JP4457215B2 - 熱電発電機能を有する管材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電発電機能を有する管材、該管材を用いる熱電発電方法、及び該管材の用途に関する。
コジェネレーション発電システムは、ガス、石油等の原料を燃焼させて発電機を駆動して電力を供給し、同時に廃熱を回収して、冷暖房・給湯などの熱源として利用するシステムであり、エネルギーの有効利用による光熱費の削減が期待されている。
しかしながら、通常のコジェネレーション発電システムでは、廃熱を利用した冷暖房・給湯等への需要はあまり大きいものとはいえず、温湯などが供給過剰となる場合が多い。
そこで、燃焼によって生じた廃熱を有効に利用するために、排ガスを熱源とするボイラ等について種々の改良がなされている(例えば、特許文献1,2など参照)。しかしながら、エネルギーの効率的利用の観点から、燃焼によって生じた廃熱をより有効に利用する技術の確立が望まれているのが現状である。
特開2002−327901号公報 特開2003−269110号公報
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、コジェネレーション発電システム等において発生する廃熱をより有効に利用するための新規な技術を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、廃熱ボイラーにおいて用いられているフィン付き管式熱交換器のフィンの表面を熱電変換材料で被覆することによって、燃焼によって生じた廃熱を給湯等の熱源として利用すると同時に、フィンの外縁部と中心部の温度差を利用して熱電発電が可能となることを見出した。そして、熱電変換材料として、特に、特定の複合酸化物からなるp型熱電変換材料とn型熱熱変換材料を用いる場合には、高温、空気中の使用環境においても変質すること無く、長期間安定に高効率での熱電発電が可能となることを見出した。更に、この様な管型熱交換器は、廃熱ボイラーに限定されず、管の内外部で温度差が生じる環境に設置することで、熱電発電器として有効に利用できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の熱電発電機能を有する管材、該管材を用いる熱電発電方法、及び該管材の用途を提供するものである。
1.管状部材と、
該管状部材の外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、
該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されていることを特徴とする
熱電発電機能を有する管材。
2.板状部材が、管状部材の長手方向に対してほぼ直角に配置されている上記項1に記載の熱電発電機能を有する管材。
3.p型熱電変換材料又はn型熱電変換材料によって被覆された少なくとも一個の板状部材を含む、上記項1又は2に記載の熱電発電機能を有する管材。
4.p型熱電変換材料によって被覆された少なくとも一個の板状部材と、n型熱電変換材
料によって被覆された少なくとも一個の板状部材を含む、上記項1又は2に記載の熱電発電機能を有する管材。
5.板状部材の片面がp型熱電変換材料によって被覆され、他方の面がn型熱電変換材料によって被覆されており、該板状部材の外縁部においてのみp型熱電変換材料とn型熱電変換材料が電気的に接続している、上記項1又は2に記載の熱電発電機能を有する管材。6.熱電変換材料によって被覆された複数の板状部材を含み、一の板状部材の低電位部と他の板状部材の高電位部とが交互に接続されてなる上記項1〜5のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
7.板状部材が、円環状の部材又は外周部から中心部に向かって複数の切り欠きを有する円環状の部材である上記項1〜6のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
8.p型熱電変換材料が、一般式:Caa1 bCoc2 de (式中、A1は、 Na、K、Li
、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、及び一般式:BifPbg1 hCoi2 jk(式中、M1は、Na、K、Li、Ti、V、Cr
、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択
される一種又は二種以上の元素であり、M2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W
、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1.8≦f≦2.2;0
≦g≦0.4;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であり、
n型熱電変換材料が、一般式:Lnm1 nNip2 qr(式中、Lnはランタノイドから
選択される一種又は二種以上の元素であり、R1は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W
、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m≦1.7;0
≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸化物
、及び一般式:(Lns3 t2Niu4 vw(式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R3は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R4は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTa
からなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物である、
上記項1〜7のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
9.上記項1〜8のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材を2本以上含み、
一の管材の高電位部と他の管材の低電位部とが交互に接続されている
熱電発電機能を有する管材。
10.管材が廃熱ボイラーの管状熱交換器であり、
板状部材が管式熱交換器用フィンである
上記項1〜9のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
11.上記項1〜10のいずれかに記載の管材の管状部材の内部と外部とを異なる温度の流体に接触させることを特徴とする熱電発電方法。
12.上記項1〜10のいずれかに記載の管材を、熱交換部に設置してなるコジェネレーションシステム。
13.上記項1〜10のいずれかに記載の管材を排気系内に設置した熱機関を有する移動手段。
本発明の熱電発電機能を有する管材は、管状部材と、該管状部材の外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されたものである。
この様な構造の管材によれば、管状部材の内部と外部を異なる温度とすることによって、該管状部材の外周面に設置された板状部材の中心部、即ち、管状部材の外周面の近傍部分と該板状部材の外縁部とで温度差が生じて、該板状部材の表面を被覆した熱電変換材料の中心部と外縁部に電位差を発生させることができる。通常は、管状材料の内部と外部をそれぞれ異なる温度の流体に接触させればよく、例えば、廃熱ボイラーの管式熱交換器として使用する場合には、本発明の管状部材の外部を排ガスに接触させ、管状部材の内部に水等の低温流体を流通させればよい。これによって、管状部材の内外部に温度差を生じさせることができ、板状部材の表面を被覆した熱電変換材料の外縁部と中心部に電位差を発生させて、廃熱を利用した発電が可能となる。
以下、本発明の熱電発電機能を有する管材についてより具体的に説明する。
管状部材
管状部材の材質については特に限定はないが、使用環境において変質することなく、十分な強度を有し、更に、熱交換効率が良好な材質であることが好ましい。例えば、ステンレス、クロムモリブデン鋼等の金属類;石英ガラス等の高温耐久性のある無機材料;ポリイミド樹脂(商標名:カプトン)等の高温耐久性のある樹脂等を用いることができる。特に、管状部材の内外での熱伝導をよくするためには、金属材料が好ましい。
管状部材の直径、肉厚、長さ等は、使用する部位によって要求される特性に基づいて適宜決めればよい。
管状部材の形状は、通常、円筒状とすればよいが、多角形の断面を有する管状であっても良い。
また、管状部材は、直線状に限定されず、管内部に流体を流動させることが可能であればよく、U字管、連続するU字型などの曲げ管であっても良い。
板状部材
板状部材は、上記管状部材の外周面に接触すれるように設置された部材であり、例えば、フィン付き管式熱交換器では、フィンが板状部材に相当するものである。
板状部材の形状については特に限定はないが、例えば、図1の左図に示すように、中心部に管状部材を通過させる孔部を有する円環状の平面形状を有するものとすることができる。また、図1の右図に示すように、円環状の板材の外周部から中心部に向かって複数の切り欠きを有する放射状の板材とすることによって、効率よく熱エネルギーを回収することができる。更に、板状部材は、中心部に管状部材を通過させる孔部を有する多角形の平面形状を有するものであってもよい。
板状部材の厚さ、直径などは、使用条件に応じて、目的とする出力、強度、熱交換効率などを考慮して適宜決めればよい。例えば、半径1cm〜10cm程度、中心部の孔の半径1mm〜8cm程度、厚さ1mm〜3cm程度とすればよい。
板状部材の材質については、特に限定はないが、使用温度域において劣化、変質などを生じることがないものであることが好ましい。例えば、500℃以上の高温の空気中で使用可能な材料としては、ステンレス鋼、クロムモリブデン鋼、銀などの金属類;石英ガラス、粘土等の高温耐久性のある無機材料;ポリイミド樹脂(商標名:カプトン)等の高温耐久性のある樹脂等を例示できる。
熱電変換材料
板状部材は、その表面の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されていることが必
要である。板状部材の表面を熱電変換材料で被覆することによって、管状部材の内部と外部をそれぞれ異なる温度の流体に接触させた場合に、該管状部材の外周面に設置された板状部材の外縁部と中心部で温度差が生じ、該板状部材の表面を被覆した熱電変換材料の外縁部と中心部に電位差を生じさせることができる。
板状部材は、その表面の少なくとも一部が熱電変換材料で被覆されていればよいが、十分な電位差を生じさせるためには、全面が熱電変換材料で被覆されていることが好ましい。
板状材料の表面は、p型熱電変換材料及びn型熱電変換材料のいずれか一方で被覆されていればよいが、板状材料の片面をp型熱電変換材料で被覆し、他面をn型熱電変換材料で被覆して、該板状部材の外縁部においてp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を電気的に接続させる場合には、一個の板状材料によって、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の組合せからなる熱電変換素子を形成することができる。
熱電変換材料の被膜の厚さは、必要とする電力、出力等によって適宜決めれば良く、一般に、高電圧を必要とする場合には温度差を大きくできるために被膜を厚くし、内部抵抗を抑制したい場合には、被膜を薄くすればよい。例えば、1μm〜1cm程度の範囲から適宜決めればよい。
熱電変換材料の種類については、特に限定はなく、熱電変換材料によって形成された被膜の両端に温度差を生じさせた場合に、正のゼーベック係数を示す材料であるp型熱電変換材料、又は負のゼーベック係数を示す材料であるn型熱電変換材料を用いることができる。本発明では、特に、高温の空気中において安定に使用できる酸化物からなる熱電変換材料を用いることが好ましい。
具体的には、p型熱電変換材料としては、Ca3Co4O9で表される複合酸化物、Ca3Co4O9のCa及び/又はCoの一部を他の元素で置換した複合酸化物、Bi2M2Co2O9(Mは、Sr、Ca又はBaである)で表される複合酸化物、Bi2M2Co2O9のBi及び/又はMの一部を他の元素で置換した複合酸化物等のCoO2系層状酸化物等を用いることができる。また、n型熱電変換材料とし
ては、LnNiO3(Lnはランタノイドである)で表される複合酸化物、LnNiO3のLn及び/又はNiの一部を他の元素で置換した複合酸化物等のペロブスカイト構造を有する複合酸化物、Ln2NiO4で表される複合酸化物、Ln2NiO4のLn及び/又はNiの一部を他の元素で置換した複合酸化物等の層状ペロブスカイト構造を有する複合酸化物等を用いることができる。
これらの熱電変換材料について、更に具体的に説明する。
(i)p型熱電変換材料
p型熱電変換材料としては、一般式:Caa1 bCoc2 de (式中、A1は、 Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからな
る群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、及び一般式:BifPbg1 hCoi2 jk(式中、M1は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W
、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1.8≦f≦2.2;0
≦g≦0.4;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を用いることができる。上記各一般式においてランタノイド元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等を例示できる。
この様な一般式で表される複合酸化物は、Ca、Co及び0により構成されるCa2Co03という組成比、又はBi、M1及び0により構成されるBi2M1 24という組成比の岩塩型構造を有
する層と、六つの0が一つのCoに八面体配位し、その八面体がお互いに辺を共有するように二次元的に配列したCo02層が交互に積層した構造を有するものであり、前者の場合、Ca2Co03のCaの一部がA1で置換され、さらにこの層のCoの一部及びCo02層のCoの一部がA2によって置換されており、後者ではBiの一部がPb又はM1の一部で置換され、Coの一部がM2によって置換されている。
これらの複合酸化物は、p型熱電変換材料として高いゼーベック係数を有し、且つ電気伝導性も良好である。例えば、100K以上の温度で100μV/K程度以上のゼーベック係数と、50mΩcm程度以下、好ましくは30mΩcm程度以下の電気抵抗率を有し、温度の上昇とともにゼーベック係数が増加し、電気抵抗率が減少する傾向を示すものを得ることができる。
(ii)n型熱電変換材料
n型熱電変換材料としては、一般式:Lnm1 nNip2 qr(式中、Lnはランタノイ
ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R1は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸
化物、及び一般式:(Lns3 t2Niu4 vw(式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R3は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R4は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及
びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を用いることができる。上記一般式において、m値は、0.5≦m≦1.7であり、0.5≦m≦1.2であることが好ましい。また、ランタノイド元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等を例示できる。
上記各一般式で表される複合酸化物は、負のゼーベック係数を有するものであり、該酸化物からなる材料の両端に温度差を生じさせた場合に、熱起電力により生じる電位は、高温側の方が低温側に比べて高くなり、n型熱電変換材料としての特性を示す。具体的には、上記複合酸化物は、373K以上の温度において負のゼーベック係数を有し、例えば、373K以上の温度で−1〜−20μV/K程度のゼーベック係数を有するものとなる。
更に、上記複合酸化物は、電気伝導性がよく、低い電気抵抗率を示し、例えば、373K以上の温度において、20mΩcm程度以下の電気抵抗率を有するものとすることができる。
上記した複合酸化物は、前者がペロブスカイト型の結晶構造、後者が一般に層状ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を有するものであり、一般に前者がABO3構造、後者がA2BO4
構造とも呼ばれる。どちらの複合酸化物もLnの一部がR1又はR3で置換され、Niの一部がR2又はR4で置換されている。
被膜形成方法
板状部材上にp型熱電変換材料又はn型熱電変換材料の被膜を形成する方法については、特に限定されるものではなく、上記した組成を有する単結晶薄膜又は多結晶薄膜を形成できる方法であればよい。
例えば、気相蒸着法を用いた薄膜製造法;ディップコート法、スピンコート法、塗布法、スプレー噴霧法などの溶液原料を用いた薄膜製造法;複合酸化物の溶融物を吹き付ける溶射法;複合酸化物の微粉末を吹き付けるエアロゾル堆積法などの公知の方法を適用できる。更に、融液を用いたフラックス法や融液を用いることなく原料を溶融・凝固させる方法などの単結晶薄膜の製造方法も適用できる。
これらの被膜形成方法は、いずれも公知の条件に従って実施することができる。以下、これらの内の代表的な方法についてより具体的に説明する。
(i)気相蒸着法:
原料物質としては、気相蒸着法によって気化させて基板上に堆積させることにより、酸化物を形成し得るものであれば特に限定なく使用できる。例えば、構成金属成分を含む金属単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩等)等を用いることができる。また、目的とする複合酸化物の構成原子を二種以上含む原料物質を使用してもよい。
これらの原料物質は、目的とする複合酸化物の金属成分比と同様の金属比となるように混合して、そのまま用いることが可能であるが、特に、これらの原料物質を混合し焼成して用いることが好ましい。焼成物とすることにより、後述する気相蒸着の際に原料物質の取り扱いが容易となる。
原料物質の焼成条件については特に限定はなく、上記した一般式で表される複合酸化物の結晶が形成される高温度で焼成しても良く、或いは、上記複合酸化物の結晶が生じることが無く、仮焼体が形成される程度の比較的低温度で焼成してもよい。焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。
気相蒸着法としては、特に限定的ではなく、上記した原料物質を用いて基板上に酸化物薄膜を形成できる方法であればよい。例えば、パルスレーザー堆積法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマアシスト蒸着法、イオンアシスト蒸着法、反応性蒸着法、レーザーアブレーション法等の物理蒸着法を好適に採用できる。これらの方法の内で、多元素を含む複合酸化物を蒸着させる際に組成変動を生じ難い点で、パルスレーザー堆積法が好ましい。
複合酸化物を堆積させる際に、400〜600℃程度に基板を加熱してもよく、或いは、室温のままでもよい。加熱して堆積させる場合には、該複合酸化物が基板上に生成するため、通常、熱処理を行う必要はない。室温で基板上に複合酸化物を堆積させた状態では、該複合酸化物は、結晶化の程度が非常に低く、良好な熱電変換性能を発揮できないことがあるが、熱処理を行うことによって、該複合酸化物の結晶化が進行して良好な熱電変換性能を発揮できるようになる。
熱処理温度については、例えば、600〜740℃程度とすればよい。この温度範囲で熱処理を行うことによって、複合酸化物薄膜の結晶化が進行して、良好な熱電変換性能を有するものとなる。熱処理温度が低すぎる場合には、結晶化が十分に進行せず、熱電変換性能が劣るものとなるので好ましくない。一方、熱処理温度が高すぎると、別の相が出現して、やはり熱電変換性能が低下するので好ましくない。
熱処理時の雰囲気については、通常、大気中や酸素を5%程度以上含む雰囲気下などの酸化性雰囲気とすればよい。この時の圧力は、特に限定的ではなく、減圧、大気圧、加圧のいずれでも良く、例えば、10-3Pa〜2MPa程度の範囲とすることができる。
熱処理時間は、被処理物の大きさや複合酸化物薄膜の厚さなどによって異なるが、該複合酸化物薄膜の結晶化が十分に進行するまで熱処理を行えばよく、通常、3分〜10時間程度、好ましくは1〜3時間程度程度の熱処理時間とすればよい。
この様な方法によって、目的とする複合酸化物の薄膜を形成することができる。
(ii)スピンコート法:
次に、溶液原料を用いる複合酸化物薄膜の製造方法として、スピンコート法について記載する。
溶液原料としては、目的とする複合酸化物の構成金属元素を含む原料物物質を溶解した溶液を用いればよい。原料物質は焼成により酸化物を形成し得るものであれば特に限定されず、金属単体、酸化物、各種化合物(塩化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物等)等を使用できる。
溶媒としては、水や、トルエン、キシレン等の有機溶媒を用いることができる。原料物質の濃度については、特に限定的ではないが、例えば、例えば0.01〜1モル/L程度とす
ればよく、目的とする複合酸化物の金属成分と同様の比率で金属成分を含有する溶液を用いればよい。
まず、この様な溶液原料を、高速回転している基板上に少量ずつ滴下する。回転による遠心力で溶液が均一に基板面に拡がり、溶媒を蒸発させることにより、目的とする複合酸化物薄膜の前駆体が形成される。基板の回転速度は特に限定されないが、溶液粘度や製造する膜厚によって、適宜回転速度を決めればよい。
次いで、この前駆体を空気中で熱処理することによって、複合酸化物薄膜が形成される。熱処理条件は、目的とする複合酸化物が形成される条件であればよく特に限定されないが、一般的には、300〜500℃程度で1〜10時間程度加熱して溶媒を除去し、その後500〜1000℃程度で1〜20時間程度加熱することによって、目的とする複合酸化物の多結晶体の薄膜が形成される。
(iii)溶射法:
次に、溶射法による薄膜製造方法について説明する。
溶射方法としては、基材上に溶射被膜を形成できる方法であれば良い。具体的な方法については、特に限定的ではないが、例えば、プラズマ溶射法、ガス燃焼フレーム溶射法、高速フレーム溶射法、爆発溶射法などの公知方法を適用できる。
原料物質としては、溶射トーチの熱により溶融し、液滴を基板上に堆積させることにより、酸化物を形成し得るものであれば特に限定なく使用できる。例えば、構成金属成分を含む金属単体、酸化物等を用いることができる。また、目的とする複合酸化物の構成原子を二種以上含む原料物質を使用してもよい。
これらの原料物質の成分比は、溶射での高温溶融時に蒸気圧差による組成変化を生ずることを考慮して、溶射後の金属比が、目的とする複合酸化物の金属成分比と等しくなるよう調整することが必要である。原料物質は、単純に混合して溶射に供してもよいし、あらかじめ混合物を焼成し固溶体とした後粉砕した粉末を用いてもよいが、後者を用いる方が、均一で組成ムラのない被膜が得られ好ましい。
液相からの急冷凝固のため、溶射したままでは、目的とする結晶相の含有率が低く、熱電変換性能が劣る場合がある。この場合には、目的とする結晶相の比率を高めるために熱
処理を行うことが好ましい。熱処理条件については、特に限定的ではないが、例えば、p型熱電変換材料については、熱処理温度を850〜900℃程度とすることが適当であり、n型熱電変換材料については、熱処理温度を1000〜1100℃程度とすることが適当である。熱処理時間については、例えば、5〜48時間程度、好ましくは15〜20時間程度とすればよい。また、基材金属が酸化し易い場合には、熱処理温度を600℃程度まで下げることもできるが、この場合には、より長時間の熱処理を行うことが好ましい。
熱処理時の雰囲気については、通常、大気中や酸素を5%程度以上含む雰囲気下などの酸化性雰囲気とすればよい。この時の圧力は、特に限定的ではなく、減圧、大気圧、加圧のいずれでも良く、例えば、10-3Pa〜2MPa程度の範囲とすることができる。
この様な方法によって、目的とする複合酸化物の被膜を形成することができる。
(iv)エアロゾル堆積法:
エアロゾル堆積法では、目的とする複合酸化物の微粉末を搬送ガスと共に基板上に吹き付けることによって、複合酸化物の被膜を形成できる。
複合酸化物の微粉末は、通常、目的とする複合酸化物の金属成分比と同様の金属比となるように原料物質を混合し、酸素含有雰囲気中で焼成し、必要に応じて粉砕することによって得ることができる。複合酸化物の平均粒径は、例えば、0.5〜5μm程度とすればよい。
搬送ガスとしては、例えば、窒素ガス、Heガス等を用いることができる。この様な搬送ガスを用い、圧力10Pa〜8kPa程度の減圧チャンバー内で、ガス流量5〜10L/分程度、ノズル基板間距離10〜30mm程度で、複合酸化物粉末を基板に吹き付けることによって、複合酸化物の被膜を形成することができる。このとき、基板を200〜600℃程度に加熱しておくと、形成される被膜の密着性を向上させることができる。
その後、必要に応じて、酸素含有雰囲気中で、膜厚に応じて200〜700℃程度で10分〜4時間程度加熱することによって、形成される被膜の結晶性をより向上させることができる。
(v)単結晶薄膜形成法:
次に、複合酸化物の単結晶体薄膜を形成する方法について説明する。
この方法では、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように原料物質を混合し、基板上で加熱して溶融させた後、徐々に冷却することによって単結晶体薄膜を形成することができる。原料物質としては、原料混合物を加熱した際に均一な溶融物を形成し得るものであれば特に限定されず、元素単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩
等)等を使用できる。また目的とする複合酸化物の構成元素を二種以上含む化合物を使用
しても良い。
具体的な単結晶薄膜形成方法としては、溶融した原料混合物が均一な溶液状態となる条件で加熱した後、冷却すればよい。加熱時間については特に限定はなく、均一な溶液状態となるまで加熱すればよい。加熱手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。溶融時の雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で溶融することも可能である。
冷却方法についても特に限定的ではなく、溶液状態の原料の全体を冷却しても良く、或いは、溶融した原料物質の入った容器に冷却した基板を浸漬して、その面上に単結晶を析出させてもよい。
冷却速度については、特に限定的ではないが、速度が大きくなると基板上に多数の結晶が析出して、いわゆる多結晶薄膜が形成されるので、単結晶薄膜を製造するためには、ゆっくりと冷却することが好ましい。例えば、毎時50℃程度以下の冷却速度とすればよい。
また、原料混合物を直接溶融することに代えて、原料混合物に、溶融物の融点調整などを目的として、その他の成分を添加し、この混合物を加熱して溶融させても良い。この様な複合酸化物の金属源となる物質以外の添加成分(フラックス成分)を加えて溶融させる方法は、いわゆる“フラックス法”と称される方法である。この方法によれば、原料混合物に含まれるフラックス成分の一部が加熱により溶融し、その化学変化、溶解作用などによって、原料物質全体が溶液状態となり、原料混合物を直接冷却する方法と比べて低い温度で溶融物を得ることができる。そして、溶液状態の原料物質の冷却速度を適度に制御して冷却することによって、冷却に伴う過飽和状態を用いて目的とする単結晶を成長させることができる。この冷却過程においては、原料物質が溶融して形成された溶液と相平衡にある固相組成の複合酸化物の単結晶が成長する。よって、互いに平衡状態にある融液相と固相(単結晶)の組成の関係に基づいて、目的とする複合酸化物単結晶の組成に対応する原料混合物における各原料物質の割合を決めることができる。
その際、原料中に含まれるフラックス成分は融液成分として残り、成長する単結晶の構成成分には含まれない。
この様なフラックス成分としては、原料物質と比べて低融点であり、形成される融液中に原料物質を十分に溶解することができ、しかも目的とする複合酸化物の特性を阻害しない物質から適宜選択して用いればよい。例えば、アルカリ金属化合物、ホウ素含有化合物などを好適に用いることができる。
アルカリ金属化合物の具体例としては、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)などのアルカリ金属塩化物、これらの水和物;炭酸リチウム(Li2CO3)
、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)などのアルカリ金属炭酸塩などを挙げ
ることができる。ホウ素含有化合物の具体例としては、ホウ酸(B2O3)などを挙げることができる。これらの任意の添加成分についても、それぞれを単独あるいは二種以上混合して用いることができる。
これらのフラックス成分の量については特に限定的ではなく、形成される融液中への原料物質の溶解度を考慮して、できるだけ高濃度の原料物質を含む溶液が形成されるように、実際の加熱温度に応じて使用量を決めればよい。
原料混合物を溶融させる方法については特に限定的ではなく、溶融した原料混合物が基板上で均一な溶液状態となる条件で加熱すれば良い。実際の加熱温度は、使用するフラックス成分の種類などによって異なるが、例えば、800〜1000℃程度の温度範囲において、20時間〜40時間程度加熱して溶融させれば良い。
加熱手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。溶融時の雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で溶融させることも可能である。
冷却速度については、特に限定的ではないが、冷却速度が速いと多結晶薄膜が形成され、冷却速度を遅くするほど単結晶薄膜を得やすい。例えば、毎時50℃程度以下の速度で
冷却すれば単結晶薄膜を製造することができる。
形成される複合酸化物単結晶薄膜の大きさ、収率などは、原料物質の種類と組成比、溶融成分の組成、冷却速度などによって変わり得るが、例えば毎時50℃程度以下の冷却速度で試料が固化するまで冷却する場合には、幅0.1mm程度以上、厚さ0.01mm程度以上、長5mm程度以上の針状又は板状の形状を有する単結晶を得ることができる。
次いで、冷却により形成された固化物から、目的とする複合酸化物単結晶以外の成分を除去することによって、基板面に付着した状態で目的とする複合酸化物の単結晶薄膜を得ることができる。
目的物以外の成分を除去する方法としては、複合酸化物単結晶に付着している水溶性の成分、例えば、塩化物などについては、蒸留水による洗浄と濾過を繰り返して行い、さらに必要に応じてエタノール洗浄などを併用することによって、目的生成物から除去することができる。
絶縁性被膜
板状部材が電気伝導性を有する場合には、該板状部材表面に絶縁性被膜を形成した後、その上に熱電変換材料の被膜を形成すればよい。これにより、電気短絡を防止して十分な電力を得ることができる。
絶縁性被膜は、板状部材及び熱電変換材料の両者と良好な接合性を有し、且つ板状部材及び熱電変換材料を変質させることがない材料であって、高温雰囲気中においても使用可能な材料によって形成すればよい。例えば、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物;窒化アルミニウム、窒化チタンなどの窒化物等を用いることができる。
絶縁性被膜の厚さは、板状部材と熱電変換材料の絶縁性が確保される厚さとすればよく、伝熱性を考慮すれば、できるだけ薄いことが好ましい。例えば、1μm〜5mm程度の範囲の厚さから適宜選択すればよい。
絶縁性被膜の形成方法としては、上記した熱電変換材料被膜の形成方法と同様の方法を採用できる。
例えば、図2(a)に示す板状部材の断面図のように、管状部材を通すための貫通孔を有する板状部材を基材として、その上に絶縁性被膜を形成し、更に、該絶縁性被膜上にp型熱電変換材料又はn型熱電変換材料の被膜を形成すればよい。或いは、図2(b)に示すように、貫通孔を有する板状部材を基材として、その上に絶縁性被膜を形成し、更に、片面にp型熱電変換材料被膜を形成し、他面にn型熱電変換材料の被膜を形成して、板状部材の外縁部で両材料を電気的に接続することによって、一個の板状材料によって、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の組合せからなる熱電変換素子を形成することができる。
本発明管材の構造
本発明の管材は、上記した管状部材と、その外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されているものである。
一本の管状部材に設置する板状部材の数は、管状部材の大きさ、必要とする電力などに応じて適宜決めればよい。
板状部材は、その中心部が管状部材の外周面に接触するように設置すればよく、例えば、板状部材が管状部材の長手方向に対してほぼ直角となる状態、いわゆる鍔状に設置することによって、板状部材の外縁部と中心部の温度差を大きくすることができる。
2個以上の板状部材を設置する場合には、p型熱電変換材料被膜を形成した板状部材とn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材のいずれか一方のみを用いてもよく、或いは、p型熱電変換材料被膜を形成した板状部材とn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材を組み合わせて用いても良い。何れの場合にも、一の板状部材の低電位部と他の板状部材の高電位部とを交互に電気的に接続することによって、高電圧を得ることができる。
図3(a)は、p型熱電変換材料被膜を形成した板状部材とn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材とを交互に設置してなる管材の概略図である。この場合には、p型熱電変換材料被膜を形成した板状部材とn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材について、管状部材に接触する部分の近傍部分同士を電気的に接続し、次いで、このn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材の外縁部又はその近傍部分を他のp型熱電変換材料被膜を形成した板状部材の外縁部又はその近傍部分に接続する方法で、板状材料を順次電気的に接続することによって、各板状材料において発生する電圧を合計した電圧にほぼ近似した電圧を得ることができる。
図3(b)は、p型熱電変換材料被膜を形成した板状部材又はn型熱電変換材料被膜を形成した板状部材を一方のみ用い、これを複数設置してなる管材の概略図である。この場合には、板状部材の外縁部又はその近傍部分と、他の板状部材の管状部材に接触する部分又はその近傍部分とを交互に電気的に接続することによって、各板状部材において発生する電圧を合計した電圧にほぼ近似した電圧を得ることができる。
図3(c)は、板状部材の片面をp型熱電変換材料で被覆し、他面をn型熱電変換材料で被覆して、該板状部材の外縁部においてp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を電気的に接続させた板状部材を2個以上設置してなる管材の概略図である。この場合には、板状部材の管状部材に接触する部分又はその近傍部分において、n型熱電変換材料被膜を他の板状部材のp型熱電変換材料被膜に電気的に接続する方法によって、順次、板状部材を接続することによって、各板状部材において発生する電圧を合計した電圧にほぼ近似した電圧を得ることができる。
図4は、上記した熱電発電機能を有する管材を2本以上用いる場合に、高電圧を得るための接続方法を示す概略図である。各管材は、図3(c)に示した、板状材料の片面をp型熱電変換材料で被覆し、他面をn型熱電変換材料で被覆して、該板状部材の外縁部においてp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を電気的に接続させた板状部材を2個以上設置してなる管材である。この様な管材を2本以上設置する場合には、一本の管材の低電位部を、他の管材の高電位部に順次接続することによって、各管材において発生する電圧を合計した電圧にほぼ近似した電圧を得ることができる。
熱電変換材料の被膜を接続する方法については、特に限定はないが、例えば、金属シート、金属線等の導電性材料をハンダ、導電性ペースト、ネジ止め、クリップ止め等の方法で、熱電変換材料に固定する方法を採用できる。接続に用いる導電性材料の材質についても限定はないが、高温の空気中でも熱耐久性のある物質であることが好ましく、例えば、銀、金等の貴金属、これらの貴金属を含む合金、ステンレス等を用いることができる。板状部材の中心部同士を接続する場合には、例えば、管状部材に絶縁性被膜を形成し、その上に導電材料のシート、被覆等を形成して、熱電変換材料を接続してもよい。
管材の使用方法
本発明の熱電発電機能を有する管材は、管状部材の内部と外部とを異なる温度の流体に接触させることによって、板状部材の外縁部と中心部で温度差を生じさせ、該板状部材の表面を被覆した熱電変換材料の外縁部と中心部に電位差を発生させることができる。
本発明の管材の使用方法としては、管の内外部で温度差が生じる環境に置けばよく、その具体例として、排熱ボイラーの管状熱交換器としての使用を挙げることができる。この場合には、管材の外部を高温の廃熱に接触させ、管材の内部に水等の低温流体を流通させることによって、冷暖房・給湯などの熱源として利用すると同時に、熱電発電による電力供給が可能となる。特に、この管材を、コジェネレーションシステムの熱交換部の熱交換器として用いることによって、ガス、石油等の原料の燃焼によって生じた廃熱の有効利用が可能となる。
また、自動車、船舶、航空機、二輪車、機関車等の熱機関を有する移動手段において、その排気系に本発明の管材を設置し、管状部材の内部に水などの低温流体を通すことにより排気ガスからの高温廃熱を用いた熱電発電が可能となる。
図5は、本発明の管材の設置方法の一例を示すものであり、複数の管材を設置した発電装置を管材の長手方向から見た概略図である。管材は、高温又は低温流体が通過する部分、例えば、廃熱ボイラーの熱交換器本体内に複数設置され、その管材内部を低温又は高温流体が通過する構造である。この場合、管材の設置方法は、外部を通過する流体との接触効率などを考慮して適宜決めればよい。
図6は、本発明の管材を設置した発電装置の概略を示す側断面図である。図6(a)は、複数の管材を並列に設置した構造の装置であり、図6(b)は、連続したU字型に曲げた1本の管材を設置した構造の装置である。この様な構造の装置において、管材の外部を高温又は低温の流体と接触させ、管状部材の内部に低温又は高温の流体を通過させることによって、板状部材の外縁部と中心部とに温度差が生じて、熱電発電が可能となる。
本発明の熱電発電機能を有する管材によれば、管状部材の内部と外部をそれぞれ異なる温度の流体に接触させることによって、板状部材の外縁部と中心部に生じる温度差を利用した熱電発電が可能となる。
この様な管材を用いることによって、コジェネレーションシステムや自動車から生じる排気ガスの高温廃熱を用いた発電が可能となり、廃熱に含まれるエネルギーの有効利用を図ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
p型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
外径5cm、中心部の孔の直径2cm、厚さ1mmのクロムモリブデン鋼の円盤の全面にプラズマ溶射により、厚さ約50μmの酸化アルミニウム(アルミナ)被膜を形成した。
プラズマ溶射条件は、プラズマガスとしてアルゴン水素混合ガスを用い、トーチ入力42kW,粉末供給量30g/分、溶射距離100mmとした。
それぞれ濃度1mol/Lの硝酸カルシウム水溶液、硝酸ビスマス水溶液及び硝酸コバルト水溶液を、カルシウム:ビスマス:コバルトの原子比が2.7:0.3:4となるよ
うに混合した。この混合溶液中に、上記方法でアルミナ被覆したクロムモリブデン板を浸漬して、100℃で乾燥後、800℃の空気中で3時間焼成した。その後、再度、このクロムモリブデン板を上記混合溶液中に浸漬し、同様の条件で熱処理を行った。この処理を5回繰り返した後、850℃の酸素気流中で20時間焼成した。
これにより、平均厚さ80μmのp型熱電変換特性を示すCa2.7Bi0.3Co4O9被膜が形成
されたクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
n型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
上記した方法と同様にしてクロムモリブデン鋼の円盤の全面にプラズマ溶射により、厚さ約50μmの酸化アルミニウム(アルミナ)被膜を形成した。
次いで、それぞれ濃度が1mol/Lの硝酸ランタン水溶液、硝酸ビスマス水溶液及び硝酸ニッケル水溶液を、ランタン、ビスマス及びストロンチウムの原子比が1.9:0.1:1となるように混合した。この混合溶液中に、上記方法でアルミナ被覆したクロムモリブデン板を浸漬して、100℃で乾燥後、800℃の空気中で3時間焼成した。その後、再度、このクロムモリブデン板を上記混合溶液中に浸漬し、同様の条件で熱処理を行った。この処理を5回繰り返した後、900℃の空気中で20時間焼成した。
これにより、平均厚さ80μmのn型熱電変換性能を有するLa0.9Bi0.1NiO3被膜が形成されたクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
熱電発電機能を有する管材の作製
外径2cm、内径1.8cm、肉厚1mm、長さ15cmのクロムモリブデン鋼管を管状部材として用い、上記したp型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の孔部とn型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の孔部に該管状部材を通した。p型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)とn型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)は、それぞれ5枚ずつ用い、各部材を交互に通して、1cm間隔で固定した。
管状部材には、予めフィンを固定するための微小なフックを設け、各板状部材には、中央の孔部にフックを通過させるための微小な切り込みを設けておいた。
各板状部材(フィン)は、図3(a)に示すように、隣接する板状部材の孔部の近傍同士を接続し、次いで、一方の板状部材の外縁部をその他の板状部材の外縁部に接続する方法で順次電気的に接続した。
接続方法としては、厚さ100μm、幅5mmの銀シートを銀ペーストで固定する方法を採用した。銀シートを接続する部分は、孔部については、孔の外縁から1mm程度板状部材側とし、板状部材の外縁部については、外縁から1mm程度板状部材側とした。
熱電発電特性
上記した方法で、p型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)とn型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)を各5枚設置した管材を電気炉に入れ、600℃まで加熱し、管内部に20℃の水を流すことによって、管材の内外部で温度差を生じさせて、接続する外部抵抗値を変化させながら電圧を測定した。
その結果、上記管材の内部抵抗と開放電圧は、それぞれ15mΩと80mVであり、最大出力は80mWであった。
実施例2
p型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
生石灰(CaO)の粉末と酸化コバルト(II,III)(Co3O4)の粉末をCaとCoの原子比が
3:4となるように、それぞれ秤量した。次いで、生石灰粉末を水に投入して水和による発熱が収まるまで十分撹拌した。その後、この溶液に酸化コバルトの粉末を投入し、さらに結合材としてポリビニルアルコール(PVA)を加え、ボールミル混合により均質なスラ
リーを作製した。このスラリーからスプレードライ法により平均2次粒子径約30μmの球状の造粒粉を製造し、p型熱電変換材料の原料粉末とした。
一方、外径5cm、中心部の孔の直径2cm、厚さ1mmのクロムモリブデン鋼の円盤の全面に、市販の溶射用酸化アルミニウム(アルミナ)粉末をプラズマ溶射して、厚さ約50μmの酸化アルミニウム(アルミナ)被膜を形成した。プラズマ溶射条件は、プラズマガスとしてアルゴン水素混合ガスを用い、トーチ入力42kW,粉末供給量30g/分、溶射距離100mmとした。
次いで、上記方法で形成されたアルミナ被膜上に、上記したp型熱電変換材料の原料粉末をプラズマ溶射して、CaとCoの原子比がほぼ3:4のp型熱電変換材料前駆体膜を形成した。プラズマ溶射条件は、プラズマガスとしてアルゴン水素混合ガスを用い、トーチ入力30kW,粉末供給量30g/分、溶射距離100mmとした。
その後、大気中880℃で20時間熱処理することにより、厚さ3mmのp型熱電変換性能を有するCa3Co4O9被膜を有するクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
n型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
酸化ランタン(La2O3)粉末と酸化ニッケル(NiO)粉末をLaとNiの原子比が1:1.2になるように混合し、さらに結合材としてポリビニルアルコール(PVA)を加え、水を分散媒として
、ボールミル混合により均質なスラリーを作製した。
このスラリーからスプレードライ法により平均2次粒子径約30μmの球状の造粒粉を製造し、n型熱電変換材料の原料粉末とした。
次いで、上記した方法と同様にして、プラズマ溶射により厚さ約50μmの酸化アルミニウム(アルミナ)被膜を形成したクロムモリブデン鋼製の円盤に、上記したn型熱電変換材料の原料粉末をプラズマ溶射して、LaとNiの原子比がほぼ1:1のn型熱電変換材料前駆体膜を形成した。プラズマ溶射条件は、プラズマガスとしてアルゴン水素混合ガスを用い、トーチ入力30kW,粉末供給量30g/分、溶射距離100mmとした。
その後、大気中1000℃で20時間熱処理することにより、厚さ3mmのn型熱電変換性能を有するLaNiO3被膜を有するクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
熱電発電機能を有する管材の作製
上記した方法で得られたp型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)とn型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)を用いる他は、実施例1と同様にして、熱電発電機能を有する管材を作製した。
実施例3
p型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
圧力1kPaの減圧チャンバー内で、外径5cm、中心部の孔の直径2cm、厚さ1mmのクロムモリブデン鋼の円盤の全面に、搬送ガスとしてHeを用い、ガス流量7L/分、ノ
ズル基板間距離15mmで、エアロゾル堆積法により、平均粒径2μmのアルミナ粉末を吹
き付けて、厚さ約5μmのアルミナ被膜を形成した。形成されたアルミナ被膜は、絶縁耐
圧で150V/μm、体積抵抗率で1015Ω・cmと良好な特性を示した。
次いで、上記したアルミナ被膜上に、組成式:Ca2.7Bi0.3Co4O9で表されるp型熱電変
換材料の原料粉末を室温でエアロゾル堆積法によって吹き付けた。
原料粉末としては、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように混合した原料物質を、空気中、850℃で90時間焼成した後、粉砕して得た平均粒径4μmの酸化物粉末を用いた。エアロゾル堆積法の条件は、アルミナ被膜を形成する場合と同様とした。
このときの基板温度は室温で、被膜形成後、850℃の酸素気流中で1時間焼成した。これにより、平均厚さ80μmのp型熱電変換特性を示すCa2.7Bi0.3Co4O9被膜が形成さ
れたクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
n型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)の作製
上記した方法と同様にしてクロムモリブデン鋼の円盤の全面にエアロゾル堆積法により、厚さ約5μmの酸化アルミニウム(アルミナ)被膜を形成した。
次いで、アルミナ被覆したクロムモリブデン板に、組成式:La0.9Bi0.1NiO3で表されるn型熱電変換材料の原料粉末を室温でエアロゾル堆積法によって吹き付けた。
原料粉末としては、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように混合した原料物質を、1000mL/分の酸素気流中、900℃で40時間焼成した後、粉砕して得た平均粒径2μmの酸化物粉末を用いた。エアロゾル堆積法の条件は、アルミナ被膜
を形成する場合と同様とした。
このときの基板温度は室温で、被膜形成後、900℃の酸素気流中で2時間焼成した。これにより、平均厚さ80μmのn型熱電変換特性を示すLa0.9Bi0.1NiO3被膜が形成されたクロムモリブデン鋼板からなるフィンが得られた。
熱電発電機能を有する管材の作製
上記した方法で得られたp型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)とn型熱電変換材料で被覆した板状部材(フィン)を用いる他は、実施例1と同様にして、熱電発電機能を有する管材を作製した。
以下、各種組成の酸化物からなる熱電変換材料について、参考例として物性値を示す。
参考例1
一般式:Caa1 bCoc2 de又は一般式:BifPbg1 hCoi2 jkで表されるp
型熱電変換材料としての特性を有する複合酸化物を下記の方法で作製した。
原料物質としては、目的とする複合酸化物の構成元素を含む炭酸塩又は酸化物を用い、表1〜表68に記載した組成式と同じ元素比となるように原料物質を混合し、大気圧中において、1073Kで10時間仮焼した。次いで、得られた焼成物を粉砕し、成形して、300mL/分の酸素ガス気流中で20時間焼成した。その後、得られた焼成物を粉砕、加圧成形し、空気中で10MPaの一軸加圧下に、20時間のホットプレス焼結を行い、p型熱電変換材料用の複合酸化物を作製した。各酸化物を製造する際の焼成温度については、組成に応じて1073〜1273Kの範囲で変更し、更に、ホットプレス焼結の温度についても、1123〜1173Kの範囲で変更した。
得られた各酸化物について、700℃におけるゼーベック係数、700℃における電気
抵抗率及び700℃における熱伝導度の測定結果を下記表1〜表68に示す。
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以上の結果から明らかなように、表1〜表68に示された各酸化物は、p型熱電変換材料として優れた特性を有し、導電性も良好である。従って、実施例1の管材におけるp型熱電変換材料に代えて、これらの酸化物を用いる場合にも、良好な熱電発電性能が発揮さ
れるものと考えられる。
参考例2
一般式:Lnm1 nNip2 qr又は一般式:(Lns3 t2Niu4 vwで表されるn
型熱電変換材料としての特性を有する複合酸化物を下記の方法で作製した。
原料物質としては、目的とする複合酸化物の構成元素を含む硝酸塩を用い、表69〜表115に記載した各組成式と同じ元素比となる割合で、各原料物質を蒸留水に完全に溶解し、アルミナるつぼ中で十分に撹拌混合した後、水分を蒸発させて乾固した。次いで、電気炉を用いて、析出物を空気中で600℃で10時間焼成して、硝酸塩を分解した。その後、焼成物を粉砕し、加圧成形後、300mL/分の酸素気流中で20時間焼成して複合酸化物を合成した。焼成温度及び焼成時間については、目的とする酸化物が生成するように700〜1100℃の範囲で適宜変更した。
下記表69〜表115に、得られた各複合酸化物における元素比、700℃におけるゼーベック係数、700℃における電気抵抗率、及び700℃における熱伝導度を示す。
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以上の結果から明らかなように、表69〜表115に示された各酸化物は、n型熱電変換材料として優れた特性を有し、導電性も良好である。従って、実施例1の管材におけるn型熱電変換材料に代えて、これらの酸化物を用いる場合にも、良好な熱電発電性能が発揮されるものと考えられる。
板状部材の一例の概略を示す平面図。 絶縁性被膜と熱電変換材料被膜を形成した板状部材の一例を示す側断面図。 複数の板状部材を設置した本発明管材の概略図。 複数の本発明管材を接続する方法を示す説明図。 本発明管材の設置方法を示す説明図。 本発明管材の設置方法を示す説明図。

Claims (9)

  1. 管状部材と、
    該管状部材の外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、
    該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されている熱電発電機能を有する管材であって、下記(i)〜(v)の要件を満足することを特徴とする管材:
    (i)p型熱電変換材料又はn型熱電変換材料によって被覆された少なくとも一個の板状
    部材を含むこと、
    (ii)該板状部材が、外周部から中心部に向かって複数の切り欠きを有する円環状の部材であること、
    (iii)該p型熱電変換材料が、一般式:Ca a 1 b Co c 2 d e (式中、A 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、
    及び一般式:Bi f Pb g 1 h Co i 2 j k (式中、M 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1.8≦f≦2.2;0≦g≦0.4
    ;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化
    物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (iv)該n型熱電変換材料が、一般式:Ln m 1 n Ni p 2 q r (式中、Lnはランタノイ
    ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 1 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸
    化物、
    及び一般式:(Ln s 3 t 2 Ni u 4 v w (式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 3 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 4 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaか
    らなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (v)該管状部材の外部が高温廃熱との接触部であり、該管状部材の内部が低温流体流通
    部であること。
  2. 管状部材と、
    該管状部材の外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、
    該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されている熱電発電機能を有する管材であって、下記(i)〜(v)の要件を満足することを特徴とする管材:
    (i)p型熱電変換材料によって被覆された少なくとも一個の板状部材と、n型熱電変換
    材料によって被覆された少なくとも一個の板状部材を含むこと、
    (ii)該板状部材が、外周部から中心部に向かって複数の切り欠きを有する円環状の部材であること、
    (iii)該p型熱電変換材料が、一般式:Ca a 1 b Co c 2 d e (式中、A 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、
    及び一般式:Bi f Pb g 1 h Co i 2 j k (式中、M 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1.8≦f≦2.2;0≦g≦0.4
    ;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化
    物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (iv)該n型熱電変換材料が、一般式:Ln m 1 n Ni p 2 q r (式中、Lnはランタノイ
    ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 1 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸
    化物、
    及び一般式:(Ln s 3 t 2 Ni u 4 v w (式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 3 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 4 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaか
    らなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (v)該管状部材の外部が高温廃熱との接触部であり、該管状部材の内部が低温流体流通
    部であること。
  3. 管状部材と、
    該管状部材の外周面に設置された少なくとも一個の板状部材とを含み、
    該板状部材の少なくとも一部が熱電変換材料によって被覆されている熱電発電機能を有する管材であって、下記(i)〜(v)の要件を満足することを特徴とする管材:
    (i)板状部材の片面がp型熱電変換材料によって被覆され、他方の面がn型熱電変換材
    料によって被覆されており、該板状部材の外縁部においてのみp型熱電変換材料とn型熱電変換材料が電気的に接続していること、
    (ii)該板状部材が、外周部から中心部に向かって複数の切り欠きを有する円環状の部材であること、
    (iii)該p型熱電変換材料が、一般式:Ca a 1 b Co c 2 d e (式中、A 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu
    、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、
    及び一般式:Bi f Pb g 1 h Co i 2 j k (式中、M 1 は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1.8≦f≦2.2;0≦g≦0.4
    ;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化
    物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (iv)該n型熱電変換材料が、一般式:Ln m 1 n Ni p 2 q r (式中、Lnはランタノイ
    ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 1 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 2 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸
    化物、
    及び一般式:(Ln s 3 t 2 Ni u 4 v w (式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R 3 は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R 4 は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaか
    らなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物であること、
    (v)該管状部材の外部が高温廃熱との接触部であり、該管状部材の内部が低温流体流通
    部であること。
  4. 板状部材が、管状部材の長手方向に対してほぼ直角に配置されている請求項1〜3のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
  5. 熱電変換材料によって被覆された複数の板状部材を含み、一の板状部材の低電位部と他の板状部材の高電位部とが交互に接続されてなる請求項1〜のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材を2本以上含み、
    一の管材の高電位部と他の管材の低電位部とが交互に接続されている
    熱電発電機能を有する管材。
  7. 管材が廃熱ボイラーの管状熱交換器であり、
    板状部材が管式熱交換器用フィンである
    請求項1〜のいずれかに記載の熱電発電機能を有する管材。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の管材の管状部材の内部と外部とを異なる温度の流体に接触させることを特徴とする熱電発電方法。
  9. 請求項1〜のいずれかに記載の管材を、熱交換部に設置してなるコジェネレーションシステム。
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