<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態による筆記具について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、リフィルの筆先が出没する側を筆先側、先端側又は前方といい、出没機構のノック部が延出する側を後端側又は後方という。また、筆記具の軸方向を長手方向又は軸方向という。
図1~図3は、本発明の第1実施形態による筆記具を示し、図1は斜視図、図2は正面図、図3は側面図である。また、図4は、図1に示す筆記具の軸筒を示す軸方向に沿った断面図である。本実施形態による筆記具1は、いわゆるノック式のボールペンであり、後端のノック部材16を押し込むことにより、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2の先端から突出した状態と、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2内に収容された状態とを切り替えることができる。
図1~図4に示すように、本実施形態の筆記具1は、筆記具本体7と、筆記具本体7の側部に保持されたクリップ部材8とを備える。筆記具本体7は、円筒状の長尺な軸筒2と、軸筒2内に収容されたリフィル部材4と、軸筒2の後端部に設けられた出没機構6と、を備える。出没機構6は、内筒10と、回転子12と、スプリング部材14と、ノック部材16とを備える。
軸筒2は先端部が先細り状である円筒形状に形成されている。軸筒2の先端部には先端開口2aが形成されており、後端部には後端開口2bが形成されている。軸筒2の後端部の内面には半径方向内側に向かって全周にわたって突出する円環状の凸部2cが形成されている。また、軸筒2の後端の縁には、後述する内筒10のクリップ取付部10cに相当する形状の切欠部2dが形成されている。
図5A~図5Eは、図1に示す筆記具の内筒を示し、図5Aは斜視図、図5Bは正面図、図5Cは右側面図、図5Dは左側面図、図5Eは図5BのE-E断面図、図5Fは図5CのF-F断面図である。図5A~Fに示すように、内筒10は、円筒状の本体部10aと、本体部10aの後端側に接続された後端部10bと、本体部10aの後端側に接続されたクリップ取付部10cとを備える。これら、本体部10aと、後端部10bと、クリップ取付部10cとは一体に成形されている。
本体部10aは略円筒状であり、本体部10aの外径は軸筒2の内径よりもわずかに小さい。本体部10aの下部の外面には半径方向外方に向かって全周にわたって突出する突出部10dが形成されている。また、本体部10aの後端部の内周面にはカム部10fが形成されている。カム部10fは、回転子12のカム部12bと協働して、ノック部材16を押圧することにより、回転子12を回動させてリフィル部材4の筆先部4aが軸筒2の先端開口2aから突出した状態と、軸筒2内に収容された状態とを切り替えるための部位である。内筒10のカム部10f及び回転子12のカム部12bの構成としては、周知の構成を採用することができる。本実施形態では、内筒10のカム部10fは前方に向かって延びる凸部と、凸部の間に後方に向かって延びるように形成された凹部とを有している。
後端部10bは、円環状に形成されており、外径は軸筒2の外径と略等しくなっている。後端部10bには前後方向に貫通する円形の貫通孔が形成されている。
クリップ取付部10cは、本体部10aの後端から所定の距離をあけて設けられており、側方に向かって延びる柱体状に形成されている。クリップ取付部10cの横方向(図5Bにおける左右方向)の両側面は平行に形成されている。
図5C、5E、5Fに示すように、クリップ取付部10cの右側面の後部には横方向に延びる第1の取付穴10gが開口している。第1の取付穴10gは、クリップ取付部10cの横方向中間部において終端しており、左側面まで貫通していない。
また、図5D、5Eに示すように、クリップ取付部10cの左側面の前部には横方向に延びる第2の取付穴10hが開口している。第2の取付穴10hは、クリップ取付部10cの横方向中間部において終端しており、右側面まで貫通していない。第1の取付穴10g及び第2の取付穴10hは長手方向に整列しており(すなわち、内筒10の中心軸から等距離に位置しており)、第1の取付穴10gは第2の取付穴10hよりも後方に形成されている。
回転子12は、後方側の基端部12aと、前方側のカム部12bとを有する。基端部12aは円筒状に形成されており、その外径はノック部材16の内径よりも小さい。カム部12bは円筒状に形成されており、その外径は内筒10の本体部10aの内径よりもわずかに小さい。カム部12bの外面には後方に向かって延びる凸部と、凸部の間に前方に向かって延びるように形成された凹部とを有する。
ノック部材16は上方が閉鎖され、下方が開放された円筒状に形成されている。ノック部材16の外径は、内筒10の後端部10bの貫通孔の内径と略等しくなっている。また、ノック部材16の外周面の下端部には、周方向にわたって半径方向外方に突出する突部16aが形成されている。
スプリング部材14は、後方端部がリフィル部材4の先端部に当接し、先端部が軸筒2の先端部に当接している。これにより、スプリング部材14は、リフィル部材4を後方に向かって付勢している。
組み立て状態において、内筒10は、本体部10aが軸筒2の後端開口2bから挿入され軸筒2の内側に位置し、後端部10bが軸筒2の後端縁に当接するように配置されている。また、内筒10の突出部10dが軸筒2の凸部2cよりも先端側に位置し、これにより内筒10が軸筒2に固定されている。また、ノック部材16は、内筒10の後端部10bの貫通孔に前方から挿通され、突部16aが内筒10の本体部10aの内側に位置している。また、回転子12は、基端部12aがノック部材16の内側に前方から挿入されており、ノック部材16の先端縁が回転子12のカム部12bの後端面に当接している。また、回転子12のカム部12bの先端面がリフィル部材4に当接している。これにより、回転子12及びノック部材16はリフィル部材4を介して後方に向かって付勢されている。
このような状態でノック部材16を押し込むことにより、回転子12が回転し、内筒10のカム部10fの凹部に回転子12のカム部12bの凸部が入り込んだ状態と、内筒10のカム部10fの凸部の先端と、回転子12のカム部12bの凸部の先端とが当接した状態とが切り替わり、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2内に収容された状態と、軸筒2の先端から突出した状態とを切り替えることができる。
図6A~図6Cは、図1に示す筆記具のクリップ部材を示し、図6Aは斜視図、図6Bは正面図、図6Cは側面図である。なお、図6Cにおいては、クリップ部材を内筒から取り外した状態を示している。図6A~図6Cに示すように、クリップ部材8は、一本のステンレス等の金属線材が曲げ加工されて形成されている。クリップ部材8は、Uの字形に形成された先端部8Aと、略矩形状の形成された後端部8Cと、先端部8A及び後端部8Cの間の中間部8Bと、を有する。
先端部8Aは、第1の縦部8bの前方部と、第2の縦部8cの前方部と、第1の縦部8bの前端と第2の縦部8cの前端とを接続する円弧状部8aと、により構成されている。第1の縦部8bは、円弧状部8aの右側(図6Bの右側)の端部から後方に向かって延びている。また、第2の縦部8cは、円弧状部8aの左側(図6Bの左側)の端部から後方に向かって延びている。第1の縦部8bは、中間部8Bにおける第2の端部8iの後方まで延びている。第2の縦部8cは、中間部8Bを越えて後端部8Cまで延びている。
後端部8Cは、第2の縦部8cの後端部と、第2の縦部8cの後端部から右側(図6Bの右側)に延びる第1の横部8dと、第1の横部8dの右側(図6Bの右側)の端部から前方に延びる第3の縦部8eと、第3の縦部8eの前端部から左側(図6Bの左側)に延びる第2の横部8fと、により構成されている。第2の横部8fは、第1の端部8hよりも後方に位置している。第2の横部8fの左側(図6Bの左側)の端部から第4の縦部8gが前方に向かって延びている。
中間部8Bは、第1の縦部8bの後端部から左側(図6Bの左側)に向かって延びる第1の端部8hと、第4の縦部8gの前端部から右側(図6Bの右側)に向かって延びる第2の端部8iとを備える。第1の端部8hは、第2の端部8iよりも後方に位置している。
クリップ部材8を内筒10から取り外した状態では、第1の縦部8bは、第2の縦部8cが延びる方向に対して、後方に向かって半径方向中心側(図6Cの右側)に傾斜している。また、第3の縦部8e及び第4の縦部8gは、第2の縦部8cが延びる方向に対して、後方に向かって半径方向外側(図6Cの左側)に傾斜している。このため、第1の端部8hは、第2の端部8iよりも筆記具本体側に位置している。なお、クリップ部材8の付勢力は少なくとも第1の縦部8bが傾斜していればよい。
組み立て状態において、内筒10のクリップ取付部10cの第1の取付穴10g及び第2の取付穴10hは、軸筒2の外面から所定の距離だけ離間し、長手方向に整列するように位置している。クリップ部材8は、第1の端部8hが内筒10のクリップ取付部10cの第1の取付穴10gに挿入され、第2の端部8iがクリップ取付部10cの第2の取付穴10hに挿入されて固定されている。クリップ部材8は、第1の縦部8b、第3の縦部8e及び第4の縦部8gが、第2の縦部8cと略平行になるように変形された状態で取り付けられている。
このような構成により、クリップ部材8の中間部8Bがクリップ取付部10cに保持される。また、上記の通り、クリップ部材8は変形された状態で取り付けられているため、クリップ部材8を構成する金属線材の弾性力により先端部8Aが筆記具本体7に向かって付勢される。これにより、図3に示すように、クリップ部材8を内筒10に取り付けた状態で、クリップ部材8の先端部8Aが筆記具本体7の軸筒2の外周面に当接している。
図7は、本発明の第1実施形態による筆記具のクリップを開いた状態を示す側面図である。図7に示すように、クリップ部材8の後端部8Cを筆記具本体7に向かって半径方向内側に押し込むと、クリップ取付部10cに保持された中間部8Bを支点として回動し、クリップ部材8の先端部8Aが筆記具本体7から離間するように半径方向外方に移動する。このため、本実施形態の筆記具1の使用者は、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体7の軸筒2を把持した状態で、クリップ部材8の後端部8Cを押し込むことにより、クリップ部材8の先端部8Aを筆記具本体7から離間させて、クリップ部材8と筆記具本体7とを開くことができる。
なお、本発明において、クリップが筆記具本体に向かって回動するとは、厳密に一つの軸を中心にクリップが回転する場合のみならず、上記実施形態のようにクリップ部の中間部が支持された状態で、クリップ部材の後部を半径方向内側に押圧することにより、クリップ部材の先端部が半径方向外側に移動する場合を含むものである。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、クリップ部材8の中間部8Bが筆記具本体7の側部に保持されており、クリップ部材8の後端部8Cを筆記具本体7に向かって押圧することにより、クリップ部材8が、クリップ部材8の先端部8Aが筆記具本体7から離間するように、回動する。このため、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体7の軸筒2を把持した状態で、クリップ部材8の後端部8Cを押し込むことにより、クリップ部材8を開くことができ、片手で操作することができる。
また、本実施形態によれば、クリップ部材8を構成する線材の弾性により先端部8Aが筆記具本体7に向かってが付勢されるため、ばねなどの付勢部材を用いることなく、簡単な構成でクリップ部材8を構成することができる。
なお、本実施形態では、内筒10にクリップ取付部10cを設け、クリップ取付部10cにクリップ部材8を取り付けているが、これに限らず、軸筒2の側面にクリップ取付部を設け、クリップ部材8を取り付けてもよい。
また、本実施形態では、第1の取付穴10g及び第2の取付穴10hが長手方向に整列し、クリップ部材8を内筒10から取り外した状態において、第1の端部8hは、第2の端部8iよりも筆記具本体側に位置するように構成しているが、本発明はこれに限られない。クリップ部材8を平坦に形成した場合であっても、筆先側の第2の取付穴10hを第1の取付穴10gよりも筆記具本体7側に形成すれば、クリップ部材8の先端部が筆記具本体7側に付勢することができる。
また、本実施形態では、クリップ部材8の第1の端部8h及び第2の端部8iを固定するために、第1の取付穴10g及び第2の取付穴10hを設けたが、これに限らず、切り欠きを形成してもよい。
また、本実施形態では、ノック式のボールペンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用できる筆記具はこれに限定されない。例えば、ノック式のシャープペンシルや、ノック機構を備えていない筆記具にも適用できる。また、キャップ式の筆記具のキャップにクリップを取り付けることも可能である。
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態による筆記具について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図8~図11は、本発明の第2実施形態による筆記具を示し、図8は斜視図、図9は正面図、図10は側面図である。また、図11は、図8に示す筆記具の軸筒を示す軸方向に沿った断面図である。本実施形態による筆記具は、いわゆるノック式のボールペンであり、後端のノック部材16を押し込むことにより、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2の先端から突出した状態と、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2内に収容された状態とを切り替えることができる。本実施形態の筆記具101は、内筒110及びクリップ部材108の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
図8~図11に示すように、本実施形態の筆記具101は、筆記具本体107と、筆記具本体107の側部に保持されたクリップ部材108とを備える。筆記具本体107は、円筒状の軸筒2と、軸筒2内に収容されたリフィル部材4と、軸筒2の後端部に設けられた出没機構106と、を備える。出没機構106は、内筒110と、回転子12と、スプリング部材14と、ノック部材16とを備える。
図12A~図12Gは、図8に示す筆記具の内筒を示し、図12Aは斜視図、図12Bは正面図、図12Cは右側面図、図12Dは左側面図である。また、図12Eは図12CのE-E断面図、図12Fは図12BのF-F断面図であり、図12Gは図12CのG-G断面図である。図12A~Gに示すように、内筒110は、円筒状の本体部110aと、本体部110aの後端側に接続された後端部110bと、本体部110aの後端側に接続されたクリップ取付部110cとを備える。これら、本体部110aと、後端部110bと、クリップ取付部110cとは一体に成形されている。
本体部110aは略円筒状であり、本体部110aの外径は軸筒2の内径よりもわずかに小さい。また、本体部110aの後端部の内周面にはカム部110fが形成されている。カム部110fは、回転子12のカム部12bと協働して、ノック部材16を押圧することにより、回転子12を回動させてリフィル部材4の筆先部4aが軸筒2の先端開口2aから突出した状態と、軸筒2内に収容された状態とを切り替えることができる。内筒110のカム部110f及び回転子12のカム部12bの構成としては、周知の構成を採用することができる。
後端部110bは、円環状に形成されており、外形が軸筒2の外径と略等しくなっている。後端部110bには前後方向に貫通する円形の貫通孔が形成されている。
クリップ取付部110cは、本体部110aの後端から所定の距離をあけて設けられており、側方に向かって延びる柱体状に形成されている。クリップ取付部110cの横方向(図12Bにおける左右方向)の両側面は平行に形成されている。
クリップ取付部110cの後部には第1の取付切欠110gが形成されている。第1の取付切欠110gは、クリップ取付部110cの後端部の半径方向外側端部(図12Cのクリップ取付部110cの上方かつ左側端部)から前方(図12Cの下側)に向かって半径方向内側(図12Cの右側)に傾斜するように伸びる切り欠きにより構成されている。第1の取付切欠110gの終端には円柱状の収容部110g1が形成されている。
また、クリップ取付部110cの前部には横方向に貫通する第2の取付穴110hが形成されている。第2の取付穴110hは、右側の基端部110h1と、左側の逃げ部110h2とを有する。基端部110h1は、クリップ取付部110cの右側面に開口しており、円柱状に形成されている。また、逃げ部110h2はクリップ取付部110cの左側面に開口しており、基端部110h1よりも直径の大きな円柱状に形成されている。
第1の取付切欠110gの収容部110g1及び第2の取付穴110hは長手方向に整列しており(すなわち、内筒110の中心軸から等距離に位置しており)、第1の取付切欠110gは第2の取付穴110hよりも後方に形成されている。
回転子12、ノック部材16、及びスプリング部材14の構成は、第1実施形態と同様である。
組み立て状態において、内筒110は、本体部110aが軸筒2の後端開口2bから挿入され内筒110の内側に位置し、後端部110bが軸筒2の後端縁に当接するように配置されている。また、ノック部材16は、内筒110の後端部110bの貫通孔に前方から挿通され、突部16aが内筒10の本体部10aの内側に位置している。また、回転子12は、基端部12aがノック部材16の内側に前方から挿入されており、ノック部材16の先端縁が回転子12のカム部12bの後端面に当接している。また、回転子12のカム部12bの先端面がリフィル部材4に当接している。これにより、回転子12及びノック部材16はリフィル部材4を介して後方に向かって付勢されている。
このような状態でノック部材16を押し込むことにより、回転子12が回転し、内筒110のカム部110fの凹部に回転子12のカム部12bの凸部が入り込んだ状態と、内筒110のカム部110fの凸部の先端と、回転子12のカム部12bの凸部の先端とが当接した状態とが切り替わり、リフィル部材4の筆先部4aが軸筒2内に収容された状態と、軸筒2の先端から突出した状態とを切り替えることができる。
図13A~図13Cは、図8に示す筆記具のクリップ部材を示し、図13Aは斜視図、図13Bは正面図、図13Cは側面図である。なお、図13A~図13Cにおいては、クリップ部材を内筒から取り外した状態を示している。図13A~図13Cに示すように、クリップ部材108は、一本のステンレス等の金属線材が曲げ加工されて形成されている。クリップ部材108は、Uの字形に形成された先端部108Aと、Uの字形の形成された後端部108Cと、先端部108A及び後端部108Cの間の中間部108Bと、を有する。
先端部108Aは、第1の縦部108bの前方部と、第2の縦部108cの前方部と、第1の縦部108bの前端と第2の縦部108cの前端とを接続する第1の円弧状部108aと、により構成されている。第1の縦部108bは、第1の円弧状部108aの右側(図13Bの右側)の端部から後方に向かって中間部108Bまで延びている。また、第2の縦部108cは、第1の円弧状部108aの左側(図13Bの左側)の端部から後方に向かって、中間部108Bを越えて後端部108Cまで延びている。
後端部108Cは、第2の縦部108cの後端部と、第2の縦部108cの後端部から右側(図13Bの右側)に円弧状に延びる第2の円弧状部108dと、第2の円弧状部108dの右側(図13Bの右側)の端部から前方に延びる第3の縦部108eと、により構成されている。
中間部108Bは、第3の縦部108eの前端部から左側(図13Bの左側)に向かって延びる第1の端部108fと、第1の縦部108bの後端部から左側(図13Bの左側)に向かって延びる第2の端部108gとを備える。第2の端部108gの先端には、左方向に向かって前方に傾斜する屈曲部108hが形成されている。
クリップ部材108を内筒110から取り外した状態では、第1の縦部108bは、第2の縦部108cが延びる方向に対して、後方に向かって半径方向外側(図13Cの左側)に傾斜している。このため、第1の端部108fは、第2の端部108gよりも筆記具本体側に位置している。
組み立て状態において、内筒110のクリップ取付部110cの第1の取付切欠110gの収容部110g1及び第2の取付穴110hは、軸筒2の外面から所定の距離だけ離間し、長手方向に整列するように位置している。クリップ部材108は、第1の端部108fが内筒110のクリップ取付部110cの第1の取付切欠110gに挿入され、第2の端部108gがクリップ取付部110cの第2の取付穴110hに挿入されて固定されている。この際、第2の端部108gの先端の屈曲部108hが、第2の取付穴110hの逃げ部110h2内に位置している。クリップ部材108は、第1の縦部108bが、第2の縦部108cと略平行になるように変形された状態で取り付けられている。
これにより、クリップ部材108の中間部108Bがクリップ取付部110cに保持される。また、上記の通り、クリップ部材108は変形された状態で取り付けられているため、クリップ部材108を構成する金属線材の弾性力により先端部108Aが筆記具本体7に向かって付勢される。これにより、図10に示すように、クリップ部材108を内筒110に取り付けた状態で、クリップ部材108の先端部108Aが筆記具本体107の軸筒2の外周面に当接している。
なお、クリップ部材108を取り付ける際には、まず、図14A及び図14Bに示すように、前後を反転させるとともに、表裏を反転させた状態(すなわち、第2の端部108gが第1の端部108fよりも後方側かつ筆記具本体107側に位置するような状態)で、第2の端部108gの屈曲部108hを第2の取付穴110hの基端部110h1に挿入し、クリップ部材108を第2の端部108gを中心に第1の円弧状部108aが後端側に位置するまで回転させて、屈曲部108hが逃げ部110h2内に位置するように第2の端部108gを第2の取付穴110hに挿入する。
次に、図15A、15Bに示すように、第2の縦部108cを第2の円弧状部108d側が筆記具本体107の左側に位置するように第1の円弧状部108aを湾曲させる。そして、図15Bに矢印で示すように、第2の端部108gを中心として、第1の円弧状部108aが前方に位置するようにクリップ部材108を回動させる。
次に、図16に示すように、第3の縦部108e及び第1の端部108fを、第1の取付切欠110gに側方から挿入し、第1の端部108fを収容部110g1に配置する。これにより、クリップ部材108をクリップ取付部110cに取り付けることができる。なお、第1の端部108fを収容部110g1に配置した取り付けた後のクリップ部材108は、クリップ部材108又は内筒110を破壊しない限り、取り外すことができない。
図17は本発明の第2実施形態による筆記具のクリップを開いた状態を示す側面図である。図17に示すように、クリップ部材108の後端部108Cを筆記具本体107に向かって半径方向内側に押し込むと、クリップ取付部110cに保持された中間部108Bを支点として回動し、クリップ部材108の先端部108Aが筆記具本体107から離間するように半径方向外方に移動する。このため、本実施形態の筆記具101の使用者は、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体107の軸筒2を把持した状態で、クリップ部材108の後端部108Cを押し込むことにより、クリップ部材108の先端部108Aを筆記具本体107から離間させて、クリップ部材108と筆記具本体107とを開くことができる。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、クリップ部材108の中間部108Bが筆記具本体107の側部に保持されており、クリップ部材108の後端部108Cを筆記具本体107に向かって押圧することにより、クリップ部材108が、クリップ部材108の先端部108Aが筆記具本体107から離間するように、回動する。このため、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体107の軸筒2を把持した状態で、クリップ部材108の後端部108Cを押し込むことにより、クリップ部材108を開くことができ、片手で操作することができる。
また、本実施形態によれば、クリップ部材108を構成する線材の弾性により先端部108Aが筆記具本体107に向かってが付勢されるため、ばねなどの付勢部材を用いることなく、簡単な構成でクリップ部材108を構成することができる。
また、本実施形態によれば、第2の取付穴110hが横方向に延びる穴により形成され第2の取付穴110hには逃げ部110h2が形成され、逃げ部110h2に第2の端部108gの屈曲部108hが配置されている。このように、クリップ部材108の第2の端部108gに屈曲部108hが形成されているため、クリップ部材108が第2の取付穴110hから外れるのを防止できる。
なお、本実施形態では、第1の取付切欠110gを切り欠きから形成し、第2の取付穴110hを横方向に延びる穴により形成したが、これに限らず、切り欠きを横方向に延びる穴に変更してもよいし、横方向に延びる穴を切り欠きに変更してもよい。また、本実施形態では、クリップ部材108の第2の端部108gに屈曲部108hを形成したが、これに限らず、第1の端部108fに屈曲部を設けてもよい。
また、本実施形態では、内筒110にクリップ取付部110cを設け、クリップ取付部110cにクリップ部材108を取り付けているが、これに限らず、軸筒2の側面にクリップ取付部を設け、クリップ部材108を取り付けてもよい。
また、本実施形態では、第1の取付切欠110g及び第2の取付穴110hが長手方向に整列し、クリップ部材108を内筒110から取り外した状態において、第1の端部108fは、第2の端部108gよりも筆記具本体側に位置するように構成しているが、本発明はこれに限られない。クリップ部材108を平坦に形成した場合であっても、筆先側の第2の取付穴110hを第1の取付切欠110gよりも筆記具本体107側に形成すれば、クリップ部材108の先端部が筆記具本体107側に付勢することができる。
また、本実施形態では、ノック式のボールペンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用できる筆記具はこれに限定されない。例えば、ノック式のシャープペンシルや、ノック機構を備えていない筆記具にも適用できる。また、キャップ式の筆記具のキャップにクリップを取り付けることも可能である。
<第3実施形態>
以下、本発明の第3実施形態による筆記具について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図18は、本発明の第3実施形態による筆記具を示す斜視図である。図18に示すように、本実施形態の筆記具201は、筆記具本体107と、筆記具本体107の側部に保持されたクリップ部材208とを備える。本実施形態の筆記具201は、クリップ部材208の構成のみが第2実施形態と異なり、その他の構成は第2実施形態と同様である。
図19A~図19Cは、図18に示す筆記具のクリップ部材を示し、図19Aは斜視図、図19Bは正面図、図19Cは側面図である。なお、図19Cにおいては、クリップ部材を内筒から取り外した状態を示している。
図19A~図19Cに示すように、クリップ部材208は、一本のステンレス等の金属線材が曲げ加工されて形成されている。クリップ部材208は、Uの字形に形成された先端部208Aと、図形状に形成された後端部208Cと、先端部208A及び後端部208Cの間の中間部208Bと、を有する。
先端部208Aは、第1の縦部208bの前方部と、第2の縦部208cの前方部と、第1の縦部208bの前端と第2の縦部208cの前端とを接続する第1の円弧状部208aと、により構成されている。第1の縦部208bは、第1の円弧状部208aの右側(図19Bの右側)の端部から後方に向かって中間部208Bまで延びている。また、第2の縦部208cは、第1の円弧状部208aの左側(図19Bの左側)の端部から後方に向かって、中間部208Bを越えて後端部208Cまで延びている。
後端部208Cは、第2の縦部208cの後端部と、動物などのキャラクターを模した図形状に形成された図形部208dと、図形部208dの右側(図19Bの右側)の前端部から前方に延びる第3の縦部208eと、により構成されている。なお、図形部208dの形状は、動物などのキャラクターに限らず、花などを模した形状や、文字や模様などを模した形状としてもよい。
中間部208Bは、第3の縦部208eの前端部から左側(図19Bの左側)に向かって延びる第1の端部208fと、第1の縦部208bの後端部から左側(図19Bの左側)に向かって延びる第2の端部208gとを備える。
クリップ部材208を内筒110から取り外した状態では、第1の縦部208bは、第2の縦部208cが延びる方向に対して、後方に向かって半径方向外側(図19Cの左側)に傾斜している。このため、第1の端部208fは、第2の端部208gよりも筆記具本体側に位置している。
組み立て状態において、クリップ部材208は、第1の端部208fが内筒110のクリップ取付部110cの第1の取付切欠110gに挿入され、第2の端部208gがクリップ取付部110cの第2の取付穴110hに挿入されて固定されている。クリップ部材208は、第1の縦部208bが、第2の縦部208cと略平行になるように変形された状態で取り付けられている。
これにより、クリップ部材208の中間部208Bがクリップ取付部110cに保持される。また、上記の通り、クリップ部材208が変形された状態で取り付けられているため、クリップ部材208を構成する金属線材の弾性力により先端部208Aが筆記具本体107に向かって付勢される。これにより、図18に示すように、クリップ部材208を内筒110に取り付けた状態で、クリップ部材108の先端部108Aが筆記具本体107の軸筒2の外周面に当接している。
本実施形態においても、クリップ部材208の後端部208Cを筆記具本体107に向かって半径方向内側に押し込むと、クリップ取付部110cに保持された中間部208Bを支点として回動し、クリップ部材208の先端部208Aが筆記具本体107から離間するように半径方向外方に移動する。このため、本実施形態の筆記具201の使用者は、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体107の軸筒2を把持した状態で、クリップ部材208の後端部208Cを押し込むことにより、クリップ部材208の先端部208Aを筆記具本体107から離間させて、クリップ部材208と筆記具本体107とを開くことができる。
本実施形態によれば、第2実施形態に加えて以下の効果が奏される。
本実施形態では、クリップ部材208の後端部208Cに、線材が屈曲されてなる図形部208dが形成されているため、クリップ部材208に意匠性を持たせることができる。
なお、クリップ部材208の筆記具本体107への取付構造は本実施形態の構成に限らず、第1実施形態や第2実施形態と同様の構成としてもよい。また、本実施形態では後端部208Cに図形を形成したが、これに限らず、先端部208Aなどに形成してもよい。
また、本実施形態では、内筒110にクリップ取付部110cを設け、クリップ取付部110cにクリップ部材108を取り付けているが、これに限らず、軸筒2の側面にクリップ取付部を設け、クリップ部材108を取り付けてもよい。
<第4実施形態>
以下、本発明の第4実施形態による筆記具について図面を参照しながら詳細に説明する。
図20A~図20Gは、第4の実施形態の筆記具の内筒を示し、図20Aは斜視図、図20Bは正面図、図20Cは右側面図、図20Dは左側面図である。また、図20Eは図20CのE-E断面図、図20Fは図20BのF-F断面図であり、図20Gは図20CのG-G断面図である。第4実施形態による筆記具は、内筒の構成のみが第2実施形態と異なり、その他の構成については第2実施形態と同様である。すなわち、本実施形態の筆記具は、筆記具本体と、筆記具本体の側部に保持されたクリップ部材108とを備える。本実施形態の内筒に取り付けられるクリップ部材は第2の実施形態と同じである。そして、筆記具本体は、軸筒2と、軸筒2内に収容されたリフィル部材4と、軸筒2の後端部に設けられた出没機構と、を備え、出没機構は、内筒310と、回転子12と、スプリング部材14と、ノック部材16とにより構成される。そして、内筒310は軸筒2の後端部に取り付けられるものである。
図20A~20Gに示すように、内筒310は、円筒状の本体部310aと、本体部310aの後端側に接続された後端部310bと、本体部310aの後端側に接続されたクリップ取付部310cとを備える。これら、本体部310aと、後端部310bと、クリップ取付部310cとは一体に成形されている。
本体部310aは略円筒状であり、本体部310aの外径は軸筒2の内径よりもわずかに小さい。また、本体部310aの後端部の内周面にはカム部310fが形成されている。カム部310fは、回転子12のカム部12bと協働して、ノック部材16を押圧することにより、回転子12を回動させてリフィル部材4の筆先部4aが軸筒2の先端開口2aから突出した状態と、軸筒2内に収容された状態とを切り替えることができる。内筒310のカム部310f及び回転子12のカム部12bの構成としては、周知の構成を採用することができる。
後端部310bは、円環状に形成されており、外形が軸筒2の外径と略等しくなっている。後端部310bには前後方向に貫通する円形の貫通孔が形成されている。
クリップ取付部310cは、本体部310aの後端から所定の距離をあけて設けられており、側方に向かって延びる柱体状に形成されている。クリップ取付部310cの横方向(図20Bにおける左右方向)の両側面は平行に形成されている。
クリップ取付部310cの後部には第1の取付切欠310gが形成されている。第1の取付切欠310gは、クリップ取付部310cの後端部の半径方向内側端部(図20Cのクリップ取付部310cの上方かつ右側端部)から、まず、前方(図20Cの下側)に延びて屈曲し、前方(図20Cの下側)に向かって半径方向外側(図20Cの左側)に傾斜するように伸びる切り欠きにより構成されている。第1の取付切欠310gの終端には円柱状の収容部310g1が形成されている。
また、クリップ取付部310cの前部には横方向に貫通する第2の取付穴310hが形成されている。第2の取付穴310hは、右側の基端部310h1と、左側の逃げ部310h2とを有する。基端部310h1は、クリップ取付部310cの右側面に開口しており、円柱状に形成されている。また、逃げ部310h2はクリップ取付部310cの左側面に開口しており、基端部310h1よりも直径の大きな円柱状に形成されている。
第1の取付切欠310gの収容部310g1及び第2の取付穴310hは長手方向に整列しており(すなわち、内筒310の中心軸から等距離に位置しており)、第1の取付切欠310gは第2の取付穴310hよりも後方に形成されている。
本実施形態においても、内筒310のクリップ取付部310cの第1の取付切欠310gにクリップ部材108の第1の端部108fが挿入され、クリップ取付部310cの第2の取付穴310hにクリップ部材108の第2の端部108gが挿入されて、クリップ部材108が内筒310に固定される。この際、第2の端部108gの先端の屈曲部108hが、第2の取付穴310hの逃げ部310h2内に位置している。クリップ部材108の取付方法は、第2実施形態と同様である。
本実施形態によれば、クリップ部材108を取り付けた際に、クリップ部材108が取り付けられる内筒310のクリップ取付部310cの外面が外径側に位置し、第1の取付切欠310gの端部が露出しないため、意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態では、ノック式のボールペンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用できる筆記具はこれに限定されない。例えば、ノック式のシャープペンシルや、ノック機構を備えていない筆記具にも適用できる。また、キャップ式の筆記具のキャップにクリップを取り付けることも可能である。
なお、本発明において、クリップが筆記具本体に向かって回動するとは、厳密に一つの軸を中心にクリップが回転する場合のみならず、上記各実施形態のようにクリップ部の中間部が支持された状態で、クリップ部材の後部を半径方向内側に押圧することにより、クリップ部材の先端部が半径方向外側に移動する場合を含むものである。
<第5実施形態>
以下、本発明の第5実施形態による筆記具について図面を参照しながら詳細に説明する。
図21~図23は、本発明の第5実施形態による筆記具を示し、図21は斜視図、図22は正面図、図23は側面図である。また、図24は、図21に示す筆記具の軸筒を示す軸方向に沿った断面図である。本実施形態による筆記具401は、いわゆるカーンノック式のボールペンであり、後端のノック部材416を押し込むことにより、リフィル部材404の筆先部404aが軸筒402の先端から突出した状態と、リフィル部材404の筆先部404aが軸筒402内に収容された状態とを切り替えることができる。
図21~図24に示すように、本実施形態の筆記具401は、筆記具本体407と、筆記具本体407の側部に保持されたクリップ部材408とを備える。クリップ部材408は、筆記具本体407の後方の側部に形成されたクリップ保持部418に保持されている。筆記具本体407は、円筒状の長尺な軸筒402と、軸筒402内に収容されたリフィル部材404と、軸筒402の後端部に設けられた出没機構406と、を備える。出没機構406は、内筒410と、回転子412と、スプリング部材414と、ノック部材416とを備える。
軸筒402は先端部が先細り状である円筒形状に形成されている。軸筒402は、先端側の前方軸筒402Aと、後端側の後方軸筒402Bとが接続されて形成されている。図25A~図25Gは、本発明の第5実施形態による筆記具の後方軸筒を示し、図25Aは斜視図、図25Bは正面図、図25Cは側面図、図25Dは図25CにおけるD-D断面図、図25Eは図25BにおけるE-E断面図、図25Fは前方から見た図、図25Gは後方から見た図である。図24に示すように、前方軸筒402Aの後端部の外周面には螺条402A1が形成されている。また、図25A~図25Gに示すように、後方軸筒402Bの内周面には螺条402B1が形成されている。前方軸筒402Aの後端部が後方軸筒402Bの前端側から内側には入り込み、前方軸筒402Aの螺条402A1と後方軸筒402Bの螺条402B1とが螺合することにより、前方軸筒402Aと後方軸筒402Bとが連結されて軸筒402は形成されている。前方軸筒402Aの先端部には先端開口402aが形成されている。また、後方軸筒402Bの後端には後端開口402bが形成されている。
後方軸筒402Bの後端部の内面には半径方向内側に向かって突出する一対の縮径部402cが形成されている。縮径部402cは、半径方向内側から見て矩形状に形成されており、後端部に傾斜面が形成されている。一対の縮径部402cは中心軸を挟んで対向する位置に配置されている。
また、後方軸筒402Bの後端の縁には、後述する内筒410の延出部410b1に相当する形状の切欠部402dが形成されている。切欠部402dの前端部には第1のクリップ保持部402eが形成されている。第1のクリップ保持部402eは、後方軸筒402Bの外周面に立設された基台部402e1と、基台部402e1に接続された係合部402e2とを備える。基台部402e1の半径方向外側面は平坦に形成されている。基台部402e1の後方面は半径方向外方に向かって前方に向かうように傾斜している。基台部402e1の半径方向外側面には、一方の横方向の縁から幅方向中間位置まで延びるような凹部402e3が形成されている。係合部402e2は、基台部402e1の半径方向外側面の前端部に立設されている。係合部402e2の半径方向外側面は平坦に形成されており、係合部402e2の後端部は半径方向内側に向かって前方に傾斜している。
図26A~図26Hは、図21に示す筆記具の内筒を示し、図26Aは斜視図、図26Bは正面図、図26Cは右側面図、図26Dは左側面図、図26Eは図26BのE-E断面図、図26Fは図26CのF-F断面図、図26Gは図26CのG-G断面図、図26Hは図26CのH-H断面図である。図26A~図26Hに示すように、内筒410は、円筒状の本体部410aと、本体部410aの後端側に接続された後端部410bと、本体部410aの後端側に接続された第2のクリップ保持部410cとを備える。これら、本体部410aと、後端部410bと、第2のクリップ保持部410cとは一体に成形されている。
本体部410aは略円筒状であり、本体部410aの外径は軸筒402の内径よりもわずかに小さい。本体部410aの前方側には半径方向内側に向かって凹む凹部410dが形成されており、凹部410dの周縁部は段部として形成されている。凹部410d内には、凹部410dの前方の縁に沿うように形成された基部410e1と、基部410e1から後方に向かって延びる弾性変形部410e2とが形成されている。基部410e1の内周面は本体部410aの内周面と同一の円筒面状となっており、基部410e1の外周面は本体部410aよりも小径の円筒面状になっている。弾性変形部410e2は基部410e1と同一の円筒面状であり、基部410e1の後方縁から後方に向かって延びる片持ち梁形状に形成されている。基部410e1の先端部には半径方向外方に向かって突出する凸部410e3が形成されている。基部410e1の後方及び周方向両側は貫通穴410e4により包囲されている。
また、本体部410aの後端部の内周面にはカム部410f(図26E)が形成されている。カム部410fは、回転子412のカム部412bと協働して、ノック部材416を押圧することにより、回転子412を回動させてリフィル部材404の筆先部404aが軸筒402の先端開口402aから突出した状態と、軸筒402内に収容された状態とを切り替えるための部位である。内筒410のカム部410f及び回転子412のカム部412bの構成としては、周知の構成を採用することができる。本実施形態では、内筒410のカム部410fは前方に向かって延びる凸部と、凸部の間に後方に向かって延びるように形成された凹部とを有している。
後端部410bは、円環状に形成されており、外径は軸筒402の外径と略等しくなっている。後端部410bには前後方向に貫通する円形の貫通穴が形成されている。また、後端部410bは、本体部410aの外周面に沿って前方に向かって延びる延出部410b1を備える。
第2のクリップ保持部410cは、延出部410b1の前端部に連続して設けられており、側方に向かって延びる柱体状に形成されている。第2のクリップ保持部410cの横方向(図26Bにおける左右方向)の両側面は平行に形成されている。
第2のクリップ保持部410cは、本体部410aから半径方向外方に立設された起立部410c1と、起立部410c1の半径方向外側の先端に連続して設けられた延出部410c2と、を有する。起立部410c1の前方の面は半径方向外方に向かって前方へ傾斜している。延出部410c2の起立部410c1よりも前方の部分には半径方向内側に突出する突出部410c3が形成されている。起立部410c1と突出部410c3との間、かつ、延出部410c2との接続部の前方側の角部には第1の凹部410gが形成されている。また、起立部410c1と延出部410c2との接続部の後方側の角部には第2の凹部410hが形成されている。突出部410c3の前方側の面は半径方向外方に向かって後方に傾斜している。
第1の凹部410gは、半径方向内側に向かって開放されており、横方向(図26Bの左右方向)に貫通している。第1の凹部410gは半径方向外部(底部)が半円状断面であり、半径方向内部が矩形状断面であり、全体としてU字形の断面形状になっている。第1の凹部410gは横方向の一方側の部分(図26Fの右側の部分)に比べて、他方側の部分(図26Fの他方側の部分)が拡径されて逃げ部が形成されている。第2の凹部410hは、後方に向かって開放されており、横方向に貫通している。
回転子412は、後方側の基端部412aと、前方側のカム部412bとを有する。基端部412aは円筒状に形成されており、その外径はノック部材416の内径よりも小さい。カム部412bは円筒状に形成されており、その外径は内筒410の本体部410aの内径よりもわずかに小さい。カム部412bの外面には後方に向かって延びる凸部と、凸部の間に前方に向かって延びるように形成された凹部とを有する。
ノック部材416は上方が閉鎖され、下方が開放された円筒状に形成されている。ノック部材416の外径は、内筒410の後端部410bの貫通穴の内径と略等しくなっている。また、ノック部材416の外周面の下端部には、周方向にわたって半径方向外方に突出する突部416aが形成されている。
スプリング部材414は、後方端部がリフィル部材404の先端部に当接し、先端部が軸筒402の先端部に当接している。これにより、スプリング部材414は、リフィル部材404を後方に向かって付勢している。
組み立て状態において、内筒410は、本体部410aが軸筒402の後端開口402bから挿入され軸筒402の内側に位置し、後端部410bが軸筒402の後端縁に当接するように配置されている。また、ノック部材416は、内筒410の後端部410bの貫通穴に前方から挿入され、内筒410の後方に突出しており、突部416aが内筒410の本体部410aの内側に位置している。また、回転子412は、基端部412aがノック部材416の内側に前方から挿入されており、ノック部材416の先端縁が回転子412のカム部412bの後端面に当接している。また、回転子412のカム部412bの先端面がリフィル部材404に当接している。これにより、回転子412及びノック部材416はリフィル部材404を介して後方に向かって付勢されている。
このような状態でノック部材416を押し込むことにより、回転子412が回転し、内筒410のカム部410fの凹部に回転子412のカム部412bの凸部が入り込んだ状態と、内筒410のカム部410fの凸部の先端と、回転子412のカム部412bの凸部の先端とが当接した状態とが切り替わり、リフィル部材404の筆先部404aが軸筒402内に収容された状態と、軸筒402の先端から突出した状態とを切り替えることができる。
図27A~図27Cは、図21に示す筆記具のクリップ部材を示し、図27Aは斜視図、図27Bは正面図、図27Cは側面図である。なお、図27A~図27Cにおいては、クリップ部材を内筒から取り外した状態を示している。図27A~図27Cに示すように、クリップ部材408は、一本のステンレス等の金属線材が曲げ加工されて形成されている。クリップ部材408は、Uの字形に形成された先端部408Aと、Uの字形の形成された後端部408Cと、先端部408A及び後端部408Cの間の中間部408Bと、を有する。
先端部408Aは、第1の縦部408bの前方部と、第2の縦部408cの前方部と、第1の縦部408bの前端と第2の縦部408cの前端とを接続する第1の円弧状部408aと、により構成されている。第1の縦部408bは、第1の円弧状部408aの右側(図27Bの右側)の端部から後方に向かって中間部408Bまで延びている。また、第2の縦部408cは、第1の円弧状部408aの左側(図27Bの左側)の端部から後方に向かって、中間部408Bを越えて後端部408Cまで延びている。
後端部408Cは、第2の縦部408cの後端部と、第2の縦部408cの後端部から右側(図27Bの右側)に円弧状に延びる第2の円弧状部408dと、第2の円弧状部408dの右側(図27Bの右側)の端部から前方に延びる第3の縦部408eと、により構成されている。
中間部408Bは、第3の縦部408eの前端部から左側(図27Bの左側)に向かって延びる第1の端部408fと、第1の縦部408bの後端部から左側(図27Bの左側)に向かって延びる第2の端部408gとを備える。第2の端部408gの先端には、左方向に向かって前方に傾斜する屈曲部408hが形成されている。
クリップ部材408を内筒410から取り外した状態では、第1の縦部408bは、第2の縦部408cが延びる方向に対して、後方に向かって半径方向外側(図27Cの左側)に傾斜している。このため、第1の端部408fは、第2の端部408gよりも筆記具本体側に位置している。
本実施形態の筆記具を組み立てる際には、まず、クリップ部材を内筒に取り付ける。図28A~図31Aは、本発明の第5実施形態の筆記具におけるクリップ部材を内筒に取り付け、内筒を後方軸筒に取り付ける方法を説明するための斜視図である。また、図28B~31Bは、それぞれ図28A~図31Aに対応する側面図である。
図28A及び図28Bに示すように、クリップ部材408を内筒410に取り付けるには、まず、図中矢印に示すように、クリップ部材408を前方に向かって移動させて、第1の端部408fを後方から第2の凹部410h内に挿入する。
次に、図29A及び図29Bに示すように、クリップ部材408の第2の端部408gを半径方向内側に内筒410に向かって押圧する。そして、第2の端部408gを半径方向内側から第1の凹部410g内に嵌め込む。この際、屈曲部408hが第1の凹部410gの拡径された部分に位置するように嵌め込む。
次に、図30A及び図30Bに示すように、内筒410の延出部410b1が後方軸筒402Bの切欠部402d内に入り込むように、図中矢印に示すように、内筒410を前方に移動して、後方軸筒402Bの後端開口402bに挿入する。このように、内筒410の延出部410b1が後方軸筒402Bの切欠部402d内に入り込むように配置することにより、内筒410の凹部410dが、後方軸筒402Bの縮径部402cと軸方向に整列する。
この際、図31A及び図31Bに示すように、クリップ部材408の後端部408Cを後方軸筒402Bに向かって半径方向内側に押し込むと、第2のクリップ保持部410cに保持された中間部408Bを支点として回動し、クリップ部材408の先端部408Aが後方軸筒402Bから離間するように半径方向外方に移動する。そして、このような状態で内筒410を前方に挿入すると、縮径部402cの後方部が傾斜面に形成されているため、内筒410の前方縁が縮径部402cを乗り越えることができる。内筒410の第2のクリップ保持部410cの起立部410c1の前方側の傾斜面が、後方軸筒402Bの基台部402e1の後方の傾斜面と当接するまで、内筒410を挿入する。これにより、内筒410の凹部410d内に後方軸筒402Bの縮径部402cが入り込む。これにより、内筒410に後方軸筒402Bに対して後方に向かうような引抜力が作用しても、後方軸筒402Bの縮径部402cの前方縁部が、内筒410の凹部410dの前方縁の段部と当接し、内筒410が後方軸筒402Bから離脱するのを防止できる。さらに、後方軸筒402Bの縮径部402cの半径方向内面が、弾性変形部410e2に形成された凸部410e3に当接し、弾性変形部410e2が半径方向内方に向かって湾曲される。これにより、弾性変形部410e2の後端部の内縁は回転子412のカム部412bの外径よりも内方まで突出する。
また、内筒410の起立部410c1の前方側の傾斜面が、後方軸筒402Bの基台部402e1の後方の傾斜面と当接することにより、後方軸筒402Bの第1のクリップ保持部402eと、内筒410の第2のクリップ保持部410cとにより、筆記具本体407から側方に立設されたクリップ保持部418が形成される。また、内筒410の第1の凹部410gと、後方軸筒402Bの凹部402e3とが一体となって貫通穴420を形成する。この貫通穴420は、一方の基端部に比べて他方の端部が大径になっている。貫通穴420内に第2の端部408gが配置され、貫通穴420内の大径の逃げ部に屈曲部408hが配置される。これにより、クリップ部材408の第2の端部408gが貫通穴420内に保持される。このようにクリップ部材408は、第1の端部408fが、内筒410の第2の凹部410hに取り付けられ、第2の端部408gが貫通穴420に取り付けられることにより固定されている。すなわち、クリップ保持部418を構成する内筒410の第2の凹部410h及び貫通穴420が取付部として機能する。このようにして形成された貫通穴420(取付部)は、内筒410の第2のクリップ保持部410cと、後方軸筒402Bの第1のクリップ保持部402eの境界面に形成されている。
そして、内筒410を後方軸筒402Bに取り付けた後、ノック部材416を後方軸筒402Bの前方から後方軸筒402B内に挿入し、さらに、回転子412を後方軸筒402Bの前方から後方軸筒402B内に挿入する。図32A~図32Dは、本発明の第5実施形態の筆記具におけるクリップ部材を取り付けた内筒を後方軸筒に取り付け、ノック部材及び回転子を取り付けた状態を示し、図32Aは図24に対応する断面図、図32Bは図32AにおけるB-B断面図、図32Cは図32BにおけるC部の拡大断面図、図32Dは図32AにおけるD-D断面図である。図32A~図32Dに示すように、弾性変形部410e2は基部410e1から後方に向かって延びているため、弾性変形部410e2が半径方向内方に突出していても、回転子412を挿入する際に回転子412をスムーズに挿入することができる。そして、一度回転子412を、弾性変形部410e2を乗り越えて後方まで挿入すると、回転子412を前方に移動しようとしても、弾性変形部410e2の後方の縁が回転子412の外径よりの内方まで突出しているため、回転子412の前方のカム部412bの外周縁が弾性変形部410e2の後方の端面に当接する。このため、リフィル4の交換時などに筆記具401を分解しても、回転子412は、弾性変形部410e2により後方軸筒402B内に保持されている。
次に、前方軸筒402Aの先端部にスプリング部材414を配置し、スプリング部材414の内側に先端部が挿入されるように、リフィル部材404を配置した状態で、前方軸筒402Aと後方軸筒402Bとを螺合接続させる。これにより、スプリング部材414によりリフィル部材404が後方に付勢されて回転子412の前端面に当接する。そして、回転子412を介してノック部材416が後方に付勢され、ノック部材416の突部416aが内筒410の後端部410bの前方の縁に当接する。これにより、筆記具401の組み立てが完了する。
組み立て状態において、クリップ部材408の後端部408Cを筆記具本体407に向かって半径方向内側に押し込むと、第2のクリップ保持部410cに保持された中間部408Bを支点として回動し、クリップ部材408の先端部408Aが筆記具本体407から離間するように半径方向外方に移動する。このため、本実施形態の筆記具401の使用者は、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体407の軸筒402を把持した状態で、クリップ部材408の後端部408Cを押し込むことにより、クリップ部材408の先端部408Aを筆記具本体407から離間させて、クリップ部材408と筆記具本体407とを開くことができる。
なお、本発明において、クリップが筆記具本体に向かって回動するとは、厳密に一つの軸を中心にクリップが回転する場合のみならず、上記実施形態のようにクリップ部の中間部が支持された状態で、クリップ部材の後部を半径方向内側に押圧することにより、クリップ部材の先端部が半径方向外側に移動する場合を含むものである。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、クリップ部材408の中間部408Bが筆記具本体407の側部に保持されており、クリップ部材408の後端部408Cを筆記具本体407に向かって押圧することにより、クリップ部材408が、クリップ部材408の先端部408Aが筆記具本体407から離間するように、回動する。このため、片手の人差し指、中指、薬指、小指で筆記具本体407の軸筒402を把持した状態で、クリップ部材408の後端部408Cを押し込むことにより、クリップ部材408を開くことができ、片手で操作することができる。
また、本実施形態によれば、クリップ部材408を構成する線材の弾性により先端部408Aが筆記具本体407に向かってが付勢されるため、ばねなどの付勢部材を用いることなく、簡単な構成でクリップ部材8を構成することができる。
また、本実施形態によれば、貫通穴420が横方向に延びる穴により形成され貫通穴420には逃げ部が形成され、逃げ部に第2の端部408gの屈曲部408hが配置されている。このように、クリップ部材408の第2の端部408gに屈曲部408hが形成されているため、クリップ部材408が貫通穴420から外れるのを防止できる。
また、本実施形態では、クリップ保持部418は貫通穴420を有し、クリップ部材408が線材からなり、線材からなる部分が貫通穴420内に配置されて保持されており、貫通穴420は軸筒2と内筒410との境界面に形成されている。このような構成によれば、クリップ部材408を貫通穴420により保持するため、クリップ部材408が簡単に外れることを防止できるとともに、貫通穴420が軸筒2と内筒410との境界面に配置されているため、容易にクリップ部材408を貫通穴420内に配置することができる。
本実施形態の筆記具401は、筒状の軸筒402と、軸筒402の内側に配置される内筒410と、内筒410の内側に配置される回転子412と、を備え、内筒410には、組立状態において回転子412よりも先端側に、軸筒402内に配置された際に内方に向かって、回転子412の外径よりも内方まで突出する弾性変形部410e2が形成されている。このような構成によれば、内筒410を軸筒402内に配置すると弾性変形部410e2が内方に向かって、回転子412の外径よりも内方まで突出する。これにより、リフィル部材404を交換する際などにおいても、回転子412が弾性変形部410e2に当接するため、軸筒402から回転子412が離脱するのを防止できる。
また、本実施形態では、軸筒402の内周面には縮径部402cが形成されており、弾性変形部410e2は外周面が縮径部402cに当接することにより、内方に向かって突出する。このような構成によれば、内筒410を軸筒402内に配置することにより弾性変形部410e2を内方に向かって突出させることができ、内筒410の構成を複雑にすることなく回転子412の離脱を防止できる。
また、本実施形態では、内筒410は外周面の凹部410dの周縁に段部を有し、軸筒402の内側に内筒410が配置された状態で、内筒410に引抜力が作用すると段部が縮径部402cに係合し、引き抜き力に抵抗する。このような構成によれば、段部が縮径部402cに係合するため、内筒410を軸筒402に固定することができる。
また、本実施形態では、弾性変形部410e2は、後方に向かって延びる片持ち梁形状である。このような構成によれば、簡単な構成で内筒が軸筒内に配置された際に弾性変形部410e2を内方に突出するように構成することができる。
また、本実施形態では、筆記具401は軸筒402に沿って設けられたクリップ部材408を有し、軸筒402と内筒410によりクリップ部材408を保持するクリップ保持部418が形成される。このような構成によれば、クリップ部材408の取付作業を簡単に行うことができる。
また、本実施形態では、クリップ保持部418は貫通穴420を有し、クリップ部材408が線材からなり、線材からなる部分が貫通穴420内に配置されて保持されており、貫通穴420は軸筒2と内筒410との境界面に形成されている。このような構成によれば、クリップ部材408を貫通穴420により保持するため、クリップ部材408が簡単に外れることを防止できるとともに、貫通穴420が軸筒2と内筒410との境界面に配置されているため、容易にクリップ部材408を貫通穴420内に配置することができる。
なお、本実施形態では、貫通穴420及び第2の凹部410hが長手方向に整列し、クリップ部材408を内筒410から取り外した状態において、第1の端部408fは、第2の端部408iよりも筆記具本体側に位置するように構成しているが、本発明はこれに限られない。クリップ部材408を平坦に形成した場合であっても、筆先側の第2の凹部410hを貫通穴420よりも筆記具本体407側に形成すれば、クリップ部材408の先端部が筆記具本体407側に付勢することができる。
また、本実施形態では、クリップ部材408の第1の端部408h及び第2の端部408iを固定するために、貫通穴420及び第2の凹部410hを設けたが、これに限らず、切り欠きを形成してもよい。
また、本実施形態では、ノック式のボールペンに本発明を適用した場合について説明したが、本発明が適用できる筆記具はこれに限定されない。例えば、ノック式のシャープペンシルや、ノック機構を備えていない筆記具にも適用できる。また、キャップ式の筆記具のキャップにクリップを取り付けることも可能である。