JP4457291B2 - スチレン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレンモノマーと多分岐状マクロモノマーとを含んでなる混合物を反応せしめることによる線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンからなるスチレン系樹脂組成物の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、ゲル化し難く、製造効率を向上し、且つ成形加工性に優れたスチレン系樹脂組成物をもたらすことができる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂は剛性が高く、寸法安定性に優れ、かつ安価であることから、成形用途に広く使用されている。しかしながら、近年、種々の用途において、スチレン系樹脂の更なる強度向上が求められている。スチレン系樹脂の強度向上には、スチレン系樹脂の高分子量化が有効な手段であるが、従来の線状ポリスチレンでは、工業的生産性が悪い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、ポリスチレンに分岐構造をもたらす例として、スチレンにジビニルベンゼン等の2個以上のビニル基を有する化合物を共重合させてポリスチレン鎖に分岐構造を導入して得た質量平均分子量20万〜200万のポリスチレン系共重合体が記載されている。しかしながら、該共重合体は重合工程中にゲル化を起こしやすいため、工業的に生産しにくく、その添加量は自ずと制限される(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、同じく高分子量化されたスチレン系樹脂を得る試みとして、アニオン重合により得られた星形分岐状ポリスチレンをラジカル重合により得られた線状ポリスチレンと混合する方法があるが、アニオン重合を用いるため、煩雑な制御が必要であり、工業生産には不適である(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】
特公昭41−19511号公報
【特許文献2】
特開平7−166013号公報
【特許文献3】
特開平9−316261号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、反応制御が簡便で、ゲル化し難く、製造効率を向上し、且つ成形加工性に優れたポリスチレンと多分岐状ポリスチレンの樹脂組成物をもたらすことができる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、多分岐状マクロモノマーとスチレンとの混合物を重合させることにより、分子量の高いスチレン系樹脂組成物が、工業的に(ゲル化を抑制して)生産可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、スチレンモノマーと多分岐状マクロモノマーとを含んでなる混合物を、2個以上の反応槽で連続的に反応させることを特徴とする線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンとを含有するスチレン系樹脂組成物の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、分子末端に複数の二重結合を有する多分岐状マクロモノマーとスチレンとを重合させることにより得られる多分岐状ポリスチレンと、同時に生成する線状ポリスチレンからなるスチレン系樹脂組成物を反応槽を2つ以上用いて工業的に効率よく連続的に製造する方法である。
【0009】
本発明に於いて、多分岐状ポリスチレンを生成するのに用いられる多分岐状マクロモノマーとしては、複数の分岐を有し、且つその先端部に複数の重合性二重結合を有するものである。また、その質量平均分子量(Mw)が、好ましくは1000〜30000 、より好ましくは2000〜10000 であり、また分子中のその重合性二重結合の含量が好ましくは1.0〜5.0mmol/g、より好ましくは1.5〜3.5mmol/gである。
尚、本発明では、多分岐状マクロモノマーをスチレンモノマーに対して好ましくは50ppm〜1%、より好ましくは100ppm〜3000ppmの比率で用いるのが好適である。かかる比率であると、多分岐状ポリスチレンの生成が容易であり、ゲル化の抑止をすることが簡便である。
【0010】
本発明で使用される多分岐状マクロモノマーの1つとして、電子吸引基と該電子吸引基に結合する結合手以外の3つの結合手すべてが炭素原子に結合している飽和炭素原子とからなる分岐構造と芳香環に直接結合した二重結合を含有する多分岐状マクロモノマーを挙げることができる。
上記多分岐状マクロモノマーとしては、下記一般式で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。この多分岐状マクロモノマーは、AB型モノマーから誘導されるハイパーブランチマクロモノマーである。
【化1】
Figure 0004457291
【0011】
[式中、Yは−CN、−NO、−CONH、−CON(R)、−SOCH、−P(=O)(OR)(ここでRはアルキル基またはアリール基を表す)から成る群から選ばれる電子吸引基であり、
はアリーレン基、−O−CO−または−NH−CO−であり、
Zは−(CHO−、−(CHCHO)−、−(CHCHCHO)−から成る群から選ばれる基であり、かつYが−O−CO−または−NH−CO−である場合はZは−(CH−、−(CHAr−、−(CHO−Ar−、−(CHCHO)−Ar−、または−(CHCHCHO)−Ar−(ここでArはアリール基である)を表す]
【0012】
ここで、Yは例えば、
【0013】
【化2】
Figure 0004457291
【0014】
から成る群から選ばれるアリーレン基であり、なかでもYは−CN、Yはフェニレン基が好適である。Yがフェニレン基である場合は、Zの結合位置はo−位、m−位又はp−位のいずれであってもよく特に制限されるものではないが、p−位が好ましい。またZの繰り返し数nは特に制限されるものではないが、スチレンへの溶解性の点から1〜12が好ましく、更に好ましくは2〜10が好ましい。
【0015】
上記分岐構造を有する多分岐状マクロモノマーは、塩基性化合物の存在下で、(1)1分子中に活性メチレン基と、活性メチレン基の求核置換反応における脱離基とを有するAB型モノマーを求核置換反応させて得られる多分岐状の自己縮合型重縮合体を前駆体として、(2)該重縮合体中に残存する未反応の活性メチレン基またはメチン基を、1分子中に芳香環に直接結合した二重結合と活性メチレン基の求核置換反応における脱離基とを有する化合物と求核置換反応させることによって得られる。
【0016】
ここで、活性メチレン基の求核置換反応における脱離基とは、いずれも飽和炭素原子に結合したハロゲン、−OS(=O)R(Rはアルキル基またはアリール基を表す)などであり、具体的には、臭素、塩素、メチルスルホニルオキシ基、トシルオキシ基などが挙げられる。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの強アルカリが好適であり、反応に際しては水溶液として使用する。
【0017】
1分子中に活性メチレン基と活性メチレン基の求核置換反応における脱離基とを有するAB型モノマーとしては、たとえばブロモエトキシ−フェニルアセトニトリル、クロロメチルベンジルオキシ−フェニルアセトニトリルなどのハロゲン化アルコキシ−フェニルアセトニトリル類、トシルオキシ−(エチレンオキシ)−フェニルアセトニトリル、トシルオキシ−ジ(エチレンオキシ)−フェニルアセトニトリルなどのトシルオキシ基を有するフェニルアセトニトリル類が挙げられる。
【0018】
1分子中に芳香環に直接結合した二重結合と、活性メチレン基の求核置換反応における脱離基とを有する代表的な化合物としては、たとえば、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレンなどが挙げられる。
【0019】
上記(1)は前駆体としての重縮合体を合成する反応であり、(2)は前駆体に芳香環に直接結合した二重結合を導入して多分岐状マクロモノマーを合成する反応である。(1)の反応と(2)の反応は、それぞれの反応を逐次的に行うことができるが、同一の反応系で同時に行うこともできる。多分岐状マクロモノマーの分子量は、単量体と塩基性化合物との配合比を変えることによって制御することができる。
【0020】
本発明において使用する多分岐状マクロモノマーの好ましいものの他のものとして、好ましくはエステル結合、エーテル結合及びアミド結合から選ばれる繰り返し構造単位からなる分岐構造と、分岐末端構のエチレン性二重結合とを含有する多分岐状マクロモノマーを挙げることができる。
【0021】
エステル結合を繰り返し構造単位として有する多分岐状マクロモノマーは、分子鎖を形成するエステル結合のカルボニル基に隣接する炭素原子が飽和炭素原子であり、かつ該炭素原子上の水素原子がすべて置換されている分子鎖からなる多分岐ポリエステルポリオールに、ビニル基またはイソプロペニル基などのエチレン性二重結合を導入したものである。多分岐ポリエステルポリオールにエチレン性二重結合を導入する場合、エステル化反応や付加反応によって行うことができる。
尚、上記ポリエステルポリオールとして、Perstorp社製「Boltorn H20、H30、H40」が市販されている。
【0022】
上記多分岐ポリエステルポリオールは、そのヒドロキシ基の一部にあらかじめエーテル結合やその他の結合によって置換基が導入されていてもよいし、また、そのヒドロキシ基の一部が酸化反応やその他の反応で変性されていてもよい。また、多分岐ポリエステルポリオールは、そのヒドロキシ基の一部が、あらかじめエステル化されていても良い。
【0023】
かかる多分岐状マクロモノマーの代表的なものとしては、例えば水酸基を1個以上有する化合物に、カルボキシル基に隣接する炭素原子が飽和炭素原子であり、かつ該炭素原子上の水素原子がすべて置換され、且つ水酸基を2個以上有するモノカルボン酸を反応することにより多分岐状ポリマーとし、次いで該ポリマーの末端基である水酸基にアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和酸、イソシアネート基含有アクリル系化合物などを反応させて得られるものが挙げられる。尚、エステル結合を繰り返し構造単位として有する多分岐状ポリマーについては、タマリア(Tamalia)氏等による
「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.29」p138〜177(1990)にも記載されている。
【0024】
上記水酸基を1個以上有する化合物としては、a)脂肪族ジオール、脂環式ジオール、又は芳香族ジオール、b)トリオール、c)テトラオール、d)ソルビトール及びマンニトール等の糖アルコール、e)アンヒドロエンネア−ヘプチトール又はジペンタエリトリトール、f)α−メチルグリコシド等のα−アルキルグルコシド、g)エタノール、
ヘキサノールなどの一官能性アルコール、h)分子量が多くとも8000であり、かつ、
アルキレンオキシド或いはその誘導体と、上記a)〜g)のいずれかから選択されたア
ルコールの1種以上のヒドロキシル基とを反応させることにより生成された水酸基含有ポリマーなどを挙げることができる。
【0025】
脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオールとしては、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリテトラヒドロフラン、ジメチロールプロパン 、ネオペンチルプロパン、2−プロピル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール;シクロヘキサンジメタノール、1,3−ジオキサン−5,5−ジメタノール;1,4−キシリレンジメタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオールなどが挙げられる。
トリオールとしては、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールブタン、グリセロール、1,2,5−ヘキサントリオールなどが挙げられる。
テトラオールとしては、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジグリセロール、ジトリメチロールエタンなどを挙げることができる。
芳香環に結合した水酸基を2個以上有する芳香族化合物としては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,4−キシリレンジメタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオールなどを挙げることができる。
カルボキシル基に隣接する炭素原子が飽和炭素原子であり、かつ該炭素原子上の水素原子がすべて置換され、且つ水酸基を2個以上有するモノカルボン酸としては、ジメチロールプロピオン酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、α,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)酢酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸などがある。かかるモノカルボン酸を使用することにより、エステル分解反応が抑制され、多分岐ポリエステルポリオールを形成することができる。
また、かかる多分岐状ポリマーを製造する際に、触媒を使用するのが好ましく、かかる触媒としては、例えばジアルキルスズオキシド、ハロゲン化ジアルキルスズ、ジアルキルスズビスカルボキシレート、あるいはスタノキサンなどの有機錫化合物、テトラブチルチタネートなどのチタネート、ルイス酸、パラトルエンスルホン酸などの有機スルホン酸などが挙げられる。
【0026】
エーテル結合を繰り返し構造単位として有する多分岐状マクロモノマーは、例えば水酸基を1個以上有する化合物に水酸基を1個以上有する環状エーテル化合物を反応することにより多分岐状ポリマーとし、次いで該ポリマーの末端基である水酸基にアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和酸、イソシアネート基含有アクリル系化合物、4−クロロメチルスチレンなどのハロゲン化メチルスチレンを反応させて得られるものが挙げられる。また、多分岐状ポリマーの製法としては、Williamsonのエーテル合成法に基づいて、水酸基を1個以上有する化合物と、2個以上の水酸基とハロゲン原子、−OSO2OCH3又は−OSO2CH3を含有する化合物とを反応する方法も有用である。
【0027】
水酸基を1個以上有する化合物としては、前記するものが使用することができ、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、2,3−エポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシ−1−ブタノール、3,4−エポキシ−1−ブタノールなどが挙げられる。Williamsonのエーテル合成法に於いて使用される水酸基を1個以上有する化合物としては、前記したものでよいが、芳香環に結合した水酸基を2個以上有する芳香族化合物が好ましい。かかる化合物の代表的なものとしては、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,4−キシリレンジメタノール、1−フェニル−1,2−エタンジオールなどが挙げられる。
また、2個以上の水酸基とハロゲン原子、−OSO2OCH3又は−OSO2CH3を含有する化合物としては、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−エチル−2−(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
なお、上記多分岐状ポリマーを製造する際には、通常触媒を使用するのが好ましく、かかる触媒としては例えばBF3ジエチルエーテル、FSO3H、CLSO3H、HCLO4などを挙げることができる。
【0028】
また、アミド結合を繰り返し構造単位として有する多分岐状マクロモノマーとしては、例えば分子中にアミド結合を窒素原子を介して繰り返し構造となったものがあり、Dentoritech社製のゼネレーション2.0(PAMAMデントリマー)が代表的なものである。
【0029】
多分岐状マクロモノマーに導入される、芳香環に直接結合した二重結合の数が多いほど、スチレンとの共重合体である多分岐状ポリスチレンの分岐度が高くなる。本発明に用いる多分岐状マクロモノマーの分岐度(DB)は、下記の式3により定義され、分岐度(DB)の範囲は0.3〜0.8が好ましい。
【0030】
【式1】
DB=(D+L)/(D+T+L)
(式中、Dはデンドリックユニットの数、Lは線状ユニットの数、Tは末端ユニットの数を表す)
【0031】
なお、上記D、LおよびTは、13C−NMRにより測定できる活性メチレン基及びその反応に由来する第2、第3、第4炭素原子数により求めることができ、Dは第4炭素原子数に、Lは第3炭素原子数に、Tは第2炭素原子数に相当する。
【0032】
本発明において使用する多分岐状マクロモノマーの質量平均分子量は、多分岐状ポリスチレンの質量平均分子量を1000万以下に制御するために、1000〜15000であることが好ましく、2000〜5000であることがより好ましい。
【0033】
多分岐状マクロモノマーに導入される末端部位の二重結合の含有量は、多分岐状マクロモノマー1g当たり0.1ミリモル〜5.5ミリモルであることが好ましく、0.5ミリモル〜3.5ミリモルがなお好ましい。0.1ミリモルより少ない場合は、高分子量の多分岐状ポリスチレンが得られにくく、5.5ミリモルを超える場合は、多分岐状ポリスチレンの分子量が過度に増大する。
【0034】
前記多分岐状マクロモノマーとスチレンとを重合させることにより、多分岐状マクロモノマーとスチレンとの共重合体である多分岐状ポリスチレンと、同時に生成する線状ポリスチレンとの混合物である本発明のスチレン系樹脂組成物が得られる。
【0035】
スチレンに対する多分岐状マクロモノマーの配合率は、質量基準で50ppm〜1%が好ましく、100ppm〜2000ppmがより好ましい。多分岐状マクロモノマーの配合率が50ppmより少ない場合は、本発明の十分な効果が得られにくい。
【0036】
本発明では、上記多分岐状マクロモノマーとスチレンモノマーとを含有する混合物を溶液重合法又は溶融重合法によって反応するのが好ましい。特に、得られる樹脂組成物の質量分子量を高くするためには溶融重合法で行うのが好ましく、その際有機溶剤を添加せずに実施することもできるが、少量の有機溶剤を併用するのが反応物の粘性を低下させ、重合物分子量の制御が容易であることから好ましい。
【0037】
本発明の製造方法を溶液重合法又は溶融重合法で行う際に使用され得る有機溶剤としては、連鎖移動定数が0.1×10 5〜1×10 4であるものが好ましく、0.2×10 5〜0.8×10 5であるものがより好ましい。その例として、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、アセトニトリル、ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、シアノベンゼン、ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン等が好ましい。その使用量については、スチレンモノマー100質量部に対し、5質量部〜50質量部が好ましく、6質量部〜20質量部がより好ましい。尚、有機溶剤を使用して重合を行うと、有機溶剤不溶分の生成をも抑制し易い。
【0038】
特に多分岐状マクロモノマーの添加量を多くしたい場合には、ゲル化を抑制する観点からも上記有機溶剤を使用することが必要となる。これにより、先に示した多分岐状マクロモノマーの添加量を増量させることが可能である。
【0039】
本発明の製造方法では、実質的にラジカル重合開始剤が用いられる。かかる開始剤としては、半減期が10時間になる温度が75〜140℃であるものが好ましく、より好ましくは、温度が85〜135℃である。半減期が75℃未満、140℃より大きい場合は、ポリマーの分子量制御が困難となる。公知慣用の例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類、
クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、ジシナモイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシイシプロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類、
N,N’−アゾビスイソブチルニトリル、N,N’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、N,N’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、N,N’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、N,N’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]等が挙げられ、これらの1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0040】
これらの添加量としては、ポリマーのスチレンモノマーに対し、50ppm未満の添加であると、ポリマーの生産性が落ち、また、1000ppmより大きい場合には、分子量制御が困難となることから、50ppm〜1000ppmが好ましく、より好ましくは100〜500ppmである。
【0041】
更にスチレン系樹脂組成物の分子量が過度に大きくなりすぎないように連鎖移動剤を添加してもよい。連鎖移動剤としては、連鎖移動基を1つ有する単官能連鎖移動剤でも連鎖移動剤を複数有する多官能連鎖移動剤を使用できる。単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられる。
【0042】
多官能連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール水酸基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したものが挙げられる。
【0043】
上記で述べた、スチレンモノマー、多分岐状マクロモノマー、有機溶剤、有機過酸化物を均一に混合し、モノマー含有混合物として反応槽へ連続供給する。その際の反応槽は、少なくとも2つ以上使用され、それらは連結されており、一番目の反応槽に於けるモノマーの反応率より二番目以降の反応槽に行く程モノマーの反応率が高くなるように設定されている。各槽によりスチレンモノマーと多分岐状マクロモノマーとを連続的に反応させるためには、ある程度反応が進んだ次点でモノマーを追加するか、前の反応槽の反応混合物の一部を流入して、反応を進めることによって行うことができる。この際、流入量と流出量が比較的少量であれば、連続的に反応を進められ、また反応槽が多ければ流入量と流出量を多くすることが可能である。勿論、本発明では、半バッチ連続製造法、即ち前の反応槽で重合を行って、ほぼ目的の反応率に達した時にかなりの量、例えばその反応槽の約半分の量を次ぎの反応槽に追加して反応を進める製造法も可能である。
尚、本発明の製造方法での反応槽の数は、通常の反応釜や円筒状のリアクターでは3〜5個が好ましく、また循環式の場合には3〜7個が好ましい。
【0044】
本発明の製造方法では、各反応槽において、反応液の重合温度が、100℃〜170℃の範囲で、実質的に均一攪拌混合する必要があり、重合温度が100℃より低いと、重合時間が長くなり、生産性が低下し、経済的に不利であり、170℃より高くなると、二量体、三量体生成を招き、得られた重合物の物性が低下する可能性がある。各槽に於ける反応温度はほぼ一定あってもよいが、後段の反応槽では重合をより進める必要から、前の反応槽よりも高めの温度設定が好ましい。
【0045】
各反応槽における平均滞在時間は、1〜7時間の範囲が好ましい。この範囲にすることにより、重合制御が安定するとともに、品質の高いスチレン系樹脂組成物を製造することができる。滞在時間が1時間より短いと、ラジカル開始剤の使用量を増加させる必要があり、重合反応の制御が困難になる。好ましくは、2時間以上である。7時間を超えると生産性が低下するので、より好ましくは6時間以下である。各槽に於ける反応時間はほぼ一定あってもよいが、後段の反応槽では重合をより進める必要から、前の反応槽よりも長めの反応時間の設定が好ましい。
【0046】
各反応槽では、重合反応と攪拌による発熱が生じることから、除熱及び場合により加熱することによって、重合温度を制御する。温度制御は、ジャケット、熱媒循環による伝熱除熱または加熱、モノマー混合物の冷却供給、加温供給などの方法が挙げられる。
【0047】
また、最後の反応槽に於いて、反応混合物中の重合体含有率は40〜100質量%の範囲で実質的に一定であることが極めて重要であり、安定的に生産する上では、重合体含有率が60〜90質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは65〜85質量%である。
【0048】
本発明に於いて、多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂組成物を連続的に製造する方法は、特に限定されるものではないが、▲1▼多段の完全混合槽(STR)▲2▼複数のピストンフロー型反応器(PTR、塔式重合器)▲3▼STR+PTRのいずれの場合においても、重合することが可能である。
【0049】
また、連続塊状重合によって多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂組成物を製造する方法については、特に限定されるものではないが、一個以上の攪拌式反応器(反応槽)と可動部分の無い複数のミキシングエレメントが内部に固定されている反応槽、即ち管状反応器(静的ミキシングエレメントを有する管状反応器)を組み込んだ連続塊状重合ライン中で、該管状反応器による静的な混合を行いながら連続的に塊状重合を行うことにより、ポリマー分子量の均一性を保つことが可能なことから好ましい。
【0050】
上記管状反応器の内部に固定されている複数のミキシングエレメントとしては、例えば管内に流入した重合液の流れの分割と流れの方向を変え、分割と合流を繰り返すことにより、重合液を混合するものが挙げられ、このような管状反応器としては、例としてSMX型、SMR型のスルザー式の管状ミキサー、ケニックス式のスタティクミキサー、東レ式の管状ミキサーなどが挙げられるが、特にSMX型、SMR型のスルザー式の管状ミキサーが好ましい。
【0051】
この様な連続塊状重合ラインを用いて多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂組成物を製造する際、一個以上の攪拌式反応器からなる非循環重合ライン(II)に流出せずに、管状反応器からなる循環重合ライン(I)内を還流する混合溶液の流量をF1(リットル/時間)とし、循環重合ライン(I)から非循環重合ライン(II)に流出する混合溶液の流量F2(リットル/時間)とした場合の、還流比(R = F1/F2)は3〜15の範囲が好ましい。
【0052】
次ぎに、上記連続塊状重合ラインを用いたスチレン系樹脂組成物の重合方法を、図1の工程図により説明する。
プランジャーポンプ(1)によってスチレンモノマーと多分岐状マクロモノマーとを含んでなる混合物などは、まず攪拌式反応器(2)へ送られ、攪拌下で初期重合させた後、ギアポンプ(3)により、静的ミキシングエレメントを有する管状反応器(4),(5)および(6)とギアポンプ(7)とを有する循環重合ライン(I)に送られる。
攪拌式反応器(2)での初期重合は、全モノマーの合計の重合転化率が、該反応器(2)の出口において10〜40重量%、好ましくは14〜30重量%となる迄実施することが好ましい。また、攪拌式反応器(2)としては、例えば攪拌式槽型反応器、攪拌式塔型反応器等が挙げられ、攪拌翼としては、例えばアンカー型、タービン型、スクリュー型、ダブルヘリカル型、ログボーン型等の攪拌翼が挙げられる。
次に、循環重合ライン(I)内で、重合液は循環しながら重合が進み、その一部の重合液は、次の非循環重合ライン(II)へ送られる。ここで、循環重合ライン(I)内を循環する重合液の流量と、非循環重合ライン(II)へ流出する重合液の流量との比、還流比Rは、非循環重合ライン(II)に流出せずに循環重合ライン(I)内を還流する混合溶液の流量をF1 (リットル /時間)とし、循環重合ライン(I)から非循環重合ライン(II)に流出する混合溶液の流量F2 (リットル/時間)とした場合、通常R=F1 /F2 が3〜15の範囲であることが好ましい。
また、該循環重合ライン(I)での重合は、該循環重合ライン(I)出口での全モノマーの合計の重合転化率が、通常30〜70質量%、好ましくは35〜65質量%になる様に重合させる。重合温度としては120〜140℃が適している。
非循環重合ライン(II)での重合温度は、通常140〜160℃の重合温度であり、重合転化率60〜90質量%となるまで連続的に重合される。
次に、この混合溶液はギアポンプ(11)により予熱器、次いで脱揮発槽に送られ、減圧下にて未反応単量体および溶剤を除去した後、ペレット化することにより目的とする組成物が得られる。
【0053】
本発明で得られるスチレン系樹脂組成物をGPCで分子量測定すると、線状ポリスチレンに由来するピークが低分子量側に、多分岐状ポリスチレンに由来するピークが高分子量側に現れ、両ピークの面積比から両ポリスチレンの組成比と、それぞれのポリスチレンの質量平均分子量(Mw)を決定することができる。
【0054】
スチレン系樹脂組成物に含まれる線状ポリスチレンの質量平均分子量(Mw)は好ましくは15万〜35万であり、また多分岐状ポリスチレンの質量平均分子量(Mw)は好ましくは100万〜1000万であり、より好ましくは200万〜500万である。
【0055】
更にスチレン系樹脂組成物の質量平均分子量(Mw)は好ましくは25万〜70万であり、より好ましくは28万〜50万である。また樹脂組成物中の線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンの質量比は、線状ポリスチレン:多分岐状ポリスチレンが99.5:0.5から75:25が好ましく、より好ましくは、99:1から85:15である。
【0056】
本発明のスチレン系樹脂組成物には、従来の線状ポリスチレンでは見られなかった超高分子量の多分岐状ポリスチレンを含むが、本発明のスチレン系樹脂組成物は、このような超高分子量成分を含んでいても、ゲル化が実質的に生じないために、有機溶媒に容易に溶解する。
【0057】
多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂組成物において、高分子量部分の比率を変動させるために、直鎖のポリスチレンを加えて、高分子量部分の比率を減少させたり、高分子量部分が多いポリスチレンを加えて、高分子量部分の比率を増加させることによる組成比率を変動させることも可能である。
【0058】
本発明によって得られる多分岐状ポリスチレンを含有するスチレン系樹脂組成物は、高分子量でありながら、同等の分子量を有する従来の線状ポリスチレンと比較して、メルトマスフローレイトが高く、スチレン系樹脂組成物の製造時ならびに成形加工時の流動性に優れ、優れた生産性ならびに加工性が有する。このため、射出成形、押出成形、真空成形、圧空成形、押出発泡成形、カレンダー成形、ブロー成形などの成形方法による各種成形品として従来よりも広い用途に使用することができる。
【0059】
【実施例】
以下に実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。本発明はもとより、これらの実施例の範囲に限定されるべきものではない。次に用いた測定方法について説明する。
【0060】
(GPC測定法)
高速液体クロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8220GPC)、RI検出器、TSKgel G6000H×1+G5000H×1+G4000H×l+G3000H×l+TSKguard columnH×l-H、溶媒THF、流速1.0ml/分、温度40℃にて測定した。
【0061】
クロマトグラフの解析はマルチステーションGPC−8020にて行い、2つ現れたピークを解析ソフトにて分離し、線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンの各々の質量平均分子量を求め、結果を表1から3に示した。表中のP1Mw、P2Mwは線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンの各々の質量平均分子量を示す。またピークの分離解析を実施する前の樹脂組成物全体の質量平均分子量を全体Mw、検出された最大のMwを最大Mwとして表中に示した。
【0062】
実施例3のクロマトグラフを図2に示した。横軸がリテンションタイム、縦軸がピーク強度であり、リテンションタイムが小さい成分ピークほど高い分子量を有する。図中、実線は測定結果により得られたピーク、破線は解析結果により得られたピークを表す。高分子量側のピークが多分岐状ポリスチレン(P2)、低分子量側のピークが線状ポリスチレン(P1)である。
【0063】
(NMR測定法)
核磁気共鳴分光法(H−NMR)により多分岐状マクロモノマーのエチレン性二重結合の量を求め、試料質量当たりのモル数で示した。また請求項3の多分岐状マクロモノマーにおいて、13C−NMRにより、活性メチレン基及びその反応に由来する第2、第3、第4炭素原子数を求めることにより、分岐度を求めた。
【0064】
(メルトマスフローレイト測定法)
JIS K7210:99に従って測定した。なお測定条件は、温度200℃。荷重49Nである。
【0065】
(トルエン不溶分測定法)
試料をトルエンに1g/100mlの濃度にて溶解後、溶液中の不溶分を12000rpmで30分間、遠心分離した。遠心分離されたトルエン不溶分を乾燥し、乾燥後の質量を求め次式によりトルエン不溶分を求めた。
トルエン不溶分(%)=[乾燥後の不溶分質量/試料の質量]×100
【0066】
(連続塊状重合装置)
本実施例で得られるスチレン系樹脂組成物は、図2に示すように配列された装置により得られる。スチレン、多分岐状マクロモノマー及び溶媒を含む混合溶液を、プランジャーポンプ(1)によって20リットルの攪拌式反応器(2)へ送り、攪拌翼による動的混合下で初期重合した。次いで、この混合溶液をギアポンプ(3)により循環重合ライン(I)へ送る。循環重合ライン(I)は入口から順に内径2.5インチ管状反応器(スイス国ゲブリューター・ズルツァー社製SMX型スタティックミキサー・静的ミキシングエレメント30個内蔵)、(4)、(5)及び(6)と混合溶液を循環させるためのギアポンプ(7)から構成されている。管状反応器(6)とギアポンプ(7)の間には非循環重合ライン(II)には入口から順に上記と同様の管状反応器(8)、(9)及び(10)とギアポンプ(11)が直結されている。
【0067】
(参考例1)多分岐状マクロモノマー(M−m1)の合成
撹拌装置、滴下ロート、温度計、窒素導入装置およびバブラーを備えた1000mlの茄子型フラスコに、4−ブロモジ(エチレンオキシ)フェニルアセトニトリル35gを窒素雰囲気下にて800mlジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解した。水浴にて内温を30℃とした後、66mlの50%水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。30℃に保持したまま2時間撹拌し多分岐状マクロモノマーの前駆体を得た。更に該反応物に56.6gの4−クロロメチルスチレンを滴下し2時間撹拌することにより、多分岐状マクロモノマー溶液を得た。
【0068】
得られた溶液を濾過して固形分を除き、この濾液を225mlの5モル/L塩酸水溶液を含むメタノール5L中に投入し多分岐状マクロモノマーを沈殿させた。沈殿した多分岐状マクロモノマーを吸引ろ過し、蒸留水、メタノールの順で3回繰り返し洗浄した。得られた多分岐状マクロモノマーを24時間減圧下で乾燥し、多分岐状マクロモノマー(M−m1)24gを得た。
【0069】
得られた多分岐状マクロモノマー(M−m1)をGPCにより測定した結果、質量平均分子量(Mw)は11,000であった。またH−NMRの測定結果から、芳香環に直接結合した二重結合導入量は2.66ミリモル/gであることが確認された。分岐度は0.6であった。
【0070】
(参考例2)多分岐状マクロモノマー(M−m2)の合成
参考例1における4−ブロモジ(エチレンオキシ)フェニルアセトニトリルの代わりに4−トシルオキシジ(エチレンオキシ)フェニルアセトニトリルを用いた以外は、参考例1と同様にして、25gの多分岐状マクロモノマー(M−m2)を得た。得られた多分岐状マクロモノマー(M−m2)の質量平均分子量(Mw)は5,800であった。またH−NMRの測定結果から芳香環に直接結合した二重結合導入量は2.04ミリモル/gであった。
【0071】
(参考例3)多分岐状マクロモノマー(M−m3)の合成
撹拌装置、滴下ロート、温度計、窒素導入装置およびバブラーを備えた1000mlの茄子型フラスコに、窒素雰囲気下にてフェニルアセトトリル0.8gを800mlジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解した。水浴にて内温を30℃とした後、66mlの50%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。その後に、4−トシルオキシモノ(エチレンオキシ)フェニルアセトニトリル40gを5分間かけて加え、30℃に保持したまま35分間撹拌し多分岐状マクロモノマーの前駆体を得た。更に該反応物に56.6gの4−クロロメチルスチレンを滴下し3時間撹拌することにより、多分岐状マクロモノマー溶液を得た。
【0072】
得られた溶液を濾過して固形分を除き、この濾液を225mlの5モル/L塩酸水溶液を含むメタノール5L中に投入し多分岐状マクロモノマーを沈殿させた。沈殿した多分岐状マクロモノマーを吸引ろ過し、蒸留水、メタノールの順で3回繰り返し洗浄した。得られた多分岐状マクロモノマーを24時間減圧下で乾燥し、多分岐状マクロモノマー(M−m3)24.7gを得た。
【0073】
得られた多分岐状マクロモノマー(M−m3)をGPCにより測定した結果、質量平均分子量(Mw)は2.600であった。またH−NMRの測定結果から、芳香環に直接結合した二重結合導入量は4.20ミリモル/gであることが確認された。
【0074】
(参考例4)多分岐状マクロモノマー(M−m4)の合成
<多分岐ポリエーテルポリオール1の合成>
攪拌機、温度計、滴下ロート及びコンデンサーを備えた2リットルフラスコに、室温下、エトキシ化ペンタエリスリトール(5モル−エチレンオキシド付加ペンタエリスリトール)50.5g、BF3ジエチルエーテル溶液(50パーセント)1gを加え、110℃に加熱した。これに3―エチルー3―(ヒドロキシメチル)オキセタン 450gを、反応による発熱を制御しつつ、35分間でゆっくり加えた。発熱が収まったところで、反応混合物をさらに120℃で3.5時間撹拌し、その後、室温に冷却した。
得られた多分岐ポリエーテルポリオールの質量平均分子量は3,500、水酸基価は510であった。
【0075】
<メタアクリロイル基及びアセチル基を有する多分岐ポリエーテル1の合成>
攪拌機、温度計、コンデンサーを備えたディーンスタークデカンター及び気体導入管を備えた反応器に、上述の<多分岐ポリエーテルポリオール1の合成>で得られた多分岐ポリエーテルポリオール50g、メタアクリル酸13.8g、トルエン 150g、ヒドロキノン 0.06g、パラトルエンスルホン酸 1gを加え、混合溶液中に3ミリリットル/分の速度で7%酸素含有窒素を吹き込みながら、常圧下で撹拌し、加熱した。デカンターへの留出液量が1時間あたり30gになるように加熱量を調節し、脱水量が2.9gに到達するまで加熱を続けた。
反応終了後、一度冷却し、無水酢酸 36g、スルファミン酸 5.7gを加え、60℃で10時間撹拌した。その後、残っている酢酸及びヒドロキノンを除去する為に5%水酸化ナトリウム水溶液50gで4回洗浄し、さらに1%硫酸水溶液50gで1回、水50gで2回洗浄した。得られた有機層にメトキノン0.02gを加え、減圧下、7%酸素を導入しながら溶媒を留去し、イソプロペニル基およびアセチル基を有する多分岐ポリエーテル60gを得た。得られた多分岐ポリエーテルの質量平均分子量は4500であり、多分岐ポリエーテルポリオールへのイソプロペニル基およびアセチル基導入率は、それぞれ35%および60%であった。
【0076】
(参考例5)多分岐状マクロモノマー(M−m5)の合成
<スチリル基及びアセチル基を有する多分岐ポリエーテル1の合成>
攪拌機、乾燥管を備えたコンデンサー、滴下ロート及び温度計を備えた反応器に、上述の<多分岐ポリエーテルポリオール1の合成>で得られた多分岐ポリエーテルポリオール50g、テトラヒドロフラン 100g及び水素化ナトリウム4.3gを加え、室温下、撹拌した。これに4−クロロメチルスチレン 26.7gを1時間かけて滴下し、得られた反応混合物を50℃でさらに4時間撹拌した。
反応終了後、一度冷却し、無水酢酸 34g、スルファミン酸 5.4gを加え、60℃で10時間撹拌した。その後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた混合物をトルエン150gで溶解させ、残っている酢酸を除去する為に5%水酸化ナトリウム水溶液50gで4回洗浄し、さらに1%硫酸水溶液50gで1回、水50gで2回洗浄した。得られた有機層から減圧下で溶媒を留去し、スチリル基およびアセチル基を有する多分岐ポリエーテル70gを得た。得られた多分岐ポリエーテルの質量平均分子量は5300であり、多分岐ポリエーテルポリオールへのスチリル基およびアセチル基導入率は、それぞれ40%および55%であった。
【0077】
(参考例6)多分岐状マクロモノマー(M−m6)の合成
<スチリル基を有するPAMAMデンドリマーの合成>
攪拌機、乾燥管を備えたコンデンサー、滴下ロート及び温度計を備えた反応器にPAMAMデンドリマー(ゼネレーション2.0:Dentritech社製)のメタノール溶液(20重量パーセント) 50gを加え、減圧下、撹拌しながらメタノールを留去した。続いて、テトラヒドロフラン 50g及び微粉化した水酸化カリウム 2.6gを加え、室温下、撹拌した。これに4−クロロメチルスチレン 7.2gを10分間かけて滴下し、得られた反応混合物を50℃でさらに4時間撹拌した。
反応終了後、冷却し、固体を濾過した後に、テトラヒドロフランを減圧下、留去し、スチリル基を有するPAMAMデンドリマー 14gを得た。得られたデンドリマーのスチリル基含有量は3.0ミリモル/グラムであった。
【0078】
(参考例7)多分岐状マクロモノマー(M−m7)の合成
<スチリル基及びアセチル基を有する多分岐ポリエーテルポリオール2>
攪拌機、コンデンサー、遮光性滴下ロート及び温度計を備え、窒素シールが可能な遮光性反応容器に、窒素気流下、無水1,3,5−トリヒドロキシベンゼン0.5g、炭酸カリウム 29g、18−クラウン−6 2.7g及びアセトン 180gを加え、撹拌しながら、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン 21.7gとアセトン 180gからなる溶液を3時間かけて滴下、加えた。その後、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼンが消失するまで、撹拌下、加熱、還流させた。
その後、4−クロロメチルスチレン 10.3gを加え、これが消失するまで、さら
に撹拌下、加熱、還流させた。その後、反応混合物に無水酢酸 4g、スルファミン酸 0.6gを加え、室温下、一晩撹拌した。冷却後、反応混合物中の固体を濾過で除き、溶媒を減圧下で留去した。得られた混合物をジクロロメタンに溶解し、水で3回洗浄した後、ジクロロメタン溶液をヘキサンに滴下し、多分岐ポリエーテルを沈殿させた。これを濾過し、乾燥させて、スチリル基及びアセチル基を有する多分岐ポリエーテルポリオール14gを得た。質量平均分子量は4050で、スチリル基の含有量は3.3ミリモル/グラムであった。
【0079】
(参考例8)多分岐状マクロモノマー(M−m8)の合成
<メタクリロイル基及びアセチル基を有する多分岐ポリエステルポリオールの合成>
7%酸素導入管、温度計、コンデンサーを備えたディーンスタークデカンター、および攪拌機を備えた反応容器に、「Boltorn H20」10g、ジブチル錫オキシド1.25g、官能基(B)としてイソプロペニル基を有するメチルメタクリレート100g、およびヒドロキノン0.05gを加え、混合溶液中に3ml/分の速度で7%酸素を吹き込みながら、撹拌下に加熱した。デカンターへの留出液量が1時間あたり15〜20gになるように加熱量を調節し、1時間ごとにデカンター内の留出液を取り出し、これに相当する量のメチルメタクリレートを加えながら6時間反応させた。
反応終了後、メチルメタクリレートを減圧下で留去し、残っているヒドロキシ基をキャッピングするために無水酢酸10g、スルファミン酸2gを加えて室温下、10時間撹拌した。濾過でスルファミン酸を除去し、減圧下で無水酢酸および酢酸を留去した後に、残留物を酢酸エチル70gに溶解し、ヒドロキノンを除去する為に5%水酸化ナトリウム水溶液20gで4回洗浄した。さらに7%硫酸水溶液20gで2回、水20gで2回洗浄した。得られた有機層にメトキノン0.0045gを加え、減圧下、7%酸素を導入しながら溶媒を留去し、イソプロペニル基およびアセチル基を有する多分岐ポリエステル12gを得た。得られた多分岐ポリエステルの質量平均分子量は2860、数平均分子量は3770であり、多分岐ポリエステルポリオール(A)へのイソプロペニル基およびアセチル基導入率は、それぞれ55%および40%であった。
【0080】
(実施例1)
スチレン90部、参考例1の多分岐状マクロモノマーをスチレンに対し600ppm、及びトルエン10部からなる混合溶液を調整し、更に、有機過酸化物としてスチレンに対し150ppmのt-ブチルパーオキシベンゾエートを加え、図1に示す装置を用いて下記条件で、連続的に塊状重合させた。
【0081】
混合溶液の供給量:9リットル/時間
攪拌式反応器(2)での反応温度:132℃
循環重合ライン(I)での反応温度:138℃
非循環重合ライン(II)での反応温度:140〜160℃
還流比:R= F1/F2 = 6
【0082】
重合させて得られた混合溶液を熱交換器で220℃まで加熱し、50mmHgの減圧下で揮発性成分を除去した後、ペレット化して本発明のスチレン系樹脂組成物を得た。得られたスチレン系樹脂組成物の質量平均分子量(Mw)は、33万であった。
【0083】
(実施例2)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−2)を用いた以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0084】
(実施例3)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−3)を用い、スチレンに対する添加量(360ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0085】
(実施例4)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−4)を用い、スチレンに対する添加量(500ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0086】
(実施例5)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−5)を用い、スチレンに対する添加量(600ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0087】
(実施例6)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−6)を用い、スチレンに対する添加量(600ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0088】
(実施例7)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−7)を用い、スチレンに対する添加量(600ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0089】
(実施例8)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−8)を用い、スチレンに対する添加量(500ppm)にした以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0090】
(実施例9)
実施例1における多分岐状マクロモノマー(Mm−1)の代わりに、多分岐状マクロモノマー(Mm−8)を用い、スチレンに対する添加量(700ppm)にした以外は、実施例1と同じと同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0091】
(実施例10)
実施例1の多分岐状マクロモノマー(Mm−1)を用い、攪拌式反応器(2)での反応温度を120℃、循環重合ライン(I)での反応温度:130℃にした以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0092】
(比較例1)
実施例1の多分岐状マクロモノマーを0部にした以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂組成物を得た。
【0093】
【表1】
Figure 0004457291
【0094】
【表2】
Figure 0004457291
【0095】
実施例1〜10及び表より、連続的に高分子量スチレン系樹脂組成物が生産可能であることが明らかとなった。
【0096】
【発明の効果】
本発明は、反応制御が簡便で、ゲル化し難く、製造効率を向上し、しかも多分岐状ポリスチレンが高い質量平均分子量であることから成形加工性に優れた、ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンとを含有する樹脂組成物をもたらすことができる製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 静的ミキシングエレメントを有する管状反応器を組み込んだ連続塊状重合ラインの1例を示す工程図である。
【図2】 実施例の樹脂組成物のGPCクロマトグラフである。横軸がリテンションタイムを縦軸がピーク強度を示す。
【符号の説明】
(1):プラジャーポンプ
(2):攪拌式反応器
(3):ギヤポンプ
(4):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(5):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(6):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(7):ギヤポンプ
(8):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(9):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(10):静的ミキシングエレメントを有する管状反応器
(I):循環重合ライン
(II):非循環重合ライン

Claims (12)

  1. スチレンモノマーと、質量平均分子量が1000〜15000であり、且つ二重結合を1gあたり0.1ミリモル〜5.5ミリモル含有する下記(1)〜(5)からなる群から選ばれる1種以上の多分岐状マクロモノマーを、スチレンモノマーに対して質量基準で50ppm〜1%含んでなる混合物を、2個以上の反応槽で連続的に溶液重合法又は溶融重合法によって反応させることを特徴とする線状ポリスチレンと多分岐状ポリスチレンとを含有するスチレン系樹脂組成物の製造方法。
    (1)1分子中に活性メチレン基と、臭素、塩素、メチルスルホニルオキシ基またはトシルオキシ基とを有するAB 型モノマーを求核置換反応させて得られる多分岐状の自己縮合型重縮合体を前駆体として、該重縮合体中に残存する未反応の活性メチレン基またはメチン基を、クロロメチルスチレン又はブロモメチルスチレンと求核置換反応させることによって得られる多分岐状マクロモノマー、
    (2)水酸基を1個以上有する化合物に、カルボキシル基に隣接する炭素原子が飽和炭素原子であり、かつ該炭素原子上の水素原子がすべて置換され、且つ水酸基を2個以上有するモノカルボン酸を反応することにより多分岐状ポリマーとし、これにビニル基又はイソプロペニル基を導入して得られる多分岐状マクロモノマー、
    (3)水酸基を1個以上有する化合物に水酸基を1個以上有する環状エーテル化合物を反応することにより多分岐状ポリマーとし、次いで該ポリマーの末端基である水酸基にアクリル酸、メタクリル酸、イソシアネート基含有アクリル系化合物又は4−クロロメチルスチレンを反応させて得られる多分岐状マクロモノマー、
    (4)水酸基を1個以上有する化合物と、2個以上の水酸基とハロゲン原子、−SO OCH 又は−OSO CH を含有する化合物とを反応させることにより多分岐状ポリマーとし、次いで該ポリマーの末端基である水酸基にアクリル酸、メタクリル酸、イソシアネート基含有アクリル系化合物又は4−クロロメチルスチレンを反応させて得られる多分岐状マクロモノマー、
    (5)アミド結合が窒素原子を介して繰り返し構造となっているPAMAMデンドリマーにスチリル基を導入して得られる多分岐状マクロモノマー。
  2. 前記(1)における、1分子中に活性メチレン基と、臭素、塩素、メチルスルホニルオキシ基またはトシルオキシ基とを有するAB 型モノマーが、ハロゲン化アルコキシ−フェニルアセトニトリル類、又はトシルオキシ基を有するフェニルアセトニトリル類である請求項1記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(2)における、カルボキシル基に隣接する炭素原子が飽和炭素原子であり、かつ該炭素原子上の水素原子がすべて置換され、且つ水酸基を2個以上有するモノカルボン酸が、ジメチロールプロピオン酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、α,α,α−トリス(ヒドロキシメチル)酢酸、α,α−ビス(ヒドロキシメチル)吉草酸又はα,α−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸である請求項1記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  4. 前記(3)における、水酸基を1個以上有する環状エーテル化合物が、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、2,3−エポキシ−1−プロパノール、2,3−エポキシ−1−ブタノール又は3,4−エポキシ−1−ブタノールである請求項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記(4)における、2個以上の水酸基とハロゲン原子、−SO OCH 又は−OSO CH を含有する化合物が、5−(ブロモメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−エチル−2−(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール、又は2−(ブロモメチル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオールである請求項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記多分岐状マクロモノマーの質量平均分子量が2000〜5000である請求項1〜5の何れか1項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  7. スチレンに対する多分岐状マクロモノマーの配合率が質量基準で100ppm〜2000ppmである請求項1〜6の何れか1項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  8. 2個以上の反応槽で前記混合物を循環させながら連続的に反応させる請求項1〜7のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  9. 1個以上の反応槽からなる循環ラインと1個以上の非循環ラインとで前記混合物を反応させる請求項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  10. 連鎖移動定数が0.1×10−5〜1×10−4の有機溶剤を用いて前記混合物を反応させる請求項1〜9のいずれか1項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  11. 半減期が10時間になる温度が75〜130℃である有機過酸化物を用いて前記混合物を反応させる請求項1〜10のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
  12. 各反応槽における反応液の重合温度が100〜170℃の範囲であり、且つ後段の反応槽は、前の反応槽よりも温度設定を高くして反応を行うものである請求項1〜11のいずれか1項記載のスチレン系樹脂組成物の製造方法。
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