JP5213471B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を顕像化するためのトナーおよびトナー粒子の製造方法に関するものである。特に、トナーで形成された画像を記録材に加熱定着させる定着方式に供される乾式トナー粒子の製造方法に関するものである。
従来電子写真用トナーとしては、一般的に熱可塑性樹脂中に着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するいわゆる粉砕法トナーが主流であったこの製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、高速で微粉砕する場合に広い粒径範囲の粒子が形成されやすい、微粒子化しにくいといった問題があった。これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、重合性単量体(モノマー)を液滴状に分散させ、重合を行うことにより直接トナー粒子を得る重合トナーの製造方法が提案されている。
例えば、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法では、重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とした後、これを、分散安定剤を含有する水性媒体中に適当な撹拌機を用いて分散し、重合反応を行わせて、所望の粒径を有する重合トナー粒子の懸濁液を得る。重合トナー粒子の懸濁液を必要であれば酸またはアルカリで処理し、分散安定剤を取り除いた後に、固液分離工程で水性媒体を分離することによりトナー粒子を得る。
このような方法によって得られる重合トナー粒子は、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから分級工程を省略または、分級したとしても、高収率でトナーが得られるため、エネルギーの節約、時間の短縮、工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。また、離型剤として低軟化点物質を大量にトナー中に内包化できることから、得られるトナーが耐オフセット性に優れるという利点がある。
懸濁重合法を用いた場合でもある程度の望ましくない粒径の微小粒子や粗大粒子の生成は免れない。微小粒子や粗大粒子の存在量が大きいと前述のようにトナー性状の面からも生産効率の面からも好ましくないため、懸濁重合時の粒度分布をできるだけ狭くすることが必要である。
従来、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で造粒するに際し、高剪断力を有する撹拌装置を用いる手法が考案されている。例えば、タービン型撹拌機を用いて分散液を撹拌する方法が考案されている(特許文献1)。この他にも、分散液を遠心力によって造粒槽側壁に押し付けて液膜を形成し、該液膜に超高速で回転する撹拌翼の先端を触れさせることにより造粒する方法(特許文献2)や、撹拌槽内に高速で回転する撹拌翼とそれを取り囲むスクリーンを具備する高剪断力撹拌装置を用いてバッチ式で造粒を行う方法(特許文献3)がある。このような造粒能力の高い装置を使って液滴の造粒を行うことで比較的シャープな粒度分布を得られる。また、インラインで造粒を行う手法として、櫛歯型同心リングである回転子及び固定子の間隙を通ることによる剪断力によって造粒を行う方法(特許文献4)が考案されている。このような造粒能力の高い装置を使って液滴の造粒を行うことで比較的シャープな粒度分布を得られるが、造粒直前の水系分散媒と重合性単量体組成物との混合状態が均一にならない場合があり、造粒液滴の中に微粒子及び/又は粗粒子が含まれることがある。
また、粒度分布の更なるシャープ化のために、静止型管内混合器に重合性単量体組成物と水系分散媒を通し造粒した後、高剪断力を有する撹拌装置を用いて粒度分布を整える方法(特許文献5)や、高剪断力撹拌装置で造粒した処理液を更に高剪断力撹拌装置にて処理する方法(特許文献6)といった複数の装置で造粒を行う手法も考案されている。しかし、これらの手法は複数の装置を使用するため設備投資が大きくなり生産コスト面で好ましくない。また、第一の造粒装置で分散された液滴が装置間の移送時に造粒液滴が合一してしまい、第二の造粒装置での処理後にも粗粒子が存在してしまうといった問題がある。
近年、プリンターや複写機のアナログからデジタルへの移行が進み、潜像の再現性に優れ高解像度であることが求められていることからも、トナー粒子の更なる粒度分布のシャープ化が求められている。重合によって得られるトナー粒子には、所望の粒径範囲から外れる微細及び粗大な粒子が含まれていることがあり改良の余地がある。
特公昭36−10231号公報 特公昭43−10799号公報 特公昭51−14895号公報 特開平2−32363号公報 特開平10−195205号公報 特開2006−065197号公報
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。即ち、本発明は、重合性単量体組成物を水系媒体中で造粒して得られるトナー粒子の製造方法において、粒度分布がシャープで、現像性に優れたトナー粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、少なくとも重合性単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で分散する造粒工程を含むトナーの製造方法において、二つの処理部を併せ持ち、第一処理部は、歯車状の突起を有する回転子が回転軸方向に多段に配置された第一の回転子群からなり、第二処理部は第一の回転子群と同軸、かつ複数の突起が微小な間隙を有し該回転軸を中心とした円形状に配置され、かつこの円形状の突起が同心円状に多段に形成されている第二の回転子群と、第一の回転子群と同軸、かつ複数の突起が微小な間隙を有し該回転軸を中心とした円形状に配置され、かつこの円形状の突起が同心円状に多段に形成されている固定子群とが対向し一定の間隔を保ち相互に噛合うように配置されている造粒装置を用いることで、粒度分布がシャープで、現像性に優れたトナー粒子を得ることができることを見出した。
本発明の特徴は以下の通りである。
(1)少なくとも重合性単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で分散する造粒工程を含むトナーの製造方法であって、
造粒工程に使用する造粒装置は二段構成であり、
第一処理部は、歯車状の突起を有する回転子が回転軸方向に多段に配置された第一の回転子群からなり、
第二処理部は
i)第一の回転子群と同軸で、かつ微小な間隙をもって同心円状に配置された突起が該同心円状の配置の径方向に多段に形成された第二の回転子群と、第一の回転子群と同軸で、かつ微小な間隙をもって同心円状に配置された突起が該同心円状の配置の径方向に多段に形成された固定子群とからなり、
ii)第二の回転子群と固定子群の突起が交互に組み合わされており、
iii)該第二の回転子群における該同心円状の配置の最外殻の突起間の間隙及び該固定子群における該同心円状の配置の最外殻の突起間の間隙が、0.1〜2.0mmであり、
該第一処理部を通過した該重合性単量体組成物と該水系分散媒体との混合物は、該第二処理部において、該突起の同心円状の配置の内側から遠心方向に通過する、
ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
)第二の回転子群の最外周部の周速S(m/s)が、45≦S≦90であることを特徴とする(1)に記載のトナー粒子の製造方法。
)該造粒工程において、該造粒装置内の背圧P(MPaG)が、0.1≦P≦0.6 であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のトナー粒子の製造方法。
)該造粒装置における第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)と第一処理部と第二処理部との間の長さl(m)とが0.05≦l/L≦0.5であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
)該重合性単量体組成物の粘度が400mPa・s以下であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
本発明によれば、粒度分布がシャープで、現像性に優れたトナー粒子の製造することが可能である。
本発明に用いられる好ましい実施態様を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。図1は本発明に用いられる好ましい造粒装置1を組み込んだ造粒システムの概略図の一例である。図1において1は造粒装置1、2は予備分散タンク、3は循環ポンプ、4は撹拌翼、5はモーターを表す。
トナー粒子を形成する方法として懸濁重合を用いる方法や溶解懸濁法がある。懸濁重合は、水に分散したモノマーの油滴内で重合を進行させる重合方法である。油滴の合一を防ぐためには分散安定剤を用いる。重合開始剤はモノマーに可溶なものが用いられる。溶解懸濁法は樹脂を含み構成される樹脂組成物を有機溶媒中に溶解させたものを水系分散媒中に分散させ、その後、有機溶媒を除去することによって樹脂微粒子を得る方法である。
本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤を含む重合性単量体組成物を水系媒体中に分散させることによって微粒子を生成するという、溶解懸濁法や懸濁重合を利用したトナー粒子製造法に適用できる。
以下に懸濁重合法による本発明のトナーの製造方法について説明する。
(着色剤分散工程)
重合性単量体中に着色剤を通常用いられる撹拌装置、ホモジナイザーまたは超音波分散機等によって均一に溶解及び/または分散せしめた重合性単量体組成物とする。また、必要に応じて離型剤や荷電制御剤等を添加する事もできる。
トナー粒子の製造方法においては磁性体を用いることができる。以下、好適に用いることの出来る磁性体について説明する。第一に、磁性体表面は親水性であり、重合性単量体は疎水性である。このため、磁性体表面の疎水化処理が不均一であると、磁性体の良好な分散性は得られない。また、物理的に(機械的あるいは、超音波分散等)磁性体を分散させても、表面処理が不均一な磁性体は再び凝集してしまい、ストークス径は大きなものとなってしまう。第二に、均一な処理であっても、分散媒である重合性単量体と磁性体のなじみが良くないものは、磁性体の分散が劣るものとなる。そこで、本発明の磁性トナーに使用される磁性体においては、その粒子表面を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体粒子を一次粒径となるよう分散しつつカップリング剤を加水分解しながら表面処理する方法を用いることが非常に好ましい。この疎水化処理方法は気相中で処理するより、磁性体粒子同士の合一が生じにくく、また疎水化処理による磁性体粒子間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状態で表面処理される。
カップリング剤を水系媒体中で加水分解しながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もなく、さらに、これまで気相中では磁性体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化の効果は絶大である。
本発明に係わる磁性体の表面処理において使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、こうして得られる磁性体は粒子の凝集が見られず、個々の粒子表面が均一に疎水化処理されているため、ストークス径は小さなものとなり、磁性体の分散性は良好なものとなる。
(水系分散媒調製工程及び造粒工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製する。この水系分散媒体と重合性単量体組成物を一定の割合で造粒装置に供給する。水系分散媒体と重合性単量体組成物の供給方法は特に限定されるものではなく、それぞれを個別に供給しても良い。または、水系分散媒体と重合性単量体組成物を予め混合したものを供給しても良い。分散液滴の粒子径をシャープにするためには、均一に混合された水系分散媒と重合性単量体組成物の混合溶液に高い剪断力をかけ液滴を生成させる必要がある。
本発明者らが鋭意検討した結果、粒度分布がシャープで、現像性に優れたトナー粒子を得るには、少なくとも重合性単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒中で分散する造粒工程を、水系分散媒体と重合性単量体組成物とを混合するのに適した構造の第一処理部と、重合性単量体組成物を高い剪断を加え造粒するのに適した第二処理部とを併せ持つ高剪断力の造粒装置を用いて段階的に造粒を行なうことが望ましいことを見出した。
本発明に好ましく用いられる第一処理部および第二処理部の二段構成を具備する造粒装置について説明する。但し、本発明に用いられる造粒装置としては、これに限定されるものではない。
造粒装置を示す図が図2乃至図4である。図2は造粒装置1を示し、6は第一処理部の内壁、7は水系分散媒体と重合性単量体組成物の供給口、8は第一処理部、9は回転軸、10は第二処理部、11はモーター、12は造粒装置によって処理された処理液の取り出し口を表す。図3は図2中の第一処理部及び第二処理部であり、9は回転軸、10は第二処理部、13は第一処理部の歯車状の突起を表す。図4は第二処理部の第二の回転子群の斜視図であり、14は回転子、15は第二の回転子群の突起、16は第二の回転子群の突起間の間隙を表す。図5は、第二の処理部の固定子群の斜視図であり、17は固定子、18は固定子群の突起、19は固定子群の突起間の間隙を表す。図6は図2のAA’における断面図である。
造粒装置の第一処理部は歯車状の突起が回転軸方向に多段に配置される。重合性単量体組成物と水系分散媒体が第一処理部を通過することで、重合性単量体組成物と水系分散媒体が混合及び予備分散される。第二処理部は同心円状に突起物が微小な間隙を有するように配置された回転子が多段に配置された第二の回転子群と、同心円状に突起物が微小な間隙を有するように配置された固定子が多段に配置された固定子群とからなる。第二の回転子群と固定子群は、互いの突起が交互に組み合わさるように配置される。第二処理部を重合性単量体組成物と水系分散媒体が通過する際に、第二の回転子群、固定子群のスリットのズレによる遠心方向への圧縮・吐出による衝撃と、第二の回転子群と固定子群間の剪断による衝撃によって、重合性単量体組成物が造粒されシャープな液滴を形成する。
本発明における造粒装置は、第一処理部において均一な予備分散がなされた重合性単量体組成物の分散液が、同一装置内にある第二処理部に直ちに送られ微分散される。第一処理部において予備分散がなされることで、単位体積当りの重合性単量体組成物と水系分散媒体の割合が均一な予備分散処理がなされる。これによって第二処理部で重合性単量体組成物に加えられる衝撃が一様となるため、粒度分布のシャープな重合性単量体組成物の液滴が形成される。
予備分散を行う装置と微分散を行う装置とを用いて造粒工程を行う場合、予備分散を行った処理液を造粒装置へ移送する必要が出てくる。この移送の間に予備分散された重合性単量体組成物の予備分散液滴が合一してしまうため、造粒装置によって重合性単量体組成物に加えられる衝撃が一様でなくなるため形成される液滴径が揃わず粒度分布がブロード化する。
重合性単量体組成物と水系分散媒体は、第一処理部を第二処理部方向へ通過した後、第二の回転子群と固定子群の突起が同心円状多段かつ交互に組み合わさるように配置された第二処理部を突起物の内側から遠心方向に通過することによって、多くの剪断と衝撃を加えられるため造粒効率を高めることができるため好ましい。
本発明における造粒装置の第二の回転子群の最外周部の周速S(m/s)が45≦S≦90の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば、第二の回転子群と固定子群とのスリットのずれにより生じる重合性単量体組成物の遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と第二の回転子群と固定子群間の剪断による衝撃を十分に重合性単量体組成物に加えることができ、粒度分布のシャープな液滴を形成することができる。
周速が45m/sより小さい場合、第二処理部での遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と第二の回転子群と固定子群間の剪断による衝撃が低下する。また、同軸で回転している第一処理部の第一の回転子群による予備分散の均一性も低下する。これによって重合性単量体と水系分散媒体との混合状態が不均一となり、第二処理部で加えられる衝撃が一様でなくなるため形成される液滴の粒度分布が揃わなくなる。
周速が90m/sを超える場合、トナーとして使用するには適さない非常に細かい粒子が多数発生し粒度分布が幅広のものとなってしまう。
また、造粒装置内の背圧P(MPaG)は0.1≦P≦0.5の範囲内である良い。この範囲内になるように重合性単量体組成物と水系分散媒体の流入量を調節することで、第一処理部での予備分散に必要な滞留時間を確保できる。更には、第二処理部における圧縮と吐出による衝撃を増大させることができるため好ましい。
背圧が0.1MPaGより小さい場合、流量が安定しにくくなる。また、第一処理部での滞留時間を確保できずショートパスが発生し均一な処理が行えなくなるため好ましくない。背圧が0.5MPaGより大きい場合、処理液滴が受ける圧力変動が大きくなり液滴の合一が発生しやすくなるため好ましくない。第一の回転子群及び第二の回転子群の回転に対する抵抗が大きくなるためモーターが肥大化し設備投資が大きくなることから好ましくない。
造粒装置における第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)と第一処理部と第二処理部との間の長さl(m)は0.05≦l/L≦0.5の関係を満たすことが好ましい。この範囲内であれば、第一処理部で予備分散された重合性単量体液滴が殆ど合一することなく単位体積当りの重合性単量体組成物の割合が均一な状態を保ち第二処理部へ導入されるため第二処理部での重合性単量体組成物への剪断のおよび衝撃が一様になり粒度分布のシャープ化の観点から好ましい。
l/Lが0.05より小さい場合、重合性単量体組成物および水系分散媒体の第一処理部から第二処理部への流れが阻害され流量が安定しにくくなるため好ましくない。l/Lが0.5より大きい場合、第一処理部と第二処理部との間を重合性単量体組成物および水系分散媒体が移送される際に、予備分散された重合性単量体組成物が合一してしまい単位体積当りに含まれる重合性単量体組成物の均一性が崩れてしまうため好ましくない。
第二処理部の回転子群および固定子群における最外殻の突起間の間隙d(mm)が、0.1≦d≦2.0の範囲内であることが好ましい。この範囲内であれば、回転子、固定子の突起間の間隙から十分な吐出が行える。
0.1mmより間隙幅が小さい場合、吐出時に大きな圧力損失が生じる為、十分な流量が確保しにくいので好ましくない。2.0mmより間隙幅が大きい場合、遠心方向への圧縮・吐出による衝撃が減少する為、十分な造粒効果が得られない為好ましくない。
また、突起間の間隙は同心円上の外周に向かうに従い、幅が狭くなるか、内周と外周の突起間の間隙幅が同等であることが好ましい。
重合性単量体組成物の粘度は400mPa・s以下であることが好ましい。400mPa・s以下であれば第一処理部での予備分散および第二処理部での造粒が良好に進行する。400mPa・sより大きい場合、第一処理部での予備分散が十分になされない。更には、第二処理部での衝撃および剪断による液滴形成が十分なされず粗大粒子が発生したり、液滴形成と同時に所望の粒子径よりも小さい粒子が発生してしまうため粒度分布がブロードになる。また、第一及び第二の回転子への負荷が大きくなるためモーターが肥大化し設備投資が大きくなることからも好ましくない。
多段に配置される第一の回転子群の突起物がなす歯車状の回転子の隣接する突起物の間隙は、第二処理部側に配置されるにつれて狭くなってゆくことが好ましい。このように回転子が配置されることによって処理液の滞留が十分になされ分散が良好に行われる。
本発明に好ましく用いられる第一処理部および第二処理部を具備する造粒装置としては、シャープフローミル(太平洋機工社製)等が挙げられるがその限りではない。
(重合工程)
本発明における重合工程には温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。重合温度は40℃以上、一般的には50乃至90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。
(精製工程)
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
未反応のモノマーや副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水性分散媒を蒸留により留去してもよい。蒸留は常圧もしくは減圧下で行うことができる。分散液滴が重合することで得られる重合体微粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体微粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体微粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体微粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。なお、乾燥手段として熱をかけることができるが、通常多くの熱量をトナー粒子にかけるとトナー粒子中に内包された離型剤や低分子量成分が表出するため現像性に影響を与えることがある。しかし、本発明によるトナー粒子は分子量分布がシャープであり低分子量成分が少ないため乾燥温度が110℃以下であればトナー粒子の現像性に影響を与えることはない。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を所定外粒子として取り除くこともできる。
上述の各工程に用いられる装置を構成する各部材の材質としてはステンレス鋼、ガラス、FRP、セラミックなど通常使用されるものを用いることができる。また、これらの表面は電解研磨、フッ素樹脂コーティング、グラスライニングなどの処理が施されていてもよい。本発明の製造方法により得られるトナーは、前述した重合法により得られるトナー粒子のみからなるものであってもよいし、必要に応じて他の添加剤をトナー粒子に外添して得られるものであってもよい。また、上記トナー粒子とキャリアとを混合して二成分トナーとしたものであってもよい。
[モノマー]
本発明に好適に用いられるモノマーとしては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系モノマーとしては、単官能性モノマーまたは多官能性モノマーを使用することが出来る。
単官能性モノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系モノマー類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類などが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性モノマーを単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性モノマーと多官能性モノマーを組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
[着色剤]
本発明で用いられる着色剤としては、例えばカーボンブラック、鉄黒の他、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6の如き染料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGの如き顔料が挙げられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
[離型剤]
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしてはパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体が挙げられる。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスはモノマー100質量部に対して1乃至40質量部、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。 第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
[荷電制御剤]
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できるが、例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類などがあり、これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でもニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤はモノマー100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
[重合開始剤]
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル等が挙げられる。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としてはベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)などの無機過酸化物、4価のセリウム塩などの酸化性金属塩などが挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩等)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1乃至6程度のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート等の還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6程度)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6程度)などが挙げられる。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的にはモノマー100質量部に対し0.5乃至20質量部が添加される。
[架橋剤]
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能性化合物を挙げることができる。
[分散媒体]
分散媒体は各種重合法に使用される公知のものを用いることができ、使用するモノマーや重合法などによって適宜選択され、特に限定されない。なお、懸濁重合においては水系媒体が用いられる。
[分散安定剤]
トナー用原料を水系媒体中に良好に分散させるための分散安定剤として、例えば無機化合物であるリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ、チタニア等が挙げられる。有機系化合物としては、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙げられる。分散安定剤はモノマー100質量部に対して0.2乃至10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散安定剤は市販のものをそのまま用いても良いが、上記の無機化合物を用いる場合、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、十分な撹拌下の水中にリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な分散安定剤を得ることができる。
[極性樹脂]
懸濁重合のように水系媒体を用いる重合法の場合には、トナー用原料に極性樹脂を添加することにより離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体に懸濁したトナー用原料中に極性樹脂が存在した場合、水に対する親和性の違いから極性樹脂が水系媒体とトナー用原料の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好になる。
このような極性樹脂としては、トナー表面に偏在しシェルを形成した際に極性樹脂自身のもつ流動性が期待できることから、特に飽和または不飽和のポリエステル系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合したものを用いることができる。酸成分単量体としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等を挙げることができる。アルコール成分単量体としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等のアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
[外添剤]
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、たとえば酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物、窒化ケイ素などの窒化物、炭化物炭化ケイ素などの炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、カーボンブラック、シリカなどが用いられる。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。さらに、本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用できる。
[磁性材料]
トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物等が挙げられる。
これらの磁性体は平均粒径が2μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものがよい。上記磁性体のトナー中への含有量は、モノマー100質量部に対して約20乃至200質量部、特に好ましくはモノマー100質量部に対して40乃至150質量部がよい。また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、保磁力(Hc)1.6乃至24kA/m、飽和磁化(σs)50乃至200Am2/kg、残留磁化(σr)2乃至20Am2/kgのものが好ましい。
[疎水化剤]
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられるが、中でもシランカップリング剤が好ましく用いられ、一般式
RmSiYn
[式中、Rはアルコオキシ基を示し、mは1乃至3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1乃至3の整数を示す。]
で示されるものである。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
本発明によるトナーは、高画質化の要請から、より微少な潜像ドットを忠実に再現するために、トナーもより微少粒子径の、具体的にはコールターカウンターにより測定された重量平均径が4乃至10μmで個数変動係数が25%以下のトナーが最も好ましい。4μm未満のトナーにおいては、転写効率の悪さから感光体や中間転写体上に転写残トナーが多く発生し、カブリ、転写不良に基づく画像の不均一ムラの原因となり好ましくない。また、トナーの重量平均径が10μmを超える場合には、部材への融着が起きやすい。トナーの個数変動係数が25%を超えると更にこれらの傾向が強まり問題となる。
静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着や転写残余トナー量を低減するには、トナー粒子の帯電性が十分で且つ均一であることが必要である。さらに、高画質化の観点から微小粒径のトナーを用いる場合は、トナー粒子の付着力が増大するため、トナー粒子の形状も静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着に大きな影響を及ぼす。すなわち、トナー粒子が球形に近く、形状が揃っているほど粒子の付着面積が減少し、静電荷像担持体上の非画像部へのトナー付着や転写残余トナー量が低減され、高画質および耐久安定性が可能となる。
本発明により製造されるトナーは、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加し、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こる。
以下、本発明を実施例、比較例及び参考例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。なお、実施例中においてトナーの粒度分布の測定には以下の方法を用いた。
(1)トナーの重量平均粒径(D4)の測定
トナー粒子の平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1乃至5ml加え、更に測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行ない前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナー粒子の体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)と個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)と個数変動係数を求めた。
(2)個数変動係数
個数変動係数は、
個数変動係数=個数標準偏差/個数平均粒径×100
で示される。すなわち、変動係数の値が小さいほどトナー粒子の粒度分布はシャープであり、値が大きいとブロードな粒度分布であることを示す。
(3)溶存酸素濃度S/飽和溶存酸素濃度S0の測定
着色剤含有重合性単量体組成物の飽和溶存酸素濃度S0に対する溶存酸素濃度Sは、溶存酸素計SG6(メトラー・トレド社製)を用いて測定した。着色剤含有重合性単量体組成物を60℃に加熱し、容器内を酸素置換し5分間撹拌した。着色剤含有重合性単量体組成物中に溶存酸素センサーを入れこのとき測定した溶存酸素濃度を飽和溶存酸素濃度S0とした。溶解工程によって得られた着色剤含有重合性単量体組成物の溶存酸素濃度Sを上記と同様の方法で測定した。測定した飽和溶存酸素濃度S0と溶存酸素濃度Sから溶存酸素濃度S/飽和溶存酸素濃度S0を求めた。
(4)重合性単量体組成物の粘度測定
重合性単量体組成物の粘度測定は、回転式粘度計ビスコテスターVT550型(ハーケ社製)を用いた。ビスコテスターVT550型(ハーケ社製)に循環恒温槽DC5−K20を接続し測定温度を60℃に設定した。測定方法としては、NVカップ(ハーケ社製)に着色剤含有重合性単量体組成物を7cm3入れ、さらにNVローター(ハーケ社製)を入れた。測定法はCRモードで剪断速度1.0×103(s-1)の時の剪断応力から粘度を測定した。
(5)造粒性評価
造粒工程における造粒性については、重合終了後のスラリーを一部サンプリングし、更に洗浄乾燥せしめ、前記したコールターマルチサイザーで測定された個数変動係数を算出し指標とした。
(6)トナー粒子の画像濃度の評価方法
乾燥後に得られたトナー粒子100質量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ3質量部を外添してトナーとした。画像形成装置としてキヤノン製LBP−2040を使用し、そのカートリッジに得られたトナーを100g充填した。常温常湿下(24℃/60%RH)において、トナー劣化の促進試験として2時間空回転を行った後、印字率2%の画像を1000枚までプリントアウトして、初期と1000枚出力時ベタ画像濃度の評価を行った。
得られた画像は、マクベスRD918型でSPIフィルターを使用して反射濃度測定を行った。
A:非常に良い(濃度値1.4以上)
B:良い(濃度値1.2以上1.4未満)
C:普通(濃度値1.0以上1.2未満)(製品上問題無し)
D:悪い(濃度値1.0未満)
(7)カブリの評価方法
乾燥後に得られたトナー粒子100質量部に対し、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ3質量部を外添してトナーとした。画像形成装置としてキヤノン製LBP−2040を使用し、そのカートリッジに得られたトナーを100g充填した。常温常湿下(24℃/60%RH)において、トナー劣化の促進試験として2時間空回転を行った後、印字率2%の横線のみからなる画像パターンで1000枚の画出し試験を行い、非画像部のカブリの測定を行った。カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下記の式より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通り。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良い(1.5%以上乃至2.5%未満)
C:普通(2.5%以上乃至4.0%未満)(製品上問題無し)
D:悪い(4.0%以上)
<実施例1>
図1に示す造粒装置1を組み込んだ循環システムを用いた。予備分散タンク2内でイオン交換水710質量部に0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液850質量部を添加し、フルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社)を用いて110rpmで撹拌しながら60℃に保持した。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体を調製した。
スチレン単量体 170質量部
カーボンブラック 40質量部
E−88(オリエント化学工業社製) 2質量部
T−77(保土ヶ谷化学製) 1質量部
これらをアトライターを用いて4時間分散させ重合性単量体分散液を得た。
分散質として下記の処方を用い、60℃に加温し30分間溶解混合した。
スチレン単量体 70質量部
n−ブチルアクリレート 30質量部
飽和ポリエステル樹脂(ビスフェノールAとテレフタル酸との重縮合物、酸価10、ガ ラス転移点65℃) 7質量部
ポリエチレンワックス(Mw=1000,Mn=600,Mw/Mn=1.7)
20質量部
重合性単量体分散液 213質量部
これに、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
予備分散タンク2内の水系分散媒体に重合性単量体組成物を投入しフルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社)にて100rpmで撹拌した。水系分散媒体と重合性単量体組成物との混合液を循環ポンプ3を用いて造粒装置1へ流量60L/minで導入した。図2の如き予備分散を行う第一処理部と重合性単量体組成物の微分散を行う第二処理部を併せ持つ造粒装置としてシャープフローミル(太平洋機工社製)を用いた。
造粒装置の設定、造粒条件は以下のように設定した。
第二の回転子群の最外周部の周速:68m/s
造粒装置背圧:0.3MPa
第二処理部の回転子群および固定子群の最外殻の間隙:0.40mm
造粒装置の第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)/第一処理 部と第二処理部との間の長さl(m):0.25
重合性単量体組成物の粘度:20mPa・s
上記条件で30分間造粒を行った。造粒工程後、重合性単量体組成物の分散液を70度まで昇温させフルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社)にて90rpmで撹拌し6時間重合した。次いで液温を温度80℃に昇温して4時間維持し、その後毎分1℃の冷却速度で徐々に30℃まで冷却しスラリーを得た。スラリーを含む容器内に希塩酸を添加して分散安定剤を除去せしめた。更に、ろ別、洗浄、乾燥、分級を行ない重量平均粒径が6.2μmのトナー粒子を得た。
得られた重合体粒子(100.0質量部)に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0質量部と、BET法による比表面積が100m2/gである酸化チタン0.1質量部を外添してトナーを得た。得られたトナーを上記評価基準に基づき画像濃度及びカブリの評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
造粒装置の第二の回転子群の最外周部の周速を45m/sである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例3>
造粒装置の第二の回転子群の最外周部の周速を90m/sである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例4>
造粒装置の背圧が0.1MPaである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例5>
造粒装置の背圧が0.6MPaである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例6>
造粒装置の第二処理部の回転子群および固定子群の最外殻の間隙が0.10mmである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例7>
造粒装置の第二処理部の回転子群および固定子群の最外殻の間隙が2.0mmである以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例8>
重合性単量体組成物中に実施例1乃至7の分級工程で選別された微粉と粗粉24.5質量部を添加し、重合性単量体組成物の粘度を396mPa・sとした以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例9>
造粒装置の第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)と第一処理部と第二処理部との間の長さl(m)とがl/L=0.05である以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<実施例10>
造粒装置の第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)と第一処理部と第二処理部との間の長さl(m)とがl/L=0.5である以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
参考例1
造粒装置の設定、造粒条件を
第二の回転子群の最外周部の周速:40m/s
造粒装置背圧:0MPa
第二処理部の回転子群および固定子群の最外殻の間隙:3.0mm
造粒装置の第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)/第一処理 部と第二処理部との間の長さl(m):0.65
とし、重合性単量体組成物中に実施例1乃至7の分級工程で選別された微粉と粗粉25.8質量部を添加した以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
参考例2
第二の回転子群の最外周部の周速を68m/sとした以外は参考例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。重合性単量体組成物の粘度、および、得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<比較例1>
図7に示す造粒装置20、21を組み込んだ循環システムを用いた。造粒装置20として静止型管内混合器であるスタティックミキサー((株)ノリタケカンパニー製)と、造粒装置21として高速剪断型分散機であるエバラマイルダー((株)荏原製作所製)をスタティックミキサー、エバラマイルダーの順で直列に繋ぎ循環ポンプで重合性単量体組成物と水系分散媒体の混合液を導入した。この時の流量は7.1kg/min、スタティックミキサーのウェーバー数は900、エバラマイルダーの回転数は10000rpm(ローター回転周速度11m/s)、背圧を0.3MPaGに設定した。このときの重合性単量体の粘度は22mPa・sであった。上記以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<比較例2>
図7に示す造粒装置20、21を組み込んだ循環システムを用いた。造粒装置20としてファインフローミル(太平洋機工社製)、造粒装置21としてDISPAX−REACTOR(IKA社製)を用いた。ファインフローミルはローター回転周速度15m/s、DISPAX−REACTORのローター回転周速度40m/sとし、循環ポンプで重合性単量体組成物と水系分散媒体の混合液を導入した。また、流量60L/min、背圧を0.3MPaGに設定した。このときの重合性単量体の粘度は19mPa・sであった。上記以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
<比較例3>
図7に示す造粒装置20、21を組み込んだ循環システムを用いた。造粒装置20、21はDISPAX−REACTOR(IKA社製)を用いた。DISPAX−REACTORのローター回転周速度を造粒装置20、21共に40m/sとし、循環ポンプで重合性単量体組成物と水系分散媒体の混合液を導入した。また、流量60L/min、背圧を0.3MPaGに設定した。このときの重合性単量体の粘度は19mPa・sであった。上記以外は実施例1と同様の方法によりトナー粒子を得た。得られたトナー粒子を実施例1と同様の画像評価を行った結果を表1に示す。
Figure 0005213471
本発明は、造粒工程における造粒性の向上により電子写真特性に優れたトナーを効率的に製造できる、重合性単量体を水系媒体中に分散させる改良された造粒技術であり、広範なトナー製造方法に好適に利用できる。
本発明に用いられる好ましい造粒装置1を組み込んだ造粒システムの概略図である。 造粒装置の概略図である。 図2中の第一処理部及び第二処理部の説明図である。 第二処理部の第二の回転子群の斜視図である。 第二の処理部の固定子群の斜視図である。 図2のAA’における断面図である。 比較例に用いられる造粒装置20、21を組み込んだ造粒システムの概略図である。
符号の説明
1.造粒装置
2.予備分散タンク
3.循環ポンプ
4.撹拌翼
5.モーター
6.第一処理部の内壁
7.水系分散媒体と重合性単量体組成物の供給口
8.第一処理部
9.回転軸
10.第二処理部
11.モーター
12.造粒装置によって処理された処理液の取り出し口
13.第一処理部の歯車状の突起
14.回転子
15.第二の回転子群の突起
16.第二の回転子群の突起間の間隙
17.固定子
18.固定子群の突起
19.固定子群の突起間の間隙
20.造粒装置
21.造粒装置

Claims (5)

  1. 少なくとも重合性単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系分散媒体中で分散する造粒工程を含むトナーの製造方法であって、
    造粒工程に使用する造粒装置は二段構成であり、
    第一処理部は、歯車状の突起を有する回転子が回転軸方向に多段に配置された第一の回転子群からなり、
    第二処理部は
    i)第一の回転子群と同軸で、かつ微小な間隙をもって同心円状に配置された突起が該同心円状の配置の径方向に多段に形成された第二の回転子群と、第一の回転子群と同軸で、かつ微小な間隙をもって同心円状に配置された突起が該同心円状の配置の径方向に多段に形成された固定子群とからなり、
    ii)第二の回転子群と固定子群の突起が交互に組み合わされており、
    iii)該第二の回転子群における該同心円状の配置の最外殻の突起間の間隙及び該固定子群における該同心円状の配置の最外殻の突起間の間隙が、0.1〜2.0mmであり、
    該第一処理部を通過した該重合性単量体組成物と該水系分散媒体との混合物は、該第二処理部において、該突起の同心円状の配置の内側から遠心方向に通過する、
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 第二の回転子群の最外周部の周速S(m/s)が、45≦S≦90であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該造粒工程において、該造粒装置内の背圧P(MPaG)が、0.1≦P≦0.6であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該造粒装置における第一処理部から第二処理部を合わせた回転軸方向の全長L(m)と第一処理部と第二処理部との間の長さl(m)とが0.05≦l/L≦0.5であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該重合性単量体組成物の粘度が400mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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