JP2000114970A - 比較回路およびアナログデジタル変換回路 - Google Patents

比較回路およびアナログデジタル変換回路

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JP2000114970A
JP2000114970A JP10285175A JP28517598A JP2000114970A JP 2000114970 A JP2000114970 A JP 2000114970A JP 10285175 A JP10285175 A JP 10285175A JP 28517598 A JP28517598 A JP 28517598A JP 2000114970 A JP2000114970 A JP 2000114970A
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analog
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Takashi Tomatsu
隆 戸松
Yuichi Sato
雄一 佐藤
Nagaaki Shu
長明 周
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Yozan Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定な動作をするとともに製造時のばらつき
が小さい比較回路を提供する。 【解決手段】 NMOSFET6のゲート電極に供給さ
れるクロック信号がハイレベルのときには待機状態にな
っている。クロック信号をローレベルに変化させると比
較動作が開始され、入力信号電圧Vinが基準電圧Vref
よりもわずかに大きいときには、NMOSFET7,8
間に形成された正帰還ループにより高速度でPMOSF
ET5の出力電圧がハイレベルになり、比較回路の出力
端子OUTPUTの電圧はローレベルとなる。一方、入
力信号電圧Vinが基準電圧Vref よりもわずかに低い場
合には、待機状態と同じ状態に戻り、比較回路の出力端
子OUTPUTの電圧はハイレベルを維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力電圧を所定の
閾値と所定の比較タイミングで比較する比較回路、この
比較回路を用いたアナログデジタル変換回路、このアナ
ログデジタル変換回路のタイミング設定方法、および、
アナログデジタル変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル移動無線システムの携
帯端末機に用いるような、消費電力の小さいアナログデ
ジタル変換回路(以下、単にA/D変換回路という)と
して、本出願人らは、電圧モード回路により構成された
A/D変換回路を、例えば、特願平07−263574
号として出願している。このA/D変換回路は、CMO
S(complementary metal-oxide-semiconductor)インバ
ータを用いた複数個の比較回路の前段に、それぞれ容量
結合による閾値設定回路を設け、この閾値設定回路にア
ナログ入力電圧を印加するとともに、上位ビット相当側
の比較回路の出力を下位ビット側の閾値設定回路に所定
の重みをもって入力するように接続したものであり、高
い精度を有するとともに、低消費電力を実現することが
できる。
【0003】しかし、この比較回路は、CMOSインバ
ータの素子固有のロジカルスレッショルドを比較回路の
閾値として利用したものであるため、入力電圧がこのロ
ジカルスレッショルドの近傍の場合、A/D変換回路の
出力が不安定となる問題があった。また、製造時のばら
つきの影響を受けやすいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたもので、安定な動作をす
るとともに製造時のばらつきが小さい比較回路を提供す
ることを目的とするものである。また、この比較回路を
用いたA/D変換回路、このA/D変換回路のタイミン
グ設定方法、および、A/D変換装置を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、入力電圧と基準電圧とが入力される差動入力
部と、該差動入力部の第1,第2の出力端に接続された
正帰還部と、前記差動入力部の第1,第2の出力端をそ
れぞれ入力端とする第1,第2のバッファ段と、前記差
動入力部の第1,第2の出力端の間に接続され比較用ク
ロック信号が印加されることにより短絡または開放状態
となる第1のスイッチング部を有し、前記第1,第2の
バッファ段の少なくとも一方の出力端を外部出力端とす
る比較回路であって、前記差動入力部は、第1,第2,
第3のPMOSFETを有し、前記第1,第2のPMO
SFETは、一方のゲート電極に前記入力電圧が、他方
のゲート電極に前記基準電圧が入力され、出力電極の一
方が相互に接続されて前記第3のPMOSFETを介し
電源の一方端に接続され、前記第3のPMOSFETの
ゲート電極に所定のバイアス電圧が印加されるものであ
り、前記正帰還部は、第1,第2のNMOSFETを有
し、前記第1のNMOSFETの一方の出力電極が前記
差動入力部の第1の出力端および前記第2のNMOSF
ETのゲート電極に接続され、前記第2のNMOSFE
Tの一方の出力電極が前記差動入力部の第2の出力端お
よび前記第2のNMOSFETのゲート電極に接続さ
れ、前記第1,第2のNMOSFETのそれぞれ他方の
出力電極が前記電源の他方端に接続されるものであり、
前記第1,第2のバッファ段はCMOSFETであり、
前記第1のスイッチング部はNMOSFETまたはPM
OSFETであり、前記比較用クロック信号により前記
スイッチング部が短絡状態から開放状態に制御されると
きに前記入力電圧と前記基準電圧との比較動作が行なわ
れるものである。したがって、差動入力部と正帰還部に
よりゲインの高い差動比較を行うことができるため、回
路規模が小さくても感度が高く、かつ、安定な動作をす
る。アナログ入力電圧を比較回路の外部からの基準電圧
と差動比較するため、製造時のばらつきの影響を受けに
くく、基準電圧の設定変更も容易である。また、MOS
FETおよびCMOSFETを用いているため、消費電
力が小さい。
【0006】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の比較回路において、第2,第3のスイッチン
グ部を有し、該第2,第3のスイッチング部は、NMO
SFETまたはPMOSFETであり、それぞれ前記差
動入力部の第1,第2の出力端と前記電源の他方端との
間に接続され、前記比較タイミング用クロック信号が印
加されることにより前記第1のスイッチング部の短絡ま
たは開放状態に対応して短絡または開放状態となるもの
である。したがって、比較動作前の待機状態において、
第1,第2のバッファ段のCMOSFETの入力電圧が
中間レベルにならないため、容易に消費電力を抑制する
ことができる。
【0007】請求項3に記載の発明においては、アナロ
グ入力電圧をm+1ビット(mは正の整数)のデジタル
データに変換するアナログデジタル変換回路であって、
前記デジタルデータの各ビットにそれぞれ対応して設け
られたm+1個の比較回路および該各比較回路の前段に
それぞれ設けられたm+1個の閾値設定回路を有し、前
記各比較回路は、請求項1または請求項2に記載の比較
回路であって、前記各比較回路に対する前記比較用クロ
ック信号を、前記各比較回路の最上位ビットのものから
最下位ビットのものまでに対して順次遅延したものと
し、前記各比較回路は、前記各閾値設定回路の出力電圧
と前記基準電圧とを、前記比較用クロック信号の比較タ
イミングで比較することにより前記デジタルデータの各
ビットを出力するようになされており、前記各閾値設定
回路は、前記アナログ入力電圧、前記アナログ入力電圧
の下限電圧に対応する第1の電圧、前記アナログ入力電
圧の上限電圧に対応する第2の電圧、および、当該閾値
設定回路よりも上位のビットの前記比較回路の出力に対
応して選択される前記第1あるいは第2の電圧に等しい
電圧が、それぞれ一方の端子に入力され他方の端子は共
通に接続されて前記閾値設定回路の出力電圧となる複数
の容量を少なくとも有する容量結合により構成され、最
下位ビットからj番目(jはm以下の0または正整数)
のビットの前記各閾値設定回路における前記容量結合
は、前記第1の電圧および前記第2の電圧に対する重み
を2j 、当該閾値設定回路よりも上位の最下位ビットか
らk番目(kはm以下の正整数)のビットに対応する前
記比較回路の出力に対応して選択される前記第1あるい
は第2の電圧に等しい電圧に対する重みを2k 、前記ア
ナログ入力電圧に対する重みを2m+1 として、前記各入
力電圧を加算するようになされているものである。した
がって、請求項1または請求項2に記載の比較回路を使
用するため、比較回路の感度が高くかつ安定な動作を
し、製造時のばらつきの影響を受けにくい等の作用効果
を奏する。電源電圧の幅よりも狭いアナログ入力電圧の
下限電圧から上限電圧の範囲の電圧を高精度でA/D変
換することができる。下限電圧および上限電圧に対応す
る電圧は比較回路の外部から供給するため、使用条件に
応じたアナログ入力電圧の変化範囲に応じて、A/D変
換範囲を変化させることができる。なお、各容量のリフ
レッシュ制御手段を用いれば、リーク電流等により前記
容量に蓄積される電荷を放電させることができ、A/D
変換の誤差要因となる残留電荷を解消することができ
る。
【0008】請求項4に記載に発明においては、入力電
圧をm+1ビット(mは正の整数)のデジタルデータに
変換する逐次比較型アナログデジタル変換回路であっ
て、比較回路、該比較回路の前段に設けられた閾値設定
回路、前記比較回路の後段に設けられた制御部を有し、
前記比較回路は、請求項1または請求項2に記載の比較
回路であって、前記閾値設定回路の出力電圧と前記基準
電圧とを、前記比較用クロック信号の比較タイミングで
比較するようになされており、前記制御部は、m+1ビ
ットのディジタル値を保持し各ビットに応じた電圧レベ
ルを出力するm+1段の出力レジスタを有し、前記比較
回路の出力を逐次制御用クロック信号の入力タイミング
で入力し前記出力レジスタに保持された前記ディジタル
値が前記アナログ入力電圧の近似値に対応するように逐
次制御するものであり、前記閾値設定回路は容量結合を
有し、該容量結合は、前記アナログ入力電圧および前記
出力レジスタの各段の出力電圧が、それぞれ一方の端子
に入力され他方の端子は共通に接続されて前記閾値設定
回路の出力となり、対応する前記アナログ入力電圧の重
みおよび前記出力レジスタの各段のビットの重みに対応
する容量を有するものであり、前記比較タイミングから
所定の遅延時間経過後に前記入力タイミングとなるよう
に設定されているものである。したがって、請求項1ま
たは請求項2に記載の比較回路を使用するため、比較回
路の感度が高くかつ安定な動作をし、製造時のばらつき
の影響を受けにくい等の作用効果を奏する。1個の比較
回路と1個の閾値設定回路とで全ビットの比較動作を行
うことができ、回路規模の大きなアナログ回路部分を小
さくすることができる。なお、各容量のリフレッシュ制
御手段を用いれば、リーク電流等により前記容量に蓄積
される電荷を放電させることができ、A/D変換の誤差
要因となる残留電荷を解消することができる。
【0009】請求項5に記載の発明においては、比較用
クロック信号により規定される比較タイミングで入力電
圧と基準電圧との比較動作を行う1または複数の比較回
路を用いたアナログデジタル変換回路のタイミング設定
方法であって、1または複数の前記比較用クロック信号
を少なくとも含むアナログデジタル変換に要する複数の
タイミング信号を生成するとともに、前記アナログデジ
タル変換回路に所定のテスト電圧および前記複数のタイ
ミング信号を供給し、前記複数のタイミング信号の間隔
を短くして行き、その間において、前記アナログデジタ
ル変換回路の出力にエラーが発生したときに、前記複数
のタイミング信号の間隔を前記エラーが発生する前の所
定の値に設定保持するものである。したがって、A/D
変換回路の個々の製品の動作特性に応じて、A/D変換
に要する複数のタイミング信号の間隔をエラーが発生し
ない程度に短く設定して、A/D変換動作を高速化する
ことができる。
【0010】請求項6に記載の発明においては、比較用
クロック信号により規定されるタイミングでアナログ入
力電圧と基準電圧との比較を行う1または複数の比較回
路を用いたアナログデジタル変換部およびタイミング設
定部を有するアナログデジタル変換装置であって、前記
タイミング設定部は、前記アナログデジタル変換部に所
定のテスト電圧を供給する手段、1または複数の前記比
較用クロック信号を少なくとも含むアナログデジタル変
換に要する複数のタイミング信号を生成し、前記アナロ
グデジタル変換部に出力するタイミング信号生成手段、
前記アナログデジタル変換部の出力エラーを検出するエ
ラー検出手段、および、前記アナログデジタル変換部に
前記所定のテスト用電圧を供給するとともに、前記複数
のタイミング信号の間隔が徐々に短くなるように前記タ
イミング信号生成手段を制御する間において、前記エラ
ー検出部が出力エラーを検出したときに、前記複数のタ
イミング信号の間隔を前記出力エラーが発生する前の所
定の値に設定保持する制御手段を有するものである。し
たがって、A/D変換部の個々の製品の動作特性に応じ
て、A/D変換に要する複数のタイミング信号の間隔を
エラーが発生しない程度に短く設定して、A/D変換動
作を高速化することができる。比較タイミング設定部が
備え付けられているため、必要時に複数のタイミング信
号の間隔を容易に設定することができる。
【0011】請求項7に記載の発明においては、請求項
6に記載のアナログデジタル変換装置において、前記テ
スト電圧は一定電圧であり、前記エラー検出手段は、前
記アナログデジタル変換部の出力が変化したことを検出
するものである。したがって、簡単な構成でエラーを検
出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の比較回路の第1
の実施の形態の回路構成図である。図中、1,3,4,
5,9はPMOSFET、2,6,7,8,10はNM
OSFETである。この比較回路は、正帰還部を有する
差動入力型の比較回路であり、基準電圧V ref は、外部
から非反転入力端子IN+,反転入力端子IN−の何れ
か一方に供給され、全体として左右対称型に構成されて
いる。
【0013】中心部分において、電源電圧Vddは、PM
OSFET3を介しPMOSFET4,5のソース電極
に対して共通に供給される。PMOSFET4,5のド
レイン電極は、それぞれNMOSFET7,8のドレイ
ン電極に接続され、NMOSFET7,8のソース電極
は、共に電源のグランド端子に接続される。NMOSF
ET7,8のゲート電極は、他方のNMOSFET8,
7のドレイン電極に、たすき掛けに交叉接続される。ま
た、PMOSFET4,5の両ドレイン電極間には、N
MOSFET6が接続され、NMOSFET6のゲート
には比較用クロックが供給される。PMOSFET4の
ドレイン電極は、左側のPMOSFET1,NMOSF
ET2の一対からなるCMOSインバータのゲート電極
に接続され、PMOSFET5のドレイン電極は、右側
のPMOSFET9,NMOSFET10の一対からな
るCMOSインバータのゲート電極に接続される。いず
れのCMOSインバータにも電源電圧Vddと電源の接地
電位0が供給される。
【0014】PMOSFET3は、このゲート電極にバ
イアス電圧を印加することによって定電流制御回路とな
る。バイアス電圧を調整することにより電流値を調整す
ることができる。電流を多くすると動作速度が速くなる
ので、用途に応じて、消費電流および動作速度を調整す
ることができる。PMOSFET4のゲート電極は、反
転入力端子IN−となり入力電圧Vinが入力される。P
MOSFET5のゲート電極は、非反転入力端子IN+
となり基準電圧Vref が図示しない外部の基準電圧発生
回路から入力される。その値は、典型的には電源電圧V
ddの1/2である。NMOSFET7,8は、正帰還回
路部である。NMOSFET6は、比較用クロックによ
り待機状態と比較動作状態とを制御する。NMOSFE
T6をPMOSFETに置き換えることも可能である。
【0015】右側のPMOSFET9,NMOSFET
10の一対からなるCMOSインバータは、波形整形の
機能を有するバッファ段であり、この出力は出力端子O
UTPUTとなる。左側のPMOSFET1,NMOS
FET2からなるCMOSインバータには出力機能がな
いが、右側のCMOSインバータとの対称性を守るため
に設けられている。
【0016】なお、この比較回路は、反転入力端子IN
−に対して出力OUTPUTの位相が反転する反転出力
型として使用しているが、非反転出力型とすることも可
能である。この場合、左側のPMOSFET1,NMO
SFET2からなるCMOSインバータから出力端子を
取り出すか、入力信号電圧Vinを非反転入力端子IN+
に入力し、基準電圧Vref を反転入力端子IN−に入力
すればよい。
【0017】回路動作を説明する。最初にNMOSFE
T6のゲート電極に供給されるクロック信号がハイレベ
ルのときには、ドレイン電極とソース電極間とがショー
トして、動作の停止した待機状態にしている。回路を完
全な対称形に設計すると、左右のCMOSインバータの
出力が中間電位となるため、電流が流れ続けて消費電力
が増加することになる。この問題を解決するためには、
完全な対称状態からわずかにアンバランスになるように
回路素子を設計することにより、例えば、PMOSFE
T5の出力がローレベルとなり、出力端子OUTPUT
がハイレベルになるようにすればよい。
【0018】NMOSFET6のゲート電極に供給され
るクロック信号をローレベルに変化させると、NMOS
FET6はオープンとなり、PMOSFET4のゲート
電極側の入力信号電圧Vinと、PMOSFET5のゲー
ト電極側の基準電圧Vref との比較動作が開始される。
【0019】PMOSFET4,5の出力はフローティ
ング状態になり、入力信号電圧Vinが基準電圧Vref
りもわずかに大きいときには、この差電圧により、NM
OSFET7,8間に形成された正帰還ループにより高
速度でPMOSFET5の出力電圧がハイレベルにな
り、比較回路の出力端子OUTPUTの電圧はローレベ
ルとなる。一方、入力信号電圧Vinが基準電圧Vref
りもわずかに低い場合には、待機状態と同じ状態に戻
り、比較回路の出力端子OUTPUTの電圧はハイレベ
ルを維持する。左側のPMOSFET1,NMOSFE
T2が、右側のPMOSFET89,NMOSFET9
0と対称配置されていることにより、比較回路の感度を
高めている。
【0020】この比較回路は、比較動作の前に回路を待
機状態にする必要はあるが、正帰還をかけるために感度
が高く動作速度が大きく、微小な変化でも急激に出力変
化するため、入力信号電圧Vinが閾値近辺になるときも
安定した出力信号を得ることができる。レベル判定を2
端子の差動入力で行うため、製造のばらつきの影響をほ
とんど受けない。回路素子が対称形であるため、集積回
路のレイアウトパターンを工夫すれば精度向上が容易に
実現できる。
【0021】図2は、本発明の比較回路の第2の実施の
形態の回路構成図である。図中、図1と同様な部分には
同じ符号を付して説明を省略する。11,12はNMO
SFETである。上述したように、回路を完全な対称形
に設計すると、待機状態において、左右のCMOSイン
バータの出力が中間電位となるため、電流が流れ続けて
消費電力が増加する。
【0022】この実施の形態では、NMOSFET7,
8の各ドレイン電極と電源のグランドとの間に、それぞ
れ、NMOSFET11,12を対称的に接続し、この
NMOSFET11,12のゲート電極にクロック信号
CLKを供給する。したがって、待機状態ではクロック
信号CLKがハイレベルにあるため、NMOSFET1
1,12のドレイン電極は強制的にローレベルを維持
し、その結果、左右のCMOSインバータの出力が、と
もにハイレベルとなり消費電力は少ない。NMOSFE
T6とともに、NMOSFET11,12をPMOSF
ETに置き換えることも可能である。この場合は、クロ
ック信号CLKの位相を反転して用いる。図1に示した
第1の実施の形態に比べ、回路素子の設計によって低消
費電力化するのではなく、回路構成上で低消費電力化を
図っているため、回路素子の設計が容易である。
【0023】図1,図2に示した比較回路は、用途を特
に限定しない一般的な比較回路として用いることができ
るが、A/D変換回路の比較回路として用いると好適で
ある。A/D変換回路には種々の変換方式があるが、変
換方式は特に問わない。上述した比較回路を、A/D変
換回路へ適用した例を以下に示す。
【0024】図3は、本発明のA/D変換回路の第1の
実施の形態のブロック構成図である。図中、21〜24
は閾値設定回路、25〜28は比較回路である。この実
施の形態のA/D変換回路は、アナログ入力信号Vin
m+1ビットのデジタル値に変換するA/D変換回路で
ある。1回のA/D変換(1サンプル分)が完了するま
では、入力電圧を一定に保つ必要があるため、1回のA
/D変換に要する時間において電圧変化が無視できるよ
うなアナログ入力電圧Vin、または、あらかじめサンプ
ルホールドされたアナログ入力電圧Vinが入力されるも
のとする。図4は、図3の比較回路25〜28に印加さ
れるクロック信号のタイミングとA/D変換出力を示す
説明図である。図示の例では、m=3としたm+1=4
ビットのA/D変換回路について、アナログ入力電圧V
inが接地電位0から緩やかに直線的に上昇する場合を示
している。
【0025】図3において、A/D変換後の第m+1ビ
ット目〜第1ビット目に対応して、比較回路25〜28
の前段にそれぞれ閾値設定回路21〜24を設け、この
閾値設定回路21〜24にアナログ入力電圧Vinを並列
に印加するとともに、上位ビット相当側の比較回路、例
えば比較回路25の出力が下位ビット側の閾値設定回路
22〜24に上位ビットのビット位置に応じた所定の重
み付けがなされて入力される。比較回路25〜28は、
上述した図1,図2の比較回路を非反転出力型として用
いて、閾値設定回路21〜24の出力を入力するもので
ある。
【0026】図4に示すように、比較回路25〜28に
おいては、それぞれ、周期がΔであって、上位ビットか
ら時間τずつ遅れたタイミングで発生する比較用クロッ
ク信号CLKm 〜CLK0 の立ち下がりタイミングで比
較動作がなされ、アナログ入力電圧Vinに対応するディ
ジタル出力dm 〜d0 が順次出力される。比較動作終了
後は、比較結果の保持状態となり、比較用クロック信号
CLKm 〜CLK0 がデューティ比50%で再び立ち上
がると待機状態となり、以後、同様の動作が繰り返され
る。待機状態における比較回路25〜28の出力dm
0 は、図1,図2を参照して説明したように、入力電
圧に関わらず、所定のレベル、この例では、ハイレベル
にセットされる。従って、待機状態の出力を入力してい
るときの閾値設定回路は、入力電圧に対する実質的な閾
値を設定する動作を行わない。
【0027】図3に戻って、比較動作終了後比較出力を
保持しているときの動作を説明する。比較回路25〜2
8自体の閾値は、図1を参照して説明した基準電圧V
ref であり、固定的に設定されている。閾値設定回路2
1は、アナログ入力電圧Vinが最上位ビット(第m+1
番目のビット)の重み2m に対応する実質的な閾値を超
えたときに比較回路25がハイレベルに変化するよう
に、アナログ入力電圧Vinをレベルシフトさせて比較回
路25に出力する。同様に、閾値設定回路22〜24
は、それぞれ、その上位ビットの値が比較回路25〜2
7により確定された後、それぞれの比較用クロック信号
CLKm-1 〜CLK0 の立ち下がりタイミングで、アナ
ログ入力電圧Vinがその確定された上位ビットの値に応
じて決まる所定の実質的な閾値を超えたときに、対応す
る比較回路26〜28がハイレベルに変化するように、
アナログ入力電圧Vinをレベルシフトさせて各比較回路
26〜28に出力する。
【0028】上述した所定の実質的な閾値の値は、この
閾値設定回路22〜24に対応するビット、およびこれ
よりも上位のビットを用いた入力電圧の近似値に相当す
る。閾値設定回路21〜24としては、複数の抵抗器を
用いてアナログ入力電圧Vinをレベルシフトさせること
もできるが、複数のキャパシタンスを用いた方が消費電
力が格段に少なくなる。しかし、キャパシタンスを用い
ると内部抵抗により実質的な閾値が安定するまでに時間
を要する。
【0029】閾値設定回路21〜24は、何ビット目の
ものであるかによって内部回路構成が異なる。したがっ
て、実質的な閾値が安定するまでに要する時間は、閾値
設定回路21〜24のビット位置によって異なるものと
なる。また、アナログ入力電圧の値によって比較回路2
5〜28の待機状態からの過渡的変化状態が異なるた
め、実質的な閾値が安定するまでに要する時間は、アナ
ログ入力電圧によっても異なる。
【0030】比較回路25〜28は、ビットごとに待機
状態となる期間がτずつずれている。したがって、アナ
ログ入力信号Vinに対応した正しいデジタル値dm 〜d
0 が出力されている期間は、最下位ビットの比較用クロ
ック信号CLK0 の立ち下がり後、最下位ビットの比較
動作時間が完了してから、最上位ビットの比較用クロッ
ク信号CLKm が立ち上がるまでの期間である。図示の
例では、比較回路25〜28の比較出力を閾値設定回路
22〜24に直接的に入力しているが、比較回路25〜
28の比較出力を一旦フリップフロップにラッチし、こ
のラッチ出力を閾値設定回路22〜24に出力するよう
にしてもよい。
【0031】上述した説明では、比較回路に与える基準
電圧を一定とし、アナログ入力信号をレベルシフトして
実質的な閾値を変化させたが、アナログ入力信号の方は
そのまま比較回路の一方の入力、基準電圧を比較回路の
他方の入力とし、この基準電圧の方を変化させることに
より比較回路の閾値を変化させてもよい。
【0032】図5は、本発明のA/D変換回路の第2の
実施の形態のブロック構成図である。図中、31〜3
3,41,50,60はマルチプレクサ、34〜36,
42〜45,51〜55,61〜66は入力キャパシタ
ンス、37,46,56,67はスイッチ、38,4
7,57,68は閾値設定回路、39,48,58,6
9は比較回路、40,49,59,69はインバータで
ある。
【0033】この実施の形態のA/D変換回路は、上述
した、特願平07−263574号記載の発明と同様な
電圧モード回路により構成されたA/D変換回路におい
て、入力下限電圧,入力上限電圧をA/D変換回路の外
部から設定するようにし、設定された入力下限電圧,入
力上限電圧との間の電圧を、所定ビット数のデジタルデ
ータに変換する高い分解能のA/D変換回路である。
【0034】比較回路39,48,58,69として、
上述した図1,図2に示した比較回路を非反転型比較回
路として用いている。全体的な変換動作は、図3,図4
を参照して説明した第1の実施の形態のA/D変換回路
と同様である。上位ビットのものから時間τずつ遅れた
タイミングで発生する比較用クロック信号CLK3 〜C
LK0 の立ち下がりタイミングで比較動作がなされ、ア
ナログ入力電圧Vinに対応するディジタル出力d3 〜d
0 が順次出力される。比較動作終了後は、比較結果を保
持し、比較用クロック信号CLK3 〜CLK0 が再び立
ち上がると待機状態となり、ディジタル出力d3 〜d0
は、すべて1となる。説明を簡単にするため、待機状態
を考慮しないで動作を説明する。
【0035】一般に、A/D変換回路においては、電源
電位Vddから接地電位0の間の電圧を複数ビットのデジ
タルデータに変換しているため、入力下限電圧,入力上
限電圧を外部から設定できなかった。そのため、アナロ
グ入力電圧のフルスケール(入力下限電圧と入力上限電
圧との差)が、電源電位Vdd〜接地電位0の幅よりも狭
いときには、その分解能は低いものとなっていた。
【0036】外部入力端子として、アナログ入力電圧V
inを入力するAIN端子、第1のレベルの電圧LV1を
入力するLEVEL1端子、第2のレベルの電圧LV2
を入力するLEVEL2端子を有するとともに、閾値設
定回路38,47,57,68および比較回路39,4
8,58,69に基準電圧Vref を入力する基準電圧入
力端子VREFを有する。基準電圧Vref は、電源電圧
ddに対し、Vref =Vdd/2とされている。
【0037】この実施の形態のA/D変換回路において
は、アナログ入力電圧Vinの下限電圧(Vdd−LV1)
に対応する第1のレベルの電圧LV1と、アナログ入力
電圧Vinの上限電圧(Vdd−LV2)に対応する第2の
レベルの電圧LV2(LV2<LV1)とが、外部より
端子LEVEL1,LEVEL2に供給される。なお、
アナログ入力電圧Vinのフルレンジが、従来と同様に0
〜Vddであるときは、第1のレベルの電圧LV1=
dd、第2のレベルの電圧LV2=0とされる。基準電
圧Vref =Vdd/2を基準として言い換えると、アナロ
グ入力電圧(V in−Vdd/2)の下限電圧(Vdd/2−
LV1)を極性反転させた第1のレベルの電圧(LV1
−Vdd/2)と、アナログ入力電圧(Vin−Vdd/2)
の上限電圧(Vdd/2−LV2)を極性反転させた第2
のレベルの電圧(LV2−Vdd/2)とが、外部より端
子LEVEL1,LEVEL2に供給されることにな
る。
【0038】なお、比較回路39,48,58,69を
正負2電源で動作させ、基準電圧V ref =0とするとき
には、アナログ入力電圧Vinの下限電圧(−LV1)を
極性反転させた第1のレベルの電圧(LV1)と、アナ
ログ入力電圧Vinの上限電圧(−LV2)を極性反転さ
せた第2のレベルの電圧(LV2)とが、外部より端子
LEVEL1,LEVEL2に供給されることになる。
【0039】マルチプレクサ31〜33は、リフレッシ
ュ信号REFRESHにより制御され、それぞれ、リフ
レッシュ状態においては基準電圧Vref を、通常状態に
おいてはアナログ入力電圧Vin,第1のレベルの電圧L
V1,第2のレベルの電圧LV2を、各閾値設定回路3
8,47,57,68内の入力キャパシタンスC34〜
C37,C42〜C45,C51〜C55,C61〜C
66の各入力側端子に印加する。各閾値設定回路38,
47,57,68は、実質的には、図3に示した閾値設
定回路21〜24と同様のものである。比較回路39,
48,58,69は、図3の比較回路25〜28に対応
し、それぞれ図1,図2の比較回路を非反転出力型比較
回路として用いる。比較回路39,48,58,69の
デジタル出力d3 〜d0 は、図4のdm 〜d0 に対応す
る。
【0040】各閾値設定回路38,47,57,68の
出力側には、スイッチ37,46,56,67の一端が
接続されており、その他端は基準電圧入力端子に接続さ
れている。リフレッシュ信号REFRESHがハイレベ
ルとなったときに、各スイッチ37,46,56,67
は導通状態となるようになされている。
【0041】最上位ビット(この場合は第3ビット)に
対応する閾値設定回路38以外の閾値設定回路47,5
7,68には、それぞれ、その上位のビットの比較回路
39,48,58の出力がインバータ40,49,59
を介して、それぞれ対応するマルチプレクサ41,5
0,60に制御信号として印加されている。上位ビット
の比較出力は、原理的には、図3に示したA/D変換回
路と同様に、下位ビットの閾値設定回路47,57,6
8にそれぞれ入力されてA/D変換が行われるのである
が、この構成においては、各比較出力を下位ビットの閾
値設定回路に直接に入力するのではなく、比較出力を制
御信号とする上位ビットのマルチプレクサ41,50,
60を介して、外部から供給される第1,第2のレベル
の電圧LV1,LV2を、下位の閾値設定回路57,6
8にも入力するようにしている。
【0042】リフレッシュ信号REFRESHがローレ
ベルとされている通常動作時に、マルチプレクサMUX
41は最上位ビットのインバータ40の出力Vb3’を
制御信号として、第1,第2のレベルの電圧LV1,L
V2を切り替えて、下位の閾値設定回路57,68に印
加する。すなわち、比較回路の出力Vb3が0(ローレ
ベル)、インバータ40の出力Vb3’がVdd(ハイレ
ベル)であるときは、マルチプレクサ41が外部回路か
ら端子LEVEL1に供給される第1のレベルの電圧L
V1を入力キャパシタンスC45,C55,C66に印
加する。一方、比較回路の出力Vb3がVdd(ハイレベ
ル)、インバータ40の出力Vb3’が0(ローレベ
ル)であるときには、マルチプレクサ41が端子LEV
EL2に供給される第2の電圧LV2を選択するように
制御され、これを入力キャパシタンスC45,C55お
よびC66に印加する。
【0043】また、同様に、マルチプレクサ50は、第
2ビットの比較回路48の出力に応じて、インバータ4
9を介し、第1,第2のレベルの電圧LV1,LV2を
切り替え、下位の閾値設定回路57,68に印加する。
さらに、マルチプレクサ60は、第1ビットの比較回路
58の出力に応じて、インバータ59を介し、第1,第
2のレベルの電圧LV1,LV2を下位の閾値設定回路
68に印加する。なお、マルチプレクサ41,50,6
0の2入力を入れ替えれば、インバータ40,49,5
9を用いずに比較回路39,48,58の出力で直接に
マルチプレクサを41,50,60を制御することもで
きるが、インバータ40,49,59の有するバッファ
の機能はなくなる。
【0044】上述のように構成された実施の形態におけ
るA/D変換動作について説明する。各入力キャパシタ
ンスの容量を、C34〜C36,C42〜C45,C5
1〜C55,C61〜C66としたときの、容量比は、
次の通りである。 C34:C35:C36=16:8:8 C42:C43:C44:C45=16:4:4:8 C51:C52:C53:C54:C55=16:2:
2:4:8、 C61:C62:C63:C64:C65:C66=1
6:1:1:2:4:8 すなわち、第3ビットの閾値設定回路38においては、
第1のレベルの電圧LV1および第2のレベルの電圧L
V2に対する容量C35,C36が8(=23)、アナロ
グ入力電圧Vinに対する容量C34が16(=24 )と
されている。
【0045】第2ビットの閾値設定回路47において
は、第1のレベルの電圧LV1および第2のレベルの電
圧LV2に対する容量C43,C44が4(=22 )、
1ビット上位の第3ビットの比較回路39の出力に対応
する容量C45が8(=23 )、アナログ入力電圧Vin
に対応する容量C42が16(=24 )とされている。
【0046】第1ビットの閾値設定回路57において
は、第1のレベルの電圧LV1および第2のレベルの電
圧LV2に対する容量C52,C53が2、1ビット上
位の第2ビットの比較回路48の出力に対応する容量C
54が4(=22 )、2ビット上位の第3ビットの比較
回路39の出力に対応する容量C55が8(=23 )、
アナログ入力電圧Vinに対応する容量C51が16(=
4 )とされている。
【0047】第0ビットの閾値設定回路68において
は、第1のレベルの電圧LV1および第2のレベルの電
圧LV2に対する容量C62,C63が1、1ビット上
位の第1ビットの比較回路58の出力に対応する容量C
64が2、2ビット上位の第2ビットの比較回路48の
出力に対応する容量C65が4(=22 )、3ビット上
位の第3ビットの比較回路48に対応する容量C66が
8(=23 )、アナログ入力電圧Vinに対応する容量C
61が16(=24 )とされている。
【0048】このように、各閾値設定回路38,47,
57,68では、入力キャパシタンスの容量結合による
重み付け回路を構成し、これらの容量比に応じ、上位の
比較回路の出力に対応する第1,第2のレベルの電圧L
V1,LV2等がそれぞれ2のべき乗に対応する重みを
もって加算され、アナログ入力電圧Vinをレベルシフト
して、それぞれ比較回路39、48,58,69に出力
されることとなる。
【0049】最上位ビット(第3ビット)の閾値設定回
路38を例に、容量比の算出根拠を説明する。3個の入
力キャパシタンスC34〜C36が設けられており、初
期状態において、各々に蓄積されている電荷が0である
とする。それぞれの入力端に電圧Vin,LV1,LV2
を印加しても、各入力キャパシタンスC34〜C36に
蓄積される電荷の総量は0であるため、次の式(1)が
成立する。ここで、V3は閾値設定回路38の出力電圧
である。
【0050】
【数1】 したがって、出力電圧V3は、次の式(2)のようにな
る。
【0051】
【数2】 このように、出力電圧V3は、各入力電圧Vin,LV
1,LV2をその入力キャパシタンスC34〜C36の
容量に対応する重みを付加して加算した値となる。閾値
設定回路38においては、入力キャパシタンスC34〜
C36の容量比がC34:C35:C36=16:8:
8となっている。したがって、この容量結合の出力電圧
V3は、次の式(3)に示すようになる。
【0052】
【数3】 ここで、比較回路39の閾値はVdd/2であるから、比
較回路39が反転するときには、次の式(4)が成立す
る。
【0053】
【数4】 式(4)より、このときの入力電圧Vinについて次式
(5)が成立し、この入力電圧VinをA7とする。
【0054】
【数5】 したがって、アナログ入力電圧Vinが(Vdd−LV1)
≦Vin<A7のとき、比較回路39の出力Vb3はロー
レベル、インバータ40の出力Vb3’はハイレベルと
なり、マルチプレクサ41からは第1のレベルの電圧L
V1が選択されて出力される。また、A7≦Vin<
(Vdd−LV2)のときは、比較回路39の出力Vb3
はハイレベル、インバータ40の出力Vb3’はローレ
ベルとなり、マルチプレクサ41からは第2のレベルの
電圧LV2が選択されることとなる。便宜的に、アナロ
グ入力電圧Vinが電圧A7に丁度一致するときには、比
較回路39の出力はハイレベル側になるものとして説明
する。
【0055】次に、第2ビットの閾値設定回路47にお
いては、その入力キャパシタンスC42〜C45の容量
比がC42:C43:C44:C45=16:4:4:
8となっている。したがって、この容量結合の出力電圧
V2は、次の式(6)のようになる。
【0056】
【数6】 ここで、Vd3はマルチプレクサ41の出力であり、第
3ビットの比較回路39の出力Vb3がローレベルのと
きには、インバータ40の出力Vb3’がハイレベルと
なってVd3=LV1となり、第3ビットの比較回路3
9の出力Vb3がハイレベルのときにはVd3=LV2
となる。したがって、第2ビットの比較回路48が反転
するときのアナログ入力電圧Vinは、次のようになる。
【0057】まず、(Vdd−LV1)≦Vin<A7のと
きには、マルチプレクサ41からLV1が出力されて入
力キャパシタンスC45に印加される。したがって、式
(6)より、次の式(7)が成立する。
【0058】
【数7】 これにより、第2ビットの比較回路48は、アナログ入
力電圧Vinが次の式(8)に示す電圧のときに反転し、
この入力電圧をA3とする。
【0059】
【数8】 次に、A7≦Vin<(Vdd−LV2)のときには、マル
チプレクサ41から第2のレベルの電圧LV2が選択さ
れて出力される。したがって、式(6)より、次の式
(9)が成立する。
【0060】
【数9】 この式(9)より、比較回路48は、入力電圧Vinが次
の式(10)に示す電圧のときに反転する。この入力電
圧をA11とする。
【0061】
【数10】 すなわち、第2ビットに対応する比較回路48の出力V
b2は、入力電圧Vinが(Vdd−LV1)≦Vin<A
3,A7≦Vin<A11のときにローレベルとなる。こ
のとき、インバータ49の出力Vb2’は、ハイレベル
となり、マルチプレクサMUX50からは、第1のレベ
ルの電圧LV1が選択されて出力される。一方、比較回
路48の出力Vb2は、A3≦Vin<A7,A11≦V
in<(V dd−LV2)のときにハイレベルとなる。この
とき、インバータ49の出力Vb2’はローレベルとな
り、マルチプレクサ50からは第2のレベルの電圧LV
2が出力される。
【0062】次に、第1ビットの閾値設定回路57にお
いては、その入力キャパシタンスC51〜C55の容量
比がC51:C52:C53:C54:C55=16:
2:2:4:8となっている。したがって、この容量結
合の出力電圧V1は、次の式(11)のようになる。
【0063】
【数11】 ここで、Vd2はマルチプレクサ50の出力であり、第
2ビットの比較回路48の出力Vb2がローレベルのと
きには、インバータ49の出力Vb2’によりVd2=
LV1となり、第2ビットの比較回路48の出力Vb2
がハイレベルのときにはVd2=LV2となる。
【0064】したがって、第1ビットに対応する比較回
路58が反転するときの入力電圧V inは次のようにな
る。まず、Vin<A3のときは、第3ビットに対応する
比較回路39の出力Vb3がローレベル、第2ビットに
対応する比較回路48の出力Vb2がローレベルとな
り、マルチプレクサ41,50はいずれも第1の電圧レ
ベルLV1を出力し、Vd3=LV1,Vd2=LV1
である。したがって、式(11)より、次の式(12)
が成立する。
【0065】
【数12】 したがって、この式(12)より、比較回路58は、入
力電圧Vinが次の式(13)に示す電圧のときに反転す
る。この入力電圧をA1とする。
【0066】
【数13】 次に、A3≦Vin<A7のときは、比較回路39の出力
Vb3がローレベル、比較回路48の出力Vb2がハイ
レベルとなる。したがって、マルチプレクサ41の出力
Vd3=LV1、マルチプレクサ50の出力Vd2=L
V2となり、式(11)より、次の式(14)が成立す
る。
【0067】
【数14】 この式(14)より、比較回路58は、入力電圧Vin
次の式(15)に示す電圧のときに反転する。この入力
電圧をA5とする。
【0068】
【数15】 次に、A7≦Vin<A11のときは、比較回路39の出
力Vb3がハイレベル、比較回路48の出力Vb2がロ
ーレベルとなる。したがって、マルチプレクサ41の出
力Vd3=LV2、マルチプレクサ50の出力Vd2=
LV1となり、式(11)より、同様にして、次の式
(16)に示す電圧のときに比較回路58が反転する。
この入力電圧をA9とする。
【0069】
【数16】 次に、A11≦Vinのときは、比較回路39の出力Vd
3がハイレベル、比較回路48の出力Vb2がハイレベ
ルとなり、Vd3=LV2,Vd2=LV2となる。し
たがって、式(11)にこれらの値を代入することによ
り、同様にして、次の式(17)に示す比較回路58が
反転する入力電圧を求めることができる。この電圧をA
13とする。
【0070】
【数17】 同様にして、最下位ビット(第0ビット)に対応する比
較回路69が反転する入力電圧についても、次の式(1
8)を用いて算出することができる。
【0071】
【数18】 このようにして算出された比較回路69が反転する入力
電圧A0,A2,A4,A6,A8,A10,A12,
A14を、次の式(19)〜(26)に示す。
【0072】
【数19】
【0073】図6は、本発明のA/D変換回路の第2の
実施の形態の比較回路が反転する入力電圧を示す説明図
である。実質的な閾値となる入力電圧A0〜A14は、
いずれも次の式(27)で表わされる。
【0074】
【数20】 図6に示したように、この実施の形態のA/D変換回路
によれば、入力下限電圧(Vdd−LV1)〜入力上限電
圧(Vdd−LV2)の間を所定のビット数(図示の例で
は4ビット)のデジタルデータに変換することができ
る。上述した説明では、基準電圧Vref を、Vref =V
dd/2に設定したが、基準電圧は、必ずしもこの値に設
定する必要はなく、電源電圧Vdd内であれば、任意の一
定電圧でよい。基準電圧Vref に応じて、入力下限電圧
は(2Vref −LV1)、入力上限電圧は(2Vref
LV2)となる。また、入力下限電圧,入力上限電圧に
応じて、例えば、Vref =(LV1+LV2)/2とし
てもよい。この場合、入力下限電圧はLV2、入力上限
電圧はLV1となる。
【0075】なお、上述した回路においては、各入力キ
ャパシタンスに残留電荷が蓄積され、これにより正確な
重み付け加算が行われなくなって、A/D変換の精度が
劣化することがある。そこで、各入力キャパシタンスの
両端に基準電圧Vref を印加することにより、残留電荷
を解消してリフレッシュを行うようになされている。リ
フレッシュ信号REFRESHがハイレベルとされる
と、マルチプレクサ31〜33は、いずれも、基準電圧
ref を選択するように切り替えられ、スイッチ37,
46,56,67は導通する。その結果、すべての入力
キャパシタンスC34〜C36,C42〜45,C51
〜C55,C61〜66には、両端に基準電圧Vref
印加される。したがって、入力キャパシタンスに蓄積さ
れていた残留電荷を解消することができ、正確な変換を
行うことが可能となる。
【0076】図7は、本発明のA/D変換回路の第3の
実施の形態のブロック構成図である。図中、101はマ
ルチプレクサ、C102は入力キャパシタンス、103
は反転増幅器、C104はフィードバックキャパシタン
ス、105はスイッチ、C106は入力キャパシタン
ス、107は比較回路、108はスイッチ、109は制
御回路、110〜114はマルチプレクサ、C115〜
C118は閾値制御用キャパシタンス、C119は閾値
調整用キャパシタンスである。
【0077】この実施の形態のA/D変換回路は、アナ
ログ入力電圧Ainの電圧を、dm 〜d0 のm+1=4ビ
ットのディジタルデータに変換する逐次比較型のA/D
変換回路である。1回のA/D変換が完了するまでは、
入力電圧を一定に保つ必要があるため、1回のA/D変
換に要する時間において電圧変化が無視できるようなア
ナログ入力電圧Ain、または、あらかじめサンプルホー
ルドされたアナログ入力電圧Ainが入力されるものとす
る。このアナログ入力電圧Ainは、反転増幅器103に
おいて、基準電圧Vref を中心にして一旦反転し、比較
回路107にアナログ入力電圧Vinとして印加される。
【0078】比較回路107には、図1,図2に示した
比較回路を反転型比較回路として用い、所定の比較用タ
イミングCLKAにて所定の基準電圧Vref との比較動
作をする。入力キャパシタンスC106は、反転増幅器
103の出力部のアナログ入力電圧Vinを比較回路10
7の入力部に供給する。制御回路109は、ディジタル
値を保持する複数段の逐次近似レジスタ(SAR:Succ
essive ApproximationRegistor)を有し、所定の逐次制
御用クロック信号CLKBのタイミングで比較回路10
7の出力を入力する。比較結果に応じて、逐次近似レジ
スタに保持されたディジタル値がアナログ入力電圧Vin
の近似値に対応するように逐次制御する。比較回路10
7に印加する比較用クロック信号CLKAと逐次制御用
クロック信号CLKBとの位相同期関係を考慮する必要
がある。
【0079】閾値制御用キャパシタンスC115〜C1
18は、制御回路109の逐次近似レジスタの各段が出
力する電圧を、各比較回路107の入力側に供給する。
閾値調整用キャパシタンス119は、電源の接地電位0
を比較回路107の入力部に供給する。閾値制御用キャ
パシタンスC115〜C118および閾値調整用キャパ
シタンス119の容量結合により実質的な閾値が設定さ
れる。比較回路107自体の閾値は、基準電圧Vref
dd/2に設定しているが、制御回路109内の逐次近
似レジスタの電圧を、各段の重みに応じて静電容量が異
なる閾値制御用キャパシタンスC115〜C118に加
え、比較回路107の入力側に供給して、アナログ入力
電圧Vinをレベルシフトすることにより、比較回路10
7に対し実質的に複数の異なる閾値を順次発生させると
ともに、この比較回路107の出力結果をディジタルデ
ータdm 〜d0 として出力する。
【0080】制御回路109の逐次近似レジスタは、最
上位ビットdm から最下位ビットd 0 まで、逐次に反
転,非反転を繰り返しながら、アナログ入力電圧Vin
m+1=4ビットのディジタルデータに変換する。実質
的な閾値を(2m+1 −1)=15個作れば、アナログ入
力電圧Vinを2m+1 =16の電圧領域に振り分けてn=
4ビットのディジタルデータに変換することができる。
ただ、この実施の形態では、回路構成上、図示のよう
に、Vref /8から16Vref /8まで、2m+1 =16
個の実質的な閾値を作っている。
【0081】この実施の形態のA/D変換回路は、容量
結合された比較回路107を基本構成とするものであ
り、小規模で低消費電力であるという特長がある。キャ
パシタンスを用いているため、最初にリフレッシュを行
い、リーク電流等によってキャパシタンスに蓄積される
不所望な蓄積電荷を放電させてから、比較動作を開始す
る。そのためにマルチプレクサ101,110〜11
4、スイッチ105,108を備えている。これらは、
複数のMOSFETの組み合わせで実現できる。
【0082】アナログ入力電圧Vinと基準電圧Vref
は、マルチプレクサ101に入力される。マルチプレク
サ101は、リフレッシュ信号REFRESHが発生し
たときには、基準電圧Vref を出力し、それ以外のとき
はアナログ入力電圧Vinを出力する。マルチプレクサ1
01の出力は、入力キャパシタンスC102を介してC
MOSインバータによる反転増幅器103に入力され
る。この反転増幅器103の入出力間にはフィードバッ
クキャパシタンスC104とスイッチ105の並列回路
が接続される。入力キャパシタンスC102とフィード
バックキャパシタンスC104の静電容量の比は、 C102:C104=1:1 (28) である。反転増幅器103の出力は、入力キャパシタン
スC106を介して比較回路107に入力される。入力
キャパシタンスC106の出力側には、リフレッシュ信
号REFRESHが発生したときに基準電圧を印加する
スイッチ108が接続される。
【0083】比較回路107の出力は、制御回路109
に入力される。制御回路109はクロック信号CLKB
によって逐次動作をする。制御回路109内の逐次近似
レジスタの出力は、ディジタルデータの並列出力となる
とともに、それぞれ、マルチプレクサMUX110〜1
13の第1の入力部を介して閾値制御用キャパシタンス
C115〜C118に供給され、比較回路107の実質
的な閾値を可変設定する。マルチプレクサ110〜11
3および、第1の入力部が接地側に接続されたマルチプ
レクサ114の出力は、閾値制御用キャパシタンスC1
15〜C118を介して比較回路107の入力部に供給
される。マルチプレクサ110〜114は、リフレッシ
ュ信号REFRESHが発生したときには、基準電圧V
ref を出力し、それ以外のときは、マルチプレクサ11
0〜113は制御回路109内の逐次近似レジスタの出
力電圧を、マルチプレクサ114は接地電位0を出力す
る。
【0084】入力キャパシタンスC106および閾値制
御用キャパシタンスC115〜C118および閾値調整
用キャパシタンスC119の静電容量の比は、 C106:C115:C116:C117:C118:
C119=16:8:4:2:1:1 (29) としている。
【0085】上述したブロック構成の動作について説明
する。A/D変換回路としての動作を開始する前にキャ
パシタンスのリフレッシュ動作が行われる。マルチプレ
クサ101は、リフレシュ信号REFRESHを受ける
と、基準電圧Vref を入力キャパシタンスC102に与
えるように切り替わり、反転増幅器103は、スイッチ
105により入出力間が短絡される。その結果、入力キ
ャパシタンスC102およびフィードバックキャパシタ
ンスC104の各蓄積電荷は0になる。また、入力キャ
パシタンスC106の入力端にも基準電圧Vref を与え
ることになる。入力キャパシタンスC106は、リフレ
シュ信号REFRESHを受けると、スイッチ8により
短絡され、マルチプレクサ110〜114は、基準電圧
ref を閾値制御用キャパシタンスC15〜C118お
よび閾値調整用キャパシタンスC119に与えるように
切り替わる。その結果、各キャパシタンスの蓄積電荷は
0になる。
【0086】反転増幅器103の動作を説明する。この
反転増幅器103は、CMOSインバータが3段縦続接
続されたもので、CMOSインバータの増幅領域を用い
て反転増幅器として動作させるものである。反転増幅器
103の入力部の電圧は、この入力部が電源からフロー
ティングされた状態にあるとき、ほぼこの反転増幅器1
03の論理閾値である基準電圧Vref に等しく、この基
準電圧Vref は電源電圧Vddの1/2に設計されてい
る。
【0087】アナログ入力電圧をAin、反転増幅器10
3の出力電圧をAout とすると、CMOSインバータ1
03の入力部の電荷総量が0であるという条件で電荷保
存式を立てると次式のようになる。 C102(Ain−Vref )+C104(Aout −Vref )=0 (30) ここで、上述した式(28)により、次式のようにな
る。 (Aout −Vref )=−(Ain−Vref ) (31)
【0088】すなわち、Vin,Vout とも、基準電圧V
ref を基準電位としてみれば絶対値が入力と同じで極性
が反転した出力が得られる。なお、この反転増幅器10
3に代えて、演算増幅器を使用した反転増幅器を用いる
こともできる。また、容量結合の代わりに通常の演算増
幅器の使い方である抵抗入力、抵抗帰還型にしてもよ
い。しかし、CMOSインバータを使用し、図示のよう
な容量結合型の方が消費電力が少ない。
【0089】次に比較回路107の動作を説明する。こ
の比較回路107には、上述したように、図1,図2に
示す比較回路が反転型比較回路として用られる。比較回
路自体の閾値は基準電圧Vref =Vdd/2に設定されて
いる。アナログ入力電圧をVin,制御回路109の出力
端子D3 〜D0 の出力電圧をVd3〜Vd0とする。反転増
幅器103の入力部の電荷総量が0であるという条件で
電荷保存式を立てると次式のようになる。 C106(Vin−Vref)+C115(Vd3−Vref)+C116(Vd2 −Vref)+C117(Vd1−Vref)+C118(Vd0−Vref)+C11 9(0−Vref)=0 (32) ここで、式(29)により、式(32)は次の式(3
3)のようになる。
【0090】
【数21】 アナログ入力電圧Vinが式(33)で決まる電圧よりも
わずかでも高い状態で比較タイミングクロックCLKA
が立ち下がると、比較回路107のゲインが高いため、
比較回路107の出力電圧は、基準電圧Vref よりも低
くなり、ほぼ接地電位0となる。逆に、アナログ入力電
圧Vinが式(33)で決まる電圧よりもわずかでも低い
状態で比較タイミングクロックCLKAが立ち下がる
と、比較回路107の出力電圧は、基準電圧Vref より
も高くなり、ほぼ電源電圧Vdd=2Vref となる。した
がって、上述した式(33)を満足するアナログ入力電
圧V inは、アナログ入力電圧に対する比較器の実質的な
閾値Vthを表すことになる。式(33)を整理し、実質
的な閾値Vthを左辺におくと次の式(34)のようにな
る。
【0091】
【数22】 ここで、制御回路9の出力端子d3 ,d2 ,d1 ,d0
の各出力電圧Vd3,V d2,Vd1,Vd0は、ディジタル値
が「1」のとき、電源電圧Vdd=2Vref となり、ディ
ジタル値が「0」のとき、接地電位0となるようにす
る。この2つの出力電圧レベルは、基準電圧Vref を中
心として正負対称となる。
【0092】図8は、図7に示した比較回路の実質的な
閾値Vthを表す説明図である。この図には、制御回路9
がd3 ,d2 ,d1 ,d0 に出力する全てのディジタル
値について、式(34)から得られる実質的な閾値Vth
を表している。d3 ,d2 ,d1 ,d0 =0000のと
き実質的な閾値Vthは16Vref /8=2Vref =V dd
であって最大値となり、d3 ,d2 ,d1 ,d0 =11
11のとき実質的な閾値VthはVref /8=Vdd/16
であって、この値が最小値であり、かつ、量子化間隔の
幅、いわゆる1LSB(Least Significant Bit)に相
当する電圧となる。
【0093】図10を参照して後述するように、制御回
路109の出力d3 ,d2 ,d1 ,d0 の全てのビット
について逐次比較動作を終了したときに、d3 ,d2
1,d0 =0000である場合は、アナログ入力電圧
inは、15Vref /8≦V in<16Vref /8の範囲
内にある。また、d3 ,d2 ,d1 ,d0 =1111で
ある場合は、アナログ入力電圧Vinは、0≦Vin<V
ref /8の範囲内にある。便宜的に、閾値に等しいアナ
ログ入力電圧Vinは、閾値を超える値として範囲を示し
ている。このように、アナログ入力電圧Vinが電源電圧
の全範囲0〜2V ref を16分割された各領域のどの領
域にあるかを4ビットのディジタル値で表すことができ
るとともに、基準電圧Vref を中心に正負対称に変換す
ることができる。
【0094】なお、アナログ入力電圧Vinは、アナログ
入力電圧Ainが基準電圧Vref を基準に極性反転したも
のであるから、アナログ入力電圧Ainに対する実質的な
閾値Vthは、図8において、d3 ,d2 ,d1 ,d0
1000,Vth=8Vref /8の行を中心として、上下
の行を対称的に入れ替えたものとなる。このとき、第1
行目はVth=0となる。
【0095】図7の例では、制御回路109の出力を4
ビットとしたが、一般にm+1ビットの場合に、式(3
2)は、次のように表される。 Cin(Vin−Vref )+Cm (Vdm−Vref ) +Cm-1 (Vdm-1 −Vref )+・・・+C1(Vd1 −Vref ) +C0 (Vd0 −Vref )+Cg (−Vref )=0 (35 ) ここで、閾値制御用キャパシタンスの静電容量Cm 〜C
0 を制御回路109の出力の重みに対応したものとし、
iを1〜m+1の整数として、 Ci-1=2i-10, Cin=2m+1 0(=Cm +Cm-1 +・・・+C1+C0+C0) (36) さらに、閾値調整用キャパシタンスの静電容量をCg
し、Cg =C0 とすると、次の式(37)のようにな
る。
【0096】
【数23】 この場合、制御回路109の出力dm ,dm-1 ,・・
・,d1 ,d0 が全て0で、Vdm =Vdm-1 =V
m-2 =・・・Vd0 =0となるときのVin、すなわ
ち、実質的な閾値Vthは、2Vref =Vddとなる。制御
回路109の出力dm ,dm-1 ,・・・,d1 ,d0
が全て1で、Vdm =Vdm-1 =Vdm-2 =・・・Vd
0 =2Vref となるときのVin、すなわち、実質的な閾
値Vthは、Vref /2m =Vdd/2m+1 となり、この値
が量子化間隔の幅になる。
【0097】上述した説明では、入力キャパシタンスC
106,閾値制御用キャパシタンスC115〜C11
8、閾値調整用キャパシタンスC119の静電容量の比
率を特定の比例関係に設定した。上述した設定では、0
ないし電源電圧Vddの範囲内のアナログ入力電圧の電圧
と、これをA/D変換したディジタル値との関係が比例
関係になる。しかし、各キャパシタンス間の静電容量の
比率は上述した設定に限らず、所望のA/D変換特性に
応じて、任意に設定することができる。
【0098】また、閾値調整用キャパシタンスC119
の値は任意に決めることができ、この値を調整すること
により、実質的な閾値Vthが直流的に変化し、アナログ
入力電圧とディジタル出力値との対応関係を電圧方向に
シフトさせることができる。閾値調整用キャパシタンス
C119の靜電容量を調整する代わりに、この閾値調整
用キャパシタンスC119に加える所定の電圧を変える
ことによっても調整することができる。この閾値調整用
キャパシタンスC119を取り除くことも可能である。
また、入力キャパシタンスC106の他の入力キャパシ
タンスに対する比率を式(36)で決まる値から変える
ことによって、アナログ入力電圧に対する実質的な閾値
thの大きさを変えることができる。
【0099】図9は、図7に示した逐次比較型A/D変
換回路の一具体化例を示す回路図である。図7において
示した反転増幅器103等の前段部分は省略している。
図中、図7と同様な部分には同じ符号を付して説明を省
略する。121はインバータ、122〜125はRSフ
リップフロップ、126〜129はDフリップフロッ
プ、130〜137はDフリップフロップである。な
お、各フリップフロップは、所望の動作に必要な入出力
端子のみを図示しているが、入力電圧のない入力端子が
ある場合には、オープン状態とはせず、電源電圧を印加
するなどして誤動作のないようにする。
【0100】まず、概要構成を説明する。RSフリップ
フロップ122〜125は、マルチプレクサ110〜1
13を制御して閾値制御用キャパシタンスC115〜C
118に基準電圧Vref を供給してリフレッシュさせる
ためのものである。Dフリップフロップ126〜129
は、図7に示した制御回路109の主要部である逐次近
似レジスタであり、A/D変換されたディジタルデータ
3 ,d2 ,d1 ,d 0 を出力するとともに、マルチプ
レクサ110〜113を介して閾値制御用キャパシタン
スC115〜C118に電源電圧Vdd=2Vref または
接地電位0を与えるためのものである。Dフリップフロ
ップ130〜137は、リップルカウンタであり、クロ
ック信号CLKBのタイミングにより時間軸に沿ってR
Sフリップフロップ122〜125,Dフリップフロッ
プ126〜129の動作を制御する。
【0101】次に個々の構成について説明する。RSフ
リップフロップ122〜125のセット端子Sには、リ
フレッシュ信号REFRESHがインバータ121を介
して入力される。また、RSフリップフロップ122〜
125のリセット端子Rは、Dフリップフロップ130
の反転Q出力端子に接続される。RSフリップフロップ
122〜125の出力端子は、それぞれ、マルチプレク
サ110〜113の制御端子に接続される。
【0102】Dフリップフロップ126は少なくともセ
ットS端子を有する。Dフリップフロップ127〜12
9は、セットS端子およびリセットR端子を有する。D
フリップフロップ126のセット端子S,Dフリップフ
ロップ127〜129のリセット端子Rには、リセット
信号RESETが供給される。Dフリップフロップ12
7〜129のセット端子Sは、それぞれ、Dフリップフ
ロップ132,134,136の各反転Q出力端子に接
続され、これらの接続により、Dフリップフロップ12
6〜129を、それぞれ異なる所定の時点で順次強制的
に1とする。Dフリップフロップ126〜129の各D
入力端子には、比較回路107の出力が共通に入力され
る。Dフリップフロップ126〜129のクロック入力
端子CKは、それぞれ、Dフリップフロップ131,1
33,135,137のQ出力端子に接続され、それぞ
れ異なる所定の時点で順次比較回路107の出力を取り
込む。
【0103】Dフリップフロップ130〜136は、少
なくともリセット端子Rを有し、Dフリップフロップ1
37は少なくともセット端子Sを有する。リセット信号
RESETにより、Dフリップフロップ130〜136
はリセットされるが、Dフリップフロップ137はセッ
トされる。Dフリップフロップ130〜136の各段の
Q出力端子は次段のD入力端子に接続され、最終段のD
フリップフロップ137のQ出力端子は、初段のDフリ
ップフロップ130のD入力端子に接続される。クロッ
ク信号CLKBは、Dフリップフロップ130〜137
に共通に入力される。リセット信号RESETによりセ
ットされたときのDフリップフロップ137のQ出力の
「1」は、クロック信号CLKBによって、順次、Dフ
リップフロップ130からDフリップフロップ137ま
で循環する。したがって、Dフリップフロップ130〜
137は、リップルカウンタとなり、各段のQ出力,反
転Q出力によって、上述したRSフリップフロップ12
2〜125,Dフリップフロップ126〜129の動作
タイミングを制御する。
【0104】図10は、図9に示した具体化回路の動作
説明図である。図中、上の部分は、アナログ入力電圧V
inを縦軸とし、横軸を時間としたものである。比較回路
107の実質的な閾値Vthの変化過程を全ての場合につ
いて図示するとともに、1具体例を太線で示した。図
中、下の部分は、回路各部の波形図である。141は実
質的な閾値Vth、142は比較用クロック信号CLK
A,143は逐次制御用クロック信号CLKB、144
はリセット信号RESET、145〜148は図11に
示したDフリップフロップ130〜132,137のQ
端子の出力波形である。Dフリップフロップ133〜1
36のQ端子の出力波形については図示を省略した。ま
た、リフレッシュ時の動作状態は省略する。アナログ入
力電圧Vinが10.5Vref /8であった場合を一例と
して動作を具体的に説明する。
【0105】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミング,,,においては、逐次近似レ
ジスタであるDフリップフロップ126〜129の出力
3,d2 ,d1 ,d0 の値により閾値制御用キャパシ
タンスC115〜C118を介して実質的な閾値を設定
(セット)する。逐次制御用クロック信号CLKBの立
ち上がりタイミング,,,においては、それぞ
れ、Dフリップフロップ126,127,128,12
9が比較回路107の出力を取り込む(ラッチ)。した
がって、逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上がり
タイミング,,,における実質的な閾値の設定
後に実質的な閾値が安定状態になってから、比較用クロ
ック信号CLKAがハイレベルからローレベルに変化し
て、比較回路107が比較動作を行うようにする。逐次
制御用クロック信号CLKBによる次の立ち上がりタイ
ミング,,,において比較回路107の出力が
Dフリップフロップ126〜129に取り込まれれた
後、比較用クロック信号CLKAは、ハイレベルに変化
して待機状態となる。
【0106】比較用クロック信号CLKAとしては、逐
次制御用クロック信号CLKBの立ち上がりタイミング
,,,の直前にハイレベルからローレベルに変
化して比較動作を行い、比較出力の取り込み完了後に再
びハイレベルに戻るようなクロック信号とすればよい。
より具体的には、図示のように、逐次制御用クロック信
号CLKBを分周し、その立ち上がりタイミング、
の中間で立ち下がり、立ち上がりタイミング,の中
間で立ち上がり、立ち上がりタイミング,の中間で
再び立ち下がり、以後同じ周期を繰り返す信号を用いる
ことができる。また、クロック信号CLKの立ち上がり
タイミング,,・・・において比較してもこの比
較出力を取り込むことがないため、支障がない。したが
って、逐次制御用クロック信号CLKBよりも位相を少
し進めたものを比較用クロック信号CLKAとしてもよ
い。言い換えれば、比較用クロック信号CLKAを遅延
手段で少し遅延させたものを逐次制御用クロック信号C
LKBとしてもよい。
【0107】リフレッシュ動作完了後、最初にリセット
信号RESETが「0」となる前では、閾値制御用キャ
パシタンスC115〜C118にはマルチプレクサ11
0〜113を介して基準電圧Vref が印加され、閾値調
整用キャパシタンスC119にはマルチプレクサ114
を介して接地電位0が印加されるため、式(35)か
ら、実質的な閾値Vth141は、Vth=17Vref /1
6となっている。
【0108】最初にリセット信号RESETが「0」と
なったとき、Dフリップフロップ126はセットされ、
Dフリップフロップ127〜129はリセットされ、d
3 ,d2 ,d1 ,d0 は「1000」となるが、マルチ
プレクサ110〜113が切り替えられないために実質
的な閾値Vth141は変化しない。
【0109】リセット信号RESETが「1」に戻った
後の、最初の逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ130の反
転Q出力が0となり、RSフリップフロップ122〜1
25をリセットし、マルチプレクサ110〜113が切
り替えられ、d3 ,d2 ,d1 ,d0 =1000に応じ
て、閾値制御用キャパシタンスC115に電源電圧Vdd
=2Vref ,閾値制御用キャパシタンスC116〜11
8に接地電位0が供給される。閾値制御用キャパシタン
スC119については、リフレッシュ以外は常に接地電
位0が供給される。したがって、実質的な閾値Vth14
1は基準電圧Vref となる。アナログ入力電圧Vinが1
0.5Vref /8である場合、比較回路107の出力
は、基準電圧Vref 未満となる。その結果、Dフリップ
フロップ126〜129のD入力端子は「0」となる。
【0110】次のクロック信号CLKBの立ち上がりタ
イミングでは、Dフリップフロップ130の反転Q端
子出力が「1」になり、Dフリップフロップ131のQ
出力端子が「1」に立ち上がる。したがって、Dフリッ
プフロップ126は、このときの比較動作完了後の比較
回路107の出力の値「0」を取り込む。その結果、D
フリップフロップ126〜129の出力は「0000」
となり、実質的な閾値Vth141は、図2に示したよう
に16Vref/8=Vddとなり、アナログ入力電圧V
inが10.5Vref /8である場合、比較回路107の
出力は、基準電圧Vref を超え、Dフリップフロップ1
26〜129のD入力端子は「1」となる。
【0111】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ131のQ
出力端子が「0」に戻り、代わって、Dフリップフロッ
プ132の反転Q出力端子が「0」になる。したがっ
て、Dフリップフロップ127が新たにセットされ、D
フリップフロップ126〜129の出力は「0100」
となり、実質的な閾値Vth141は、図8に示したよう
に、12Vref /8となり、アナログ入力電圧Vinが1
0.5Vref /8である場合、比較回路107の出力
は、基準電圧Vref を超え、Dフリップフロップ126
〜129のD入力端子は「1」を持続する。
【0112】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ132の反
転Q出力端子が「1」に戻り、代わって、Dフリップフ
ロップ133のQ出力端子が「1」に立ち上がる。した
がって、Dフリップフロップ127は、比較動作完了後
の比較回路107の出力の値「1」を取り込むが、これ
は前の状態と変わらない。その結果、Dフリップフロッ
プ126〜129の出力は「0100」を維持し、実質
的な閾値Vth141は変化しない。
【0113】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ133のQ
出力端子が「0」に戻り、代わって、Dフリップフロッ
プ134の反転Q出力端子が「0」になる。したがっ
て、Dフリップフロップ128が新たにセットされ、D
フリップフロップ126〜129の出力は「0110」
となり、実質的な閾値Vth141は、10Vref /8と
なり、アナログ入力電圧Vinが10.5Vref /8であ
る場合、比較回路107の出力は、基準電圧Vre f 未満
となり、Dフリップフロップ126〜129のD入力端
子は「0」となる。
【0114】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ134の反
転Q出力端子が「1」に戻り、代わって、Dフリップフ
ロップ135のQ出力端子が「1」に立ち上がる。した
がって、Dフリップフロップ128は、比較動作完了後
の比較回路107の出力の値「0」を取り込む。その結
果、Dフリップフロップ126〜129の出力は「01
00」に戻る。
【0115】逐次制御用クロック信号CLKBの立ち上
がりタイミングでは、Dフリップフロップ135のQ
出力端子が「0」に戻り、代わって、Dフリップフロッ
プ136の反転Q出力端子が「0」になる。したがっ
て、Dフリップフロップ129が新たにセットされ、D
フリップフロップ126〜129の出力は「0101」
となり、実質的な閾値Vth141は、図8に示したよう
に、11Vref /8となり、アナログ入力電圧Vinが1
0.5Vref /8である場合、比較回路107の出力
は、基準電圧Vref を超え、Dフリップフロップ126
〜129のD入力端子は「1」となる。
【0116】クロック信号CLKBの立ち上がりタイミ
ングでは、Dフリップフロップ136の反転Q出力端
子が「1」に戻り、代わって、Dフリップフロップ13
7のQ出力端子が「1」に立ち上がる。したがって、D
フリップフロップ129は、比較動作完了後の比較回路
107の出力の値「1」を取り込む。その結果、Dフリ
ップフロップ126〜129の出力は「0101」を維
持する。
【0117】以上で1回のA/D変換動作が終了し、こ
のときのDフリップフロップ126〜129の出力
3 ,d2 ,d1 ,d0 がA/D変換出力となり、ディ
ジタルデータ「0101」が出力される。このディジタ
ル値は、アナログ入力電圧Vinが、10Vref /8を超
え11Vref /8未満であることを示す。アナログ入力
電圧Vinが、0電圧以上16Vref /8未満の値をとる
ときに、実質的な閾値Vth141は、図示のように16
通りの変化態様をとる。
【0118】再びリセット信号RESETによりリセッ
トし、クロック信号CLKBのタイミングに応じて同様
の動作が繰り返される。アナログ入力電圧がサンプルホ
ールドされたものである場合には、次のサンプルホール
ドされたアナログ入力電圧A inが図7のマルチプレクサ
101に入力された後にリセット信号RESETにより
リセットされる。したがって、次のサンプルタイミング
でアナログ入力電圧A inを新たに入力してA/D変換す
ることができる。あるいは、一旦リフレッシュ動作をさ
せた後に、次のアナログ入力電圧Ainを入力してA/D
変換するようにしてもよい。
【0119】なお、A/D変換回路の出力端子となるd
3 〜d0 は、Dフリップフロップ126〜129のQ出
力から取り出したが、マルチプレクサ110〜113か
ら取り出してもよい。反転Q出力端子を設けてここから
取り出してもよい。
【0120】上述したように、図9に示した回路構成で
は、比較回路107による比較結果の逐次近似レジスタ
への取り込みと、次ビットの判定のための次段の強制
「1」セットとを交互に異なるタイミングで行うように
しており、1度のタイミングで、d3 ,d2 ,d1 ,d
0 の内、変化するとしても1ビットしか変化しない特長
を有しているが、4ビットのA/D変換のために、比較
的長い8クロックサイクルを要する。しかし、説明は省
略するが、従来の抵抗結合を用いて閾値を制御する逐次
比較回路で行われているように、比較結果の取り込み
(ラッチ)と、次の比較のための実質的な閾値の設定制
御(セット)とを同時に行うように制御回路(図7、符
号109)を変更することも可能である。
【0121】図7,図9に示した逐次比較型A/D変換
回路においても、図5に示したA/D変換回路と同様
に、容量結合から安定した出力電圧が出力されるまでに
時間を要する。すなわち、マルチプレクサ110〜11
4の内部抵抗と入力キャパシタンスC106,フィード
バックキャパシタンスC115〜C119等により、実
質的な閾値が変化して安定した状態に設定されるまでに
所定の遅延時間を要することになる。逐次比較型A/D
変換回路の場合には、比較動作時間が終了する前に比較
出力の逐次近似レジスタへの取り込みを行なっても誤動
作する。
【0122】A/D変換回路におけるA/D変換動作タ
イミング、図4においては、比較用クロック信号CLK
m 〜CLK0 の1周期Δは、比較動作時間、および、閾
値設定回路において安定した出力電圧が出力されるまで
の時間を考慮して決定する必要がある。しかし、これら
の時間は、製造時のばらつきの影響を受けやすい。しか
し、A/D変換動作を高速化したい場合には、比較用ク
ロック信号CLK,CLKAは、できるだけ高速に設定
したいという要望がある。
【0123】図11は、本発明のA/D変換回路のタイ
ミング設定方法およびA/D変換装置の実施の一形態を
説明するためのブロック構成図である。図中、151は
テスト電圧発生部、152はマルチプレクサ、153は
A/D変換部、154は初期値記憶部,155はカウン
タ、156はセレクタ、157,159はレジスタ、1
58はタイミング信号生成部、160は比較部、161
は制御ロジック部である。
【0124】このA/D変換装置は、図1,図2に示し
たような所定のタイミングで比較動作を行う比較回路を
使用したA/D変換部153に対し、比較用クロック等
のA/D変換の各種タイミングの周期を、このA/D変
換部153の動作特性に応じて短い値に設定することに
より、A/D変換動作を高速化するものである。
【0125】アナログ入力電圧信号Vinおよびテスト電
圧発生部151からのテスト電圧は、マルチプレクサ1
52において、一方が選択されてA/D変換部153に
入力される。テスト電圧は、制御ロジック部161から
のテストモード信号により選択される。カウンタ155
は、最初に、制御ロジック部161からの図示しないロ
ード信号により、初期値記憶部154から、基本クロッ
ク信号の最も長いクロック周期を与える初期値をロード
され、その後は、制御ロジック部161からのクロック
信号CLKCによりカウントダウンして、そのカウント
値をデクリメントする。カウント値は基本クロック周期
の値としてセレクタ156の第1の入力となる。
【0126】レジスタ157は、カウンタ155がカウ
ントダウンされ、カウント出力を更新するときには、制
御ロジック部161からの図示しないロード信号により
更新前のカウント値を記憶する。レジスタ157の記憶
データは、基本クロック周期の更新前の値としてセレク
タ156の第2の入力となる。セレクタ156は、制御
ロジック部161からの図示しない制御信号により、2
入力の一方をタイミング信号生成部158に選択的に出
力する。後述するように、正常時にはカウンタ155の
出力が選択される。
【0127】タイミング信号生成部158は、入力され
た基本クロックの周期の値に応じて内部で基本クロック
信号を生成し、この基本クロック信号に基づいて1又は
複数の比較用クロック信号等を生成する。A/D変換部
153が図3,図4に示したものである場合、比較用ク
ロック信号CLKm 〜CLK0 を生成し、A/D変換部
153が図5に示したものである場合には、比較用クロ
ック信号CLK3〜CLK0を生成する。また、A/D
変換部153が図7,図9に示した逐次比較型のA/D
変換回路の場合には、比較用クロック信号CLKA、逐
次制御用クロック信号CLKB、リセット信号RESE
Tを生成する。
【0128】図5,図7,図9のA/D変換回路におい
て、リフレシュを比較用クロック信号に同期した所定間
隔のタイミングで行う場合には、リフレッシュ信号RE
FRESHも生成する必要がある。サンプルホールド回
路を用い、かつ、A/D変換回路に内蔵させる場合に
は、サンプルホールドのタイミング信号も発生させる必
要がある。信号生成部158は、また、制御ロジック部
161に1回のA/D変換動作(1サンプル分)の終了
を知らせるタイミング信号等も出力する。
【0129】タイミング信号生成部158は、基本クロ
ック信号の周期に比例した周期の比較用クロック信号等
を生成する。上述したように、複数のクロック信号を順
次遅延させて1回のA/D変換動作を行うものである場
合、あるいは、比較用クロック信号から遅延した逐次制
御用クロック信号CLKB等のタイミング信号が必要な
場合には、この遅延時間も基本クロック周期に比例させ
る。例えば、基本クロック周期を比較用クロック信号の
周期よりも十分短いものとし、基本クロックを分周し、
相互の位相関係を決めることによりこのような比較用ク
ロック信号等を生成することができる。
【0130】テストモードにおいて、A/D変換部15
3は、テスト電圧発生部151の電圧をマルチプレクサ
152から入力し、タイミング信号生成部158から出
力される比較用クロック信号のタイミングでA/D変換
動作を行う。レジスタ159は、制御ロジック部161
からの図示しないロード信号により、1回のA/D変換
動作を終了するごとに、A/D変換部153の出力デー
タを、前回データとして一時記憶する。比較部159
は、A/D変換部153の出力データとレジスタ159
に記憶された前回の出力データとを比較し、1ビットで
も一致していないときにはエラー信号を制御ロジック部
161に出力する。
【0131】制御ロジック部161は、エラー信号を受
けない間は、1回のA/D変換動作を終了するごとに設
定用クロック信号CLKCを出力して、カウンタ155
をダウンカウントする。制御ロジック部161は、セレ
クタ156がこのカウンタ155の出力をタイミング信
号生成部158に出力するように制御する。このような
動作を繰り返して、タイミング信号生成部158が比較
用クロック信号等の周期および相互の遅延時間を徐々に
短くしていく。
【0132】図1、図2に示した比較回路は、比較動作
終了直後はその比較出力が保持されているが、待機状態
になると、内部回路構成によって決まる所定の出力状態
になる。図2に示したA/D変換回路の例では、出力が
ハイレベルになり、デジタル出力としては、「1」とな
った。したがって、図5に示すA/D変換回路において
は、待機状態では出力が「1111」となる。
【0133】マルチプレクサ31〜33,41,50,
60の内部のトランスミッションゲートの内部抵抗と、
各マルチプレクサに接続された入力コンデンサとがCR
時定数回路を構成するため、待機状態から比較動作を行
うときに、閾値設定回路38,47,57,68から安
定した出力電圧が出されるまでに遅延時間を要する。テ
スト信号のアナログ入力電圧が、待機状態の出力に相当
する大きさの電圧に一致しないようにすれば、待機状態
から比較状態になるときに、A/D変換部153は、閾
値設定回路38,47,57,68に実質的な閾値変更
動作を引き起こす。そのため、比較用クロック信号CL
K3〜CLK0のタイミング間隔が短縮されると、A/
D変換部153内の実質的な閾値電圧が安定した状態に
設定される前に比較動作が行われることになり、A/D
変換動作を誤ることとなる。
【0134】また、図7に示した逐次比較A/D変換回
路の場合には、逐次近似レジスタがあるため、待機状態
から比較動作になっただけでは閾値変更動作が引き起こ
されない。しかし、逐次近似レジスタの出力を閾値制御
用キャパシタンスに印加するタイミングから比較回路1
07による比較動作タイミングまでのタイミング間隔、
および、比較動作タイミングから比較出力をラッチする
タイミングまでのタイミング間隔が短縮化されるため
に、同様に、A/D変換動作を誤ることとなる。
【0135】比較部160は、制御ロジック部161か
ら出力される図示しない制御信号により、1回のA/D
変換終了後、A/D変換部153の出力とレジスタ15
9に記憶された出力とを比較する。したがって、A/D
変換動作を誤ると、A/D変換出力データは、レジスタ
159に記憶された誤りがないときの前回データと一致
しなくなり、比較部160はエラー信号を出力する。制
御ロジック部161は、エラー信号を受けると、クロッ
ク信号CLKCを出力しないようにするとともに、セレ
クタ156を制御して、レジスタ157に記憶されてい
た前回のカウンタ出力をタイミング信号生成部158に
出力するようにして、タイミング信号生成部158のク
ロック周期を固定的に設定してテストモードを終了す
る。
【0136】なお、レジスタ157は、必ずしも、前回
のA/D変換時のカウンタ155の出力に設定する必要
はなく、余裕を持たせるために、何回か以前のカウンタ
155の出力を記憶しておいて、この値に設定するよう
にしてもよい。通常動作モードにおいては、タイミング
信号生成部158は、テストモードにおいて設定され、
レジスタ157に記憶された周期の基本クロック信号に
応じて比較タイミング信号等を生成し、A/D変換部1
53に供給する。A/D変換部153は、アナログ入力
電圧Vinをマルチプレクサ152から入力し、エラーの
発生しない程度の短い間隔の比較タイミングで高速のA
/D変換動作を行うことができる。
【0137】上述したテストモードは、A/D変換部1
53を含み、このA/D変換部を利用する応用回路全体
をリセットする際に行うことができる。なお、レジスタ
157としてEEPROM(electrical erasable prog
ramamable read only memory)を用いれば、設定固定さ
れた値を電源が供給されていないときにも保持すること
ができる。図11に示した回路ブロック構成は、1個の
A/D変換用集積回路チップ上に形成することができ
る。あるいは、A/D変換部153、クロック生成分配
部158およびレジスタ157を形成したA/D変換用
集積回路を形成してもよい。これに外部の試験装置を接
続し、外部からテスト電圧を印加するとともに、徐々に
短くなる基本クロック周期の値をタイミング信号生成部
158に入力し、試験装置の側でA/D変換部153の
出力を同様に比較して、エラーの発生しない範囲の基本
クロック周期の値をレジスタ157に記憶させるように
する。
【0138】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、本発
明の比較回路およびA/D変換回路によれば、回路規模
が小さくても感度が高く、かつ、安定な動作をさせるこ
とができるという効果がある。本発明のA/D変換回路
によれば、閾値設定回路をキャパシタンスで実現するた
め回路規模が小さくてすむという効果がある。キャパシ
タンスは消費電力がほとんどなく、かつ、キャパシタン
スの静電容量の比精度は、半導体製造プロセスにおいて
高精度にコントロールできるため高変換精度を実現する
ことができるという効果がある。
【0139】本発明のA/D変換回路のタイミング設定
方法によれば、個々の製品の特性に応じてA/D変換動
作を高速化することができるという効果がある。本発明
のA/D変換装置によれば、A/D変換部の動作特性に
応じて比較タイミングを容易に設定することができる。
したがって、本発明の比較回路、A/D変換回路、A/
D変換回路のタイミング設定方法、および、A/D変換
装置は、高集積回路化が要求される、例えば、ディジタ
ル移動通信の携帯端末機のディジタル信号処理に必要な
A/D変換に用いると好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の比較回路の第1の実施の形態の回路構
成図である。
【図2】本発明の比較回路の第2の実施の形態の回路構
成図である。
【図3】本発明のA/D変換回路の第1の実施の形態の
ブロック構成図である。
【図4】図3の比較回路25〜28に印加されるクロッ
ク信号のタイミングとA/D変換出力を示す説明図であ
る。
【図5】本発明のA/D変換回路の第2の実施の形態の
ブロック構成図である。
【図6】本発明のA/D変換回路の第2の実施の形態の
比較回路が反転する入力電圧を示す説明図である。
【図7】本発明のA/D変換回路の第3の実施の形態の
ブロック構成図である。
【図8】図7に示した比較回路の実質的な閾値Vthを表
す説明図である。
【図9】図7に示した逐次比較型A/D変換回路の一具
体化例を示す回路図である。
【図10】図9に示した具体化回路の動作説明図であ
る。
【図11】本発明のA/D変換回路のタイミング設定方
法およびA/D変換装置の実施の一形態を説明するため
のブロック構成図である。
【符号の説明】
1,3,4,5,9 PMOSFET、2,6,7,
8,10,11,12NMOSFET NMOSFE
T、21〜24 閾値設定回路、25〜28 比較回
路、31〜33,41,50,60 マルチプレクサ、
34〜36,42〜45,51〜55,61〜66 入
力キャパシタンス、37,46,56,67スイッチ、
38,47,57,68 閾値設定回路、39,48,
58,69比較回路、40,49,59,69 インバ
ータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 周 長明 東京都世田谷区北沢3−5−18 鷹山ビル 株式会社鷹山内 Fターム(参考) 2G035 AA20 AB01 AC01 AC19 AD03 AD13 AD17 AD23 AD25 AD46 AD48 AD56 AD65 2G036 AA28 BA40 5J022 AA02 BA01 BA06 CD02 CE01 CE05 CE08 CE09 CF01 CF08 CG01 5J039 DD02 KK10 KK28 KK29 MM16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力電圧と基準電圧とが入力される差動
    入力部と、 該差動入力部の第1,第2の出力端に接続された正帰還
    部と、前記差動入力部の第1,第2の出力端をそれぞれ
    入力端とする第1,第2のバッファ段と、 前記差動入力部の第1,第2の出力端の間に接続され比
    較用クロック信号が印加されることにより短絡または開
    放状態となる第1のスイッチング部を有し、前記第1,
    第2のバッファ段の少なくとも一方の出力端を外部出力
    端とする比較回路であって、 前記差動入力部は、第1,第2,第3のPMOSFET
    を有し、前記第1,第2のPMOSFETは、一方のゲ
    ート電極に前記入力電圧が、他方のゲート電極に前記基
    準電圧が入力され、出力電極の一方が相互に接続されて
    前記第3のPMOSFETを介し電源の一方端に接続さ
    れ、前記第3のPMOSFETのゲート電極に所定のバ
    イアス電圧が印加されるものであり、 前記正帰還部は、第1,第2のNMOSFETを有し、
    前記第1のNMOSFETの一方の出力電極が前記差動
    入力部の第1の出力端および前記第2のNMOSFET
    のゲート電極に接続され、前記第2のNMOSFETの
    一方の出力電極が前記差動入力部の第2の出力端および
    前記第2のNMOSFETのゲート電極に接続され、前
    記第1,第2のNMOSFETのそれぞれ他方の出力電
    極が前記電源の他方端に接続されるものであり、 前記第1,第2のバッファ段はCMOSFETであり、 前記第1のスイッチング部はNMOSFETまたはPM
    OSFETであり、 前記比較用クロック信号により前記スイッチング部が短
    絡状態から開放状態に制御されるときに前記入力電圧と
    前記基準電圧との比較動作が行なわれることを特徴とす
    る比較回路。
  2. 【請求項2】 第2,第3のスイッチング部を有し、該
    第2,第3のスイッチング部は、NMOSFETまたは
    PMOSFETであり、それぞれ前記差動入力部の第
    1,第2の出力端と前記電源の他方端との間に接続さ
    れ、前記比較タイミング用クロック信号が印加されるこ
    とにより前記第1のスイッチング部の短絡または開放状
    態に対応して短絡または開放状態となるものであること
    を特徴とする請求項1に記載の比較回路。
  3. 【請求項3】 アナログ入力電圧をm+1ビット(mは
    正の整数)のデジタルデータに変換するアナログデジタ
    ル変換回路であって、 前記デジタルデータの各ビットにそれぞれ対応して設け
    られたm+1個の比較回路および該各比較回路の前段に
    それぞれ設けられたm+1個の閾値設定回路を有し、 前記各比較回路は、請求項1または請求項2に記載の比
    較回路であって、前記各比較回路に対する前記比較用ク
    ロック信号を、前記各比較回路の最上位ビットのものか
    ら最下位ビットのものまでに対して順次遅延したものと
    し、前記各比較回路は、前記各閾値設定回路の出力電圧
    と前記基準電圧とを、前記比較用クロック信号の比較タ
    イミングで比較することにより前記デジタルデータの各
    ビットを出力するようになされており、 前記各閾値設定回路は、前記アナログ入力電圧、前記ア
    ナログ入力電圧の下限電圧に対応する第1の電圧、前記
    アナログ入力電圧の上限電圧に対応する第2の電圧、お
    よび、当該閾値設定回路よりも上位のビットの前記比較
    回路の出力に対応して選択される前記第1あるいは第2
    の電圧に等しい電圧が、それぞれ一方の端子に入力され
    他方の端子は共通に接続されて前記閾値設定回路の出力
    電圧となる複数の容量を少なくとも有する容量結合によ
    り構成され、 最下位ビットからj番目(jはm以下の0または正整
    数)のビットの前記各閾値設定回路における前記容量結
    合は、前記第1の電圧および前記第2の電圧に対する重
    みを2j 、当該閾値設定回路よりも上位の最下位ビット
    からk番目(kはm以下の正整数)のビットに対応する
    前記比較回路の出力に対応して選択される前記第1ある
    いは第2の電圧に等しい電圧に対する重みを2k 、前記
    アナログ入力電圧に対する重みを2m+1 として、前記各
    入力電圧を加算するようになされていることを特徴とす
    るアナログデジタル変換回路。
  4. 【請求項4】 入力電圧をm+1ビット(mは正の整
    数)のデジタルデータに変換する逐次比較型アナログデ
    ジタル変換回路であって、 比較回路、該比較回路の前段に設けられた閾値設定回
    路、前記比較回路の後段に設けられた制御部を有し、 前記比較回路は、請求項1または請求項2に記載の比較
    回路であって、前記閾値設定回路の出力電圧と前記基準
    電圧とを、前記比較用クロック信号の比較タイミングで
    比較するようになされており、 前記制御部は、m+1ビットのディジタル値を保持し各
    ビットに応じた電圧レベルを出力するm+1段の出力レ
    ジスタを有し、前記比較回路の出力を逐次制御用クロッ
    ク信号の入力タイミングで入力し前記出力レジスタに保
    持された前記ディジタル値が前記アナログ入力電圧の近
    似値に対応するように逐次制御するものであり、 前記閾値設定回路は容量結合を有し、 該容量結合は、前記アナログ入力電圧および前記出力レ
    ジスタの各段の出力電圧が、それぞれ一方の端子に入力
    され他方の端子は共通に接続されて前記閾値設定回路の
    出力となり、対応する前記アナログ入力電圧の重みおよ
    び前記出力レジスタの各段のビットの重みに対応する容
    量を有するものであり、 前記比較タイミングから所定の遅延時間経過後に前記入
    力タイミングとなるように設定されていることを特徴と
    する逐次比較型アナログデジタル変換回路。
  5. 【請求項5】 比較用クロック信号により規定される比
    較タイミングで入力電圧と基準電圧との比較動作を行う
    1または複数の比較回路を用いたアナログデジタル変換
    回路のタイミング設定方法であって、 1または複数の前記比較用クロック信号を少なくとも含
    むアナログデジタル変換に要する複数のタイミング信号
    を生成するとともに、前記アナログデジタル変換回路に
    所定のテスト電圧および前記複数のタイミング信号を供
    給し、前記複数のタイミング信号の間隔を短くして行
    き、その間において、前記アナログデジタル変換回路の
    出力にエラーが発生したときに、前記複数のタイミング
    信号の間隔を前記エラーが発生する前の所定の値に設定
    保持することを特徴とするアナログデジタル変換回路の
    タイミング設定方法。
  6. 【請求項6】 比較用クロック信号により規定されるタ
    イミングでアナログ入力電圧と基準電圧との比較を行う
    1または複数の比較回路を用いたアナログデジタル変換
    部およびタイミング設定部を有するアナログデジタル変
    換装置であって、 前記タイミング設定部は、 前記アナログデジタル変換部に所定のテスト電圧を供給
    する手段、 1または複数の前記比較用クロック信号を少なくとも含
    むアナログデジタル変換に要する複数のタイミング信号
    を生成し、前記アナログデジタル変換部に出力するタイ
    ミング信号生成手段、 前記アナログデジタル変換部の出力エラーを検出するエ
    ラー検出手段、および、 前記アナログデジタル変換部に前記所定のテスト用電圧
    を供給するとともに、前記複数のタイミング信号の間隔
    が徐々に短くなるように前記タイミング信号生成手段を
    制御する間において、前記エラー検出部が出力エラーを
    検出したときに、前記複数のタイミング信号の間隔を前
    記出力エラーが発生する前の所定の値に設定保持する制
    御手段、 を有することを特徴とするアナログデジタル変換装置。
  7. 【請求項7】 前記テスト電圧は一定電圧であり、前記
    エラー検出手段は、前記アナログデジタル変換部の出力
    が変化したことを検出するものであることを特徴とする
    請求項6に記載のアナログデジタル変換装置。
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