が接続されることで外側ガス流路3cに未処理試料ガスG1が導入され、外側出口3bに接続される接続ガス流路20を介して分析装置30に処理済試料ガスG4が導かれる。
さらに、上記各実施形態の前処理装置1は内管2を第1配管とし外管3を第2配管とする二重管構造を備えるが、これに代えて、図10の変形例に示すように、互いに平行に配置される2本の配管101、102を備え、両配管101、102が多孔性隔壁2Aを共有する構造を採用してもよい。この場合、両配管101、102の中の一方が第1配管とされ、他方が第2配管とされ、両配管101、102が多孔性隔壁2Aにより隔てられる。
分析装置はプラズマ分析装置に限定されず、例えばガスクロマトグラフ質量分析法による分析を行う分析装置でもよい。
前処理装置による不要成分の除去方法は上記実施形態に限定されず、例えば従来技術として示したような、不要成分として水分を除去するドライヤや、分析試料である微粒子を荷電して分級する際にガス状汚染成分を除去し、微粒子を所望のガス種からなる雰囲気中に浮遊させる微粒子分級装置を用いてもよい。
上記第1実施形態の試料導入システムA1を用い、分析装置30のセンターチューブ30bに導入されるガス流量を変化させ、前処理装置1の内側出口2bにおけるガス圧力とセンターチューブ30bにおけるガス流量を測定した。
本実施例では、未処理試料ガスG1の流量は一定(300ml/min)とし、キャリアガスG7の流量を変化させることで分析装置30のセンターチューブ30bに導入されるガス流量を変化させた。
分析装置30のセンターチューブ30bの先端部の内径は1.5mmとした。前処理装置1の外側出口3b、シールガス流路52aの出口52a″、センターチューブ30bの出口におけるガス圧力はそれぞれ大気圧とした。
センターチューブ30bの先端部の内径を1.8mmとした以外は実施例1と同様にして、前処理装置1の内側出口2bにおけるガス圧力を測定した。
比較例1
第1実施形態の試料導入システムA1に代えて図11に示す比較例の試料導入システムBを用い、分析装置30のセンターチューブ30bに導入されるガス流量を変化させ、前処理装置1の内側出口2bにおけるガス圧力を測定した。
比較例の試料導入システムBは、ガス付加装置40と圧力調整装置50を除き、前処理装置1と分析装置30を接続ガス流路20を介して直接に接続した以外は実施形態の試料導入システムA1と同一構成であり、実施形態の試料導入システムA1と同一部分は同一符号で示している。
本比較例の試料導入システムBにおいては、未処理試料ガスG1の流量を実施例1における分析装置30のセンターチューブ30bに導入されたガス流量と同様に変化させた。
分析装置30のセンターチューブ30bの先端部の内径は1.5mmとした。前処理装置1の外側出口3b、センターチューブ30bの出口におけるガス圧力はそれぞれ大気圧とした。
比較例2
センターチューブ30bの先端部の内径を1.8mmとした以外は比較例1と同様にして、前処理装置1の内側出口2bにおけるガス圧力を測定した。
以下の表1は各実施例における測定結果を示し、表2は各比較例における測定結果を示す。
Figure 0004462575
Figure 0004462575
表1、表2から、実施例1および2では前処理装置1の内側出口2bにおけるガス圧力は略大気圧であり、圧力調整装置50の作用によりセンターチューブ30bの径が変化してもガス圧力は略一定であり、比較例1および2におけるような大きなガスの圧力変動を生じないことを確認できる。すなわち本発明の実施例によれば、分析装置30における分析条件の変化に応じてキャリアガスG7の流量を変化させても、分析試料である微粒子等の散逸を防止し、前処理装置1におけるガス置換効率を一定に維持できることを確認できる。

Claims (8)

  1. 分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、
    前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、
    前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、
    前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置とを備え、
    前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、
    前記圧力調整装置はシールガス流路を有し、
    前記シールガス流路は、シールガスの供給源に接続される入口と、大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する出口とを有し、
    前記シールガス流路は前記ガス付加装置の上流に連通され、
    前記シールガス流路に導入される前記シールガスの一部が前記ガス付加装置の上流に導かれることで、前記ガス付加装置の上流における圧力低下がキャンセルされる試料導入システム。
  2. 前記圧力調整装置は連通流路を有し
    記シールガス流路の入口と出口との間は、前記接続ガス流路における前記前処理装置と前記ガス付加装置との間に前記連通流路を介して連通され、
    前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段が設けられ、
    前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定される請求項1に記載の試料導入システム。
  3. 前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導入する導入流路を備え、
    前記圧力調整装置は連通流路を有し
    記シールガス流路の入口と出口との間は、前記導入流路に前記連通流路を介して連通され、
    前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段が設けられ、
    前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定される請求項1に記載の試料導入システム。
  4. 分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、
    前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、
    前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、
    前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置と、
    前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導入する導入流路を備え、
    前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、
    前記圧力調整装置は、前記導入流路から分岐する排気流路を有し、
    前記排気流路は、大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する出口を有し、
    前記導入流路への前記未処理試料ガスの供給流量の設定手段と、
    前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段とが設けられ、
    前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定され、
    前記未処理試料ガスの前記供給流量の設定値は前記導入流量の設定値よりも大きくされ
    前記排気流路の出口が大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通され、前記未処理試料ガスの導入流量が一定値に設定されることで、前記前処理装置でのガスの圧力変動が規制される試料導入システム。
  5. 分析試料を含む未処理試料ガスから不要成分を除去する前処理を行う前処理装置と、
    前記前処理装置により処理された処理済試料ガスを分析装置に導く接続ガス流路と、
    前記分析装置に向かい流動する前記処理済試料ガスに前記接続ガス流路においてキャリアガスを付加するガス付加装置と、
    前記ガス付加装置の上流において分析試料を含むガスの圧力変動を規制する圧力調整装置と、
    前記前処理装置へ前記未処理試料ガスを導く導入流路を備え、
    前記ガス付加装置は前記キャリアガスの付加流量の変更手段を有し、
    前記分析試料は固体微粒子とされ、
    前記前処理装置は、第1配管と、第2配管と、前記第1配管と前記第2配管を隔てる多孔性隔壁を有し、
    前記第1配管は、前記導入流路に接続される第1入口と、前記接続ガス流路に接続される第1出口と、前記第1入口と前記第1出口との間の第1ガス流路とを有し、
    前記第2配管は、置換ガスの供給源に接続される第2入口と、前記置換ガスと置換された前記未処理試料ガスを含む排出ガスを流出させるための第2出口と、前記第2入口と前記第2出口との間の第2ガス流路とを有し、
    前記前処理装置により、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分を前記多孔性隔壁での分圧差による拡散を介して前記置換ガスと置換するガス置換機能が奏され、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分と置換された前記置換ガスにより前記処理済試料ガスが構成され、
    前記多孔性隔壁の各孔径は、前記第1ガス流路におけるガス圧力と前記第2ガス流路におけるガス圧力との差による前記多孔性隔壁を介するガス移動を実質的に阻止するように設定され、
    前記圧力調整装置は、前記導入流路を、前記第1入口の近傍において前記第2出口に連通させる分岐流路を有し、
    前記導入流路に供給された前記未処理試料ガスの一部を、前記分岐流路を介して前記排出ガスと共に吸引するガス吸引手段と、
    前記前処理装置への前記未処理試料ガスの導入流量の設定手段と、
    前記ガス吸引手段による前記未処理試料ガスと前記排出ガスの合計吸引流量の設定手段と、
    前記置換ガスの前記第2配管への供給流量の設定手段とが設けられ、
    前記導入流路に供給される前記未処理試料ガスの圧力は大気圧あるいは一定圧とされ、
    前記未処理試料ガスの導入流量は一定値に設定され、
    前記未処理試料ガスと前記排出ガスの合計吸引流量の設定値は、前記置換ガスの供給流量の設定値よりも大きくされ、
    前記ガス吸引手段のガス排出側は大気中あるいは一定圧力の雰囲気中に連通する試料導入システム。
  6. 前記分析試料は固体微粒子とされ、
    前記前処理装置は多孔性隔壁を有し、
    前記前処理装置により、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分を前記多孔性隔壁での分圧差による拡散を介して置換ガスと置換するガス置換機能が奏され、前記未処理試料ガスにおける少なくとも一部のガス成分と置換された置換ガスにより前記処理済試料ガスが構成される請求項1〜4の中の何れかに記載の試料導入システム。
  7. 前記分析装置は、前記キャリアガスを付加された前記処理済試料ガスをプラズマに導くためのチューブを有するプラズマ分析装置である請求項1〜6の中の何れか1項に記載の試料導入システム。
  8. 前記ガス付加装置は、前記接続ガス流路に導入されるキャリアガスの圧力ヘッド低下に基づき前記処理済試料ガスを前記接続ガス流路に導くアスピレータを有する請求項1〜7の中の何れか1項に記載の試料導入システム。
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