JP4455713B2 - 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ - Google Patents

弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP4455713B2
JP4455713B2 JP2000042347A JP2000042347A JP4455713B2 JP 4455713 B2 JP4455713 B2 JP 4455713B2 JP 2000042347 A JP2000042347 A JP 2000042347A JP 2000042347 A JP2000042347 A JP 2000042347A JP 4455713 B2 JP4455713 B2 JP 4455713B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
movable member
force
valve seat
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000042347A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001235052A (ja
Inventor
竜太郎 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2000042347A priority Critical patent/JP4455713B2/ja
Publication of JP2001235052A publication Critical patent/JP2001235052A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4455713B2 publication Critical patent/JP4455713B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプに関し、特に、弁本体の内部に形成された流路内に配置された弁体としての可動部材が弁座に着脱することによって液体を一定方向のみに流して逆流を防止する逆止弁(逆止め弁)として使用される弁ユニット、及びそれを用い、プランジャの往復運動により作動するポンプヘッドを有し、プランジャの往復運動により送液を行うプランジャ往復運動型送液ポンプに関するものである。
このような弁ユニットは、例えば液体を圧縮して送液するプランジャ往復運動型送液ポンプの吸入側及び吐出側の逆止弁として配置され、そのような送液ポンプは例えば液体クロマトグラフやフローインジェクション分析装置などの分析装置に適用される。
【0002】
【従来の技術】
液体クロマトグラフでは、中空のポンプヘッド、ポンプヘッド内を往復運動するプランジャ、並びにポンプヘッドの吸引側及び吐出側に配置されたボール式の逆止弁によって構成されるプランジャポンプが多く使用される。
ポンプの吸引時には、プランジャが後退することによってポンプヘッド内で負圧が発生し、その負圧によって吐出側の逆止弁のボールが弁座に着座して弁が閉じ、吸引側の逆止弁のボールが弁座から離れて弁が開くことにより、吸引側流路から液体がポンプヘッド内に吸引される。
ポンプの吐出時には、プランジャが前進することによってポンプヘッド内で正圧が発生し、その正圧によって吐出側の逆止弁が開き、吸引側の逆止弁が閉じることにより、ポンプヘッド内の液体が吐出側流路へ押し出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
逆止弁の中に気泡が入ると、ボールが弁座に正確に着座せず、弁が閉じなくなり、送液不良が生じることがあった。
また、ボール表面又はボールと弁座の接触面への汚れの付着などによってボールと弁座が吸着するようになった場合、ポンプ吸引時にポンプヘッド内で発生する負圧のみでは入口側の逆止弁が開かなくなり、送液不良が生じることがあった。
また、逆止弁の開閉に要する時間や逆止弁の開閉時間の間に漏れ出る液体の量など、逆止弁の開閉時における挙動は、液体による負荷圧力や、液体の流量、液体の粘度などの条件によって異なる。
【0004】
以上の現象は、送液流量の正確さ、送液の再現性及び安定性が要求される液体クロマトグラフィーでは障害となる。
そこで本発明は、弁の開閉を能動的に行うことにより再現性よく行うことができる弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプを提供すること目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる弁ユニットの第1の態様は、弁本体の内部に形成された流路内に配置された弁体としての可動部材が弁座に着脱することによって液体を一定方向のみに流して逆流を防止する弁ユニットであって、可動部材を弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、流路内に往復運動可能に配置され、可動部材を弁座から離す方向へ押す作動部と、作動部の内部に配置された永久磁石と、流路に隣接して配置され、永久磁石との相互作用により、弁を開くときには、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で可動部材を弁座から離す方向へ作動部を押し、弁を閉じるときには、可動部材から離す方向へ作動部を引っ張るソレノイドとを備えたものである。
【0006】
弁を開くとき、ソレノイドは、永久磁石と反発する方向へ磁場を発生させる。永久磁石、ひいては作動部は可動部材側へ移動し、可動部材と接触して可動部材を弁座から離して弁を開く。
弁を閉じるとき、ソレノイドは永久磁石と引き合う方向へ磁場を発生させる。作動部はソレノイド側へ移動して可動部材から離れる。荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に働く流体圧力によって、可動部材を弁座に押しつけて弁を閉じる。
このようにして、弁の開閉を能動的に行ない、弁の開閉の再現性を向上させることができる。
【0007】
本発明にかかる弁ユニットの第2の態様は、可動部材を弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、流路内に往復運動可能に配置され、磁性材料にてなる部材を少なくとも含み、可動部材を弁座から離す方向へ押す作動部と、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で可動部材を弁座から離す方向へ作動部を押す作動部用ばね機構と、流路に隣接して配置され、磁性材料にてなる部材との相互作用により、弁を閉じるときには、作動部用ばね機構が可動部材に与える力よりも大きい力で、可動部材から離す方向へ作動部を引っ張るソレノイドとを備えた弁ユニットである。
【0008】
弁を開くとき、ソレノイドは作動せず、作動部用ばね機構によって与えられる力によって、作動部は可動部材側へ移動し、可動部材と接触して可動部材を弁座から離して弁を開く。
弁を閉じるとき、ソレノイドは磁場を発生させる。磁性材料にてなる部材、ひいては作動部はソレノイド側へ移動して可動部材から離れる。荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に働く流体圧力によって、可動部材を弁座に押しつけ、弁を閉じる。
このようにして、弁の開閉を能動的に行ない、弁の開閉の再現性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
弁ユニットはポンプに接続され、そのポンプの位相に同期してソレノイドを制御する制御部をさらに備えることが好ましい。その結果、弁ユニットに起因する、ポンプの送液流量の正確さ、送液の再現性及び安定性の低下を抑制することができる。
荷重部材は、可動部材用ばね機構によって構成されることが好ましい。その結果、弁ユニットの向きにかかわらず弁の開閉を行うことができるので、ポンプ及び弁ユニットの配置の自由度が大きくなる。
【0010】
本発明にかかる送液ポンプは、プランジャの往復運動により作動するポンプヘッドと、そのポンプヘッドの吸引側と吐出側にそれぞれ設けられた逆止弁とを備え、プランジャの往復運動により送液を行うプランジャ往復運動型送液ポンプであって、両逆止弁の少なくとも一方の逆止弁として上記の弁ユニットが用いられているものである。
【0011】
【実施例】
図1は、本発明にかかる弁ユニットの一実施例を吸引側の逆止弁に適用した送液ポンプの一実施例を示す概略構成図である。ここでは送液ポンプとして直列二連プランジャポンプを用いた。図2から図4は、その弁ユニットの実施例を示す概略構成図であり、図2は上面図、図3は図2のA−A位置に沿った正面から見た断面図、図4は図2のB−B位置に沿った側面から見た断面図である。
図1を参照して、ポンプの構成及び動作を説明する。
1次側ポンプヘッド2aと2次側ポンプヘッド4aがあり、1次側ポンプヘッド2aにつながる液入口側の流路6には弁ユニット8が備えられており、液出口側の流路10にはボール式の逆止弁12が備えられている。
【0012】
流路6の1次側ポンプヘッド2aとは反対側の端部は送液すべき液体を収容したリザーバ14へつながっている。流路10は2次側ポンプヘッド4aの液入口側の流路でもある。2次側ポンプヘッド4aの液出口側の流路16は、液体クロマトグラフの試料注入部及びカラムへ接続されている。
弁ユニット8は、後で詳細に説明するが、液体をリザーバ14側からポンプヘッド2a側への方向のみに流すように、ポンプヘッド2aの吸引時には弁を開き、吐出時には閉じるように制御される。
逆止弁12はポンプヘッド2a側からポンプヘッド4a側への方向のみに液体を流すように、ポンプヘッド2aの吸引時には、ポンプヘッド2a内で発生する負圧に加えて、内部に設けられたばねによりボールを弁座に押しつけて弁が閉じ、吐出時にはポンプヘッド2a内で発生する正圧によって開くようになっている。
【0013】
1次側ポンプヘッド2aにプランジャ2bが、2次側ポンプヘッド4aにプランジャ4bが往復移動可能に配置されている。プランジャ2b,4bの基端部には、クロスヘッド2c,4cを介して、ベアリング2d,4dが設けられており、ベアリング2d,4dにカム2e,4eが当接している。カム2e,4eは、ステッピングモータ20の回転軸18に取り付けられており、回転軸18を介して、ステッピングモータ20の回転に追従して回転する。
回転軸18には、周囲の一部にスリットが形成された原点検出用ディスク22も取り付けられており、原点検出用ディスク22はステッピングモータ20の回転に追従して回転する。原点検出用ディスク22の付近には、そのスリットを検出する原点検出用のフォトインタラプタ24が配置されている。
【0014】
フォトインタラプタ24は制御部26に電気的に接続されており、フォトインタラプタ24の検出信号は制御部26に送られる。制御部26には弁ユニット8及びステッピングモータ20も電気的に接続されており、制御部26は弁ユニット8及びステッピングモータ20の動作を制御する。制御部26には、原点検出用ディスク22のスリットがフォトインタラプタ24を通過した時点から、プランジャ2bが上死点又は下死点に至ってポンプヘッド2aが吐出又は吸引を開始するまでに要するステッピングモータ20のパルス数が予め記憶されている。
【0015】
ポンプ作動時には、制御部26の制御によってステッピングモータ20が回転し、回転軸18、カム2e,4e及び原点検出用ディスク22が回転し、カム2e,4eの回転に連動してプランジャ2b,4bが往復運動する。
プランジャ2bが前進(吐出)するときはプランジャ4bが後退(吸引)し、弁ユニット8が閉じて、1次側ポンプヘッド2aの液が流路10及び逆止弁12を介して2次側ポンプヘッド4aに送られる。このとき、1次側ポンプヘッド2aの吐出流量と2次側ポンプヘッド4aの吸引流量の流量差がポンプ全体の吐出流量となる。
【0016】
プランジャ2bが後退するときはプランジャ4bが前進し、逆止弁12が閉じて、1次側ポンプヘッド2aに流路6及び弁ユニット8を介して液体が充填されるとともに、2次側ポンプヘッド4aの液が吐出される。このときは、2次側ポンプヘッド4aの吐出流量がポンプ全体の吐出流量となる。
1次側ポンプヘッド2aのプランジャ容量は2次側ポンプヘッド4aのプランジャ容量の約2倍であり、プランジャ2bと4bは位相が180度ずれて運転されることにより2次側ヘッドの出口ではほぼ一定の流量となる。
【0017】
次に、図3及び図4を参照して弁ユニット8の構成及び動作を詳細に説明する。
弁ユニット8の逆止弁を構成するボール(可動部材)28と弁座30は、ボール28が弁座30と接触する側とは反対側に配置されたオモリ32とともにハウジング34内に収納され、ガスケット36a,36bにより封止されている。オモリ32は、ボール28とガスケット36aの間でハウジング34の軸方向に往復運動可能に配置されている。可動部材としては、ボール28の代わりに、円錐プラグなど他の形状の部材を用いてもよい。
【0018】
ハウジング34はバルブボディ(弁本体)38の内部に形成されたL字型の流路40の液体出口に挿入されている。流路40の一部を構成し、ハウジング34の下部に設けられた中空のシリンダ部42に、永久磁石44aを内蔵した作動部44がシリンダ部42の軸方向に往復運動可能に配置されている。シリンダ部42の下部側の側面には、バルブボディ38の側面に設けられた流路40の液体入口が接続されている。
【0019】
図5は、作動部44を示す概略構成図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のA−A位置に沿った断面図である。
有底の円筒状の作動部ケース44c内に永久磁石44aが収納されている。作動部ケース44cの上面は、一端に平坦面を有するピン44bの平坦面によって封止されている。永久磁石44aの材料は耐薬品性が低いものがほとんどであるが、液体クロマトグラフィーでは各種の液体を使用するので、液体と接触するピン44b及び作動部ケース44cは、例えばステンレスSUS316など耐薬品性に優れた材料で製作され、作動部ケース44c内に永久磁石44aを収納して、永久磁石44aが直接接液しないように構成されている。
【0020】
再び図3及び図4に戻って説明を続けると、シリンダ部42の底面として、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで製作されたシート46が設けられている。作動部44の往復移動軸の延長上の、シート46のシリンダ部42内部とは反対側の面に、ソレノイド48を構成する円柱状の鉄心50が一端面を接触して配置されている。鉄心50は、鉄心50の側面と間隔をもって配置されたコイル52とともに、高透磁率材料からなるソレノイドケース54に収納されている。鉄心50の一端側は直径が小さくなっており、その直径が小さくなっている部分に低透磁率材料からなるリング56が嵌合されている。
【0021】
ソレノイドケース54内の上部には低透磁率材料からなる上部プレート58が配置され、下部には高透磁率材料からなる下部プレート60が配置されている。ソレノイドケース54は2つのねじ62によってバルブボディ38に固定されている。バルブボディ38の内部に、ソレノイド48の上部の外周上を覆うように高透磁率材料からなる円弧状プレート64が設けられている。このように、鉄心50、ソレノイドケース54及び下部プレート60を高透磁率材料で製作し、さらにバルブボディ38の内部に高透磁率材料からなる円弧状プレート64を埋め込むことにより、ソレノイド48で発生する磁場ができるだけ永久磁石44a付近に集中し、永久磁石44aの磁束ができるだけソレノイド48内を通りやすくすることで、ソレノイド48と永久磁石44aの間に効率よく力が作用するように設計されている。
【0022】
ポンプ作動時には、図1に示されるように、制御部26は、原点検出用ディスク22のスリットがフォトインタラプタ24を通過した時点をステッピングモータ20の原点とし、この原点からのステッピングモータ20のパルス数をカウントする。原点の検出は、ステッピングモータ20の1回転ごとに行わなくてもよく、ポンプに電源を投入してから最初にステッピングモータ20を回転させたときのみに行うようにしてもよい。
吸引開始点のパルス数になったとき、制御部26は、弁ユニット8のコイル52に、永久磁石44a、ひいては作動部44が鉄心50から反発する方向に磁場を発生するように電流を流す。作動部44はボール28側へ移動し、ピン44bがボール28をオモリ32とともに弁座30から離れる方向へ押し、ボール28を弁座30から離して弁を開く。吸引開始点のパルス数から吐出開始点のパルス数になる直前まで、コイル52に電流を流し続け、弁を開いた状態にしておく。
【0023】
吐出開始点のパルス数になったとき、制御部26は、コイル52に電流を逆方向、すなわち永久磁石44aと鉄心50が引き合うように磁場が発生するように流す。作動部44は鉄心50側へ移動し、ピン44bがボール28から離れ、オモリ32の重力及び流体圧力によってボール28を弁座30に着座させて弁を閉じる。鉄心50側へ移動した作動部44は、永久磁石44aの磁力により、シート46を介して鉄心50に吸い付くので、ポンプヘッド2aの次回の吸引開始までコイル53に電流を流し続ける必要はない。
【0024】
以上のようにして、吸引側の逆止弁として機能する弁ユニット8をポンプの動作に同期させて能動的に開閉させることができる。
さらに、弁ユニット8内に気泡が入ったときや、ボールや弁座に汚れが付着してボールと弁座が吸着しやすくなったときでも、ポンプの動作に同期させて弁ユニット8を能動的に確実に開閉させることができるので、弁の開閉の再現性を向上させることができる。
さらに、液体による負荷圧力や、液体の流量、液体の粘度などの条件にかかわらず弁の開閉を再現性よく行ない、逆止弁の開閉に要する時間や逆止弁の開閉時間の間に漏れ出る液体の量などを安定させることができる。
以上により、本発明を液体クロマトグラフに適用した場合、逆止弁の開閉に起因する送液の流量正確さ、再現性、安定性及び信頼性の低下を抑制することができる。
【0025】
図6は、ボール28を弁座30に押しつける機構として、オモリの代わりに可動部材用ばね機構を用いた弁ユニットの実施例を示す正面から見た断面図である。図3と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する。
ハウジング34の内部のボール28とガスケット36aの間に、ハウジング34の軸方向に往復運動可能にボール用プランジャ66が配置されている。ボール用プランジャ66の基端部66a側には鍔部66bが形成されている。鍔部66bとガスケット36aの間にコイルばね68が圧縮された状態で配置されており、コイルばね68がボール用プランジャ66に与える力により基端部66aがボール28に当接している。ボール用プランジャ66及びコイルばね68は耐薬品性に優れた材料によって製作されている。
【0026】
このように、ボール28を弁座30に押しつける機構として、ボール用プランジャ66及びコイルばね68を用いれば、弁ユニット8の向きにかかわらず弁の開閉を行うことができるので、ポンプ及び弁ユニットの配置の自由度が大きくなる。
この実施例では、可動部材用ばね機構としてボール用プランジャ66及びコイルばね68を用いているが、可動部材用ばね機構はこれに限定されるものではなく、種々のばねの力によりボール28を弁座30に押しつけることができる機構であればどのようなばね機構であってもよい。
【0027】
図7は、弁ユニット8の他の実施例を示す概略構成図であり、(A)は正面から見た断面図、(B)は作動部70を示す断面図である。この実施例の構成は、図2から図4の実施例と同様であり、図3と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する。
シリンダ部42に、軟磁性体部材(磁性材料からなる部材)70aを内蔵した作動部70がシリンダ部42の軸方向に往復運動可能に配置されている。
【0028】
有底の円筒状の作動部ケース70c内に軟磁性体部材70aが収納されている。作動部ケース70cの上面は、一端に平坦面を有するピン70bの平坦面によって封止されている。軟磁性体部材70aの材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びその化合物などの高透磁率材料を用いることが好ましく、軟磁性体部材70aを保護するために、液体と接触するピン70b及び作動部ケース70cは、例えばSUS316など耐薬品性に優れた材料で製作し、作動部ケース70c内に軟磁性体部材70aを収納して、軟磁性体部材70aが直接接液しないように構成されている。軟磁性体部材の材料として耐薬品性に優れたものを用いるのであれば、作動部70全体を軟磁性体部材で作製してもよい。
シリンダ部42内部の、シリンダ部42の底面としてのシート46と作動部70の底部の間に、耐薬品性に優れた材料からなるコイルばね(作動部用ばね機構)72が圧縮された状態で配置されている。コイルばね72は、オモリ32がボール28に与える力と、その力と同じ方向にボール28に働く流体圧力の和よりも大きい力で、ボール28を弁座30から離す方向へ作動部70に力を与えている。
【0029】
この実施例を図2から図4の実施例と同様にして図1のポンプに適用した場合を用いて、この実施例の動作を説明する。
ポンプ作動時には、制御部26はステッピングモータ20のパルス数をカウントする。
吐出開始点のパルス数になったとき、制御部26は弁ユニット8のコイル52に電流を流す。ソレノイド48で発生する磁場により、軟磁性体部材70a、引いては作動部70が鉄心50側に引っ張られ、コイルばね72が圧縮し、ピン70bがボール28から離れ、オモリ32の重力及び流体圧力によりボール28を弁座30に着座させて弁を閉じる。吐出開始点のパルス数から吸引開始点のパルス数になる直前まで、コイル52に電流を流し続け、弁を閉じておく。
【0030】
吸引開始点のパルス数になったとき、制御部26は、コイル52への電流の供給を停止する。作動部70は、コイルばね72の復元によってボール28側へ移動し、ピン70bがボール28をオモリ32とともに弁座30から離れる方向へ押し、ボール28を弁座30から離して弁を開く。ボール28側へ移動した作動部70は、コイルばね72によりボール28側へ押さえつけられるので、ポンプヘッド2aの次回の吐出開始までコイル53に電流を流す必要はない。
【0031】
以上のようにして、吸引側の逆止弁として機能する弁ユニット8をポンプの動作に同期させて能動的に開閉させることができる。
この実施例でも、図3の実施例と同様に、図6に示す可動部材用ばね機構を適用することができる。
この実施例では、作動部用ばね機構としてコイルばね72を用いているが、これに限定されるものではなく、種々のばねの力により作動部70をボール28側へ移動させることができる機構であればどのようなばね機構であってもよい。
【0032】
本発明にかかる弁ユニットでは、磁力又は磁力及びばね力によって作動部を流路内で往復運動させるので、弁ユニット内の流路の体積が変化することはない。そのため、本発明にかかる弁ユニットを、例えばポンプ上流側に配置された流路選択バルブをプランジャ動作に同期して切り換える低圧グラジェント装置に適用した場合、弁の開閉時における流路の体積変化に起因する濃度正確さの劣化を引き起こすことはない。
【0033】
図1に示すポンプでは、本発明を吸引側の逆止弁として適用しているが、吐出側の逆止弁としても適用することができる。また、図1に示すポンプは直列2連プランジャポンプであるが、並列プランジャポンプなど、他の方式のポンプに使用される逆止弁としても適用することができる。
また、液体クロマトグラフに使用される低圧グラジェント装置の濃度変更用の弁としても本発明を適用することができる。その場合、ポンプの吸引側の逆止弁と濃度変更用の弁を兼用して、弁の数を減らすこともできる。
また、フラッシング時の排出用の弁として本発明を適用すれば、フラッシングの自動化が可能になる。
【0034】
【発明の効果】
本発明にかかる第1の態様の弁ユニットでは、可動部材を弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、流路内に往復運動可能に配置され、可動部材を弁座から離す方向へ押す作動部と、作動部の内部に配置された永久磁石と、流路に隣接して配置され、永久磁石付近に磁場を発生させるソレノイドとを備え、ソレノイドにより、弁を開くときには、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で永久磁石と反発するように磁場を発生させて、永久磁石、ひいては作動部を可動部材側へ移動させ、可動部材と接触させて可動部材を弁座から離して弁を開き、弁を閉じるときには、永久磁石と引き合う方向へ磁場を発生させて、作動部をソレノイド側へ移動させて可動部材から離し、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に働く流体圧力によって、可動部材を弁座に押しつけて弁を閉じるようにしたので、弁の開閉を能動的に行ない、弁の開閉の再現性を向上させることができる。
【0035】
本発明にかかる第2の態様の弁ユニットでは、可動部材を弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、流路内に往復運動可能に配置され、磁性材料にてなる部材を少なくとも含み、可動部材を弁座から離す方向へ押す作動部と、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で可動部材を弁座から離す方向へ作動部を押す作動部用ばね機構と、流路に隣接して配置され、磁性材料にてなる部材付近に磁場を発生させるソレノイドとを備え、弁を開くときには、ソレノイドを作動させず、作動部用ばね機構によって与えられる力によって、作動部を可動部材側へ移動させ、可動部材と接触させて可動部材を弁座から離して弁を開き、弁を閉じるとき、ソレノイドによって磁場を発生させて、磁性材料にてなる部材との相互作用により、作動部用ばね機構が可動部材に与える力よりも大きい力で、可動部材から離す方向へ作動部を引っ張り、磁性材料にてなる部材、ひいては作動部をソレノイド側へ移動させて可動部材から離し、荷重部材が可動部材に与える力と、その力と同じ方向に働く流体圧力によって、可動部材を弁座に押しつけて弁を閉じるようにしたので、弁の開閉を能動的に行ない、弁の開閉の再現性を向上させることができる。
【0036】
弁ユニットはポンプに接続され、そのポンプの位相に同期してソレノイドを制御する制御部をさらに備えるようにすれば、弁ユニットに起因する、ポンプの送液流量の正確さ、送液の再現性及び安定性の低下を抑制することができる。
荷重部材は、可動部材用ばね機構によって構成されるようにすれば、弁ユニットの向きにかかわらず弁の開閉を行うことができるので、ポンプ及び弁ユニットの配置の自由度が大きくなる。
本発明にかかる送液ポンプでは、ポンプヘッドの吸引側と吐出側にそれぞれ設けられる逆止弁の少なくとも1つの逆止弁として上記の弁ユニットを備えるようにしたので、ポンプの送液流量の正確さ、送液の再現性及び安定性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる弁ユニットの一実施例を吸引側の逆止弁に適用した送液ポンプの一実施例を示す概略構成図である。
【図2】 図1に示す弁ユニットの実施例の上面図である。
【図3】 図1に示す弁ユニットの実施例の、図2のA−A位置に沿った正面から見た断面図である。
【図4】 図1に示す弁ユニットの実施例の、図2のB−B位置に沿った側面から見た断面図である。
【図5】 図1に示す弁ユニットの作動部を示す概略構成図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のA−A位置に沿った断面図である。
【図6】 ボールを弁座に押しつける機構として、オモリの代わりに可動部材用ばね機構を用いた弁ユニットの実施例のハウジング内部を示す断面図である。
【図7】 弁ユニットの他の実施例を示す概略構成図であり、(A)は正面から見た断面図、(B)は作動部70を示す断面図である。
【符号の説明】
2a 1次側ポンプヘッド
4a 2次側ポンプヘッド
2b,4b プランジャ
6 液入口側の流路
8 弁ユニット
12 逆止弁
26 制御部
28 ボール(可動部材)
30 弁座
32 オモリ
34 ハウジング
36a,36b ガスケット
38 バルブボディ(弁本体)
40 流路
42 シリンダ部
44,70 作動部
44a 永久磁石
44b,70b ピン
44c,70c 作動部ケース
46 シート
48 ソレノイド
50 鉄心
52 コイル
66 ボール用プランジャ
68,72 コイルばね
70a 軟磁性体部材

Claims (5)

  1. 弁本体の内部に形成された流路内に配置された弁体としての可動部材が弁座に着脱することによって液体を一定方向のみに流して逆流を防止する弁ユニットにおいて、
    前記可動部材を前記弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、前記流路内に往復運動可能に配置され、前記可動部材を前記弁座から離す方向へ押す作動部と、前記作動部の内部に配置された永久磁石と、前記流路に隣接して配置され、前記永久磁石との相互作用により、弁を開くときには、前記荷重部材が前記可動部材に与える力と、その力と同じ方向に前記可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で前記可動部材を前記弁座から離す方向へ前記作動部を押し、弁を閉じるときには、前記可動部材から離す方向へ前記作動部を引っ張るソレノイドと、を備え、弁の開閉を能動的に行なう弁ユニットであって、前記ソレノイドを構成する鉄心の前記作動部側の一端に低透磁材料からなるリングを嵌合したことを特徴とする弁ユニット。
  2. 弁本体の内部に形成された流路内に配置された弁体としての可動部材が弁座に着脱することによって液体を一定方向のみに流して逆流を防止する弁ユニットにおいて、
    前記可動部材を前記弁座に押しつける方向へ押す荷重部材と、前記流路内に往復運動可能に配置され、磁性材料にてなる部材を少なくとも含み、前記可動部材を前記弁座から離す方向へ押す作動部と、前記荷重部材が前記可動部材に与える力と、その力と同じ方向に前記可動部材に働く流体圧力の和よりも大きい力で前記可動部材を前記弁座から離す方向へ前記作動部を押す作動部用ばね機構と、前記流路に隣接して配置され、前記磁性材料にてなる部材との相互作用により、弁を閉じるときには、前記作動部用ばね機構が前記可動部材に与える力よりも大きい力で、前記可動部材から離す方向へ前記作動部を引っ張るソレノイドと、を備え、弁の開閉を能動的に行なう弁ユニットであって、前記ソレノイドを構成する鉄心の前記作動部側の一端に低透磁材料からなるリングを嵌合したことを特徴とする弁ユニット。
  3. ポンプに接続され、前記ポンプの位相に同期して前記ソレノイドを制御する制御部をさらに備える請求項1又は2に記載の弁ユニット。
  4. 前記荷重部材は、可動部材用ばね機構によって構成される請求項1から3のいずれかに記載の弁ユニット。
  5. プランジャの往復運動により作動するポンプヘッドと、そのポンプヘッドの吸引側と吐出側にそれぞれ設けられた逆止弁とを備え、プランジャの往復運動により送液を行うプランジャ往復運動型送液ポンプにおいて、前記両逆止弁の少なくとも一方の逆止弁として請求項1から4のいずれかに記載の弁ユニットが用いられていることを特徴とする送液ポンプ。
JP2000042347A 2000-02-21 2000-02-21 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ Expired - Lifetime JP4455713B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000042347A JP4455713B2 (ja) 2000-02-21 2000-02-21 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000042347A JP4455713B2 (ja) 2000-02-21 2000-02-21 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001235052A JP2001235052A (ja) 2001-08-31
JP4455713B2 true JP4455713B2 (ja) 2010-04-21

Family

ID=18565431

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000042347A Expired - Lifetime JP4455713B2 (ja) 2000-02-21 2000-02-21 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4455713B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4958121B2 (ja) * 2001-10-24 2012-06-20 株式会社タクミナ 往復動ポンプおよび逆止弁
JP2009533628A (ja) 2006-04-12 2009-09-17 ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン 能動バルブおよび能動バルブの動作の方法
EP2044352A4 (en) * 2006-07-25 2013-01-23 Waters Technologies Corp NON-RETURN VALVE WITH FLEXIBLE SEAL
WO2012072494A1 (en) * 2010-11-30 2012-06-07 Ge Healthcare Bio-Sciences Ab A chromatography pump
EP2662139A1 (en) 2012-05-08 2013-11-13 Roche Diagniostics GmbH A valve for dispensing a fluid
JP6424965B2 (ja) * 2015-09-15 2018-11-21 株式会社島津製作所 逆止弁及び送液ポンプ
US11746777B2 (en) 2017-12-25 2023-09-05 Shimadzu Corporation Liquid sending device
EP4244507A1 (en) 2021-01-11 2023-09-20 Waters Technologies Corporation Active check valve having a moving magnet actuator
CN113952668A (zh) * 2021-11-01 2022-01-21 广东住总建设工程有限公司 一种智能感知建筑消防系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001235052A (ja) 2001-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0328696B1 (en) Valve unit
JP4455713B2 (ja) 弁ユニット及びそれを用いた送液ポンプ
US7104767B2 (en) Diaphragm pump for medical applications
KR100725691B1 (ko) 리니어 액추에이터를 사용한 펌프 장치
US8671975B2 (en) Compliant-seal check valve
US5605317A (en) Electro-magnetically operated valve
WO2004029458A1 (en) Metering pump with gas removal device
JPS6388282A (ja) 定量ポンプ
JP6424965B2 (ja) 逆止弁及び送液ポンプ
RU2397365C1 (ru) Насосная секция и насос, имеющий такую насосную секцию
JPS6240554B2 (ja)
CN111486073B (zh) 电磁泵
CN100557226C (zh) 具有螺线管致动器的高压泵
JPS6047479B2 (ja) 多連式往復動ポンプ
KR20070100075A (ko) 일정 용적형 전자(電磁) 펌프
JP2005273514A (ja) 逆止弁とそれを用いた送液ポンプ
JPS6114635Y2 (ja)
KR0171555B1 (ko) 전자 펌프
JP2007016935A (ja) バルブ機構
JPH08114178A (ja) 可逆パルスポンプ
JPH0219596Y2 (ja)
JPH09292381A (ja) 送液ポンプ
JPH08159018A (ja) 電磁ポンプ
WO1995025892A2 (en) Electro-magnetically operated valve
JP2003328929A (ja) 電磁ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080318

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081114

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081119

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20090130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4455713

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130212

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140212

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term