JP4451868B2 - 樹脂封止装置及び樹脂封止方法 - Google Patents
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また、他の樹脂封止装置として、ランナーに熱硬化性樹脂チップを収納し、各ランナー内でプランジャを上動させてチップの溶融樹脂を、ゲートを介してキャビティに充填するようにした構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、後者の樹脂封止装置では、樹脂材料は直接ランナーに供給する必要があり、そのためにロボット等が必要となる等、作業コストがかかり、作業自体が面倒でもある。さらに、略直方体形状の樹脂チップを別途用意する必要がある。すなわち、市販される樹脂チップの形状は円柱形が主流を占めており、略直方体形状のものはない。このため、顆粒又は粉末状の樹脂材料を略直方体形状に成形して樹脂チップを作成しなければならず、そのための成形装置が必要となったり、加工工数が増えたりする等、コストアップを招来する。
第1金型と、該第1金型に対して接離可能な第2金型とを備え、前記両金型によって形成されるキャビティ内に、ポット部で溶融させた樹脂を、ゲートを介して充填することにより、前記両金型内に配設した電子部品を搭載した基板を樹脂封止成形するようにした樹脂封止装置であって、
前記ポット部は、前記金型のいずれか一方に設けられ、前記キャビティに所定間隔で位置する凹部からなり、該凹部の底面は開口に向かって移動可能な移動部材の一部で構成し、
前記ポット部が形成される金型に、前記ポット部に連通する通路を形成し、
該通路内に供給された樹脂材料を加熱するヒータを設け、
前記通路には、該通路内に供給された樹脂材料を押圧して前記ポット部内に供給する押圧部材を配設し、
前記樹脂材料を、ヒータで加熱し、かつ、押圧部材で押圧することにより、ポット部内で溶融状態としたものである。
使用する樹脂材料の種類に応じて前記サーボモータによる押圧部材の移動速度を調整するようにするのが好ましい。
図1は、第1実施形態に係る樹脂封止装置を示す。この樹脂封止装置は、下金型セット1と、上金型セット2とを備える。
下金型セット1は、図2及び図3に示すように、大略、スライドプレート3の上面に、順次、シリンダブロック4、下型フレームプレート5、及び、下型ホルダベース6を積層し、下型ホルダベース6に下型キャビティブロック7を設けた構成である。
シリンダブロック4の上面には、図3に示すように、横断面円形の凹部4aが形成されている。凹部4aにはピストン16が昇降可能に収容されている。また、凹部4aの上方開口部はピストンカバー17で覆われ、液室18が形成されている。ピストン16は、液室18の内周面に沿って昇降する円柱形状の大径部19と、その上面中央部から突出する小径部20とで構成されている。大径部19は液室18内を上液室18aと下液室18bとに分割する。上液室18aには、凹部4aの略中央部の壁面に形成した貫通孔20aを介して液体が供給又は排出される。また、下液室18bには、凹部4aの下端部壁面に形成した貫通孔19aを介して液体が供給又は排出される。これにより、ピストン16は昇降移動可能である。ピストンカバー17は、上端に鍔部を有する筒状のもので、中心の貫通孔には前記ピストン16の小径部20が摺動可能に貫通している。凹部4aの上端開口部近傍の内周面には円周溝が形成されている。円周溝には図示しないパッキンが設けられ、上液室18aからの液体の流出が防止されている。
下型フレームプレート5には、図3に示すように、上下面に連通する平面視矩形状の開口部21が形成され、そこには接続ブロック22が昇降可能に配置されている。接続ブロック22は、上下2枚の接続プレート23a、23bで補助断熱プレート24を挟持することによりサンドイッチ構造としたものである。接続プレート23aには、前記ピストン16が補助断熱プレート24及び接続プレート23bと共に図示しないボルトにより固定一体化されている。また、接続プレート23bの下面には、図示しないボルトによって複数の連結バー25が連結されている。連結バー25は、シリンダブロック4、支持プレート14、スライドプレート3を貫通する。複数の連結バー25は下端部で一体化され、そこには、鈎状のジョイント27aが設けられている。ジョイント27aには、図1に示すように、スライドシャフト28の上端部に設けた、鈎状のジョイント27bが側方からのみ係合する。これにより、第2サーボモータ26を駆動すると、プーリ26a及びタイミングベルト26bを介してスライドシャフト28が昇降し、ジョイント27a、27bを介して接続ブロック22が昇降する。なお、前記ジョイント27a、27bは鈎状に限らず、他の構成とすることもできる。要するに、ジョイント27a、27bの構成は、スライドプレート3を水平方向にスライド移動させた際、上型キャビティブロック46に下型キャビティブロック7が対向する対向位置で連結され、非対向位置で連結が解除されるものであればよい。
下型ホルダベース6は、図2に示すように、下型フレームプレート5の上面に、矩形の枠状となるようにネジ止め固定される4つのベースブロック31で構成されている。各ベースブロック31の両端部には段部31aが形成され、長辺側ベースブロック31Aの両端部を、短辺側ベースブロック31Bの両端部で挟み込むことにより、全体の剛性が高められている。
上金型セット2は、図4及び図5Aに示すように、大略、上型クランププレート38の下面に、上型フレームプレート39を固定し、そこに上型チェス40を取り外し可能に装着したものである。また、図7に示すように、上型クランププレート38、及び、上型フレームプレート39は、側縁部から大きく切り欠かれ、両端に側方へと突出する腕部39aが形成されている。
上型フレームプレート39は、上型断熱プレート41を介して上型クランププレート38に固定されている。上型フレームプレート39は、上型ヒータ42及び上型測温抵抗体43を内蔵する。ここでは、3列で上型ヒータ42が配置され、各上型ヒータ42の間であって側面から内側の2箇所ずつ(都合4箇所)に上型測温抵抗体43が配置されている。
上型チェス40は、図5A及び図5Bに示すように、上型キャビティブロック46と樹脂供給ブロック47を一体化した構成である。
上型キャビティブロック46は、下面縁部からゲート48、次いで平面視矩形状の凹所49が連続して形成されている。ゲート48は、サイドゲート、フィルムゲート等、種々の形態を採用することができる(ここでは、フィルムゲートを使用している。)。凹所49は、金型を閉じた際、下型キャビティブロック7とでキャビティを構成する。また、上型キャビティブロック46には、図4に示すように、前記下型キャビティブロック7に設けた下型セットブロック37に対応して上型セットブロック50がそれぞれ設けられている。46bは上型セットブロック50を位置決めするための凹部である。
また、上型キャビティブロック46の側面には、図5Bに示すように、サイドブロック66が固定されている。サイドブロック66は、その側面に形成した突条(図示せず)を、上型キャビティブロック46の端面に形成される溝部46aに嵌合して高精度に位置決めし、図示しないボルトにより両部材を固定する。
樹脂供給ブロック47は、図4、図5A及び図5Bに示すように、スリーブホルダ54、スリーブブロック55、スリーブ56、プランジャロッド57、プランジャチップ58を備える。
さらに、キャビティブロック46とスリーブホルダ54に直接ヒータを設けるようにすれば、より一層きめ細かな温度制御が可能となる。
次に、前記構成からなる樹脂封止装置の動作について、図1〜図9を参照して説明する。
なお、前記実施形態では、プランジャチップ58の前進位置は、その先端面の一部がプランジャプレート60の側面に当接する位置(第1前進位置)としたが、図16(a)に示すように、1〜2mm手前の位置(第2前進位置)で停止させるようにしてもよい。この場合、プランジャプレート60の側面は、プランジャチップ58の先端面の一部が当接するように降下させる必要はない。
そして、プランジャチップ58の先端面に硬化樹脂を付着させ、2回目以降の成形では、硬化樹脂の先端面で樹脂材料を押圧してポット部59へと供給するようにすればよい。これによれば、プランジャチップ58の先端面にプランジャプレート60の側面が摺接することがなく、両部材間の摩耗による損傷を防止することができるので、長期に亘って良好な状態を維持することが可能となる。このように、プランジャチップ58の先端面に硬化樹脂を付着させる構成では、プランジャチップ58の先端面に凹凸形状を設けたり、アンダーカットとなる凹部や切欠き等を形成したりすることにより硬化樹脂の付着強度を高めるようにしてもよい。
また、プランジャチップ58の先端面に付着させる硬化樹脂は1回の成形が終了する毎に、プランジャプレート60によって剥がすことも可能である。すなわち、プランジャチップ58の先端面にコーティングを施したり、鏡面加工したりすることにより、付着した硬化樹脂を容易に剥がすことができるようにすればよい。そして、プランジャチップ58を、図16(b)に示すように、第2前進位置から第1前進位置へと前進させ、プランジャプレート60を降下させることにより、付着した硬化樹脂を除去するようにすればよい。この場合、金型を開き、クリーニング装置(図示せず)により除去された硬化樹脂を回収すればよい。
また、前記実施形態では、上型に、ゲート48と、キャビティを構成する凹所49を形成し、上型に設けたポット部59から樹脂を充填するようにしたが、図13に示すように、これらは下型に設けるようにしてもよい。
2…上金型セット
3…スライドプレート
4…シリンダブロック
5…下型フレームプレート
6…下型ホルダベース
7…下型キャビティブロック
8…架台
9…ベースプレート
10…スライドガイド
11…第1サーボモータ
11a…プーリ
11b…タイミングベルト
12…ボールネジ
13…ナット
14…支持プレート
15a、15b…下型断熱プレート
16…ピストン
17…ピストンカバー
18…液室
18a…上液室
18b…下液室
19…大径部
19a…貫通孔
20…小径部
20a…貫通孔
21…開口部
22…接続ブロック
23a、23b…接続プレート
24…補助断熱プレート
25…連結バー
26…第2サーボモータ
27a、27b…ジョイント
28…スライドシャフト
29…下型ヒータ
30…下型測温抵抗体
31…ベースブロック
31a…段部
32…下型バックプレート
33…下型サポートピン
34…連結プレート
35…下型連結ピン
36…位置決めピン
37…下型セットブロック
38…上型クランププレート
39…上型フレームプレート
39a…腕部
40…上型チェス
40a…ガイド溝
41…上型断熱プレート
42…上型ヒータ
43…上型測温抵抗体
44…上型チェスストッパブロック
45…上型チェスガイドブロック
45a…ガイド部
46…上型キャビティブロック
46a…溝部
47…樹脂供給ブロック
48…ゲート
49…凹所
50…上型セットブロック
51…上型サポートピン
52…エジェクタプレート
53…ピンプレート
54…スリーブホルダ
54a…突条
54b…溝部
54c…凹部
54d…連通孔
54e…溝部
55…スリーブブロック
55a…突条
55b…連通孔
56…スリーブ
56a…開口部
56b…フランジ部
56c…開口端
57…プランジャロッド
58…プランジャチップ(押圧部材)
58a…環状溝
59…ポット部
60…プランジャプレート(移動部材)
60a…溝部
60b…連結部
61…プランジャロッド
62…等圧装置
63…樹脂投入口
64…ブラケット
65…エアシリンダ
66…サイドブロック
66a…溝部
70…基板
M…樹脂材料
Claims (8)
- 第1金型と、該第1金型に対して接離可能な第2金型とを備え、前記両金型によって形成されるキャビティ内に、ポット部で溶融させた樹脂を、ゲートを介して充填することにより、前記両金型内に配設した電子部品を搭載した基板を樹脂封止成形するようにした樹脂封止装置であって、
前記ポット部は、前記金型のいずれか一方に設けられ、前記キャビティに所定間隔で位置する凹部からなり、該凹部の底面は開口に向かって移動可能な移動部材の一部で構成し、
前記ポット部が形成される金型に、前記ポット部に連通する通路を形成し、
該通路内に供給された樹脂材料を加熱するヒータを設け、
前記通路には、該通路内に供給された樹脂材料を押圧して前記ポット部内に供給する押圧部材を配設し、
前記樹脂材料を、ヒータで加熱し、かつ、押圧部材で押圧することにより、ポット部内で溶融状態としたことを特徴とする樹脂封止装置。 - 前記押圧部材は、樹脂材料を押圧する押圧面に硬化樹脂を付着させ、2回目以降の成形では、硬化樹脂の先端面で樹脂材料を押圧してポット部へと供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止装置。
- 前記押圧部材の移動にはサーボモータを使用し、
使用する樹脂材料の種類に応じて前記サーボモータによる押圧部材の移動速度を調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止装置。 - 前記サーボモータにより押圧部材を移動させて、前記押圧部材の押圧面の一部を前記移動部材の一部に当接させる際、トルク制限を設けたことを特徴とする請求項3に記載の樹脂封止装置。
- 前記キャビティに比べて前記ポット部での温度が低くなるような温度勾配を形成可能とし、溶融樹脂がキャビティ内に充填される前に熱硬化を開始することを阻止するようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の樹脂封止装置。
- 前記ポット部は、凹部の開口位置が前記両金型内に配設される基板に対向するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止装置。
- 前記ポット部が形成される金型は、
樹脂材料が供給される樹脂材料供給ブロック、及び、前記キャビティの一部を構成する凹所を形成されたキャビティブロックとからなるチェスと、
前記チェスが着脱されるフレームプレートと、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の樹脂封止装置。 - 第1金型と、該第1金型に対して接離可能な第2金型とを備え、前記両金型によって形成されるキャビティ内に、ポット部で溶融させた樹脂を、ゲートを介して充填することにより、前記両金型内に配設した電子部品を搭載した基板を樹脂封止成形するようにした樹脂封止方法であって、
前記ポット部に連通させた通路に樹脂材料を供給し、
前記通路に供給された樹脂材料を、加熱し、かつ、押圧することにより、ポット部内で溶融状態とした後、
前記ポット部から溶融した樹脂を押し出してキャビティに充填することを特徴とする樹脂封止方法。
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