JP2011115949A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
このため、軸筒にシャープペンシルユニットを配置する際に、組み立てが困難になるという問題や、組み立てた後もシャープペンシルユニットが軸筒内で安定せず、ふらついてしまう危険性があった。
【解決手段】 軸本体内に少なくともシャープペンシルユニットを含む筆記体を前後動可能に複数配置し、それらの筆記体の後端にスライダーの前端を連結すると共に、該スライダーを前記軸本体に設けられた摺動溝に前後動自在に配置した筆記具において、前記少なくともシャープペンシルユニットをスライダーに対して回転不能に連結すると共に、前記シャープペンシルユニットを軸筒の中心軸線方向に向かって屈曲させた筆記具。
【選択図】 図3
Description
そのシャープペンシルユニットの湾曲作用は、特に重大な問題である。即ち、シャープペンシルユニットの一つである芯タンクや、その芯タンクの前方に取り付けられている先部材との連結部分が湾曲してしまうため、芯が自重で落下することができなくなってしまい、芯が繰り出せなくなってしまうばかりでなく、ややもすると、芯が折損してしまうのである。
このため、軸筒にシャープペンシルユニットを配置する際に、組み立てが困難になるという問題や、組み立てた後もシャープペンシルユニットが軸筒内で安定せず、ふらついてしまいカタカタと音を立ててしまったり、振動によって芯が砕かれたりしてしまう危険性があった。
に形成されている孔が異物収容部となり、異物による抵抗を受けず、スライダーの摺動性が維持される。
本実施例を図1〜図21に示し説明する。尚、図中下方を前方と言い、上方を後方と言う。例として黒色と赤色の2色からなるボールペンリフィル、及びシャープペンシルユニットが摺動自在に配置されている多芯筆記具である。参照符号1は、軸本体であり、その軸本体1は、前軸2と後軸3とより構成されている。また、本例において、前軸2は、先部材4と中軸5の螺合構造により構成されているが、凸凹嵌合で圧入されていても良いし、一体的に形成されていても良い。しかし、後述する筆記体の交換や成形の容易性を考慮すると2部材とし、着脱自在に固定した方が良い。また、前記先部材4の内径部には、先端側へ向かって徐々に径が小さくなる円錐部4aが形成されている。そして、その先部材4の先端には、筆記体が出没する突出孔4bが形成されている。
前記後軸3の前方には断面の形状が外側に円弧部を有する半月形をした脚部8が120度間隔の位置に形成されている。この脚部8は、スリット6が形成されることにより形成される。よって、筆記体の数によって脚部8の数は変わる。その脚部8の外接円径は、後軸3の最大外径よりも小さく形成されている。
符号9は、後軸3に一体的に形成されたクリップ部であるが、別部材で構成し後軸3に固定などしても良い。符号10は、前記クリップ部9の前方内面に形成された玉部であって、その玉部10は前記中軸5の表面に当接している。
なお、スライダー11Sには、前記スリット6の幅より略大きい幅の略半球状のツバ部11Sdが形成されている。そのツバ部11Sdにより幅広になることで、シャープペンシルユニットの突出操作が向上すると共に、芯出し操作も容易に行え、また、その芯出し操作の際、スライダー11Sが後軸3の軸芯方向に没入してしまうのを防止する。
更に、スライダー11B、Sの側面には3個の孔11Sfが設けられているが、それらは、貫通孔と非貫通孔とから構成されている。具体的に説明すると、解除突起13の近傍に形成されている孔11Sfと、解除突起14の近傍に形成されている孔11Sfは、延設部111を貫通した貫通孔となっており、一方、スライダー11の前方部に形成された孔11Sfは非貫通孔となっている。そして、前記貫通孔である孔11Sfは、幅狭スリット部6aに位置しているものの、その孔11Sfの半分が幅狭スリット部6aから露出している。孔11Sfの半分程度を幅狭スリット部6aから露出させることによって、その孔11Sfに貯留されたゴミや埃を孔11Sfの両開口部から効率的に排出できるようにしているのである。一方、非貫通孔である孔11Sfの一部は、摺動突起12に位置している。即ち、摺動突起12の一部分が孔11Sfによって切り欠かれている。これによって、摺動突起12の前方部分に弾力性が発生し、多少の寸法上のばらつきが発生したとしてもスムーズな摺動動作が得られるようになる。
また、貫通した孔11Sfの内周面のほぼ中央部には、微細な突起が円周上に形成されている。内周面に円周上の突起を形成することによって、スライダーを樹脂成型品とした場合、後述するようにその成形性の向上が図られる。
尚、本例においては、孔11Sfの断面形状を円形としているが、楕円や三角、四角、多角形、或いはこれらの組合せた形状としても良いが、スライダー11Sを成形品とした場合には、その成形性を考慮すると丸形状が良い。また、孔11Sfの数は、本例では3箇所としているが、1個所であっても良いし、4個所や5個所などであっても良い。
一方、スライダー11Sの孔11aには、シャープペンシルに使用する芯の色と略同色な色を有した、或いは、芯径を示す表示がなされた接続部材15の一端部(後方部15a)が着脱自在ではあるものの、回転は不能に挿着されているが、接着などの手段によって着脱不能に固定するなどしても良い。また、その接続部材15の他端部(前方部15b)には、ポリプロピレンやナイロンなどの樹脂材質、或いは金属材からなる円筒状のシャープペンシルユニット16Sの芯タンク161がカシメ加工(カシメ部161a)によって回転不能に接続されている。そのカシメ部161aは、円周状に渡って形成されている。
尚、前記ボールペンリフィル16Bは、インキを収容するポリプロピレンなどの樹脂材質で押し出し成形によって形成されたインキ収容管16Baと、そのインキ収容管16Baの前方に圧入されたボールペンチップ16Bbなどから構成されている。又、シャープペンシルユニット16Sは、芯を複数本収容しポリプロピレンなどの樹脂材質や金属材質で成形された芯タンク161と、その芯タンク161の前方に継ぎ手部材162を介して取り付けられた芯の把時・開放を行うチャック体163と、そのチャック体163の前方を囲繞すると共にチャック体163の開閉を行うチャックリング164、並びに、前記チャック体163覆うように配置されたガイド筒166、そして、そのガイド筒166と前記継ぎ手部材162との間に配置され、チャック体163や芯タンク161を後方に向けて付勢するコイルスプリングなどからなる弾撥部材166とから構成されている。また、前記ガイド筒165の先端には、先部材167が螺合などの手段によって着脱自在に取り付けらており、その先部材167の内方には、繰り出された芯の後方への移動を規制するゴム状弾性体からなる芯戻り止め部材168が内設している。
また、前記芯タンク161は、前記接続部材15との連結部近傍において、屈曲しており(屈曲部161b;図18(a)、(b)参照)、軸筒1に装着した際、シャープペンシルユニット16Sbの前方部が軸筒1の中心軸線方向に向かうようになっている。
尚、本例においては、芯タンク161を屈曲させることによってシャープペンシルユニット16Sbの前方を中心方向に向けたが、図22に示すように、接続部材30を屈曲させても良い(第2例)。具体的に説明すると、前方部30bを屈曲させているが、後方部30aを屈曲させても良い。
ここで、前記スライダー11B、11Sは、透明、或いは、着色された半透明な材質で形成されているため、その内部に位置する前記接続部材15の色や表示を容易に識別することができる。これに加え、スライダー11B、11Sには平面部11bと曲面部11cが形成されているため、それによって得られるレンズ効果によって、前記接続部材15の色をさらに容易に識別することができるようになる。
尚、前記スライダー11B、11Sの前端部には、後述する弾撥部材17の外径部を保持する延出部11dが形成されている。延出部11d間の長さは、弾撥部材17外径よりも若干短く形成されており、これによって弾撥部材17は延出部11dに圧入された状態となっている。即ち、ボールペンリフィル16B、シャープペンシルユニット16Sを交換する際にも弾撥部材17がスライダー11B、11Sの前端部から外れないようになっている。また、前記スライダー11B、11Sの接続部材15(後方部15a)に対する挿着力(嵌合力)は、ボールペンリフィル16B、シャープペンシルユニット16Sの接続部材15(前方部15b)に対する挿着力(嵌合力)よりも弱く設定されている。即ち、筆記体16B、16Sをスライダー11B、11Sに対して離脱させようとすると、ボールペンリフィル16Bと接続部材15、シャープペンシルユニット16Sと接続部材15が連結された状態でスライダー11B、11Sから離脱する。
参照符号17は、ボールペンリフィル16B並びにボールペンリフィル16に接続するスライダー11B、或いは、シャープペンシルユニット16S並びにシャープペンシルユニット16Sに接続するスライダー11Sを後方に付勢するコイルスプリングなどの弾撥部材である。
また、そのスライダー22後方部は、前記第1例や第2例と同様に、摺動突起12、背面には解除突起13、14が形成されている。また、前記接続部22bには、円筒部22cが形成されており、その円筒部22cのほぼ中央部には、凹部22dが円周上に設けられている。その円筒部22cの外径は、前記芯タンク161の内径より若干小さく形成されている。そして、芯タンク161に接続部材22の円筒部22cを挿入し、両者を係合させた後において、前記凹部22d付近の芯タンク161の外側を径方向に小さくする様にしてカシメている。スライダー22と芯タンク161とが強固に固定されており、相対的な回転が防止されているのである。尚、そのカシメ工程は、円周上にカシメても良いし(本例;カシメ部161a)、複数方向からカシメても良いし、適宜選択が可能である。
本例のように、接続部材にスライダー機能を持たせることによって、部品点数を削減でき、また、組み立てによる工数なども削減することができる。
ここで、シャープペンシルユニット16Sの先端が前記軸本体1の先端より突出した前進位置において、スライダー11Sのツバ部11Sdの上部11Seを前方方向へ押圧操作すると、シャープペンシルユニット16Sの先部材167が、前記先部材4の内径部の先端側へ向かって徐々に径が小さくなる円錐部4aに当接し、シャープペンシルユニット16Sの前進移動が阻止される。ここで、さらに、スライダー11Sを押圧操作すると、芯タンク161やチャック体163が弾撥部材166の弾発力に抗して前進し、これによって芯の繰り出しがなされる。
この芯繰り出し操作の過程で、スライダー11Sのツバ部11Sdが後軸3の外周面を摺接している。よって、従来技術にあるような、スライダー11Sの摺動突起12を受けるために、後軸3の摺動溝7の軸芯方向側に、更なる摺動溝やスライド面を設ける必要はない。
尚、図27(b)は、スライダー11Sが前進した状態を図示している。この状態では、後軸3は、スリット6、並びに、幅狭スリット部6aが大きな空間部となっている。この状態では勿論、更に芯の繰り出し作動を行うと、空間部にゴミや埃などの異物が入り易くなる。その結果、ゴミや埃などの異物がスリット6や幅狭スリット部6aの壁面、及び、スライド面3aに貼り付きやすい状態になっている。
但し、スリット6は外周面に近いのでゴミや埃などの異物は取り除き易く、スライド面3aは、摺動突起12の背面が接しながら摺動しているので、ゴミや埃などの異物は掻き出し易くなっている。しかし、幅狭スリット部6aは、軸心近傍に位置しているため、ゴミや埃などの異物を取り除き難くなっている。そこで、本実施例においては、シャープペンシルユニット16Sを軸本体1に収納する後退動作により、スライダー11Sの孔11Sfが、幅狭スリット部6aのゴミや埃を掻き取るように除去すると共に、孔11Sfに掻き取った異物を貯留部するのである。そして、貯留した後においては、孔11Sfの幅狭スリット部6aから露出した部分から排出されるのである。
また、ボールペン用スライダー11Bに孔を形成した場合においても、摺動抵抗が軽減されるため、弾撥部材17の荷重を低減させてもスムーズに復帰(後退・没入)させることができる。即ち、スライダーの後退時におけるスリット後端部への当接・衝撃力が緩和されるものとなる。つまり、インキの種類によっては、後退時の衝撃力によって筆記不良になってしまう場合があり、弾撥部材の荷重をできるだけ低く設定する必要があるためである。
更に、スライダー11Sに孔11Sfを設けることによって、成形形状の効果も得られる。即ち、孔11Sfを形成するピンが金型に配置されるが、このピンが孔11Sfを形成する役目と、成形されたスライダー11Sをピンが配置されている側のキャビティに残留させる役目を果たすのである。また、本実施例においては、前述の通り、孔11Sfの内面に円周上の突起を形成しているため、ピンへの残留が確実なものとなる。ちなみに、ピンを配置しない金型にあっては、その金型を割型構造とした場合に、一方の割型(キャビティ)に成形品が残留する確率は少なく、成形不良を起こしてしまう危険性が高い。
2 前軸
3 後軸
3a スライド面
4 先部材
4a 円錐部
4b 突出孔
5 中軸
6 スリット
6a スリット
7 摺動溝
8 脚部
9 クリップ部
10 玉部
11 スライダー
111 延出部
11B ボールペンリフィル用のスライダー
11S シャープペンシルユニット用のスライダー
11Sd ツバ部
11Se 上部
11Sf 孔
11a 孔
11b 平面部
11c 円弧状の曲面部
11d 延出部
12 摺動突起
13 解除突起
14 解除突起
15 接続部材
15a 後方部
15b 前方部
15c 大径部
15d 嵌合突起
15e 平面部
15f 突起
15g 突起
16B ボールペンリフィル
16Ba インキ収容管
16Bb ボールペンチップ
16Bc 膨出部
16Bd 膨出部
16Be 内面形状
16S シャープペンシルユニット
16Sa 芯タンク
16Sb シャープペンシルセット
161 芯タンク
162 継ぎ手部材
163 チャック体
164 チャックリング
165 ガイド筒
166 弾発部材
167 先部材
168 芯戻り止め部材
17 弾撥部材
18 規制部
19 貫通孔
20 溝部
21 接続部材
21b 前方部
21e 平面部
21f 突起
21g 突起
22 接続部材
22b 接続部
22c 円筒部
22d 凹部
22e 屈曲部
30 接続部材
Claims (3)
- 軸本体内に少なくともシャープペンシルユニットを含む筆記体を前後動可能に複数配置し、それらの筆記体の後端にスライダーの前端を連結すると共に、該スライダーを前記軸本体に設けられた摺動溝に前後動自在に配置した筆記具において、前記少なくともシャープペンシルユニットをスライダーに対して回転不能に連結すると共に、前記シャープペンシルユニットを軸筒の中心軸線方向に向かって屈曲させた筆記具。
- 前記シャープペンシルユニットの芯タンクを軸筒の中心軸線方向に向かって屈曲させた請求項1記載の筆記具。
- 前記スライダーの前方部を軸筒の中心軸線方向に向かって屈曲させた請求項1、或いは、請求項2に記載の筆記具。
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