JP4457259B2 - ノックの軸筒への取り付け構造 - Google Patents
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Description
また、近年においては、安価でありながらも、デザイン的な観点から高級感を演出することが望まれるようになってきており、前記ノックを樹脂材質で成形すると共に、その樹脂性ノックの表面に金、銀、クロムなどのめっきが施されるようになってきた。
しかし、めっき処理を施すことにより、ノック自体はもちろん、ノックに形成されている係止用突起の剛性が高くなってしまい、その結果、係止用突起が半径方向に弾性変形しにくくなり、ノックを鞘筒に挿着することが困難になってしまっていた。ここで、係止用突起部と長溝の位置が合っていないと、その位置合わせをしている間、前記の係止用突起が変形していることになり、ややもすると、その係止用突起にクラックが発生してしまったり、塑性変形が生じたりしてしまって摺動不良品を起こしてしまう危険性があった。
尚、ここで、ノックを鞘筒に挿着する部分と押圧部分を2部品に分け、その両者を螺合などの手段によって固定する方法もあるが、部品点数が増加すると共に、組立工程も増加するため現実的ではない。また、ノックの係止用突起の高さを低くし、係止用突起の半径方向における弾性変形量を少なくすることも考えられるが、ノックの塑性変形を極力防止することができるようになる一方、係止用突起が長溝から回転方向に対して外れやすくなってしまい、結果的にノックが鞘筒から脱落しやすくなってしまう。
また、後軸3の後部には、頭冠5が凹凸嵌合(後述する係合孔3aと係合18aとの嵌合)などの手段によって装着・固定されており、その頂部近傍を後軸3の後端部から露出させている。その頭冠5について詳述する。半透明な樹脂成形品からなる頭冠5の前方部には、前記後軸3に嵌まり込む筒状部6が形成されており、後端部には筒状部6よりも大なる径を有する鍔部7が形成されているが、その鍔部7は1側面部に向かって傾斜した状態で形成されている。そして、その鍔部7の低い側の前記筒状部6には、固定部8が突出した状態で形成されており、その固定部8には、筒状部6の長手方向に向かって溝部9が形成されているが、その溝部9の底部には微小突起10が形成されている。また、前記鍔部7の低い側にはその鍔部7の傾斜に沿って、かつ、湾曲した状態で装飾片11が延設形成されており、その装飾片11の端部近傍の下面には係止突起12が形成されているが、その係止突起12の端部には前方に向かって突出した係止爪13が形成されていると共に、横方向に長い楕円形状の係止突起12となっているが、真円であっても良いし、四角形や五角形といった多角形であっても良い。
符号14〜符号17は、この頭冠5を後軸3に装着したときの、頭冠5の後軸3に対する振れやがたつきを防止する突起(符号17は、突起16と反対側の突起)であって、また、符号18は頭冠5の後軸3の係合孔3aと係合し、その後軸3に対する抜けを防止する係合突起であって、その係合突起18は前方かつ内径方向に向かって傾斜している。後軸3に対して装着しやすくすると共に、装着後においては抜けにくい構造としているのである。
また、頭冠5の内側であって、前記ノック24の前方には回転子30が前後動可能に、かつ、回転可能に配置されている。その回転子30の外周部には、複数の突起31が形成されており、その突起31の後端部には傾斜面32が形成されている。そして、突起31は、頭冠5に形成されている深溝部22を前後動し得るように係合している。一方、突起31の後端部に形成されている傾斜面32は、ノック24に形成されている山型状の傾斜面29と当接している。即ち、ノック24が押圧され、前方に移動する前記回転子30も追従して前方に移動する。所謂、本例においては、上記の構成を採ることによってデビットカム機構と称されるカム機構を構成している。
また、クリップ本体39の前方には前記頭冠5に一体形成された装飾片11の係止突起12が遊挿する貫通孔42が形成されている。また、その貫通孔42の幅(横)方向の長さは、前記係止突起12の幅方向の長さとほぼ同一となっているが、貫通孔42の縦方向の長さ、つまり、クリップ本体39の長手方向における長さは、前記係止突起12の縦方向の長さよりも長く形成されているが、係止爪13の長さよりは短く形成されている。即ち、係止突起12は貫通孔42の縦方向に対して前後動が可能なものとなっている。尚、クリップ本体39を頭冠5に組み付けた状態においては、貫通孔42の前方、つまり、係止突起12の前方に隙間が形成されるようになっている。符号43は、クリップ本体19の前端近傍の内側に形成された玉部であるが、クリップ本体と別部材で構成し、圧入などの手段によってクリップ本体に固定しても良い。また、本例においては、前記装飾片11を薄板形状としているが、立体性のある形状としても良い。更に、装飾片11を透明性のある材料で成形した場合などには、前記クリップ本体39の貫通孔42の形状を興趣性をそそる星型形状や花を模った形状などとしても良いが、前述したように係止突起12と貫通孔42との間には隙間を形成する。
2 前軸
3 後軸
4 グリップ部材
5 頭冠
6 筒状部
7 鍔部
8 固定部
9 溝部
10 微小突起
11 装飾片
12 係止突起
13 係止爪
14 突起
15 突起
16 突起
17 突起
18 係合突起
19 貫通孔
20 内面鍔部
21 切り欠き部
22 深溝部
23 浅溝部
24 ノック
25 縮径部
26 突起
27 係止片
28 係止爪
29 傾斜面
30 回転子
31 突起
32 傾斜面
33 ボールペンリフィル
34 弾発部材
35 インキ
36 逆流防止剤
37 フロート
38 後端部
39 クリップ本体
40 起立片
41 傾斜部
42 貫通孔
43 玉部
44 ノック
45 係合部
46 摺動溝
Claims (3)
- ノックの軸筒への取り付け構造であって、前記ノックを軸筒に対して前後動可能に取り付けると共に、ノックに軸筒からの脱落を防止する弾性変形可能な係止爪を形成する一方、前記軸筒にはその係止爪と係合する貫通孔を軸筒の長手方向に形成し、また、ノックに係合部を形成すると共に、前記軸筒にはその係合部と係合する係合受部を形成し、それら係合部と係合受部は回転不能ではあるが前後動可能に設け、また、ノックを軸筒に組み付ける際、前記係合部が係合受部に係合し、次いで係止爪が貫通孔に係合し、さらに、前記ノックの押圧操作によって回転する回転子を軸筒内に配置すると共に、その回転子に複数の突起を形成し、その突起が前後動し得る溝部を前記軸筒に複数形成し、その少なくとも1つの溝部の後部に切欠部を延設し、その延設した切欠部を前記係合受部としたことを特徴とするノックの軸筒への取り付け構造。
- 前記ノックの表面にめっき処理を施したことを特徴とする請求項1記載のノックの軸筒への取り付け構造。
- 前記ノックは、カム機構の一部であることを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載のノックの軸筒への取り付け構造。
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