JP4958121B2 - 往復動ポンプおよび逆止弁 - Google Patents
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Description
また、本発明は、逆止弁に関し、詳しくは、往復動ポンプに用いられる逆止弁に関するものである。さらに、本発明は、かかる逆止弁を用いて構成された往復動ポンプに関するものである。
また、本発明は、往復動ポンプに関し、往復動する駆動手段としてダイヤフラム等(他には、例えばピストンまたはプランジャ等)を用いて構成された往復動ポンプに関するものである。
という問題があった。
また、本発明は、上記従来技術にかかる問題を解決するためになされたもので、流路の閉塞を確実に行うことが可能であって、呼び液等を行うことなく、ボールや弁座等の局部的な摩耗を減少させることが可能な弁座を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、上記従来技術にかかる問題を解決するためになされたもので、高粘度の流体を搬送する場合であっても、定量搬送を実現可能な往復動ポンプを提供することを課題とする。
また、このような構成によれば、前記弁体によって前記流通経路を閉塞した際において、前記付勢手段と前記弁体との間に前記所定間隔が設けられているため、前記付勢手段によって前記弁体が弁座に強制的に押さえ付けられることがない。よって、このような構成によれば、前記弁体および弁座等の摩耗を効果的に減少させることができる。
また、本発明によれば、流路の閉塞を確実に行うことが可能であって、呼び液等を行うことなく、ボールや弁座等の局部的な摩耗を減少させることが可能な弁座を得ることができる。
さらに、本発明によれば、高粘度の流体を搬送する場合であっても、定量搬送を実現可能な往復動ポンプを得ることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかる往復動ポンプの概略断面図を示したものである。図1に示すように、本実施形態にかかる往復動ポンプは、ダイヤフラム(第一のダイヤフラム1Aおよび第二のダイヤフラム1B)を往復動させることによって流体の搬送を実現する流体搬送部10A,10Bと、これらのダイヤフラム1A,1Bを駆動させるべく適切なタイミングで作動油を供給する駆動力供給部40と、この駆動力供給部40の偏心カム42を駆動させる駆動部70等とを用いて構成されている。
また、この往復動ポンプを成す駆動部70は、回転運動を生ずる電動モータ71と、この電動モータ71からの回転力を駆動力伝達軸41に伝えるためのギヤ部72等とを用いて構成されている。
さらに、本実施形態にかかる往復動ポンプにおいては、駆動力供給部40の左右それぞれに、補助プランジャ機構100A,B(本発明の「作動油補充機構」に相当)と作動油補給弁150A,B(本発明の「作動油補充機構」に相当)とが設けられている。これらについては、後に詳細に説明する。
そこで、以下、同様の構成要素について説明を行う場合には、同様の符号を用いることとし、それぞれを区別する際には、必要に応じて「A」「B」の符号を付記する。
図2に示すように、駆動力供給部40は、先に述べた駆動部70から駆動力を受ける駆動力伝達軸41と、この駆動力伝達軸41に取り付けられた偏心カム42と、この偏心カム42の動きに応じて往復動するピストン部(第一のピストン部43および第二のピストン部44)と、第一のピストン部43内のベアリング47の内輪で支持された第一の回動軸45と、第二のピストン部44内のベアリング48の内輪で支持された第二の回動軸46と、第二のピストン部44内にて第一のピストン部43と第二のピストン部44とを適切に付勢して、各ピストン部43,44内に設けられている各回動軸45,46を偏心カム42に接触させるべく機能する調整手段たる位置規制付勢手段49と、これらの各要素を内包しているケーシング部50等とを用いて構成されている。
そして、以上のような要素を有する駆動力供給部40においては、ケーシング部50内壁とピストン部43,44との間の密閉空間に、作動油が充填されている。
そして、第二のピストン部44の内壁部(内面部)44aと第一のピストン部43の外壁部(外面部)43aとの間には、位置規制付勢手段49が挟持されている。すなわち、この位置規制付勢手段49によって、第一および第二のピストン部43,44が偏心カム42の位置する方向に付勢されることとなる。換言すれば、この位置規制付勢手段49によって、第一のピストン部43内の第一の回動軸45と、第二のピストン部44内の第二の回動軸45とが、常に偏心カム42の外周面に接すべく、適切に付勢されることとなる。
したがって、本実施形態においては、各ピストン部43,44の動きに応じて作動油に対して正圧・負圧が作用し、この圧力変動により各供給口51,52を介して作動油が流通することとなる。そして、この作動油によって、ダイヤフラム1,2が往復動することとなる。
具体的には、流体搬送部10は、ダイヤフラム1と、ポンプヘッド32と、このポンプヘッド32と共にダイヤフラム1を挟持して支持する作動油供給部31と、この作動油供給部31の上部に設けられたガス排出機構20等とを用いて構成されている。
なお、ここで、ダイヤフラム1は、その断面形状が波形形状に形成されているが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、種々の形状とすることが可能である。
なお、作動油制限室5は、ダイヤフラム1に供給される作動油を制限して、ダイヤフラム1が所定範囲を超えて過剰に往復動することを防止するために設けられたものであって、詳細は後述する。
ここでは、上述した構成に基づいて、第一のピストン部43と第二のピストン部44とが一体的に、一つの偏心カム42によって往復動する。
そして、このピストン部43,44の往復動によって作動油に対して所定の力および方向の圧力が作用し、その作動油が、供給口51,52を介して配管部35A,35Bに送排出されることとなる。
しかしながら、何らかの不具合が生じて、駆動力供給部40から作動油を介して過剰な圧力がダイヤフラム1に作用すると(多量の作動油がダイヤフラム駆動室2に供給されると)、ダイヤフラム1に亀裂や破損等が発生する場合がある。
そこで、本実施形態においては、作動油制限室5が設けられている。以下、具体的に説明する。
この際、第二ボール体28が調整バルブ27にて第一調整部排出経路に隙間なく押圧されている場合には、第一ガス排出経路21に溢流した作動油は、連通部24に貯留されることとなる。そして、本実施形態においては、第二ガス排出経路22の上方端部(他方端部22b)には第一ボール体23が設けられているため、このように第一ガス排出経路21を介して作動油が溢流した場合であっても、作動油が第二ガス排出経路22に逆流することはない。
また、第二ボール体28と調整バルブ27との間に所定の間隔が設けられている場合には、第一ガス排出経路21に溢流した作動油は、連通部24、第一調整部排出経路25a、バルブ内排出経路27a、第二調整部排出経路25b、およびガス排出配管部36を介して、ケーシング50内等に戻されることとなる。なお、この場合においても、上記と同様、第二ガス排出経路22の上方端部(他方端部22b)に設けられた第一ボール体23によって、作動油の第二ガス排出経路22に対する逆流は防止される。
手動にて行う場合には、図4等に示したように、基本的に、調整バルブ27を用いて第二ボール体28を第一調整部排出経路25aの上端部に対して押圧した状態とする。この状態においては、ダイヤフラム駆動室2内のガスは第二ガス排出経路22を介して、作動油制限室5内のガスは第一ガス排出経路21を介して、連通部24内に排出され、ここに貯留された状態となる。この際、第二ガス排出経路22の上部には第一ボール体23が設けられているが、この第一ボール体23と規制部26との間には所定間隔(例えば、1mm)が設けられているため、第一ボール体23は排出ガスの圧力によって持ち上げられて、排出ガスは連通部24に排出、貯留されることとなる。
そして、本実施形態においては、必要に応じて(ガス排出を行う必要が生じたときに)、調整バルブ27のねじ込み量を調整して(上方に移動させて)、第二ボール体28と調整バルブ27との間に所定間隔を設けることとする。このような間隔を設ければ、連通部24内の排出ガス圧力によって第二ボール体28が持ち上げられ、第一調整部排出経路25a、バルブ内排出経路27a、第二調整部排出経路25b、およびガス排出配管部36を介して、ダイヤフラム駆動室2および作動油制限室5内のガスが適切に排出されることとなる。ガス排出が終了した後、調整バルブ27は再度ねじ込み、第二ボール体28と調整バルブ27と間の間隔(第二ボール体28のリフト可能量)は零とする。
また、上述したように、必要に応じて、一の調整バルブ27を操作するだけで、二箇所のガスを適切に排出することが可能であるため、従来よりも容易にガスの排出(エア抜き等)を行うことができる。なお、ここで説明したガス排出処理(調整バルブ27の調整処理)は、基本的には、往復動ポンプ製造時に行えば、それ程頻繁に行う必要はない。
自動にて行う場合には、第一ボール体23と規制部26との間隔(第一ボール体23のリフト可能量)(以下、「第一リフト量」という。)L1、および第二ボール体28と調整バルブ27(二点鎖線(仮想線)にて示した方)との間隔(第二ボール体28のリフト可能量)(以下、「第二リフト量」という。)L2を、それぞれ所定の間隔に設定する必要がある。
ここで「所定の間隔」とは、それぞれのガス排出経路21,22から排出されるガスが適切に排出されると共に、ポンプの吐出効率をあまり低下させず、また脈動も抑えた状態で運転を行うことが可能な間隔であって、これは、ポンプの吐出量等に応じても異なる。例えば、第一リフト量L1としては、0.5mm〜2.0mm程度(より好ましくは1.0mm〜1.5mm程度)、第二リフト量L2としては、0.5mm〜2.0mm程度(より好ましくは0.5mm〜1.0mm程度)が好ましい。なお、本実施形態においては、規制部26は固定式であり、第一リフト量L1は、約1.0mmに設定されている。そして、第二リフト量L2については、例えば、1.0mm程度に設定されている。ただし、この第二リフト量L2は、調整バルブ27によって可変可能であるため、必要に応じて、より適切な間隔(適切にガス排出が行われ、ポンプの吐出効率をあまり低下させない間隔)に調整すればよい。
また、適切にガス排出を行いつつ、適度な密閉性を保持するためには、各ボール体23,28を構成する材料も適切に選択する必要があり、例えば、第一ボール体23は、作動油の比重に近い比重を有する材料を用いて構成することが好ましく、例えば、ポリプロピレン等を用いて構成することが好ましい。
以下、図1、図5および図6を用いてプランジャ機構100を具体的に説明する。
作動油押圧手段110は、第一のピストン部43に取り付けられた押圧部115で押圧される補助プランジャ111と、補助プランジャ111を摺動可能に保持するプランジャ保持部112と、補助プランジャ111に固着されたスプリング保持部113と、プランジャ保持部112とスプリング保持部113との間に設けられ、補助プランジャ111を偏心カム42側に付勢しているスプリング部114とを用いて構成されている。
また、補充量調整手段120は、補助プランジャ111の作用時間を調整する調整用プランジャ121と、調整用プランジャ121を摺動可能に保持する調整用プランジャ保持部122と、調整用プランジャ保持部122に固着されたスプリング保持部123と、調整用プランジャ121とスプリング保持部123との間に設けられ、調整用プランジャ121を作動油押圧手段110側(偏心カム42側)に付勢しているスプリング部124とを用いて構成されている。
つまり、本実施形態にかかる往復動ポンプによれば、上記補助プランジャ機構100を用いることによって、ガス排出機構20からガスと共に排出される作動油を補充することが可能となるため、通常運転時において、ポンプ効率を低下させることなく、また特に脈動等も起こさせることなく、手動でまたは自動で適切にガス排出を行うことができる。
例えば、往復動ポンプにおいては、吸込側弁座にチャッキボールが着座するまでの短時間に、わずかな量の液体が液体の流入側に逆流する場合がある。また、作動油の中にわずかに残るエアの圧縮や、超高圧下における作動油自体の体積変化(減少)によって作動油の効率低下を生じる場合がある。そこで、その逆流や作動油の効率低下による流体量に対応する量をも補充すべく、補助プランジャ機構の調整を行ってもよい。
この作動油補給弁150A,150Bは、ガス排出機構20等が機能することによって、ダイヤフラム駆動室2内が負圧状態となったときに、適切に作動油を供給すべく機能するものであって、補充圧力を変更可能に構成されている。本実施形態によれば、この作動油補給弁150A,150Bを有するため、何らかの不具合により、ダイヤフラム駆動室2等が過剰な負圧状態となっても、所定の圧力に応じて、作動油補給弁150から補給が開始される。したがって、本実施形態にかかる往復動ポンプは、ポンプ効率を低下させずに、安定した性能を維持することができる。
しかしながら、往復動ポンプ1回転の容積移動が少ない場合(小径のピストン部等が用いられる場合)は、ガス全量を排出するまでに、かなりの時間(例えば数十分)を要することがある。また、図4等に示されたガス排出機構においては、可能な第二ボール体28がガス圧によって調整バルブ27の端部に接触するまでの間のみ、バルブ内排出経路27aからガスの排出が可能であるため、何らかの原因で、第二ボール体28が調整バルブ27に接すると、バルブ内排出経路27aが封止されて、ガスを適切に排出することができない場合がある。
このように、図4等に示した実施形態においては、ガス排出を短時間で適切に行えない場合がある。
つまり、この図7に示した実施形態によれば、必要に応じて、調整バルブ27と雌ネジ部271との間をガス等の流体が流通すべく、調整バルブ27の調整を行うことが可能となる。したがって、本実施形態によれば、図7(の実線)に示すように、第二ボール体28が調整バルブ27に接触し、バルブ内排出経路27aが封止された状態となっても、ガス等は、調整バルブ27と雌ネジ部271との間、およびバイパス排出経路25cを介してガス排出配管部36から適切に排出されることとなる。
また、この図7に示すような構成であれば、小径のピストン部等が用いられて、吐出能力(ガス排出能力)が少ない往復動ポンプの場合には、ガス排出配管部36に外部から負圧を作用させて、ガスを強制的に抜き出すこともできる。
先の図4および図7等にて説明したポリプロピレン等のボール体を用いて構成されたガス排出機構は、比較的低圧力のポンプを構成する際に適用され、この図8にて説明したセラミック等のボール体を用いて構成されたガス排出機構は、高圧力ポンプを構成する際に適用される。つまり、この図8に示したガス排出機構によれば、セラミック等の比較的大きな比重を有するボール体231,232を各ガス排出経路21,22の上方に設けているため、高圧力の流体についても適切に逆止を行うことができる。
この図9に示すように、本実施形態にかかる逆止弁は、弁本体部310を成す上部本体部311および下部本体部312と、各本体部311,312間に設けられたパッキン313と、弁体314と、この弁体314をガイドする上部ガイド部315および下部ガイド部316と、上部本体部311と上部ガイド部315との間に設けられたスプリング等の付勢手段317等とを用いて構成されている。また、この逆止弁を構成する各本体部311,312には、流体を流通させるための流通経路311A,312Aが形成されている。
すなわち、本実施形態にかかる逆止弁(の流通経路311A,312A)は、流体の供給状態(圧力状態)に応じて、以上のような閉塞状態および開放状態が繰り返されることとなる。
これは、従来であれば、弁体の偏摩耗を極力抑えるために、付勢手段の付勢力に所定の制限を設ける必要があったが、本実施形態においては、上述したように、所定間隔t1を設ける構成として、弁体314の自転を可能としたからである。
さらに、本実施形態にかかる逆止弁は、以上のように、閉め切り応答性が高まるため、高粘度の流体を搬送する場合であっても、効果的に定量搬送を実現することができる。
この図10に示すように、本実施形態にかかる逆止弁は、弁本体部320と、弁体324と、この弁体324をガイドする上部ガイド部325と、上部ガイド部325に設けられたスプリング等の付勢手段327等とを用いて構成されている。また、この逆止弁を構成する弁本体部320には、流体を流通させるための流通経路320Aが形成されている。
また、逆止弁内に流体が供給されると、図10(b)に示すように、逆止弁を構成する弁体324は、その流体の圧力に応じて弁座320Bから離れると共に、付勢手段327の付勢力に抗して、付勢手段327を上方に撓ませ、逆止弁内における流体の流通経路320Aが開放状態となる。
すなわち、本実施形態にかかる逆止弁も、図9の逆止弁と同様に、流体の供給状態(圧力状態)に応じて、以上のような閉塞状態および開放状態が繰り返されることとなる。
なお、この図10においては、弁本体部320の弁座320B近傍に弁体324のガイド部が設けられていないが、本発明はこの構成に限定されず、必要に応じて、弁座320B近傍にガイド部を設けてもよい。
この図11に示すように、本実施形態にかかる逆止弁は、弁本体部330と、弁体334と、この弁体334をガイドする上部ガイド部335と、弁本体部330の外部に設けられたコイル部339等とを用いて構成されている。また、この逆止弁を構成する弁本体部330には、流体を流通させるための流通経路330Aが形成されている。
したがって、コイル部339に通電される電流の極性を適宜制御(反転等)させることによって、本実施形態によれば、応答性の高い逆止弁を得ることができる。なお、必要に、応じて、コイル部339(電磁石)に対する電力供給ラインにキャパシタを設ければ、電流が短時間で供給されることとなるため、より応答性の高い逆止弁を得ることが可能となる。
よって、先に説明した図9および図10と同様に、この図11に示した逆止弁についても、弁体334の偏摩耗をなくし、高粘度の流体の搬送時においても効果的に定量搬送を実現することができる。
そして、この駆動力伝達軸410は、駆動力供給部40を成す偏心カム42、および補助駆動部400を成す補助偏心カム402に対して、回転力を供給すべく構成されている。すなわち、本実施形態にかかる駆動力伝達軸410は、図14に示すように、偏心カム42を回転させる第一軸部411と、補助偏心カム402を回転させる第二軸部412とが一体となるべく構成されている。
また、各ダイヤフラム1の上流側には、それぞれ補助流入側逆止弁430が設けられており、各ダイヤフラム1の往復動状態に基づいて、この補助流入側逆止弁430の開閉状態が制御される。
さらに、本実施形態においては、所定量(圧力)以上の流体が流体搬送室に搬送されることを防止すべく、補助リーク部440が設けられている。この補助リーク部440は、各逆止弁430の下流側に設けられ、リーク支持部441と、このリーク支持部441に離接して流体流路を開閉する開閉部443と、この開閉部443をリーク支持部441に接すべく付勢するスプリング等の付勢手段442とを用いて構成されている。
すなわち、この図12から図15にて示される往復動ポンプにおいては、単にダイヤフラム1が往復動して流体を搬送させるのみではなく、補助駆動部400を用いて、流体搬送室2a内に流体が搬送されている。より具体的には、例えば、同一流体搬送経路中のダイヤフラム1および補助ダイヤフラム401は(例えば、図15の左側に位置するダイヤフラム1および補助ダイヤフラム401は)、それぞれ、一方が吐出工程のときには、他方が吸込工程であるべく機能する。
この図16においては、破線および実線が、それぞれ同一流体搬送経路中のダイヤフラム1および補助ダイヤフラム401を示しており、例えば、実線が図15の右側に位置するダイヤフラム1B(右ポンプ)および補助ダイヤフラム401B(右加圧ポンプ)を示し、破線が図15の左側に位置するダイヤフラム1A(左ポンプ)および補助ダイヤフラム401A(左加圧ポンプ)を示している(図15参照)。
しかしながら、本実施形態によれば、仮にダイヤフラム1のみによる吸い込み不足があったとしても、補助駆動部400を駆動させることによって、流体搬送室2aに対する搬送量が補充されるため、適切に流体を定量搬送することができる。
したがって、本実施形態によれば、流体搬送室2a内の圧力を必要以上に高めることがなくなり、ダイヤフラム1および補助ダイヤフラム401等の破損防止等を図ることができる。また、この補助リーク部440における所定圧力は、ダイヤフラム1における定量搬送量に応じて定められるため、つまり、過剰供給等がないようにも配慮して定められるため、この補助リーク部440を設けることによって、高精度の定量搬送を実現することができる。
しかしながら、本発明は、この構成に限定されず、必要に応じて、例えば、図9から図11に示したような逆止弁を用いて、往復動ポンプを構成してもよい。これらの逆止弁は、いずれも、流通経路の閉塞開始時においては、弁体が強制的に弁座側に移動させられるため、高い閉め切り応答性を有している。
したがって、このような逆止弁を用いれば、先に説明した逆止弁の作用効果を有する往復動ポンプを構成可能である。具体的には、高精度に定量搬送を行うことが可能な往復動ポンプ、および弁体の偏摩耗がなくなることにより、長寿命化を図ることが可能な往復動ポンプを得ることができる。
また、流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、前記駆動力供給部の駆動力が作動油を介して前記ダイヤフラム駆動室内のダイヤフラムに伝達されるべく構成され、前記駆動力供給部と前記ダイヤフラム駆動室との間には前記作動油を制限する作動油制限室が設けられており、前記作動油制限室内の上方位置に設けられた第一ガス排出部と、前記ダイヤフラム駆動室内の上方位置に設けられた第二ガス排出部とを有し、前記第一ガス排出部と前記第二ガス排出部とが連通されて一のガス排出機構が構成されており、前記ガス排出機構には、前記第一ガス排出部から前記第二ガス排出部への流体の逆流を防止すべく逆流防止体が設けられている。
このような構成によれば、複数のガス排出部(第一および第二ガス排出部)が連通されて一のガス排出機構が構成されているため、複数のガス排出部から排出されるガスを、一のガス排出機構の調整を行うのみで、適切に排出可能である。
また、前記作動油制限室には、前記ダイヤフラムに連接されてダイヤフラムと共に駆動する弁体と、前記弁体と嵌合して前記ダイヤフラム駆動室に供給される前記作動油を制限し得る弁座とが設けられており、前記作動油制限室内における前記駆動力供給部と前記弁座との間に前記第一ガス排出部の一方端部が設けられ、前記ダイヤフラム室内における前記弁座と前記ダイヤフラムとの間に前記第二ガス排出部の一方端部が設けられている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記弁体等を用いることによって、前記ダイヤフラムに対する過負荷等を適切に制限し、この弁体および弁座の前後(ダイヤフラム駆動室および作動油制限室)にそれぞれ第一ガス排出部および第二ガス排出部が設けられているため、ダイヤフラム周辺のガスを適切に排出することが可能となる。
また、前記第一ガス排出部の他方端部と前記第二ガス排出部の他方端部とが近接して設けられており、前記第一ガス排出部から流体が排出される際には、その流体の圧力によって前記第二ガス排出部の他方端部を閉塞すべく、前記第二ガス排出部の他方端部に押圧され、前記第二ガス排出部から流体(ガス等)が排出される際には、その流体(ガス等)の圧力によって前記第二ガス排出部の他方端部を開放すべく、前記第二ガス排出部の他方端部から持ち上げられるように、前記第二ガス排出部の他方端部上に前記逆流防止体が設けられている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、二つのガス排出部を連通させた構成としても、前記逆流防止体が設けられているため、ダイヤフラム駆動室側へのガスおよび作動油の逆流を防止し、往復動ポンプを適切に駆動させることができる。
また、前記ガス排出機構が、前記第一ガス排出部、前記第二ガス排出部、前記逆流防止体、および流体排出調整部とを用いて構成されており、前記流体排出調整部は、前記逆流防止体の上部に設けられたボール体と、前記ボール体のリフト量を調整し得る調整バルブとを用いて構成されている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記調整バルブを用いて、適宜、必要なときにガス排出を行うことができる。
さらに、前記逆流防止体のリフト量と前記ボール体のリフト量とを、それぞれ所定間隔として、前記第一ガス排出部および前記第二ガス排出部から自動的にガス排出が行われる構成が好ましい。
そして、この場合には、前記逆流防止体のリフト量が0.5mm〜2.0mm程度であって、前記ボール体のリフト量が0.5mm〜2.0mm程度である構成が好ましい。また、前記逆流防止体のリフト量としては、1.0mm〜1.5mm程度がより好ましく、さらに、前記ボール体のリフト量としては、0.5mm〜1.0mm程度がより好ましい。
また、前記逆流防止体がボール体であって、作動油の比重に近い比重を有する材料を用いて構成されていることが好ましい。作動油の比重に近い比重を有する材料としては、例えば、ポリプロピレン等があげられる。
また、前記第一ガス排出部および前記第二ガス排出部の少なくとも一方から排出される作動油を補充すべく、作動油補充機構が設けられている構成が好ましい。
前記作動油補充機構としては、例えば、ガス排出時における作動油の流出を予め想定してその分の作動油を供給すべく構成された補助プランジャ機構や、ダイヤフラム駆動室内の圧力変動に応じて、適宜作動油を供給可能な作動油補給弁(補充圧力を可変可能な作動油補給弁)があげられる。
この好ましい構成によれば、上記作動油補充機構(補助プランジャ機構、作動油補給弁等)が設けられているため、ガス排出時における作動油の流出を予め勘案してそれに応じた作動油の補給、あるいはダイヤフラム駆動室が過剰な負圧状態になったときの作動油の補給を適切に行うことが可能となって、ポンプ効率を低下させずに、安定した状態で往復動ポンプの運転を維持することができる。
また、流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体とを用いて構成された逆止弁であって、前記本体部および前記本体部外部の少なくとも一方に電磁石が設けられ、前記弁体が磁性体材料を用いて構成されており、前記弁体にて行われる前記流通経路の開閉タイミングに応じて、前記電磁石に対する通電タイミングおよび極性切換タイミングの少なくとも一方が決定される。
このような構成によれば、前記電磁石を用いて前記弁体が移動させられるため、前記電磁石に対する通電タイミング等を調節することによって、前記弁体を適切に移動可能である。つまり、高い応答性を有する逆止弁を得ることが可能となるため、前記流体の粘性が高い場合等であっても、流通経路を適切なタイミングで開閉することができる。
また、この構成においては、前記弁体が前記電磁石によって移動可能であるため、前記弁体を持ち上げて、前記流通経路をオープンにすることができる。したがって、この構成によれば、ライン洗浄後におけるライン内の洗浄液、あるいはライン内の搬送流体を、前記弁体を持ち上げることによって(流通経路をオープンにすることによって)、必要に応じて容易に排出、回収等することができる。
また、逆止弁においては、前記電磁石に対する電力供給ラインにキャパシタが設けられた構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記電磁石に対して瞬間的に大きな電力供給を行うことができ、前記電磁石においては大きな電磁力を発生し得るので、より応答性の高い逆止弁を得ることができる。
さらに、上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一ピストン部および第二ピストン部とを用いて構成され、前記ダイヤフラム駆動室内には、第一ダイヤフラムおよび第二ダイヤフラムが設けられ、前記第一および第二ピストン部の駆動力が、作動油を介して、前記第一および第二ダイヤフラムに伝達されるべく構成され、前記ダイヤフラム駆動室内の流体搬送室に前記流体を搬送すべく、補助駆動部が設けられていることを特徴としている。
往復動ポンプにおいては、前記補助駆動部が、流体を搬送すべく往復動する第一補助ダイヤフラムおよび第二補助ダイヤフラムと、前記第一および第二補助ダイヤフラムを往復動させる補助偏心カムとを有し、前記補助偏心カムが、前記偏心カムを駆動させる駆動力伝達軸を用いて、回転駆動(同期回転駆動)させられる構成が好ましい。
さらに、流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、前記ダイヤフラムの上流側および下流側に、それぞれ逆止弁が設けられており、前記逆止弁が、流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体とを用いて構成され、前記本体部および前記本体部外部の少なくとも一方に電磁石が設けられ、前記弁体が磁性体材料を用いて構成されており、前記弁体にて行われる前記流通経路の開閉タイミングに応じて、前記電磁石に対する通電タイミングおよび極性切換タイミングの少なくとも一方が決定される。
また、流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一ピストン部および第二ピストン部とを用いて構成され、前記ダイヤフラム駆動室内には、第一ダイヤフラムおよび第二ダイヤフラムが設けられ、前記第一および第二ピストン部の駆動力が、作動油を介して、前記第一および第二ダイヤフラムに伝達されるべく構成され、前記ダイヤフラム駆動室内の流体搬送室に前記流体を搬送すべく、補助駆動部が設けられており、前記補助駆動部が、流体を搬送すべく往復動する第一補助ダイヤフラムおよび第二補助ダイヤフラムと、前記第一および第二補助ダイヤフラムを往復動させる補助偏心カムとを有し、前記補助偏心カムが、前記偏心カムを駆動させる駆動力伝達軸を用いて、回転駆動させられ、前記第一および第二ダイヤフラムの上流側および下流側に、それぞれ逆止弁が設けられており、前記逆止弁が、流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体とを用いて構成され、前記本体部および前記本体部外部の少なくとも一方に電磁石が設けられ、前記弁体が磁性体材料を用いて構成されており、前記弁体にて行われる前記流通経路の開閉タイミングに応じて、前記電磁石に対する通電タイミングおよび極性切換タイミングの少なくとも一方が決定される。
往復動ポンプにおいては、前記電磁石に対する電力供給ラインにキャパシタが設けられた構成が好ましい。
このような構成によれば、閉め切り応答性等の高い逆止弁を有する往復動ポンプを得ることが可能となり、高精度の定量搬送を実現することができる。
また、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムを二つ用いて構成された往復動ポンプにおいて、一のダイヤフラムの接液面と他のダイヤフラムの接液面とが、搬送経路を有するポンプヘッドを介して略平行に対向し得るべく設けられており、前記一のダイヤフラムの接液面と前記他のダイヤフラムの接液面と前記ポンプヘッドとを用いて流体搬送領域が形成されている。
ここで、「流体搬送領域」とは、各ダイヤフラム(一のダイヤフラム、他のダイヤフラム)を駆動させることによって、前記ポンプヘッドの搬送経路(ポンプヘッド内に設けられた流体が搬送される経路)に接続された配管部外に対しては漏洩させることなく、前記流体を適切に搬送させることが可能である領域をいう。
このような構成によれば、前記ポンプヘッドを介して二つのダイヤフラムを対向して設けているため、単に二つの独立したポンプヘッド部を有するポンプと比較して、往復動ポンプを構成する際の部品点数を大幅に減少させることができる。また、部品点数の減少に伴い、封止部の数も削減可能であるため、封止部の減少分だけ、液洩れの可能性を低減させることができる。さらに、部品点数を少なくすることが可能となるため、各構成要素の製作誤差、組立誤差の発生確率を低減させることができる。また、このような構成によれば、対向するダイヤフラム間に前記ポンプヘッドが設けられているため、一のダイヤフラムの動きが他のダイヤフラムに対して悪影響を及ぼすことなく、各ダイヤフラムがそれぞれ所定の動きを適切に実施することができる。よって、このような構成の往復動ポンプによれば、各ダイヤフラムにおける吐出流量が適切に保持され、効果的に搬送流体の脈動を防止することができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記ダイヤフラムおよび前記ポンプヘッドを用いて構成される搬送流体流通ブロックが、前記流体搬送領域から前記流体を漏洩させることなく、分離可能である構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、メンテナンス処理を効率的に行うことが可能となる。すなわち、このような往復動ポンプによれば、搬送流体流通ブロックを分解等することなく、配管部等を取り外し、駆動力供給部のメンテナンス(例えば、偏心カム、位置規制付勢手段の交換等)を行うことが可能となるので、独立した二つのポンプヘッド部を有する従来のポンプのように、二つのポンプヘッド部の分解・組立等を行うことなく、メンテナンス処理を行うことができる。よって、前記搬送流体流通ブロック内を流通する搬送流体を予め抜くことなく、前記駆動力供給部等のメンテナンスを行うことが可能な、メンテナンス性に優れた往復動ポンプを得ることができる。
また、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記第一および第二のピストン部の位置を調整する調整手段とを用いて構成されており、前記調整手段が、前記第一および第二のピストン部を前記偏心カムの位置する方向に付勢させる付勢機能と、前記偏心カムの対角距離の変化に起因する前記第一のピストン部と前記第二のピストン部との間に生ずるずれを吸収し得る緩衝機能とを有することを特徴としている。
このような構成によれば、一つの偏心カムにて二つのピストン部を駆動させるべく構成されているため、二つの偏心カムを用いる場合と比較して、偏心カムの形状の同一性等を求められることがなくなる。よって、二つの偏心カムを用いる場合のように、高い組立精度等を要求させず、効率的に往復動ポンプ(および各構成要素)を製作・組立等することができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記第二のピストン部が中空状に形成されており、前記第二のピストン部の内部に前記偏心カムと前記第一のピストン部とが設けられ、前記第一のピストン部の外面部と前記第二のピストン部の内面部との間に前記調整手段が設けられており、前記偏心カムの回転によって前記第一のピストン部と前記第二のピストン部とが前記調整手段を伴って往復動する構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記偏心カムの回転によって、前記調整手段(位置規制付勢手段)を挟持した状態で前記ピストン部がそれぞれスライドしつつ、往復動を繰り返すこととなるため、前記ピストン部の往復動距離に対して、前記調整手段の最大撓み距離をかなり小さくすることができる。よって、この好ましい構成によれば、小型で且つ低強度の付勢手段(スプリング等)を用いて前記調整手段を構成することが可能となるため、延いては、往復動ポンプの小型化を実現することができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記第一および第二のピストン部の往復動方向と、前記調整手段の付勢方向および緩衝方向とが略平行である構成が好ましい。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記調整手段が、一つのスプリング等から成る付勢部材を用いて構成されていることが好ましい。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記第一のピストン部の端面部と一のダイヤフラムとの間に形成された第一の空間と、前記第二のピストン部の端面部と他のダイヤフラムとの間に形成された第二の空間とが、それぞれ略密閉状態に構成されており、前記各空間内には作動油が充填されており、前記第一および第二のピストン部の往復動に基づいて前記作動油に圧力が作用して、前記圧力によって前記一および他のダイヤフラムが往復動する構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記ピストン部からの駆動力を前記ダイヤフラムに対して効果的に伝達することが可能となり、前述した種々の効果を奏する前記駆動力供給部を用いて、小型化等を実現可能な往復動ポンプを得ることができる。
また、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素(回動軸)とを用いて構成されており、前記偏心カムと前記接触転動要素(回動軸)との間に生ずる圧力角を抑えるべく、前記接触転動要素(回動軸)が前記偏心カムよりも小さい径にて形成されている。つまり、往復動ポンプにおいては、前記接触転動要素(回動軸)は、可能な限り小さく形成されていることが好ましい。
このような構成とすれば、前記接触転動要素(回動軸)をできるだけ小さく形成することによって、前記偏心カムとの間に生ずる圧力角を小さくして、往復動ポンプの長寿命化を図り、長期間の無脈動搬送を実現することができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記各ピストン部にベアリングが設けられており、前記ベアリングの内輪側に前記接触転動要素(回動軸)が設けられている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記偏心カムとベアリングの内輪側とが接するので、偏心カムとベアリングの外輪側とが接する場合と比較して、前記偏心カムと前記接触転動要素(回動軸)との間に生ずる圧力角をより小さくすることができる。そうすることによって、上記のように、往復動ポンプの長寿命化を図ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記各ピストン部にそれぞれ二つ以上のベアリングが設けられており、前記各ピストン部においては、前記ベアリングと前記偏心カムとで支持されるべく前記接触転動要素(回動軸)が設けられている構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記接触転動要素(回動軸)が所定の強度等を有するものであれば、ベアリングあるいは偏心カム等の大きさに左右されることなく、前記接触転動要素を必要最小限の大きさとすることができる。よって、上記のように、圧力角を小さくして、往復動ポンプの長寿命化を図ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記第一のピストン部および前記第二のピストン部の位置を調整する調整手段が設けられており、前記調整手段が、前記第一および第二のピストン部に設けられた前記接触転動要素を前記偏心カムの位置する方向に付勢させる付勢機能と、前記偏心カムの対角距離の変化に起因する前記第一のピストン部と前記第二のピストン部との間に生ずる隙間を吸収し得る緩衝機能とを有する構成が好ましい。
前記調整手段は、例えば、スプリング等の付勢手段を用いて構成される。
また、搬送される流体と接した状態で往復動するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを駆動させる駆動力供給部とを備えた往復動ポンプにおいて、前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一のピストン部および第二のピストン部と、前記偏心カムの駆動力を前記各ピストン部に伝えるべく、前記偏心カムに接する接触転動要素(回動軸)とを用いて構成されており、前記ダイヤフラムの駆動状態を調整可能な駆動調整機構が設けられている。
このような構成によれば、前記駆動調整機構を設けることによって、前記ダイヤフラムの駆動状態を適宜調整可能であるため、前記往復動ポンプの吐出側にて脈動等が発生したとしても、その脈動部分の減少分を補正すべく、前記ダイヤフラムを駆動させることが可能となり、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記ピストン部の駆動力が作動油を介して前記ダイヤフラムに伝達されるべく構成されており、前記駆動調整機構が、各ピストン部の動きに応じて駆動する補助プランジャと、前記補助プランジャの作用時間を調整可能な調整用プランジャとを有し、前記補助プランジャが前記作動油を押圧することによって前記ダイヤフラムの駆動状態が調整される構成が好ましい。
この好ましい構成によれば、前記往復動ポンプの吐出側にて脈動等が発生したとしても、前記補助プランジャによって前記作動油を押圧することによって、前記脈動部分の補正をすべく、前記ダイヤフラムを駆動させることが可能となる。よって、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記補助プランジャと前記調整用プランジャとの間隔が前記補助プランジャの作用時間を規制し、前記間隔を任意に設定可能であるべく前記調整用プランジャが構成されていることが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記補助プランジャの作用時間を任意に設定可能であるため、ポンプの機差等によって、種々の脈動等が生ずる場合であっても、各ポンプ毎に前記調整用プランジャを用いた調整が可能であるため、効果的に脈動を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記駆動調整機構が、前記偏心カムを駆動させる可変速モータと、前記偏心カムの位置を検知可能な回転位置検出器と、前記回転位置検出器における位置信号に基づいて前記可変速モータを制御可能な制御手段とを用いて構成されていることが好ましい。
この好ましい構成によれば、前記位置信号および前記制御手段を用いて、適宜前記可変速モータを制御可能であるため、前記ダイヤフラムを駆動させる前記偏心カムの回転速度を適切に制御できる。よって、脈動等が発生したとしても、必要に応じて、前記偏心カムの回転を制御し、前記ダイヤフラムの駆動状態を制御することによって、効果的に脈動等を防止可能な往復動ポンプを得ることができる。
さらに、往復動ポンプにおいては、搬送される流体の吐出側に脈動検知手段が設けられており、前記脈動検知手段にて検出された脈動信号が前記制御手段にフィードバックされるべく構成されており、前記位置信号と前記脈動信号と前記制御手段とに基づいて前記可変速モータが制御される構成が好ましい。ここで、前記脈動検知手段としては、搬送流体の脈動を何等かの形で検知可能な流量計、圧力計等の検知手段を用いることが好ましい。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記可変速モータがステッピングモータである構成が好ましくい。
さらに、往復動ポンプにおいては、前記回転位置検出器が、ロータリエンコーダあるいはタコジェネレータである構成が好ましい。
231,232…ボール体
310…弁本体部、311…上部本体部、311A,312A…流通経路、312…下部本体部、312B…弁座、313…パッキン、314…弁体、315…上部ガイド部、316…下部ガイド部、317…付勢手段
320…弁本体部、320A…流通経路、320B…弁座、324…弁体、325…上部ガイド部、327…付勢手段
330…弁本体部、330A…流通経路、330B…弁座、334…弁体、335…上部ガイド部、339…コイル部
400…補助駆動部
401…補助ダイヤフラム、402…補助偏心カム、403…補助可動体、405…第一可動シャフト、406…第二可動シャフト、410…駆動力伝達軸、411…第一軸部、412…第二軸部、430…補助流入側逆止弁、440…補助リーク部、441…リーク支持部、442…付勢手段、443…開閉部
Claims (3)
- 上下方向に延びる流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体と、弁体をガイドするガイド部と、前記流通経路における前記流体の入口側に前記弁体を付勢すべく前記本体部内に設けられた付勢手段とを用いて構成された逆止弁であって、
前記本体部は、上部本体部と、下部本体部とを備え、
前記ガイド部は、前記付勢手段と前記弁体との間に設けられる上部ガイド部と、下部本体部に固着される下部ガイド部とを備え、
前記弁体が下部ガイド部に接した状態にて前記流通経路が閉塞された際に、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部とが接した状態で、前記弁体と前記上部ガイド部との間に所定間隔を有し、
前記付勢手段は、前記弁体による前記流通経路の閉塞が解除され、該弁体が上部ガイド部に接した際に、該上部ガイド部を介して前記弁体を前記流体の入口側に付勢するように前記上部本体部と前記上部ガイド部との間に設けられることを特徴とする逆止弁。 - 流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、
前記ダイヤフラムの上流側および下流側に、それぞれ逆止弁が設けられており、
前記逆止弁が、上下方向に延びる流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体と、弁体をガイドするガイド部と、前記流通経路における前記流体の入口側に前記弁体を付勢すべく前記本体部内に設けられた付勢手段とを用いて構成され、
前記本体部は、上部本体部と、下部本体部とを備え、
前記ガイド部は、前記付勢手段と前記弁体との間に設けられる上部ガイド部と、下部本体部に固着される下部ガイド部とを備え、
前記弁体が下部ガイド部に接した状態にて前記流通経路が閉塞された際に、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部とが接した状態で、前記弁体と前記上部ガイド部との間に所定間隔を有し、
前記付勢手段は、前記弁体による前記流通経路の閉塞が解除され、該弁体が上部ガイド部に接した際に、該上部ガイド部を介して前記弁体を前記流体の入口側に付勢するように前記上部本体部と前記上部ガイド部との間に設けられることを特徴とする往復動ポンプ。 - 流体を搬送すべく往復動するダイヤフラムを設けたダイヤフラム駆動室と、前記ダイヤフラムを往復動させるための駆動力を供給する駆動力供給部とを備えた往復動ポンプであって、
前記駆動力供給部が、一つの偏心カムと、前記偏心カムの回転によって往復動する第一ピストン部および第二ピストン部とを用いて構成され、
前記ダイヤフラム駆動室内には、第一ダイヤフラムおよび第二ダイヤフラムが設けられ、前記第一および第二ピストン部の駆動力が、作動油を介して、前記第一および第二ダイヤフラムに伝達されるべく構成され、
前記ダイヤフラム駆動室内の流体搬送室に前記流体を搬送すべく、補助駆動部が設けられており、前記補助駆動部が、流体を搬送すべく往復動する第一補助ダイヤフラムおよび第二補助ダイヤフラムと、前記第一および第二補助ダイヤフラムを往復動させる補助偏心カムとを有し、前記補助偏心カムが、前記偏心カムを駆動させる駆動力伝達軸を用いて、回転駆動させられ、
前記第一および第二ダイヤフラムの上流側および下流側に、それぞれ逆止弁が設けられており、
前記逆止弁が、上下方向に延びる流体の流通経路を有する本体部と、前記流通経路を開閉させるべく前記本体部内に設けられた弁体と、弁体をガイドするガイド部と、前記流通経路における前記流体の入口側に前記弁体を付勢すべく前記本体部内に設けられた付勢手段とを用いて構成され、
前記本体部は、上部本体部と、下部本体部とを備え、
前記ガイド部は、前記付勢手段と前記弁体との間に設けられる上部ガイド部と、下部本体部に固着される下部ガイド部とを備え、
前記弁体が下部ガイド部に接した状態にて前記流通経路が閉塞された際に、前記上部ガイド部と前記下部ガイド部とが接した状態で、前記弁体と前記上部ガイド部との間に所定間隔を有し、
前記付勢手段は、前記弁体による前記流通経路の閉塞が解除され、該弁体が上部ガイド部に接した際に、該上部ガイド部を介して前記弁体を前記流体の入口側に付勢するように前記上部本体部と前記上部ガイド部との間に設けられることを特徴とする往復動ポンプ。
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