JP5397266B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に備えられる動力伝達装置に関する。
この種の技術として、以下の特許文献1には、バッテリとキャパシタとを有する蓄電装置を備えた動力伝達装置において、キャパシタに変速ショックを緩和するための電力授受要求がある場合に、キャパシタの電力授受を行い、変速制御を実行する技術が記載されている。以下の特許文献2には、二次電池とキャパシタとをモータジェネレータの動力源として備えたハイブリッド車両において、二次電池に過大な電力授受要求がある場合において、二次電池保護のため、キャパシタで電力授受を行う技術が記載されている。
特開2007−118726号公報 特開2007−191088号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、変速制御が行われる際において、車両のスリップ等により駆動力変動が発生すると、電動機と蓄電装置との間における電力授受量が放電電力又は充電電力の制限を超えてしまい、蓄電装置の耐久性が低下する可能性がある。この点について、特許文献2には何ら記載されていない。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、蓄電装置の耐久性低下を防ぐことを課題とする。
本発明の1つの観点では、電動機と、有段変速部と、駆動源からの出力が入力され、前記電動機により差動状態が制御される無段変速部と、第1蓄電部、及び、前記第1蓄電部よりも入出力特性が優れた第2蓄電部を有し、前記有段変速機の変速制御により前記電動機と授受される電力を前記第2蓄電部に蓄電する蓄電装置と、を有する車両用の動力伝達装置であって、車両の走行状況による駆動力伝達変化を予測する予測部と、変速制御による前記電動機と前記蓄電装置との間で授受される電力を前記第1蓄電部から前記第2蓄電部へと移動させ、移動させた電力量の範囲内で変速制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記予測部により駆動力伝達変化が予測された場合には、前記変速制御を行う際の前記電力量の範囲を当該駆動力伝達変化に応じて制限する
動力伝達装置は、車両用の動力伝達装置であって、電動機と、無段変速部と、有段変速部と、蓄電装置と、を有する。無段変速部は、エンジンなどの駆動源からの出力が入力され、前記電動機により差動状態が制御される。蓄電装置は、第1蓄電部、及び、第1蓄電部よりも入出力特性が優れた第2蓄電部を有し、有段変速機の変速制御により電動機と授受される電力を第2蓄電部に蓄電する。また、動力伝達装置は予測部と制御部とを備える。これらは、ECU(Electronic Controlled Unit)により実現される。予測部は、車両の走行状況による駆動力伝達変化を予測する。制御部は、変速制御による電動機と蓄電装置との間で授受される電力を第1蓄電部から第2蓄電部へと移動させ、移動させた電力量の範囲内で変速制御を行う。具体的には、制御部は、予測部により駆動力伝達変化が予測された場合には、変速制御を行う際の電力量の範囲を当該駆動力伝達変化に応じて制限する。これにより、駆動力伝達変化が生じることによる蓄電装置の耐久性低下を抑制することができる。
上記の動力伝達装置の好適な実施例では、前記第1蓄電部はバッテリであり、前記第2蓄電部はキャパシタである。
上記の動力伝達装置の好適な実施例では、前記第1蓄電部はリチウムイオン電池であり、前記第2蓄電部はニッケル水素バッテリである。
上記の動力伝達装置の他の一態様では、前記予測部は、路面状況によって発生する前記駆動力伝達変化を予測する。これにより、路面状況(雨道、雪道等)によって発生するスリップ等から生じる駆動力伝達変化を予測できる。
上記の動力伝達装置の好適な実施例では、前記有段変速部は、前記無段変速部の出力を変速して出力する。
電動機と、有段変速部と、駆動源からの出力が入力され、前記電動機により差動状態が制御される無段変速部と、第1蓄電部、及び、前記第1蓄電部よりも入出力特性が優れた第2蓄電部を有し、前記有段変速機の変速制御により前記電動機と授受される電力を前記第2蓄電部に蓄電する蓄電装置と、を有する車両用の動力伝達装置であって、車両の走行状況による駆動力伝達変化を予測する予測部と、前記予測部により駆動力伝達変化が予測された場合には、駆動力伝達変化が予測されない場合と比較して、変速制御時における前記蓄電部と前記電動機との間で授受される電力量を制限する制御部と、を備える。これにより、駆動力伝達変化が生じても、蓄電装置の耐久性低下を抑制することができる。
本実施形態に係る動力伝達装置の構成図である。 摩擦係合装置における係合作動表を示す図である。 動力伝達装置における各回転要素の回転速度の相対関係を示す共線図である。 ECUに入力される信号およびECUから出力される信号の一例である。 蓄電装置の構成を示す構成図である。 有段変速部の変速制御で使用される変速線図である。 シフトポジションの配列を示す図である。 本実施形態に係る変速制御方法の一例を示すタイムチャートである。 本実施形態に係る制御処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
まず、本実施形態に係る車両の動力伝達装置10の構成の一例について図1を用いて説明する。
図1は、車両の動力伝達装置10の構成図である。動力伝達装置10は、主に、入力軸14と、トルクリミッタ付きダンパー51と、無段変速部11と、有段変速部20と、出力軸22とを直列に備えている。この動力伝達装置10は、例えばハイブリッド車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものである。動力伝達装置10は、走行用の駆動力源たるエンジン8と一対の駆動輪(図示せず)との間に設けられている。エンジン8は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であり、入力軸14に連結されている。駆動輪は出力軸22に連結されている。動力伝達装置10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1においてはその下側が省略されている。入力軸14は、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材である。無段変速部11は、この入力軸14に対し、トルクリミッタ付きダンパー51を介して間接に連結された電気的な変速部である。有段変速部20は、その無段変速部11と駆動輪(図示せず)との間の動力伝達経路で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結されている有段式の変速機として機能する変速部である。駆動軸22は、この有段変速部20に連結されている出力回転部材である。
無段変速部11は、第1電動機M1と、動力分配機構16と、第2電動機M2と、を備える。動力分配機構16は、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に分配する機械的機構であってエンジン8の出力を第1電動機M1および伝達部材18に分配する差動機構として機能する。第2電動機M2は、伝達部材18と一体的に回転するように設けられている。なお、この第2電動機M2は伝達部材18から駆動輪までの間の動力伝達経路を構成するいずれの部分に設けられてもよい。第1電動機M1および第2電動機M2は発電機能をも有するいわゆるモータジェネレータであるが、第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機M2は走行用の駆動力源として駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24を主体として構成されている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR
1である。
この動力分配機構16においては、第1キャリヤCA1は、トルクリミッタ付きダンパー51を介して入力軸14に連結され、第1サンギヤS1は、第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1は、伝達部材18に連結されている。動力分配機構16は、第1遊星歯車装置24の3要素である第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能とされて差動作用が働く差動状態とされる。そのため、エンジン8の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギが蓄電され、または、第2電動機M2が回転駆動される。これにより、無段変速部11(動力分配機構16)は、いわゆる無段変速状態(電気的CVT状態)とされ、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転を連続的に変化させることが可能となる。
有段変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、および、シングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備えている。第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、および、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
有段変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結されている。第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とは一体的に連結されて出力軸22に連結され、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とは一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3は従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置である。これらの油圧式摩擦係合装置は、油圧を加えることにより、2つの部材(例えばクラッチ)間の間に摩擦力を発生させ、当該2つの部材を互いに係合する装置である。油圧式摩擦係合装置としては、例えば、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどを有し、それが介挿されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
また、車両は、第1コントローラ31と、第2コントローラ32と、蓄電装置33と、油圧制御装置34と、ECU(Electronic Controlled Unit)40と備える。
第1コントローラ31は、第1電動機M1を制御するためのものであり、第2コントローラ32は、第2電動機M2を制御するためのものである。これらのコントローラ31、32は、例えばインバータを主体として構成され、それぞれに対応する電動機M1、M2とを電動機として機能させ、あるいは発電機として機能させるように制御し、併せてそれぞれの場合における回転数やトルクを制御するように構成されている。また、各電動機M1、M2は、各コントローラ31、32を介して蓄電装置33に接続されている。この蓄電装置33は、各電動機M1、M2に電力を供給し、また各電動機M1、M2が発電機として機能した場合に、その電力を充電して蓄える装置であって、二次電池(バッテリ)、リチウムイオン電池、キャパシタ、ニッケル水素イオン電池等から構成されている。
油圧制御装置34は、各クラッチやブレーキの係合圧や解放圧を制御するためのものである。油圧制御装置34は、オイルポンプ(図示せず)で発生した油圧をライン圧に調圧するとともに、そのライン圧を元圧として各摩擦係合装置の係合圧を制御し、あるいは摩擦係合装置を解放させる際の解放圧を制御する。この油圧制御装置34としては、具体的には従来の自動変速機で使用されている油圧制御装置を採用することができる。
ECU40は、後に詳しく説明するが、CPU、R0M、RAMおよび入出カインターフェースなどを有し、各コントローラ31、32や油圧制御装置34を電気信号によって制御することにより、動力伝達装置10の全体を制御する。
以上のように構成された動力伝達装置10では、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段:1st)ないし第4速ギヤ段(第4変速段:4th)のいずれかあるいは後進ギヤ段(後進変速段:R)あるいはニュートラル(N)が選択的に成立し、ほぼ等比的に変化する変速比Y(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度N0UT)が各ギヤ段毎に得られるようになっている。図2において、これらの係合作動表を示している。図2に示す係合作動表において、丸印は係合状態になることを示し、無印は解放状態になることを示している。
図2の係合作動表に示すように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第1速ギヤ段(1st)が成立し、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により第2速ギヤ段(2nd)が成立し、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により第3速ギヤ段(3rd)が成立する。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により第4速ギヤ段(4th)が成立し、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により後進ギヤ段(変速機によるRev)が成立させられる。ここで、図2に示すように、車両を後進させるモードとしては、上述の有段変速部20に後進ギヤ段よるモードの他、第2電動機M2によるモード(M2によるRev)もある。この場合には、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合が成立した状態で、車両が後進するように第2電動機M2を逆回転させる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、全ての係合機構が解放される。
図3は、動力伝達装置10における各回転要素の回転速度の相対関係を示す共線図である。この図3の共線図は、各遊星歯車装置24、26、28、30のギヤ比ρの関係を示す横軸と、相対的回転速度を示す縦軸とから成る二次元座標である。図3において、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度「0」を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン8の回転速度Neを示し、横線XGが伝達部材18の回転速度を示している。
また、無段変速部11を構成する動力分配機構16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものである。縦線Y1、Y2、Y3の間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。さらに、有段変速部20の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素RE4、第5回転要素RE5、第6回転要素RE6、第7回転要素RE7、第8回転要素RE8を示している。ここで、第4回転要素RE4は、相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3であり、第5回転要素RE5は、第2キャリヤCA2であり、第6回転要素RE6は、第4リングギヤR4である。また、第7回転要素RE7は、相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4であり、第8回転要素RE8は、相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4である。縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8の間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間の関係においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とするとキャリヤとリングギヤとの間が遊星歯車装置のギヤ比ρに対応する間隔となる。すなわち、無段変速部11では縦線Y1とY2との縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応する間隔に設定される。また、有段変速部20では各第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔に設定され、キャリヤとリングギヤとの間がギヤ比ρに対応する間隔に設定される。
上記図3の共線図を用いて表現すれば、動力伝達装置10は、動力分配機構16(無段変速部11)において、第1遊星歯車装置24の第1回転要素RE1(第1キャリヤC A1)が入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第2回転要素RE2が第1電動機M1に連結され、第3回転要素(第1リングギヤR1)RE3が伝達部材18および第2電動機M2に連結されている。これにより、入力軸14の回転は、伝達部材18を介して有段変速部20へ伝達される。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。
また、第1電動機M1の発電による反力を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転速度を上昇あるいは下降させると、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が下降あるいは上昇する。
また、有段変速部20において、第4回転要素RE4は、第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結されている。第5回転要素RE5は、第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第6回転要素RE6は、第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結されている。第7回転要素RE7は、出力軸22に連結され、第8回転要素RE8は、第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
有段変速部20では、先にも述べたように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第1速ギヤ段(1st)が成立する。このとき、第6回転要素RE6の回転速度は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1が、第1速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L1と縦線Y7との交点が第1速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により第2速ギヤ段(2nd)が成立する。このとき、第5回転要素RE5は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L2が、第2速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L2と縦線Y7との交点が第2速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により第3速ギヤ段(3rd)が成立する。このとき、第4回転要素RE4は「0」となり、第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、縦線Y8と横線XGとの交点と、縦線Y4と横線X1との交点とを通る斜めの直線L3が、第3速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L3と縦線Y7との交点が第3速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により第4速ギヤ段(4th)が成立する。このとき、第4回転要素RE4および第8回転要素RE8の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなる。従って、図3でいうと、横線XGに沿った直線L4が、第4速ギヤ段の共線図となる。なお、直線L4と縦線Y7との交点が第4速ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により変速機による後進ギヤ段(Rev)が成立する。このとき、第4回転要素RE4の回転速度は第3回転要素RE3の回転速度と等しくなり、第6回転要素RE6の回転速度は「0」となる。従って、図3でいうと、縦線Y4と横線XGとの交点と、縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線LRが、後進ギヤ段の共線図となる。なお、直線LRと縦線Y7との交点が後進ギヤ段のときの出力軸22の回転速度を示している。
次に、ECU40の制御について図4を用いて説明する。図4は、ECU40に入力される信号およびECU40から出力される信号を例示している。
ECU40は、CPU、R0M、RAM、および入出カインターフェースなどから成るいわゆるマイクロコンピュータを含んで構成されている。ECU40は、RAMの一時記憶機能を利用しつつR0Mに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン8、電動機M1、M2に関するハイブリッド駆動制御、有段変速部20の変速制御等の駆動制御を実行するものである。ECU40は、図4左側に示すような各センサやスイッチなどから信号を受信し、受信した信号に基づいて、図4右側に示すような制御信号を各装置に送信する。
ECU40は、図4左側に示すような各センサやスイッチなどから信号を受信する。例えば、ECU40は、エンジン水温センサよりエンジン水温を示す信号を受信し、Pb1油圧センサより第1ブレーキB1の油圧を示す信号を受信し、Pb2油圧センサより第2ブレーキB2の油圧を示す信号を受信し、Pb3油圧センサより第3ブレーキB3の油圧を示す信号を受信する。ECU40は、M1回転速度センサより第1電動機の回転速度を示す信号を受信し、M2回転速度センサより第2電動機の回転速度を示す信号を受信し、クランク角センサよりエンジン回転数Neを示す信号を受信する。ECU40は、トーイングスイッチよりトーイングモードを指示する信号を受信し、M(モータ走行)モードスイッチよりMモードを指示する信号を受信し、エアコンスイッチよりエアコンの作動を示すエアコン信号を受信し、車速センサより出力軸22の回転速度に対応する車速を示す信号を受信する。
また、ECU40は、AT油温センサより有段変速部20の作動油温(AT油温)を示す油温信号を受信し、ECTスイッチよりECT(Electronic Controlled Transmission)モード設定を示す設定信号を受信し、サイドブレーキスイッチよりサイドブレーキ操作を示す信号を受信し、フットブレーキスイッチよりフットブレーキ操作を示す信号を受信し、触媒温度センサより触媒温度を示す触媒温度信号を受信し、アクセル開度センサより運転者の出力要求量に対応するアクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号を受信する。ECU40は、EVスイッチより電気走行モードを示す信号を受信し、スノーモードスイッチよりスノーモード設定を示すスノーモード設定信号を受信し、車両加速度センサより車両の前後加速度を示す加速度信号を受信する。ECU40は、オートクルーズ設定スイッチよりオートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号を受信し、パワーモード設定スイッチよりパワーモード設定を示す設定信号を受信し、シフトポジションセンサよりシフトポジションを表す信号を受信する。また、ECU40は、車速センサより駆動輪の車輪速を示す検出信号を受信し、ABSセンサより車体速を示す検出信号を受信する。
ECU40は、図4右側に示すような各装置に対して制御信号を送信する。例えば、ECU40は、電子スロットル弁の開度を操作するための制御信号をスロットルアクチュエータに送信し、過給圧を調整するための制御信号をターボチャージャへ送信し、電動エアコンを作動させるための制御信号を電動エアコンに送信し、エンジン8の点火時期を指令する制御信号を点火装置に送信する。ECU40は、電動機M1、M2の作動を指令する制御信号を第1及び第2コントローラに送信し、蓄電可能な及び放電可能な電力量を調整するための制御信号を蓄電装置に送信し、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号をギヤ比インジケータに送信し、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号をスノーモードインジケータに送信する。ECU40は、油圧を調整するための制御信号をATライン圧コントロールソレノイド、ATソレノイドに送信し、制動時の車輸のスリップを防止するためのABS作動信号をABSアクチュエータに送信し、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号をMモードインジケータに送信する。ECU40は、油圧制御装置34の油圧源である機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプを作動させるための制御信号を機械式オイルポンプおよび電動オイルポンプに送信する。ECU40は、電動ヒータを駆動するための制御信号を電動ヒータに送信し、クルーズコントロールのための制御信号をクルーズコントロール制御用コンピュータに送信し、エンジン8の気筒内に供給される燃料噴射量を調整するための制御信号を燃料噴射装置に供給する。
次に、蓄電装置33の構成について図5を用いて説明する。
この蓄電装置33は、各電動機M1、M2に電力を供給し、また各電動機M1、M2が発電機として機能した場合に、その電力を充電して蓄える装置であって、2つの蓄電部、即ち、二次電池(バッテリ)およびキャパシタを有する。ここで、二次電池にリチウムイオン電池を用いる場合、キャパシタの代わりに、例えばニッケル水素バッテリが好適である。また、一方の電池より入出力特性の優れた電池が他方で用いられていれば良い。
図5は、そのバッテリ33aとキャパシタ33bとの制御系統を説明するためのブロック図であって、それぞれコントローラ31(もしくは32)に接続されている。また、これらのコントローラ31、32を介してバッテリ33aとキャパシタ33bとが接続され、両者の間で適宜に電力を授受できるようになっている。これにより、一方の蓄電部の充電量に過不足が生じても他方の蓄電部によって電力を移動させることができる。前述した各電動機M1、M2は、電動機として動作するように制御され、また発電機として動作するように制御されるので、バッテリ33aとキャパシタ33bとには、これらの電動機M1、M2のいずれかから電力が充電され、またいずれかの電動機M1、M2に電力を供給(放電)するようになっている。そして、上記の駆動装置が所定の変速比で定常的に動力を伝達しているいわゆる非変速時と、動力の伝達状態が変化する変速時とのいずれにおいても、いずれかの電動機M1、M2が発電し、または、電力を消費する。バッテリ33aおよびキャパシタ33bは、ECU40により制御される。例えば、バッテリ33aとキャパシタ33との間における電力授受は、ECU40からの制御信号により制御される。
図6は、有段変速部20の変速制御で使用される変速線図を示しており、車速を横軸にとり、アウトプットトルク(駆動力)を縦軸にとって、これら車速およびアウトプットトルクをパラメータとして変速段領域が定められている。
図6における実線は、アップシフト線を示し、アップシフトする際の各変速段領域の境界となっている。また、図6における破線は、ダウンシフト線を示し、ダウンシフトする際の各変速段領域の境界となっている。また、一点鎖線で囲まれる領域は、モータ走行領域となっており、エンジン8が作動していない状態で、例えば電動機M2により走行が行われる。これらの変速段の全ては、ドライブレンジ(ドライブポジション)が選択されている場合に設定可能であるが、手動変速モード(マニュアルモード)では高速側の変速段が制限されるようになっている。
図7は上記のECU40に対してシフトポジション信号を出力するシフト装置42におけるシフトポジションの配列を示しており、車両を停止状態に維持するパーキング(P)、後進段(R:リバース)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の各ポジションがほぼ直線的に配列されている。この配列方向は、例えば車両の前後方向に沿う方向である。そのドライブポジションに対して車両の幅方向で隣接する位置にマニュアルポジション(M)が設けられ、そのマニュアルポジションを挟んで車両の前後方向での両側にアップシフトポジション(+)とダウンシフトポジション(−)とが設けられている。これらの各シフトポジションは、シフトレバー43を案内するガイド溝44によって連結されており、したがってシフトレバー43をガイド溝44に沿って移動させることにより適宜のシフトポジションが選択され、その選択されたシフトポジション信号がECU40に入力されるようになっている。
そして、ドライブポジションが選択された場合には、有段変速部20での第1速ギヤ段から第4速ギヤ段の全ての前進段が走行状態に応じて設定されるようになっている。これに対して、ドライブポジションからマニュアルポジションにシフトレバー43を移動させた状態ではドライブポジションが維持され、第4速ギヤ段までの変速が可能であるが、この状態から1回ダウンシフトポジションにシフトレバー43を移動する都度、ダウンシフト信号(ダウンレンジ信号)が出力され、第4速ギヤ段以上が禁止された3レンジ、第3速ギヤ段以上が禁止された3レンジ、第1速ギヤ段に固定されるLレンジに切り替えられるようになっている。なお、アップシフトポジションを選択する都度、アップシフト信号(アップレンジ信号)が出力されて、順次、高速側のレンジに切り替えられるようになっている。なお、矢印AWは、第3速ギヤ段から第1速ギヤ段への飛び変速を示している。
上記動力伝達装置10では、駆動トルクに関する要求を満たしつつエンジン8を燃費が最適な回転数で運転し、さらに電力への変換を少なくして動力伝達効率の良い走行を行うために、車速が所定の幅の範囲内ではその車速に応じた変速段を有段変速部20で設定し、その状態で第1電動機M1によって無段変速部11の変速比を連続的に変化させる。これに対して、図6に変速線図で示す変速段領域を渡って走行状態が変化した場合、有段変速部20がその変速線図に従って変速される。具体的には、図2に示す各変速段に応じて摩擦係合装置が係合・解放させられる。このような有段変速部20での変速では、変速比がステップ的に変化するので、エンジン回転数の変化を防止もしくは抑制するために、無段変速部11の変速比は、有段変速部20での変速比の変化とは反対方向に変化させられる。例えば、有段変速部20でダウンシフトすると、その変速比の増大によって、図1に示す入力部材である第8回転要素RE8(第3リングギヤR3と第4サンギヤS4)の回転数が増大するので、その第8回転要素RE8に第1クラッチC1を介して連結されている第1リングギヤR1の回転数が同様に増大するように、第2電動機M2の回転数が増大させられる。
上記の動力伝達装置10では、無段変速部11の変速を第1電動機M1の回転数を変化させて実行し、また有段変速部20の変速の際には、無段変速部11を同時に変速させ、さらに変速の過渡時には、第2電動機M2によってトルクを付加し、あるいはエネルギ回生を行って負のトルクを与える。これらの制御は、電動機M1、M2に電力を供給し、あるいは発電した電力を蓄電装置33に充電することにより行われる。しかしながら、蓄電装置33からの電力の持ち出し(放電)や蓄電装置33への充電は、常時、同等に行えるわけではなく、条件に応じて電力の入出力性が変化する。その条件の一例は温度であり、所定の温度範囲を超えると、取り出し得る電力WOUTおよび充電できる電力WINが低下する。なお、温度以外にも、充電量(SOC)や劣化の程度などによっても放電電力WOUTや充電電力WINが低下することがある。このような一般的な特性は、バッテリ33aおよびキャパシタ33bのいずれもほぼ同様であるが、上記のような制約があってもキャパシタ33bの電力の入出力特性が、バッテリ33aより優れている。
このような放電電力WOUTや充電電力WINに制限がされている状態で、変速制御が行われた場合において、スリップ等の車両の走行状況による駆動力の伝達変化が発生すると、WIN/WOUTの制限を超えてしまう恐れがあり、蓄電装置33の耐久性が低下する可能性がある。
そこで、本実施形態に係る動力伝達装置の制御方法では、車両の走行状況による駆動力伝達変化が生じた場合には、蓄電装置33におけるWIN/WOUTの許可量を制限することとする。
本実施形態に係る動力伝達装置の制御方法の一例について、図8のタイムチャートを用いて説明する。図8のタイムチャートは、Dポジションで走行中にダウンシフトが行われるときのタイムチャートを示しており、時間を横軸にとり、アクセル開度、係合圧、蓄電装置33のWOUT許可量、伝達軸18に入力されるトルクであるAT入力トルク、エンジントルク、電動機トルク、回転数、および、アウトプットトルク(駆動力)を縦軸にとっている。以下では、電動機M1、M2のトルクをそれぞれ、M1トルク、M2トルクと称することとし、電動機M1、M2の回転数をそれぞれ、M1回転数、M2回転数と称することとする。なお、係合圧、AT入力トルク、M2トルク、アウトプットトルクについて、破線は、通常の変速制御における変化を示し、実線は、駆動力伝達変化が生じた場合の変速制御における変化を示している。
例えば、ダウンシフトの一例として、3速ギヤ段から2速ギヤ段へとダウンシフトさせる場合の変速制御方法について説明する。この場合、図8に示す係合圧は、第1ブレーキB1の係合圧となる。
ECU40は、3段ギヤ段で運転している状態で、アクセル開度が上昇して、3段ギヤ段から2段ギヤ段へと変速させる判断を行ったとする。このとき、ECU40は、ブレーキB1、B2の油圧を制御することにより、第1ブレーキB1が係合されている状態から第2ブレーキB2が係合されている状態へと変化させる。つまり、図8に示すように、第1ブレーキの係合圧は次第に低下させられる。これに伴い、第2ブレーキB2の係合圧が増大させられる。
第1ブレーキB1が係合されている状態から第2ブレーキB2が係合されている状態へと変化すると、第8回転要素RE8の回転数が増大する。それに伴い、図8に示すように、その第8回転要素RE8に第1クラッチC1を介して連結されている第1リングギヤの回転数、即ち、M2回転数も増大する。ここでは、アクセル開度が上昇するにつれ、エンジントルクが増大し、エンジン回転数も増大する。従って、図8に示すように、エンジン回転数が増大するにつれて、M1回転数も増大する。
ここで、駆動力伝達変化が発生する場合の本変速制御の制御方法について説明する。
時刻t1において、ECU40は、バッテリ33aについて、WIN/WOUTの制限がされているか否かについて判定する。これは、通常、電動機M1、M2は、バッテリ33aと電力授受を行うからである。ダウンシフトでは、放電電力WOUTが制限されるWOUT制限が問題となり、アップシフトでは、充電電力WINが制限されるWIN制限が問題となる。図8のタイムチャートでは、ダウンシフトが行われている場合を示しているので、WOUT制限が問題となる。時刻t1において、ECU40は、バッテリ33aのWOUT制限がされていると判定している。ECU40は、バッテリ33aのWOUT制限がされており、かつ、電動機M1、M2とバッテリ33aとの間で電力授受ができないと判定した場合には、バッテリ33aより電力の入出力特性が優れているキャパシタ33bと電動機M1、M2との間で電力授受を行うこととする。
時刻t2において、ECU40は、アクセル開度に基づいて、変速を行うことを決定する変速判断を行っている。このとき、ECU40は、変速制御により電動機M1、M2と蓄電装置33との間で授受される電力をバッテリ33aからキャパシタ33bに移動させる。
次に、ECU40は、車両の走行状況による駆動力伝達変化、具体的には、スリップなどの外乱による駆動力伝達変化が発生するか否かを予測する。このような駆動力の伝達変化が発生した場合には、変速制御により電動機M1、M2と蓄電装置33との間で授受される電力とは別に、当該駆動力伝達変化による電力が必要になる。駆動力伝達変化の予測方法としては、例えば、ECU40は、ABSセンサからの検出信号に基づいて求められる車体速と、車速センサからの検出信号に基づいて求められる車輪速との偏差に応じて、スリップによる駆動力伝達変化を予測することができる。なお、このようにする代わりに、または、加えて、ECU40は、ナビゲーションシステムからの情報に基づいて、路面状況を検出し、当該路面状況に応じて、駆動力伝達変化を予測するとしても良い。これにより、路面状況(例えば雨道、雪道など)によって発生するスリップ等から生じる駆動力伝達変化を予測することができる。
ECU40は、車両の走行状況による駆動力伝達変化が発生しないと予測した場合には、破線で示すWOUT許可量WO1の範囲内で通常の変速制御を行う。ここで、WOUT許可量WO1は、変速制御により電動機M1、M2と蓄電装置33との間で授受される電力に応じて決められる。
一方、ECU40は、車両の走行状況による駆動力伝達変化が発生すると予測した場合には、実線で示すWOUT許可量WO2の範囲内で変速制御を行う。WOUT許可量WO2は、WOUT許可量WO1と比較して、低く設定されており、予測される駆動力伝達変化に応じて決められる。つまり、通常の変速制御と比較して、この場合には、電動機M1、M2と蓄電装置33との間で授受される電力量が制限される。このように、WOUT許可量を制限することで、車両の走行状況による駆動力伝達変化によって電動機M1、M2と逐電装置33との間における電力授受に変化が生じた場合であっても、WOUT許可量WO1を超えることなく電力授受を行うことができ、蓄電装置33の耐久性低下を防ぐことができる。
WOUT許可量WO2の範囲内で変速制御を行う具体的な方法としては、図8のタイムチャートに示すように、通常の変速制御の場合と比較して、M2トルクを低く設定する方法が考えられる。通常の変速制御の場合と比較して、M2トルクを低く設定することにより、蓄電装置33から取り出される電力をWOUT許可量WO2の許可範囲内に抑制することができる。なお、このときは、通常の変速制御と比較して、係合圧も低く設定される。図8のタイムチャートに示すように、通常の変速制御の場合と比較して、M2トルクが低く設定されることにより、AT入力トルクは低下し、アウトプットトルクも低下する。なお、ここで、ECU40は、電子スロットル制御や点火遅角を行うことで、変速特性を向上するとしても良い。
なお、図8に示す例では、ダウンシフト時における蓄電装置33のWOUT許可量の例について述べたが、アップシフト時における蓄電装置33のWIN許可量についても同様に本発明を適用することができる。具体的には、ECU40は、スリップなどの車両の走行状況による駆動力伝達変化が予測される場合には、WIN許可量を制限して変速制御を行うとすれば良い。
上述の本実施形態に係る動力伝達装置の制御処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS101において、ECU40は、クランク角センサなどの検出信号に基づいて、エンジン走行中か否かについて判定する。ECU40は、エンジン走行中でないと判定した場合には(ステップS101:Yes)、本制御処理をリターンする。一方、ECU40は、エンジン走行中であると判定した場合には(ステップS101:No)、ステップS102の処理へ進む。
ステップS102において、ECU40は、バッテリ33aについてWIN/WOUTの制限がされているか否かについて判定する。アップシフトではWIN制限が問題となり、ダウンシフトではWOUT制限が問題となる。ECU40は、バッテリ33aについてWIN/WOUTの制限がされていると判定した場合には(ステップS102:Yes)、ステップS103の処理へ進み、バッテリ33aについてWIN/WOUTの制限がされていないと判定した場合には(ステップS102:No)、ステップS105の処理へ進む。ステップS105において、ECU40は、通常の変速制御を行い、本制御処理をリターンする。
ステップS103において、ECU40は、変速を行う際に、バッテリ33aにおいて電力収支の問題が発生するか否かについて判定する。問題とは、変速に伴って、電動機M1、M2の間における電力収支のバランスがずれて、かつ、電動機M1、M2とバッテリ33aとの間で電力の授受ができない状態を意味する。別の言い方をすると、蓄電装置33の電圧が上限許容値以上あるいは下限許容値以下になることを意味する。つまり、電動機M1、M2とバッテリ33aとの間で電力の授受をした場合において、バッテリ33aの耐久性に影響を与える可能性がある状態を意味する。ECU40は、変速を行う際に、バッテリ33aにおいて、電力収支の問題が発生すると判定した場合には(ステップS103:Yes)、ステップS104の処理へ進み、電力収支の問題が発生しないと判定した場合には(ステップS103:No)、ステップS105の処理へ進む。
ステップS104において、ECU40は、変速制御により電動機M1、M2との間で授受される電力をバッテリ33aとキャパシタ33bの容量で確保できるようにし、その範囲で変速制御を実行する。例えば、ダウンシフトの場合には、図8のタイムチャートで示したような変速制御を行う。即ち、変速制御による電動機M1、M2と蓄電装置33との間で授受される電力をバッテリ33aからキャパシタ33bへと移動させ、それにより確保されたWOUT許可量の範囲内で変速制御を行う。ここで、ECU40は、車両の走行状況の変化による駆動力伝達変化が予測される場合には、蓄電装置33のWOUT許可量を制限して変速制御を行う。なお、バッテリ33aからキャパシタ33bへと移動させる電力量は、変速の変化の速さやエンジントルクの大きさに応じて、変化させるとしても良い。例えば、飛び変速などのように変速が速くなるほど、又は、エンジントルクが大きくなるほど、電力収支の過不足が大きくなるので、これらの値が大きくなるほど、移動させる電力量を大きくするとしても良い。この後、ECU40は、本制御処理をリターンする。
上述したことから分かるように、本実施形態に係る動力伝達装置の制御処理では、ECU40は、変速制御時による電動機と蓄電装置との間で授受される電力をバッテリ33aからキャパシタ33bへと移動させ、その移動させられた電力量の範囲内で変速制御を行うこととする。例えば、ダウンシフトが行われる場合において、スリップなどの車両の走行状況による駆動力伝達変化が予測される場合には、ECU40は、WOUT許可量を制限して変速制御を行う。このようにすることで、駆動力伝達変化が生じた場合であっても、蓄電装置33の耐久性が低下するのを防ぐことができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、電動機M1、M2の2つの電動機を有する動力伝達装置に本発明を適用するとしているが、これに限られるものではなく、1つの電動機を有する動力伝達装置に本発明を適用するとしても良いのは言うまでもない。また、動力伝達装置としては、上述の無段変速部11の出力が有段変速部20へ直接入力されるものには限られない。この代わりに、例えば、第2電動機M2からの出力が、減速機構などの他の遊星歯車機構へ入力され、当該他の遊星歯車機構からの出力が無段変速部および駆動軸に入力されるような動力伝達装置であっても本発明を適用可能であるのは言うまでもない。この場合、減速機構などの他の遊星歯車機構が有段変速部に対応する。
8 エンジン
10 動力伝達装置
11 無段変速部
20 有段変速部
34 油圧制御装置
40 ECU
M1、M2 電動機
C1、C2、B1、B2、B3 摩擦係合装置

Claims (5)

  1. 電動機と、
    有段変速部と、
    駆動源からの出力が入力され、前記電動機により差動状態が制御される無段変速部と、
    第1蓄電部、及び、前記第1蓄電部よりも入出力特性が優れた第2蓄電部を有し、前記有段変速機の変速制御により前記電動機と授受される電力を前記第2蓄電部に蓄電する蓄電装置と、を有する車両用の動力伝達装置であって、
    車両の走行状況による駆動力伝達変化を予測する予測部と、
    変速制御による前記電動機と前記蓄電装置との間で授受される電力を前記第1蓄電部から前記第2蓄電部へと移動させ、移動させた電力量の範囲内で変速制御を行う制御部と、を備え
    前記制御部は、前記予測部により駆動力伝達変化が予測された場合には、前記変速制御を行う際の前記電力量の範囲を当該駆動力伝達変化に応じて制限すること特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記第1蓄電部はバッテリであり、前記第2蓄電部はキャパシタである請求項に記載の動力伝達装置。
  3. 前記第1蓄電部はリチウムイオン電池であり、
    前記第2蓄電部はニッケル水素バッテリである請求項に記載の動力伝達装置。
  4. 前記予測部は、路面状況によって発生する前記駆動力伝達変化を予測する請求項1乃至のいずれか一項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記有段変速部は、前記無段変速部の出力を変速して出力する請求項1乃至のいずれか一項に記載の動力伝達装置
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