JP4449884B2 - 動力伝達装置の制御装置 - Google Patents

動力伝達装置の制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、発電や電力消費などを伴って、変速などの動力の伝達状態を変化させる動力伝達装置に関し、特に充電や放電を行う蓄電装置を備えた動力伝達装置を制御する装置に関するものである。
この種の動力伝達装置は、ハイブリッド車や電気自動車に搭載されることがあり、その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された装置は、ハイブリッド車用の駆動装置であって、遊星歯車機構のキャリヤに内燃機関が連結されるとともに、その遊星歯車機構のサンギヤに第一の電動発電機が連結されている。さらにリングギヤが有段式の自動変速機の入力側の部材に連結されている。その自動変速機の出力側の部材がプロペラ軸に連結され、そのプロペラ軸に第二の電動発電機が連結されている。したがってこのハイブリッド車用駆動装置では、遊星歯車機構が、エンジンの動力を第一の電動発電機と変速機とに分配する分配機構を構成している。
上記の内燃機関の動力で走行する場合、第一の電動発電機を発電機として機能させてその回転数を制御することにより、内燃機関の回転数を燃費の良好な回転数に設定することができ、その第一の電動発電機で発電した電力は、第二の電動発電機に供給してこれを電動機として機能させることにより、駆動力を出力側の部材に付与し、あるいは余剰の電力は蓄電装置に蓄えることになる。また、減速時には、第二の電動発電機を発電機として機能させてエネルギの回生が行われ、さらに電力のみによって走行する場合には、蓄電装置から第二の電動発電機に電力を供給して第二の電動発電機の動力によって走行することになる。そして、特許文献1に記載された装置では、第一の電動発電機の回転数を変化させることにより分配機構での変速比が連続的に変化し、また有段式の変速機で変速を行う場合にも各電動発電機の回転数を変化させることになるので、電動発電機と蓄電装置との間で電力の授受が伴う変速を行うことになる。
特開2003−127681号公報
上述した変速時における電力の授受は、変速比を滑らかに変化させたり、駆動トルクをアシストし、もしくは駆動トルクの一部を吸収してトルクの変化を滑らかにするなどのために実行される。その場合、蓄電装置から電動発電機に電力を供給したり、反対に充電したりすることになるが、蓄電装置の電力の入出力性が通常時とは異なっていれば、電動発電機の回転数やトルクの制御が円滑に行われなくなる。このような事態は、蓄電装置の温度が高すぎたり、あるいは反対に低すぎたりした場合や蓄電装置が劣化した場合などに生じる。その結果、変速の過渡的なトルクが所期通りに制御できなくなるので、変速ショックが悪化するなどの可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、蓄電装置との間の電力の授受を可及的に正常な状態に維持して動力の伝達状態の変更を円滑に行うことのできる動力伝達装置の制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力源が出力した動力が入力される変速部を有するとともに、該変速部に接続された蓄電装置への充電もしくは該蓄電装置からの放電を伴って前記変速部の変速比が変化する動力伝達装置の制御装置において、前記変速部の変速比を変化させる制御の実行前における前記蓄電装置の充電量が許容範囲内か否かを判断する判断手段と、該判断手段によって前記制御の実行前における前記蓄電装置の充電量が前記許容範囲内ではないと判断された場合に、前記制御の実行に先立って前記蓄電装置の充電量を前記制御に使用できる前記許容範囲内の量にする充電手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓄電装置は、第1蓄電装置と、該第1蓄電装置より電力の入出力性に優れた第2蓄電装置とを含み、前記変速部の変速比を変化させる制御の際には前記第2蓄電装置から前記変速部に放電しもしくは前記変速部から前記第2蓄電装置に充電するように構成され、かつ前記充電手段は、前記第2蓄電装置の充電量を前記制御の実行に先立って前記制御に使用できる量にする手段を含むことを特徴とする、動力伝達装置の制御装置である。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記蓄電装置は、キャパシタを含むことを特徴とする、動力伝達装置の制御装置である。
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記判断手段は、前記第1蓄電装置の充電量と前記第2蓄電装置の充電量との合算量が前記許容範囲内か否かを判断するように構成されていることを特徴とする、動力伝達装置の制御装置である。
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記変速部は、前記蓄電装置に接続されかつ前記蓄電装置との間で電力を授受することにより回転数が変化する電動機を備えるとともに該電動機の回転数に応じて変速比が変化する電気的変速部を含むことを特徴とする、動力伝達装置の制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記変速部は、遊星歯車機構と、該遊星歯車機構におけるトルクの伝達経路を変更する摩擦係合機構とを有しかつその摩擦係合機構の係合・解放の状態に応じて変速比が変化する機械的変速部を含むことを特徴とする、動力伝達装置の制御装置である。
請求項1の発明によれば、変速比を変更する前の蓄電装置の充電量が前記許容範囲内にないことが判断されると、その変更制御に使用される蓄電装置の充電量が、その変更制御に使用できる量に制御される。そのため、変速比の変更による動力の伝達状態の変更を迅速に行うことができ、あるいはその変更制御の制約を少なくすることができる。
請求項2の発明によれば、変速比を変化させる場合、電力の入出力性に優れた第2蓄電装置を使用して電力の入出力が行われるので、変速比の変更による動力の伝達状態の変更を迅速に行うことができ、あるいはその変更制御の制約を少なくすることができる。
請求項3の発明によれば、キャパシタの充電量が、その使用に先立って必要量に制御され、そのため、キャパシタを使用しない状態での充電量を少なくして自己放電などによる損失を低減することができる。
請求項4の発明によれば、変速比を変化させる制御の際の充電もしくは放電(電力供給)の能力が、第1および第2の蓄電装置の充電量の和に基づいて判断されるので、いずれか一方の蓄電装置の充電量に過不足があっても、両方の蓄電装置の充電量の和に過不足がなければ、変速比の変更による動力の伝達状態の変更制御が可能になる。
請求項5もしくは6の発明によれば、電気的変速部および/または機械的変速部を備えた動力伝達装置における変速制御を円滑に実行し、変速ショックを回避もしくは抑制することができる。
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とする動力伝達装置について説明すると、図3は、本発明の一実施例である制御装置が適用されるハイブリッド車用の駆動装置の一部を構成する変速機10を説明するスケルトン図である。図3において、この発明の駆動系統に相当する変速機10は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材としての入力軸14と、この入力軸14に直接にあるいは図示しない脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)などを介して間接に連結された無段変速部11と、その無段変速部11と駆動輪38との間の動力伝達経路で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結されている有段式の変速機として機能する有段変速部20と、この有段変速部20に連結されている出力回転部材としての出力軸22とを直列に備えている。この変速機10は、例えば車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、入力軸14に直接にあるいは図示しない脈動吸収ダンパーを介して直接的に連結された走行用の駆動力源として例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であるエンジン8と一対の駆動輪(図示せず)との間に設けられている。なお、変速機10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図3のスケルトン図においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
無段変速部11は、第1電動機M1と、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機M1および伝達部材18に分配する差動機構としての動力分配機構16と、伝達部材18と一体的に回転するように設けられている第2電動機M2とを備えている。なお、この第2電動機M2は伝達部材18から駆動輪までの間の動力伝達経路を構成するいずれの部分に設けられてもよい。本実施例の第1電動機M1および第2電動機M2は発電機能をも有するいわゆるモータジェネレータであるが、第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機M2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24を主体的に備えている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
この動力分配機構16においては、第1キャリヤCA1は入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1は伝達部材18に連結されている。また、動力分配機構16は第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が作動可能なすなわち差動作用が働く差動状態とされることから、エンジン8の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり第2電動機M2が回転駆動されるので、無段変速部11(動力分配機構16)は電気的な差動装置として機能させられて例えば無段変速部11はいわゆる無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、動力分配機構16が差動状態とされると無段変速部11も差動状態とされ、無段変速部11はその変速比Y0(入力軸14の回転速度/伝達部材18の回転速度)が最小値Y0minから最大値Y0maxまで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する無段変速状態とされる。
有段変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備えている。第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
有段変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3は従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
以上のように構成された変速機10では、例えば、図4の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段:1st)ないし第5速ギヤ段(第5変速段:5th)のいずれかあるいは後進ギヤ段(後進変速段:R)あるいはニュートラル(N)が選択的に成立させられ、ほぼ等比的に変化する変速比Y(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度N0UT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。特に、本実施例では無段変速部11と有段変速部20とで電気的な無段変速機として作動する無段変速状態が構成される。
例えば、無段変速部11の変速比を一定値に固定して変速機10が有段変速機として機能する場合には、図4に示すように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、変速比Y1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比Y2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比Y3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比Y4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比Y5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により、変速比YRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、全ての係合機構が解放させられる。
一方、変速機10が無段変速機として機能する場合には、無段変速部11が無段変速機として機能し、それに直列の有段変速部20が有段変速機として機能することにより、有段変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその有段変速部20に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって、無段変速部11と有段変速部20とで形成される変速比YT、すなわち無段変速部11の変速比Y0と有段変速部20の変速比Yとに基づいて形成される変速機10全体としての変速比YTである総合変速比(以下、トータル変速比という)YTが無段階に得られるようになる。
図5は、差動部あるいは第1変速部として機能する無段変速部11と変速部(自動変速部)あるいは第2変速部として機能する有段変速部20とから構成される変速機10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図5の共線図は、各遊星歯車装置24,26,28,30のギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標であり、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン8の回転速度Neを示し、横線XGが伝達部材18の回転速度を示している。
また、無段変速部11を構成する動力分配機構16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1,Y2,Y3は、左側から順に第2回転要素(第2要素)RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素(第1要素)RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。さらに、有段変速部20の5本の縦線Y4,Y5,Y6,Y7,Y8は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応しかつ相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第2キャリヤCA2を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第4リングギヤR4を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応しかつ相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4を、第8回転要素(第8要素)RE8に対応しかつ相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4をそれぞれ表し、それらの間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26,28,30のギヤ比ρ2,ρ3,ρ4に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔とされる。すなわち、無段変速部11では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応する間隔に設定される。また、有段変速部20では各第2、第3、第4遊星歯車装置26,28,30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔に設定される。
上記図5の共線図を用いて表現すれば、本実施例の変速機10は、動力分配機構16(無段変速部11)において、第1遊星歯車装置24の第1回転要素RE1(第1キャリヤCA1)が入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第2回転要素RE2が第1電動機M1に連結され、第3回転要素(第1リングギヤR1)RE3が伝達部材18および第2電動機M2に連結されて、入力軸14の回転を伝達部材18を介して有段変速部20へ伝達する(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。
また、第1電動機M1の発電による反力を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転が上昇あるいは下降させられると、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が下降あるいは上昇させられる。
また、有段変速部20において第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第5回転要素RE5は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結され、第7回転要素RE7は出力軸22に連結され、第8回転要素RE8は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
有段変速部20では、図5に示すように、第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速ないし第4速では、第1電動機M1の回転数を制御することにより、エンジン回転速度NEと同じ回転速度で第8回転要素RE8に無段変速部11すなわち動力分配機構16からの動力が入力される。これに対して、第1電動機M1の回転を止めて第1サンギヤS1を固定した場合には、無段変速部11からの動力がエンジン回転速度NEよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられることにより決まる水平な直線L5と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第5速の出力軸22の回転速度が示される。
上記の第1電動機M1を制御するための第1コントローラ31と、第2電動機M2を制御するための第2コントローラ32とが設けられている。これらのコントローラ31,32は、例えばインバータを主体として構成され、それぞれに対応する電動機M1,M2とを電動機として機能させ、あるいは発電機として機能させるように制御し、併せてそれぞれの場合における回転数やトルクを制御するように構成されている。また、各電動機M1,M2は、各コントローラ31,32を介して蓄電装置33に接続されている。この蓄電装置33は、各電動機M1,M2に電力を供給し、また各電動機M1,M2が発電機として機能した場合に、その電力を充電して蓄える装置であって、二次電池(バッテリ)およびキャパシタから構成されている。
図6は、そのバッテリ33aとキャパシタ33bとの制御系統を説明するためのブロック図であって、それぞれコントローラ31(もしくは32)に接続されている。また、これらのコントローラ31,32を介してバッテリ33aとキャパシタ33bとが接続され、両者の間で適宜に電力を授受できるようになっている。前述した各電動機M1,M2は、電動機として動作するように制御され、また発電機として動作するように制御されるので、バッテリ33aとキャパシタ33bとには、これらの電動機M1,M2のいずれかから電力が充電され、またいずれかの電動機M1,M2に電力を供給(放電)するようになっている。そして、上記の駆動装置が所定の変速比で定常的に動力を伝達しているいわゆる非変速時と、動力の伝達状態が変化する変速時とのいずれにおいても、いずれかの電動機M1,M2が発電し、また電力を消費する。図6には非変速時に授受される電力を変速外エネルギと記し、変速時に授受される電力を変速時エネルギと記してある。
一方、前記各クラッチやブレーキの係合圧や解放圧を制御するための油圧制御装置34が設けられている。この油圧制御装置34は、オイルポンプ(図示せず)で発生した油圧をライン圧に調圧するとともに、そのライン圧を元圧として各摩擦係合装置の係合圧を制御し、あるいは摩擦係合装置を解放させる際の解放圧を制御するように構成されており、具体的には従来の自動変速機で使用されている油圧制御装置を採用することができる。
そして、前記各コントローラ31,32や油圧制御装置34を電気信号によって制御することにより変速機10の全体を制御するための電子制御装置(ECU)40が設けられている。図7は、その電子制御装置40に入力される信号およびその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU,R0M,RAM、および入出カインターフェースなどから成るいわゆるマイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつR0Mに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン8、第1、第2電動機M1,M2に関するハイブリッド駆動制御、有段変速部20の変速制御等の駆動制御を実行するものである。
電子制御装置40には、図7に示すような各センサやスイッチなどから、エンジン水温を示す信号、シフトポジションを表す信号、エンジン8の回転速度であるエンジン回転速度Neを表す信号、ギヤ比列設定値を示す信号、M(モータ走行)モードを指含する信号、エアコンの作動を示すエアコン信号、出力軸22の回転速度N0UTに対応する車速を表す信号、有段変速部20の作動油温(AT油温)を示す油温信号、サイドブレーキ操作を示す信号、フットブレーキ操作を示す信号、触媒温度を示す触媒温度信号、運転者の出力要求量に対応するアクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号、カム角信号、スノーモード設定を示すスノーモード設定信号、車両の前後加速度を示す加速度信号、オートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号、車両の重量を示す車重信号、各車輸の車輪速を示す車輸速信号、第1電動機M1の回転速度を表す信号、第2電動機M2の回転速度を表す信号などが、それぞれ入力される。
また、上記電子制御装置40からは、電子スロットル弁の開度を操作するスロットルアクチュエータヘの駆動信号、燃料噴射装置によるエンジン8への燃料供給量を制御する燃料供給量信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、点火装置によるエンジン8の点火時期を指令する点火信号、電動機M1,M2の作動を指令する各コントローラへの指令信号、シフトインジケータを作動させるためのシフトポジション(操作位置)表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輸のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号、有段変速部20の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御装置34に含まれる電磁弁を作動させるバルブ指令信号、この油圧制御装置34の油圧源である電動油圧ポンプを作動させるための駆動指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータヘの信号等が、それぞれ出力される。
図8は、有段変速部20の変速制御で使用される変速線図を示しており、車速を横軸にとり、要求出力を縦軸によって、これら車速および要求出力をパラメータとして変速段領域が定められている。図8における実線は、アップシフト線を示し、アップシフトする際の各変速段領域の境界となっている。また、図8における破線は、ダウンシフト線を示し、ダウンシフトする際の各変速段領域の境界となっている。
これらの変速段の全ては、ドライブレンジ(ドライブポジション)が選択されている場合に設定可能であるが、手動変速モード(マニュアルモード)では高速側の変速段が制限されるようになっている。図9は上記の電子制御装置40に対してシフトポジション信号を出力するシフト装置42におけるシフトポジションの配列を示しており、車両を停止状態に維持するパーキング(P)、後進段(R:リバース)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の各ポジションがほぼ直線的に配列されている。この配列方向は、例えば車両の前後方向に沿う方向である。そのドライブポジションに対して車両の幅方向で隣接する位置にマニュアルポジション(M)が設けられ、そのマニュアルポジションを挟んで車両の前後方向での両側にアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。これらの各シフトポジションは、シフトレバー43を案内するガイド溝44によって連結されており、したがってシフトレバー43をガイド溝44に沿って移動させることにより適宜のシフトポジションが選択され、その選択されたシフトポジション信号が電子制御装置40に入力されるようになっている。
そして、ドライブポジションが選択された場合には、有段変速部20での第1速から第5速の全ての前進段が走行状態に応じて設定されるようになっている。これに対して、ドライブポジションからマニュアルポジションにシフトレバー43を移動させた状態ではドライブポジションが維持され、第5速までの変速が可能であるが、この状態から1回ダウンシフトポジションにシフトレバー43を移動する都度、ダウンシフト信号(ダウンレンジ信号)が出力され、第5速が禁止された4レンジ、第4速以上が禁止された3レンジ、第3速以上が禁止された3レンジ、第1速に固定されるLレンジに切り替えられるようになっている。なお、アップシフトポジションを選択する都度、アップシフト信号(アップレンジ信号)が出力されて、順次、高速側のレンジに切り替えられるようになっている。
上記変速機10では、駆動トルクに関する要求を満たしつつエンジン8を燃費が最適な回転数で運転し、さらに電力への変換を少なくして動力伝達効率の良い走行を行うために、車速が所定の幅の範囲内ではその車速に応じた変速段を有段変速部20で設定し、その状態で第1電動機M1によって無段変速部11の変速比を連続的に変化させる。これに対して、図8に変速線図で示す変速段領域を渡って走行状態が変化した場合、有段変速部20がその変速線図に従って変速される。具体的には、図4に示す各変速段に応じて摩擦係合装置が係合・解放させられる。このような有段変速部20での変速では、変速比がステップ的に変化するので、エンジン回転数の変化を防止もしくは抑制するために、無段変速部11の変速比は、有段変速部20での変速比の変化とは反対方向に変化させられる。例えば、有段変速部20でダウンシフトすると、その変速比の増大によって、図3に示す入力部材である第8回転要素RE8(第3リングギヤR3と第4サンギヤS4)の回転数が増大するので、その第8回転要素(第8要素)RE8に第1クラッチC1を介して連結されている第1リングギヤR1の回転数が同様に増大するように、第1電動機M1の回転数が増大させられる。これは、エンジン回転数を可及的に維持するように第1リングギヤR1の回転数を増大させる制御であるから、エンジン回転数が相対的に低下し、したがって無段変速部11はアップシフトさせられる。
上記の変速機10では、無段変速部11の変速を第1電動機M1の回転数を変化させて実行し、また有段変速部20の変速の際には、無段変速部11を同時に変速させ、さらに変速の過渡時には、第2電動機M2によってトルクを付加し、あるいはエネルギ回生を行って負のトルクを与える。これらの制御は、電動機M1,M2に電力を供給し、あるいは発電した電力を蓄電装置33に充電することにより行われる。しかしながら、蓄電装置33からの電力の持ち出し(放電)や蓄電装置33への充電は、常時、同等に行えるわけではなく、条件に応じて電力の入出力性が変化する。その条件の一例は温度であって、図10に蓄電装置33の温度特性を模式的に示してある。この図10に示すように、所定の温度範囲を超えると、取り出し得る電力WOUTおよび充電できる電力WINが低下する。なお、温度以外にも、充電量(SOC)や劣化の程度などによっても放電電力WOUTや充電電力WINが低下することがある。このような一般的な特性は、バッテリ33aおよびキャパシタ33bのいずれもほぼ同様であるが、上記のような制約があってもキャパシタ33bの電力の入出力性が、バッテリ33aより優れている。
この発明の制御装置は、蓄電装置33についての上記のような特性による変速制御への影響を回避もしくは低減するために、図1に示す制御を行うように構成されている。図1において、先ず、変速前の状態か、もしくは非変速中か否かが判断される(ステップS1)。変速は、前述した図8の変速線図および車両の走行状態に基づいて電子制御装置40によって判断されるから、その判断の成立の有無によってステップS1の判断を行うことができる。なお、変速前の判断、すなわち変速の予測も同様にして行うことができる。
このステップS1で否定的に判断された場合、すなわち変速中の場合には、特に制御を行うことなくリターンし、これとは反対に肯定的に判断された場合には、変速制御に使用する蓄電装置33としてキャパシタ33bが選択されることに伴い、その充電容量が許容範囲内か否かが判断される(ステップS2)。ここで許容範囲とは、変速制御の際に前記いずれかの電動機M1,M2で必要とする電力を出力できる充電量(SOC)、いずれかの電動機M1,M2から充電できる余裕のある充電量(SOC)である。なお、これは、キャパシタ33b単独について判断してもよく、あるいはバッテリ33aの充電量(SOC)と合算した場合に許容範囲に入るか否かを判断することとしてもよい。
このステップS2で肯定的に判断された場合には、その状態で変速制御を実行できるので、蓄電装置33について特に制御を行うことなくリターンする。これに対して否定的に判断された場合には、この発明の第1蓄電装置に相当するバッテリ33aとこの発明の第2蓄電装置に相当するキャパシタ33bとの間で電力を授受できるか否かが判断される(ステップS3)。バッテリ33aからキャパシタ33bに電力を供給する場合にはバッテリ33aの充電量が十分あること、反対にバッテリ33aにキャパシタ33bから充電する場合には、バッテリ33aが電力を受容できる程度にその充電量に余裕があること、時間が制限されている場合にはその制限時間内に電力の授受が可能であることなどが条件となり、ステップS3ではこれらの条件が成立しているか否かが判断される。
バッテリ33aとキャパシタ33bとの間で電力を授受できることによりステップS3で肯定的に判断された場合には、キャパシタスタンバイ制御が実施される(ステップS4)。すなわち、キャパシタ33bの充電量が許容範囲内となるように、バッテリ33aからキャパシタ33bに電力が移動させられる。ついでリターンする。
一方、ステップS3で否定的に判断された場合には、通常過渡制御が実施不可であることが決定される(ステップS5)。すなわち、変速時に必要とする電力の供給あるいは発電した電力の充電が制約されるため、前述した有段変速部20の変速に対応した無段変速部11の変速に遅れが生じる。したがってこの場合、有段変速部20の変速速度を遅くするように油圧を制御し、あるいは無段変速部11の変速の遅れをそのままにしてエンジン回転数の変化を許容する。
図2は、上記の制御を行った場合のタイムチャートを示しており、変速前の状態がt1時点に判断されると、その時点のキャパシタ33bの充電量が検出され、許容範囲より少ないことにより、バッテリ33aからキャパシタ33bに電力が移動させられる。その結果、キャパシタ33bの充電量が許容範囲内に入り、かつ許容範囲の中央値程度になると(t2時点)、その充電量に維持される。そして、変速出力(例えば有段変速部20を第1速から第2速にアップシフトする変速出力)があると(t3時点)、所定時間後(t4時点)に有段変速部20の入力軸回転数すなわち前記伝動部材18およびこれと一体の第2リングギヤR2の回転数が低下し始める。これと同時に第1電動機M1の回転数が増大させられて、無段変速部11が有段変速部20の変速に同期してダウンシフトされる。その場合の無段変速部11の変速制御にはキャパシタ33bが使用され、その結果、キャパシタ33bの電力の入出力性がバッテリ33aよりも優れていることにより、無段変速部11の変速制御を遅れを生じさせることなく実行できる。
無段変速部11をこのように変速制御することにより、有段変速部20の変速の進行と同期して無段変速部11の変速が進行し、両者の変速がほぼ同時に終了する(t5時点)。そのために、エンジン回転数が変速中に低下するなどの事態が生じることないので、変速ショックが良好になる。これに対して、第1電動機M1の回転数の制御を所期通りに行えずに、無段変速部11の変速に遅れが生じると、図2に鎖線で示すように、有段変速部20のアップシフトに起因してエンジン回転数が引き下げられ、変速ショックが悪化することがある。
なお、上述した制御例は、キャパシタ33bなどの蓄電装置33から電力を放電する場合の制御例であるが、車両の減速時に動力源ブレーキ力を効かせる場合には、例えば第2電動機M2の回生トルクを増大させてその発電量を増大させることがあり、このような場合には、キャパシタ33bの充電量を低下させておくことになる。したがってその場合には、キャパシタスタンバイ制御としてキャパシタ33bからバッテリ33aに電力を移動させることになる。
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS1の機能的手段が、この発明の変速比を変更させる制御の実行前の状態を検出する手段に相当する。また、ステップS2の機能的手段が、この発明の各蓄電装置の充電量の和に基づいて電力の過不足を判断する手段に相当する。さらに、ステップS4の機能的手段が、この発明の充電手段に相当する。
なお、この発明を適用できる変速機は、前述した図3に示す構成のものに限定されないのであって、前進4段を設定できる有段変速部を備えた変速機であってもよい。その例を図11ないし図13に示してある。
図11において、変速機70は、前述の実施例と同様に第1電動機M1、動力分配機構16、および第2電動機M2を備えている無段変速部11と、その無段変速部11と出力軸22との間で伝達部材18を介して直列に連結されている前進3段の有段変速部72とを備えている。動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24を有している。有段変速部72は、例えば「0.532」程度の所定のギヤ比ρ2を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置26と例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ3を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置28とを備えている。第2遊星歯車装置26の第2サンギヤS2と第3遊星歯車装置28の第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2遊星歯車装置26の第2キャリヤCA2と第3遊星歯車装置28の第3リングギヤR3とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第2リングギヤR2は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結され、第3キャリヤCA3は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機70では、例えば、図12の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、および第2ブレーキB2が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段:1st)ないし第4速ギヤ段(第4変速段:4th)のいずれかあるいは後進ギヤ段(後進変速段:R)あるいはニュートラル(N)が選択的に成立させられ、ほぼ等比的に変化する変速比Y(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度N0UT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
例えば、無段変速部11の変速比を一定に維持すれば、変速機70が有段変速機として機能し、図12に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比Y1が最大値例えば「2.804」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比Y2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.531」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比Y3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比Y4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比YRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「2.393」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、全ての係合機構が解放させられる。
一方、変速機70が無段変速機として機能する場合には、無段変速部11が無段変速機として機能し、それに直列の有段変速部72が有段変速機として機能することにより、有段変速部72の第1速、第2速、第3速の各ギヤ段に対しその有段変速部72に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機70全体としてのトータル変速比YTが無段階に得られるようになる。
図13は、差動部あるいは第1変速部として機能する無段変速部11と変速部(自動変速部)あるいは第2変速部として機能する有段変速部72から構成される変速機70において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。
図13における自動変速機72の4本の縦線Y4,Y5,Y6,Y7は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応しかつ相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第3キャリヤCA3を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応しかつ相互に連結された第2キャリヤCA2および第3リングギヤR3を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。また、自動変速機72において第4回転要素RE4は第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第5回転要素RE5は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は自動変速機72の出力軸22に連結され、第7回転要素RE7は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
有段変速部72では、図13に示すように、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより、第7回転要素RE7(R2)の回転速度を示す縦線Y7と横線X2との交点と第5回転要素RE5(CA3)の回転速度を示す縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第6回転要素RE6(CA2,R3)の回転速度を示す縦線Y6との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L3と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速ないし第3速では、エンジン回転速度NEと同じ回転速度で第7回転要素RE7に無段変速部11からの動力が入力される。また、第1電動機M1で第1サンギヤS1の回転を止めて第1遊星歯車装置24を増速機構として機能させると、無段変速部11からの動力がエンジン回転速度Neよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1および第2クラッチC2が係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。
本実施例の変速機70においても、差動部あるいは第1変速部として機能する無段変速部11と、変速部(自動変速部)あるいは第2変速部として機能する有段変速部72とから構成されるので、前述の実施例と同様の効果が得られる。
なお、この発明においては、無段変速部と有段変速部とはいずれがエンジン側に配置されていてもよい。
この発明の制御装置で実行される変速制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係る制御装置で有段変速部のアップシフトと無段変速部のダウンシフトとを同期させるように実行した場合のタイムチャートを示す図である。 この発明で対象とすることのできるハイブリッド車用駆動装置の一例を示すスケルトン図である。 その有段変速部で設定される変速段とそのための油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図3に示す各変速部の動作状態を説明するための共線図である。 バッテリとキャパシタとの制御系統を模式的に示すブロック図である。 電子制御装置の入力信号と出力信号との例を示す図である。 有段変速部についての変速線図の一例を模式的に示す図である。 シフト装置におけるシフトポジションの配列の一例を示す図である。 蓄電装置の電力の入出力特性を示す線図である。 この発明で対象とすることのできるハイブリッド車用駆動装置の他の例を示すスケルトン図である。 図11に示す変速機の有段変速部で設定される変速段とそのための油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図11に示す各変速部の動作状態を説明するための共線図である。
符号の説明
8…エンジン、 10,70…変速機、 11…無段変速部、 16…動力分配機構(差動機構)、 20…有段変速部、 31,32…コントローラ、 33…蓄電装置、 33a…バッテリ、 33b…キャパシタ、 34…油圧制御装置、 40…電子制御装置(制御装置)、 M1…第1電動機、 M2…第2電動機。

Claims (6)

  1. 動力源が出力した動力が入力される変速部を有するとともに、該変速部に接続された蓄電装置への充電もしくは該蓄電装置からの放電を伴って前記変速部の変速比が変化する動力伝達装置の制御装置において、
    前記変速部の変速比を変化させる制御の実行前における前記蓄電装置の充電量が許容範囲内か否かを判断する判断手段と、
    該判断手段によって前記制御の実行前における前記蓄電装置の充電量が前記許容範囲内ではないと判断された場合に、前記制御の実行に先立って前記蓄電装置の充電量を前記制御に使用できる前記許容範囲内の量にする充電手段と
    を備えていることを特徴とする、動力伝達装置の制御装置。
  2. 前記蓄電装置は、第1蓄電装置と、該第1蓄電装置より電力の入出力性に優れた第2蓄電装置とを含み、
    前記変速部の変速比を変化させる制御の際には前記第2蓄電装置から前記変速部に放電しもしくは前記変速部から前記第2蓄電装置に充電するように構成され、かつ
    前記充電手段は、前記第2蓄電装置の充電量を前記制御の実行に先立って前記制御に使用できる量にする手段を含む
    とを特徴とする請求項1に記載の、動力伝達装置の制御装置。
  3. 記第2蓄電装置は、キャパシタを含むことを特徴とする請求項2に記載の、動力伝達装置の制御装置。
  4. 前記判断手段は、前記第1蓄電装置の充電量と前記第2蓄電装置の充電量との合算量が前記許容範囲内か否かを判断するように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の、動力伝達装置の制御装置。
  5. 前記変速部は、前記蓄電装置に接続されかつ前記蓄電装置との間で電力を授受することにより回転数が変化する電動機を備えるとともに該電動機の回転数に応じて変速比が変化する電気的変速部を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の、動力伝達装置の制御装置。
  6. 記変速部は、遊星歯車機構と、該遊星歯車機構におけるトルクの伝達経路を変更する摩擦係合機構とを有しかつその摩擦係合機構の係合・解放の状態に応じて変速比が変化する機械的変速部を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の、動力伝達装置の制御装置。
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