JP4459129B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、トナーの製造方法に関し、濾過工程における生産性の向上と洗浄性の向上により電子写真特性に優れたトナーを効率的に製造するための、濾過前スラリーの処理技術の改良に関する。
電子写真法に用いられるトナー粒子の製造方法としては、重合性単量体を液滴状に分散させ、重合を行うことにより直接トナー粒子を得る重合トナー粒子の製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法トナーでは、重合性単量体、着色剤及び重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、該単量体組成物を、分散安定剤を含有する媒体、例えば、水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、濾別、乾燥して所望の粒径を有するトナー粒子を得る。この方法では、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから分級工程を省略又は、分級したとしても、高収率でトナーが得られる。
しかしながら、重合体トナーは媒体中で直接トナー粒子を生成させるため、トナー表面が媒体の影響を受けやすい。
例えば、媒体が水系媒体の場合、一般に極性の高い極性樹脂や荷電制御剤は、トナー表面近傍に局在化しやすくなる。その結果として粉砕トナーと比較して、非常に少量の荷電制御剤で、均一で高い帯電性をトナーに付与出来るが、荷電制御剤のような極性の高い材料は、極一部ではあるが、水系媒体中へ溶解してしまうものもある。そのため、重合反応終了後の媒体をろ過する工程において、非常に注意を払う必要がある。
また、分散安定剤を含有する媒体中でトナー粒子を形成する場合、トナー表面近傍に分散安定剤が多量に存在する為、脱水・洗浄工程において、分散安定剤を十分に洗浄する必要がある。
即ち、如何に効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄するかということが重要である。
各トナー粒子の表面が均一に洗浄されていないと、トナーの帯電量分布がブロードとなり、特に、高温多湿下などの、トナーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等の問題が発生しやすくなる。
既知の脱水・洗浄手段としては、連続式ベルトフィルター、サイホンピラー型セントリフュ−ジ、フィルタープレス、デカンタ型遠心分離機を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、重合反応終了後のスラリーは、攪拌等により多量の泡が発生してしまう。これにより、続くろ過工程に泡を含有するスラリーを供給した場合、不均一なケーキが形成され、脱水不良・洗浄不良を起こしてしまうことが問題となっていた。また、連続式のベルトフィルター、サイホンピラー型セントリフュージ、デカンタ型遠心分離機等を用いた場合は、ケーキが形成される速度・洗浄水を脱液する速度が著しく低下することも問題となっていた。
この泡の発生を抑制する手段として、攪拌条件をコントロールすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法は、気体の液中への巻き込みを軽減する観点から抑泡に効果がある。しかしながら、例えば、スラリーに酸及びアルカリを添加した場合、液相に溶解する物質と添加する酸及びアルカリが反応し、ガスを発生することがある。このような化学的な反応によりスラリー内部より発生した泡は、単に攪拌条件をコントロールするだけでは抑制が困難であった。
したがって、製造プロセス条件による発泡、化学的反応による発泡を始めとして、その他あらゆる状況により生じる泡に対して抑泡・脱泡可能であり、泡が殆どないスラリーを濾過・洗浄工程に供給できる製造方法が要求されていた。
特開2003−215841号公報 特開2002−214836号公報
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決したトナーの製造方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、泡を含有するスラリーを効率的且つ確実に脱泡できるトナーの新たな製造方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、帯電量分布が均一で画像特性に優れるトナー粒子を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の方法によれば、前述の様々な要因により生じる泡に対して効率良く脱泡することが可能であり、従来よりも洗浄性に優れるトナーを提供できる製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、以下の特徴事項を有する:
(1)水系媒体中で生成されたトナー粒子を含有するスラリーを脱泡処理した後に、脱水、洗浄を行うことを特徴とするトナー粒子の製造方法;
(2)トナー粒子が非磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA1(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
0.75≦A1
を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする(1)に記載のトナー粒子の製造方法;
(3)トナー粒子が非磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA1(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
0.85≦A1
を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする(1)に記載のトナー粒子の製造方法;
(4)トナー粒子が磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA2(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
0.86≦A2
を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする(1)に記載のトナー粒子の製造方法;
(5)トナー粒子が磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA2(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
0.98≦A2
を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする(1)に記載のトナー粒子の製造方法;
(6)脱泡処理前のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をC(kg/l)、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA(kg/l)とした時、
該脱泡処理が、下記関係
1.05 ≦ A/C ≦ 3.00
を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(7)該脱泡処理が、減圧可能な容器にトナー粒子含有スラリーを供給し、減圧処理を行う工程であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(8)該減圧処理が、5乃至50kPaの減圧条件下において行われることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(9)脱泡処理前のトナー粒子含有スラリー中のトナー粒子の濃度が10乃至45質量%の範囲内であることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(10)該水系媒体中で生成されたトナー粒子を含有するスラリーをpH0.5乃至4.0の範囲内で酸処理した後に、脱泡処理を行うことを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(11)脱水、洗浄を行う手段が真空式のベルトフィルターであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法;
(12)該ベルトフィルターが濾布間欠運動型のベルトフィルターであることを特徴とする(11)に記載のトナー粒子の製造方法;および
(13)脱水、洗浄を行う手段がフィルタープレスであることを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
本発明にかかる新規な製造方法によれば、機械的な攪拌により発生する泡、化学的な反応により発生する泡等、様々な原因により発生する泡を、効率的且つ確実に脱泡することができる。
また、本発明においては、洗浄性の向上により、帯電量分布が均一で画像特性に優れるトナー粒子を提供することが可能である。
更に、本発明においては、脱水性、脱液性および洗浄性の良化により、脱水・洗浄工程の生産効率を大幅に向上させることが可能である。
以下に、本発明の好ましい態様を具体的に説明する。
≪脱泡工程≫
本発明における脱泡の手段としては、I.加圧脱泡、II.減圧脱泡、III.遠心脱泡、IV.超音波を用いた脱泡、V.サイクロン方式による脱泡、さらにI〜IVの組合わせなどの何れの脱泡方式を用いることができる。
その中でも特に本発明においては、脱泡効率の観点から、II.減圧による脱泡を用いるのが好ましい。
本発明に使用できる減圧による脱泡装置として、DPシリーズ(エム・テクニック社製)、バブルバスター(アシザワ・ファインテック社製)、デアマイルド(大平洋機工社製)、VISCO DEAERATOR(ターボ工業社製)等が挙げられるが、それらに限定されない。
また、減圧による脱泡に関しては、薄膜を形成しつつ脱泡処理を行う装置を用いることがより好ましい。
本発明に好ましく用いられる脱泡機を、2種の脱泡機1・脱泡機2として図面を用いて説明する。
脱泡機1を示す図面としては、図1であり、脱泡機2を示す図面としては、図2である。
図1は、回転板よりスラリーを噴霧するタイプの減圧式の脱泡機1の断面図を示す。
図2は、回転容器にスラリーを薄膜状に広がるように供給するタイプの減圧式の脱泡機2の断面図を示す。
脱泡機1においては、真空ポンプ23によりベッセル17内を減圧状態とすることで、装置下部の吸引口14よりスラリーが吸引される。次いで、高速回転するシャフト15内部に具備された流入経路16をスラリーが通過することにより、液相はシャフト15内壁面側に、泡はシャフト中心部側へ遠心分離される。この際、泡は減圧下のベッセル17内へ引かれ膨張し脱気される。
シャフト15内部を通過したスラリーは、回転板18中央入口に送液され遠心力により、薄膜状に広がることで脱泡が進行する。この際、回転板の外縁部の周速は、2m/s〜30m/sの範囲内であることが好ましい。回転板の外縁部の周速が2m/sより小さい場合、十分な遠心効果・薄膜効果が得られず、脱泡性能が損なわれる。
また、回転板の外縁部の周速が30m/sより大きい場合、大きなせん断力が付与され、トナーがダメージを受ける可能性がある。
更に、遠心力により外部に移送されたスラリーは、パンチングプレート19、次いでフィルター20を通過し、微細化された状態でベッセル17壁面に噴霧され、壁面に沿って薄膜流化することで、微細な泡も効率的に脱泡される。
このように、数段階の脱泡作用を経由したスラリーは、ベッセル17下部に溜められ、排出ポンプ21により連続的に排出された後に、次の脱水、洗浄工程へ輸送される。
脱泡機2は、真空ポンプ23によりベッセル24内を減圧状態とすることで、スラリー吸引口27よりスラリーが吸引され、高速回転する回転容器25の中央部にスラリーが供給される。供給されたスラリーは、強力な遠心力により回転容器25内面に沿って薄膜状態に広がり、効率的に脱泡される。この際、強力なずり応力の作用でスラリー中の泡が分散されることで効率良く脱泡が進行する。
その後、上記作用にて脱泡されたスラリーは、遠心力により外周部に溜まり、減圧を上回る遠心力により、スラリー排出口26より強制的に装置外部に排出される。
本発明においては、トナー粒子が非磁性トナーの場合、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA1(kg/l)とすると、0.75≦A1、好ましくは0.85≦A1の範囲を満たすように脱泡を行うことが好ましい。また、トナー粒子が磁性トナーの場合、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA2(kg/l)とすると、0.86≦A2、好ましくは0.98≦A2の範囲を満たすように脱泡を行うことが好ましい。上記範囲を逸脱した場合、不十分な脱泡となり、後の脱水、洗浄工程において、洗浄不良や生産効率の低下が生じてしまう。
また、本発明においては、脱泡処理前のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をC(kg/l)、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA(kg/l)とすると、
1.05 ≦ A/C ≦ 3.00
の範囲内になるように脱泡することが好ましい。さらに、A/Cは
1.30≦ A/C ≦2.50
の範囲内にすることがより好ましい。
ここで脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度Aは、トナー粒子が非磁性トナー、あるいは磁性トナーの嵩密度、すなわちA1、A2何れの場合にも適応できるものである。また、A/Cは、嵩密度の上昇度合い、つまり泡の減少の度合いを表す指標である。
上記範囲を逸脱したA/Cが1.05より小さい場合、泡の減少度合いが小さくろ過・洗浄工程における洗浄性・生産効率において、十分な効果が得られない。また、A/Cが3.00を超える場合、急激なスラリー体積の収縮の衝撃により、トナー粒子表面がダメージを受ける可能性がある。
また、嵩密度(g/l)は、1リッターのメスシリンダーにスラリーを投入し、質量を測定することにより決定している。
また、本発明において、減圧による脱泡を用いる場合、減圧度が5乃至50kPaの範囲内であることが好ましい。特に脱泡機から連続的にスラリーをポンプにより排出する場合、減圧度が5kPaより小さいと、ポンプ負荷の増大、ポンプ定量性の不安定化、ポンプ後の排出口から大気を吸引することによる逆流や再発泡が生じる可能性がある。
また、減圧度が50kPaより大きい場合、脱泡性能の低下に繋がる。
更に、本発明においては、脱泡処理前のトナー粒子含有スラリー中のトナー粒子の濃度が10乃至45質量%の範囲内であることが好ましい。トナー粒子の濃度が45質量%を超えると脱泡機内でのトナー粒子の堆積が生じ、収率が低下するだけでなく、スラリーの流れを妨げ、脱泡作用を低下させる場合がある。特に、薄膜を形成しながら脱泡を行う場合はこのような不都合が特に顕著である。また、トナー粒子の濃度が10質量%より小さい場合、スラリー粘度が低く、流動性が高いため、脱泡処理後のスラリーを慎重に取扱わないと、再発泡する可能性がある。
≪脱水、洗浄工程≫
本発明における脱水、洗浄の手段としては、連続式ベルトフィルター、フィルタープレス、遠心分離方式のろ過機をはじめ、様々な脱水、洗浄手段を用いることが可能であり、前述の脱泡手段により洗浄性の向上・生産効率の向上等の効果を得ることができる。
本発明においては、連続式ベルトフィルター・フィルタープレスを用いるのが好ましい。
ベルトフィルターは、ケーキにまんべんなく洗浄水を降りかけることができるので、フィルタープレスに比して均一洗浄性に優れ、同一処理能力で装置の大きさを比較するとフィルタープレスより小さいという利点がある。
また、ベルトフィルターは2つのタイプに大別することができる。1つはドレンネジベルトを有するタイプで、ドレンネジベルトと真空パンが摺擦しながら真空を気密する構造を有するために真空漏れを起こしやすく、濾別後の含水率が40%程度と大きくなりやすいという問題点がある。もう1つはドレンネジベルトを廃し濾布と真空パンが密着するようにして、ドレンネジベルトを有するタイプのような真空漏れの問題を解決することにより濾別後の含水率に優れたドレンネジベルトを使用しないタイプである。
ドレンネジベルトを有するベルトフィルターとしては住友重機械(株)製の商品名「イーグルフィルター」が、ドレンネジベルトを使用しないベルトフィルターとしては月島機械(株)製の商品名「水平ベルトフィルタ」や月島機械(株)製の商品名「シンクロフィルタ」等がある。本発明は両方のタイプのベルトフィルターに適用できるが、濾別後の含水率に優れたドレンネジベルトを使用しないタイプのベルトフィルターを用いることが好ましい。
本発明に好ましく用いられる脱水、洗浄工程の一例の概略的断面図及び模式図を示す。
図3は、本発明に適用できるベルトフィルターの概略的断面図である。
図4は、本発明に適用できるフィルタープレスを用いてスラリーからトナー粒子をろ別し洗浄する工程の模式図である。
図3においては、無端状の濾布3は、図示しない複数のロール間に張架され、矢印Aの方向に駆動される。駆動は連続的でも断続的(いわゆる濾布間欠運動型)でも良い。濾布3の内側には、必要により図示しないドレンネジベルトを設けても良い。ドレンネジベルト若しくは濾布3の下方には、一体式又は複数に分割された真空トレイが設けられる。真空トレイは固定式でも往復移動式でも良い。図3では真空トレイ4、4a、4b、4cの4分割としている。脱泡処理後のスラリー2は、濾過面の上部へ送液口5を介してケーキ形成ゾーンの濾布3上に供給される。
或いは、脱泡処理後のスラリーは、一度クッションタンクに受けられ、そこからポンプを介して濾過面の上部へ送液口5を介してケーキ形成ゾーンの濾布3上に供給される。
その後、真空作用により濾過、脱水される。送液口5は固定式でも往復移動式でも良い。濾液11は、真空トレイ4に集められ、図示しない濾液管より図示しない真空タンクへ送られる。
濾過されたケーキ6は濾布3と共に走行し、洗浄ゾーンへと移行する。その間に上部より1基又は複数基のケーキ洗浄装置よりケーキ洗浄液が散布され、ケーキ6中の溶解性物質が濾液と共に排出されるようになっている。ケーキ洗浄装置は固定式でも往復移動式でも良い。図3ではケーキ洗浄装置7a、7b、7cの3基を設けている。ケーキ洗浄液10a、10b、10cは、ケーキ洗浄装置7a、7b、7cに供給され、脱水ケーキ6を洗浄した後、真空トレイ4a、4b、4cで捕集され、ケーキ洗浄排液11a、11b、11cとなる。ここで必要に応じて真空脱水ゾーンを延長することもできる。図3においてケーキ洗浄装置7cを使用しないと、ケーキ洗浄液10bを真空トレイ4bと4cで脱水することになるので、更なる低含水率を達成できる。
脱水ケーキ6は、図示しないロールによってもたらされる曲率もしくは図示しないディスチャージロール等の剥離手段により、濾布3より剥離される。ケーキ6剥離後の濾布3には若干のトナー等が付着しているため、必要により濾布洗浄手段を設けることがある。図3では濾布洗浄手段として、洗浄液スプレー式の濾布洗浄装置8を使用している。濾布洗浄液12は濾布洗浄装置8によりスプレーされ濾布3を洗浄する。洗浄後の濾布洗浄液12はトレイ9により捕集され濾布洗浄排液13となる。
ベルトフィルターの脱水条件としては、スラリー供給量、ベルトスピード、真空度が重要である。しかしながら、スラリー供給量とベルトスピードは機器スケールによって適正値が異なるので、ケーキ厚み、脱水時間が適正となるように調整すれば良い。ケーキ厚みは1〜50mmが一般的で、好ましくは5〜30mmである。脱水時間は10〜300秒が一般的で、好ましくは30〜180秒である。真空度は50kPa以下が一般的で、好ましくは30kPa以下である。
図4に示すフィルタープレスの工程としては、濾板を閉板した後、スラリーを圧入することから始まる。フィルタープレスの場合、圧入と同時に濾過するので随時濾液が発生する。濾室への充填率を高めたい場合には、必要により圧入の際に予備圧搾を行っても良い。濾室内にケーキが作製されたら、ケーキ洗浄液を導入してケーキ洗浄を行うことができる。ケーキ洗浄は、スラリー供給口からケーキに洗浄液を流す正洗浄と、濾布からケーキに洗浄液を流す逆洗浄とがあり、正洗浄を行ってから逆洗浄を行う場合が通常だが、どちらか一方の場合や逆の順に行なう場合もある。ケーキ洗浄液は、フィルタープレス内に滞留せずにケーキ洗浄排液として機外に随時排出される。ケーキ洗浄後は、ケーキ含水率を下げるために圧搾やエアー等の気体をブローすることができる。
一連の処理が終了したら濾板を開板し、トナーはケーキとして排出される。フィルタープレスの濾布が汚れている場合は、開板した状態で濾布に洗浄液を吹きかけ、濾布洗浄を行うことができる。逆洗浄を実施している場合は、濾布が目詰まりしにくいので毎バッチ濾布洗浄を行う必要はない。一方、得られたトナーケーキは、必要により解砕した後に、乾燥して製品に供給することができるが、精密なトナー洗浄を所望する場合には、洗浄液にリスラリーして再度フィルタープレス等の装置で濾過処理を行うことができる。
≪トナー製造工程≫
本発明によって得られるトナーは、水系媒体中で製造されたトナー粒子を含有するものである。該トナー粒子は、樹脂、着色剤、離型剤、及び荷電制御剤を必要に応じて含有するものである。さらに、トナーとしては、トナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加してもよい。
本発明のトナー粒子は、分散重合、乳化重合、懸濁重合等の各種重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中で単量体を乳化重合することで微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して、離型剤微分散液中の離型剤と会合する方法で製造することもできる。会合の際にトナーの構成に必要な着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、離型剤微分散液と重合性単量体及び着色剤とを含有する重合性単量体組成物を乳化重合させる方法などがあげられる。尚、ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
なお、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有された媒体を示す。
懸濁重合法によるトナーの製造方法としては特に限定されるものではないが、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することができる。
離型剤分散工程において、重合性単量体中で離型剤を粉砕し離型剤分散液を作製し、続く調製工程において、上記単量体組成物に着色剤、荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめる(荷電制御剤、着色剤、重合開始剤等を離型剤分散工程に投入し、単量体と分散を行っても良い、つまり調製工程を省略しても良い)。上記調製工程において作製された単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはクレアミックス、ホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度、時間を調整し、造粒する。
離型剤分散工程において、離型剤が凝集なく微細且つ均質に粉砕された単量体組成物は、次の調製工程を経て、造粒工程において良好な粒度分布を示す。一方、離型剤が粉砕不良で粗大な離型剤粒子が存在する場合、或いは、過粉砕により離型剤の凝集体が形成される場合は、造粒性が悪化してしまう。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために、反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後に得られたトナー粒子含有スラリーは、分散安定剤を効率的に除去するために、pH0.5乃至4.0の範囲内で酸処理を行い十分に攪拌を行いながら、水相に分散安定剤を溶解せしめることが好ましい。上記範囲を逸脱したpHが0.5より小さい場合、泡の発生が激しくなると共に液が増粘してしまう。その結果、十分な攪拌が行えず均一に分散安定剤を溶解することができない。更に、増粘に伴い液の搬送能力が著しく低下するため、生産効率上も好ましくない。また、pHが4.0より大きい場合、十分に分散安定剤を溶解せしめることができない。
その後、前述したとおり本発明の範囲である脱泡処理により十分に泡を除去し、先に説明した脱水、洗浄工程により分散安定剤や荷電制御剤を十分に除去する。その後、乾燥することによりトナー粒子を得る。
乾燥工程では、気流乾燥、流動層乾燥、真空乾燥、または左記の2つ以上の組合せなどいずれの乾燥方式を用いることも可能であるが、生産効率の観点、また熱履歴を受けにくくトナーに対するダメージが少ないことから気流乾燥を用いるのが好ましい。本発明において用いられる気流乾燥機としては、フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)等が挙げられるが、それらに限定されない。
また、懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
本発明では、このようにして得られるトナー粒子のガラス転移温度Tgは、40〜75℃であることが好ましい。40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、一方75℃を超える場合には、定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しくなりやすく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させやすく、高画質の面から好ましくない。
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法もあげることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記に示す方法をあげることができる。すなわち、樹脂粒子或いは液中で生成した樹脂粒子、液中で微細化された着色剤、前述のリング状部材を具備する攪拌装置を用いて液中で破砕された離型剤等の構成材料の各種材料粒子、あるいは樹脂、離型剤及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水系媒体中でこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、得られたトナー粒子を濾過・乾燥する事により、本発明のトナーを形成することができる。尚、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
本発明においては、一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用いて重合せしめる、所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
本発明に好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することができる。
≪使用材料≫
本発明に好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体又は多官能性重合性単量体を使用することができる。
前記単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類等が挙げられる。
前記多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、上記した単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、又は上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、又は多官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独もしくは混合して、又はそれらとほかの単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性等の観点から好ましい。
本発明においては、懸濁重合のように水性媒体を用いる重合法の場合には、重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより、離型剤の内包化の促進を図ることができる。
水性媒体に懸濁した重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在する場合、水に対する親和性の違いから、極性樹脂が水性媒体と重合性単量体組成物との界面付近に移行しやすいため、トナー粒子の表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
また、シェルに用いる極性樹脂に、溶融温度の高いものを選択すれば、低温定着を目的として結着樹脂をより低温で溶融するような設計とした場合でも、保存中にブロッキング等の弊害の発生を抑制することができる。
このような極性樹脂としては、トナー粒子の表面に偏在してシェルを形成した際に、極性樹脂自身のもつ潤滑性が期待できることから、特に飽和又は不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
前記ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等が挙げられる。
前記アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等のアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカ等が用いられる。
本発明で用いられる離型剤としては、室温で固体状態のワックスが、トナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられる。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。
このうち好ましく用いられるワックスは、示差走査熱量計で得られる最大吸熱ピークで表される融点が80℃以上のものである。融点が80℃より小さいワックスでは、重合工程時の重合温度によって、一度微分散させたワックスが熱凝集を引き起こし、トナー粒子中に分散している離型剤の粒子の粒径が大きくなることがある。前記融点は、測定温度範囲を30〜200℃とし、昇温速度を10℃/minとし、常温常湿環境下における2回目の昇温過程によって温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線を得、得られたDSC曲線の吸熱メインピークの温度の値であり、例えば示差走査型熱量計(DSC)であるMDSC−2920(TA Instruments社製)を用いて、測定することができる。
また、本発明に用いられる離型剤は、JIS K 2235(1991)に規定されている試験法に準じて測定したときの25℃での針入度が10以下のものであることが好ましい。25℃での針入度が10より大きい離型剤の場合、脆性が不足であるため粗分散工程の際、前述の高剪断力を有する攪拌装置のような簡易な分散装置では十分な分散を行うことができず、高圧分散機のような大規模な装置や、加熱溶融してから冷却する操作等の煩雑な操作を要する手段を用いる必要が生じるため、好ましくない。
本発明によって製造されるトナー粒子には、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より低い第二の離型剤を併用することができる。第二の離型剤の融点も、前記示差走査熱量計で得られる最大吸熱ピークで表される融点で表される。
第二の離型剤としては、炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものは、より好ましい。
OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには、前記第二の離型剤としては、特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。
直鎖状エステルワックスは、重合性単量体100質量部に対して1〜40質量部、より好ましくは4〜30質量部含有されることが好ましい。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック、磁性体、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、48;4、57;1、81;1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いられる。
本発明のトナーにおいて用いられる磁性体は、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。また、磁性体は四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものであり、これらを1種または2種以上併用して用いられる。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が好ましくは2〜30m2/g、特に3〜28m2/g、更にモース硬度が5〜7のものが好ましい。
磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。こういった磁性体の形状はSEMなどによって確認することができる。磁性体の体積平均粒径としては0.05〜0.4μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3μmである。体積平均径が0.05μm未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としては着色力が不十分となるうえに、磁性体どうしの凝集が強くなるため、分散性が悪化する。また、磁性体表面の均一性処理が非常に困難なものとなる。一方、体積平均径が0.4μmを超えてしまうと、一般の着色剤と同様に着色力が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に均一に磁性粒子を分散させることが確率的に困難となり、分散性が悪化しやすい。
本発明の磁性トナーに使用される磁性体においては、その粒子表面を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体粒子を一次粒径となるよう分散しつつカップリング剤を加水分解しながら表面処理する方法を用いることが非常に好ましい。この疎水化処理方法は気相中で処理することにより、磁性体粒子同士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性体粒子間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状態で表面処理される。
カップリング剤を水系媒体中で加水分解しながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では磁性体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化の効果は絶大である。
本発明に係わる磁性体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式
Rm SiYn
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1〜3の整数を示す。]で示されるものである。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
この中で、磁性体の分散性を向上させるには、2重結合を有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、フェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがより好ましい。これは、特に懸濁重合を行う場合、2重結合を有するカップリング剤で処理すると、磁性体と重合性単量体とのなじみが良好になるためであると考えられ、トナー粒子中での磁性体の分散性が良好なものとなる。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合方法を用いる場合には、重合阻害性がなく水系への可溶化物のない荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物として、ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部使用するのが好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
前記重合性単量体を重合させるために、重合開始剤を用いることができる。本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等が挙げられる。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の無機過酸化物、4価のセリウム塩等の酸化性金属塩等が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩等)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6程度)、アスコルビン酸又はその塩、及び低級アルデヒド(炭素数1〜6程度)等が挙げられる。
前記重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独又は混合して利用される。前記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
重合度を制御するため公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明では、例えば重合性単量体を重合させる場合に、各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、4,4'−ジビニルビフェニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性化合物が挙げられる。
本発明に係る重合トナーにおいて、特に分散剤を用いた懸濁重合を利用する場合に用いる分散剤としては、無機化合物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,ポリアクリル酸及びその塩,デンプン等を水相に分散させて使用できる。これら安定化剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
これら安定化剤の中で、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい粒子を得るために、分散媒体中で該無機化合物を生成させても良い。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合すると良い。
また、これら安定化剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散安定化剤の初期の作用を促進するためのものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカ等が用いられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。外添剤は、単独で用いても、また複数併用しても良いが、疎水化処理を行ったものを用いることがより好ましい。
本発明により製造されるトナーは、一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれにも使用できる。本発明で製造されるトナーは、その種類に応じた適当な方法で画像形成に用いられる。例えば一成分系現像剤として磁性材料をトナー粒子中に含有させた磁性トナーの場合には、この磁性トナーを用いる画像形成時には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送し、帯電する方法が用いられる。また、磁性材料を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、この非磁性トナーを用いる画像形成時には、例えばブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブで強制的に摩擦帯電し、スリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法が用いられる。
一方、本発明の製造方法により得られるトナーを、一般的に利用されている二成分現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては、特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン及びクロム元素からなる単独又は複合のフェライトを含有する粒子が用いられる。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点から、キャリアの形状も重要であり、例えば球状、扁平、不定形等の中からキャリアの形状を選択し、更にキャリアの表面の状態の微細構造、例えば表面凸凹性をもコントロールすることが好ましい。
前記キャリアとしては、一般的には、上記金属の化合物を焼成、造粒することによりキャリアコア粒子を生成し、これに樹脂をコーティングして得られる樹脂コーティングキャリアが用いられる。さらに、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、磁性材料と樹脂とを混練後、粉砕、分級して得られる低密度分散キャリアや、さらには直接金属化合物とモノマーとの混練物を水性媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散して得られる重合キャリア等も、前記キャリアとして用いることが可能である。また、前記キャリアには、前記キャリアコア粒子を用いることが可能である。
これらキャリアの平均粒径は、10〜100μm、より好ましくは20〜50μmであることが望ましい。
二成分現像剤を調製する場合のキャリアと本発明で製造されるトナーとの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として2質量%〜15質量%、好ましくは4質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用が困難であり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加し、画像の劣化及び現像剤の消費量増加が起こることがある。
(実施例)
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
[洗浄状態の評価方法]
洗浄状態は、残存する分散安定剤量によって評価した。残存分散安定剤量については、蛍光X線分析装置(RIX3000)を用いて定量分析した。
[カブリの評価方法]
乾燥後に得られたトナー粒子(非磁性トナー粒子)100質量部と、個数平均一次粒径9nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が200m2/gの疎水性シリカ3質量部を外添してトナーとした。このトナーを用いて、画像形成装置としてキャノン製フルカラープリンターLBP−2040を使用し、評価を行った。
また、磁性トナー粒子を用いる場合には、乾燥後に得られた磁性トナー粒子100質量部と、個数平均一次粒径12nmのシリカ微粉体にヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0質量部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機 (株))で混合して、磁性トナーを調製し、このトナーを用いて、画像形成装置としてキャノン製LBP−1760を使用して、評価を行った。
最初に、得られた非磁性トナー或いは磁性トナーをカートリッジに100g充填し、高温高湿下(30℃、80%RH)において、トナーの劣化促進試験として2時間空回転を行った後、印字率2%の横線のみからなる画像パターンで1000枚の画出し試験を行い、得られたサンプル上の非画像部のカブリの測定を行った。カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC-6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下記の式より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
なお、カブリの評価は以下に示す基準で表した:
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上乃至2.5%未満)
C:普通(2.5%以上乃至4.0%未満)
D:悪い(4.0%以上)
[含水率の測定方法]
本発明のトナーの水分率の測定は、MA40電子水分計(ザルトリウス社製)で105℃における加熱減量法によって求めた。
[粒度分布の測定方法]
トナーの粒度分布は、コールターマルチサイザーを用いて測定を行った。
コールターマルチサイザー(コールター社製)は、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続して電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザーにより、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて、個数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、それから各種値を求める。
[ケーキ形成時間]
図3に示す態様のろ過機を用いる場合、真空トレイ4上のケーキ形成ゾーンにおいて、ケーキが形成され、水が濾別されるまでの時間を目視で確認した。
[磁性粉体の製造例]
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で0.3質量%のヘキサメタ燐酸ソーダ、鉄元素に対して珪素元素換算で1.2質量%の珪酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液をpH8に維持しながら、空気を吹き込み、85℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH7.6に維持して、空気を吹込みながら酸化反応を進め、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。スラリー液を濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、攪拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて十分に再分散させ、再分散液のpHを約4.8に調製し、十分攪拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄に対し1.5質量部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、攪拌を十分行うと共にスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを8.9に調整して縮合反応を行い、カップリング処理を行った。生成した疎水性磁性粉体をドラムフィルターにてろ過し、十分に洗浄した後に70℃で1時間、80℃で30分乾燥し、得られた粒子を解砕処理して平均粒径が0.20μmの磁性粉体1を得た。
(実施例1)
イオン交換水710質量部に0.1mol/l−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、この水溶液を60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500rpmで撹拌した。この水溶液に1.0mol/l−CaCl2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系としては、以下のものを用いた。
・スチレン単量体 165質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 35質量部
・飽和ポリエステル樹脂 20質量部
<プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸
との重縮合物(重合モル比10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、
Mw/Mn=5.12>
・C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE-88 / オリエント化学工業社製)
・ポリエチレンワックス 6質量部
(Mn=850 、融点:107℃ 、25℃における針入度:1 )
上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部、ボントロンE−88(オリエント化学工業社製):1質量部、スチレン単量体:80質量部をアトライター(三井三池化工機製)を用いて3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、この着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温して30分間溶解混合した。この混合物に、重合開始剤であるtert−ブチルペルオキシピバレート7質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、反応液の内温を80℃に昇温させ50rpmで重合を10時間継続させた。重合後に得られたスラリー中のトナー粒子の重量平均径を測定したところ、6.7μmであった。その後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、パドル翼で十分に攪拌を行いながら、pHを2に調整し、Ca3(PO42を1hr溶解させた。得られたトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであった。
この得られたトナースラリーを図1に示す態様の脱泡機1を用いて下記条件で脱泡を行った。
本体容量 : 10l
回転板の周速 : 17m/s
スラリー供給量: 180l/hr
減圧度 : 20kPa
また、排出ポンプを用いて、脱泡機より連続的にスラリーを排出し、180kg/hrの条件で連続的にろ過機へ供給をおこなった。ポンプを介してろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は、1.0kg/lであった。
使用するろ過機は、図3に示すベルトフィルターを用いて下記条件で脱水、洗浄を行った。(但し、図3のスラリータンクは使用せず、ポンプより送液口へ連続的にスラリーを供給した。)
ろ過面積 : 0.02m2
スラリー供給量 : 180kg/hr
処理時間 : 処理時間/移動時間 120sec/20sec
減圧度 : 40kPa
ケーキ洗浄液10a : 酸性水(pH1) 供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b : 純水(pH6) 供給スラリー中の固形分の3倍量
尚、本実施例ではケーキ洗浄装置7cは使用しなかった。
ケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果を表1に示す。
その後、解砕・乾燥を行いトナー粒子を得た。この得られたトナー100質量部に対し、BET法による比表面積が200m2 /gである疎水性シリカ1.7質量部を外添してトナーとした。この得られたトナーを、前述したカブリの評価方法に従い評価を行った。
結果を表1に示す。
(実施例2)
脱泡機の回転板の周速が2.0m/s 、減圧度が40kPaであること以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.75kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
脱泡機の回転板の周速が2.5m/s、減圧度が50kPaであること以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.85kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
希塩酸を添加してpHを2に調整し、パドル翼にて十分に攪拌を行いながら、7hr処理を行うこと以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.34kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.98kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
参考例5)
脱泡機の回転板を回転させず、且つ減圧度が70kPaであること以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
尚、脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.71kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例6)
脱泡機の減圧度が5kPaであること以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
尚、脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.99kg/lであった。
しかしながら、本実施例では脱泡終了後のスラリーを平均供給量として180kg/hrの量を連続的にろ過機へ供給を行ったが、供給が安定せずに、ろ過機においてむらのあるケーキとなってしまった。
ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例7)
脱泡機の減圧度が50kPaであること以外は、実施例1と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.83kg/lであった。
ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例8)
イオン交換水710質量部に0.1mol/l−Na3PO4水溶液450質量部を投入しこの水溶液を60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500rpmで撹拌した。この水溶液に1.0mol/l−CaCl2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系として、
・スチレン単量体 165質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 35質量部
・飽和ポリエステル樹脂 20質量部
<プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸
との重縮合物(重合モル比10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、
Mw/Mn=5.12>
・C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE-88 / オリエント化学工業社製)
・ポリエチレンワックス 6質量部
( Mn:850 、融点:107℃ 、25℃における針入度:1 )
上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3 10質量部 、ボントロンE−88(オリエント化学工業社製):1質量部、スチレン単量体:80質量部をアトライター(三井三池化工機製)を用いて3時間分散し、着色剤分散液を得た。次に、着色剤分散液に上記処方の残りすべてを添加し、60℃に加温して30分間溶解混合した。この混合物に、重合開始剤であるtert−ブチルペルオキシピバレート7質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、この反応液の内温を80℃に昇温させ50rpmで重合を10時間継続させた。重合後に得られたスラリー中のトナー粒子の重量平均径を測定したところ、6.7μmであった。その後、各工程で使用するタンクの洗浄を行い、合計で800質量部の洗浄水をスラリーに加えた。その後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、パドル翼で十分に攪拌を行いながら、pHを2に調整し、Ca3(PO42を1hr溶解させた。得られたトナースラリーの嵩密度は0.6kg/lであった。この得られたトナースラリーを実施例1と同様の条件下で脱泡を行った。脱泡直後のスラリーの嵩密度は、0.94kg/lであったが、排出ポンプを用いて、脱泡機より180kg/hrの供給量でスラリーを連続的にろ過機へ供給をおこなったが、ポンプを介した後のろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は、0.90kg/lであった。
また、脱水、洗浄工程は、実施例1と同様の方法に従って行いトナーを得た。
ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例9)
重合を10hr継続させた後に、95℃に加熱し、減圧下で蒸留を行い920質量部の水を留去すること以外は、実施例1と同様の成分、製造方法でトナーを作成した。
蒸留後に得られたスラリー中のトナー粒子の重量平均径は、6.8μmであった。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.50kg/lであり、脱泡終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.94kg/lであった。
また、脱泡処理終了後に脱泡機を分解・清掃すると、トナー粒子の付着・堆積が観察された。ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例10)
図3に示すベルトフィルターの代わりに図4に示すフィルタープレスを用いる以外は、実施例1と同様の成分・製造条件でトナーを作成した。
尚、フィルタープレスの洗浄条件は以下のとおりである:
ケーキ洗浄液1:ろ布洗浄排液を再利用して正洗浄(pH5)
:供給スラリー中の固形分の2倍量
ケーキ洗浄液2:純水を用いて逆洗浄(pH6)
:供給スラリー中の固形分の5倍量
ろ布洗浄液 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の4倍量を2バッチ毎に実施
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.0kg/lであった。
また、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
参考例11)
図2に示す態様の脱泡機を用いること以外は、実施例1と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。
尚、図2に示す脱泡機の条件は以下のとおりである:
回転容器の回転数: 2000rpm
スラリー供給量: 2000kg/hr
減圧度 : 5kPa
また、脱泡機より排出されたスラリーは、クッションタンクに溜められた後に、ポンプにより180kg/hrの条件で連続的に図3のスラリー送液口へ供給をおこなった。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.01kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
参考例12)
減圧度を60kPaにすること以外は、参考例11と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は0.85kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
参考例13)
希塩酸を添加してpHを2に調整し、パドル翼にて十分に攪拌を行いながら、7hr処理を行うこと以外は、参考例11と同様の成分及び製造条件でトナーを作成した。
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.34kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.0kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
参考例14)
図3に示すベルトフィルターの代わりに図4に示すフィルタープレスを用いる以外は、参考例11と同様の成分・製造条件でトナーを作成した。
尚、フィルタープレスの洗浄条件は以下のとおりである:
ケーキ洗浄液1:ろ布洗浄排液を再利用して正洗浄(pH5)
:供給スラリー中の固形分の2倍量
ケーキ洗浄液2:純水を用いて逆洗浄(pH6)
:供給スラリー中の固形分の5倍量
ろ布洗浄液 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の4倍量を2バッチ毎に実施
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.01kg/lであった。
また、ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例15)
ドレンネジベルト方式のベルトフィルター(住友重機械工業社製、イーグルフィルター)を用いて脱水・洗浄を行うこと以外は、実施例1と同様の成分、製造方法でトナーを作成した。
尚、イーグルフィルターの製造条件は以下のとおりである:
ろ過面積 :0.1m2
スラリー供給量:180kg/hr
ベルトスピード:0.35m/min
洗浄水の量 :20kg/hr
真空度 :45kPa
脱泡処理前のトナースラリーの嵩密度は0.65kg/lであり、脱泡が終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.0kg/lであった。
また、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(実施例17)
イオン交換水710質量部に0.1mol/l−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、この水溶液を60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500rpmで撹拌した。この水溶液に1.0mol/l−CaCl2水溶液68質量部を添加し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系として、
・スチレン単量体 165質量部
・n−ブチルアクリレート単量体 35質量部
・飽和ポリエステル樹脂 20質量部
<プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸
との重縮合物(重合モル比10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、
Mw/Mn=5.12>
・磁性粉体1 180質量部
・サリチル酸アルミニウム化合物 1質量部
(ボントロンE-88 / オリエント化学工業社製)
・ポリエチレンワックス 6質量部
( Mn:850 、融点:107℃ 、25℃における針入度:1 )
上記処方を60℃に加温し、30分間溶解混合した。
この混合物に、重合開始剤であるtert−ブチルペルオキシピバレート7質量部を溶解し、磁性体含有重合性単量体組成物を調製した。
上記磁性体含有重合性単量体組成物を前記水系分散媒中に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を変え、この反応液の内温を80℃に昇温させ50rpmで重合を10時間継続させた。重合後に得られたスラリー中のトナー粒子の重量平均径を測定したところ、7.2μmであった。その後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加し、パドル翼で十分に攪拌を行いながら、pHを2に調整し、Ca3(PO42を4hr溶解させた。得られたトナースラリーの嵩密度は0.70kg/lであった。 以降は、実施例1と同様の方法でトナーを作成した。
脱泡終了後にろ過機へ供給されるスラリーの嵩密度は1.12kg/lであった。
ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(比較例)
(比較例1)
脱泡処理を実施しないこと以外は、実施例1と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
脱泡処理を実施しないこと以外は、実施例10と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
脱泡処理を実施しないこと以外は、実施例15と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
(比較例4)
脱泡処理を実施しないこと以外は、実施例17と同様の成分・製造方法でトナーを作成した。ろ過機におけるケーキ形成時間、得られたトナーの含水率、洗浄状態の評価結果、カブリの評価結果を表1に示す。
Figure 0004459129

本発明は、濾過工程における生産性の向上と洗浄性の向上により電子写真特性に優れたトナーを効率的に製造できる、濾過前スラリーの改良された処理技術であり、広範なトナー製造方法に好適に利用できる。
本発明に用いる、回転板よりスラリーを噴霧するタイプの減圧式脱泡機1の概略的断面図を示す。 回転容器にスラリーを薄膜状に広がるように供給するタイプの減圧式脱泡機2の概略的断面図を示す。 本発明に用いたベルトフィルターの概略的断面図である。 本発明に用いたフィルタープレスの概略的模式図である。
符号の説明
1.スラリータンク
2.スラリー
3.ろ布
4.4a、4b、4c :真空トレイ
5.送液口
6.ケーキ
7a、7b、7c : ケーキ洗浄装置
8. ろ布洗浄装置
9.トレイ
10a、10b、10c : ケーキ洗浄液
11.ろ液
11a、11b、11c :ケーキ洗浄排水
12.ろ布洗浄液
13.ろ布洗浄排液
14.吸引口
15.シャフト
16.流入経路
17.ベッセル(脱泡機1)
18.回転板
19.パンチングプレート
20.フィルター
21.排出ポンプ
22.モーター
23.真空ポンプ
24.ベッセル(脱泡機2)
25.回転容器
26.スラリー排出口
27.スラリー吸引口
28.薄膜分散領域

Claims (12)

  1. 水系媒体中で生成されたトナー粒子を含有するスラリーを脱泡処理した後に、脱水、洗浄を行うトナー粒子の製造方法であって、
    該脱泡処理が、先端に回転板を有し高速回転するシャフトを内部に有するベッセルからなる脱泡装置を用いて、該ベッセル内を減圧にして行われるものであり、
    スラリーは、減圧の作用によって装置下部の吸入口から吸入され、該シャフトの内部に設けられた流入経路を通り、該回転板の中央入口から該回転板上に排出され、遠心力の作用によって、該回転板上を薄膜状に広がり、該回転板の外縁部に到達したスラリーは、該ベッセルの壁面に噴霧され、壁面に沿って薄膜流下することによって脱泡処理されることを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記トナー粒子が非磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA1(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
    0.75≦A1
    を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 前記トナー粒子が非磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA1(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
    0.85≦A1
    を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 前記トナー粒子が磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA2(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
    0.86≦A2
    を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 前記トナー粒子が磁性トナー粒子であり、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA2(kg/l)とした時、該脱泡処理が、下記関係
    0.98≦A2
    を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 脱泡処理前のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をC(kg/l)、脱泡処理後のトナー粒子含有スラリーの嵩密度をA(kg/l)とした時、前記脱泡処理が、下記関係
    1.05 ≦ A/C ≦ 3.00
    を満たすように処理を行う工程であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 前記減圧処理が、5乃至50kPaの減圧条件下において行われることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 脱泡処理前のトナー粒子含有スラリー中の前記トナー粒子の濃度が10乃至45質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 前記水系媒体中で生成されたトナー粒子を含有するスラリーをpH0.5乃至4.0の範囲内で酸処理した後に、脱泡処理を行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 前記脱水、洗浄を行う手段が真空式のベルトフィルターであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  11. 前記ベルトフィルターが濾布間欠運動型のベルトフィルターであることを特徴とする請求項10に記載のトナー粒子の製造方法。
  12. 前記脱水、洗浄を行う手段がフィルタープレスであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
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