JP4193940B2 - 優れた熱電変換性能を有する複合酸化物 - Google Patents

優れた熱電変換性能を有する複合酸化物 Download PDF

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Description

本発明は、p型熱電変換材料として優れた性能を有する複合酸化物、該複合酸化物から
なるp型熱電変換材料、及び熱電発電モジュールに関する。
我が国では、一次供給エネルギーからの有効なエネルギーの得率は30%程度であり、約70%ものエネルギーを最終的には熱として大気中に廃棄している。また、工場やごみ焼却場などにおいて燃焼により生ずる熱も、その殆どが他のエネルギーに変換されることなく大気中に廃棄されている。このように、我々人類は、非常に多くの熱エネルギーを無駄に廃棄しており、限りある化石燃料の燃焼などの行為から僅かなエネルギーしか獲得していない。
エネルギーの得率を向上させるためには、大気中に廃棄されている熱エネルギーを利用できるようにすることが有効である。そのための有効な一つの技術手段として、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電変換がある。この熱電変換とは、ゼーベック効果を利用したものであり、熱電変換材料の両端に温度差を発生させることにより、電位差を生じさせて発電を行うエネルギー変換法である。この様な熱電変換を利用する発電、即ち、熱電発電では、熱電変換材料の一端を廃熱により生じた高温部に配置し、もう一端を大気中(室温部)に配置して、それぞれの両端に導線を接続するだけで電気が得られるので、一般的な発電に必要なモータやタービンなどの可動装置は不要である。このため、設備コストも安く、燃焼などによるガスの排出もなく、熱電変換材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる。また熱電発電は、高出力密度での発電が可能であるため、発電器(モジュール)そのものが小型、軽量化でき、携帯電話やノート型パソコン等の移動用電源としても用いることが可能である。
このように、熱電発電は、今後予測されるエネルギー資源の枯渇という重大な問題に対する解決策の一端を担う技術して期待されているが、熱電発電を実現するためには、高い熱電変換効率を有し、耐熱性、化学的耐久性などに優れた熱電変換材料を大量に供給することが必要となる。
現在、高い熱電変換効率を有する物質としては、金属間化合物が知られている。しかしながら、金属間化合物の熱電変換効率は最大でも10%程度であり、しかも空気中では約300℃以下の温度でしか利用できない。また、金属間化合物の種類によっては毒性元素や希少元素を構成元素とするものもある。
このため、廃熱を利用する熱電変換は未だ実用化されるには至っておらず、毒性が少なく現存量の多い元素により構成され、耐熱性、化学的耐久性などに優れ、高い熱電変換効率を有する材料の開発が期待されている。
近年、高い熱電変換効率を有する材料として、Ca、Bi、Sr、Naなどを含有するCo系複合酸化物が報告されている(非特許文献1)。しかしながら、これらの複合酸化物は、金属
間化合物に比べて電気抵抗率が高く、より高密度な熱電発電を実現するためには、複合酸化物の電気抵抗率を低減する必要がある。
Xuら、Applied Physics Letters vol. 80, pp. 3760-3762 (2002)
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、耐熱性、化学的耐久性などが良好で、高いゼーベック係数を有する物質であって、更に、良好な電気伝導性を有する新規な熱電変換材料を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、Caを含む特定組成のCo系複合酸化物の一部を特定量のAgで置換した複合酸化物は、高いゼーベック係数を有すると同時に、公知のCo系複合酸化物と比較して電気伝導性が良好であり、高い熱電変換効率を有する材料であることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の複合酸化物、p型熱電変換材料、及び熱電変換モジュールを提供するものである。
1. 一般式:CaaM1 bCocM2 dAgeOf (式中、M1はNa、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu
、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二
種以上の元素であり、M2はTi、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb、Ta及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6 ; 0≦b≦0.8 ; 2≦c≦4.5 ; 0≦d≦2 ; 0<e≦5 ; 8≦f≦10である。)で表される組成を有する複合酸化物。
2. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において60μV/K以上のゼーベック係数を有す
る上記項1に記載の複合酸化物。
3. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において20mΩcm以下の電気抵抗率を有する上
記項1又は2に記載の複合酸化物。
4. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において10W/mK以下の熱伝導率を有する上記項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物。
5. 複合酸化物単独、又は複合酸化物とAg金属微粒子とからなる複合物である請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物。
6. 上記項1〜5のいずれかに記載の複合酸化物からなるp型熱電変換材料。
7. 上記項6に記載のp型熱電変換材料を含む熱電発電モジュール。

本発明の複合酸化物は、一般式:CaaM1 bCocM2 dAgeOfで表される組成を有するものであ
る。上記一般式において、M1はNa、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であ
り、M2はTi、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb、Ta及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素である。尚、ランタノイド元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等を例示できる。
また、式中a値 は2.2≦a≦3.6、b値は 0≦b≦0.8、c値は2≦c≦4.5、d値は0≦d≦2、e
値は0<e≦5、f値は8≦f≦10である。特に、a値とb値の合計は、2.5≦a+b≦3.1であることが好ましく、c値とd値の合計は3.4≦c+d≦4.2であることが好ましい。
上記一般式においてbが0を上回り、且つdが0を上回る場合、即ち、0<b≦0.8であって、0<d≦2である場合には、M1及びM2成分が必須の成分となり、これらの成分の種類、量などを適宜調整することによって、b=0且つd=0の複合酸化物と比較して、ゼーベック係数を向上させることや、電気抵抗率、熱伝導率等を低下させることができ、有用性の高い熱電変換材料となる。特に、b値は、0<b≦0.4であることが好ましく、d値は、0<d≦1であることが好ましい。この様な範囲内であれば、M1及びM2成分を含む場合であっても、結晶構造の安定性が良好である。また、e値は、0<e≦2であることが好ましく、0.03<e≦1であるこ
とが更に好ましい。
上記一般式で表される複合酸化物は、Ca、Co、Ag及びOにより構成される岩塩型構造を
有する層と、六つのOが一つのCoに八面体配位し、その八面体がお互いに辺を共有するよ
うに二次元的に配列したCoO2層が交互に積層した構造を有するものであり、岩塩型構造を有する層のCaの一部がM1によって置換され、さらに岩塩型構造を有する層のCoの一部及びCoO2層の一部がM2によって置換されている。
また、上記組成式において、Agの比率を示すe値が大きくなると、上記した構造を有する複合酸化物の他にAgが金属元素として析出して、複合酸化物の粒子間にAg粒子が存在する複合物となる。Agが金属として析出する場合のe値は、その他の成分の組成によって異なるので一概に規定できないが、通常、e値が0.5程度以上であれば、Ag金属が複合酸化物の粒子間に析出する。また、通常、e値が0.2程度以下であれば、上記した構造の複合酸化物のみが形成される。
図1に、本発明の複合酸化物の内で、後述する実施例1で得られた組成式: Ca3Co3.8Ag0.2O9で表される複合酸化物の多結晶体と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体のX線回折図を示す。これらのX線回折パターンから明らかなように、不純物
の存在が多少観察されるものの、本発明の複合酸化物は、公知のCa3Co4O9と同様の結晶構造を有することが認められる。
また、図2に、後述する実施例200で得られた組成式: Ca3Co4Ag0.5O9で表される複
合酸化物の多結晶体と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体のX線
回折図を示す。これらのX線回折パターンから明らかなように、e値が0.5である実施
例200の複合酸化物は、公知のCa3Co4O9と同様の結晶構造を有し、更に、Ag粒子を含むものであることが判る。
上記一般式で表される本発明の複合酸化物は、正のゼーベック係数を有するものであり、該複合酸化物からなる材料の両端に温度差を生じさせた場合に、ゼーベック係数により生じる電位が、高温側の方が低温側に比べて低くなるp型熱電変換材料としての特性を示
すものである。具体的には、該複合酸化物は、例えば273Kにおいて60μV/K以上のゼーベ
ック係数を有し、これを上回る温度においても、同様に高いゼーベック係数を有することができる。
更に、該複合酸化物は、良好な電気伝導性を示し、273Kにおいて20mΩcm以下の低い電
気抵抗率を有するものであり、これを上回る温度においても20mΩcm以下の電気抵抗率を
保つことができる。
上記一般式で表される複合酸化物の内で、Ag金属の存在が認められるものについては、特に、電気抵抗率が低い値となって、良好な熱電変換性能を有するものとなる傾向がある。
尚、本発明の複合酸化物は、1300K付近に分解温度を有するので、これを上回る温度で
は、上記特性を発揮することはできない。
本発明の複合酸化物の製造方法については、特に限定はなく、上記した組成を有する単結晶体又は多結晶体を製造できる方法であればよい。
例えば、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように原料物質を混合し、焼成することによって、本発明の複合酸化物を製造することができる。
原料物質としては、焼成により酸化物を形成し得るものであれば特に限定されず、元素単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩等)等を使用できる。例えば、Ca源としては、カルシウム(Ca)、酸化カルシウム(CaO)、過酸化カルシウム(CaO2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硝酸
カルシウム(Ca(NO3)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、塩化カルシウム(CaCl2)およびその水和物、アルコキシド化合物(ジメトキシカルシウム(Ca(OCH3)2)、ジエトキシカルシウム(Ca(OC2H5)2)、ジプロポキシカルシウム(Ca(OC3H7)2)等)等を使用でき、Co源としては、
コバルト(Co)、酸化コバルト(CoO、Co2O3、Co3O4)、炭酸コバルト(CoCO3)、硝酸コバルト(Co(NO3)2)、水酸化コバルト(Co(OH)2)、塩化コバルト(CoCl2)、アルコキシド化合物(ジ
プロポキシコバルト(Co(OC3H7)2等)等を使用でき、Ag源としては銀(Ag)、酸化銀(Ag2O、AgO)、塩化銀(AgCl)、硝酸銀(AgNO3)、硫酸銀(Ag2SO4)、フッ化銀(AgF)等を使用できる。
その他の元素についても同様に元素単体、酸化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物等を用いることができる。また本発明の複合酸化物の構成元素を二種以上含む化合物を使用しても良い。上記した原料物質は、各元素源の物質について、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
焼成温度及び焼成時間については、目的とする複合酸化物が形成される条件とすれば良く、特に限定されないが、例えば、800〜1200℃程度の温度範囲において、20時間〜40時
間程度焼成すれば良い。尚、原料物質として炭酸塩や有機化合物等を用いる場合には、焼成する前に予め仮焼きして原料物質を分解させた後、焼成して目的の複合酸化物を形成することが好ましい。例えば、原料物質として炭酸塩を用いる場合には、600〜800℃程度で10時間程度仮焼きした後、上記した条件で焼成すれば良い。
焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。生成する複合酸化物中の酸素量は、焼成時の酸素分圧、焼成温度、焼成時間等により制御することができ、酸素分圧が高い程、上記一般式における酸素比率を高くすることができる。
以上の方法で得られる複合酸化物は、通常、多結晶体であるが、例えば、原料物質を混合し、加熱して溶融させた後、徐々に冷却する方法によれば、単結晶体を製造することができる。
原料物質としては、原料物質の混合物を加熱した際に、均一な溶融物を形成できるものであればよく、例えば、元素単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩等)等を使用できる。これらの原料物質としては、例えば、上記した焼成法と同様の原料物質を用いることができる。原料物質の混合割合は、目的とする複合酸化物と相平衡にある溶融物を形成できる割合とすればよい。
具体的な方法としては、目的とする単結晶組成と平衡な溶液状態となるように、原料混合物を加熱して溶融させた後、冷却すればよい。
加熱時間については特に限定はなく、均一な溶液状態となるまで加熱すればよい。加熱手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。溶融時の雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で溶融することも可能である。
冷却方法についても特に限定的ではなく、溶液状態の原料の全体を冷却しても良いが、均一な冷却が難しい場合には、例えば、冷却した白金線を浸漬して、その周囲に単結晶を析出させる方法等、部分的に冷却する方法を採用すればよい。冷却速度については、特に限定的ではないが、例えば、毎時50℃程度以下の冷却速度とすればよい。
また、原料混合物を直接溶融することに代えて、原料混合物に、溶融物の融点調整などを目的として、その他の成分を添加し、この混合物を加熱して溶融させても良い。この様
な複合酸化物の金属源となる物質以外の添加成分(フラックス成分)を加えて溶融させる方法は、いわゆる“フラックス法”と称される方法である。この方法によれば、原料混合物に含まれるフラックス成分の一部が加熱により溶融し、その化学変化、溶解作用などによって、原料物質全体が溶液状態となり、原料混合物を直接冷却する方法と比べて低い温度で溶融物を得ることができる。そして、溶液状態の原料物質の冷却速度を適度に制御して冷却することによって、冷却に伴う過飽和状態を用いて目的とする単結晶を成長させることができる。この冷却過程においては、原料物質が溶融して形成された溶液と相平衡にある固相組成のCa、Co、Ag、M1及びM2を含む複合酸化物の単結晶が成長する。よって、互いに平衡状態にある融液相と固相(単結晶)の組成の関係に基づいて、目的とする複合酸化物単結晶の組成に対応する原料混合物におけるCa源となる物質、Co源となる物質、Ag成分の供給源となる物質、M1成分の供給源となる物質、及びM2成分の供給源となる物質の割合を決めることができる。その際、原料中に含まれるフラックス成分は融液成分として残り、成長する単結晶の構成成分には含まれない。この様なフラックス成分としては、原料物質と比べて低融点であり、形成される融液中に原料物質を十分に溶解することができ、しかも目的とする複合酸化物の特性を阻害しない物質から適宜選択して用いればよい。例えば、アルカリ金属化合物、ホウ素含有化合物などを好適に用いることができる。アルカリ金属化合物の具体例としては、塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)などのアルカリ金属塩化物、これらの水和物;炭酸リチウム(Li2CO3)、炭酸ナト
リウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)などのアルカリ金属炭酸塩などを挙げることがで
きる。ホウ素含有化合物の具体例としては、ホウ酸(B2O3)などを挙げることができる。これらの任意の添加成分についても、それぞれを単独あるいは二種以上混合して用いることができる。これらのフラックス成分の量については特に限定的ではなく、形成される融液中への原料物質の溶解度を考慮して、できるだけ高濃度の原料物質を含む溶液が形成されるように、実際の加熱温度に応じて使用量を決めればよい。原料混合物を溶融させる方法については特に限定的ではなく、溶融した原料混合物が溶液状態となる条件で加熱すれば良い。実際の加熱温度は、使用するフラックス成分の種類などによって異なるが、例えば800〜1000℃程度の温度範囲において、20時間〜40時間程度加熱して溶融させれば良い。
加熱手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。溶融時の雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で溶融することも可能である。
冷却速度については、特に限定的ではなく、冷却速度を遅くするほど単結晶を大型化することが可能であり、例えば毎時50℃程度以下の速度で冷却すればよい。形成される複合酸化物単結晶の大きさ、収率などは、原料物質の種類と組成比、溶融成分の組成、冷却速度などによって変わり得るが、例えば毎時50℃程度以下の冷却速度で試料が固化するまで冷却する場合には、幅1mm程度以上、長さ1mm程度以上、厚さ0.005mm程度以上の板状の形
状を有する単結晶を得ることができる。
次いで、冷却により形成された固化物から、目的とする複合酸化物単結晶以外の成分を除去することによって、目的とする複合酸化物の単結晶を得ることができる。目的物以外の成分を除去する方法としては、複合酸化物単結晶に付着している水溶性の成分、例えば、塩化物などについては、蒸留水による洗浄と濾過を繰り返して行い、さらに必要に応じてエタノール洗浄などを併用することによって、目的生成物から除去することができる。また、非水溶性の残留物は、通常、複合酸化物単結晶に比べて十分に大きい顆粒状あるいは十分に小さい粉体状となって存在するので、例えば篩などを用いる分離手法により、目的とする複合酸化物単結晶から除去することができる。
上記した方法で得ることができる本発明の複合酸化物は、耐熱性、化学的耐久性等が良好であって、毒性の少ない元素により構成されており、p型熱電変換材料としての特性を示すものである。
また、該複合酸化物は、層状の結晶構造を有し、そのab面内において非常に低い電気抵抗率を示す。このため、多結晶体では、特に、多結晶体内で結晶粒が高度に配向した場合にp型熱電変換材料として非常に優れた熱電変換性能を発揮できる。
本発明の複合酸化物は、上記した特性を利用して、空気中において高温で用いるp型熱
電変換材料として有効に利用することができる。
本発明の複合酸化物からなる熱電変換材料をp型熱電変換素子として用いた熱電発電モ
ジュールの一例の模式図を図3に示す。該熱電発電モジュールの構造は、公知の熱電発電モジュールと同様であり、例えば、高温部用基板1、低温部用基板2、p型熱電変換材料3、n型熱電変換材料4、電極5、導線6等により構成され、本発明の複合酸化物はp型熱電変換材料として使用される。
以上の通り、本発明の複合酸化物は、正のゼーベック係数と低い電気抵抗率を有し、耐熱性、化学的耐久性などにも優れた多結晶体又は単結晶体である。
該複合酸化物は、この様な特性を利用して、従来の金属間化合物では不可能であった、高温の空気中で用いるp型熱電変換材料として有効に利用することができ、高い熱電変換
効率を発揮することができる。
よって、該複合酸化物を熱電発電モジュールのp型熱電変換素子としてシステム中に組
み込むことにより、これまで大気中に廃棄されていた熱エネルギーを有効に利用することが可能となる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
実施例1
Ca源として炭酸カルシウム(CaCO3)、Ag源として酸化銀(Ag2O)、及びCo源として酸化コバ
ルト(Co3O4)を用い、Ca:Co:Ag=3.0:3.8:0.2 (元素比)となる様に原料物質を十分に混合した後、アルミナ坩堝に入れ、電気炉を用いて空気中800℃で20時間仮焼きして、炭酸塩を
分解した。この仮焼物を粉砕し、加圧成形後、酸素雰囲気中880℃で20時間焼成して複合
酸化物を合成した。得られた複合酸化物は、組成式: Ca3.0Co3.8Ag0.2O9.0で表されるも
のであった。
上記した方法で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体(比較例)についての273Kから1073Kにおけるゼーベック係数(S)の温度依存性
を表すグラフを図4に示す。図4から、実施例1の複合酸化物は、273K以上の温度において正のゼーベック係数を有し、100μV/K以上の値を有するものであり、高温側が低電位となるp型熱電変換材料であることが確認できた。なお、すべての他の実施例においても、
ゼーベック係数は、273K以上において、60μV/K以上という高いゼーベック係数を示し、
実施例1と同様の傾向が示された。
また、上記した方法で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、電気抵抗率の温度依存性を示すグラフを図5に示
す。図5から、実施例1で得られた複合酸化物の電気抵抗率は、273K〜1073Kの温度範囲
で、11mΩcm程度の低い値であることがわかる。なお、すべての他の実施例においても、
電気抵抗率は、273K以上において20mΩcm以下という低い値を示し、実施例1と同様の傾向
が示された。
さらに、上記した方法で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知
のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、熱伝導率の温度依存性を示すグラフを図6に示す。図6から、実施例1で得られた複合酸化物の熱伝導率は、273K以上の温度で、2W/mK
以下の低い値であることがわかる。なお、すべての他の実施例においても、273K以上において、10W/mK以下という低い熱伝導率を示し、実施例1と同様の傾向が示された。
さらに、上記した方法で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知
のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、熱電無次元性能指数(ZT)の温度依存性を示すグラフを図7に示す。
ここでZTは、下記の式によって定義されるものであり、材料の熱電変換効率を示し、この値が高いほど変換効率が高くなる。
ZT = S2T/ρκ
S : ゼーベック係数、T : 絶対温度、ρ : 電気抵抗率、
κ : 熱伝導率
実施例1の複合酸化物では、熱電無次元性能指数は温度と共に増加し、1073Kでは0.2を
上回った。尚、すべての他の実施例においても、熱電無次元性能指数は1073Kでは0.2を上回った。
実施例2〜198
下記表1〜表11に示す各元素比となるように出発原料を混合すること以外は、実施例1と同様にして、各複合酸化物を作製した。表1〜表11に各複合酸化物における元素比と1073Kにおける電気抵抗率を示す。尚、実施例2〜198の複合酸化物については、全て
、X線回折の結果、実施例1の複合酸化物と同様に、Ag金属粒子の析出は認められなかった。
尚、各実施例で用いた製造原料は下記に示すものである。
・Ca源…炭酸カルシウム(CaCO3)、ただし実施例91−108では硝酸カルシウム(Ca(NO3)2)
・Bi源…酸化ビスマス(Bi2O3)
・Co源…酸化コバルト(Co3O4)、ただし実施例91−108では硝酸コバルト(Co(NO3)2)
・Li源…炭酸リチウム(Li2CO3)
・Na源…炭酸ナトリウム(Na2CO3)
・Sr源…炭酸ストロンチウム(SrCO3)
・La源…硝酸ランタン(La(NO3)3)
・Ba源…炭酸バリウム(BaCO3)
・Ag源…酸化銀(Ag2O)
・Ni源…酸化ニッケル(NiO)
・Cu源…酸化銅(CuO)
・Pb源…酸化鉛(PbO)
・Al源…酸化アルミニウム(Al2O3)
Figure 0004193940
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実施例199〜396
下記表12〜表22に示す各元素比となるように出発原料を混合すること以外は、実施例1と同様にして、各複合酸化物を作製した。表12〜表22に各複合酸化物における元素比と1073Kにおける電気抵抗率を示す。各実施例で用いた製造原料は実施例2〜198と
同様である。
上記した方法で得られた複合酸化物の内で、実施例200で得られた組成式: Ca3Co4Ag0.5O9で表される複合酸化物の多結晶体について、走査電子顕微鏡を用いて観察した反射
電子像を図8に示す。エネルギー分散型X線分析装置で組成分析を行ったところ、反射電子像の白色部分は、Agの金属粒子であることが確認できた。また、前述した図2のX線回折パターンからも、Ca3Co4Ag0.5O9で表される複合酸化物の多結晶体中にAgの金属粒
子が存在することが確認できた。
尚、実施例199〜396の複合酸化物については、全て、Ag金属粒子の存在が認められた。
実施例200で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶(比較例)についての273Kから1073Kにおけるゼーベック係数(S)の温度依存性を表すグラフを図9に示す。図9から、実施例200の複合酸化物は、273K以上の温度において正のゼーベック係数を有し、90μV/K以上の値を有するものであり、高温側が低電位
となるp型熱電変換材料であることが確認できた。
また、実施例200で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、電気抵抗率の温度依存性を示すグラフを図10に
示す。図10から、実施例1で得られた複合酸化物の電気抵抗率は、273K〜1073Kの温度
範囲で、10mΩcm程度を下回る低い値であることがわかる。
さらに、実施例200で得られた複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知
のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、熱伝導率の温度依存性を示すグラフを図11に示す。図11から、実施例200で得られた複合酸化物の熱伝導率は、273K以上の温度で、2W/mK以下の低い値であることがわかる。
さらに、実施例200の複合酸化物と、実施例1と同様の条件で作製した公知のCa3Co4O9多結晶体(比較例)について、熱電無次元性能指数の温度依存性を示すグラフを図12
に示す。実施例200の複合酸化物では、熱電無次元性能指数は温度と共に増加し、1073Kで約0.25という高い値となった。
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実施例1で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体のX線回折パターン。 実施例200で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体のX線回折パターン。 本発明の複合酸化物を熱電変換材料として用いた熱電変換モジュールの模式図。 実施例1で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、ゼーベック係数の温度依存性を示すグラフ。 実施例1で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、電気抵抗率の温度依存性を示すグラフ。 実施例1で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、熱伝導率の温度依存性を示すグラフ。 実施例1で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、熱電性能指数ZTの温度依存性を示すグラフ。 実施例200で得られた複合酸化物の走査電子顕微鏡による反射電子像。 実施例200で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、ゼーベック係数の温度依存性を示すグラフ。 実施例200で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、電気抵抗率の温度依存性を示すグラフ。 実施例200で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、熱伝導率の温度依存性を示すグラフ。 実施例200で得られた複合酸化物と公知のCa3Co4O9多結晶体について、熱電性能指数ZTの温度依存性を示すグラフ。
符号の説明
1 高温部用基板、2 低温部用基板、3 p型熱電変換材料、4 n型熱電変換材料、5 電極、6 導線

Claims (7)

  1. 一般式:CaaM1 bCocM2 dAgeOf (式中、M1はNa、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M2はTi、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb、Ta及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a≦3.6 ; 0≦b≦0.8 ; 2≦c≦4.5 ; 0≦d≦2 ; 0<e≦5 ; 8≦f≦10である。)で表される組成を有する複合酸化物。
  2. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において60μV/K以上のゼーベック係数を有する請求
    項1に記載の複合酸化物。
  3. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において20mΩcm以下の電気抵抗率を有する請求項1
    又は2に記載の複合酸化物。
  4. 273K以上、分解温度未満の温度範囲において10W/mK以下の熱伝導率を有する請求項1〜3のいずれかに記載の複合酸化物。
  5. 複合酸化物単独、又は複合酸化物とAg金属微粒子とからなる複合物である請求項1〜4のいずれかに記載の複合酸化物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の複合酸化物からなるp型熱電変換材料。
  7. 請求項6に記載のp型熱電変換材料を含む熱電発電モジュール。


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