JP4456457B2 - 缶蓋用アルミニウム合金塗装板 - Google Patents
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Description
成形性を向上させるために、一般に成形加工前にワックスを予め塗膜表面に付着させるが、その付着させる方法からインナーワックスとアウターワックスに大別される。
また、特許文献2には、インナーワックスの含有されている塗膜にアウターワックスを適正量塗布し、アウターワックスに対するインナーワックスの混合比率を30%未満としたものが示されている。
さらに、アウターワックスとしてマイクロクリスタリンがあるが、これは非常に粘着性が高いために、金型に付着、堆積し、型離れ不良や蓋のへこみ等の原因となることがある。
なお、ベースとなる塗料は、環境問題から、溶剤系塗料から水性塗料に移行しつつあるが、本発明は両方の塗料に適用できる。
上記混合ワックスは、パラフィンとカルナウバとを含有すると共に、ポリエチレンとラノリンの1種又は2種を含有してなり、上記カルナウバの含有量は、上記混合ワックス全体の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板にある(請求項1)。
溶剤系塗料としては、例えばエポキシフェノール系樹脂、塩ビオルガノゾル系樹脂、エポキシユリア系樹脂、熱硬化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂がある。
水性塗料としては、エポキシアクリル系樹脂がある。
また、上記塗膜がアルミニウム合金板の両面に形成されている場合には、その両面、あるいは片面のいずれかに上記混合ワックスよりなるアウターワックスを塗布する。
ポリエチレンとラノリンの添加有無については、蓋を成形するプレスの構造や成形条件および季節の要因が影響しているため、それぞれ適正なワックス組成が異なってくる。
まず、ポリエチレンの添加理由については、蓋成形時の型かじり不良対策のためである。型かじり不良は主に蓋を加工する第一工程で発生する不良であり、蓋の端部が接触する金型にアルミ粉が凝着して、その凝着物によって、蓋の端部が削れてしまう現象である。その型かじり不良を抑制するには、材料の面と加工方法の面での対策がある。材料面での対策とは、塗膜の密着力、塗膜強度、さらに高面圧で高温な条件下での潤滑特性を向上させることであり、加工方法面での対策とは、アルミニウム塗装板を円形にせん断する内刃と外刃の芯合わせを極力精度良くする、および刃の摩耗量を厳しく管理するなどである。
しかしながら、内刃と外刃の芯合わせには限界があり、さらにコストダウンのために刃の寿命を極力長くすべく摩耗量の許容範囲を大きくしたいといった要望があるので、上記加工方法面での対策をとることが困難である。
以上の理由から、混合ワックスにポリエチレンとラノリンのいずれかを、あるいは両方を添加するか否かは、季節やプレス構造などに合わせて判断することが最も好ましい。
塗装焼付条件としては、材料温度は、200〜300℃、焼付時間は、10〜60秒とすることが好ましい。
本発明の実施例に係る缶蓋用アルミニウム合金塗装板につき説明する。
本例では、アルミニウム合金板の両面に塗料を塗装焼き付けして設けたワックス不含の塗膜上に、混合ワックスを塗布してなる缶蓋用アルミニウム合金塗装板を作製し、各種の試験を行った。
まず、板厚0.25mmのA5182合金板の両面にクロメート量が20mg/m2となるようにリン酸クロメート処理を施した。次いで、ワックスを含有していないエポキシアクリル系塗料を合金板の両面に塗装した後、最高到達温度260℃で20秒焼き付けて、塗膜重量を50mg/dm2とした。このような塗装板を複数枚作製した。
そして、表1に示す構成の混合ワックスを、各塗装板の両面に40mg/m2になるよう塗布して缶蓋用アルミニウム合金塗装板の試料とした(本発明の実施例としての試料E1〜E4及び比較例としての試料C1〜C6)。
<蓋成形性>
シェル金型およびコンバージョン金型を用いて、各試料について100枚ずつ蓋を成形して、成形部分に全く疵が発生しなかった場合を○、蓋100枚のうち1枚でも疵や亀裂が発生した場合を×とした。
蓋成形性の評価で、蓋すべてが成形直後に金型から落下した場合を◎、わずかにタイミングが遅れて落下した場合を○、落下しなかった場合を×とした。
厳しい潤滑条件である垂直面圧1000MPa、金型温度80℃、材料温度15℃、滑り速度1m/sの条件で、各試料にSKD11のロール状の金型を擦り付け、摩擦係数を測定するとともに、塗膜表面を観察した。塗膜剥離がなく摩擦係数が0.1未満の場合を◎、塗膜剥離がなく摩擦係数が0.1以上の場合を○、塗膜が剥離した場合を×として、型かじりの判定とした。
能力5トンの汎用縦型プレスにコンバージョンのデボス金型上下を取り付け、1万回プレス試験して、金型に堆積したワックス量を調査した。冬期を想定した試験では金型および材料の温度を30℃とし、夏期を想定した試験では金型および材料の温度を60℃とした。そして、1万回プレス試験後の金型にほとんどワックスが堆積しない場合を◎、ワックスは金型に堆積するがデボスの加工深さが変化しない場合を○、ワックスが金型に堆積してデボスの加工深さが変化した場合を×とした。
蓋各10枚を手で開口して、スコアに沿って内面塗膜が引き裂かれているかを観察し、スコアの開口面から残っている内面塗膜の幅が0.5mm未満の場合を○、0.5〜1.0mmの場合を△、1.0mmを超える場合を×とした。
ラノリンを混合した試料E2と試料E4は型離れのタイミングがやや遅れたが、生産上問題ないレベルと推定した。
ポリエチレンを混合しなかった試料E3と試料E4において、型かじりがわずかに発生しやすい傾向にあったが、加工面での対策を厳守することにより、問題ないと判断した。
さらに、ラノリンを混合していない試料E1と試料E3は冬期を想定した堆積評価でやや堆積しやすい傾向にあったが、生産上問題ないレベルと考えた。
試料C3は蓋成形できたが、型離れ不良が発生し、さらに、型かじり評価で塗膜が剥離した。
試料C4〜試料C6については、ポリエチレン、カルナウバ、あるいはラノリンの混合比率が高すぎて、型離れ、冬期ワックス堆積、あるいは夏期ワックス堆積が発生した。
Claims (7)
- アルミニウム合金板の片面または両面に水系又は溶剤系の塗料を塗装焼き付けして設けたワックス不含の塗膜上に、混合ワックスを塗布してなる缶蓋用アルミニウム合金塗装板において、
上記混合ワックスは、パラフィンとカルナウバとを含有すると共に、ポリエチレンとラノリンの1種又は2種を含有してなり、上記カルナウバの含有量は、上記混合ワックス全体の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。 - 請求項1において、上記ポリエチレンの含有量は、上記混合ワックス全体の重量に対して1〜20重量%であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
- 請求項1又は2において、上記ラノリンの含有量は、上記カルナウバの含有量を100重量%としたときに40〜60重量%であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
- 請求項1〜3のいずれか1項において、上記塗膜の塗膜重量は、30〜200mg/dm2であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
- 請求項1〜4のいずれか1項において、上記混合ワックスの塗布量は、10〜150mg/m2であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
- 請求項1〜5のいずれか1項において、上記塗膜の下地には、化成皮膜が形成されていることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
- 請求項1〜6のいずれか1項において、上記ポリエチレンは、融点が105℃以上であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金塗装板。
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