JP4457746B2 - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Description

この発明に係るトロイダル型無段変速機は、自動車用自動変速装置の変速ユニットとして、或はポンプ等の各種産業機械の運転速度を調節する為の変速装置として利用する。
自動車用自動変速装置として、図11に示す様なトロイダル型無段変速機が、多くの特許文献や非特許文献1、2に記載されたり、一部の量産車に搭載されて公然実施される等により、従来から広く知られている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に、請求項1、2に記載した第一のディスクである入力側ディスク2、2を、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持している。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車3を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車3の中心部に設けた円筒部の両端部に、請求項1、2に記載した第二のディスクである出力側ディスク4、4を、それぞれスプライン係合させている。
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク4、4との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ5、5を挟持している。これら各パワーローラ5、5はそれぞれ、請求項2に記載した支持部材であるトラニオン6、6の内側面に回転自在に支持されている。これら各トラニオン6、6は、それぞれの長さ方向(図11の表裏方向)両端部に、これら各トラニオン6、6毎に互いに同心に設けられた枢軸7、7(本発明の実施例を示す図1、5参照)を中心として揺動変位自在である。上記各トラニオン6、6を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ8(本発明の実施例を示す図1、5参照)により、上記各トラニオン6、6を上記枢軸7、7の軸方向に変位させる事で行なうが、総てのトラニオン6、6の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸9により一方(図11の左方)の入力側ディスク2を、図示の様なローディングカム式の、或は油圧式の押圧装置10を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ5、5を介して上記各出力側ディスク4、4に伝わり、前記出力歯車3から取り出される。
上記入力軸1と出力歯車3との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車3との間で減速を行なう場合には、上記各トラニオン6、6を図11に示す位置に揺動させる。そして、上記各パワーローラ5、5の周面をこの図11に示す様に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク4、4の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン6、6を図11と反対方向に揺動させ、上記各パワーローラ5、5の周面を、この図11に示した状態とは逆に、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク4、4の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン6、6を傾斜させる。これら各トラニオン6、6の傾斜角度を中間にすれば、上記入力軸1と出力歯車3との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
更に、上述の様に構成され作用するトロイダル型無段変速機を実際の自動車用の無段変速装置に組み込む場合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成する事が、例えば特許文献1に記載されている様に、従来から提案されている。この特許文献1に記載された無段変速装置は、図12に示す様に、トロイダル型無段変速機11と遊星歯車式変速機12とを組み合わせて成る。図示の例では、このトロイダル型無段変速機11を構成する出力側ディスク4aは、1対の出力側ディスクの外側面同士を突き合わせて一体とした如き構造を有し、この出力側ディスク4aの回転を、円筒状の中空回転軸13により取り出し自在としている。そして、上記トロイダル型無段変速機11と出力軸14との間に、上記遊星歯車式変速機12に加えて、低速用、高速用両クラッチ15、16を設け、これら両クラッチ15、16の断接状態を切り換える事により、無段変速装置全体としての変速比の調節範囲を広くできる様にしている。
上述の様な、図12に示した無段変速装置の場合、上記低速用クラッチ15を接続すると共に上記高速用クラッチ16の接続を断った、所謂低速モード状態では、上記入力軸1の動力が、上記遊星歯車式変速機12を構成するリング歯車17を介して、上記出力軸14に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機11の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比、即ち、上記入力軸1と上記出力軸14との間の変速比が変化する。この様な低速モード状態では、無段変速装置全体としての変速比は、無限大に変化する。即ち、上記トロイダル型無段変速機11の変速比を調節する事により、上記入力軸1を回転させた状態のまま上記出力軸14の回転状態を、停止状態を挟んで、正転、逆転の変換自在となる。
これに対して、上記低速用クラッチ15の接続を断ち、上記高速用クラッチ16を接続した、所謂高速モード状態では、上記入力軸1の動力が上記遊星歯車式変速機12を構成する第一、第二の伝達軸18、19を介して上記出力軸14に伝えられる。そして、上記トロイダル型無段変速機11の変速比を変える事により、無段変速装置全体としての変速比が変化する。この場合には、上記トロイダル型無段変速機11の変速比を大きくする程、無段変速装置全体としての変速比が大きくなる。
前述の図11に示す様に、トロイダル型無段変速機を単独で使用する場合も、上述の図12に示す様に無段変速装置に組み込む場合も含め、トロイダル型無段変速機の運転時に、上記各入力側ディスク2、2及び上記各出力側ディスク4、4aの内側面と上記各パワーローラ5、5の周面との転がり接触部には、絶えず潤滑油(トラクションオイル)を供給する(注ぐ)。そして、この転がり接触部で金属接触が発生する事を防止すると共に、この転がり接触部の温度上昇を抑制して、上記各面が損傷する事を防止する。即ち、それぞれが軸受鋼等の硬質金属製である上記各ディスク2、4、4aの内側面とパワーローラ5、5の周面とを直接接触(金属接触)させると、これら各面が早期に摩耗し、焼き付く。
そこで、トロイダル型無段変速機11の運転時には、図示しないノズルから上記転がり接触部に向けて、絶えず潤滑油を吹き付ける。この結果、上記各ディスク2、4、4aの内側面とパワーローラ5、5の周面との転がり接触部に、極薄い(例えば厚さ1μm程度の)油膜が形成される。そして、これら各転がり接触部では、この油膜を介して、動力を伝達する。又、潤滑油の一部は、前記各トラニオン6、6内に設けた図示しない潤滑油通路を通じて、これら各トラニオン6、6に対し上記各パワーローラ5、5を回転自在に支持している各転がり軸受内にも送り込まれる。
従来は、これら各転がり軸受や上記転がり接触部に潤滑油を送り込む為の油圧回路を図13に示す様に構成して、上記各転がり軸受や上記転がり接触部に、トロイダル型無段変速機の運転状態に関係なく、一定量の潤滑油を送り込む様にしていた。尚、トロイダル型無段変速機の場合、各部を潤滑する為の潤滑油と、前記油圧式のアクチュエータ8(本発明の実施例を示す図1、5参照)を作動させる為の作動油とは、同じトラクションオイルを使用する。この理由は、トラクションオイル中に別種の作動油が混入する事で、上記転がり接触部で動力の伝達を行なえなくなる事を防止する為である。
上記図13に示す様に、トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの下端部に設けたオイルパン等の油溜20に貯溜された潤滑油は、高圧ポンプ21と低圧ポンプ22とに吸引され、それぞれ加圧された状態で吐出される。このうちの高圧ポンプ21から吐出された潤滑油は、リリーフ弁式の高圧側圧力調整弁23により、比較的高い所定圧に調整された状態で、上記トロイダル型無段変速機の変速比を調節する為の変速比制御弁24(本発明の実施例を示す図1、5参照)を介して、上記油圧式のアクチュエータ8の油圧室25a、25b(本発明の実施例を示す図1、5参照)に送り込まれる。又、入力側ディスク2、2を出力側ディスク4、4a(図11、12参照)に向け押圧する為の押圧装置として、図示の様なローディングカム式のものに代えて油圧式のものを使用した場合には、この油圧式の押圧装置10a(本発明の実施例を示す図1、5参照)の油圧室にも、比較的高圧の潤滑油を送り込む。
これに対して、上記低圧ポンプ22から吐出された潤滑油は、リリーフ弁式の低圧側圧力調整弁26により、比較的低い所定圧に調整された状態で、前記図示しないノズル及び潤滑油通路に、オリフィス等の絞り27を通じて送り込まれる。尚、上記ノズルから潤滑油が噴出する部分での油圧(ゲージ圧)は0であるから、このノズルに送り込まれる潤滑油の量Qは、流量係数をCdとし、上記絞り27の開口面積をAとし、この絞り27の上流側の圧力(=低圧側圧力調整弁26の設定圧)をP1 とし、同じく下流側の圧力をP2 (=0)とし、潤滑油の密度をρとした場合に、Q=Cd・A・{2(P1 −P2 )/ρ}1/2 で表される。この式から、上記ノズルには、上記絞り27の上流側の圧力P1 が一定である限り、常時一定量の潤滑油が送り込まれる事が分かる。又、前記図12に示した無段変速装置に適用する場合には、上記低圧ポンプ22から吐出されて圧力調整された圧油の一部を、前記低速用、高速用各クラッチ15、16の断接を制御する為の油圧制御回路にも送り込む。
尚、トロイダル型無段変速機の各部に潤滑油或は作動油として機能するトラクションオイルを送り込む構造に就いて記載された刊行物としては、特許文献2〜5が存在する。このうちの特許文献2には、上述の図13に示した構造の如く、変速比調節用のアクチュエータ用の作動油を送り出す為の高圧ポンプと別に、潤滑油を送り出す為の低圧ポンプを設ける事が記載されている。又、特許文献3には、車両の運行状況に拘らず、変速比調節用のアクチュエータ用への作動油の送り出しを確実に行なえる様にすべく、この作動油を貯めておくタンクを、潤滑油を貯めておくタンク内に設ける構造が記載されている。又、特許文献4には、始動時に前記転がり接触部で潤滑不良が生じない様にすべく、エンジンの回転がトロイダル型無段変速機に伝わるよりも先にこの転がり接触部に潤滑油を送り込む構造が記載されている。
更に、特許文献5には、トロイダル型無段変速機のノズルから各ディスクの内側面とパワーローラの周面との転がり接触部に供給する潤滑油(トラクションオイル)の量を、上記トロイダル型無段変速機により伝達する動力に応じて変える構造が記載されている。即ち、上記特許文献5の明細書の段落番号[0018]〜[0021]部分に記載されている様に、上記転がり接触部でグロススリップによる伝達効率の低下や、焼き付き等の損傷が発生するのを防止する為には、この転がり接触部に十分量の潤滑油を供給して、この転がり接触部の温度上昇を抑える必要がある。これに対して、この転がり接触部への潤滑油の供給量が過剰になると、トロイダル型無段変速機の構成部品によるこの潤滑油の攪拌抵抗が増大し、このトロイダル型無段変速機の伝達効率が低下する。
この様な事情に鑑みて、上記特許文献5に記載された構造の場合には、上記転がり接触部に潤滑油を吹き付けるノズルと、油圧源である給油ポンプとの間に、流量調整弁を設けている。そして、上記トロイダル型無段変速機により伝達する動力が大きくなる程、上記ノズルに送り込む潤滑油の量を多くする様にしている。この為、上記グロススリップによる伝達効率の低下や、焼き付き等の損傷の発生を防止し、しかも、潤滑油の攪拌抵抗の増大を防止して、効率の良いトロイダル型無段変速機を実現できる。この特許文献5に記載された構造によれば、トロイダル型無段変速機の信頼性及び耐久性を確保しつつ、その伝達効率の向上を図れる。
但し、上述の様な特許文献2〜5に記載された構造を含めて、従来のトロイダル型無段変速機の場合には、潤滑用の油を供給する為の給油ポンプを単一のポンプとしていた。即ち、図13に示す様に、高圧ポンプ21と低圧ポンプ22との2個のポンプを設ける場合でも、上記転がり軸受や上記転がり接触部への潤滑用の油の供給は、低圧ポンプ22のみで行なっていた。そして、上記高圧ポンプ21から吐出された潤滑油は、前記アクチュエータ8や前記押圧装置10aを作動させる為の作動油としてのみ利用していた。従って、上記低圧ポンプ22として、上記トロイダル型無段変速機が大きなトルクを伝達しつつ高速で回転し、上記各転がり軸受や上記転がり接触部で多量の潤滑油を必要とする場合でも対応できるだけの能力を有するものを使用する必要がある。
この場合、上記各転がり軸受や上記転がり接触部で必要とする潤滑油の量が少ない状態では、上記低圧ポンプ22は余分な仕事(潤滑油の吐出)を行なう事になる。この様に低圧ポンプ22に余分な仕事を行なわせる事は、動力損失の増大に繋がり、トロイダル型無段変速機全体としての効率を低下させる原因となる為、好ましくない。又、上述の様に上記低圧ポンプ22として高い能力を有するものを必要とする為、この低圧ポンプ22の大型化に繋がり、トロイダル型無段変速機全体としての小型・軽量化を妨げる原因となる為、やはり好ましくない。
特に、図13に示した油圧回路により、前述の図12に示した無段変速装置の制御並びに潤滑を行なう場合には、上記低圧ポンプ22から吐出された潤滑油(作動油)により、低速用、高速用両クラッチ15、16の断接の為の制御を行なわせる。従って、上記低圧ポンプ22の容量が小さいと、この低速用クラッチ15又は高速用クラッチ16を断接させるべく、油圧制御弁を切り換える際、前記絞り27の上流側の圧力P1 が一時的に低下し、前記式で表される、ノズルに送り込まれる潤滑油の量Qが、一時的に急減する。この場合、上記各転がり軸受や上記転がり接触部で、著しい損傷に結び付く、金属接触が発生する可能性が生じる。上記図12に示した従来構造の場合には、この様な金属接触を防止する為にも、上記低圧ポンプ22として、十分な容量を有する大型のものを使用する必要がある。
特開2000−220719号公報 実公平6−37224号公報 特開平11−37242号公報 特開平11−230494号公報 特開2001−132808号公報 田中裕久、「トロイダルCVT」、株式会社コロナ社、2000年7月13日 青山元男、「レッドバッジスーパー図解シリーズ/クルマの最新メカがわかる本」、株式会社三推社/株式会社講談社、平成13年12月20日、p.92−93
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、各転がり軸受や転がり接触部に潤滑油を供給する為のポンプとして比較的小型のものを使用した場合でも、これら各転がり軸受や転がり接触部に十分量の潤滑油を供給できて、トロイダル型無段変速機の伝達効率の向上並びに小型・軽量化を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から知られているトロイダル型無段変速機と同様に、第一、第二のディスクと、複数のパワーローラと、給油手段とを備える。
このうちの第一、第二のディスクは、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。
又、上記各パワーローラは、互いに対向するこれら第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されて、これら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する。
又、上記給油手段は、これら両ディスクの内側面と上記各パワーローラの周面との転がり接触部を含む可動部に、潤滑油を供給する為のものである。
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、比較的高圧の潤滑油を供給する高圧側油圧源と、比較的低圧の潤滑油を供給する低圧側油圧源とを備える。又、上記給油手段は潤滑油流路を備える。
そして、この潤滑油流路に、上記高圧側油圧源に設けられてこの高圧側油圧源よりも下流側に送られる油圧を調整するリリーフ回路から過剰分として吐出されて第一の流量調整手段を通過した潤滑油を送り込み自在とすると共に、上記潤滑油流路と上記低圧側油圧源とを、第二の流量調整手段を介して連通させている。
上述の様に本発明のトロイダル型無段変速機の場合には、アクチュエータや押圧装置を作動させる為に高圧側油圧源から供給される作動油(潤滑油)の一部を、リリーフ回路から潤滑油流路に送り込み、更に、第一、第二のディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部を含む可動部に供給する。上記アクチュエータや押圧装置で必要とされる作動油の量は、これらアクチュエータや押圧装置を変位(伸長)させる瞬間を除いて、漏れによる僅少量のみである。従って、上記リリーフ回路から上記可動部に供給される潤滑油(作動油)の量は、上記アクチュエータや押圧装置を変位させる瞬間を除いて十分に確保できる。
これらアクチュエータや押圧装置を変位させる瞬間には、変位するアクチュエータ又は押圧装置部分で消費される作動油(潤滑油)の量が多くなり、上記リリーフ回路から上記潤滑油流路に送り込まれる潤滑油の量が少なくなる。本発明のトロイダル型無段変速機では、上記瞬間に、低圧側油圧源から供給される作動油(潤滑油)が上記潤滑油流路に、第二の流量調整手段を介して送り込まれる。上記高圧側油圧源から供給される作動油の消費量が多くなる瞬間と、上記低圧側油圧源から供給される作動油の消費量が多くなる瞬間とは一般的にずれており、仮に一致する可能性があっても、一致しない様にする為の制御は容易に行なえる。従って、上記両油圧源から供給される潤滑油が同時に不足する事はない。この為、上記低圧側油圧源の容量を少なくしても、上記潤滑油流路から上記可動部に供給される潤滑油の量が、この可動部で金属接触を生じさせる程少なくなる事はない。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様に作用する為、各転がり軸受や転がり接触部等の可動部に潤滑油を供給する為の低圧側油圧源として比較的小型のものを使用した場合でも、この可動部に十分量の潤滑油を供給できる。この為、上記低圧側油圧源を小型・軽量化して、この低圧側油圧源を駆動する為に要する動力を低減できる。この結果、トロイダル型無段変速機全体としての伝達効率の向上並びに小型・軽量化を図れる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様に、第一のディスクを第二のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置を設ける。そして、各パワーローラを、第一、第二のディスクの中心軸に対し捩れの位置に存在する枢軸を中心として揺動変位する支持部材に回転自在に支持する。又、これら各支持部材を油圧式のアクチュエータにより、それぞれの揺動中心となる枢軸の軸方向に変位駆動自在とする。そして、このアクチュエータにピストンを挟んで設けた1対の油圧室同士の間の油圧の差が大きくなる程、給油手段から転がり接触部に供給する潤滑油の量を多くする。
この様に構成すれば、トロイダル型無段変速機の運転状況に応じて上記転がり接触部に、適正量の潤滑油を送り込める。従って、グロススリップによる伝達効率の低下や、焼き付き等の損傷の発生を防止し、しかも、潤滑油の攪拌抵抗の増大を防止して、効率の良いトロイダル型無段変速機を実現できる。
又、本発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した様に、第一、第二の流量調整手段として、オリフィス、キャピラリチューブの如き、固定の絞り流路を備え、流量調整機能を持たない構造を有するものを使用する。
この場合には、上記第一、第二の流量調整手段のコストを抑えられる。
或は、請求項4に記載した様に、第一、第二の流量調整手段として、潤滑油の流路面積若しくは流通時間を調整自在な絞り流路を備えたものを使用する。
この場合には、トロイダル型無段変速機を搭載した車両の運行状態等に応じて上記潤滑油の流路面積若しくは流通時間を調整し、可動部に供給する潤滑油の量をこの運行状態等に応じた、適正値に調節できる。
例えば、請求項5に記載した様に、潤滑油流路に送り込まれる潤滑油の温度を検出する為の油温センサを備え、この潤滑油の温度が高くなる程絞り流路の流路面積を狭くしたり、この絞り流路が開いている時間を短くすれば、温度上昇に伴って粘度が低下した潤滑油が、必要以上に上記可動部に送り込まれる事を防止できる。
又、本発明を実施する場合に、好ましくは、請求項6に記載した様に、第二の流量調整手段が、低圧側油圧源から潤滑油流路への潤滑油の流れに対する抵抗よりも、この潤滑油流路からこの低圧側油圧源への潤滑油の流れに対する抵抗が小さい構造を有するものとする。
この様に構成すれば、例えばエンジンの回転速度が低い状態等、高圧側油圧源から供給されてリリーフ回路から過剰分として吐出される作動油の量が少ない状態でも、油圧制御回路が誤動作する事を防止できる。即ち、この状態では、上記潤滑油流路部分の油圧よりも上記低圧側油圧源部分の油圧が高くなる為、そのままではこの低圧側油圧源部分の潤滑油がこの潤滑油流路部分に流れ、この低圧側油圧源部分の油圧が過度に低下する可能性がある。この結果、例えばシフト用切換弁のスプールが不用意に変位して、モード切換用のクラッチが不用意に断接する可能性がある。
これに対して、上記請求項6に記載した様に構成すれば、上記高圧側油圧源から供給されてリリーフ回路から過剰分として吐出される作動油の量が少ない状態でも、上記低圧側油圧源部分の潤滑油が上記潤滑油流路部分に過剰に流れる事を防止して、上記油圧制御回路の誤動作を防止できる。
この様に、上記油圧制御回路の誤動作を防止すべく、低圧側油圧源から潤滑油流路への潤滑油の流れに対する抵抗よりも、この潤滑油流路からこの低圧側油圧源への潤滑油の流れに対する抵抗を小さくする構造として、例えば、請求項7〜10に示した様な構造を採用する。
このうちの請求項7に記載した構造では、第二の流量調整手段は、仕切板と、通油孔と、弁体と、弾性部材と、絞り流路とを備える。
このうちの仕切板は、例えば各種制御弁を収納したバルブボディ内で、上記低圧側油圧源と上記潤滑油流路との間部分に設けられたものである。
又、上記通油孔は、上記仕切板の一部に、上記低圧側油圧源と上記潤滑油流路とを連通する状態で設けられている。
又、上記弁体は、上記通油孔の内側に配置されており、軸方向の変位に伴ってこの通油孔を開閉するものである。
又、上記弾性部材は、上記弁体に対して上記通油孔を塞ぐ方向の弾力を付与するものである。
更に、上記絞り流路は、上記弁体の一部に設けられて、この弁体が上記通油孔を塞いだ状態でも上記低圧側油圧源と潤滑油流路とを連通させるものである。
そして、上記潤滑油流路から上記低圧側流路に潤滑油が流れる際に、上記弁体が上記弾性部材の弾力に抗して変位し、上記通油孔を開く構造を有する。
この様な構造の場合、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも高い場合には、上記弁体が上記通油孔を開いて、この低圧側流路側に潤滑油を送り出すのに対し、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも低い場合には、上記弁体が上記通油孔を閉じる。この状態では、上記絞り流路を通過した潤滑油のみが上記潤滑油流路側に送られる為、上記低圧側油圧源部分の潤滑油がこの潤滑油流路部分に過剰に流れる事を防止できる。
又、請求項8に記載した構造では、第二の流量調整手段は、第一、第二の流路と、固定の絞りと、逆止弁とから成る。
このうちの第一、第二の流路は、前記低圧側油圧源と前記潤滑油流路との間に互いに並列に設けられたものである。
又、上記固定の絞りは上記第一の流路の途中に直列に設けられている。
又、上記逆止弁は、残りの第二の流路の途中に設けられたもので、上記潤滑油流路から上記低圧側流路に潤滑油が流れる際に開き、この潤滑油が逆方向に流れる際に閉じる。
この様な構造の場合、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも高い場合には、上記逆止弁が開いて、この低圧側流路側に潤滑油を送り出すのに対し、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも低い場合には、上記逆止弁が閉じられる。この状態では、上記固定の絞りを通過した潤滑油のみが上記潤滑油流路側に送られる為、上記低圧側油圧源部分の潤滑油がこの潤滑油流路部分に過剰に流れる事を防止できる。
又、請求項9に記載した構造では、第二の流量調整手段は、電磁式に流路を拡縮する電磁弁である。そして、この電磁弁は、低圧側油圧源側の油圧が潤滑油流路側の油圧よりも高い場合に流路を狭くし、この低圧側油圧源側の油圧がこの潤滑油流路側の油圧よりも低い場合に流路を広くするものである。
この様な構造の場合、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも高い場合には、上記電磁弁が流路を広くしてこの低圧側流路側に潤滑油を送り出すのに対し、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも低い場合には、上記電磁弁が流路を狭くする為、上記低圧側油圧源部分の潤滑油がこの潤滑油流路部分に過剰に流れる事を防止できる。
又、請求項10に記載した構造では、第二の流量調整手段は、第一、第二の流路と、固定の絞りと、電磁式の開閉弁とから成る。
このうちの第一、第二流路は、前記低圧側油圧源と前記潤滑油流路との間に、互いに並列に設けられている。
又、上記固定の絞りは、上記第一の流路の途中に、直列に設けられている。
又、上記電磁式の開閉弁は、残りの第二の流路の途中に直列に設けられている。
そして、この開閉弁は、上記低圧側油圧源側の油圧が上記潤滑油流路側の油圧よりも高い場合に閉じられ、この低圧側油圧源側の油圧がこの潤滑油流路側の油圧よりも低い場合に開かれるものである。
この様な構造の場合、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも高い場合には、上記開閉弁が開いて、この低圧側流路側に潤滑油を送り出すのに対し、上記潤滑油流路部分の油圧が上記低圧側流路部分の油圧よりも低い場合には、上記開閉弁が閉じられる。この状態では、上記固定の絞りを通過した潤滑油のみが上記潤滑油流路側に送られる為、上記低圧側油圧源部分の潤滑油がこの潤滑油流路部分に過剰に流れる事を防止できる。
図1〜4は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、特許請求の範囲に記載した高圧側油圧源を構成する高圧ポンプ21と、同じく低圧側油圧源を構成する低圧ポンプ22とを、互いに関連付けて有効に利用する点にある。そして、これら両ポンプ21、22を小型化しても、入力側、出力側各ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部や各回転支持部を構成する転がり軸受等の可動部に必要且つ十分な量の潤滑油(作動油、トラクションオイル)を供給可能にする構造を実現するものである。合わせて本実施例の場合には、トロイダル型無段変速機の運転状況に応じて、上記可動部に適正量の潤滑油を送り込み自在としている。トロイダル型無段変速機自体の構造に就いては、例えば前述の図11に示した従来構造と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
トロイダル型無段変速機を納めたケーシングの下端部に設けたオイルパン等の油溜20内に貯溜された潤滑油は、高圧ポンプ21と低圧ポンプ22とに吸引され、それぞれ加圧された状態で吐出される。このうちの高圧ポンプ21から吐出された潤滑油は、請求項1に記載したリリーフ回路を構成する、図2、3に示す様な、リリーフ弁式の加圧用圧力調整弁28により圧力調整された状態で、変速比制御弁24を介して、変速比調節の為にトラニオン6を枢軸7、7の軸方向に変位させる、アクチュエータ8の油圧室25a、25bに送り込まれる。又、上記加圧用圧力調整弁28により圧力調整された潤滑油は、入力側ディスク2、2を出力側ディスク4、4a(図11、12参照)に向け押圧する為の油圧式の押圧装置10aの油圧室にも送り込む。更に本実施例の場合には、上記加圧用圧力調整弁28により圧力調整された潤滑油を、クラッチ用減圧弁33を介して、クラッチ34の油圧室内に導入自在としている。このクラッチ34とは、前述の図12に示した無段変速装置に組み込まれた、低速用、高速用各クラッチ15、16である。
上記加圧用圧力調整弁28のリリーフ回路部分(ドレンポート)には、潤滑油流路29の上流端を接続しており、この潤滑油流路29の下流側部分を、各ディスク2、4、4aの内側面とパワーローラ5、5の周面との転がり接触部(図11、12参照)や各転がり軸受等の各可動部に通じさせて、これら各可動部を潤滑する様にしている。即ち、上記加圧用圧力調整弁28は、上記高圧ポンプ21から吐出された作動油を所定の油圧に調整してから上記アクチュエータ8や上記押圧装置10aの油圧室に送り込むが、これらアクチュエータ8や押圧装置10aで消費し切れない作動油(潤滑油)は、上記ドレンポートから吐出される。本発明の場合には、このドレンポートから吐出された潤滑油を上記各可動部に送り込んで、これら各可動部を潤滑する様にしている。上記潤滑油流路29の途中には、上記各可動部に送り込まれる潤滑油の量を適正にすべく、特許請求の範囲に記載した第一の流量調整手段である、オリフィス、キャピラリチューブの如き絞り30を設けている。
又、本発明の場合には、前記低圧ポンプ22から吐出された潤滑油を、リリーフ弁式の低圧側圧力調整弁26により、比較的低い所定圧に調整した状態で、補助潤滑油流路31を介して、上記潤滑油流路29に送り込む様にしている。この補助潤滑油流路31の途中には、特許請求の範囲に記載した第二の流量調整手段である、オリフィス、キャピラリチューブの如き第二の絞り37を設けている。又、上記低圧ポンプ22から吐出されて上記低圧側圧力調整弁26により所定圧に調整された潤滑油のうち、上記潤滑油流路29に送られない潤滑油は、油圧導入路32を通じて、制御用の油圧回路の各部を切り換える為の油圧式切換弁の油圧室内に導入自在としている。この油圧式切換弁には、前記低速用、高速用各クラッチ15、16の断接状態を切り換える為の高速用、低速用両切換弁35、36(図2参照)も含む。これら各油圧式切換弁により構成される制御用の油圧回路の詳細に就いては、後述する。
又、上記加圧用圧力調整弁28のパイロット回路には、前記アクチュエータ8に設けた1対の油圧室25a、25b内の油圧の差を、差圧信号として導入している。これら両油圧室25a、25b同士の間の油圧の差は、前記入力側ディスク2、2から前記各出力側ディスク4、4a(或は出力側ディスク4、4aから入力側ディスク2、2、図11、12参照)に伝達する、所謂2Ftと呼ばれる力の大きさに比例する。従って、上記加圧用圧力調整弁28のパイロット回路に導入される油圧は、トロイダル型無段変速機を通過する動力の大きさに比例する。尚、上述の様な差圧信号を出力する為の差圧取り出し弁38(図2、4参照)に就いては、図2に記載した他の部材と共に後述する。
又、図示の例では、上記加圧用圧力調整弁28に、温度やアクセル開度等、上記トロイダル型無段変速機の使用状態に対応する補正信号を入力して、このトロイダル型無段変速機の運転状況に応じて、上記押圧装置10aの油圧室に送り込む油圧に補正を加える様にしている。従って、上記加圧用圧力調整弁28から上記アクチュエータ8及び上記押圧装置10aに導入する油圧は、上記トロイダル型無段変速機を通過する動力の大きさに比例して大きくなる事に加えて、このトロイダル型無段変速機の運転状況に応じて補正が加えられる。
何れにしても、上記加圧用圧力調整弁28から上記アクチュエータ8及び上記押圧装置10aに導入された作動油(潤滑油)は、これらアクチュエータ8及び押圧装置10aから漏れ出す事は殆どない。一方、上記加圧用圧力調整弁28の給油ポートに潤滑油を送り込む為の、前記高圧ポンプ21は、上記トロイダル型無段変速機を構成する入力軸1と共に、エンジンにより回転駆動される。従って、上記給油ポートに送り込まれる潤滑油の量は、エンジンの回転数が上昇するのに伴って多くなる。そして、上記加圧用圧力調整弁28のリリーフ回路部分(ドレンポート)から、前記潤滑油流路29に吐出される潤滑油の量も多くなる。
要するに、上記リリーフ回路部分から吐出される潤滑油の圧力及び流量のうち、圧力に関しては、トロイダル型無段変速機を通過する力2Ftが大きくなり、上記加圧用圧力調整弁28のパイロット回路に導入される油圧が高くなる程高くなる。又、流量は、上記エンジンの回転速度が上昇するのに伴って多くなる。更に、上記潤滑油流路29の上流側部分で上記加圧用圧力調整弁28のドレンポートに接続された部分は、両側に前記絞り30及び前記第二の絞り37が設けられているので、この部分の油圧は、上記トロイダル型無段変速機を通過する力が大きく、上記エンジンの回転速度が上昇する程高くなる。そして、前述した、Q=Cd・A・{2(P1 −P2 )/ρ}1/2 なる式から明らかな通り、上記絞り30を通過して、前記可動部分に送り込まれる潤滑油の量は、上記潤滑油流路29の上流側部分の油圧が高くなる程多くなる。
この結果、本例の構造によれば、トロイダル型無段変速機の運転状況に応じて、前記入力側、出力側各ディスク2、4、4aの内側面と各パワーローラ5の周面との転がり接触部や各転がり軸受等の可動部分に、適正量の潤滑油を送り込める。従って、グロススリップによる伝達効率の低下や、焼き付き等の損傷の発生を防止し、しかも、潤滑油の攪拌抵抗の増大を防止して、効率の良いトロイダル型無段変速機を実現できる。
上記加圧用圧力調整弁28のドレンポートから上記潤滑油流路29に吐出される潤滑油は、前記アクチュエータ8や押圧装置10aで消費する作動油に対する過剰分である。但し、これらアクチュエータ8や押圧装置10aで必要とされる作動油の量は、これらアクチュエータ8や押圧装置10aを変位(伸長)させる瞬間を除いて、漏れによる僅少量のみである。従って、上記加圧用圧力調整弁28のドレンポートから吐出されて上記潤滑油流路29に送り込まれ、上記可動部に供給される潤滑油(作動油)の量は、上記アクチュエータ8や押圧装置10aを変位させる瞬間を除いて十分に確保できる。又、上記ドレンポートから吐出され、上記可動部に送り切れない潤滑油(作動油)は、前記第二の絞り37を通過して油圧導入路32側に送られる。更に、この油圧導入路32部分で生じた余剰分は、前記低圧側圧力調整弁26を通じて、前記油溜20に戻される。
一方、上記アクチュエータ8や押圧装置10aを変位させる瞬間には、変位するアクチュエータ8又は押圧装置10a部分で消費される作動油(潤滑油)の量が多くなり、上記加圧用圧力調整弁28のドレンポートから上記潤滑油流路29に送り込まれる潤滑油の量が少なくなる。本実施例の場合には、この様な、上記アクチュエータ8や押圧装置10aを変位させる瞬間に、前記低圧ポンプ22から補助潤滑油流路31に吐出された潤滑油(作動油)の一部が上記潤滑油流路29に、上記第二の絞り37を介して送り込まれる。前記高圧ポンプ21から吐出されて上記アクチュエータ8や押圧装置10aに送り込まれる作動油の消費量が多くなる瞬間と、上記低圧ポンプ22から上記油圧導入路32に吐出されて、前記各油圧式切換弁の油圧室部分に送り込まれる作動油の消費量が多くなる瞬間とは一般的にずれている。又、仮に一致する可能性があっても、一致しない様にする為の制御は容易に行なえる。従って、上記高圧、低圧両ポンプ21、22から上記潤滑油流路29に送り込まれる潤滑油が同時に不足する事はない。この為、上記低圧ポンプ22の容量を少なくしても、上記潤滑油流路29から上記可動部に供給される潤滑油の量が、この可動部で金属接触を生じさせる程少なくなる事はない。
尚、図2〜4は、前述の図12に示した無段変速装置用として、より具体化した油圧制御回路を示している。この様な図2〜4に示した構造の場合には、変速比制御弁24の切り換え状態を、トロイダル型無段変速機の変速制御用として広く知られているステッピングモータ39により行なう事に加えて、差圧シリンダ40によっても調節自在としている。そして、この差圧シリンダ40により、トロイダル型無段変速機を通過するトルクを目標値に調節すべく、このトロイダル型無段変速機の変速比を微調節自在としている。又、上記差圧シリンダ40への圧油の給排は、ロード電磁弁41により制御される、第一、第二の差圧制御弁42、43により、前後進切換弁44を介して行なう様にしている。又、低速用、高速用両クラッチ15、16への圧油の給排を、シフト用切換弁45と、前記高速用、低速用両切換弁35、36と、シフト用電磁弁48とにより行なう様にしている。又、調節用電磁弁49の開閉に基づき、前記加圧用圧力調整弁28の開弁圧を調節自在としている。更に、運転席に設けたシフトレバーにより操作される手動切換弁50により、各部の連通状態を切り換えられる様にしている。
尚、アクチュエータ8に設けた1対の油圧室25a、25b内の油圧の差を前記加圧用圧力調整弁28に導入する為の差圧取り出し弁38は、次の様に構成している。即ち、図2、4に示す様に、小径部と大径部とを交互に配置したシリンダ孔51内に軸方向の変位自在に嵌装したスプール52を挟んで、それぞれ1対ずつのばね53、53とパイロット部54a、54bとを設けている。上記スプール52に設けた複数の鍔部は、上記シリンダ孔51の小径部に、油密に嵌合自在である。そして、このシリンダ孔51の中央部に存在する大径部内に、上記加圧用圧力調整弁28により調節された圧油を、第一の圧力導入路55を通じて送り込み自在としている。
上記差圧取り出し弁38を構成する上記スプール52は、上記1対のパイロット部54a、54bに導入された、上記アクチュエータ8にピストン56を挟んで設けた1対の油圧室25a、25b内の圧力に応じて、軸方向に変位する。そして、上記第一の圧力導入路55の下流端と、上記加圧用圧力調整弁28に付属の第一、第二のパイロット部57、58との導通状態を、前記前後進切換弁44を介して制御する。即ち、上記差圧取り出し弁38を構成するスプール52は、上記1対のパイロット部54a、54bに導入された油圧の差に応じて軸方向に変位する。そして、何れのパイロット部54a(54b)に導入された油圧が他のパイロット部54b(54a)に導入された油圧よりも高いかにより、上記差圧取り出し弁38にそれぞれの端部を接続した第二の圧力導入路59a(59b)と、上記スプール52の両端面に対向する部分に設けた反力室60a(60b)とに、油圧を導入する。
例えば、上記アクチュエータ8の一方の油圧室25a内の油圧が他方の油圧室25bよりも高くなる状態を考える。この状態では、上記パイロット部54aに導入される油圧が他のパイロット部54bに導入される油圧よりも高くなり、上記スプール52が図2の右方に移動し、上記差圧取り出し弁38が切り換わる。この結果、上記第一の圧力導入路55を通じて送られてくる圧油が、一方(図2の右方)の第二の圧力導入路59aを通じて、上記加圧用圧力調整弁28の第一のパイロット部57に導入される。尚、これと共に上記圧油は、前記第一、第二の差圧制御弁42、43に導入され、上記前後進切換弁44を介して前記差圧シリンダ40を変位させて、前記変速比制御弁24のスリーブを微小変位させる。
これに対して、上記アクチュエータ8の他方の油圧室25b内の油圧が一方の油圧室25aよりも高くなると、上記他のパイロット部54bに導入される油圧が上記一方のパイロット部54aに導入される油圧よりも高くなり、上記スプール52が図2の左方に移動し、上記差圧取り出し弁38が上述した状態とは逆に切り換わる。この結果、上記第一の圧力導入路55を通じて送られてくる圧油が、他方(図2の左方)の第二の圧力導入路59bを通じて、上記加圧用圧力調整弁28の第二のパイロット部58に導入される。又、これと共に上記圧油は、上記第一、第二の差圧制御弁42、43に導入され、上記前後進切換弁44を介して上記差圧シリンダ40を変位させる。
何れの場合でも、上記第二の圧力導入路59a(59b)に導入された圧油は、上記差圧取り出し弁38の反力室60a(60b)にも導入されて、上記スプール52の軸方向端面を押圧する。従って、このスプール52を軸方向に変位させて、上記第一の圧力導入路55と上記第二の圧力導入路59a(59b)とを連通させようとする力は、上記差圧取り出し弁38に設けた1対のパイロット部54a、54b内に導入された油圧の差|△P|に比例する。この結果、上記加圧用圧力調整弁28の第一、第二のパイロット部57、58に導入される油圧は、上記アクチュエータ8の油圧室25a、25b内の油圧の差|△P|、即ち、トロイダル型無段変速機を通過する動力の大きさに比例する。
上記加圧用圧力調整弁28の開弁圧は、上記第一、第二のパイロット部57、58に導入される油圧が高くなる程高くなり、前記押圧装置10a内に導入される油圧は、上記加圧用圧力調整弁28の開弁圧が高くなる程高くなる。従って、上記押圧装置10a内に導入される油圧、延てはこの押圧装置10aが発生する押圧力は、トロイダル型無段変速機を通過する動力が大きくなる程大きくなる。そして、これと共に、上記加圧用圧力調整弁28から吐出される潤滑油の量が多くなり、途中に前記絞り30を設けた前記潤滑油流路29を通じて前記可動部分に送り込まれる潤滑油の量が多くなる。
上述の図2に示した構造で、上述した部分以外の本発明の特徴部分に関しては、前述した図1と同様である。又、図2〜4の各部の記載に関しては、油圧回路を構成する一般的な製図法により、或は構造が分かる断面図により、それぞれ表しているので、図1に示した構造と同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
尚、図14は、本発明とは異なり、押圧力に応じた量の潤滑油供給のみを行なえる油圧回路を示している。この図14に示した油圧回路は、低圧ポンプ22から吐出された潤滑油を、潤滑油流路29に送る為の流路が存在しない為、アクチュエータ8又は押圧装置10a部分で消費される作動油(潤滑油)の量が多くなり、加圧用圧力調整弁28のドレンポートから上記潤滑油流路29に送り込まれる潤滑油の量が少なくなった場合に、可動部に送られる潤滑油が不足し、この可動部が損傷する可能性がある。
図5は、請求項1、2、4、5に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、潤滑油流路29或は補助潤滑油流路31の途中に設ける、第一、第二の流量調整手段として、第一、第二の電動式調整弁61、62を使用している。これら第一、第二の電動式調整弁61、62は、ソレノイド或はモータへの通電に基づき、潤滑油の流通量を調整自在な絞り流路を備える。この潤滑油の流通量を調整する為には、モータによりこの絞り流路の面積を調節する他、高速ソレノイドによりこの絞り流路を短時間で開閉する動作を繰り返し行なうと共に、この絞り流路が解放されている時間を調節する事によっても行なえる。
何れの場合でも、上記潤滑油の流通量の調整は、油温センサ63が検出する、加圧用圧力調整弁28から上記潤滑油流路29に吐出された潤滑油の温度に基づいて、制御器64が行なう。即ち、この制御器64は、この潤滑油の温度が高くなる程、上記絞り流路の流路面積を狭くしたり、この絞り流路が開いている時間を短くする。この結果、温度上昇に伴って粘度が低下した潤滑油が、必要以上、入力側、出力側各ディスクの内側面と各パワーローラの周面との転がり接触部や各回転支持部を構成する転がり軸受等の可動部に送り込まれる事を防止できる。尚、上記第一、第二の電動式調整弁61、62の流路面積或はこの絞り流路が開いている時間の調整を、アクチュエータ8に設けた1対の油圧室25a、25b同士の間の差圧を表す信号に基づいて行なう事もできる。更には、各部の回転速度等、トロイダル型無段変速機の運転状況を表す、各種状態値に基づいて、上記第一、第二の電動式調整弁61、62の流路面積或はこの絞り流路が開いている時間の調整を行なう事もできる。
図6〜7は、請求項1、6、7に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、第二の流量調整手段を、仕切板65と、通油孔66と、弁体67と、弾性部材である圧縮コイルばね68と、絞り流路69とで構成している。
このうちの仕切板65は、前述の図2に示した各種制御弁を収納したバルブボディ内で、低圧側油圧源である低圧ポンプ22の吐出口に通じる油圧導入路32と、潤滑油流路29との間部分に設けられたものである。
又、上記通油孔66は、上記仕切板65の一部に、上記油圧導入路32と上記潤滑油流路29とを連通する状態で設けられている。
又、上記弁体67は、小径の杆部70の先端部(図6〜7の上端部)に大径の頭部71を設けた茸弁状で、この杆部70を上記通油孔66に挿通すると共にこの頭部71を上記油圧導入路32側に配置した状態で設けられている。この様な弁体67は、上記杆部70の軸方向の変位に伴って、上記通油孔66を開閉する。
又、上記圧縮コイルばね68は、上記弁体67に対して上記通油孔66を塞ぐ方向の弾力を付与するものである。本実施例の場合に上記圧縮コイルばね68は、上記杆部70の基端部(図6の下端部)に固定したストッパ部材72と上記仕切板65との間に設けている。このストッパ部材72は、上記杆部70の基端部にその内周縁部を固定した円輪部73の片面外径寄り部分から上記仕切板65に向け、欠円筒部74を延出して成る。この様なストッパ部材72は、上記圧縮コイルばね68の弾力を上記弁体67に伝達する機能に加えて、この弁体67がこの圧縮コイルばね68の弾力に抗して、上記油圧導入路32側に過度に変位しない様にする役目を有する。更に、前記絞り流路69は、上記弁体67の中心部に、この弁体67を軸方向に貫通する状態で設けられている。この様な絞り流路69は、この弁体67が上記通油孔66を塞いだ状態でも上記油圧導入路32と上記潤滑油流路29とを連通させたままとする。
上述の様な構造を有する本実施例の場合、例えばエンジンの回転速度が低い状態等、高圧側油圧源である高圧ポンプ21から供給されてリリーフ回路である加圧用圧力調整弁28(図2参照)から過剰分として吐出される作動油の量が少ない状態でも、シフト用切換弁45等を含む油圧制御回路(図2参照)が誤動作する事を防止できる。即ち、この状態では、上記潤滑油流路29部分の油圧よりも上記油圧導入路32部分の油圧が高くなる為、そのままではこの油圧導入路32部分の潤滑油が上記潤滑油流路29部分に流れ、この油圧導入路32部分の油圧が過度に低下する可能性がある。この結果、例えば上記シフト用切換弁45のスプールが不用意に変位(例えば図2の左方に)して、モード切換用のクラッチが不用意に断接する(例えば図2で高速用クラッチ16が接続され、低速用クラッチ15の接続が断たれる)可能性がある。
これに対して本実施例の構造によれば、上記高圧ポンプ21から供給されて上記加圧用圧力調整弁28から過剰分として吐出される作動油の量が少ない状態では、上記弁体67が、図6の(A)に示す様に、上記通油孔66を塞ぐ。この結果、油圧導入路32部分の潤滑油が上記潤滑油流路29部分に過剰に流れる事を防止して、上記シフト用切換弁45等、油圧制御回路の誤動作を防止できる。この場合でも、上記油圧導入路32部分の潤滑油を上記潤滑油流路29部分に、潤滑に必要な最小限程度流す事で、可動部の損傷防止を図る。
一方、上記加圧用圧力調整弁28から過剰分として吐出される作動油の量が多く、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも高い場合には、上記弁体67が、図6の(B)に示す様に上記通油孔66を開く。この結果、上記油圧導入路32部分に十分量の圧油を送り込める。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図8は、請求項1、6、8に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、第二の流量調整手段を、第一、第二の流路75、76と、固定の絞り77と、逆止弁78とから構成している。
このうちの第一、第二の流路75、76は、低圧側油圧源である低圧ポンプ22の吐出口に通じる油圧導入路32と潤滑油流路29(図2参照)との間に、互いに並列に設けられている。そして、このうちの第一の流路75の途中に上記固定の絞り77を、直列に設けている。又、残りの第二の流路76の途中に上記逆止弁78を、直列に設けている。この逆止弁78は、上記潤滑油流路29から上記油圧導入路32に潤滑油が流れる際に開き、この潤滑油が逆方向に流れる際に閉じる。
この様な構造を有する本実施例の場合、高圧ポンプ21から供給されて上記加圧用圧力調整弁28(図2参照)から過剰分として吐出される作動油の量が多く、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも高い場合には、上記逆止弁78が開いて、この油圧導入路32側に潤滑油を送り出す。これに対して、上記加圧用圧力調整弁28から過剰分として吐出される作動油の量が少なく、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも低い場合には、上記逆止弁78が閉じられる。この状態では、上記固定の絞り77を通過した潤滑油のみが上記潤滑油流路29側に送られる為、上記油圧導入路32部分の潤滑油がこの潤滑油流路29部分に過剰に流れる事を防止できる。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1或は実施例3と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図9は、請求項1、6、9に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合には、第二の流量調整手段を、電磁式に流路を拡縮する電磁弁79により構成している。又、1対の油圧センサ80a、80bにより、低圧側油圧源である低圧ポンプ22の吐出口に通じる油圧導入路32部分の油圧と、潤滑油流路29側の油圧とを測定し、その測定値を表す信号を、上記電磁弁79を制御する為の制御器81に入力している。この制御器81は、上記油圧導入路32部分の油圧が上記潤滑油流路29側の油圧よりも高い場合に流路を狭くし、この油圧導入路32部分の油圧がこの潤滑油流路29側の油圧よりも低い場合に流路を広くする。
この様な構造を有する本実施例の場合、高圧ポンプ21から供給されて上記加圧用圧力調整弁28(図2参照)から過剰分として吐出される作動油の量が多く、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも高い場合には、上記電磁弁79が流路を広くしてこの油圧導入路32側に潤滑油を送り出す。これに対して、上記加圧用圧力調整弁28から過剰分として吐出される作動油の量が少なく、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも低い場合には、上記電磁弁79が流路を狭くする為、この油圧導入路32部分の潤滑油が上記潤滑油流路29部分に過剰に流れる事を防止できる。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1或は実施例3と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
図10は、請求項1、6、10に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合には、第二の流量調整手段を、第一、第二の流路75、76と、固定の絞り77と、電磁式の開閉弁82とから構成している。
このうちの第一、第二流路75、76は、低圧側油圧源である低圧ポンプ22の吐出口に通じる油圧導入路32と潤滑油流路29との間に、互いに並列に設けられている。上記固定の絞り77は、このうちの第一の流路75の途中に、直列に設けられている。又、上記電磁式の開閉弁82は、残りの第二の流路76の途中に直列に設けられている。又、1対の油圧センサ80a、80bにより、上記油圧導入路32部分の油圧と上記潤滑油流路29側の油圧とを測定し、その測定値を表す信号を、上記開閉弁82を制御する為の制御器81aに入力している。この制御器81aは、上記油圧導入路32部分の油圧が上記潤滑油流路29側の油圧よりも高い場合に上記開閉弁82を閉じ、この油圧導入路32部分の油圧がこの潤滑油流路29側の油圧よりも低い場合に上記開閉弁82を開く。
この様な構造の場合、高圧ポンプ21から供給されて上記加圧用圧力調整弁28(図2参照)から過剰分として吐出される作動油の量が多く、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも高い場合には、上記開閉弁82が開いて、上記潤滑油流路29からこの油圧導入路32に潤滑油を送り出す。これに対して、上記加圧用圧力調整弁28から過剰分として吐出される作動油の量が少なく、上記潤滑油流路29部分の油圧が上記油圧導入路32部分の油圧よりも低い場合には、上記開閉弁82を閉じる。この状態では、上記固定の絞り77を通過した潤滑油のみが上記潤滑油流路29側に送られる為、上記油圧導入路32部分の潤滑油がこの潤滑油流路29側に過剰に流れる事を防止できる。
その他の構成及び作用は、前述した実施例1或は実施例3と同様であるから、重複する図示並びに説明は省略する。
本発明の実施例1の油圧回路の要部を示す図。 トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせて成り、無限大の変速比を実現できる無段変速装置用として、より具体化した油圧回路を示す図。 加圧用圧力調整弁部分の拡大図。 差圧取り出し弁部分の拡大図。 本発明の実施例2の油圧回路の要部を示す図。 同実施例3を、潤滑油の流通方向が互いに異なる2通りの状態で示す部分断面図。 弁の本体部分を取り出して示す斜視図。 本発明の実施例4の油圧回路の要部を示す略図。 同実施例5の油圧回路の要部を示すブロック図。 同実施例6の油圧回路の要部を示すブロック図。 従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。 従来から知られている、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを組み合わせて成り、無限大の変速比を実現できる無段変速装置の1例を示す略断面図。 従来の油圧回路の要部を示す図。 本発明とは異なり、押圧力に応じた量の潤滑油供給のみを行なえる油圧回路の要部を示す図。
符号の説明
1 入力軸
2 入力側ディスク
3 出力歯車
4、4a 出力側ディスク
5 パワーローラ
6 トラニオン
7 枢軸
8 アクチュエータ
9 駆動軸
10、10a 押圧装置
11 トロイダル型無段変速機
12 遊星歯車式変速機
13 中空回転軸
14 出力軸
15 低速用クラッチ
16 高速用クラッチ
17 リング歯車
18 第一の伝達軸
19 第二の伝達軸
20 油溜
21 高圧ポンプ
22 低圧ポンプ
23 高圧側圧力調整弁
24 変速比制御弁
25a、25b 油圧室
26 低圧側圧力調整弁
27 絞り
28 加圧用圧力調整弁
29 潤滑油流路
30 絞り
31 補助潤滑油流路
32 油圧導入路
33 クラッチ用減圧弁
34 クラッチ
35 高速用切換弁
36 低速用切換弁
37 第二の絞り
38 差圧取り出し弁
39 ステッピングモータ
40 差圧シリンダ
41 ロード電磁弁
42 第一の差圧制御弁
43 第二の差圧制御弁
44 前後進切換弁
45 シフト用切換弁
48 シフト用電磁弁
49 調節用電磁弁
50 手動切換弁
51 シリンダ孔
52 スプール
53 ばね
54a、54b パイロット部
55 第一の圧力導入路
56 ピストン
57 第一のパイロット部
58 第二のパイロット部
59a、59b 第二の圧力導入路
60a、60b 反力室
61 第一の電動式調整弁
62 第二の電動式調整弁
63 油温センサ
64 制御器
65 仕切板
66 通油孔
67 弁体
68 圧縮コイルばね
69 絞り流路
70 杆部
71 頭部
72 ストッパ部材
73 円輪部
74 欠円筒部
75 第一の流路
76 第二の流路
77 固定の絞り
78 逆止弁
79 電磁弁
80a、80b 油圧センサ
81、81a 制御器
82 開閉弁

Claims (10)

  1. 互いに同心に、且つ相対回転自在に配置された第一、第二のディスクと、互いに対向するこれら第一、第二のディスクの内側面同士の間に挟持されてこれら第一、第二のディスク同士の間で動力を伝達する複数のパワーローラと、これら両ディスクの内側面とこれら各パワーローラの周面との転がり接触部を含む可動部に潤滑油を供給する為の給油手段とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、比較的高圧の潤滑油を供給する高圧側油圧源と、比較的低圧の潤滑油を供給する低圧側油圧源とを備え、上記給油手段は潤滑油流路を備え、この潤滑油流路に、上記高圧側油圧源に設けられてこの高圧側油圧源よりも下流側に送られる油圧を調整するリリーフ回路から過剰分として吐出されて第一の流量調整手段を通過した潤滑油を送り込み自在とすると共に、上記潤滑油流路と上記低圧側油圧源とを、第二の流量調整手段を介して連通させた事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 第一のディスクを第二のディスクに向け押圧する油圧式の押圧装置が設けられており、各パワーローラは、第一、第二のディスクの中心軸に対し捩れの位置に存在する枢軸を中心として揺動変位する支持部材に回転自在に支持されており、これら各支持部材は油圧式のアクチュエータにより、それぞれの揺動中心となる枢軸の軸方向に変位駆動自在とされており、このアクチュエータにピストンを挟んで設けた1対の油圧室同士の間の油圧の差が大きくなる程、給油手段から転がり接触部に供給する潤滑油の量を多くする、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 第一、第二の流量調整手段が、固定の絞り流路を備え、流量調整機能を持たない構造を有する、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
  4. 第一、第二の流量調整手段が、潤滑油の流路面積若しくは流通時間を調整自在な絞り流路を備えたものである、請求項1〜2の何れかに記載したトロイダル型無段変速機。
  5. 潤滑油流路に送り込まれる潤滑油の温度を検出する為の油温センサを備え、この潤滑油の温度が高くなる程絞り流路の流路面積を狭くするか流通時間を短くする、請求項4に記載したトロイダル型無段変速機。
  6. 第二の流量調整手段が、低圧側油圧源から潤滑油流路への潤滑油の流れに対する抵抗よりも、この潤滑油流路からこの低圧側油圧源への潤滑油の流れに対する抵抗が小さい構造を有するものである、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  7. 第二の流量調整手段が、低圧側油圧源と潤滑油流路との間に設けられた仕切板と、この仕切板の一部に、これら低圧側油圧源と潤滑油流路とを連通させる状態で設けられた通油孔と、この通油孔の内側に配置されて軸方向の変位に伴ってこの通油孔を開閉する弁体と、この弁体に対してこの通油孔を塞ぐ方向の弾力を付与する弾性部材と、この弁体の一部に設けられてこの弁体が上記通油孔を塞いだ状態でも上記低圧側油圧源と潤滑油流路とを連通させる絞り流路とを備え、上記潤滑油流路から上記低圧側流路に潤滑油が流れる際に、上記弁体が上記弾性部材の弾力に抗して変位し、上記通油孔を開く構造を有する、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
  8. 第二の流量調整手段が、低圧側油圧源と潤滑油流路との間に互いに並列に設けられた第一、第二の流路と、このうちの第一の流路の途中に直列に設けられた固定の絞りと、残りの第二の流路の途中に設けられた、上記潤滑油流路から上記低圧側流路に潤滑油が流れる際に開き、この潤滑油が逆方向に流れる際に閉じる逆止弁とから成るものである、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
  9. 第二の流量調整手段が、電磁式に流路を拡縮する電磁弁であり、この電磁弁は、低圧側油圧源側の油圧が潤滑油流路側の油圧よりも高い場合に流路を狭くし、この低圧側油圧源側の油圧がこの潤滑油流路側の油圧よりも低い場合に流路を広くするものである、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
  10. 第二の流量調整手段が、低圧側油圧源と潤滑油流路との間に互いに並列に設けられた第一、第二の流路と、このうちの第一の流路の途中に直列に設けられた固定の絞りと、残りの第二の流路の途中に直列に設けられた電磁式の開閉弁とから成り、この開閉弁は、上記低圧側油圧源側の油圧が上記潤滑油流路側の油圧よりも高い場合に閉じられ、この低圧側油圧源側の油圧がこの潤滑油流路側の油圧よりも低い場合に開かれるものである、請求項6に記載したトロイダル型無段変速機。
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