JP4460949B2 - A/d変換器およびa/d変換方法 - Google Patents

A/d変換器およびa/d変換方法 Download PDF

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Description

本発明は、A/D変換器およびA/D変換方法に関し、特に電荷再配分型のA/D変換器およびA/D変換方法の改良を図ったものに関する。
以下に、従来の電荷再配分型A/D変換器の動作について説明する。
図9(a)は特許文献1に示された従来の電荷再配分型A/D変換器の構成の一例を示す。
この従来のA/D変換器は、アナログ入力端子301およびアナログ・リファレンス電源端子302に対応して、制御部201と、コンパレータ237と、記憶レジスタ238と、トランスファ・ゲート222〜232と、コンデンサ・アレイ部を形成するコンデンサ233〜236と、インバータ202〜206,208,217〜221と、NAND回路207,209〜216とを備えて構成されている。ここにおいて、コンデンサ233(容量C1),234(容量C2),235(容量C3),236(容量C4)の相対容量比は、次式のように設定されている。
C1:C2:C3:C4=1:1/2:1/4:1/8
次に、図9(a)のブロック図と図9(b)に示される動作信号のタイミング図を参照して、本従来例における電荷再配分型A/D変換の動作原理について説明する。
まず、サンプル期間(図9(b)参照)においては、制御部201より出力される制御信号S1,S3,S5,S7およびS9の出力レベルが“1”となって、トランスファ・ゲート225,227,229,231および233がオンの状態となり、また、制御部201より出力される制御信号S2,S4,S6およびS8の出力レベルおよびインバータ221の出力レベルが“0”となって、トランスファ・ゲート224,226,228,230および222がオフの状態となり、アナログ入力端子301より入力されるアナログ信号は、トランスファ・ゲート223,225,227,229および231を経由して、コンデンサ233,234,235および236に対する充放電が行われる。これにより、当該アナログ信号のアナログ値のサンプリングが行われる。
上記サンプリング期間に続くホールド期間においては、制御部201より出力される制御信号S1,S3,S5,S7およびS9の出力レベルが“0”となって、トランスファ.・ゲート225,227,229,231および223がオフの状態となり、サンプリング期間において取込まれた電荷がコンデンサ233,234,235および236にホールドされる。この時にコンパレータ237に入力されるコンペア・ラインの電位Vは、アナログ入力端子301に入力されるアナログ電圧のレベルをV1とすると、次式により示される。
V=−V1
次いでA/D変換動作に入り、先ず、変換動作の第1のステートにおいては、制御部201より出力される制御信号S3の出力レベルが“1”となり、トランスファ・ゲート225はオンの状態となる。これにより、コンデンサ233の一方の端子にはアナログ・リファレンス電源端子302より入力されるリファレンス電圧Vrのレベルが印加される。コンデンサ233の容量C1は、コンデンサC1〜C4の全容量値の約1/2であるから、コンパレータ237に入力されるコンペア・ラインの電圧Vは、次式により与えられる。
V=−V1+Vr/2
ここにおいて、V<0の場合には、制御部201に送られるコンパレータ237の出力レベルは“0”となり、制御部201より出力される制御信号S3の出力レベルは“1”のままに保持され、これによりトランスファ・ゲート225はオン状態のままとなって、最上位ビットは“1”に設定される。また、V>0の場合には、コンパレータ237の出力レベルは“1”となり、制御部201より出力される制御信号S2の出力レベルは“1”、S3の出力レベルは“0”となって、トランスファ・ゲート224はオンの状態、トランスファ・ゲート225はオフの状態となって、最上位ビットは“0”に設定される。ここにおいて、図9(b)においては、制御信号S2の出力レベルが“0”、S3の出力レベルが“1”の状態において、最上位ビットには“1”が設定されている。
次に、最上位から2ビット目を決定する。制御部201においては、制御信号S5の出力レベルを“1”とし、トランスファ・ゲート227をオンの状態とし、これにより、コンパレータ237に入力されるコンペア・ラインの電圧Vは、既に設定されている最上位ビットの状態により、下記の2式のいずれかにより示される電位となる。
V=−V1+Vr/2+Vr/4(最上位ビットが“1”の時)
V=−V1+Vr/4(最上位ビットが“0”の時)
図9(b)のタイミング図に示される例においては、最上位ビットは“1”に設定されているために、コンペア・ラインの電位Vは、次式のように表わされる。
V=−V1+Vr+Vr/4
ここにおいても、最上位ビットを決定した時と同様に、コンパレータ237と制御部201とにより、V<0の場合には、最上位から2ビット目のビットは“1”に設定され、V>0の場合には“0”に設定される。以下、同様の手順により、最下位ビットまで決定されると、アナログ信号は(1111)〜(0000)までの八つの状態の何れかに分類される。図9(b)のタイミング図においては、最終的に(1100)となっている。
次に、上述のようにしてA/D変換された変換結果を記憶レジスタ238に書き込むステートにおいては、A/D変換結果が制御部201を介して記憶レジスタ238に書き込まれる。この書き込みのステートにおいては、制御部201から出力されて記憶レジスタ238に対する制御信号として作用するEND信号のレベルは“1”となり、このEND信号を介して制御部201からレジスタ238に入力されるA/D変換結果が記憶レジスタ238内に書き込まれる。以下、同様にして、サンプリング、ホールド、A/D変換およびレジスタに対する書き込みという動作手順により、A/D変換が繰り返して実行される。
ところで、このA/D変換器は、例えば4ビットのA/D変換動作を2回連続して行う場合、その変換値が(0000)→(1111)と変化する場合と(1111)→(1111)と変化する場合とでは、後者の場合、前者の場合に比べてコンデンサをまったく充電されていない状態からフルに充電しなければならないために、アナログ入力端子301を介して流れる充放電電流が余計に流れ込む状態となる。
このため、特にアナログ入力端子301が高インピーダンスで接続されている場合には、コンデンサに対する充電時間が余分に必要となるが、サンプリング時間は限られた変換時間に限定され、コンデンサに対する充放電時間はCRの時定数に反比例するため、アナログ入力端子301に接続できる抵抗値も制約される。
しかしながら、図9(a)に示す従来のA/D変換器では、こうした制約に対する対策として、以下のような手法によりサンプリング期間の短縮を図っている。
即ち、A/D変換が終了して、その変換結果を記憶レジスタ238に書き込むステートにおいては、制御部201より出力されるEND信号のレベルは“0”より“1”に変わり、このEND信号による制御作用をしてA/D変換結果が記憶レジスタ238に書き込まれるとともに、インバータ206の出力レベルが“1”より“0”に変わることにより、NAND回路207および209〜216の出力レベルは全て“1”となって、これにより、インバータ208および217〜221の反転作用を介して、トランスファ・ゲート223,224,227,229,231および232の各ゲートは全てオフの状態となる。この場合においては、コンデンサ233〜236における総電荷量Qは、次式に示されるように初期化される。
Q=C1・Vr
このため、連続して行われる次のA/D変換におけるサンプリング・ステートにおいては、また、トランスファ・ゲート223,225,227,229,231および232の各ゲートは全てオンの状態となって、サンプリング開始時におけるBラインにおける電位レベルVoは次式により与えられる。
Vo=Vr・C1/(C1+C2+C3+C4)=Vr/2
従って、アナログ入力端子301に印加されるアナログ電圧値のコンデンサ233〜236に対するサンプリングは、その前の変換時におけるサンプリング/ホールドされている電荷容量に関係なく、常にVr/2のレベルからの充電または放電が行われるため、サンプリング期間の長さを1/2に短縮することができる。
また、図9(c)は、本件の他の従来例を示すブロック図である。
図9(c)に示されるように、本従来例は、アナログ入力端子303およびアナログ・リファレンス電源端子304に対応して、制御部201と、インバータ206,208,221および239と、NAND回路207および240〜263と、トランスファ・ゲート222〜232と、コンデンサ・アレイ部を形成するコンデンサ233〜236と、コンパレータ237と、記憶レジスタ238と、初期値設定レジスタ264と、デコーダ265とを備えて構成されている。ここにおいて、図9(a)と同様に、コンデンサ233(容量C1),234(容量C2),235(容量C3),236(容量C4)の相対容量比は次式のように設定されている。
C1:C2:C3:C4=1:1/2:1/4:1/8
また、図9(d)は、図9(c)における動作信号を示すタイミング図である。
次に、図9(c)のブロック図と図9(d)に示される動作信号のタイミング図を参照して、本件の他の従来例の動作について説明する。
制御部201より出力される制御信号S1〜S9およびEND信号のタイミングについては、前述の従来例と同様に変化する。サンプリング,ホールドおよびA/D変換の動作中においては、前記END信号のレベルは“0”となっており、従って、インバータ206の出力レベルは“1”となり、これに伴い、NAND回路256〜263においては、NAND回路240〜247の出力レベルを反転させて出力することになり、結果的には、制御部201より出力される制御信号S1〜S9の出力レベルをそのまま出力することになる。従って、コンデンサ233〜236に接続されるトランスファ・ゲート224〜231に対するゲート制御作用は、前述した従来例の場合において示したように、制御部201から出力される制御信号S1〜S9により同様に行われる。また、トランスファ・ゲート222および223に対しても、図9(a)の場合と同様のゲート制御が行われるために、サンプリングから変換に至るまでの一連の動作は、図9(a)の場合と同様の手順において行われる。
この図9(c)の従来例と図9(a)の従来例との相違点は、変換動作が終了してその変換結果を記憶レジスタ238に対する書込みステートに移り、制御部201より出力されるEND信号のレベルが“0”より“1”になった場合に、制御部201より記憶レジスタ238に入力される変換結果の書込みが行われるとともに、インバータ206の出力レベルが“1”より“0”に変化し、これにより、NAND回路207および240〜247の出力レベルが全て“1”となり、この結果、インバータ208の出力レベルが“1”から“0”に変わり、またインバータ239の出力レベルが“0”より“1”に変化することにより、NAND回路248〜255の出力レベルが、デコーダ265の出力、即ち初期値設定レジスタ264から出力される設定値により決定される点である。
このように、初期値設定レジスタ264を設けることにより、コンデンサ233〜236に対する初期電荷量、即ちサンプリング開始時におけるコンデンサ233〜236における電位を初期値設定レジスタ264により選択的に設定することが可能となる。
なお、設定可能な初期設定電位は、A/D変換精度の最小幅の単位において、任意に設定することが可能である。
特開平5−259913号公報(第3頁−第5頁、第1図−第4図)
しかしながら、上述の図9(a),図9(c)に記載の従来例では、初期設定電位を設定するために多数のインバータやゲートを必要とし、しかもこれらがA/D変換器のビット数が増加するにつれて激増するという問題がある。また、初期設定電位の設定の自由度が少ないという問題もあった。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、A/D変換の変換精度を維持しながら、容量に蓄えられている電荷の初期化を小規模な回路により高い自由度で設定でき、電荷再配分型A/D変換器の高速化、低消費電力化を図ることのできるA/D変換器およびA/D変換方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項にかかるA/D変換器は、入力アナログ信号を出力デジタル信号に変換する電荷再配分型A/D変換器において、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化する初期化回路を備え、前記容量の入力側容量端子は、第1のアナログスイッチを介して固定電圧供給回路に接続され、前記容量の比較器側容量端子は、第2のアナログスイッチを介して前記固定電圧供給回路に接続され、前記入力側容量端子は、第3のアナログスイッチを介して外部と接続され、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記第1、および第2のアナログスイッチを閉じ、かつ前記第3のアナログスイッチを開くことにより、前記入力側容量端子、および前記比較器側容量端子に、それぞれ固定電圧が供給されて、前記容量に蓄えられている電荷が所定の値に初期化され、前記固定電圧供給回路は、オートゼロ状態のチョッパ比較器で構成したものである、ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項にかかるA/D変換器は、請求項1記載のA/D変換器において、前記初期化回路と、前記初期化回路への信号入力を切り替えるマルチプレクサと、前記A/D変換器コア、前記初期化回路、および前記マルチプレクサへのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、前記マルチプレクサで選択するアナログ信号が切り替わった場合に、前記アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することにより、前回の電荷量に依存しないA/D変換を行う、ことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項にかかるA/D変換器は、請求項1記載のA/D変換器において、前記初期化回路と、前記A/D変換器コア、および前記初期化回路へのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、パワーオン直後で、前記容量の電荷量変化が大きい場合に、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することによりA/D変換を行う、ことを特徴とするものである。
本発明においては、サンプリングの頻度は少ないが、サンプリング時間が大きく変化する場合でも、変換精度を維持できると同時に、通常は変化の小さいアナログ入力信号を処理するので、サンプリング時間を短く、チョッパ比較器の能力を落とすことができ、高速で、低消費電力であるA/D変換器を実現することが可能になる。
以上のように、本発明にかかるA/D変換器によれば、電荷再配分型A/D変換器において、サンプリング直前に容量に蓄えられている電荷を、小規模な回路を付加するだけでより高い自由度で所定の値に初期化することとしたので、初期値がゼロレベルやリファレンス電圧の1/2の値やA/D変換精度の最小幅に設定されてしまう場合に比べより高い自由度で電荷を初期化でき、入力信号に対する応答性が改善され、変換精度を維持しながら、高速で、低消費電力なA/D変換器を、回路規模を若干増加するだけで実現することができる効果を得られる。
即ち、本発明の請求項にかかるA/D変換器によれば、入力アナログ信号を出力デジタル信号に変換する電荷再配分型A/D変換器において、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化する初期化回路を備え、前記容量の入力側容量端子は、第1のアナログスイッチを介して固定電圧供給回路に接続され、前記容量の比較器側容量端子は、第2のアナログスイッチを介して前記固定電圧供給回路に接続され、前記入力側容量端子は、第3のアナログスイッチを介して外部と接続され、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記第1、および第2のアナログスイッチを閉じ、かつ前記第3のアナログスイッチを開くことにより、前記入力側容量端子、および前記比較器側容量端子に、それぞれ固定電圧が供給されて、前記容量に蓄えられている電荷が所定の値に初期化され、前記固定電圧供給回路は、オートゼロ状態のチョッパ比較器で構成したものとしたので、変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、元々備っているオートゼロ状態のチョッパ比較器を、容量初期化のための固定電圧供給回路としても使用するために、回路規模が殆ど増すことなく、変換精度を維持しながら、高速で、低消費電力なA/D変換器を実現することができる効果を得られる。
また、本発明の請求項にかかるA/D変換器によれば、請求項1記載のA/D変換器において、前記初期化回路と、前記初期化回路への信号入力を切り替えるマルチプレクサと、前記A/D変換器コア、前記初期化回路、および前記マルチプレクサへのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、前記マルチプレクサで選択するアナログ信号が切り替わった場合に、前記アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することにより、前回の電荷量に依存しないA/D変換を行う、ようにしたので、アナログ信号をマルチプレクサで切り替えて入力するものにおいても、変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、変換精度を維持しながら、高速で、低消費電力なA/D変換器を実現することができる効果を得られる。
また、本発明の請求項にかかるA/D変換器によれば、請求項1記載のA/D変換器において、前記初期化回路と、前記A/D変換器コア、および前記初期化回路へのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、パワーオン直後で、前記容量の電荷量変化が大きい場合に、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することによりA/D変換を行う、ようにしたので、変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、変換精度を維持しながら、高速で、低消費電力なA/D変換器を実現することができる効果を得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図6は、本発明の実施の形態1ないし6による電荷再配分型のA/D変換器の構成を示すものであり、いずれも分解能が4ビットのものを例として示している。
図1〜図6に示す本実施の形態1ないし6による電荷再配分型A/D変換器101〜106は、いずれも、入力端子Vinから入力されたアナログ入力信号を、A/D変換し、出力端子Doutより、デジタルコードD1〜D4を出力するものである。
このA/D変換器11は、重み付け容量群12、チョッパ比較器13、入力スイッチ群14、リファレンス抵抗15、逐次比較(Successive Approximation Register;SAR)ロジック回路16、および外部制御回路30を備える。
そしてその重み付け容量群12を構成する容量C1ないしC4は、例えばC1:C2:C3:C4=1/4:1/4:1/2:1の容量比を持つものとする。また、チョッパ比較器13はインバータ13aとアナログスイッチ13bとからなるものであり、入力スイッチ群14は容量C1ないしC4に対応する入力スイッチ141ないし144からなり、リファレンス抵抗15ははしご型に接続された抵抗15aないし15dからなり、重み付け容量群12の下位2ビットの重み付けを等しくして精度を向上するために電圧分割により重み付けを実現している。
外部制御回路30は図1(a)中のアナログスイッチ25ないし27を切り替えるRESET信号,/RESET信号を発生するとともに、チョッパ比較器13のスイッチ13bを切り替えるSW信号を発生する。
図1(c)は図1(a)のSARロジック回路16、および外部制御回路30の内部構成を示す。SARロジック回路16はSTART信号およびCLK信号によりカウントを開始するタイマ161により起動する入力スイッチ制御回路162により、入力スイッチ141ないし144を順次1つずつオンにする。また、比較結果保持回路163はチョッパ比較器13の比較結果を1ビットずつ保持し、シリアルパラレル変換を行って4ビットのDout信号を外部に出力する。また、外部制御回路30のリセット信号発生回路301はタイマ161の制御によりリセット信号RESET(以下、RESET信号と称す)を発生する。インバータ302はRESET信号を反転した反転リセット信号/RESET(以下、/RESET信号と称す)を生成する。スイッチ信号発生回路はタイマ161の制御によりチョッパ比較器13のスイッチ信号SWを発生する。
また、図1(d)は図1(a)のSARロジック回路16、および外部制御回路30の制御により実現されるA/D変換方法を示すフローチャートである。
次に、これらの電荷再配分型A/D変換器101〜106の動作について説明する。
まず、SARロジック回路16により、入力スイッチ141ないし144を図1(a)に示すスイッチポジションに設定して(図1(d)のステップS1参照)、重み付け容量C1ないしC4のすべてにアナログ入力電圧Vinをサンプリングする(ステップS2参照)。
次に、入力スイッチ144を切り替えて、最も重み付けの大きい容量C4の入力側端子のみに比較電圧Vrhを与え、他の容量C3,C2,C1については入力スイッチ143,142,141により比較電圧Vrlを与え、容量C1ないしC4の共通側端子に現れた電圧変化の極性をチョッパ比較器13で判別する。この判別結果が、A/D変換値のMSB(Most Significant Bit)になる(ステップS2ないしS7参照)。
次に、入力スイッチ143を切り替えて、容量C3のみに比較電圧Vrhを与え、他の容量C4,C2,C1については入力スイッチ144,142,141により比較電圧Vrlを与え(ステップS7ないしステップS5参照)、容量C1ないしC4の共通側端子に現れた電圧変化の極性をチョッパ比較器13で判別する。この判別結果が、A/D変換値のMSBより2ビット目の値になる。
この後、同様に重み付けの大きい容量から順に処理してゆき、シリアルに、即ち上位ビットより順に各ビットの値を決定していく。比較時には、容量の片側の端子のみに電圧を与えるので、サンプリング時に蓄えた総電荷は保持したままであり、各容量の電荷配分を入れ換えているだけである。従って、サンプリングにより蓄えた電荷が不十分であると、その後の動作ではこれを挽回できないので、致命的な誤差になる。
さらに、いずれのA/D変換器101〜106もA/D変換器コア11に加えて、第1、第2のアナログスイッチ25、26、および第3のアナログスイッチ27と、固定電圧供給回路24からなる電荷初期化回路23と、を備えており、入力アナログ信号をサンプリングする直前には、外部制御回路30より、第1、第2のアナログスイッチ25、26、に対し、RESET信号が供給されるとともに、第3のアナログスイッチ27に対し、反転RESET信号が供給されて、重み付け容量12に蓄えられている電荷を初期化するものとする。また、チョッパ比較器13のアナログスイッチ13bも図示しない外部制御回路30によりオン,オフ制御が行われるものとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図1に示す本実施の形態1の電荷再配分型A/D変換器101は、重み付け容量群(容量)12を初期化する初期化回路23を設け、その初期化を初期化回路23内の固定電圧供給回路24により行うようにしたものである。
本実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器101では、入力側容量端子21および比較器側容量端子22を、それぞれ第1および第2のアナログスイッチ25および26を介して固定電圧供給回路24に接続し、かつ入力側容量端子21を第3のアナログスイッチ27を介して外部の入力アナログ信号端Vinと接続する。入力アナログ信号Vinをサンプリングする直前に、図示しない外部制御回路により、RESET信号で、第1および第2のアナログスイッチ25および26を閉じると同時に、第3のアナログスイッチ27を開く。
こうすることにより、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とに、それぞれ固定電圧を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、その固定電圧に応じた所定の値に初期化することができる。この結果、図1(b)に示すように電荷分配型A/D変換器の容量の電荷の初期設定が可能となる。この図1(b)に示す場合、仮に初期化回路が存在しないとすると例えばQ1の電荷はサンプリング期間の間にQ4まで大きく減少する必要があり、これを可能にするにはチョッパ比較器に大きな放電能力が必要となるが、実施の形態1では初期化回路23により予めリセット期間においてQ1の電荷がQ2とQ3の中間値にまで低減しているため、サンプリング期間においてQ4にまで電荷を低減するのは容易となる。このため、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合に、アナログ入力値の変化に追従することが容易となり、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態1によれば、固定電圧供給回路を設け、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、固定電圧供給回路が発生する固定電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、A/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態1では、容量初期化のために新たに付加する回路は固定電圧供給回路と若干のアナログスイッチであり、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加が僅かで済むという利点もある。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図2に示す本実施の形態2の電荷再配分型A/D変換器102は、固定電圧供給回路24aを、直列抵抗列31で構成し、この直列抵抗列31により抵抗分圧した電圧を、第1および第2のアナログスイッチ25および26に供給するものである。
本実施の形態2による電荷再配分型A/D変換器102では、上記の構成により、入力アナログ信号をサンプリングする直前に、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とにそれぞれ抵抗分圧した電圧を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、その抵抗分圧した電圧の値に応じて初期化することができる。この初期値は直列抵抗列31を構成する2つの抵抗31a,31bの抵抗比を変更することで所定の値に設定できる。
その結果、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態2によれば、固定電圧供給回路として直列抵抗列を設け、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、直列抵抗列の抵抗分割により発生する固定電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態2では、容量初期化のために新たに付加する回路は直列抵抗列と若干のアナログスイッチであり、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加が僅かで済むという利点もある。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図3に示す本実施の形態3の電荷再配分型A/D変換器103は、固定電圧供給回路24bを、オペアンプを用いたソースフォロア回路32と、バンドギャップリファレンス回路33とで構成し、ソースフォロア回路32で駆動したリファレンス電圧を、第1および第2のアナログスイッチ25および26に供給するものである。
本実施の形態3による電荷再配分型A/D変換器103では、上記の構成により、アナログ信号をサンプリングする直前に、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とに、それぞれソースフォロア回路32で駆動したリファレンス電圧を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、リファレンス電圧の値に応じて初期化することができる。この初期値はソースフォロア回路32を構成するオペアンプの動作点を変更することで所定の値に設定できる。
その結果、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態3によれば、固定電圧供給回路としてバンドギャップリファレンス回路とソースフォロア回路とからなるものを設け、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、ソースフォロア回路32で駆動したリファレンス電圧としての固定電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態3では、容量初期化のために新たに付加する回路はバンドギャップリファレンス回路,ソースフォロア回路と若干のアナログスイッチであり、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加が僅かで済むという利点もある。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図4に示す本実施の形態4による電荷再配分型A/D変換器104は、固定電圧供給回路24cを、入出力をショートしたインバータ回路34で構成し、インバータ回路34のしきい値電圧を、第1および第2のアナログスイッチ25および26に供給するものである。
本実施の形態4による電荷再配分型A/D変換器104では、上記の構成により、入力アナログ信号をサンプリングする直前に、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とにそれぞれ、入出力をショートしたインバータ回路34のしきい値電圧を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、このしきい値電圧の値に応じて初期化することができる。この初期値はインバータ回路34を構成する2つのトランジスタ34a,34bのトランジスタサイズを変更することで所定の値に設定できる。
その結果、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態4によれば、固定電圧供給回路として入出力をショートしたインバータ回路を設け、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、インバータ回路のしきい値電圧としての固定電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態4では、容量初期化のために新たに付加する回路はインバータ回路と若干のアナログスイッチであり、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加が僅かで済むという利点もある。
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図5に示す本実施の形態5による電荷再配分型A/D変換器105は、チョッパ比較器13を固定電圧供給回路24dとしても使用し、チョッパ比較器13のオートゼロ電圧を、第1のアナログスイッチ25と、チョッパ比較器13のオートゼロスイッチを兼ねた第2のアナログスイッチ26とに、供給するものである。
本実施の形態5による電荷再配分型A/D変換器105では、上記の構成により、入力アナログ信号をサンプリングする直前に、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とに、それぞれチョッパ比較器13のオートゼロ電圧、即ちアナログスイッチ13bをオンにしたオートゼロ状態でのチョッパ比較器13のしきい値電圧(=チョッパ比較器13の入,出力の電圧)を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、このオートゼロ電圧の値に応じて初期化することができる。この初期値はインバータ回路13aを構成する2つのトランジスタのトランジスタサイズを変更することで所定の値に設定できる。
その結果、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態5によれば、チョッパ比較器を固定電圧供給回路としても使用し、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、チョッパ比較器を構成するインバータ回路のしきい値電圧としての固定電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態5では、固定電圧供給回路24dとして、元々備わっているチョッパ比較器13を用いているので、容量初期化のために若干のアナログスイッチ以外に新たな回路を設ける必要はなく、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加は殆どなく、回路規模の増加についてもこれを防ぐことができる。
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図6に示す本実施の形態6による電荷再配分型A/D変換器106は、リファレンス抵抗15を構成する一部の抵抗による抵抗分割を固定電圧供給回路24dとしても使用し、この抵抗分割による中間電圧35を、第1および第2のアナログスイッチ25および26に供給するものである。
本実施の形態6による電荷再配分型A/D変換器106では、上記の構成により、入力アナログ信号をサンプリングする直前に、入力側容量端子21と、比較器側容量端子22とに、それぞれリファレンス中間電圧35を供給し、重み付け容量群12に蓄えられている電荷を、このリファレンス中間電圧35の値に応じて初期化することができる。この初期値は図6に示す抵抗15cと15dとの接続ノードではなくリファレンス抵抗15内の適当なノードから入力することで所定の値に設定できる。このノードはリファレンス抵抗15外のものであってもよい。
その結果、サンプリング時間を短くし、チョッパ比較器の能力を落としたにもかかわらず、アナログ入力が大きく変化した場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができる。
このように、本実施の形態6によれば、リファレンス抵抗15を構成する一部の抵抗による抵抗分割を、固定電圧供給回路としても使用し、前回のA/D変換が終了し今回のA/D変換を開始するまでの間に、抵抗分割による中間電圧により重み付け容量群を構成する容量の電荷を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
また、本実施の形態6では、固定電圧供給回路24dとして、元々備わっているリファレンス抵抗15を用いているので、容量初期化のために若干のアナログスイッチ以外に新たな回路を設ける必要はなく、固定電圧を供給するか否かの制御はリセット信号とその反転信号の2本のみで行うようにしたので、装置を集積回路化した場合でもその回路面積の増加は殆どなく、回路規模の増加についてもこれを防ぐことができる。
(実施の形態7)
図7は、本発明の実施の形態7による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図7に示す本実施の形態7による電荷再配分型A/D変換器107は、A/D変換器コア11、電荷初期化回路(初期化回路)23、SIGNAL1〜SIGNAL3の、上記電荷初期化回路23への入力を切り替えるマルチプレクサ42、上記A/D変換器コア11、上記電荷初期化回路23、および、上記マルチプレクサ42へのタイミング信号を生成するタイミング生成回路41を備えている。なお、A/D変換器コア11および電荷初期化回路23は、実施の形態1ないし6のいずれかに示したもの、あるいは同様に構成された電荷再配分型A/D変換器のものを用いることができる。また、タイミング生成回路41は図1におけるSAR logic16および外部制御回路30の両回路に相当するものである。
本実施の形態7による電荷再配分型A/D変換器107においては、上記構成により、マルチプレクサ42で選択するアナログ信号が、SIGNAL1からSIGNAL2へ、またはSIGNAL3からSIGNAL2へ、切り替わった場合に、アナログ信号SIGNAL2をサンプリングする直前に、タイミング生成回路41からRESET信号を生成し、初期化回路23により、A/D変換器コア11内部の容量に蓄えられている電荷を、所定の値に初期化することができる。
その結果、アナログ入力が大きく変化する場合にも、前回のサンプリング値に依存せずに、A/D変換結果の変換精度を維持することができ、サンプリング時間を短く、チョッパ比較器の能力を落とすことができ、高速で低消費電力なA/D変換器を実現することができる。
このように、本実施の形態7によれば、マルチプレクサで切り替えて入力する入力信号を電荷再配分型A/D変換器によりA/D変換する際に、初期化回路によりA/D変換器の容量を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
(実施の形態8)
図8は、本発明の実施の形態8による電荷再配分型A/D変換器を示す。
図8に示す本実施の形態8の電荷再配分型A/D変換器108は、A/D変換器コア11、SIGNALを入力とする電荷初期化回路23、上記A/D変換器コア11、および上記電荷初期化回路23へのタイミング信号を生成するタイミング生成回路41を備える。なお、A/D変換器コア11および電荷初期化回路23は、実施の形態1ないし6のいずれかに示したもの、あるいは同様に構成された電荷再配分型A/D変換器のものを用いることができる。
本実施の形態8の電荷再配分型A/D変換器108では、パワーオン直後で容量の電荷量変化が大きい場合に、アナログ信号SIGNALをサンプリングする直前に、タイミング生成回路43からRESET信号を生成し、A/D変換器コア11内部の容量に蓄えられている電荷を、所定の値に初期化することができる。
その結果、アナログ入力が大きく変化する場合にも、前回のサンプリング値に依存せず、A/D変換結果の変換精度が維持することができるので、サンプリング時間を短くして、チョッパ比較器の能力を落とすことができ、高速で、低消費電力なA/D変換器を実現することができる。
このように、本実施の形態8によれば、入力信号を電荷再配分型A/D変換器によりA/D変換する際に、初期化回路によりA/D変換器の容量を初期化するようにしたので、実施の形態1と同様の理由によりA/D変換精度を維持するのにチョッパ比較器の能力を大きくする必要がなく、A/D変換精度を維持しながら高速化,低消費電力化を図ることが可能となる。
なお、以上では、簡単化のために、上位2ビットが重み付け容量、下位2ビットがR−2R抵抗の4ビット構成で、チョッパ比較器を用いた電荷再配分型A/D変換器を、例に挙げて説明したが、本発明は、ビット数、容量と抵抗の構成、比較器の構成、によらず、すべての電荷再配分型A/D変換器に有効である。
また、サンプリング直前に容量に蓄えられている電荷を、所定の値に初期化するようにしたが、入力アナログ信号に特定の値が頻出する場合はその値を所定の値とすればよい。
また、サンプリング直前に容量に蓄えられている電荷の初期化を、アナログ入力信号が大きく変化した場合に限ってこれを行うことにより、容量初期化時のRESET信号によるノイズの影響を極力抑えるようにしてもよい。
また、電荷再配分型A/D変換器の他、サンプルホールド回路やサンプルホールド回路を有する各種A/D変換器などに適用することも可能である。
以上のように、本発明の電荷再配分型A/D変換器はその低消費電力化を図りながら高速化を行ううえで有用であり、これに伴う回路規模の増加は若干で済み、フラッシュ型のA/D変換器の用途、例えばビデオ帯域の信号の変換等を低消費電力で行ううえで有用である。
本発明の実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器の容量初期化動作を示す図である。 本発明の実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器のSAR logicの内部構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1による電荷再配分型A/D変換器のSAR logicおよび外部制御回路の制御動作を示すフローチャート図である。 本発明の実施の形態2による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態3による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態4による電荷再配分型A/D変換器の構成を示回路図である。 本発明の実施の形態5による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態6による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態7による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態7による電荷再配分型A/D変換器の入力および容量初期化動作を示す図である。 本発明の実施の形態8による電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態8による電荷再配分型A/D変換器の入力および容量初期化動作を示す図である。 従来の電荷再配分型A/D変換器の構成を示す回路図である。 従来の電荷再配分型A/D変換器の動作を示す図である。 他の従来例の構成を示す回路図である。 他の従来例の動作を示す図である。
符号の説明
101〜108 電荷再配分型A/D変換器
11 A/D変換器コア
12 重み付け容量群
13 チョッパ比較器
14 アナログ入力スイッチ群
15 リファレンス抵抗
15a,15b,15c,15d 抵抗
16 逐次比較ロジック回路
21 アナログ入力側容量端子
22 比較器側容量端子
23 電荷初期化回路
24、24a,24b,24c,24d,24e 固定電圧供給回路
25 アナログ入力スイッチ
26 アナログ入力スイッチ
27 アナログ入力スイッチ
30 外部制御回路
31 直列抵抗
32 ソースフォロア回路
33 バンドギャップリファレンス回路
34 インバータ回路
35 リファレンス中間電圧
41 タイミング生成回路
42 マルチプレクサ
43 タイミング生成回路

Claims (3)

  1. 入力アナログ信号を出力デジタル信号に変換する電荷再配分型A/D変換器において、
    前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化する初期化回路を備え、
    前記容量の入力側容量端子は、第1のアナログスイッチを介して固定電圧供給回路に接続され、前記容量の比較器側容量端子は、第2のアナログスイッチを介して前記固定電圧供給回路に接続され、
    前記入力側容量端子は、第3のアナログスイッチを介して外部と接続され、
    前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記第1、および第2のアナログスイッチを閉じ、かつ前記第3のアナログスイッチを開くことにより、前記入力側容量端子、および前記比較器側容量端子に、それぞれ固定電圧が供給されて、前記容量に蓄えられている電荷が所定の値に初期化され、
    前記固定電圧供給回路は、オートゼロ状態のチョッパ比較器で構成したものである、
    ことを特徴とするA/D変換器。
  2. 請求項1記載のA/D変換器において、
    前記初期化回路と、前記初期化回路への信号入力を切り替えるマルチプレクサと、前記A/D変換器コア、前記初期化回路、および前記マルチプレクサへのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、
    前記マルチプレクサで選択するアナログ信号が切り替わった場合に、前記アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、
    前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することにより、前回の電荷量に依存しないA/D変換を行う、
    ことを特徴とするA/D変換器。
  3. 請求項1記載のA/D変換器において、
    前記初期化回路と、前記A/D変換器コア、および前記初期化回路へのタイミング信号を生成するタイミング生成回路とを備え、
    パワーオン直後で、前記容量の電荷量変化が大きい場合に、前記入力アナログ信号をサンプリングする直前に、前記タイミング生成回路からリセット信号を生成し、
    前記容量に蓄えられている電荷を所定の値に初期化することによりA/D変換を行う、
    ことを特徴とするA/D変換器。
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