JP2008039954A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】各トナー粒子の表面を均一に効率良く洗浄・脱水でき、得られたトナーによって画像を形成した場合において、高い画像濃度が安定して維持され、カブリの発生等を生じない、優れた画像特性を有するトナーが得られる重合法トナー粒子の製造方法を提供することである。
【解決手段】水系媒体中で合成されるトナー粒子を含むスラリーを、ろ布走行式真空ろ過機により少なくとも脱水し、得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥手段により乾燥してトナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法において、該ろ過機は少なくともケーキ形成ゾーン、ケーキ脱水ゾーン、ろ布洗浄ゾーンが具備されており、該ろ布洗浄ゾーンにおいて、ケーキ形成面を真空引きを行なうことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷潜像を顕在化する画像形成方法やトナージェット記録方法に用いる重合法トナーの製造方法に関するものである。
従来、電子写真法としては多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着して複写物又は印刷物を得るものである。
また、トナーを用いて現像する方法あるいは、トナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案されている。
従来、これらの目的に使用するトナーは、一般的に熱可塑性樹脂中に染料または顔料からなる着色剤を溶融混練し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
この製造方法ではかなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわち、トナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならない。ところがこれらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速で微粉砕した場合、形成された粒子の粒経範囲が広くなりやすく、特に比較的大きな割合で微粒子がこれに含まれるという問題が生じる。
更に、このように脆性の高い材料から得られるトナーは、複写機等の現像器中で更なる微粉砕乃至は粉化を受けやすい。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難であり、その分散の度合によっては、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度低下、混色性あるいは透明性の不良の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、懸濁重合法トナーを始めとして、各種重合法トナーやその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1,2および3参照)。例えば、懸濁重合法トナーでは、重合性単量体、着色剤及び重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とする。その後、該単量体組成物を分散安定剤を含有する媒体、例えば、水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、同時に重合反応を行わせ、濾別、乾燥して所望の粒径を有するトナー粒子を得る。この方法では、粉砕工程が全く含まれないため、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから分級工程を省略または、分級したとしても、高収率でトナーが得られる。
しかしながら、重合体トナーは媒体中で直接トナー粒子を生成させるため、トナー表面が媒体の影響を受けやすい。
例えば、媒体が水系媒体の場合、一般に極性の高い極性樹脂や荷電制御剤は、トナー表面近傍に局在化しやすくなる。その結果として粉砕トナーと比較して、非常に少量の荷電制御剤で、均一で高い帯電性をトナーに付与できるが、荷電制御剤のような極性の高い材料は、極一部ではあるが、水系媒体中へ溶解してしまうものもある。そのため、重合反応終了後の媒体からトナー粒子を洗浄・濾別する工程においては、非常に注意を払う必要がある。
即ち、如何に、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄するかということが重要である。各トナー粒子の表面が均一に洗浄されていないと、トナーの帯電量分布がブロードとなり、特に、高温多湿下などの、トナーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等の問題が発生しやすくなる。
また、重合反応終了後のトナー粒子は媒体から洗浄・濾別する工程を経た後は、湿潤状態のトナー粒子ケーキとなり、後の工程で乾燥手段により乾燥される。湿潤状態のトナー粒子ケーキの含水率は、後の乾燥工程における乾燥手段設備の規模・構造に大きく影響を与えるために、トナー粒子を脱水する工程においても、非常に注意を払う必要がある。
特許文献4では、ろ布走行式真空ろ過機におけるろ布を、洗浄液体により洗浄する方法が提案されている。この方法では、得られる湿潤状態のトナー粒子ケーキの含水率と洗浄状態が良好な状態に保たれる効果が確認されている。しかしながら、従来の方法だけでは、ろ布の洗浄が不十分であり、連続運転にて長時間に渡り洗浄性能と脱水性能を安定して維持するには、問題があった。
特公昭36−10231号公報 特公昭43−10799号公報 特公昭同51−14895号公報 特開2002−372803号公報
従って、本発明の目的は、こうした問題点を解消して、各トナー粒子の表面を均一に効率良く洗浄・脱水でき、得られたトナーによって画像を形成した場合において、高い画像濃度が安定して維持され、カブリの発生等を生じない、優れた画像特性を有するトナーが得られる重合法トナーの製造方法を提供することである。
更に本発明の目的は、高温多湿の環境下においても安定して高品質画像を得ることができ、耐久性のあるトナーが得られる重合法トナーの製造方法を提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、水系媒体中で合成されるトナー粒子を、少なくとも脱水し、得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥手段により乾燥してトナー粒子を製造するトナーの製造方法において、水系媒体中に含有されるトナー粒子を脱水するための手段である、ろ布走行式真空ろ過機に関する。
(I) 水系媒体中で合成されるトナー粒子を含むスラリーを、ろ布走行式真空ろ過機により少なくとも脱水し、得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥手段により乾燥してトナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法において、該ろ過機は少なくともケーキ形成ゾーン、ケーキ脱水ゾーン、ろ布洗浄ゾーンが具備されており、該ろ布洗浄ゾーンにおいて、ケーキ形成面を真空引きを行なうことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
(II) 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給は、ろ布の上方からスラリーを供給する方式の、単独式或いは多段式の供給ノズルにおいて行われ、該ノズルから供給されるスラリーは、該ノズルの下方且つ、ろ布の上方に設けられたスラリー分散トレイを経由して、ろ布に供給されることを特徴とする(I)に記載のトナー粒子の製造方法。
(III) 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、ろ布の幅方向に対してθの角度方向に往復運動しながら、スラリー供給を行い、角度θが−45°≦θ≦+45°の関係を満足することを特徴とする(I)又は(II)に記載のトナー粒子の製造方法。
(IV) 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、ろ布の幅方向に対してθの角度方向に往復運動しながら、スラリー供給を行い、角度θが−30°≦θ≦+30°の関係を満足することを特徴とする(I)又は(II)に記載のトナー粒子の製造方法。
(V) 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、回転円周の軌跡がろ布の端部の内側である範囲で回転しながら、スラリー供給を行う事を特徴とする(I)乃至(IV)に記載のトナー粒子の製造方法。
(VI) 該スラリー分散トレイ先端のスラリー流出部分が、複数の切り欠きを有する形状であることを特徴とする(I)乃至(V)に記載のトナー粒子の製造方法。
(VII) 該切り欠きの形状が、等ピッチの三角形状であることを特徴とする(VI)に記載のトナー粒子の製造方法。
(VIII) 該スラリー分散トレイのスラリー流出部分が、凹凸を有する形状であることを特徴とする(I)乃至(VII)に記載のトナー粒子の製造方法。
(IX) 該ろ布走行式真空ろ過機により少なくとも脱水処理をする前の該スラリーの嵩密度が、0.3g/ml以上0.75g/ml以下であることを特徴とする(I)乃至(VIII)に記載のトナー粒子の製造方法。
(X) 該ろ過機において、ろ布の走行は間欠式に行なわれることを特徴とする(I)乃至(IX)に記載のトナー粒子の製造方法。
本発明によれば、ろ布を繰返し長期間使用した場合でも、目詰りのないろ布表面の維持が可能となり、ろ布の通水性、通気性、脱水効果が長期にわたって維持できる。
また発泡して嵩密度が減少したスラリーであっても、ろ布に均一に供給できることにより、凹凸のない平滑なケーキを形成することが可能となり、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄することが可能となる。その後に脱水、乾燥、外添工程を経て得られたトナーによって画像を形成した場合では、高い画像濃度が安定して維持され、カブリの発生等を生じない、優れた画像特性を有するトナーが得られる。
以下好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、効率良く各トナー粒子の表面を均一に洗浄し、更には効率良く脱水を行うためには、着色樹脂粒子を媒体から濾別する方法が大きく影響を与えていることを見出した。
更に、本発明者等は、
ろ布走行式真空ろ過機によりスラリーから固体粒子を分離する際、該ろ布洗浄ゾーンにおけるろ布の、ケーキ形成面を真空引きを行なう
ことで、効率良くろ布のケーキ形成面のトナー粒子による付着汚れを洗浄し、脱水後のトナーケーキの低い含水率を、連続運転の長期間にわたって維持できることを知見して本発明に至った。
更に、本発明者等は、
ろ布走行式真空ろ過機によりスラリーから固体粒子を分離する際、該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給工程で、ろ布の上方に設けられたスラリー分散トレイを経由してスラリーをろ布に供給する
ことで、発泡により嵩密度が0.3〜0.75g/ml程度まで減少したスラリーであっても、ろ布に均一に供給できることにより、凹凸のない平滑なケーキを形成することが可能であることを知見して本発明に至った。
更に、本発明者等は、
ろ布走行式真空ろ過機によりスラリーから固体粒子を分離する際、該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給工程で、スラリー供給ノズルを、ろ布の幅方向への往復運動、または回転運動させながら、スラリーをろ布に供給する
ことで、発泡により嵩密度が0.3〜0.75g/ml程度まで減少したスラリーであっても、ろ布に均一に供給できることにより、凹凸のない平滑なケーキを形成することが可能であることを知見して本発明に至った。
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。なお、ここで会合とは、樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
また、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
懸濁重合法の製造方法としては特に限定されるものでは無いが、下記の様な製造方法を上げることができる。
すなわち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を、分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌機構を有する反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法もあげることができる。この方法としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、特許文献5,6,7に示す方法をあげることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
本発明に用いられる好ましい単量体としては、具体的には、スチレン,o(m−、p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;
(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には、非特許文献1に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色トナーの混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
外殻樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は5000〜100000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は2〜100を示す外殻樹脂が本発明には好ましい。
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナーを製造する場合、低軟化点物質を内包化せしめるため、外殻樹脂中に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。
本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中にあまり含まないものが特に好ましい。仮に多くの不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
また、本発明においては、トナーの表面にさらに最外殻樹脂層を設けても良い。該最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該最外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
該最外殻層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げられる。
1.重合反応後半、または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を溶解、分散したモノマーを添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
2.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着させる方法。
3.必要に応じて、極性樹脂、荷電制御剤、架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。である。
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
本発明に用いられる着色剤は、カラートナーの場合、色相角,彩度,明度,耐候性,OHP透明性,トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり樹脂100質量部に対し4〜150質量部添加して用いられる。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、カラートナーの場合は、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーン等が利用できる。ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。
本発明で使用される重合開始剤として、例えば、2,2’−アゾビスー(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤;
ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。
該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。また、重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明のトナー製造方法においては、重合時に用いる分散安定剤を、酸に可溶な無機系酸化物とするのが好ましい。更に、該無機系酸化物はリン酸化合物であることが好ましい。リン酸化合物としては、例えば、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛等が挙げられる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
更に、該分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させて用いることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹袢下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に好ましい分散安定剤を得ることができる。また、これら分散安定剤の微細化のため0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
該界面活性剤として、具体的には、市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
該重合法に用いる分散安定剤は、一般にトナーの帯電性能を著しく低下させるため、該分散安定剤を除去する必要がある。分散安定剤の除去が不完全であると、トナーが帯電しにくい環境下では、画像濃度低下、カブリ等の問題が発生しやすくなる。
分散安定剤の除去方法としては、媒体からの濾別前に酸またはアルカリを加えて分散安定剤を媒体中に溶解させ、媒体と共に濾別することが一般的である。
分散安定剤を媒体中に溶解させる手段としては、撹拌機構を有する容器にて、重合反応が終了したトナー粒子を含むスラリーに酸またはアルカリを加えて、所望のpHに調整して攪拌する方法で行うことができる。該スラリーはpH調整前は、嵩密度が1.0g/ml程度であり、流動性にも全く問題のない状態であるが、pH調整後の攪拌処理を行うことにより発泡が起こり嵩密度が低下する。その際のスラリーの嵩密度は0.3〜0.75g/mlの範囲に調整することが望ましい。前述の通り近年のトナーでは、重合反応が終了したトナー粒子を含むスラリーに酸またはアルカリを加えて十分に攪拌し、分散安定剤を媒体中に十分に溶解させることが必要である。嵩密度が0.75g/mlよりも多い場合には、pH処理後の攪拌の時間が不十分であり、分散安定剤の媒体中への溶解が不均一状態になるために、実用に供せない。一方で、嵩密度が0.3g/ml未満の場合には、pH処理後の攪拌の時間は十分であり、分散安定剤の媒体中への溶解も十分に行われるが、スラリーの流動性が極端に悪化してしまい、攪拌タンクからの排出や輸送などが実質上不可能となる。
該攪拌処理を行う容器の形状は、スラリーの流動性が低下した場合にも、良好な排出性等を維持するために、容器底部が図1に示すような、コニカル形状のものが望ましい。コニカルの角度αは1°〜30°が好ましく、容器の高さ等を考慮すると、更に望ましくは1°〜15°が好ましい。また、該攪拌手段においては様々な攪拌翼を用いることが可能であるが、発泡により嵩密度が0.3〜0.75g/ml程度まで低下し流動性が悪化した状態であっても十分攪拌ができるものを選定すればよい。また、底部がコニカル形状の容器に組み合わせる場合には、図1のような底部の形状に合わせた角度の下部形状を有する攪拌翼を用いることが望ましい。
上記手段等により分散安定剤を媒体中に溶解させたトナー粒子を含むスラリーは、濾別方法により濾別される。
ここで、濾別後のトナー表面には若干の媒体である水分が付着している。そして、この水分中には先の分散安定剤が溶解しており、この分散安定剤を溶解した水分が付着しているトナーを後工程で乾燥すると、水分のみ除去され、溶解していた分散安定剤は濃縮されトナー表面に固着する。
このような濾別方法で分散安定剤の残存量を小さくするには、濾別後の含水トナーに洗浄液を加え水分中の分散安定剤濃度を小さくした上で再濾別し、付着水分中の分散安定剤量を小さくする方法がある。即ち、必要により洗浄水添加、再濾別の工程を数回繰り返すことにより所望する分散安定剤の残存許容量以下にすることが可能である。
ここで、濾別に用いる濾過装置としては、洗浄機能を兼ね備えた濾過洗浄装置が好適である。「洗浄機能」とは、濾別後のトナーに洗浄水を加えてリスラリー液としたり、濾別後のトナーをケーキ状として、該ケーキに洗浄水を通過させることを指す。
洗浄機能を兼ね備えた濾過洗浄装置としては、フィルタープレスやベルトフィルター(例えば特許文献8参照)があり、本発明は後者に適用できる。
ベルトフィルターは2つのタイプに大別することができ、1つはドレンネジベルトを有するタイプで、ドレンネジベルトと真空パンが摺擦しながら真空を気密する構造のため真空漏れを起こしやすく、濾別後の含水率が40%程度と大きくなりやすいという問題点がある。もう1つはドレンネジベルトを廃しろ布と真空パンが密着するようにして、ドレンネジベルトを有するタイプのような真空漏れの問題を解決することにより濾別後の含水率に優れたドレンネジベルトを使用しないタイプである。
ドレンネジベルトを有するベルトフィルターとしては住友重機械(株)製の商品名「イーグルフィルター」が、ドレンネジベルトを使用しないベルトフィルターとしては月島機械(株)製の商品名「水平ベルトフィルタ」や月島機械(株)製の商品名「シンクロフィルタ」等がある。本発明は両方のタイプのベルトフィルターに適用できるが、濾別後の含水率に優れたドレンネジベルトを使用しないタイプのベルトフィルターを用いることが好ましい。
濾別後のトナー粒子の含水率が大きいと、先に説明した理由により、後の乾燥工程の負荷が増大し、設備投資がコストアップすることや、分散安定剤の残存量が大きくなりトナー帯電性能の低下を生じるため、洗浄を繰り返す必要が生じ洗浄液量や排水処理量が増加し排水処理工程の負荷も増大するという問題点があった。
本発明の特徴であるトナー粒子のろ過、洗浄方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。図2は本発明に使用する濾過、洗浄、再濾過工程の一例の概略的断面図及び模式図を示す。図3では本発明のスラリー分散トレイの形状概略図を示す。
図2は、本発明に適用できるベルトフィルターの概略的断面図である。無端状のろ布3は、図示しない複数のロール間に張架され、矢印Aの方向に駆動される。駆動は連続的でも断続的でも良い。ろ布3の内側には、必要により図示しないドレンネジベルトを設けても良い。ドレンネジベルト若しくはろ布3の下方には、一体式又は複数に分割された真空トレイが設けられる。真空トレイは固定式でも往復移動式でも良い。図2では真空トレイ4、4a、4b、4cの4分割としている。分散安定剤を溶解せしめたスラリー2は、スラリータンク1等より濾過面の上部へ送液口5より本発明のスラリー分散トレイを介してろ布3上に供給され、真空作用により濾過、脱水される。送液口5は固定式でも往復移動式でも良い。濾液11は、真空トレイ4に集められ、図示しない濾液管より図示しない真空タンクへ送られる。
濾過されたケーキ6はろ布3と共に走行し、その間に上部より1基又は複数基のケーキ洗浄装置よりケーキ洗浄液が散布され、ケーキ6中の溶解性物質が濾液と共に排出されるようになっている。ケーキ洗浄装置は固定式でも往復移動式でも良い。図2ではケーキ洗浄装置7a、7b、7cの3基を設けている。ケーキ洗浄液10a、10b、10cは、ケーキ洗浄装置7a、7b、7cに供給され、脱水ケーキ6を洗浄した後、真空トレイ4a、4b、4cにて捕集され、ケーキ洗浄排液11a、11b、11cとなる。必要により真空脱水ゾーンを延長することもできる。図2においてケーキ洗浄装置7cを使用しないと、ケーキ洗浄液10bを真空トレイ4bと4cで脱水することになるので、更なる低含水率を達成できる。
脱水ケーキ6は、必要により図示しない加圧装置により加圧脱水された後、図示しないロールによってもたらされる曲率、もしくは図示しないディスチャージロール等の剥離手段により、ろ布3より剥離される。ケーキ6剥離後のろ布3には若干のトナー等が付着しているため、必要によりろ布洗浄手段を設けることがある。図2ではろ布洗浄手段として、洗浄液スプレー式のろ布洗浄装置8を使用している。ろ布洗浄液12はろ布洗浄装置8によりスプレーされろ布3を洗浄する。洗浄後のろ布洗浄液12はトレイ9により捕集されろ布洗浄排液13となる。ろ布洗浄ゾーンでは、トレイ9と真空ポンプとが連通されており、ろ布洗浄時に、ケーキ形成面を真空引きすることが可能とすることにより、ろ布洗浄の効果を高めている。
ベルトフィルターの脱水条件としては、スラリー供給量、ベルトスピード、真空度が重要である。しかしながら、スラリー供給量とベルトスピードは機器スケールによって適正値が異なるので、ケーキ厚み、脱水時間が適正となるよう調整すれば良い。ケーキ厚みは1〜50mmが一般的で、好ましくは5〜30mmである。脱水時間は10〜300秒が一般的で、好ましくは30〜180秒である。真空度は50kPa以下が一般的で、好ましくは30kPa以下である。
排出されたケーキは、流動層乾燥機、気流乾燥機、真空乾燥機などの乾燥機で乾燥される。
本発明のトナーには、各種トナー性能付与のために、外添剤を添加しても良い。使用される外添剤としては、例えば、金属酸化物(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛,など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなどが用いられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
トナー平径及び粒度分布の測定装置としては、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。
測定方法としては、前記電解水溶液130ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を1.5ml加え、更に測定試料を10mg加える。
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約2分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。
それから本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(JohnWiley&Sons社製) 特開平5−265252号公報 特開平6−329947号公報 特開平9−15904号公報 特開平08−160661号公報
以上、本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、もちろん、これによって本発明が何ら限定されるものではない。
<実施例1>
イオン交換水700質量部に、0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックスCLS−30S(エム・テクニック社製)を用いて、4500rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム塩を含む水系媒体を得た。
一方、
(モノマ−) スチレン 170質量部
n−ブチルアクリレート 30質量部
(着色剤) C.I.ピグメントレッド48:3 10質量部
(荷電制御剤) ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物 2質量部
(極性レジン) 飽和ポリエステル 15質量部
(酸価10mgKOH/g,ピーク分子量;8500)
(離型剤) エステル系ワックス(融点65℃) 40質量部
上記処方を60℃に加温し、均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、80℃/減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウム塩を溶解させたpH1のスラリーを得た。該スラリーは、塩酸添加前には嵩密度が1.0g/ml程度であったが、塩酸添加前には発泡により0.55g/ml程度まで低下し流動性が著しく低下した。後に、図2に示すドレンネジベルトを使用しないタイプのベルトフィルターを用い、下記に示す洗浄条件にて脱水し、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠きが等ピッチ三角形状 図6参照)
スラリー供給ノズル5:ろ布の幅方向に対して0°方向に往復運動(図8参照)
[脱水状態の評価]
含水率は含水粒子5gをアルミ皿に採取し、それを精秤(A[g])し、105℃に設定した乾燥機に1時間放置し、冷却後精秤(B[g])し、以下の式で計算した値である。
含水率=((A−B)/A)×100[%]
本実施例のトナーでは、この含水率の値が34%未満の場合は、実質的な問題はないが、34%を超えると分散安定剤の残存量が大きくなりトナー帯電性能が低下する。本発明では含水率に関して、A(非常に良好)〜D(悪い)のランク付けを以下のように行った。
A :28%未満(非常に良好)
B :28以上31%未満(良好)
C :31以上34%未満(普通)
D :34%以上(悪い)
上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は27.2%のAランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
[洗浄状態の評価]
洗浄状態は、残存する分散安定剤量によって評価した。残存分散安定剤量については、蛍光X線分析装置(RIX3000)を用い定量分析した。本実施例のトナーでは、この残存分散安定剤量の値が200ppm未満の場合は、実質的な問題はないが、200ppmを超えるとトナー帯電性が低下する。本発明では洗浄状態に関して、残存分散安定剤量に応じてA(非常に良好)〜D(悪い)のランク付けを行った。
残存分散安定剤量
A :130ppm未満(非常に良好)
B :130以上160ppm未満(良好)
C :160以上200ppm未満(普通)
D :200ppm以上(悪い)
本実施例の残存分散安定剤量は、126ppmのAランクであった。
上記で得られた該着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水性シリカを1.0質量部添加し、混合機にて混合しトナーを得た。
本実施例において、得られたトナーの重量平均粒径は6.8μmであった。
[画像性能の評価]
画像性能は温度30℃,湿度80%の環境下で連続3000枚の耐久テストを行い、カブリを測定して評価した。耐久テストはキヤノン社製LBP−2360を用いて行なった。
紙上のカブリについては、反射式濃度計(TOKYO DENSHOKU CO.,LTD社製 REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)を用いて測定した。即ち、反射濃度計で測定したプリント後の白地部の反射濃度最悪値をDsとし、プリント前の用紙について反射濃度計で測定した反射濃度平均値をDrとした時に、これらの値の差(Ds−Dr)を求め、これを紙上カブリとした。この紙上カブリ量が2%以下の場合は、実質的に紙上カブリのない良好な画像であるが、2%を超えると紙上カブリが目立つ不鮮明な画像である。本実施例では、3000枚耐久後の画像について評価したが、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例2>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠きが等ピッチ三角形状 図6参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して30°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は28.4%のBランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、133ppmのBランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例3>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠きが等ピッチ三角形状 図6参照)
スラリー供給ノズル5 :回転運動(図9参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は28.9%のBランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、148ppmのBランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例4>ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠きが等ピッチ三角形状 図6参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して45°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は30.7%のBランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、162ppmのCランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例5>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠き形状 図5参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して0°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は27.4%のAランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、143ppmのBランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例6>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が凹凸形状 図7参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して0°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は27.6%のAランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、144ppmのBランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例7>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :あり(標準型 図4参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して0°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は28.8%のBランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、145ppmのBランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例8>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :なし
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して0°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は31.0%のCランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、169ppmのCランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<実施例9>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :真空引きあり
スラリー分散トレイ14 :なし
スラリー供給ノズル5 :固定
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本実施例のウエットケーキの含水率は33.1%のCランクであり繰返しの連続運転を長期にわたって続けた場合においても、含水率の上昇はなかった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本実施例の残存分散安定剤量は、198ppmのCランクであった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができた。
本実施例では、ケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりなく連続運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができた。
<比較例1>
ベルトフィルターの洗浄条件を、
ベルトフィルターの洗浄条件
ケーキ洗浄液10a :ろ布洗浄排液13を再利用(pH5)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10b :酸性水(pH1)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ケーキ洗浄液10c :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄液12 :純水(pH6)
:供給スラリー中の固形分の3倍量
ろ布洗浄トレイ9 :なし
スラリー分散トレイ14 :あり(流出部分が切り欠きが等ピッチ三角形状 図6参照)
スラリー供給ノズル5 :ろ布の幅方向に対して30°方向に往復運動(図8参照)
としたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、重合トナー粒子のウエットケーキを得た。
上記で得られたウエットケーキを、実施例1と同様にして、含水率について評価した。その結果、上記により得られた本比較例のウエットケーキの含水率はその結果、運転開始当初は27.4%のAランクであったが、繰返しの連続運転を107時間にわたって続けた時点で、含水率は34.0%まで上昇しDランクとなった。その後、乾燥して着色樹脂粒子を得た。
上記で得られたトナーを、実施例1と同様にして、洗浄状態について評価した。その結果、本比較例の残存分散安定剤量は、運転開始当初のトナーは124ppmのAランクであったが、繰返しの連続運転を112時間にわたって続けた時点で、200ppmまで上昇しDランクとなった。
更に、上記で得られたトナーを用いて実施例1と同様に外添して、画出し試験を行ない、カブリについて確認したところ、運転開始当初のトナーにおいては3000枚に渡りカブリが2%を超えることなく高品質の画像を安定して得ることができたが、運転開始後112時間を経過した時点でのトナーにおいては、2000枚をこえたところからカブリが2%を頻繁に上回るようになり、実用に供せないレベルの画像であった。
本比較例では、運転開始当初の処理においてはケーキやろ布の洗浄液/排液量は、供給スラリー中の固形分の9倍量に押さえられ、ろ布の目詰まりのない運転が可能で、経済的に高品質のトナーを得ることができたが、運転開始後112時間を経過した時点からは、ろ布に目詰まりが発生し品質面で満足できないトナーとなった。
上記の実施例・比較例の結果を比較のために表1にも示す。
Figure 2008039954
発泡等で流動性が低下し排出性が困難なスラリーの攪拌に望ましい攪拌容器及び攪拌翼の形状 本発明に用いたベルトフィルターの概略的断面図 スラリー分散トレイの形状の概略図 スラリー分散トレイ(標準型) スラリー分散トレイ(切り欠き) スラリー分散トレイ(三角) スラリー分散トレイ(凹凸) スラリー供給ノズルの往復運動の概略図 スラリー供給ノズルの回転運動の概略図
符号の説明
1: スラリータンク
2: スラリー
3: ろ布
4、4a、4b、4c: 真空トレイ
5: 送液口
6: ケーキ
7a、7b、7c: ケーキ洗浄装置
8: ろ布洗浄装置
9: トレイ
10a、10b、10c: ケーキ洗浄液
11: 濾液
11a、11b、11c: ケーキ洗浄排液
12: ろ布洗浄液
13: ろ布洗浄排液
14: スラリー分散トレイ

Claims (10)

  1. 水系媒体中で合成されるトナー粒子を含むスラリーを、ろ布走行式真空ろ過機により少なくとも脱水し、得られた湿潤状態の着色樹脂粒子を乾燥手段により乾燥してトナー粒子を製造するトナー粒子の製造方法において、
    該ろ過機は少なくともケーキ形成ゾーン、ケーキ脱水ゾーン、ろ布洗浄ゾーンが具備されており、該ろ布洗浄ゾーンにおいて、ケーキ形成面を真空引きを行なうことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給は、ろ布の上方からスラリーを供給する方式の、単独式或いは多段式の供給ノズルにおいて行われ、該ノズルから供給されるスラリーは、該ノズルの下方且つ、ろ布の上方に設けられたスラリー分散トレイを経由して、ろ布に供給されることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、ろ布の幅方向に対してθの角度方向に往復運動しながら、スラリー供給を行い、角度θが−45°≦θ≦+45°の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、ろ布の幅方向に対してθの角度方向に往復運動しながら、スラリー供給を行い、角度θが−30°≦θ≦+30°の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該ケーキ形成ゾーンにおけるスラリー供給ノズルは、回転円周の軌跡がろ布の端部の内側である範囲で回転しながら、スラリー供給を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該スラリー分散トレイ先端のスラリー流出部分が、複数の切り欠きを有する形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 該切り欠きの形状が、等ピッチの三角形状であることを特徴とする請求項6に記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 該スラリー分散トレイのスラリー流出部分が、凹凸を有する形状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 該ろ布走行式真空ろ過機により少なくとも脱水処理をする前の該スラリーの嵩密度が、0.3g/ml以上0.75g/ml以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 該ろ過機において、ろ布の走行は間欠式に行なわれることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
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