JP2007230138A - 樹脂モールド装置および樹脂モールド方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 キャビティ孔10aと、ポット15と金型カル14aとを連通する連通孔10bとが厚さ方向に貫通して設けられたキャビティプレート10を介して上型14と下型12とで被成形品20をクランプし、ポットからキャビティへ樹脂を圧送して被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記金型カル14aが設けられた上型14のクランプ面に、金型カル14aと重複しない平面配置に樹脂溜り部40を凹設し、前記キャビティプレート10に、前記連通孔10bと前記樹脂溜り部40とを連絡し、樹脂モールド時に前記ポット15から前記樹脂溜り部40に樹脂30を導入してポットからキャビティに供給される樹脂量を調節する連絡流路10cを設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
なお、図12に示す樹脂モールド装置では、上型14のクランプ面をリリースフィルム17により被覆して樹脂モールドしている。リリースフィルム17には樹脂との剥離性にすぐれ金型温度に耐える耐熱性を備えるものが用いられる。リリースフィルム17は上型14に設けられたエア流路18によりクランプ面にエア吸着される。
すなわち、キャビティ孔とポットと金型カルとを連通する連通孔とが厚さ方向に貫通して設けられたキャビティプレートを介して上型と下型とで被成形品をクランプし、ポットからキャビティへ樹脂を圧送して被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド装置において、前記金型カルが設けられた金型のクランプ面に、金型カルと重複しない平面配置に樹脂溜り部を凹設し、前記キャビティプレートに、前記連通孔と前記樹脂溜り部とを連絡し、樹脂モールド時に前記ポットから前記樹脂溜り部に樹脂を導入してポットからキャビティに供給される樹脂量を調節する連絡流路を設けたことを特徴とする。
また、前記樹脂溜り部は、複数のポットに共通する配置に設けられ、前記キャビティプレートに設けられる連絡流路は、一つの樹脂溜り部と複数のポットとを連絡するように設けられていることを特徴とする。
また、前記樹脂溜り部には、樹脂溜り部の内容積を可変とする調節手段が設けられていることにより、さらにきめ細かな調節が可能となる。また、前記調節手段として、前記樹脂溜り部の内容積を調節する調節コマが金型に交換可能に装着されている場合は、調節コマを適宜交換して樹脂溜り部の内容積を調節することができる。
また、前記樹脂溜り部に、樹脂溜り部の内容積を可変とする調節手段が設け、被成形品に合わせて前記樹脂溜り部の内容積を調節して樹脂モールドすることにより、さらに適切に樹脂量を調節することができる。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る樹脂モールド装置の主要部である樹脂モールド金型の構成を示す。本実施形態の樹脂モールド金型は、下型12と上型14との中間にキャビティプレート10を備えたものである。
下型12には、摺動可能にプランジャー16が装着されたポット15と、被成形品20をセットするセット部12aおよび被成形品20を下型12に位置決めするガイドピン12bが設けられている。上型14には、ポット15に対向して金型カル14aが設けられ、リリースフィルム17をエア吸着するエア流路18が設けられている。
本実施形態の樹脂モールド金型は、ポット15を挟んで一対の短冊状に形成された被成形品20を配置し、2つのポット15により一対の被成形品20を樹脂モールドする。このため、キャビティプレート10には2つのポット15の位置に合わせて2つの連通孔10bが設けられている。
なお、図1は図3におけるA部分とB部分を合わせて一つの図に示したものである。A部分は隣接するポット15の中心間を連絡する部分、B部分はポット15の中心からゲート14cを経由してキャビティを横断する部分を示す。
図4に示すように、キャビティプレート10には、短冊状に形成された被成形品20の平面領域内で長方形状に開口するキャビティ孔10aと、ポット15と金型カル14aと連通する連通孔10bが設けられている。
図3に示すように、本実施形態においては、2つのポット15の中間位置(ポット15の中心を結ぶ線の中央位置)に、金型カル14aと重複しない配置に、平面形状が円形の樹脂溜り部40を設けている。図1に示すように、樹脂溜り部40は上型14のクランプ面から所定の深さに凹んだ形状に設ける。
なお、樹脂溜り部40は上型14のクランプ面を所定の深さに掘り込んで形成することも可能であるし、本実施形態のように上型14にコマ42を装着して凹部形状とすることも可能である。
図5、6に、本実施形態の樹脂モールド金型を用いて被成形品を樹脂モールドする工程を示す。
図5は型開きして、ポット15に樹脂タブレット45を投入し、下型12のセット部12aに被成形品20として、短冊状に形成された基板をセットした状態である。上型14のクランプ面には、エア流路18を介してリリースフィルム17をエア吸着する。リリースフィルム17はモールド用の樹脂との剥離性にすぐれ、柔軟性、耐熱性を備えたものでエア吸引装置によりエア流路18を介して上型14のクランプ面にエア吸着することにより、金型カル14aおよび樹脂溜り部40の内面にならってエア吸着される。
被成形品20を樹脂モールドした成形品の樹脂モールド部の平面形状は、キャビティプレート10に設けられたキャビティ孔10aの平面形状によって規定され、樹脂モールド部の厚さはキャビティプレート10の厚さによって規定される。
図7は、樹脂溜り部40に樹脂30を充填させないようにして樹脂モールドする例を示す。この実施形態では、キャビティプレート10を設計する際に、連通孔10bと樹脂溜り部40とを連絡する連絡流路10cを設けていないから、下型12と上型14とでキャビティプレート10をクランプした際に、樹脂溜り部40がポット15から遮断され、樹脂溜り部40に樹脂30が充填されることはない。
図8は、被成形品20を樹脂モールドする際に、樹脂溜り部40を樹脂供給量の調節用として使用するいくつかの例を示す。図は、説明上、被成形品20を樹脂モールドした際に、金型カル14aと樹脂溜り部40にどのように樹脂が充填されるかを示している。
図8(a)は、ポット15に対向させて設けた2つの金型カル14aの中間に1つの樹脂溜り部40を設け、2つの金型カル14aに共通に樹脂溜り部40を連絡して樹脂モールドした場合を示す。図8(b)は、金型カル14aと樹脂溜り部40を連絡せずに樹脂モールドした場合を示す。図8(c)は、金型カル14aの各々に一つずつ樹脂溜り部40を設け、各々の金型カル14aと樹脂溜り部40とを連絡させて樹脂モールドした場合を示す。
被成形品20が短冊状に形成された製品で、一括して樹脂モールドする製品の場合には、樹脂モールド領域の平面領域が同一で被成形品20の厚さのみが異なる場合がしばしばある。このような製品では、異種製品を樹脂モールドする際に、キャビティプレート10のみを交換し、下型12および上型14を共通に使用して樹脂量の調整を図りながら樹脂モールドする方法が有効に利用できる。
樹脂溜り部40の容積を可変にする方法としては、コマ42を交換して樹脂溜り部40の容積を変える方法、コマ42を下型12に向けて突出する方向に付勢して装着し、樹脂の供給量に応じて樹脂溜り部40の容積を可変とする方法がある。
上述したように、樹脂モールド金型により被成形品20を樹脂モールドする際には、被成形品20を下型12と上型14とでクランプして樹脂モールドする。この場合、被成形品20をクランプする位置(型閉め位置)はあらかじめプレス機構側で設定されているが、樹脂基板のような被成形品の場合は製品ごとに厚さのばらつきが大きいために、クランプ時に所要のクランプ力が得られずに樹脂ばりが生じることがあったり、クランプ時に過度に被成形品をクランプしてしまって被成形品20を損傷したりすることが起こり得る。図9〜11は、被成形品20をクランプした際に被成形品20を過度に押し過ぎたり、クランプ力が不足したりすることを防止できるように下型12を構成した例を示す。
可動ブロック52は被成形品20の樹脂モールド部の平面領域に合わせて配置されるもので、図では、被成形品20に2つの一括樹脂モールド領域が設定される場合を示す。クランプブロック50の外形は短冊状に形成された被成形品20の外形形状に一致する。
可動ブロック52の下面には固定テーパブロック54が固定され、固定テーパブロック54とチェイスブロック51の底面に固定された固定ブロック56との間に可動テーパブロック55が配されている。
次いで、キャビティプレート10を被成形品20に当接させ、上型14を下型12に向けて下降させ、キャビティプレート10に上型14を当接させた状態で上型14をさらに下降させる。
図9〜10に示す樹脂モールド装置では、上型14のクランプ面をリリースフィルム17により被覆せずに樹脂モールドする例を示した。リリースフィルム17によりクランプ面を被覆することによって成形品の樹脂モールド部と金型との離型性が良好になり、樹脂ばりが生じることを抑えることが可能である。
10a キャビティ孔
10b 連通孔
10c 連絡流路
11 キャビティ
12 下型
14 上型
14a 金型カル
14b ランナー路
14c ゲート
15 ポット
17 リリースフィルム
20 被成形品
30 樹脂
40 樹脂溜り部
42 コマ
50 クランプブロック
52 可動ブロック
54 固定テーパブロック
55 可動テーパブロック
60 駆動部
Claims (7)
- キャビティ孔とポットと金型カルとを連通する連通孔とが厚さ方向に貫通して設けられたキャビティプレートを介して上型と下型とで被成形品をクランプし、ポットからキャビティへ樹脂を圧送して被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド装置において、
前記金型カルが設けられた金型のクランプ面に、金型カルと重複しない平面配置に樹脂溜り部を凹設し、
前記キャビティプレートに、前記連通孔と前記樹脂溜り部とを連絡し、樹脂モールド時に前記ポットから前記樹脂溜り部に樹脂を導入してポットからキャビティに供給される樹脂量を調節する連絡流路を設けたことを特徴とする樹脂モールド装置。 - 前記樹脂溜り部は、各々のポットごとに一または複数個ずつ、独立する配置に設けられ、
前記キャビティプレートに設けられる連絡流路は、前記ポットごとに前記樹脂溜り部とポットとを連絡するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド装置。 - 前記樹脂溜り部は、複数のポットに共通する配置に設けられ、
前記キャビティプレートに設けられる連絡流路は、一つの樹脂溜り部と複数のポットとを連絡するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の樹脂モールド装置。 - 前記樹脂溜り部には、樹脂溜り部の内容積を可変とする調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の樹脂モールド装置。
- 前記調節手段として、前記樹脂溜り部の内容積を調節する調節コマが金型に交換可能に装着されていることを特徴とする請求項4記載の樹脂モールド装置。
- キャビティ孔とポットと金型カルとを連通する連通孔が厚さ方向に貫通して設けられたキャビティプレートを介して上型と下型とで被成形品をクランプし、ポットからキャビティへ樹脂を圧送して被成形品を樹脂モールドする樹脂モールド方法において、
前記金型カルが設けられた金型のクランプ面に、金型カルと重複しない平面配置に樹脂溜り部を凹設した金型を使用し、
前記キャビティプレートに、被成形品に合わせて、前記連通孔と前記樹脂溜り部とを連絡し、樹脂モールド時に前記ポットから前記樹脂溜り部に樹脂を導入してポットからキャビティに供給される樹脂量を調節する連絡流路を設けることにより、複数の被成形品に対してキャビティプレートを交換してセットし、前記上型と下型とを共通に使用して樹脂モールドすることを特徴とする樹脂モールド方法。 - 前記樹脂溜り部に、樹脂溜り部の内容積を可変とする調節手段が設け、被成形品に合わせて前記樹脂溜り部の内容積を調節して樹脂モールドすることを特徴とする請求項6記載の樹脂モールド方法。
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